JPH1015517A - 廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法及び漏水防止方法 - Google Patents

廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法及び漏水防止方法

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JPH1015517A
JPH1015517A JP8169967A JP16996796A JPH1015517A JP H1015517 A JPH1015517 A JP H1015517A JP 8169967 A JP8169967 A JP 8169967A JP 16996796 A JP16996796 A JP 16996796A JP H1015517 A JPH1015517 A JP H1015517A
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JP
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waste disposal
disposal site
groundwater
water
drainage pipe
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JP8169967A
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Inventor
Katsumi Kotani
克己 小谷
Masao Kuroiwa
正夫 黒岩
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 破損箇所の検知や補修のための設備が設けら
れていない既設の廃棄物処分場に対して、有効な対策を
提供する。 【解決手段】 地下水流出用の排水配管16と、浸出水
排水槽20とを備えた既設の廃棄物処分場10におい
て、新たに、廃棄物処分場10の外部に位置する箇所
に、複数の放流開口23を有する地下水排水管22を、
排水配管16と連通させた状態で立設配置する。そし
て、放流開口23を開閉して地下水排水管22と浸出水
排水槽20との間に所定の水頭差を保持し、破損箇所を
貯留水が通過することによる浸出水排水槽20内の水位
の変動を検知して破損箇所の有無を検出する。また、破
損箇所が検出された場合には、地下水排水管22内の水
位を浸出水排水槽20内の水位よりも上方に保持して、
その水頭差により汚水を廃棄物処分場の内部に封じ込め
ることによって、汚水の漏出を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、廃棄物処分場に
おける漏水検出方法及び漏水防止方法に関し、特に、既
設の廃棄物処分場において、遮水シートの破損箇所の有
無を検出するための漏水検出方法、及び遮水シートの破
損箇所が検出された場合に当該破損箇所を介した廃棄物
処分場の内部から周囲の地盤への汚水の漏出を防止する
ための漏水防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物を投棄するため
の施設である埋立型の廃棄物処分場として、谷沢型の処
分場などの、例えば山間部に形成されている凹部を仕切
るようにして盛土を行ったり、その他の整地を施して利
用するものや、山間部や平野部等に新たに凹部を掘削形
成して埋立処分場とするものなどが知られているが、こ
のような廃棄物最終処分場では、処分場に投棄された廃
棄物から浸出する浸出水すなわち汚水が、地中に浸透し
て周囲の地盤を汚染するのを防止するために、これらの
処分場の底面部に遮水工を施工することが義務付けられ
ている。
【0003】そして、このような遮水工としては、確実
性、安全性、施工性、経済性等の観点から、主として、
軟質の合成樹脂系あるいはゴム系の遮水シートを廃棄物
処分場の底面部に敷設する方法が採用されている。ま
た、かかる遮水工は、アスファルト被覆や合成繊維シー
トなどを用いて行われる場合もある。
【0004】一方、これらの遮水シートは、廃棄物中の
突起物が突き刺さったり、その他の種々の要因によって
破損する場合があり、このうような破損箇所を介して内
部の貯留水が周囲の地盤に漏出し、周囲の環境に影響を
与えることになるという問題を生じるおそれがある。
【0005】したがって、このような問題に対処すべ
く、廃棄物処分場を造成する際に、例えば遮水シートを
二重に敷設してこれの構造を強化する方法や、例えば特
開平6−63525号、特開平6−63526号等に示
されるように、廃棄物処分場の底面に敷設される二重構
造の遮水シートを水密な複数の区画に分割しておき、各
区画を真空吸引し、漏水を検出することによって破損箇
所を特定するとともに、特定された区画内に注入固化材
を圧送注入することにより当該破損箇所の補修を行なう
ようにした方法等が提案されている。
【0006】また、本願出願人等の出願に係る特願平7
−343670号には、敷設された遮水シートの表面
に、仕切部材で縦横に仕切って区画された多数の注入材
の充填空間を形成保持し、遮水シート上に配設した電気
検知用端子により、破損箇所からの漏洩電流を検出して
遮水シートの破損箇所を特定し、この破損箇所を含む区
画に注入材を充填固化して当該破損箇所を補修するよう
にした方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法によれば、いずれも、廃棄物が投入される以前
の当該廃棄物処分場を造成する段階で、上述のような破
損防止あるいは破損箇所の検知・補修のための設備を設
ける必要があるため、これらの設備が設けられていな
い、既に廃棄物が投入された後の既設の廃棄物処分場に
対しては、有効な対策とはなり得ないという課題があっ
た。
【0008】すなわち、例えば単に一重の遮水シートで
遮水工が施工されている既設の廃棄物処分場において、
地下水の汚染などにより遮水シートの破損が判明した場
合には、投棄した廃棄物を一旦取り除いた後に破損箇所
の検査、補修を行わなければならず、その作業に手間が
かかるため、多大な施工コストと時間とを要することに
なるという問題がある。
【0009】一方、既設の廃棄物処分場では、通常、廃
棄物処分場の周囲の地下水を逃がして、これを河川や湖
沼、海等の所定の水域に放流するための排水配管が、遮
水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延
長配設されているとともに、廃棄物処分場の内部には、
廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排
水槽が、必要不可欠な設備として設けられているのが一
般的であるので、このような既存の設備を利用しつつ、
敷設した遮水シートの破損箇所の有無を検出したり、破
損箇所からの汚水の漏出を防止することができれば便宜
である。
【0010】そこで、この発明は、このような従来の課
題に着目してなされたもので、廃棄物処分場に一般的に
設けられる設備を利用しつつ、簡易かつ容易に遮水シー
トの破損箇所の有無を検出することのできる廃棄物処分
場における遮水シートの破損検出方法、及び破損箇所が
検出された場合に、当該破損箇所からの汚水の漏出を容
易に防止することのできる廃棄物処分場における漏水防
止方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、その要旨は、廃棄物処
分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら
廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の
水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設
けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための
浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮
水シートの破損箇所の有無を検出するための方法であっ
て、前記排水配管には、前記廃棄物処分場の外部に位置
する箇所に、垂直方向に異なる高さに開口する複数の放
流開口を有する地下水排水管を、前記排水配管と連通さ
せた状態で立設配置し、前記地下水排水管の前記放流開
口を下方から閉塞して、前記地下水排水管内の水位を前
記廃棄物処分場内の汚水の水位より上方に位置させ、こ
れらの水位の水頭差による前記遮水シートの破損箇所を
介した前記浸出水排水槽内の水位の上昇を検知して、前
記遮水シートの破損箇所の有無を検出することを特徴と
する廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法に
ある。
【0012】また、この発明の他の要旨は、廃棄物処分
場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら廃
棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の水
域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設け
られて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸
出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮水
シートの破損箇所の有無を検出するための方法であっ
て、前記排水配管には、前記廃棄物処分場の外部に位置
する箇所に、垂直方向に異なる高さに開口する複数の放
流開口を有する地下水排水管を、前記排水配管と連通さ
せた状態で立設配置し、下方に位置する前記放流開口を
閉塞して上方に位置する前記放流開口から地下水を放流
している状態から、下方に位置する前記放流開口を開放
して当該下方の放流開口から地下水を放流し、前記地下
水排水管内の水位の低下に伴う前記遮水シートの破損箇
所を介した前記浸出水排水槽内の水位の低下を検知し
て、遮水シートの破損箇所の有無を検出することを特徴
とする廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法
にある。
【0013】さらに、この発明の他の要旨は、廃棄物処
分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら
廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の
水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設
けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための
浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮
水シートの破損箇所が検出された場合に当該破損箇所を
介した廃棄物処分場の内部から周囲の地盤への汚水の漏
出を防止するための方法であって、前記排水配管には、
当該排水配管と連通して上方に延長する地下水を放出す
るための地下水排水管を廃棄物処分場の外部において立
設配置し、該地下水排水管における水位を、前記浸出水
排水槽内の水位よりも上方に保持して、これらの水位の
水頭差により廃棄物処分場の内部に汚水を封じ込めるこ
とによって、前記破損箇所を介した汚水の漏出を防止す
ることを特徴とする廃棄物処分場における漏水防止方法
にある。
【0014】さらにまた、この発明の漏水防止方法によ
れば、前記地下水排水管には、垂直方向に異なる高さに
開口するとともに、例えば開閉コック等の開閉手段を備
えた複数の放流開口を設け、該放流開口を下方に位置す
るものから順次閉塞して、前記地下水排水管内の地下水
の水位を前記浸出水排水槽内の水位よりも上方に保持す
るようにすることが好ましい。
【0015】そして、この発明の廃棄物処分場における
遮水シートの破損検出方法によれば、廃棄物処分場にお
いて、周囲の地下水を流下放出させるために設けられて
いる排水配管に対して、複数の放流開口を有する地下水
排水管を設置するだけの簡易な構成によって、容易に実
施することができる。
【0016】すなわち、このようにして設置した地下水
排水管の放流開口を、例えば各放出開口に設けた開閉コ
ック等を閉じることなどにより、下方に位置する放流開
口から順次上方に向かって閉塞してゆけば、これに伴っ
て地下水排水管内における水位が順次上昇して行くこと
になり、やがて地下水の放出される水位が、廃棄物処分
場内に配置された浸出水排水槽内の浸出水の水位を超え
ることになる。
【0017】そして、このような地下水の放出水位が浸
出水排水槽内の水位を越えている状態を保持しておけ
ば、これらの間の水頭差によって、遮水シートに破損箇
所がある場合には、当該破損箇所を介して地下水が浸出
水排水槽内に流入してゆくことになり、これによって当
該浸出水排水槽内の水位が上昇することになる。
【0018】したがって、浸出水排水槽内におけるこの
ような水位の上昇を検知することにより、遮水シートの
破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0019】なお、上記地下水排水管に開口形成される
放流開口は、浸出水排水槽内の水位を挟んで少なくとも
2箇所以上に設けておけば、この発明を実施することが
できる。
【0020】また、この発明の他の遮水シートの破損検
出方法によれば、下方に位置する放流開口を閉塞して上
方に位置する放流開口から地下水を放流している状態か
ら、当該下方に位置する放流開口を開放してここから地
下水を放流するようにすれば、地下水排水管内の水位が
低下してゆくので、やがてこの水位が、浸出水排水槽内
の水位よりも下方に位置するか、あるいはさらに下方に
位置するようになる。
【0021】すなわち、浸出水排水槽内の水位を上方と
する、地下水排水管内の水位との間の水頭差が増加して
行くことにより、この水頭差によって、遮水シートに破
損箇所がある場合には、当該破損箇所を介して処理場内
の汚水が処理場の外部に漏出し、浸出水排水槽内の水位
が下降してゆくことになる。
【0022】したがって、浸出水排水槽内におけるこの
ような水位の下降を検知することにより、遮水シートの
破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0023】なお、この場合、排水配管に沿って流下す
る地下水には、破損箇所を介して漏出し流入してきた汚
水が含まれることになることから、汚水による地下水の
水質の汚濁を検査することによっても、遮水シートの破
損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0024】一方、この発明の廃棄物処分場における漏
水防止方法によれば、廃棄物処分場において、周囲の地
下水を流下放出させるために設けられている排水配管に
対して、これと連通する地下水排水管を立設配置するだ
けの簡易な構成によって、容易に実施することができ
る。
【0025】すなわち、排水配管を流下してきた地下水
は地下水排水管に流入し貯留されることになるが、この
貯留された地下水の放出量や浸出水排水槽から汲み上げ
られる汚水の排出量を調節することによって、地下水排
水管の内部における水位が、浸出水排水槽内の水位より
も常時上方に位置するように制御すれば、これらの間の
水頭差により、水圧を負荷して廃棄物処分場の内部に汚
水を封じ込めることができ、これによって、破損箇所を
介した汚水の漏出が容易に防止されることになる。
【0026】なお、地下水排水管内の水位の調節は、例
えばこれの内部に設けた貯留水放流用の排水ポンプを駆
動するとともに、この排水ポンプによる放流量を制御す
ることによって容易に行うこともできるが、地下水排水
管に、例えば開閉コック等の開閉手段を備えた放流開口
を垂直方向に異なる高さに複数設け、これらの放流開口
のうち下方に位置するものを閉塞して、浸出水排水槽内
の水位より上方に位置する放流開口からのみ地下水を放
流するようにすれば、地下水排水管から地下水を自然に
放流させながら、地下水排水管内の水位と浸出水排水槽
内の水位との間の所定の水頭差を容易に保持することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態すなわち実施例について、添付図面を参照しつつ詳
細に説明する。図1は、いわゆる谷沢型の既設の廃棄物
処分場10に対して、この発明の一実施例にかかる遮水
シートの破損検出方法及び漏水防止方法を適用した一例
を示すものである。
【0028】すなわち、この実施例の廃棄物処分場10
は、谷や沢として自然に形成されている凹部の下流側を
盛土構造物としてのダム11によって仕切るとともに、
内部や周囲の地盤を整地して造成されたものである。
【0029】また、この実施例の廃棄物処分場10によ
れば、これの周辺の地盤は、不透水層等の透水性の低い
地盤によって構成され、またこれの下流側を締切るダム
11は、この透水性の低い地盤上に、遮水性の高い土砂
材料を用いてアースダムとして造成されていることによ
り、廃棄物処分場10の底部あるいは周囲の地盤は、全
体的に遮水性に富んだ構造となっている。
【0030】さらに、この実施例の廃棄物処分場10に
は、廃棄物13から浸出する汚水が周囲の地盤に流出す
るのを防止するための遮水工として、遮水シート12
が、廃棄物処分場10の底部あるいは周囲の地盤を覆う
ようにして敷設施工されている。
【0031】すなわち、かかる遮水工は、図2にも拡大
して示すように、底部や周囲の地盤に、例えば砂質土等
の透水性に富んだ土砂材料や不織布等を下地材14とし
て所定の厚さに敷き均して下地処理を行った後、これの
上面に遮水シート12を敷設し、さらに敷設した遮水シ
ート12を覆うようにして保護砂や不織布等からなる保
護マット15を所定の厚さで積層することによって構成
されている。なお、この保護マット15は、廃棄物処分
場10に投棄された廃棄物13が遮水シート12と接触
すことにより、当該遮水シート12が破損するのを防止
すべく、遮水シート12と廃棄物13との間に介装する
ようにして設けられるものである。
【0032】なお、遮水シート12は、例えば軟質の合
成樹脂系あるいはゴム系のシート部材を用いて製作され
るもので、一枚ものとして広大な廃棄物処分場10の全
底面領域を一度に覆うことは困難なため、施工に適した
所定の大きさの単位遮水シートを、敷設作業現場におい
て、例えば熱溶着や接着剤を介した圧着により、その端
部を重ね合わせて接合し、廃棄物処分場10の底面を覆
い得る大きさに一体化した状態で敷設されることにな
る。
【0033】さらに、この実施例の廃棄物処分場10に
は、遮水シート12の下方に沿った処分場の底部に溝1
7を形成し、この溝17に沿って、例えば有孔管からな
る排水配管16を、周囲を玉砂利や砕石等の防護材18
により覆われた状態で布設することにより、不透水層内
の亀裂等を介して流入して来る地下水を排出するため
の、地下水排水工が施されている。
【0034】すなわち、このようにして遮水シート12
の下方に沿って配設された排水配管16は、ダム11の
底部を貫通して廃棄物処分場10の外部に延長し、先端
の開口から地下水を河川等の周囲の水域に放流排出する
ことができるようになっている。
【0035】一方、遮水シート12の上方には、例えば
不織布等によって周囲を覆われた有孔管等からなる浸出
水排水管19が、遮水シート12の上面の保護マット1
5中に埋設されて、遮水シート12に沿って延長配設さ
れているとともに、その先端が、廃棄物処分場10の最
深部分において立設配置された浸出水排水槽20に開口
連通して、廃棄物13から浸出する浸出水すなわち汚水
をこの浸出水排水槽20に流下貯留するようになってい
る。
【0036】また、この浸出水排水槽20は、例えばP
Cコンクリート管等からなる円筒形状の貯留槽であっ
て、最深部分の地盤上に形成した基礎底版21上から遮
水シート12を貫通して、廃棄物13を投入した後の地
上に至る高さまで立設延長しているとともに、この浸出
水排水槽20の内部には、例えば渦巻き型の高揚程の排
水ポンプが設置されており、貯留された汚水を適宜汲み
上げて処理施設等に給送することができるようになって
いる。
【0037】なお、この実施例では、上述の遮水シート
12、排水配管16、浸出水排水管19、浸出水排水槽
20等の設備は、既設の廃棄物処分場10の一般的な設
備として既に設けられているものであって、このような
設備を有する廃棄物処分場10に対して、廃棄物13
が、既に投入埋設されていることになる。
【0038】また、遮水シート12に対する浸出水排水
槽20の貫通部分においては、接着剤や熱溶着その他の
接続手段を用いることにより、遮水シート12と浸出水
排水槽20の外周部分とが強固に密着接続されており、
これによって遮水シート12による遮水性が強固に保持
されている。
【0039】そして、この実施例の遮水シートの破損検
出方法及び漏水防止方法を実施するには、このような既
存の設備に加えて、廃棄物処分場10の外部に延長する
排水配管16の放流口と連通接続するようにして、地下
水排水管22を新たに立設設置する。
【0040】すなわち、この地下水排水管22は、例え
ばPCコンクリート管等からなる前記浸出水排水槽20
と略同様の高さを有する円筒体であって、これの下流側
の側面には、垂直方向に異なる高さに、複数の放流開口
23が開口形成されているとともに、各放流開口23に
は、開閉コック24が設けられていて、これを開放する
ことにより、当該放流開口23から、地下水排水管22
に流入して貯留されている地下水を、下流の河川等に放
流することができ、また、これを閉塞することにより、
当該放流開口23からの放流を遮断することができるよ
うになっている。
【0041】したがって、下方に位置するものから順次
放流開口23を閉塞しゆけば、当該閉塞した放流開口2
3の直上に位置する放流開口23のみから地下水を放流
させることができ、これによって、地下水排水管22内
の水位を、地下水を自然放流させながら、選択された特
定の放流開口23が位置する高さに、任意かつ容易に調
節保持することができるようになっている。
【0042】なお、この地下水排水管22は、クレーン
を用いて円筒体を吊り下げたり型枠の組立後にコンクリ
ートを打設する等の公知の種々の構築方法を用いて、底
面地盤上に設けた基礎底版25上に容易に構築設置する
ことができる。
【0043】そして、この発明の実施例にかかる遮水シ
ート12の破損検出方法及び漏水防止方法によれば、以
下のようにして、遮水シート12の破損の有無を検知
し、また遮水シート12の破損が確認された場合には、
当該破損箇所からの汚水の漏水を防止することになる。
【0044】すなわち、地下水排水管22の放流開口2
3を下方から順次閉塞して、地下水排水管22内の水位
を、廃棄物処分場10内の汚水の水位である浸出水排水
槽20の水位よりも上方に位置させる。
【0045】そして、このようにして、地下水排水管2
2からの地下水の放出水位が、浸出水排水槽20内の水
位を超えているような状態を保持しておけば、これらの
水位の間には水頭差が常時生じていることになる。
【0046】したがって、遮水シート12に破損箇所が
ある場合には、この水頭差により、当該破損箇所を介し
て地下水が浸出水排水槽20内に流入し、当該浸出水排
水槽20内の水位が上昇することになるため、このよう
な浸出水排水槽20内における水位の上昇を検知するこ
とにより、遮水シート12の破損箇所の有無が容易に検
出されることになる。
【0047】一方、地下水排水管22内の水位が、浸出
水排水槽20内の汚水の水位より高く保持されている状
態から、閉塞している開閉コック24を上方から順次開
放してゆけば、地下水排水管22内の水位が徐々に低下
してゆき、浸出水排水槽20内の汚水の水位よりも下方
に位置するようになるとともに、引き続き下方の開閉コ
ック24を開放してゆことにより、さらに下方に低下し
てゆくことになる。
【0048】したがって、浸出水排水槽20と地下水排
水管22との間には、浸出水排水槽20の水位を上方と
する水頭差が生じるとともに、この水頭差が増大してゆ
くので、この水頭差によって、遮水シート12に破損箇
所がある場合には、当該破損箇所を介して汚水が廃棄物
処分場10の外部に漏出して、浸出水排水槽20内の水
位が下降してゆくことになるため、浸出水排水槽20内
におけるこのような水位の下降を検知することにより、
遮水シート12の破損箇所の有無が容易に検出されるこ
とになる。
【0049】また、この場合、排水配管に沿って流下す
る地下水には、破損箇所を介して漏出してきた汚水が排
水配管に流入して、この汚水が含まれていることになる
ことから、地下水排水管22内に流下してきた地下水の
水質の汚濁状況を検査することによっても、遮水シート
12の破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0050】なお、このような検出作業中、浸出水排水
槽20内に設置した排水ポンプは、その駆動を停止して
おく。
【0051】そして、このようにして遮水シート12の
破損が検出されたら、今度は、下方に位置する放流開口
23の開閉コック24を閉塞して、地下水排水管22内
の水位を高い位置に保持するとともに、浸出水排水槽2
0内に設置した排水ポンプを駆動することにより、浸出
水排水槽20内の水位を地下水排水管22における地下
水の放出水位よりも僅かに下方に保持するようにする。
【0052】このように、地下水排水管22内の水位が
浸出水排水槽20内の水位よりも所定量上方に位置する
ように制御すれば、これらの間の水頭差によって、遮水
シート12には、底部及び周囲の地盤から廃棄物処分場
10の内方に向う水圧が常時負荷されていることにな
り、これによって、汚水が廃棄物処分場10の内部に封
じ込められて、破損箇所を介した汚水の漏出が容易に防
止されることになる。
【0053】すなわち、この実施例によれば、漏水検知
システムや漏水箇所の補修システムを有していない既設
の廃棄物処分場に対しても、新たに地下水排水管22を
設けるだけの簡易な構成により、一般に設けられている
設備を利用しつつ、容易に遮水シートの破損箇所の有無
を検出することができ、また、破損箇所が検出された場
合に、当該破損箇所からの汚水の漏出を容易に防止する
ことができることになる。
【0054】なお、この発明は、上記実施例の実施の態
様のものに限定されるものではなく、各請求項に記載さ
れた構成の範囲内において、種々変更して採用すること
ができる。すなわち、例えば、この発明は、漏水検知シ
ステムや漏水箇所の補修システムを有していない廃棄物
処分場に限定されることなく、これらのシステムを備え
ている廃棄物処分場に対しても採用することができると
ともに、新たに設けられる廃棄物処分場や谷沢型以外の
廃棄物処分場に対しても用いることができる。
【0055】また、この発明を実施するには、地下水排
水管に開口形成される放流開口は、浸出水排水槽内の水
位を挟んで少なくとも2箇所以上に設けておけばよく、
また地下水排水管内の水位は、排水ポンプ等を用いて内
部の地下水を汲み上げることによって調整制御すること
もできる。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法及び漏
水防止方法によれば、廃棄物処分場の外側に地下水排水
管を設けるだけの簡易な構成により、地下水排水管内の
水位と廃棄物処分場内に設けられている浸出水排水槽内
の水位との間の水頭差を利用しつつ、特に、漏水検知シ
ステムや漏水箇所の補修システムを有していない既設の
廃棄物処分場に対しても、一般的な設備を利用しつつ、
容易に遮水シートの破損箇所の有無を検出することがで
きるとともに、破損箇所が検出された場合に、当該破損
箇所からの汚水の漏出を容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】谷沢型の既設の廃棄物処分場に対して、この発
明の一実施例にかかる遮水シートの破損検出方法及び漏
水防止方法を適用する状況を示す説明図である。
【図2】遮水シート、排水配管、浸出水排水管等の設置
状況を示す図1のA−Aに沿った拡大断面図である。
【符号の説明】
10 廃棄物処分場 11 ダム 12 遮水シート 13 廃棄物 16 排水配管 19 浸出水排水管 20 浸出水排水槽 22 地下水排水管 23 放流開口 24 開閉コック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シ
    ートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配
    設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、
    廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚
    水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物
    処分場において、前記遮水シートの破損箇所の有無を検
    出するための方法であって、前記排水配管には、前記廃
    棄物処分場の外部に位置する箇所に、垂直方向に異なる
    高さに開口する複数の放流開口を有する地下水排水管
    を、前記排水配管と連通させた状態で立設配置し、前記
    地下水排水管の前記放流開口を下方から閉塞して、前記
    地下水排水管内の水位を前記廃棄物処分場内の汚水の水
    位より上方に位置させ、これらの水位の水頭差による前
    記遮水シートの破損箇所を介した前記浸出水排水槽内の
    水位の上昇を検知して、前記遮水シートの破損箇所の有
    無を検出することを特徴とする廃棄物処分場における遮
    水シートの破損検出方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シ
    ートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配
    設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、
    廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚
    水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物
    処分場において、前記遮水シートの破損箇所の有無を検
    出するための方法であって、前記排水配管には、前記廃
    棄物処分場の外部に位置する箇所に、垂直方向に異なる
    高さに開口する複数の放流開口を有する地下水排水管
    を、前記排水配管と連通させた状態で立設配置し、下方
    に位置する前記放流開口を閉塞して上方に位置する前記
    放流開口から地下水を放流している状態から、下方に位
    置する前記放流開口を開放して当該下方の放流開口から
    地下水を放流し、前記地下水排水管内の水位の低下に伴
    う前記遮水シートの破損箇所を介した前記浸出水排水槽
    内の水位の低下を検知して、遮水シートの破損箇所の有
    無を検出することを特徴とする廃棄物処分場における遮
    水シートの破損検出方法。
  3. 【請求項3】 廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シ
    ートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配
    設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、
    廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚
    水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物
    処分場において、前記遮水シートの破損箇所が検出され
    た場合に当該破損箇所を介した廃棄物処分場の内部から
    周囲の地盤への汚水の漏出を防止するための方法であっ
    て、前記排水配管には、当該排水配管と連通して上方に
    延長する地下水を放出するための地下水排水管を廃棄物
    処分場の外部において立設配置し、該地下水排水管にお
    ける水位を、前記浸出水排水槽内の水位よりも上方に保
    持して、これらの水位の水頭差により廃棄物処分場の内
    部に汚水を封じ込めることによって、前記破損箇所を介
    した汚水の漏出を防止することを特徴とする廃棄物処分
    場における漏水防止方法。
  4. 【請求項4】 前記地下水排水管には、垂直方向に異な
    る高さに開口するとともに開閉手段を備えた複数の放流
    開口を設け、該放流開口を下方に位置するものから順次
    閉塞して、前記地下水排水管内の地下水の水位を前記浸
    出水排水槽内の水位よりも上方に保持することを特徴と
    する請求項3に記載の廃棄物処分場における漏水防止方
    法。
JP8169967A 1996-06-28 1996-06-28 廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法及び漏水防止方法 Pending JPH1015517A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11222831A (ja) * 1998-02-05 1999-08-17 Maeda Kousen Kk 土木用クッション構造体
JP2009069044A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Okumura Corp 遮水シートの破損検出システム及び破損検出方法

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JPH11222831A (ja) * 1998-02-05 1999-08-17 Maeda Kousen Kk 土木用クッション構造体
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