JP3675671B2 - 遮水シートの漏水検知システム - Google Patents

遮水シートの漏水検知システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処分場の遮水工において敷設される遮水シートの漏水検知システムに関し、特にその遮水シートが一層のみ敷設された単層構造であり、いわゆる一重の遮水シート構造である場合についての漏水検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境保護意識の高まりとともに、各種廃棄物処分場の造成や、係る造成に際して実施される遮水シートの敷設といった種々の付帯工に関して、例えば、廃棄物処分場へ投棄される廃棄物から滲出した汚染水が遮水シートの破損箇所より流出して地下水等を汚染するなどの周辺環境への悪影響が及ぼされることを排除すべく種々の漏水検知システムが考案されている。
【0003】
係る漏水検知システムの中で一般的なものに、廃棄物処分場の底面に敷設される合成樹脂や合成ゴム製の遮水シートを、土質材料(例えば砂質土)や不織布などの中層材をその中間に介在させて2層にし、遮水シートの強度や遮水性能の向上を図った2重の遮水シート構造に対して、例えば係る2層の遮水シート間の中層材中に漏水検知電極を設置して、地上から遮水シートにまたがった通電を実施することで、遮水シートが破損して漏水が生じた場合に電路が形成され漏水検知電極にて検知するよう考慮されたものなどがあった。
【0004】
上記の2重の遮水シート構造は、例えば、特開平6−63525号公報に示す様に、上下2層の遮水シート同士を溶着して多数の区画に分割した袋体を形成し、この各袋体に止水材注入用の注入管を挿入設置した構成を成しており、この場合、各袋体に取付けられた上記の漏水検知用電極を用いたり、あるいは特開平6−294700号公報に示す様に、袋体内の圧力変化を観測したりして漏水箇所を検出してその後の止水処理を行う際の処理位置確認を行うこととしていた。
【0005】
また、上述の如く2層の遮水シートを用いることなく、廃棄物処分場の底面地盤上に粘土層やアスファルト層などを適宜厚み敷設して下部遮水層を形成し、その上部に一層の遮水シートを敷設するといった一重の遮水シート構造も、施工コストや施工効率等の面から採用することがあった。この一重の遮水シート構造の場合に適用されている漏水検知システムは、上記と同様に漏水検知用電極などを用いたものであるが、この漏水検知電極は単に遮水シート表面に例えば網目状に適宜間隔で展開配置されたものであり、これにより漏水箇所をシステム固有の解析精度のもと所定範囲をもって概略検知確認するものであった。
【0006】
このように捕捉された漏水箇所について止水処理を施す場合、2重の遮水シート構造のように区画化された袋体などといったものは有しないから、検知された漏水箇所付近をある程度広範に逐一開削して損傷している遮水シートを露出させてから各種補修作業を行うか、もしくは、係る漏水検知箇所を目標にして深礎工法を施工するなどといった手法を用いる必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の遮水シートの漏水検知システムは次に述べるような課題を有していた。
【0008】
すなわち、上述の2重の遮水シート構造については従来の漏水検知システムにより、漏水発生に対する漏水箇所検知やその後の止水作業等を十分に行うことが出来る一方、一重の遮水シート構造に対しては、そのままでは漏水箇所について十分な検知精度のもと確実な漏水位置情報を得て簡便確実な止水作業を実施するといったことは困難であった。このような状況に対処する為、例えば、上記の2重の遮水シート構造であるような遮水シート同士を溶着して形成する袋体構造を得ようと、既設の一層の遮水シート上を開削して該遮水シートを露出させ、その遮水シート上に後付でもう一層の遮水シートを敷設してわざわざ2重の遮水シート構造に変更させるといったことも行われていた。
【0009】
この場合、かなり大規模な開削工事を伴うと同時に、遮水シート材やそれに付帯する各種の治具や機器等にかかるコストも著しく増大するおそれがある。たとえ、既設ではなく全て新規に遮水工を実施する際に、上記の様な1重から2重への遮水シート構造の変更が構想され実際に施工されたとしても、当初の1重の遮水シート構造と比較すれば施工コストと施工効率との面でその悪化は否めない。
【0010】
他に、上記の様な1重から2重への構造変更が想定困難である場合、例えば、既に廃棄物の投棄が開始されているような、1重の遮水シート構造を有する既設の廃棄物処分場において漏水が発生した場合には、その漏水を電気式その他の各種漏水検知手段により検知確認し、係る漏水検知手段により確認されたおおよその漏水位置について投棄ピット中の廃棄物層を重機等を用いてかなりの規模で開削除去し、遮水シートを露出させる必要がある。漏水検知手段により十分な検知精度が得られない状況に陥った場合などは、最終的には廃棄物処分場全域に亘る大規模な廃棄物除去作業を実行することとなり、その際に要する各種コストは莫大なものとなりうる。
【0011】
この開削工事に際し、近年の廃棄物処分場造成に供される土地が始めから制限されて、必ずしも十分な規模の領域を確保しづらい状況下において、更に、上記の廃棄物層開削で生じた廃棄物を仮置きする為の領域を確保しなければならず、その用地確保にはかなりの困難を伴うことは明らかである。しかも、既に廃棄物の投棄が開始されている既設廃棄物処分場の投棄ピットに、廃棄物層開削の為に各種掘削重機やダンプトラックなどの運搬手段を多数配置して、それら機器のコストを要することに加えて、それらの重機類が稼動することで廃棄物処分場本来の作業である廃棄物の投棄作業を縮小せざるをえないおそれもある。
【0012】
また、このような開削工事を行う際や、もしくは開削工事を行わずにいきなり深礎工法を実施して止水作業を行う場合など、いずれの状況においても、まず遮水シート自体に工事機器類が接触して損傷してしまうおそれが生じ、更に、遮水シート以外にも例えば、滲出水集排水設備等を直撃して損壊させてしまうといった恐れも十分にあった。このように遮水シート等の損傷を生起する事態になれば、漏水箇所を確認して補修及び止水を行う当初の目的とは全く逸脱して、補修の為の工事で損傷した遮水シート等を補修するなどといった、不経済で当初目的からすると補修自体を無意味化するとも思える奇異な状況に陥ることとなる。
【0013】
更には、従来方法によると大規模な開削工や多数の重機を要することから、上記の問題はいずれも工期が長期化しやすいという問題を内在させており、作業全体の長期化による作業効率の悪化と作業コストの増大とを招くこととなりやすい。
【0014】
他方、上述の如き開削工事を行うと、係る工事を行っている現場が廃棄物処分場であることから、そこに堆積している廃棄物に由来する有毒ガスや、或いは無酸素気体等の雰囲気中に作業員が晒されるおそれも十分考えられ、そのような劣悪な作業環境に作業員を配置する困難さと、その対処コストとにおいて漏水検知から止水及び補修作業全体に及ぼす悪影響は拭いがたい。
【0015】
そこで、本発明はこのような従来の課題に着目してなされたもので、1重の遮水シート構造であっても、簡便確実に高精度の漏水箇所の検知確認が可能であり、しかも、検知された漏水箇所の止水作業に際し開削工事を伴うことがない遮水シートの漏水検知システムを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するためになされたもので、廃棄物処分場の底面地盤に敷設された一重の遮水シートが損傷するに際し、所定間隔をもって展開配置された漏水検知用電極により、前記廃棄物処分場の投棄エリアからの浸出水が遮水シート損傷箇所より遮水シート外に漏水した場合、これを検知する漏水検知システムであって、前記一重の遮水シートと、主に該遮水シートを保護すべく敷設される保護部材とを、通水材を挟持させつつ所定間隔をもって袋状に水密接合させることで、前記遮水シートを袋状区画毎にブロック化し、該袋状区画各々取付けた前記漏水検知電極により漏水を検知することを特徴とする。
【0017】
本発明においては、前記一重の遮水シートと、前記廃棄物処分場の底面地盤との間に、アスファルトや粘土等の非シート状物である下部遮水層が形成されており、前記保護部材に代えて、該下部遮水層と前記遮水シートとを、通水材を挟持させつつ所定間隔をもって袋状に水密接合させることとしてもよい。
【0018】
また、漏水が検知された前記袋状区画に対して該袋状区画各々に取付けられた注入パイプにより止水材を注入して漏水箇所の止水を行うこととすればより好ましく、更に、前記保護部材が、前記注入パイプによる袋状区画への止水材注入に際して生じる注入圧力に抗して遮水シートとの水密接合を維持しうるよう、前記遮水シートとの水密接合部にあたる保護部材端部の密度が高密度化されている繊維構造体であると好適である。
【0019】
加えて、前記止水材が、電気絶縁性を備える止水材であれば一層好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は本発明の遮水シートの漏水検知システム10を示す断面図であり、(b)は遮水シートと下部遮水層との接合例を示す説明図である。
【0021】
本実施例に於いては、保護部材等の付帯物を除いて、廃棄物処分場11の底面地盤12に敷設される遮水シートSが1層のみからなる1重の遮水シート構造に対して本発明の漏水検知システム10を適用した例を示した。
【0022】
本実施例における廃棄物処分場11は例えば、一般廃棄物を投棄する一般廃棄物処分場や、主に産業廃棄物から構成され有害物質を含む有害廃棄物を投棄する有害廃棄物処分場、もしくは最終処分場として造成されるものであり、山間部の広範な谷間や、掘削土工の結果形成した凹地等を利用して造成されたものである。
【0023】
この廃棄物処分場11の造成に際しては、該廃棄物処分場11の底面地盤12の岩塊などによる大きな凹凸形状を適宜平坦化させて、底面地盤12上に最初に施工される下部遮水層13の均一な層厚を確保可能なよう配慮するとよい。この下部遮水層13は、例えば、厚さ50cm以上で透水係数が10nm/秒以下である粘土層や、或いは厚さ5cm以上で透水係数が1nm/秒以下であるアスファルトコンクリート層等を採用することとし、また、その下部遮水層13上には、遮水シートSの敷設に先立って保護部材14となる不織布等を敷設して遮水シートSと底面地盤12との当接具合を調整し遮水シートS表面の保護を図るものとする。
【0024】
保護部材14を介在させて適宜平坦化された下部遮水層13上には、例えば、適宜厚みを備える合成樹脂や合成ゴム製の遮水シートSが、融着手段や接着剤等を用いて適切に張合わされて水密に一体化され敷設される。この1層の遮水シートSが廃棄物処分場11における外部環境への汚水漏出を遮断する役割を主に担うのである。
【0025】
この遮水シートS上には、例えば、ポリプロピレンや高密度ポリエチレンからなり、所定の弾力と強度及び空隙等を備えた立体網状体15(通水材として)を介して不織布等の保護部材14が敷設される。係る保護部材14の敷設に際しては、該保護部材14と遮水シートSとが前記立体網状体15を挟持しつつ、所定間隔をもって袋状に水密接合されることにより、遮水シートSを袋状区画16毎にブロック化することとする。遮水シートSと保護部材14とが水密接合される所定間隔は廃棄物処分場11の規模や施工条件にもよるが、例えば、縦横10〜16m間隔とし、各袋状区画16が100m〜300m程度のエリアを有して各個独立して存する状態を呈する。また、形成された袋状区画16各々には、本発明の漏水検知システム10の備える漏水検知電極E1が取付けられ、さらに、この漏水検知電極E1により漏水が検知された場合に備えて、止水材注入用の注入パイプ17(例えば高密度ポリエチレン製)が地上の止水材供給施設から連続して取付けられており、この注入パイプ17により止水材を注入して漏水箇所である所定の袋状区画16の止水を行うのである。
【0026】
なお、前記保護部材14は、部材強度や部材密度等の面において一般的に比較的低品質のものが多いが、本発明において使用する保護部材14は、前記注入パイプ17による袋状区画16への止水材注入に際して生じる注入圧力に抗して遮水シートSとの水密接合を維持しうるよう、遮水シートSとの水密接合部にあたる保護部材14端部の密度が高密度化されているものとなっている。そのため、注入圧力に抗しきれずに水密接合が簡単に剥離したりするといったおそれは生じない。
【0027】
遮水シートSと、粘土層などからなる下部遮水層13とを保護部材14を介さずに直接接合しなければならない場合などには、例えば(b)図に示すように、一端が下部遮水層13に挿入固定された接続用シートSJを遮水シートSと水密接合させる手段を採用することも可能である。
【0028】
上記の様に遮水シートS上に水密に融着された保護部材14表面には、所定の厚さを有するサンドマット18などを敷設し更なる遮水シート保護層を設けて、その上部の廃棄物投棄ピットWに種々の廃棄物が投棄される際に生じる衝撃や廃棄物の突起などから遮水シートSを保護すると好適である。
【0029】
図2は本発明の遮水シートSの漏水検知システム10が適用された廃棄物処分場11を示す全体図であり、図3は本発明の遮水シートSの漏水検知システム10により検知された漏水箇所Bを示す漏洩電流分布図30である。
【0030】
廃棄物処分場11が造成され下部遮水層13や遮水シートS等の敷設形成が完了後、各所から運搬されてくる廃棄物により廃棄物投棄ピットWは埋立てられてゆくのであるが、ここでは、係る埋立て過程や、埋立て終了後の廃棄物荷重が遮水シートSに徐々に影響を及ぼす過程において生じる遮水シートSの破損及びそれに起因する漏水を検知するべく本発明の漏水検知システム10を適用するものとする。
【0031】
そのためにまず、図2に示すように、廃棄物処分場11の底面地盤12上に形成された袋状区画16各々の表面に、例えばステンレス材などを利用して耐腐食性を備える漏水検知電極E1を電気的に接合させて取付ける。また、この漏水検知電極E1と対になる電流電極E2を、遮水シートS外で廃棄物処分場11の外縁部に接地する。これらの電極E1、E2は、電流電極E2の場合直接に、漏水検知電極E1の場合、測定電流をコントロールする中継ボックス21を介して、管理棟22内の定電流装置23に接続されている。
【0032】
管理棟22内部には他に、前記電極E1、E2からの接続を任意に切替え可能な電極切替え器24や、この切替え器24により選択された電極の電流信号を取得して増幅やフィルタリング等の各種電気処理を行いデータ化する自動電気探査装置25や、係る自動電気探査装置25から送信される電流値データを廃棄物処分場11全体の電極配置と対応づけて電流分布図に変換処理するコンピュータ26及びその出力手段であるカラープリンター27などが備わっている。最終的にカラープリンター27から出力される電流分布図30は、図3に示すような、縦横の軸31、32上に測定基点からの距離をとった矩形図33上に、漏水箇所Bを中心にした同心円状の電流分布図が得られることなる。通常は電流強度毎に色分け表示を行って一見しただけで漏水箇所Bが識別できるよう配慮されている。
【0033】
図4(a)は本発明の遮水シートSの漏水検知システム10における漏水検知原理を示す説明図であり、(b)は同システム10における漏水箇所B補修の原理を示す説明図である。
【0034】
実際に遮水シートSが損傷して漏水が発生した場合、これを検知する原理を以下に述べる。通常、遮水シートSが損傷していない状態でも遮水シートSに跨って上記の漏水検知電極E1と電流電極E2との間に通電が行われているが、電気伝導度の低い絶縁材料である遮水シートSにより電流は遮られて前記両電極E1、E2間に電流が流れることはない。もし実際に遮水シートSが損傷した際には、それに対応した袋状区画(以下、損傷区画16aとする)の内外を流通可能になった漏水により損傷区画16a周辺の電気伝導度が上昇し、遮水シートS内外の地盤中を漏洩電流Cが流れて前記両電極E1、E2間が電気的に結ばれることになる。
【0035】
この漏洩電流Cは、漏水検知電極E1から、保護部材14、通水材15、遮水シートSの損傷箇所B、電流電極E2に至る経路で電路を形成し、遮水シートSの損傷箇所Bにおいて電界分布に変化を現することとなり、漏水検知電極E1がその電界分布変化を捕捉するのである。このとき発生する電界分布に比抵抗分布を加えて漏洩電流Cに変換することにより、廃棄物の種類やその不均一性の影響、及び接地抵抗の影響を排除し、漏水箇所Bや損傷の大きさ等を精度良く推定することが可能となる。
【0036】
発見された漏水箇所Bについて止水等の補修を行う漏水箇所補修作業は、前記の注入パイプ17を通じて止水材40を損傷区画16aに注入充填することにより主に行われる。本実施例において用いる止水材40としては、特に、電気抵抗値の大きな絶縁性材料(例えば特殊ゴムアスファルト乳剤系など)を用いることとし、補修作業完了後において、漏水検知電極E1を通して通電を行って再度の漏水検知を行っても止水材40自体が電路を形成しないようになっている。従って、補修作業が完全であれば、損傷区画16a内は通水材15を含めて止水材40にて満たされていると同時に、それに連接する遮水シートSの損傷箇所B(漏水箇所)も閉塞して全体として完全に水密な絶縁体をなすのである。
【0037】
なお、本実施例に於いては、遮水シートS一層からなる1重の遮水構造を備える廃棄物処分場11に対して本発明を適用した例を示したが、それに限らず、2層以上の遮水シートSを用いた遮水構造に対しても勿論適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の遮水シートの漏水検知システムは、廃棄物処分場の底面地盤に敷設された一重の遮水シートが損傷するに際し、所定間隔をもって展開配置された漏水検知用電極により、前記廃棄物処分場の投棄エリアからの浸出水が遮水シート損傷箇所より遮水シート外に漏水した場合、これを検知する漏水検知システムであって、前記一重の遮水シートと、主に該遮水シートを保護すべく敷設される保護部材とを、通水材を挟持させつつ所定間隔をもって袋状に水密接合させることで、前記遮水シートを袋状区画毎にブロック化し、該袋状区画各々取付けた前記漏水検知電極により漏水を検知することを特徴とするものである。
【0039】
よって、2重の遮水シート構造については勿論、1重の遮水シート構造に対しても、わざわざ1重の遮水シートに加えて2層目の遮水シートを敷設して2重の遮水シート構造に変更するといったこともなく、漏水箇所について十分な検知精度のもと確実な漏水位置情報を得て簡便確実な止水作業を実施することが可能である。従って、大規模な開削工事を行う施工コストや、1重を2重の遮水構造に変更するために要する遮水シート材やそれに付帯する各種の治具や機器等にかかるコストも発生しない。このことは、本発明の遮水シートの漏水検知システムが、比較的低廉な保護部材を用いて遮水シートとの接合を行って袋状区画を形成することによるコスト低減効果と相まって、その経済的効果には著しいものがある。
【0040】
また、遮水構造が、前記一重の遮水シートと、前記廃棄物処分場の底面地盤との間に、アスファルトや粘土等の非シート状物である下部遮水層が形成された構成である場合、前記保護部材に代えて、該下部遮水層と前記遮水シートとを、通水材を挟持させつつ所定間隔をもって袋状に水密接合させれば、上記と同様の、漏水箇所について十分な検知精度のもと確実な漏水位置情報を得て簡便確実な止水作業を実施可能であるといった効果を奏することになる。
【0041】
本発明の遮水シートの漏水検知システムにより漏水が検知された際には、該漏水検知システムが、前記袋状区画に対して該袋状区画各々に取付けられた注入パイプにより止水材を注入して漏水箇所の止水を行う止水機能を備えるものであるから、該漏水検知システムにより確認された漏水箇所の袋状区画に間違いなく確実に止水材の注入を行って補修を行う事が可能である。従って、従来のごとく漏水箇所を露出させる為に投棄ピット中の廃棄物層を重機等を用いてかなりの規模で開削除去する必要もない。このことは、開削土の仮置き場確保に煩わされるおそれや、既に廃棄物の投棄が開始されている既設廃棄物処分場の投棄ピットに、開削工事の為に各種掘削重機やダンプトラックなどの運搬手段を多数配置することに起因する多大な機器コスト等を抑制することにつながり、作業全体に及ぼす高効率化の好影響は大きなものがある。
【0042】
また、上述の様に従来の如く開削工事を行う必要や、止水作業としての深礎工法を実施する必要は解消されるので、遮水シート自体に工事機器類が接触して損傷させてしまうおそれや、遮水シート以外にも例えば、滲出水集排水設備等を直撃して損壊させてしまうといった恐れも無くなり、迅速で確実な漏水検知および止水作業を安心して行なうことが可能となる。更に、開削工事中に予想される、廃棄物処分場に堆積している廃棄物に由来する有毒ガスや、或いは無酸素気体等の雰囲気中に作業員が晒されるといったことも無論無くなるから、劣悪な作業環境に作業員を配置することもない。
【0043】
そして、本発明の漏水検知システムにおける前記保護部材が、前記注入パイプによる袋状区画への止水材注入に際して生じる注入圧力に抗して遮水シートとの水密接合を維持しうるよう、前記遮水シートとの水密接合部にあたる保護部材端部の密度が高密度化されている、例えば不織布等の繊維構造体であるとすれば、袋状区画の破損を危惧することなく効率的に止水作業を実施することが可能であり、さらにこの止水作業で用いられる止水材を、電気絶縁性を備える止水材とすれば、係る止水作業完了後に、漏水検知電極等を用いた漏水検知システムにより、止水が完全に行われているか否かを簡便かつ確実に把握確認することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の遮水シートの漏水検知システムを示す断面図であり、(b)は遮水シートと下部遮水層との接合例を示す説明図である。
【図2】本発明の遮水シートの漏水検知システムが適用された廃棄物処分場を示す全体図である。
【図3】本発明の遮水シートの漏水検知システムにより検知された漏水箇所を示す漏洩電流分布図である。
【図4】(a)は本発明の遮水シートの漏水検知システムにおける漏水検知原理を示す説明図であり、(b)は同システムにおける漏水箇所補修の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
S 遮水シート
E1 漏水検知電極
11 廃棄物処分場
12 底面地盤
14 保護部材
15 通水材
16 袋状区画

Claims (5)

  1. 廃棄物処分場の底面地盤に敷設された一重の遮水シートが損傷するに際し、所定間隔をもって展開配置された漏水検知用電極により、前記廃棄物処分場の投棄エリアからの浸出水が遮水シート損傷箇所より遮水シート外に漏水した場合、これを検知する漏水検知システムであって、
    前記一重の遮水シートと、主に該遮水シートを保護すべく敷設される保護部材とを、通水材を挟持させつつ所定間隔をもって袋状に水密接合させることで、前記遮水シートを袋状区画毎にブロック化し、該袋状区画各々取付けた前記漏水検知電極により漏水を検知することを特徴とする遮水シートの漏水検知システム。
  2. 前記一重の遮水シートと、前記廃棄物処分場の底面地盤との間に、アスファルトや粘土等の非シート状物である下部遮水層が形成されており、
    前記保護部材に代えて、該下部遮水層と前記遮水シートとを、通水材を挟持させつつ所定間隔をもって袋状に水密接合させることを特徴とする請求項1に記載の遮水シートの漏水検知システム。
  3. 漏水が検知された前記袋状区画に対して該袋状区画各々に取付けられた注入パイプにより止水材を注入して漏水箇所の止水を行う止水機能を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の遮水シートの漏水検知システム。
  4. 前記保護部材が、前記注入パイプによる前記袋状区画への止水材注入に際して生じる注入圧力に抗して遮水シートとの水密接合を維持しうるよう、前記遮水シートとの水密接合部にあたる保護部材端部の密度が高密度化されている繊維構造体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮水シートの漏水検知システム。
  5. 前記止水材が、電気絶縁性を備える止水材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遮水シートの漏水検知システム。
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