JP3093682B2 - 新規骨誘導組成物 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新規蛋白質およ
びそれらの製造方法に関するものである。これらの蛋白
質は軟骨および硬骨の形成を誘導し得る。 【0002】 【従来の技術】骨は、蛋白質コラーゲンの線維束、およ
びプロテオグリカン、非コラーゲン性蛋白質、脂質およ
び酸性蛋白質により形成された広範なマトリックス構造
を特徴とする高度に分化した組織である。一生を通じて
連続的に行なわれる骨形成および骨組織の再生/修復の
プロセスは、分化細胞により行なわれる。正常な胎長骨
の発達の前に、軟骨のひな形が形成される。骨の成長は
恐らく「骨芽細胞」(骨形成細胞)の介在によると思われる
が、骨の再建は明らかに骨吸収細胞、いわゆる「破骨細
胞」および骨芽細胞の結合活性により行なわれる。様々
な骨原性軟骨誘導および硬骨誘導因子が報告されてい
る。それらに関しては、例えばヨーロッパ特許出願第1
48155号および同第169016号参照。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、純粋形態
の新規蛋白質を提供する。具体的には、4種の新規蛋白
質は、BMP−1、BMP−2・クラスI(またはBM
P−2)、BMP−3およびBMP−2・クラスII(また
はBMP−4)(ただし、BMPは骨形態形成蛋白質であ
る)と称する。これらの蛋白質は、後記表2〜8に示し
たアミノ酸配列と同一または実質的に相同性のペプチド
配列を特徴とする。それらは予め定められた部位での骨
形成を誘導し得る。さらにこれらの骨誘導因子は、後記
インビボラット骨形成検定における10〜1000ng/
g(骨)の濃度での活性を含む生化学的および生物学的特
性を特徴とする。この発明の蛋白質は、表に示したDN
A配列、またはそれとハイブリダイゼーションし、骨成
長因子の生物学的特性を有するポリペプチドをコードし
得る配列またはそれらの特性を示す他の様々な修飾配列
によりコードされ得る。 【0004】この発明の蛋白質の1つはBMP−1とい
う。ひとBMP−1またはhBMP−1の一部分は、ゲ
ノムhBMP−1フラグメントを表す後記表5のアミノ
酸#1〜アミノ酸#37またはhBMP−1 cDNAを
表す表6のアミノ酸#1〜アミノ酸#730の配列と同
一または実質的に同じペプチド配列を有することを特徴
とする。さらに、hBMP−1または関連骨誘導因子
は、これらの配列の少なくとも一部分を有することを特
徴とし得る。これらのペプチド配列は、表5のヌクレオ
チド#3440〜ヌクレオチド#3550および表6の
ヌクレオチド#36〜ヌクレオチド#2225にそれぞ
れ示された配列と同一または実質的に同じDNA配列に
よりコードされる。さらに、これらのhBMP−1ポリ
ペプチドは骨形成誘導能を有することを特徴とする。h
BMP−1は、骨1g当たり10〜1000ngの濃度で
インビボ ラット骨形成検定において活性を呈する。 【0005】この発明の相同性うし成長因子(bBMP−
1と称す)は、ゲノムbBMP−1フラグメントを表す後
記表2のアミノ酸#1〜アミノ酸#37の配列と同一ま
たは実質的に同じ配列を含むペプチド配列を有すること
を特徴とする。このペプチド配列は、後記表2のヌクレ
オチド#294〜ヌクレオチド#404に示された配列
と同一または実質的に同じDNA配列によりコードされ
る。後記表2で同定されたうしペプチド配列もまた37
アミノ酸長である。さらに、bBMP−1は骨形成誘導
能を特徴とする。この発明の別の骨誘導蛋白質組成物
は、BMP−2・クラスI(またはBMP−2)と称す
る。それは、cDNA hBMP−2・クラスIを表す表
7のアミノ酸#1〜アミノ酸#396の配列と同一また
は実質的に同じペプチド配列の少なくとも一部分を有す
ることを特徴とする。このペプチド配列は、表7のヌク
レオチド#356〜ヌクレオチド#1543に示された
配列と同一または実質的に同じDNA配列によりコード
される。表7で同定されたひとペプチド配列は396ア
ミノ酸長である。またhBMP−2または関連骨誘導蛋
白質もこのペプチド配列の少なくとも一部分を有するこ
とを特徴とし得る。さらにhBMP−2・クラスIは、
骨形成誘導能を特徴とする。 【0006】hBMP−2・クラスI(またはhBMP−
2)と称するこの発明の相同性うし骨誘導蛋白質は、ゲ
ノム配列を表す後記表3で同定されたDNA配列を有す
る。このうしDNA配列は、予想される129アミノ酸
コード配列、次いで約205個のヌクレオチド(3'非コ
ード配列)を有する。さらにhBMP−2・クラスIは骨
形成誘導能を特徴とする。この発明の別の骨誘導蛋白質
組成物は、BMP−2・クラスIIまたはBMP−4と称
する。ひと蛋白質hBMP−2・クラスII(またはhBM
P−4)は、hBMP−2・クラスIIのcDNAを表す表
8のアミノ酸#1〜アミノ酸#408間の配列と同一ま
たは実質的に同じペプチド配列の少なくとも一部分を有
することを特徴とする。このペプチド配列は、表8のヌ
クレオチド#403〜ヌクレオチド#1626に示され
た配列と同一または実質的に同じDNA配列の少なくと
も一部分によりコードされる。さらにこの因子は、骨形
成誘導能を特徴とする。 【0007】この発明のさらに別の骨誘導因子、BMP
−3は、うし相同体bBMP−3により示される。bBM
P−3は、うしゲノム配列を表す表4Aおよび4BのD
NA配列およびアミノ酸配列を有することを特徴とす
る。それは、表4Aおよび4Bのアミノ酸#1〜アミノ
酸#174と同一または実質的に同じペプチド配列の少
なくとも一部分を有することを特徴とする。さらにBM
P−3は、骨形成誘導能を特徴とする。うし因子は、類
縁体ひとBMP−3蛋白質または他のほ乳類骨誘導蛋白
質を得るための道具として使用され得る。このうし骨誘
導因子の特性を正確に表すと、この配列を用いる方法に
おける本質的「出発点」が得られる。遺伝子工学技術分野
における熟練者に周知の技術を用いるこの方法は、プロ
ーブとしてうしDNA配列を使用してひとゲノムまたは
cDNAライブラリーのスクリーニングを行い、このプ
ローブとハイブリダイゼーションするDNA配列を同定
することを含む。ハイブリダイゼーション可能な配列を
有するクローンは精製されたプラークであり、DNAは
そこから分離され、サブクローンされ、DNA配列分析
が行なわれる。すなわち、この発明の別の態様は、この
方法により製造されたひと蛋白質hBMP−3である。 【0008】この発明の別の態様は、医薬的に許容し得
る賦形剤中にこの発明によるうし成長因子ポリペプチド
の1種またはそれ以上の治療有効量を含有する医薬組成
物に関するものである。さらに、これらの組成物は他の
治療上有用な薬剤を含有し得る。またそれらは、骨欠損
部位への蛋白質送達および骨成長構造の提供に適したマ
トリックスを含み得る。これらの組成物は、幾つかの骨
欠損および歯周病の処置方法において使用され得る。こ
の発明によると、これらの方法は、骨形成を必要とする
患者に、本明細書に記載された新規蛋白質BMP−1、
BMP−2・クラスI、BMP−2・クラスIIおよびB
MP−3の少なくとも1種の有効量を投与することを必
然的に伴う。 【0009】さらにこの発明の別の態様は、骨形成誘導
能を有するひとまたはうしポリペプチドの発現をコード
するDNA配列に関するものである。それらの配列は、
表2〜8に示された5'−3'方向のヌクレオチド配列を
含む。他方、ストリンジェント条件下で表2〜8のDN
A配列とハイブリダイゼーションするDNA配列、また
は非ストリンジェント条件下で示されたDNA配列とハ
イブリダイゼーションし、少なくとも1種の骨成長因子
生物学的特性を有する蛋白質の発現をコードするDNA
配列もこの発明に包含される。最後に、表2〜8の配列
の対立遺伝子または他の変形もまた、それらのヌクレオ
チド変形の結果としてのペプチド配列の変形の存否に拘
わらず、この発明に含まれる。 【0010】さらにこの発明の別の態様は、前記DNA
配列を発現制御配列と効果的に組み合わせて含むベクタ
ーに関するものである。このベクターは、発現制御配列
と効果的に共同して骨成長因子ポリペプチドの発現をコ
ードするDNA配列により形質転換されたセルラインが
培養される、骨成長因子ポリペプチドの新規製造方法に
おいて使用され得る。この発明の方法は、ポリペプチド
発現用の宿主細胞として幾つかの公知細胞を使用し得
る。現在好ましいセルラインはほ乳類セルラインおよび
細菌細胞である。以下、詳細な記載および好ましい実施
態様を熟考すれば、この発明の他の態様および利点は明
らかである。 【0011】 【課題を解決するための手段】この発明の蛋白質は、後
記表2〜8に示された配列と同一または実質的に相同性
のアミノ酸配列またはその一部分を有することを特徴と
する。これらの蛋白質もまた骨形成誘導能を特徴とす
る。また、この明細書に記載された骨成長因子は、表2
〜8の配列に類似した配列によりコードされる因子を含
むが、その配列に対する修飾は、自然に行なわれるか
(例、ポリペプチドにおけるアミノ酸変更を誘導し得る
ヌクレオチド配列における対立遺伝子的改編)または慎
重な工学的処理により行なわれる。例えば、合成ポリペ
プチドは、表2〜8のアミノ酸残基の連続配列を全体的
または部分的に複製し得る。これらの配列は、表2〜8
の骨成長因子ポリペプチドと共有の一次、二次または三
次構造および立体配座特性により、共通して骨成長因子
生物学的特性を有し得る。すなわち、それらは、治療プ
ロセスにおいて天然骨成長因子ポリペプチドの生物学的
活性代用物として使用され得る。 【0012】この明細書に記載された骨成長因子の配列
の他の特異的突然変異体は、グリコシル化部位の一方ま
たは両方の修飾を伴う。グリコシル化の不在または一部
のみのグリコシル化は、表2〜8に示された骨成長因子
の配列に存在するアスパラギン結合グリコシル化認識部
位の一方または両方におけるアミノ酸置換または欠失に
起因する。アスパラギン結合グリコシル化認識部位は、
適当な細胞のグリコシル化酵素により特異的に認識され
るトリペプチド配列を含む。これらのトリペプチド配列
は、アスパラギン−X−トレオニンまたはアスパラギン
−X−セリン(ただし、Xは通常アミノ酸である)であ
る。グリコシル化認識部位の第一または第三アミノ酸位
の一方または両方における様々なアミノ酸置換または欠
失(および/または第2位におけるアミノ酸欠失)は、修
飾トリペプチド配列における非グリコシル化をもたら
す。またこの発明は、他の蛋白質性材料をコードするD
NA配列との随伴がなく、骨成長因子の発現をコードす
る新規DNA配列を(アレリック)包含する。これらのD
NA配列は、5'−3'方向の表2〜8に示された配列お
よびストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件
[マニアチス等、「モレキュラー・クローニング(ア・ラ
ボラトリー・マニュアル)」、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー(1982)、387〜389頁参
照]下で表2〜8のDNA配列とハイブリダイゼーショ
ンする配列を含む。 【0013】緩和ハイブリダイゼーション条件下で表2
〜8の配列とハイブリダイゼーションし、骨成長因子生
物学的特性を有する骨成長因子の発現をコードするDN
A配列はまた、この発明の骨成長因子もコードする。例
えば、重要な相同性を有する領域、例えばグリコシル化
またはジスルフィド結合部位を表2〜8の配列と共有
し、1種またはそれ以上の骨成長因子生物学的特性を有
する骨成長因子をコードするDNA配列は、DNA配列
が表2〜8の配列とストリンジェント的にハイブリダイ
ゼーションしない場合でも、成長因子のこの新たな科の
一員を明らかにコードする。同様に、表2〜8の配列に
よりコードされる骨成長因子ポリペプチドをコードする
が、遺伝子コードの縮重またはアレリック変異(アミノ
酸変更を誘導する場合もしない場合もあり得る種の集団
における天然塩基の変形)故にコドン配列が異なるDN
A配列もまた、この明細書に記載された新規成長因子を
コードする。点突然変異または誘導修飾によりポリペプ
チドの活性、半減期または生産の向上が誘発される表2
〜8のDNA配列における変形もまたこの発明に包含さ
れる。 【0014】この発明の別の態様は、新規骨誘導因子の
新規製造方法に関するものである。この発明の方法は、
既知調節配列の制御下、この発明の新規骨成長因子ポリ
ペプチドの発現をコードするDNA配列により形質転換
された適当な細胞またはセルラインの培養を含む。適当
な細胞またはセルラインは、ほ乳類細胞、例えばチャイ
ニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)であり得る。適当
なほ乳類宿主細胞の選択並びに形質転換、培養、増幅、
スクリーニング、および製品の製造および精製の方法は
当業界では周知である。例えば、ゲシングおよびサンブ
ルック、「ネイチャー」、293、620−625(19
81)または別法としてカウフマン等、「モル・セル・バ
イオル」、5(7)1750−1759(1985)または
ハウレイ等、アメリカ合衆国特許第4419446号参
照。後記実施例記載の別の適当なほ乳類セルラインは、
さるCOS−1セルラインである。同様に有用なほ乳類
セルラインはCV−1セルラインである。 【0015】細菌細胞は適当な宿主である。例えば、エ
シェリヒア・コリの様々な株(例、HB101、MC1
061)はバイオテクノロジー分野において宿主細胞と
してよく知られている。枯草菌(バシルス・サブチリ
ス)、プソイドモナス、他のかん菌などの様々な株もま
たこの方法において使用され得る。当業界の熟練者には
周知の多くの酵母細胞株もまた、この発明のポリペプチ
ドの発現用の宿主細胞として利用され得る。さらに、所
望により、昆虫細胞もこの発明の方法における宿主細胞
として利用され得る。例えば、ミラー等、「ジェネティ
ック・エンジニアリング」、8、277−298(プレナ
ム・プレス1986)およびその引用文献参照。この発
明の別の態様は、これらの新規骨誘導ポリペプチド類の
発現方法で使用されるベクターに関するものである。好
ましくは、これらのベクターは、この発明の新規因子を
コードする前述の完全な新規DNA配列を含む。さらに
また、これらのベクターは、骨誘導蛋白質配列を発現さ
せる適当な発現制御配列を含む。他方、上記修飾配列が
組み込まれたベクターはまた、この発明の具体例であ
り、骨誘導蛋白質の製造に有用である。これらのベクタ
ーはセルラインの形質転換方法で使用され得、選択され
た宿主細胞におけるその複製および発現を指向し得るこ
の発明のDNAコード配列と効果的に組み合わせて選択
された調節配列を含み得る。これらのベクターに有用な
調節配列は当業界の熟練者には周知であり、選択された
宿主細胞に応じて選択され得る。この選択は常套的であ
り、この発明の一部を形成するものではない。 【0016】骨が正常には形成されない環境において骨
の成長を誘導するこの発明の蛋白質は、骨折の治癒に適
用性を有する。この発明の蛋白質の1種またはそれ以上
を用いる骨原性製剤は、閉鎖および複雑骨折の縮小並び
に人工関節の固定改善における予防的用途を有し得る。
骨原性薬剤により新たに誘導される骨形成は、先天的、
外傷性または腫よう切除による頭顔欠損の修復に貢献
し、美容形成外科においても有用である。この発明の骨
生成因子は、歯周病の処置および他の歯修復プロセスに
おいて貴重であり得る。これらの薬剤は、骨形成細胞を
誘引し、骨形成細胞の成長を刺激し、または骨形成細胞
の原種の分化を誘導する環境を提供する。勿論、この発
明の蛋白質は他の治療用途を有し得る。この発明の別の
態様は、骨折および骨欠損に関連した他の状態または歯
周病の修復を目的とする治療方法および組成物に関する
ものである。前記組成物は、この発明の骨誘導因子蛋白
質の少なくとも1種の治療有効量を含有する。この発明
による骨誘導因子は、医薬的に許容し得る賦形剤または
マトリックスと混合した状態で治療組成物中に存在し得
る。さらにこの発明の治療方法および組成物は、この発
明の骨誘導因子の治療有効量およびこの発明の他の骨誘
導因子の少なくとも1種の治療有効量を含む。さらに、
この発明による蛋白質またはこの発明の蛋白質の組合わ
せは、それが相互作用し得る1種またはそれ以上の骨誘
導因子と共に投与され得る。さらに、骨誘導蛋白質は、
問題の骨欠損の処置に有益な他の薬剤と組合わされ得
る。それらの薬剤には様々な成長因子が含まれるが、限
定される訳ではない。pH、等張性、安定性などに関し
て生理学的に許容し得る蛋白質組成物の製造は、当業界
の技術の範囲内である。 【0017】特にBMP−1は、組成物において個々に
使用され得る。BMP−1はまた、この発明の他の蛋白
質の1種またはそれ以上と組合わせて使用され得る。B
MP−1およびBMP−2・クラスIは組合わせて使用
され得る。BMP−1およびBMP−2・クラスIIもま
た組合わせて使用され得る。BMP−1およびBMP−
3もまた組合わせて使用され得る。さらに、BMP−1
は、この発明の他の蛋白質の2種または3種と組合わせ
て使用され得る。例えば、BMP−1、BMP−2・ク
ラスIおよびBMP−2・クラスIIは組合わされ得る。
BMP−1はまた、BMP−2・クラスIおよびBMP
−3と組合わされ得る。さらに、BMP−1は、BMP
−2・クラスIIおよびBMP−3と組合わされ得る。B
MP−1、BMP−2・クラスI、BMP−2・クラス
IIおよびBMP−3は組合わされ得る。BMP−2・ク
ラスIは、医薬組成物において個々に使用され得る。B
MP−2・クラスIもまた、この発明の他の蛋白質の1
種またはそれ以上と組合わせて使用され得る。BMP−
2・クラスIは、BMP−2・クラスIIと組合わされ得
る。それはまた、BMP−3とも組合わされ得る。さら
にBMP−2・クラスIは、BMP−2・クラスIIおよ
びBMP−3と組合わされ得る。 【0018】BMP−2・クラスIIは、医薬組成物にお
いて個々に使用され得る。さらに、それは前述の他の蛋
白質と組合わせて使用され得る。さらに、それはBMP
−3と組合わせて使用され得る。BMP−3は、組成物
において個々に使用され得る。さらにそれは、前述の様
々な組合わせで使用され得る。この治療方法は、インプ
ラントまたはデバイスとして組成物を局所投与すること
を含む。投与される場合、勿論この発明で使用される治
療組成物は、発熱物質を含まない、生理学的に許容し得
る形態を呈する。さらに、この組成物は、望ましくは骨
損傷部位への送達に適した粘稠性形態で封入または注射
され得る。好ましくは、骨成長誘導因子組成物は、骨誘
導因子を骨損傷部位に送達し、成長する硬骨および軟骨
構造を提供し得、最適状態で体内に再吸収され得るマト
リックスを含む。それらのマトリックスは、他の内植医
学適応例で現在使用されている他の材料により形成され
得る。 【0019】材料の選択は、例えば、生物学的適合性、
生物分解性、機構特性、表面的外観および界面特性に基
づいて行なわれる。同様に、骨誘導因子の適用は適当な
製剤を限定する。骨誘導因子に適用され得るマトリック
スは、生物分解性で化学的に定義されるもの、例えば硫
酸カルシウム、燐酸トリカルシウム、ヒドロキシアパタ
イト、ポリ乳酸、ポリ無水物(ただし、これらに限定さ
れる訳ではない)、生物分解性で生物学的に明確に定義
されるもの、例えば骨もしくは皮膚コラーゲン、他の純
粋な蛋白質または細胞外マトリックス成分、非生物分解
性で化学的に定義されるもの、例えば焼結ヒドロキシア
パタイト、生体ガラス、アルミン酸塩または他のセラミ
ック、または前述のタイプの材料を幾つか組合わせたも
の、例えばポリ酪酸およびヒドロキシアパタイトまたは
コラーゲンおよび燐酸トリカルシウムであり得る。生体
セラミックもまた組成物、例えばカルシウム−アルミン
酸塩−燐酸塩において改変され得、例えば孔サイズ、粒
子サイズ、粒子形状および生物分解性の改変が行なわれ
得る。 【0020】投与量については、この成長因子の作用を
修飾する様々な要因、例えば形成が望まれる骨の重量、
骨損傷の部位、損傷骨の状態、患者の年令、性別および
治療食、感染の重症度、投与時間および他の臨床要因を
考慮して担当医が決定する。用量は、再構成およびBM
Pの組成物において使用されるマトリックスのタイプに
より変動し得る。最終組成物への他の既知成長因子、例
えばIGF1(インスリン様成長因子1)の追加もまた用
量に影響を与え得る。一般的に、投与量は、所望の骨重
量1g当たり、蛋白質約10〜106ナノグラムの範囲内
とすべきである。経過は骨成長および/または修復の定
期的評価(例、エックス線)によりモニターされ得る。ま
た、これらの治療組成物は、骨誘導因子における種特異
性の欠如故に現在獣医学適用においても貴重である。ひ
とに加えて特定の家畜およびサラブレッドのうまは、こ
の発明の骨誘導因子による処置において望ましい患者で
ある。以下、実施例により、うし蛋白質の回収および特
性検定、それらの使用によるひと蛋白質の回収、ひと蛋
白質の獲得および組換え技術による蛋白質の発現におけ
るこの発明の実施態様を説明する。 【0021】 【実施例】 実施例1 うし骨誘導因子の単離 ウリスト等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・
ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、70:35
11(1973)の方法に従い、破砕したうしの骨粉(2
0−120メッシュ、ヘリトレックス)を製造する(ただ
し、下記の通り幾つかの抽出工程は省く)。10kgの粉
末を、4℃で48時間激しい撹はん下、0.6NのHCl
を連続交換しながら脱塩する。生成した懸濁液を4℃で
16時間2モルのCaCl2および10ミリモルのエチレ
ンジアミン−四酢酸[EDTA]50lにより抽出し、次
いで50lの0.5モルEDTA中で4時間抽出する。残
留物を蒸留水で3回洗浄した後、「クリニカル・オーソ
ペディックス・アンド・リレーデット・リサーチ」、1
71:213(1982)の記載に従い、4モルのグアニ
ジン塩酸塩[GuCl]、20ミリモルのトリス(pH7.
4)、1ミリモルのN−エチルマレイミド、1ミリモル
のヨードアセトアミド、1ミリモルのフェニルメチルス
ルホニル・フッ素20lに再懸濁する。16〜20時間
後、上清を除去し、別の10リットルのGuCl緩衝液と
置き換える。残留物をさらに24時間抽出する。 【0022】粗GuCl抽出物を合わせ、10000分子
量遮断膜を備えたペリコン装置で約20倍に濃縮し、次
いで50ミリモルのトリス、0.1モルのNaCl、6モ
ルの尿素(pH7.2)、第一カラム用出発緩衝液に対して
透析する。充分透析後、蛋白質を4リットルDEAEセ
ルロースカラムに仕込み、未結合フラクションを集め
る。未結合フラクションを濃縮し、6モル尿素中50ミ
リモルのNaAc、50ミリモルのNaCl(pH4.6)に対
して透析する。未結合フラクションをカルボキシメチル
セルロースカラムに適用する。カラムに結合していない
蛋白質を出発緩衝液で充分洗浄することにより除去し、
骨誘導因子含有材料を50ミリモルのNaAc、0.25
ミリモルのNaCl、6モルの尿素(pH4.6)によりカラ
ムから脱着させる。この段階溶離から得られた蛋白質を
20〜40倍に濃縮し、次いで80ミリモルKPO4、
6モル尿素(pH6.0)により5倍に希釈する。溶液のp
Hを500ミリモルのK2HPO4により6.0に調節す
る。80ミリモルKPO4、6モル尿素(pH6.0)中で
平衡状態にしたヒドロキシルアパタイトカラム(LKB)
に試料を適用し、同緩衝液でカラムを洗浄することによ
り、未結合蛋白質を全て除去する。骨誘導因子活性蛋白
質を100ミリモルKPO4(pH7.4)および6モル尿
素により溶離させる。 【0023】この蛋白質を約10倍に濃縮し、固体Na
Clを加えて最終濃度0.15モルとする。この材料を、
50ミリモルKPO4、150ミリモルNaCl、6モル
尿素(pH7.4)中で平衡状態にしたヘパリン−セファロ
ースカラムに適用する。出発緩衝液でカラムを充分洗浄
後、骨誘導因子活性蛋白質を50ミリモルKPO4、7
00ミリモルりNaCl、6モル尿素(pH7.4)により溶
離させる。このフラクションを最小体積に濃縮し、4モ
ルGuCl、20ミリモルのトリス(pH7.2)により平衡
状態にしたスーパローズ6およびスーパローズ12カラ
ム(一列に連結)に0.4mlアリコートを適用し、カラム
を流速0.25ml/分で展開する。骨誘導因子活性を示
す蛋白質は、約30000ダルトンの蛋白質に対応する
相対移動を呈する。 【0024】上記フラクションをプールし、50ミリモ
ルNaAc、6モル尿素(pH4.6)に対して透析し、ファ
ルマシア・モノS HRカラムに適用する。カラムを1.
0モルNaCl、50ミリモルNaAc、6モル尿素(pH
4.6)への勾配により展開する。活性フラクションをプ
ールし、10%トリフルオロ酢酸(TFA)によりpH
3.0とする。この材料を0.1%TFA中0.46×
25cmバイダックC4カラムに適用し、カラムを90%
アセトニトリル、0.1%TFAへの勾配により展開す
る(60分間で31.5%アセトニトリル、0.1%TF
Aから49.5%アセトニトリル、0.1%TFA、ただ
し1分間1mlの速度)。活性材料を約40−44%アセ
トニトリルで溶離する。マッコナヘイ等、「インターナ
ショナル・アーカイブス・オブ・アラージー」、29:
185−189(1966)、ボルトン等、「バイオケミ
カル・ジャーナル」、133:529(1973)および
ボーウェン-ポープ、「ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー」、237:5161(1982)の中
の一法により、適当なフラクションのアリコートをヨウ
素化する。これらのフラクション中に存在するヨウ素化
蛋白質をSDSゲル電気泳動および尿素トリトンX10
0等電点電気泳動により分析する。この段階で、骨誘導
因子を評価すると、約10−50%純度である。 【0025】実施例2 うし骨誘導因子の特性検定 A.分子量 実施例1により得られた約20μgの蛋白質を凍結乾燥
し、1×SDS試料緩衝液に再溶解する。37℃で15
分加熱後、試料を15%SDSポリアクリルアミドゲル
に適用し、次いで冷却しながら電気泳動させる。予め染
色した分子量標準(ベゼスダ・リサーチ・ラブズ)と比べ
て分子量を測定する。完了直後、骨誘導因子含有ゲルレ
ーンを0.3cm片に切断する。各片をすり潰し、1.4ml
の0.1%SDSを加える。試料を室温で一夜穏やかに
振り混ぜて蛋白質を溶離させる。各ゲル片を脱塩するこ
とにより、生物学的検定における干渉を防ぐ。各試料か
ら得た上清を10%TFAによりpH3.0に酸性化し、
0.45ミクロン膜によりろ過し、0.46cm×5cmC4
バイダックカラムに入れ、0.1%TFAから0.1%T
FA、90%CH3CNへの勾配により展開する。適当
な骨誘導因子含有フラクションをプールし、20mgのラ
ット・マトリックスにより再構成する。このゲル・シス
テムにおいて、骨誘導因子フラクションの大部分は、約
28000−30000ダルトンの分子量を有する蛋白
質移動度を有する。 【0026】B.等電点電気泳動 骨誘導因子活性の等電点を変性等電点電気泳動システム
において測定する。トリトンX100尿素ゲルシステム
(ホーファー・サイエンティフィック)を次の要領で修正
する。1)使用される両性電解質の40%はサーバライ
ト3/10あり、60%はサーバライト7−9である。
2)使用されるカソライト(catholyte)は40ミリモルN
aOHである。実施例1で得られた約20μgの蛋白質を
凍結乾燥し、試料緩衝液に溶解し、等電点電気泳動ゲル
に適用する。ゲルを20ワット、10℃で約3時間移動
させる。完了時、骨誘導因子含有レーンを0.5cm片に
切断する。各片を1.0mlの6モル尿素、5ミリモルの
トリス(pH7.8)中ですり潰し、試料を室温で振り混ぜ
る。試料を上記と同様に酸性化し、ろ過し、脱塩し、検
定する。実施例3記載の検定で測定された活性の大部分
は、8.8−9.2のpIと一致する形で移動する。 【0027】C.サブユニットの特性 骨誘導因子のサブユニット組成についても測定する。純
粋な骨誘導因子を上記と同様にプレパラティブ15%S
DSゲルから分離する。次いで試料の一部を試料緩衝液
中5ミリモルDTTにより還元し、15%SDSゲルに
おいて再電気泳動させる。約30キロダルトン蛋白質
は、約20キロダルトンおよび18キロダルトンの箇所
で2本の大きなバンド並びに30キロダルトンの箇所で
小さなバンドを生ずる。2本のバンドの広さは、恐らく
はグリコシル化、他の翻訳後修飾、蛋白質加水分解によ
る減成またはカルバミル化に起因すると思われる不均質
性を示す。 【0028】実施例3 骨誘導因子の生物学的活性 サンパスおよびレディ、「プロシーディングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・
オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリ
カ」、80:6591−6595(1983)の一般的方
法によるラット骨形成検定を用いることにより、実施例
1で得られたこの発明のうし骨誘導因子の骨生成活性を
評価する。またこの検定を用いて他の種類の骨誘導因子
を評価することも可能である。エタノール沈澱工程の代
わりに検定フラクションの水に対する透析を行う。次い
で、溶液または懸濁液を揮発性溶媒、例えば0.1−0.
2%TFAに再溶解し、生成した溶液を20mgのラット
・マトリックスに加える。この材料を冷凍し、凍結乾燥
し、生成した粉末を#5ゼラチンカプセルに封入する。
21−49日令の雄ロング・エバンス・ラットの腹部胸
領域にカプセルを皮下内植する。7−14日後インプラ
ントを除去する。各インプラントの半分を用いてアルカ
リ性ホスファターゼ分析[レディ等、「プロシーディング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・
アメリカ」、69:1601(1972)参照]を行い、半
分を固定し、組織分析を行う。常用手順で、1μmグリ
コメタクリレート部分をボン・コッサおよび酸性フーシ
ン(fuschin)で染色することにより、新規骨無機質を検
出する。アルカリ性ホスファターゼ、マトリックス形成
プロセスにおいて軟骨芽細胞および骨芽細胞により生産
される酵素もまた測定される。新しい軟骨および硬骨形
成はしばしばアルカリ性ホスファターゼレベルと相関す
る。下記表1は、骨誘導因子により処理されなかった対
照を含むラット・マトリックス試料の用量応答を示す。 【0029】 【表1】 表1内植蛋白質*(μg) 軟骨 アルカリ性ホスファターゼ(μ/l) 7.5 2 実施せず 2.5 3 445.7 0.83 3 77.4 0.28 0 32.5 0.00 0 31.0 *この段階で骨誘導因子は約10−15%の純度である。 【0030】形成された硬骨または軟骨は、マトリック
スによりふさがれた空間に物理的に閉じ込められる。ま
た、前記と同様にSDSゲル電気泳動および等電点電気
泳動により試料を分析し、次いでオートラジオグラフィ
ーを行う。分析は、pI9.0および28−30キロダル
トンでの蛋白質バンドと活性の相関関係を示す。1OD
/mg−cmの消衰係数を蛋白質に関する推定値として使用
し、特定フラクション中の骨誘導因子の純度を近づけ
る。前記希釈物におけるインビボ ラット骨形成検定に
おいて、蛋白質は、10〜200ng蛋白質/(骨)g〜恐
らくは1μg蛋白質/(骨)gより大の比率でインビボ活性
を呈する。 【0031】実施例4 うし骨誘導因子蛋白質組成物 28−30キロダルトンの分子量を有する実施例2Aの
蛋白質組成物を実施例2Cの記載に従い還元し、トリプ
シンで消化する。下記のアミノ酸配列を有する8種のト
リプシンフラグメントを標準的方法により単離する。 フラグメント1:AAFLGDIALDEEDLG フラグメント2:AFQVQQAADL フラグメント3:NYQDMVVEG フラグメント4:STPAQDVSR フラグメント5:NQEALR フラグメント6:LSEPDPSHTLEE フラグメント7:FDAYY フラグメント8:LKPSN?ATIQSIVE 【0032】実施例1記載の方法と類似した精製手順に
従い、うしの骨由来の蛋白質の低級精製製品を製造す
る。この精製手順は、DE−52カラム、CMセルロー
スカラムおよびモノSカラムの省略並びにヒドロキシル
アパタイトおよびヘパリン・セファロースカラムの順で
の置き換えにより前記手順からは基本的に変化する。簡
単に述べると、濃縮粗4モル抽出物をエタノール(4度)
に加えて85%最終濃度とする。次いで混合物を遠心分
離し、沈澱を50ミリモルのトリス、0.15モルNaC
l、6.0モル尿素に再溶解する。次に、この材料を前記
と同様にヘパリン・セファロースにおいて分画化する。
ヘパリン結合材料を前記と同様にヒドロキシアパタイト
において分画化する。活性フラクションをプールし、濃
縮し、高度分離ゲルろ過において分画化する(6モルの
グアニジニウムクロリド、50ミリモルのトリス(pH
7.2)中TSK30000)。活性フラクションをプー
ルし、0.1%TFAに対して透析し、次いで前記と同
様にC4バイダック逆相カラムにおいて分画化する。調
製物を還元し、アクリルアミドゲルで電気泳動する。1
8Kバンドに対応する蛋白質を溶離させ、トリプシンで
消化する。下記のアミノ酸配列を有するトリプシンフラ
グメントが分離される。 フラグメント9:SLKPSNHATIQS?V フラグメント10:SFDAYYCS?A フラグメント11:VYPNMTVESCA フラグメント12:VDFADI?W ただし、トリプシン・フラグメント7および8は、実質
的にそれぞれフラグメント10および9であるものとす
る。 【0033】A.bBMP−1 レイズ、「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー」、183(1):1−12(1985)の方法に従
い、オリゴヌクレオチドのプール(または特有のオリゴ
ヌクレオチド)を成分とするプローブを設計し、自動D
NAシンセサイザーで合成する。一プローブは、下記ヌ
クレオチド配列 TCCTCATCCAGGGCAATGTCGCCCAGGAAGGC を有する比較的長い(32ヌクレオチド)「ゲスマー」[ツ
ール等、「ネイチャー」、312:342−347(198
4)]を成分としている。 遺伝子コードは同義性であるため(複数のコドンが同じ
アミノ酸をコードし得る)、プローブプールにおけるオ
リゴヌクレオチドの数は、真核生物におけるコドン使用
頻度、G:T塩基対の相対安定性および真核生物コード
配列におけるジヌクレオチドCpGの相対的希少性に基
づいて減らされる[ツール等(前出)参照]。第2セット
のプローブは、アミノ酸をコードし得る可能な配列を全
て含む短いオリゴヌクレオチド(長さ17ヌクレオチ
ド)により構成される。第2セットのプローブは下記配
列を有する。 (a) A [A/G] [A/G] TC [T/C] TC [T/C] TC [A/G] TC [T
/C] AA (b) A [A/G] [A/G] TC [T/C] TC [T/C] TC [A/G] TCNAG 括弧内のヌクレオチドは代替配列である。「N」はA、
T、CまたはGを意味する。 【0034】両場合において、プローブ設計に使用され
るアミノ酸配列の領域は、可能ならば高度変性コドンを
避けることにより選択される。オリゴヌクレオチドを自
動DNAシンセサイザーで合成する。次いで、ポリヌク
レオチドキナーゼおよび32P−ATPを用いてプローブ
に放射性標識を行う。これら2セットのプローブを用い
てうしゲノム組換え体ライブラリーをスクリーニングす
る。ライブラリーは次の要領で構築される。うし肝臓D
NAを制限エンドヌクレアーゼ酵素Sau 3Aにより部
分消化し、ショ糖勾配により沈降させる。次に、15−
30キロ塩基の範囲でのサイズ分画DNAをバクテリオ
ファージBamHIベクターEMBL3に結合する[フリ
シャウフ等、「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイ
オロジー」、170:827−842(1983)]。ライ
ブラリーを1プレート当たり組換え体8000個の割合
で培養する。プラークの重複ニトロセルロースレプリカ
を作成し、ウー等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ
・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、7
5:3688−91(1978)の手順の修正法に従い増
幅する。 【0035】32merプローブを32P−ガンマ−ATP
によりキナーゼ化し、45℃で5×SSC、0.1%S
DS、5×デンハルツ、100μg/mlのサーモン精液
DNA中1セットのフィルターとハイブリダイゼーショ
ンし、45℃で5×SSC、0.1%SDSにより洗浄
する。17merプローブをキナーゼ化し、50℃で3モ
ルのテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、
0.1モルの燐酸ナトリウム(pH6.5)、1ミリモルE
DTA、5×デンハルツ、0.6%SDS、100μg/
mlサーモン精液DNA中他のセットのフィルターとハイ
ブリダイゼーションし、50℃で3モルTMAC、50
ミリモルのトリス(pH8.0)により洗浄する。これらの
条件により、17merプローブプールに対する不適当な
組合わせの検出は最小限となる[ウッド等、「プロシーデ
ィングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・
オブ・アメリカ」、82:1585−1588(198
5)参照]。この方法により400000個の組換え体を
スクリーニングし、一デュプリケイト陽性をプラーク精
製する。ラムダbP−50と称するこの組換え体バクテ
リオファージのプレートリゼイトからDNAを分離す
る。bP−50は、1986年12月16日に受託番号
40295としてアメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション(アメリカ合衆国メリーランド、ロックビ
ル、パークローン・ドライブ12301)(以後「ATC
C」と称す)に寄託された。この寄託物およびこの明細書
に含まれる他の寄託物は、特許手続きを目的とする微生
物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約およびそ
の下での規則の必要条件を満たしている。このbP−5
0クローンは、bBMP−1と称するうし骨成長因子の
少なくとも一部をコードする。 【0036】このbBMP−1クローンのオリゴヌクレ
オチド・ハイブリダイゼーション領域は、M13中にサ
ブクローン化され、標準技術により配列された約800
bpのEcoRIフラグメントに対して局在している。ラム
ダbP−50の部分的DNA配列および誘導されたアミ
ノ酸配列を下記表2に示す。牛骨28〜30kd材料から
分離されたトリプシンフラグメントに対応するアミノ酸
配列は、表2の下線部である。この配列の最初の下線部
分は、オリゴヌクレオチドプローブが設計される上記ト
リプシンフラグメント1に対応する。第二の下線部分
は、上記トリプシンフラグメント2に対応する。予測さ
れたアミノ酸配列は、トリプシンの特異性を考慮して予
想した通り、塩基性残基(R)がトリプシンフラグメント
2の前にあることを示す。表2におけるヌクレオチド位
置#292−293のカップレットCTに先行する核酸
配列は、コンセンサス受容配列(すなわち、ピリミジン
濃厚域、TCTCTCTCC、次にAG)の存在および
誘導されたアミノ酸配列の適当な位置における塩基性残
基の欠如に基づきイントロン(非コード配列)であると思
われる。このbBMP−1ゲノム配列は表2において明
白である。このゲノムクローンからの推定に基づくbB
MP−1ペプチド配列は37アミノ酸長であり、表2に
おけるヌクレオチド#294〜#404のDNA配列に
よりコードされる。 【0037】 【表2】 【0038】B.bBMP−2 フラグメント3のアミノ酸配列に基づき、オリゴヌクレ
オチドのプールを成分とする2種のプローブを設計し、
前記と同様に自動DNAシンセサイザーで合成する。 プローブ#1:ACNACCAT[A/G]TC[T/C]T
G[A/G]AT プローブ#2:CA[A/G]GA[T/C]ATGGTN
GTNGA これらのプローブを放射性標識し、これらを用いて、A
項の記載に従い(ただし、ベクターはラムダJ1BamH
1armsである)構築されたうしゲノムライブラリーをス
クリーニングする[ムリンズ等、「ネイチャー」、30
8:856−858(1984)]。放射性標識17−mer
プローブ#1を、A項記載の17merプローブに関する
方法によるフィルターのセットとハイブリダイゼーショ
ンする。上記A項記載の手順により400000個の組
換え体をスクリーニングする。一デュプリケイト陽性を
プラーク精製し、DNAを、ラムダbP−21と称する
組換えバクテリオファージの培養リゼイトから分離す
る。バクテリオファージbP−21は、1987年3月
6日にATCC40310の受託番号でATCCに寄託
された。bP−21クローンは、bBMP−2と称するう
し成長因子をコードする。 【0039】このbBMP−2クローンのオリゴヌクレ
オチド・ハイブリダイゼーション領域は、M13中にサ
ブクローン化され、標準技術により配列決定された約
1.2キロ塩基のSacI制限フラグメントに対して局在
する。このSacIフラグメントおよびbP−21の隣接
HindIII−SacI制限フラグメントの部分的DNA配列
および誘導されたアミノ酸配列を下記表3に示す。この
クローンからのbBMP−2ペプチド配列は129アミ
ノ酸長であり、ヌクレオチド#1〜ヌクレオチド#38
7のDNA配列によりコードされる。牛骨28〜30kd
材料から分離されたトリプシンフラグメントに対応する
アミノ酸配列は、表3の下線部である。この配列の下線
部分は、bBMP−2に関するオリゴヌクレオチドプロ
ーブが設計される上記トリプシンフラグメント3に対応
する。予測されたアミノ酸配列は、トリプシンの特異性
を考慮して予想した通り、塩基性残基(K)がトリプシン
フラグメント3の前にあることを示す。CGTトリプレ
ットによりコードされるアルギニン残基は、それに隣接
する停止コドン(TAG)の存在に基づき恐らく蛋白質の
カルボキシ末端であると思われる。 【0040】 【表3】【0041】C.bBMP−3 トリプシンフラグメント9(プローブ#3)、10(プロ
ーブ#2)および11(プローブ#1)のアミノ酸配列に
基づいて、オリゴヌクレオチドのプールを成分とするプ
ローブを設計し、自動DNAシンセサイザーで合成す
る。 プローブ#1:ACNGTCAT[A/G]TTNGG[A
/G]TA プローブ#2:CA[A/G]TA[A/G]TANGC[A
/G]TC[A/G]AA プローブ#3:TG[A/G/T]ATNGTNGC[A/
G]TG[A/G]TT 上記A項で詳述したTMACハイブリダイゼーション方
法により、EMBL3において構築された組換えうしゲ
ノムライブラリーをスクリーニングする。400000
個の組換え体を32Pで標識されたプローブ#1により繰
り返しスクリーニングする。このプローブとハイブリダ
イゼーションした組換え体は全て二次培養として再培養
される。トリプリケイト・ニトロセルロース・レプリカ
は二次培養物から成り、前記と同様に増幅される。3セ
ットのフィルターを再びTMAC条件下でプローブ#
1、#2および#3とハイブリダイゼーションする。一
クローン、ラムダbP−819は3種のプローブ全てと
ハイブリダイゼーションする。これをプラーク精製し、
DNAをプレートリゼイトから分離する。バクテリオフ
ァージ ラムダbP−819は、1987年6月16日に
ATCC40344の受託番号下でATCCに寄託され
た。このbP−819クローンは、bBMP−3と称する
うし骨成長因子をコードする。 【0042】プローブ#2とハイブリダイゼーションす
るbP−819の領域は局在して配列している。この領
域の部分的DNAおよび誘導されたアミノ酸配列を表4
Aに示す。トリプシンフラグメント10および12に対
応するアミノ酸配列は下線部である。最初の下線部の配
列はフラグメント12に対応し、第2の下線部の配列は
フラグメント10に対応する。従って、プローブ#2と
ハイブリダイゼーションするbP−819のこの領域
は、少なくとも111個のアミノ酸をコードする。この
アミノ酸配列は、ヌクレオチド#414〜#746のD
NA配列によりコードされる。 【0043】 【表4】【0044】プローブ#1および#3とハイブリダイゼ
ーションするbP−819の領域は局在して配列してい
る。この領域の部分的DNAおよび誘導されたアミノ酸
配列を表4Bに示す。トリプシンフラグメント9および
11に対応するアミノ酸配列は下線部である。最初の下
線部の配列はフラグメント9に対応し、第2の下線部の
配列はフラグメント11に対応する。プローブ#1およ
び#3とハイブリダイゼーションするbP−819のこ
の領域のペプチド配列は、表4Bのヌクレオチド#30
5〜#493によりコードされる長さ64個のアミノ酸
である。AGAトリプレットによりコードされるアルギ
ニン残基は、それに隣接する停止コドン(TAA)の存在
に基づき蛋白質のカルボキシ末端であると思われる。カ
ップレットTC(305−306位)に先行する核酸配列
は、コンセンサス受容配列(すなわち、ピリミジン濃厚
域、TTCTCCCTTTTCGTTCCT、次にA
G)の存在および誘導されたアミノ酸配列の適当な位置
における塩基性残基以外の停止配列の存在に基づきイン
トロン(非コード配列)であると思われる。 【0045】従って、bBMP−3は、表4Aおよび4
BのDNAおよびアミノ酸配列を有することを特徴とす
る。このクローンのペプチド配列は174アミノ酸長で
あり、表4Aのヌクレオチド#414〜ヌクレオチド#
746および表4Bのヌクレオチド#305〜ヌクレオ
チド#493のDNA配列によりコードされる。 【0046】 【表5】 【0047】実施例5 ひと骨誘導因子 A.hBMP−1 うしおよびひとの骨成長因子遺伝子は著しく相同性を示
すと思われるため、表2のうしbBMP−1 DNA配列
(またはその一部分)をプローブとして用いることによ
り、ひと遺伝子ライブラリーをスクリーニングする。う
しゲノムクローンの800bp EcoRIフラグメントを
ニック翻訳により32Pで標識する。ひとゲノムライブラ
リー(ツール等、前出)を、1プレート当たり組換え体4
0000個の割合で20プレートにおいて培養する。デ
ュプリケイト・ニトロセルロースフィルター・レプリカ
は、各プレートで構成されており、50℃で約14時間
5×SSC、5×デンハルツ、100μg/ml変性サー
モン精液DNA、0.1%SDS(標準ハイブリダイゼー
ション溶液)中ニック翻訳プローブとハイブリダイゼー
ションされる。次いで、フィルターを50℃で1×SS
C、0.1%SDSにより洗浄し、オートラジオグラフ
ィーに付す。5つのデュプリケイト陽性を分離し、プラ
ーク精製する。これらの組換えバクテリオファージのう
ちの1種、LP−H1のプレート・リゼイトからDNA
を得る。LP−H1は1987年3月6日にATCCに
寄託された(受託番号40311)。このクローンは、h
BMP−1というひとゲノム骨成長因子の少なくとも一
部分をコードする。LP−H1のハイブリダイゼーショ
ン領域は、2.5キロ塩基XbaI/HindIII制限フラグ
メントに対して局在している。 【0048】ラムダLP−H1の部分的DNA配列およ
び誘導されたアミノ酸配列を下記表5に示す。このクロ
ーンからのペプチド配列は37アミノ酸長であり、ヌク
レオチド#3440〜ヌクレオチド#3550のDNA
配列によりコードされる。表5のコード配列の側面に
は、約28個のヌクレオチド(推定に基づく5'非コード
配列)および約19個のヌクレオチド(推定に基づく3'
非コード配列)が存在する。表2のbBMP−1配列と表
5のhBMP−1ゲノム配列とを比較すると、両配列間
に顕著な相同性の存在することが示される。コード領域
のサイズおよび非コード領域の位置は、一般に異なる種
類の相同性遺伝子においても保持されているため、骨誘
導因子遺伝子のコードおよび非コード領域の配置は同定
され得る。相同部位においてシグナルを生じるRNAが
側面に位置する、2種類の遺伝子間の相同性領域は、コ
ード領域を示す。 【0049】 【表6】 【0050】表5に示されたひとコード配列に特異的な
プローブを用いることにより、骨誘導因子を合成するひ
とセルラインまたは組織を同定する。このプローブは次
の方法に従い作成される。下記配列 (a) GGGAATTCTGCCTTTCTTGGGGACATTGCCCTGGACGAAGAGGACCTGAG (b) CGGGATCCGTCTGAGATCCACAGCCTGCTGTACCTGGAAGGCCCTCAGG を有する2種のオリゴヌクレオチドを自動シンセサイザ
ーで合成し、アニーリングし、エシェリヒア・コリDN
AポリメラーゼIのクレノウ・フラグメントを用いて広
げ、制限酵素EcoRIおよびBamHIにより消化し、M
13ベクターに挿入する。次に、一本鎖32P標識プロー
ブは、標準技術によりこのサブクローンの鋳型調製物に
より作成される。ツール等の方法(前出)により、様々な
細胞および組織供給源由来のポリアデニル化RNAをホ
ルムアルデヒド-アガロースゲルにより電気泳動させ、
ニトロセルロースに移動させる。次いで、このプローブ
を、42℃で一夜50%ホルムアミド、5×SSC、
0.1%SDS、40ミリモルの燐酸ナトリウム(pH6.
5)、100μg/mlの変性サーモン精液DNAおよび5
ミリモルのバナジルリボヌクレオシド中ニトロセルロー
ス・ブロットとハイブリダイゼーションし、0.2×S
SC、0.1%SDS中65℃で洗浄する。オートラジ
オグラフィーによると、ひと骨肉腫セルラインU−2
OS由来のRNAを含むレーンは、約4.3および3.0
キロ塩基のRNA種に対応するハイブリダイゼーション
・バンドを含んでいる。 【0051】cDNAをU−2 OSポリアデニル化RN
Aから合成し、確立された技術により(ツール等、前出)
ラムダgt10にクローン化する。このライブラリーから
の組換え体20000個を50プレートの各々において
培養する。デュプリケイト・ニトロセルロース・レプリ
カはこれらのプレートで構成される。前記オリゴヌクレ
オチドを32P−ガンマ−ATPによりキナーゼ化し、5
5℃で一夜標準ハイブリダイゼーション溶液中で2セッ
トのレプリカとハイブリダイゼーションする。次いで、
フィルターを55℃で1×SSC、0.1%SDSによ
り洗浄し、オートラジオグラフィーに付す。ラムダU2
OS−1と称する一デュプリケイト陽性をプラーク精製
する。ラムダU2OS−1は1987年6月16日にA
TCCに寄託された(受託番号40343)。ラムダU2
OS−1の挿入体の全ヌクレオチド配列および誘導され
たアミノ酸配列を表6に示す。このcDNAクローン
は、分泌された蛋白質特有の疎水性リーダー配列が後に
続くメチオニンをコードし、ヌクレオチド位2226−
2228の停止コドンを含む。このクローンは、このア
ミノ酸配列に基づき分子量og83キロダルトンを有する
730個のアミノ酸で構成される蛋白質をコードする、
2190bpのオープン・リーディング・フレームを含
む。このクローンは、表5に示したコード領域と同じ配
列を含む。この蛋白質は、分泌後開裂してhBMP−1
蛋白質を生成する一次翻訳産物を示すと考えられる。従
って、このクローンは、ゲノムhBMP−1配列ラムダ
LP−H1に含まれるひと遺伝子フラグメントに対応す
るhBMP−1のcDNAである。ただし、BMP−1の
アミノ酸#550〜#590は、表皮成長因子並びにプ
ロテインC、第X因子および第IX因子の「成長因子」領域
と相同性である。 【0052】 【表7】 【表8】【表9】【表10】 【0053】B.hBMP−2:クラスIおよびII 実施例4B記載のHindIII−SacIうしゲノムbBMP
−2フラグメントをM13ベクターにサブクローンす
る。32P−標識一本鎖DNAプローブは、このサブクロ
ーンの鋳型調製物から作成される。このプローブを用い
ることにより、A項で前述された様々な細胞および組織
供給源由来のポリアデニル化RNAをスクリーニングす
る。約3.8キロ塩基のmRNA種に対応するハイブリダ
イゼーション・バンドは、ひとセルラインU−2 OS
由来のRNAを含むレーンにおいて検出される。HindI
II−SacIフラグメントをニック翻訳により32Pで標識
し、これを用いて、65℃で一夜標準ハイブリダイゼー
ション緩衝液中でハイブリダイゼーションし、次いで6
5℃で1×SSC、0.1%SDSにより洗浄すること
により、前記U−2 OScDNAライブラリーのニトロ
セルロース・フィルター・レプリカをスクリーニングす
る。12個のデュプリケイト陽性クローンを取り上げ、
二次培養として再培養する。デュプリケイト・ニトロセ
ルロース・レプリカは二次培養物から成り、一次スクリ
ーニングを行なった場合と同様に両セット共うしゲノム
プローブとハイブリダイゼーションされる。次いで65
°で一方のセットのフィルターを1×SSC、0.1%
SDSで洗浄し、他方のセットを0.1×SSC、0.1
%SDSで洗浄する。 【0054】2クラスのhBMP−2 cDNAクローン
は、高いストリンジェント洗浄条件下(0.1×SSC、
0.1%SDS)において、強い(4組換え体)または弱い
(7組換え体)ハイブリダイゼーション・シグナルに基づ
き明白である。11組換えバクテリオファージ全部をプ
ラーク精製し、小規模DNA調製物を各々の培養リゼイ
トから作成し、配列分析用に挿入体をpSP65および
M13にサブクローン化する。hBMP−2・クラスI
と称する(BMP−2としても知られている)強いハイブ
リダイゼーションクローンの配列分析は、それらが表3
に示された配列と強い配列相同性を有することを示す。
従ってこれらのクローンは、bBMP−2遺伝子(この部
分配列は表3に示されている)によりコードされる蛋白
質のひと均等蛋白質をコードするcDNAである。hBM
P−2・クラスIIと称する(BMP−4としても知られ
ている)弱いハイブリダイゼーション組換え体の配列分
析は、それらもまた、それらのコード領域の3'末端に
おいて表3に示した配列と全く相同性である(ただし、
さらに大きい5'領域ではそれほどではない)ことを示
す。すなわち、それらは、同一ではないが、前記構造と
の類似構造を有するひと蛋白質をコードする。 【0055】完全長のhBMP−2・クラスIcDNAク
ローンも同様の方法で得られる。クラスIIサブクローン
の1つ(II−10−1)の1.5キロ塩基挿入体を分離
し、ニック翻訳により放射性標識する。上記でスクリー
ニングされたU−2 OS cDNAライブラリーのニト
ロセルロース・レプリカ(50フィルター、10000
00組換え体バクテリオファージに対応)の1セット
を、ストリンジェント条件下(標準ハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液中65°でハイブリダイゼーション、65°
で0.2×SSC、0.1%SDSで洗浄)でこのプロー
ブとハイブリダイゼーションする。クラスIIプローブと
はハイブリダイゼーションしないうしゲノムプローブと
ハイブリダイゼーションする組換え体全部を選び取り、
プラーク精製する(10組換え体)。プレートのストック
を作り、小規模バクテリオファージDNA調製物を作成
する。M13へのサブクローニング後、配列分析は、こ
れらのうち4つが元のクラスIクローンと部分的に一致
するクローンを表すことを示す。これらの中の1つ、ラ
ムダU2OS−39は、約1.5キロ塩基の挿入体を含
んでおり、1987年6月16日付けでATCCに寄託
された(受託番号40345)。部分的DNA配列(ラム
ダU2OS−39および幾つかの他のhBMP−2クラ
スIcDNA組換え体から編集された)および誘導された
アミノ酸配列を下記表7に示す。ラムダU2OS−39
は、その部分配列が表3に示されているうし遺伝子セグ
メントによりコードされる蛋白質BMP−2のひと対応
部全体をコードするのに必要なヌクレオチド配列を全て
含むものと予想される。このひとcDNA hBMP−2
クラスIは、396個のアミノ酸から成る蛋白質をコー
ドする、1188bpのオープン・リーディング・フレー
ムを含む。396個のアミノ酸から成るこの蛋白質は、
このアミノ酸配列に基づき45キロダルトンの分子量を
有する。この配列は、一次翻訳産物を表すものと考えら
れる。全フレームにおいて停止コドンを有する342bp
の5'未翻訳領域がこの蛋白質に先行する。この5'未翻
訳領域に先行する13bp領域は、cDNAクローニング
方法で使用されるリンカーを表す。 【0056】 【表11】【表12】【表13】 【0057】完全な長さのhBMP−2・クラスIIひとc
DNAクローンは、次の要領で得られる。クラスII組換
えII−10−1の5'端部からの200bp EcoRI−S
acIフラグメントをそのプラスミド・サブクローンから
分離し、ニック翻訳により標識し、U−2 OS cD
NAライブラリー(25フィルター/セット、5000
00個の組換え体を示す)の1セットのデュプリケイト
・ニトロセルロース・レプリカとハイブリダイゼーショ
ンする。前記ストリンジェント条件下でハイブリダイゼ
ーションおよび洗浄を行う。16デュプリケイト陽性を
選び取り、二次培養として再培養する。二次培養のニト
ロセルロース・フィルター・レプリカを作成し、II−1
0−1の配列と対応すべく合成された、下記配列 CGGGCGCTCAGGATACTCAAGACCAGTGCTG を有するオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーション
する。50℃で標準ハイブリダイゼーション緩衝液中で
ハイブリダイゼーションし、1×SSC、0.1%SD
Sにより50°で洗浄する。このオリゴヌクレオチドと
ハイブリダイゼーションする14組換えバクテリオファ
ージをプラーク精製する。プラーク・ストックを作り、
小規模バクテリオファージDNA調製物を作成する。こ
れらの中の3つをM13にサブクローニング後、配列分
析は、それらが元のクラスIIクラスと部分的に一致する
クローンを表すことを示す。これらの中の1つ、ラムダ
U2OS−3は1987年6月16日付けでATCCに
寄託された(受託番号40342)。U2OS−3は約
1.8キロ塩基の挿入体を含む。U2OS−3の部分的
DNA配列および誘導されたアミノ酸配列を下記表8に
示す。このクローンは、全ひとBMP−2・クラスII蛋
白質をコードするのに必要なヌクレオチド配列の全てを
含むものと予想される。このcDNAは、全フレームに
おいて停止コドンを有する394bpの5'未翻訳領域が
先行し、408個のアミノ酸から成る蛋白質をコードす
る、1224bpのオープン・リーディング・フレームを
含み、イン-フレーム停止コドンの後に308bpの3'未
翻訳領域を含む。5'未翻訳領域に先行する8bp領域
は、cDNAクローニング方法で使用されるリンカーを
表す。408個のアミノ酸から成る蛋白質は47キロダ
ルトンの分子量を有し、一次翻訳産物を表すものと考え
られる。 【0058】 【表14】 【表15】【表16】 【0059】表3、4、7および表8に示されたBMP
−2・クラスIおよびII並びにBMP−3の配列は、イ
ンヒビンのベータ(B)(InhβB)およびベータ(A)(Inhβ
A)サブユニットと顕著な相同性を有する。インヒビン
は、避妊における使用に関して現在研究されているホル
モンの一種である。メゾン等、「ネイチャー」、318:
659−663(1985)参照。さらに範囲を狭める
と、それらはまた、ムレリアン阻害物質(MIS)、雄性
胚の成長中におけるムレリアン導管の退行を誘発する精
巣性糖蛋白質、および細胞の成長を阻害または刺激し
得、またはそれらを分化させ得る形質転換成長因子−ベ
ータ(TGFβ)とも相同性を呈する。さらに、hBMP
−2・クラスI、クラスIIをコードする表7および表8
の配列は、ドロソフィラ・デカペンタプレジック(DP
P−C)遺伝子座転写体と顕著な相同性を有する。マッ
サーグ、「セル」、49:437−438(1987)、パ
ジェット等、「ネイチャー」、325:81−84(19
87)、ケート等、「セル」、45:685−698(19
86)参照。従って、BMP−2が、この発生的突然変
異遺伝子座からのこの転写体から作られた蛋白質のひと
相同体であり得ることが考えられる。以下、これらの相
同性を表9により示す。 【0060】 【表17】 【0061】C.BMP−3 うしおよびひとの骨成長因子遺伝子が顕著な相同性を有
すると思われるため、表4Aおよび4BのうしDNA配
列とハイブリダイゼーションすることが示されたオリゴ
ヌクレオチド・プローブを用いてひとゲノム・ライブラ
リーをスクリーニングする。これらのプローブを用いて
ひとゲノムライブラリー(ツール等、前出)をスクリーニ
ングし、仮定的陽性を分離すると、前記と同様にDNA
配列が得られる。この組換え体がひと骨誘導因子分子の
一部をコードするという証拠は、うし/ひと蛋白質およ
び遺伝子構造相同性に存する。一旦ひとBMP−3分子
の一部をコードするDNAを含む組換えバクテリオファ
ージが得られると、実施例5(A)の記載と同様にひとコ
ード配列をプローブとして用いることにより、BMP−
3を合成するひとセルラインまたは組織を同定する。m
RNAをオリゴ(dT)セルロース・クロマトグラフィー
により選択し、cDNAを確立された技術により(ツール
等、前出)合成し、ラムダgt10においてクローン化す
る。 【0062】別法として、このひと骨誘導因子をコード
する全遺伝子は、必要ならば追加の組換えクローンにお
いて同定および生成され得る。このひと骨誘導因子遺伝
子のさらに別の3'または5'領域を含む追加の組換え体
は、元のクローンの端部(複数も可)における独特のDN
A配列を同定し、これらをプローブに用いてひとゲノム
ライブラリーを再スクリーニングすることにより生産さ
れ得る。次いで、この遺伝子は、標準的分子生物学技術
により単一プラスミドにおいて再会合され、細菌におい
て増幅され得る。次に、全ひとBMP−3因子遺伝子は
適当な発現ベクターに移入され得る。次いで、この遺伝
子を含む発現ベクターによりほ乳類細胞、例えばさるC
OS細胞をトランスフェクションし、その細胞において
ひと遺伝子が転写され、RNAは正確にスプライシング
される。トランスフェクションされた細胞の培地を、遺
伝子が完全であることの指標としてこの明細書に記載さ
れた骨誘導因子活性に関して検定する。これらの細胞か
らmRNAを得、このmRNA供給源からcDNAを合成
し、クローン化する。同様に上記方法を用い、プローブ
供給源としてうし骨誘導因子および/またはひと骨誘導
因子を利用することにより、興味の対象である他の種類
の骨誘導因子を分離することが可能である。これらの他
の種類の骨誘導因子は、特に骨折修復において似た有用
性を有し得る。 【0063】実施例6 骨誘導因子の発現 うし、ひとまたは他のほ乳類の骨誘導因子を製造するた
めに、常用的遺伝子工学技術により、それをコードする
DNAを適当な発現ベクターに移入し、ほ乳類細胞に導
入する。当業界の熟練者であれば、表2〜8の配列また
は他の修飾配列並びに既知ベクター、例えばpCD[岡山
等、「モル.セル・バイオル.」、2:161−170(1
982)]およびpJL3、pJL4[ゴフ等、「EMBO・
ジャーナル」、4:645−653(1985)]を用いる
ことによるほ乳類発現ベクターの構築は可能である。こ
れらのベクターを用いた適当な宿主細胞の形質転換によ
り、骨誘導因子が発現され得る。当業界の熟練者であれ
ば、コード配列の側面に位置するほ乳類調節配列を削除
またはこれを細菌性配列と置き換えることにより表2〜
8の配列を操作し、細菌細胞による細胞内または細胞外
発現用細菌性ベクターを構築することが可能である。例
えば、コード配列はさらに操作(例、他の既知リンカー
と結合または他の公知技術によるそこからの非コード配
列の欠失もしくは存在するヌクレオチドの改編による修
飾)され得る。次いで、修飾骨誘導因子コード配列は、
例えば谷口等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ
・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、77:
5230−5233(1980)に記載された方法を用い
て既知細菌性ベクターに挿入され得る。次いで、この実
例的細菌性ベクターにより細菌宿主細胞を形質転換し、
骨誘導因子を発現させ得る。細菌細胞における骨誘導因
子の細胞外発現の実施戦略については、例えばヨーロッ
パ特許出願EPA177343を参照。 【0064】昆虫細胞で発現させる昆虫性ベクターの構
築についても同様の操作が実施され得る[例えば、公開
されたヨーロッパ特許出願155476記載の方法を参
照]。酵母ベクターもまた、酵母細胞によるこの発明の
因子の細胞内または細胞外発現を目的とする酵母調節配
列を用いて構築され得る。[例えば、公開PCT出願W
O86/00639およびヨーロッパ特許出願EPA1
23289参照]。ほ乳類細胞から高レベルの本発明骨
誘導因子を製造する方法は、異種骨誘導因子遺伝子の多
数のコピーを含む細胞の構築を含む。異種遺伝子は、増
幅可能なマーカー、例えばジヒドロ葉酸還元酵素(DH
FR)遺伝子(この場合、カウフマンおよびシャープ、
「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー」、1
59:601−629(1982)の方法に従い、多量の
遺伝子コピーを含む細胞が、メトトレキセート(MTX)
の高濃縮液における伸長に関して選択され得る)に結合
され得る。この方法は幾つかの異なる細胞タイプにより
使用され得る。例えば、この発明の骨誘導因子に関する
DNA配列を含むプラスミドは、その発現を可能にする
他のプラスミド配列およびDHFR発現プラスミドpAd
A26SV(A)3[カウフマンおよびシャープ、「モレキ
ュラー・アンド・セルラー・バイオロジー」、2:13
04(1982)]と効果的に組合わされて、燐酸カルシ
ウム共沈澱およびトランスフェクションによりDHFR
−欠失CHO細胞、DUKX−BII中に共に導入され
得る。DHFR発現形質転換体を、透析うし胎児血清を
含むアルファ培地での成長に関して選択し、続いてMT
X高濃縮液(0.02、0.2、1.0および5マイクロモ
ルのMTXにおける連続段階)での成長による増幅に関
して選択する[カウフマン等、「モレキュラー・アンド・
セラー・バイオロジー」、5:1750(1983)の記載
による]。形質転換体をクローン化し、ラット骨形成検
定により生物学的活性骨誘導因子発現をモニターする。
骨誘導因子発現はMTX耐性のレベルが高くなると、増
加すべきである。同様の方法は、他の骨誘導因子の製造
にも使用され得る。 【0065】別法として、ひと遺伝子は前記に従い直接
的に発現される。活性骨誘導因子は細菌または酵母細胞
において製造され得る。しかしながら、生物学的活性組
換えひと骨誘導因子に対して現在好ましい発現系は、安
定して形質転換されたCHO細胞である。一実施態様と
して、実施例5のひと骨誘導因子(hBMP−1)を製造
するためには、SalI消化によりU2OS−1の挿入体
をベクターarmsから放出させ、XhoIにより消化された
ほ乳類発現ベクターpMT2CXにサブクローン化す
る。DEAE−デキストラン方法を用いて[ソンパイラ
ックおよびダンナ、「PNAS」、78:7575−75
78(1981)、ルトマンおよびマグヌッソン、「ニュ
クレイック・アシッズ・リサーチ」、11:1295−1
308(1983)]、このサブクローンからのプラスミ
ドDNAによりCOS細胞をトランスフェクションす
る。血清不含有24時間条件培地を細胞から集める(ト
ランスフェクションの40−70時間後開始)。ほ乳類
発現ベクターpMT2 Cla−Xho(pMT2CX)は、p9
1023(b)(ウォング等、「サイエンス」、228:81
0−814、1985年)の誘導体であり、後者がテト
ラサイクリン耐性遺伝子ではなくアンピシリン耐性遺伝
子を含み、さらにcDNAクローンの挿入に関するXho
I部位を含む点で相異する。pMT2 Cla−Xhoの機能
的要素については既に記載されており(カウフマン、1
985年、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナ
イテッド・ステーツ・オブ・アメリカ、82:689−
693)、アデノウイルスVA遺伝子、72bpエンハン
サーを含むSV40複製開始点、5'スプライス部位を
含むアデノウイルス主後期プロモーターおよびアデノウ
イルス三部分リーダー配列の大部分(アデノウイルス後
期mRNAに存在)、3'スプライス受容部位、DHFR
挿入体、SV40早期ポリアデニレーション部位(SV
40)並びにエシェリヒア・コリにおける伸長に必要と
されるpBR322配列が含まれる。 【0066】プラスミドpMT2 Cla−Xhoは、pMT
2−VWFのEcoRI消化により得られる[アメリカ合
衆国、メリーランド、ロックビルのアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託された
(受託番号ATCC67122)]。EcoRI消化によりp
MT2−VWFに存在するcDNA挿入体が切除され、
線状形態のpMT2が生成する。これを結合して用いる
ことにより、エシェリヒア・コリHB101またはDH
−5をアンピシリン耐性に形質転換することができる。
プラスミドpMT2 DNAは常法により製造され得る。
次に、pMT2をEcoRVおよびXbaIで消化し、消化
されたDNAをDNAポリメラーゼIのクレノウ・フラ
グメントで処理し、Claリンカー(ネバイオラブズ、C
ATCGATG)を結合することによりpMT2CXが構
築される。これは、SV40複製開始点付近のHindIII
部位から出発する塩基2266〜2421およびpMT
2のエンハンサー配列を除く。次に、プラスミドDNA
をEcoRIで消化し、前記と同様にブラント化し、Eco
RIアダプターに結合し、 5' PO4−AATTCCTCGAGAGCT 3' 3' GGAGCTCTCGA 5' XhoIで消化し、結合することによりpMT2 Cla−X
hoが得られ、次いでこれを用いてエシェリヒア・コリを
アンピシリン耐性に形質転換することができる。プラス
ミドpMT2 Cla−Xho DNAは常法により製造され
得る。得られた骨誘導因子は、通常の蛋白質分離・精製
法によって分離及び精製される。これらの方法に特に限
定はなく、ゲル濾過法、アフィニティークロマトグラフ
ィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマト
グラフィー、HPLC等を組み合わせて用いることがで
きる。分離・精製は、ラット骨形成検定による生物学的
活性および/または抽出ウシ骨誘導因子の特性検定結果
等を指標として効率的に用い得る。 【0067】実施例7 発現した骨誘導因子の生物学的活性 A.BMP−1 上記実施例6で得られた発現した骨誘導因子(hBMP−
1)の生物学的活性を測定する。因子をヘパリン・セフ
ァロースカラムにおいて部分的に精製する。1枚の10
0mm皿から得たトランスフェクション上清4mlを、YM
10膜を用いた限外ろ過により約10倍に濃縮し、次い
で20ミリモルのトリス、0.15モルNaCl(pH7.
4)(出発緩衝液)に対して透析する。次に、この材料を
出発緩衝液中1.1mlヘパリン・セファロースカラムに
適用する。出発緩衝液の8ml洗浄液により未結合蛋白質
を除去し、20ミリモルのトリス、2.0モルNaCl(p
H7.74)の3−4ml洗浄液によりBMP−1を含む結
合蛋白質を脱着させる。ヘパリンカラムにより結合した
蛋白質をセントリコン10において約10倍に濃縮し、
0.1%トリフルオロ酢酸を用いてジアフィルトレーシ
ョンすることにより塩を還元する。この溶液の適量を2
0mgのラットマトリックスと混合し、次いで前記実施例
3の記載に従いインビボ骨および軟骨形成に関して検定
する。MOCK(モック)トランスフェクション上清分画
を対照として使用する。特定量のひとBMP−1が加え
られたラットマトリックスを含むインプラントを7日後
にラットから除去し、組織評価を行う。各インプラント
からの代表的部分を、新規骨無機質の存在に対してボン
・コッサおよび酸性フーシンにより染色し、軟骨特異的
マトリックス形成の存在に対してトルイジンブルーによ
り染色する。その部分内に存在する細胞のタイプおよび
これらの細胞が表現型を示す程度を評価する。 【0068】ひとBMP−1をマトリックス材料に加え
ると、内植の7日後に軟骨様小節が形成された。軟骨芽
(細胞)型細胞は、形状および異染性マトリックスの発現
により認識され得る。ひとBMP−1において観察され
る活性の量は、マトリックスに加えられたひとBMP−
1蛋白質の量により異なった。表9は、観察された骨誘
導量に対するひとBMP−1蛋白質の用量応答関係を示
す。 【0069】 表10インプラント番号 使用量(トランスフェク 組織学的スコア ション培地1mlの当量) 876-134-1 10BMP−1 C+2 876-134-2 3BMP−1 C+1 876-134-3 1BMP−1 C+/− 876-134-4 10MOCK C− 876-134-5 3MOCK C− 876-134-6 1MOCK C− 【0070】軟骨(c)活性を0(−)〜5の尺度に基づい
て評価した。類似レベルの活性は、ヘパリンセファロー
ス分画COS細胞抽出物においても観察される。6モル
尿素が全緩衝液に含まれること以外は前記方法と同様の
方法で部分精製を実施する。さらに、上記ラット骨形成
検定において、BMP−2も同様に軟骨形成活性を示し
た。上記方法を用い、プローブ供給源としてうし骨誘導
因子および/またはひと骨誘導因子を利用することによ
り興味深い他の骨誘導因子を分離することができる。そ
れらの他の骨誘導因子は、特に骨折修復において似た有
用性を呈し得る。以上、この発明の好ましい実施態様に
ついて詳細に記載した。その実施に際し、これらの記載
事項を考慮して多くの修正および変更が行なわれること
は当業界の熟練者であれば容易に想到し得るはずであ
る。それらの修正および変更も後記請求の範囲内に包含
されるものと考えられる。 【0071】 微 生 物 寄託機関の名称 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション 寄託機関の住所 12301 パークローン・ドライブ ロックビル、メリーランド20852、アメリカ合衆国寄託物の名称 ATCC番号 引用頁/行 寄託の日付 LP−H1 40311 29/20 1987年3月4日 bP50 40295 20/3 1986年12月15日 bP−21 40310 22/18 1987年3月4日 U2OS−3 40342 44/22 1987年6月16日 ラムダU2-OS-1 40343 32/33 1987年6月16日 ラムダBP819 40344 25/23 1987年6月16日 U2OS-39 40345 39/21 1987年6月16日 【0072】この発明によって下記の各事項が可能とな
る。 (1)医薬的に許容し得る賦形剤中に、(a)BMP−1、
(b)BMP−2・クラスI、(c)BMP−2・クラスII、
(d)BMP−3、およびそれらの混合物から成る群から
選ばれる蛋白質を含有して成る医薬組成物。 (2)蛋白質がBMP−1である、1記載の組成物。 (3)蛋白質がBMP−2・クラスIである1記載の組成
物。 (4)蛋白質がBMP−2・クラスIIである1記載の組成
物。 (5)蛋白質がBMP−3である、1記載の組成物。 (6)さらに、骨または軟骨欠損部位に組成物を送達し、
骨形成誘導構造を提供し得るマトリックスを含む、1記
載の医薬組成物。 (7)マトリックスが、ヒドロキシアパタイト、コラーゲ
ン、ポリ乳酸および燐酸三カルシウムから成る群から選
択される材料を含む、6記載の組成物。 (8)骨または軟骨形成を必要とする患者における骨形成
誘導方法であって、1−7のいずれか1項記載の組成物
の有効量を患者に投与することを含む方法。 (9)BMP−1をコードするDNA配列により形質転換
されたセルラインを適当な培養培地で培養し(ただし、
前記DNA配列は適切な発現制御配列と組合わされてい
る)、培養培地からBMP−1を分離することを含むB
MP−1の製造方法。 (10)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、9記載の方法。 【表18】【表19】【表20】【表21】 (11)BMP−2・クラスIをコードするDNA配列によ
り形質転換されたセルラインを適当な培養培地で培養し
(ただし、前記DNA配列は適切な発現制御配列と組合
わされている)、培養培地からBMP−2・クラスIを
分離することを含むBMP−2・クラスIの製造方法。 (12)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、11記載の方法。 【表22】【表23】【表24】 【0073】(13)BMP−2・クラスIIをコードするD
NA配列により形質転換されたセルラインを適当な培養
培地で培養し(ただし、前記DNA配列は適切な発現制
御配列と組合わされている)、培養培地からBMP−2
・クラスIIを分離することを含むBMP−2・クラスII
の製造方法。 (14)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、13記載の方法。 【表25】【表26】【表27】 (15)BMP−3をコードするDNA配列により形質転換
されたセルラインを適当な培養培地で培養し(ただし、
前記DNA配列は適切な発現制御配列と組合わされてい
る)、培養培地からBMP−3を分離することを含むB
MP−3の製造方法。 (16)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、15記載の方法。 【表28】 および 【表29】 (17)実質的に10記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−1
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−1をコードするcDNA配列。 (18)実質的に12記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIをコードするcDNA配
列。 (19)実質的に14記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIIをコードするcDNA配
列。 (20)実質的に16記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−3
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−3をコードするcDNA配列。 (21)骨誘導蛋白質をコードするDNA配列および相同性
DNAを含むベクターであって、蛋白質をコードするD
NA配列が、 a.実質的に10記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−1
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−1をコードするDNA配列、 b.実質的に12記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIをコードするDNA配
列、 c.実質的に14記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIIをコードするDNA配
列、および d.実質的に16記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−3
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−3をコードするDNA配列から成る群から選ばれ
たものである、ベクター。 (22)骨誘導蛋白質をコードするDNA配列を発現させ得
る21記載のベクターにより形質転換された細胞および
前記細胞の子孫。 (23)ほ乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞および酵母細胞か
ら成る群から選ばれる、22記載の形質転換細胞。 【0074】(24)(a)(i)実質的に下記配列を有するcD
NA 【表30】 【表31】【表32】【表33】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(a)(i)記載のアミノ酸#51〜#87
の37アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地から回
収する工程により生産される蛋白質、 (b)(i)実質的に下記配列を有するcDNA 【表34】 【表35】【表36】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(b)(i)記載のアミノ酸#299〜#3
96の97アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地か
ら回収する工程により生産される蛋白質、 (c)(i)実質的に下記配列を有するcDNA 【表37】【表38】【表39】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(c)(i)記載のアミノ酸#311〜#4
08の97アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地か
ら回収する工程により生産される蛋白質、 (d)(i)実質的に下記配列を有するcDNA 【表40】 および 【表41】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(d)(i)記載のアミノ酸#79〜#17
5の96アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地から
回収する工程により生産される蛋白質、および (e)前記蛋白質の混合物から成る群から選ばれる精製蛋
白質の有効量を、医薬的に許容し得る賦形剤と共に含ん
で成る医薬組成物であって、実施例3のインビボ・ラッ
ト骨形成検定において約10−1000ナノグラム/グ
ラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能を
呈する組成物。 【0075】(25)さらに、骨または軟骨欠損部位に組成
物を送達し、骨形成誘導構造を提供し得るマトリックス
を含む、24記載の医薬組成物。 (26)マトリックスが、ヒドロキシアパタイト、コラーゲ
ン、ポリ酪酸および燐酸三カルシウムから成る群から選
択される材料を含む、25記載の組成物。 (27)骨または軟骨形成を必要とする患者における骨形成
誘導方法であって、24−26のいずれか1項記載の組
成物の有効量を患者に投与することを含む方法。 (28)24(a)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(a)に記載されたヌクレオチド配列、お
よび (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (29)24(b)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(b)に記載されたヌクレオチド配列、およ
び (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (30)24(c)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(c)に記載されたヌクレオチド配列、お
よび (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (31)24(d)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(d)に記載されたヌクレオチド配列、お
よび (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (32)前記DNA配列を発現させ得る28、29、30お
よび31記載のベクターから成る群から選ばれたベクタ
ーにより形質転換された細胞および前記細胞の子孫。 (33)ほ乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞および酵母細胞か
ら成る群から選ばれる、32記載の形質転換細胞。 (34)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(a)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(a)に記載されたヌクレオチド配列および (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。 【0076】(35)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(b)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(b)に記載されたヌクレオチド配列およ
び (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。 (36)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(c)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(c)に記載されたヌクレオチド配列およ
び (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。 (37)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(d)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(d)に記載されたヌクレオチド配列およ
び (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。
びそれらの製造方法に関するものである。これらの蛋白
質は軟骨および硬骨の形成を誘導し得る。 【0002】 【従来の技術】骨は、蛋白質コラーゲンの線維束、およ
びプロテオグリカン、非コラーゲン性蛋白質、脂質およ
び酸性蛋白質により形成された広範なマトリックス構造
を特徴とする高度に分化した組織である。一生を通じて
連続的に行なわれる骨形成および骨組織の再生/修復の
プロセスは、分化細胞により行なわれる。正常な胎長骨
の発達の前に、軟骨のひな形が形成される。骨の成長は
恐らく「骨芽細胞」(骨形成細胞)の介在によると思われる
が、骨の再建は明らかに骨吸収細胞、いわゆる「破骨細
胞」および骨芽細胞の結合活性により行なわれる。様々
な骨原性軟骨誘導および硬骨誘導因子が報告されてい
る。それらに関しては、例えばヨーロッパ特許出願第1
48155号および同第169016号参照。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、純粋形態
の新規蛋白質を提供する。具体的には、4種の新規蛋白
質は、BMP−1、BMP−2・クラスI(またはBM
P−2)、BMP−3およびBMP−2・クラスII(また
はBMP−4)(ただし、BMPは骨形態形成蛋白質であ
る)と称する。これらの蛋白質は、後記表2〜8に示し
たアミノ酸配列と同一または実質的に相同性のペプチド
配列を特徴とする。それらは予め定められた部位での骨
形成を誘導し得る。さらにこれらの骨誘導因子は、後記
インビボラット骨形成検定における10〜1000ng/
g(骨)の濃度での活性を含む生化学的および生物学的特
性を特徴とする。この発明の蛋白質は、表に示したDN
A配列、またはそれとハイブリダイゼーションし、骨成
長因子の生物学的特性を有するポリペプチドをコードし
得る配列またはそれらの特性を示す他の様々な修飾配列
によりコードされ得る。 【0004】この発明の蛋白質の1つはBMP−1とい
う。ひとBMP−1またはhBMP−1の一部分は、ゲ
ノムhBMP−1フラグメントを表す後記表5のアミノ
酸#1〜アミノ酸#37またはhBMP−1 cDNAを
表す表6のアミノ酸#1〜アミノ酸#730の配列と同
一または実質的に同じペプチド配列を有することを特徴
とする。さらに、hBMP−1または関連骨誘導因子
は、これらの配列の少なくとも一部分を有することを特
徴とし得る。これらのペプチド配列は、表5のヌクレオ
チド#3440〜ヌクレオチド#3550および表6の
ヌクレオチド#36〜ヌクレオチド#2225にそれぞ
れ示された配列と同一または実質的に同じDNA配列に
よりコードされる。さらに、これらのhBMP−1ポリ
ペプチドは骨形成誘導能を有することを特徴とする。h
BMP−1は、骨1g当たり10〜1000ngの濃度で
インビボ ラット骨形成検定において活性を呈する。 【0005】この発明の相同性うし成長因子(bBMP−
1と称す)は、ゲノムbBMP−1フラグメントを表す後
記表2のアミノ酸#1〜アミノ酸#37の配列と同一ま
たは実質的に同じ配列を含むペプチド配列を有すること
を特徴とする。このペプチド配列は、後記表2のヌクレ
オチド#294〜ヌクレオチド#404に示された配列
と同一または実質的に同じDNA配列によりコードされ
る。後記表2で同定されたうしペプチド配列もまた37
アミノ酸長である。さらに、bBMP−1は骨形成誘導
能を特徴とする。この発明の別の骨誘導蛋白質組成物
は、BMP−2・クラスI(またはBMP−2)と称す
る。それは、cDNA hBMP−2・クラスIを表す表
7のアミノ酸#1〜アミノ酸#396の配列と同一また
は実質的に同じペプチド配列の少なくとも一部分を有す
ることを特徴とする。このペプチド配列は、表7のヌク
レオチド#356〜ヌクレオチド#1543に示された
配列と同一または実質的に同じDNA配列によりコード
される。表7で同定されたひとペプチド配列は396ア
ミノ酸長である。またhBMP−2または関連骨誘導蛋
白質もこのペプチド配列の少なくとも一部分を有するこ
とを特徴とし得る。さらにhBMP−2・クラスIは、
骨形成誘導能を特徴とする。 【0006】hBMP−2・クラスI(またはhBMP−
2)と称するこの発明の相同性うし骨誘導蛋白質は、ゲ
ノム配列を表す後記表3で同定されたDNA配列を有す
る。このうしDNA配列は、予想される129アミノ酸
コード配列、次いで約205個のヌクレオチド(3'非コ
ード配列)を有する。さらにhBMP−2・クラスIは骨
形成誘導能を特徴とする。この発明の別の骨誘導蛋白質
組成物は、BMP−2・クラスIIまたはBMP−4と称
する。ひと蛋白質hBMP−2・クラスII(またはhBM
P−4)は、hBMP−2・クラスIIのcDNAを表す表
8のアミノ酸#1〜アミノ酸#408間の配列と同一ま
たは実質的に同じペプチド配列の少なくとも一部分を有
することを特徴とする。このペプチド配列は、表8のヌ
クレオチド#403〜ヌクレオチド#1626に示され
た配列と同一または実質的に同じDNA配列の少なくと
も一部分によりコードされる。さらにこの因子は、骨形
成誘導能を特徴とする。 【0007】この発明のさらに別の骨誘導因子、BMP
−3は、うし相同体bBMP−3により示される。bBM
P−3は、うしゲノム配列を表す表4Aおよび4BのD
NA配列およびアミノ酸配列を有することを特徴とす
る。それは、表4Aおよび4Bのアミノ酸#1〜アミノ
酸#174と同一または実質的に同じペプチド配列の少
なくとも一部分を有することを特徴とする。さらにBM
P−3は、骨形成誘導能を特徴とする。うし因子は、類
縁体ひとBMP−3蛋白質または他のほ乳類骨誘導蛋白
質を得るための道具として使用され得る。このうし骨誘
導因子の特性を正確に表すと、この配列を用いる方法に
おける本質的「出発点」が得られる。遺伝子工学技術分野
における熟練者に周知の技術を用いるこの方法は、プロ
ーブとしてうしDNA配列を使用してひとゲノムまたは
cDNAライブラリーのスクリーニングを行い、このプ
ローブとハイブリダイゼーションするDNA配列を同定
することを含む。ハイブリダイゼーション可能な配列を
有するクローンは精製されたプラークであり、DNAは
そこから分離され、サブクローンされ、DNA配列分析
が行なわれる。すなわち、この発明の別の態様は、この
方法により製造されたひと蛋白質hBMP−3である。 【0008】この発明の別の態様は、医薬的に許容し得
る賦形剤中にこの発明によるうし成長因子ポリペプチド
の1種またはそれ以上の治療有効量を含有する医薬組成
物に関するものである。さらに、これらの組成物は他の
治療上有用な薬剤を含有し得る。またそれらは、骨欠損
部位への蛋白質送達および骨成長構造の提供に適したマ
トリックスを含み得る。これらの組成物は、幾つかの骨
欠損および歯周病の処置方法において使用され得る。こ
の発明によると、これらの方法は、骨形成を必要とする
患者に、本明細書に記載された新規蛋白質BMP−1、
BMP−2・クラスI、BMP−2・クラスIIおよびB
MP−3の少なくとも1種の有効量を投与することを必
然的に伴う。 【0009】さらにこの発明の別の態様は、骨形成誘導
能を有するひとまたはうしポリペプチドの発現をコード
するDNA配列に関するものである。それらの配列は、
表2〜8に示された5'−3'方向のヌクレオチド配列を
含む。他方、ストリンジェント条件下で表2〜8のDN
A配列とハイブリダイゼーションするDNA配列、また
は非ストリンジェント条件下で示されたDNA配列とハ
イブリダイゼーションし、少なくとも1種の骨成長因子
生物学的特性を有する蛋白質の発現をコードするDNA
配列もこの発明に包含される。最後に、表2〜8の配列
の対立遺伝子または他の変形もまた、それらのヌクレオ
チド変形の結果としてのペプチド配列の変形の存否に拘
わらず、この発明に含まれる。 【0010】さらにこの発明の別の態様は、前記DNA
配列を発現制御配列と効果的に組み合わせて含むベクタ
ーに関するものである。このベクターは、発現制御配列
と効果的に共同して骨成長因子ポリペプチドの発現をコ
ードするDNA配列により形質転換されたセルラインが
培養される、骨成長因子ポリペプチドの新規製造方法に
おいて使用され得る。この発明の方法は、ポリペプチド
発現用の宿主細胞として幾つかの公知細胞を使用し得
る。現在好ましいセルラインはほ乳類セルラインおよび
細菌細胞である。以下、詳細な記載および好ましい実施
態様を熟考すれば、この発明の他の態様および利点は明
らかである。 【0011】 【課題を解決するための手段】この発明の蛋白質は、後
記表2〜8に示された配列と同一または実質的に相同性
のアミノ酸配列またはその一部分を有することを特徴と
する。これらの蛋白質もまた骨形成誘導能を特徴とす
る。また、この明細書に記載された骨成長因子は、表2
〜8の配列に類似した配列によりコードされる因子を含
むが、その配列に対する修飾は、自然に行なわれるか
(例、ポリペプチドにおけるアミノ酸変更を誘導し得る
ヌクレオチド配列における対立遺伝子的改編)または慎
重な工学的処理により行なわれる。例えば、合成ポリペ
プチドは、表2〜8のアミノ酸残基の連続配列を全体的
または部分的に複製し得る。これらの配列は、表2〜8
の骨成長因子ポリペプチドと共有の一次、二次または三
次構造および立体配座特性により、共通して骨成長因子
生物学的特性を有し得る。すなわち、それらは、治療プ
ロセスにおいて天然骨成長因子ポリペプチドの生物学的
活性代用物として使用され得る。 【0012】この明細書に記載された骨成長因子の配列
の他の特異的突然変異体は、グリコシル化部位の一方ま
たは両方の修飾を伴う。グリコシル化の不在または一部
のみのグリコシル化は、表2〜8に示された骨成長因子
の配列に存在するアスパラギン結合グリコシル化認識部
位の一方または両方におけるアミノ酸置換または欠失に
起因する。アスパラギン結合グリコシル化認識部位は、
適当な細胞のグリコシル化酵素により特異的に認識され
るトリペプチド配列を含む。これらのトリペプチド配列
は、アスパラギン−X−トレオニンまたはアスパラギン
−X−セリン(ただし、Xは通常アミノ酸である)であ
る。グリコシル化認識部位の第一または第三アミノ酸位
の一方または両方における様々なアミノ酸置換または欠
失(および/または第2位におけるアミノ酸欠失)は、修
飾トリペプチド配列における非グリコシル化をもたら
す。またこの発明は、他の蛋白質性材料をコードするD
NA配列との随伴がなく、骨成長因子の発現をコードす
る新規DNA配列を(アレリック)包含する。これらのD
NA配列は、5'−3'方向の表2〜8に示された配列お
よびストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件
[マニアチス等、「モレキュラー・クローニング(ア・ラ
ボラトリー・マニュアル)」、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー(1982)、387〜389頁参
照]下で表2〜8のDNA配列とハイブリダイゼーショ
ンする配列を含む。 【0013】緩和ハイブリダイゼーション条件下で表2
〜8の配列とハイブリダイゼーションし、骨成長因子生
物学的特性を有する骨成長因子の発現をコードするDN
A配列はまた、この発明の骨成長因子もコードする。例
えば、重要な相同性を有する領域、例えばグリコシル化
またはジスルフィド結合部位を表2〜8の配列と共有
し、1種またはそれ以上の骨成長因子生物学的特性を有
する骨成長因子をコードするDNA配列は、DNA配列
が表2〜8の配列とストリンジェント的にハイブリダイ
ゼーションしない場合でも、成長因子のこの新たな科の
一員を明らかにコードする。同様に、表2〜8の配列に
よりコードされる骨成長因子ポリペプチドをコードする
が、遺伝子コードの縮重またはアレリック変異(アミノ
酸変更を誘導する場合もしない場合もあり得る種の集団
における天然塩基の変形)故にコドン配列が異なるDN
A配列もまた、この明細書に記載された新規成長因子を
コードする。点突然変異または誘導修飾によりポリペプ
チドの活性、半減期または生産の向上が誘発される表2
〜8のDNA配列における変形もまたこの発明に包含さ
れる。 【0014】この発明の別の態様は、新規骨誘導因子の
新規製造方法に関するものである。この発明の方法は、
既知調節配列の制御下、この発明の新規骨成長因子ポリ
ペプチドの発現をコードするDNA配列により形質転換
された適当な細胞またはセルラインの培養を含む。適当
な細胞またはセルラインは、ほ乳類細胞、例えばチャイ
ニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)であり得る。適当
なほ乳類宿主細胞の選択並びに形質転換、培養、増幅、
スクリーニング、および製品の製造および精製の方法は
当業界では周知である。例えば、ゲシングおよびサンブ
ルック、「ネイチャー」、293、620−625(19
81)または別法としてカウフマン等、「モル・セル・バ
イオル」、5(7)1750−1759(1985)または
ハウレイ等、アメリカ合衆国特許第4419446号参
照。後記実施例記載の別の適当なほ乳類セルラインは、
さるCOS−1セルラインである。同様に有用なほ乳類
セルラインはCV−1セルラインである。 【0015】細菌細胞は適当な宿主である。例えば、エ
シェリヒア・コリの様々な株(例、HB101、MC1
061)はバイオテクノロジー分野において宿主細胞と
してよく知られている。枯草菌(バシルス・サブチリ
ス)、プソイドモナス、他のかん菌などの様々な株もま
たこの方法において使用され得る。当業界の熟練者には
周知の多くの酵母細胞株もまた、この発明のポリペプチ
ドの発現用の宿主細胞として利用され得る。さらに、所
望により、昆虫細胞もこの発明の方法における宿主細胞
として利用され得る。例えば、ミラー等、「ジェネティ
ック・エンジニアリング」、8、277−298(プレナ
ム・プレス1986)およびその引用文献参照。この発
明の別の態様は、これらの新規骨誘導ポリペプチド類の
発現方法で使用されるベクターに関するものである。好
ましくは、これらのベクターは、この発明の新規因子を
コードする前述の完全な新規DNA配列を含む。さらに
また、これらのベクターは、骨誘導蛋白質配列を発現さ
せる適当な発現制御配列を含む。他方、上記修飾配列が
組み込まれたベクターはまた、この発明の具体例であ
り、骨誘導蛋白質の製造に有用である。これらのベクタ
ーはセルラインの形質転換方法で使用され得、選択され
た宿主細胞におけるその複製および発現を指向し得るこ
の発明のDNAコード配列と効果的に組み合わせて選択
された調節配列を含み得る。これらのベクターに有用な
調節配列は当業界の熟練者には周知であり、選択された
宿主細胞に応じて選択され得る。この選択は常套的であ
り、この発明の一部を形成するものではない。 【0016】骨が正常には形成されない環境において骨
の成長を誘導するこの発明の蛋白質は、骨折の治癒に適
用性を有する。この発明の蛋白質の1種またはそれ以上
を用いる骨原性製剤は、閉鎖および複雑骨折の縮小並び
に人工関節の固定改善における予防的用途を有し得る。
骨原性薬剤により新たに誘導される骨形成は、先天的、
外傷性または腫よう切除による頭顔欠損の修復に貢献
し、美容形成外科においても有用である。この発明の骨
生成因子は、歯周病の処置および他の歯修復プロセスに
おいて貴重であり得る。これらの薬剤は、骨形成細胞を
誘引し、骨形成細胞の成長を刺激し、または骨形成細胞
の原種の分化を誘導する環境を提供する。勿論、この発
明の蛋白質は他の治療用途を有し得る。この発明の別の
態様は、骨折および骨欠損に関連した他の状態または歯
周病の修復を目的とする治療方法および組成物に関する
ものである。前記組成物は、この発明の骨誘導因子蛋白
質の少なくとも1種の治療有効量を含有する。この発明
による骨誘導因子は、医薬的に許容し得る賦形剤または
マトリックスと混合した状態で治療組成物中に存在し得
る。さらにこの発明の治療方法および組成物は、この発
明の骨誘導因子の治療有効量およびこの発明の他の骨誘
導因子の少なくとも1種の治療有効量を含む。さらに、
この発明による蛋白質またはこの発明の蛋白質の組合わ
せは、それが相互作用し得る1種またはそれ以上の骨誘
導因子と共に投与され得る。さらに、骨誘導蛋白質は、
問題の骨欠損の処置に有益な他の薬剤と組合わされ得
る。それらの薬剤には様々な成長因子が含まれるが、限
定される訳ではない。pH、等張性、安定性などに関し
て生理学的に許容し得る蛋白質組成物の製造は、当業界
の技術の範囲内である。 【0017】特にBMP−1は、組成物において個々に
使用され得る。BMP−1はまた、この発明の他の蛋白
質の1種またはそれ以上と組合わせて使用され得る。B
MP−1およびBMP−2・クラスIは組合わせて使用
され得る。BMP−1およびBMP−2・クラスIIもま
た組合わせて使用され得る。BMP−1およびBMP−
3もまた組合わせて使用され得る。さらに、BMP−1
は、この発明の他の蛋白質の2種または3種と組合わせ
て使用され得る。例えば、BMP−1、BMP−2・ク
ラスIおよびBMP−2・クラスIIは組合わされ得る。
BMP−1はまた、BMP−2・クラスIおよびBMP
−3と組合わされ得る。さらに、BMP−1は、BMP
−2・クラスIIおよびBMP−3と組合わされ得る。B
MP−1、BMP−2・クラスI、BMP−2・クラス
IIおよびBMP−3は組合わされ得る。BMP−2・ク
ラスIは、医薬組成物において個々に使用され得る。B
MP−2・クラスIもまた、この発明の他の蛋白質の1
種またはそれ以上と組合わせて使用され得る。BMP−
2・クラスIは、BMP−2・クラスIIと組合わされ得
る。それはまた、BMP−3とも組合わされ得る。さら
にBMP−2・クラスIは、BMP−2・クラスIIおよ
びBMP−3と組合わされ得る。 【0018】BMP−2・クラスIIは、医薬組成物にお
いて個々に使用され得る。さらに、それは前述の他の蛋
白質と組合わせて使用され得る。さらに、それはBMP
−3と組合わせて使用され得る。BMP−3は、組成物
において個々に使用され得る。さらにそれは、前述の様
々な組合わせで使用され得る。この治療方法は、インプ
ラントまたはデバイスとして組成物を局所投与すること
を含む。投与される場合、勿論この発明で使用される治
療組成物は、発熱物質を含まない、生理学的に許容し得
る形態を呈する。さらに、この組成物は、望ましくは骨
損傷部位への送達に適した粘稠性形態で封入または注射
され得る。好ましくは、骨成長誘導因子組成物は、骨誘
導因子を骨損傷部位に送達し、成長する硬骨および軟骨
構造を提供し得、最適状態で体内に再吸収され得るマト
リックスを含む。それらのマトリックスは、他の内植医
学適応例で現在使用されている他の材料により形成され
得る。 【0019】材料の選択は、例えば、生物学的適合性、
生物分解性、機構特性、表面的外観および界面特性に基
づいて行なわれる。同様に、骨誘導因子の適用は適当な
製剤を限定する。骨誘導因子に適用され得るマトリック
スは、生物分解性で化学的に定義されるもの、例えば硫
酸カルシウム、燐酸トリカルシウム、ヒドロキシアパタ
イト、ポリ乳酸、ポリ無水物(ただし、これらに限定さ
れる訳ではない)、生物分解性で生物学的に明確に定義
されるもの、例えば骨もしくは皮膚コラーゲン、他の純
粋な蛋白質または細胞外マトリックス成分、非生物分解
性で化学的に定義されるもの、例えば焼結ヒドロキシア
パタイト、生体ガラス、アルミン酸塩または他のセラミ
ック、または前述のタイプの材料を幾つか組合わせたも
の、例えばポリ酪酸およびヒドロキシアパタイトまたは
コラーゲンおよび燐酸トリカルシウムであり得る。生体
セラミックもまた組成物、例えばカルシウム−アルミン
酸塩−燐酸塩において改変され得、例えば孔サイズ、粒
子サイズ、粒子形状および生物分解性の改変が行なわれ
得る。 【0020】投与量については、この成長因子の作用を
修飾する様々な要因、例えば形成が望まれる骨の重量、
骨損傷の部位、損傷骨の状態、患者の年令、性別および
治療食、感染の重症度、投与時間および他の臨床要因を
考慮して担当医が決定する。用量は、再構成およびBM
Pの組成物において使用されるマトリックスのタイプに
より変動し得る。最終組成物への他の既知成長因子、例
えばIGF1(インスリン様成長因子1)の追加もまた用
量に影響を与え得る。一般的に、投与量は、所望の骨重
量1g当たり、蛋白質約10〜106ナノグラムの範囲内
とすべきである。経過は骨成長および/または修復の定
期的評価(例、エックス線)によりモニターされ得る。ま
た、これらの治療組成物は、骨誘導因子における種特異
性の欠如故に現在獣医学適用においても貴重である。ひ
とに加えて特定の家畜およびサラブレッドのうまは、こ
の発明の骨誘導因子による処置において望ましい患者で
ある。以下、実施例により、うし蛋白質の回収および特
性検定、それらの使用によるひと蛋白質の回収、ひと蛋
白質の獲得および組換え技術による蛋白質の発現におけ
るこの発明の実施態様を説明する。 【0021】 【実施例】 実施例1 うし骨誘導因子の単離 ウリスト等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・
ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、70:35
11(1973)の方法に従い、破砕したうしの骨粉(2
0−120メッシュ、ヘリトレックス)を製造する(ただ
し、下記の通り幾つかの抽出工程は省く)。10kgの粉
末を、4℃で48時間激しい撹はん下、0.6NのHCl
を連続交換しながら脱塩する。生成した懸濁液を4℃で
16時間2モルのCaCl2および10ミリモルのエチレ
ンジアミン−四酢酸[EDTA]50lにより抽出し、次
いで50lの0.5モルEDTA中で4時間抽出する。残
留物を蒸留水で3回洗浄した後、「クリニカル・オーソ
ペディックス・アンド・リレーデット・リサーチ」、1
71:213(1982)の記載に従い、4モルのグアニ
ジン塩酸塩[GuCl]、20ミリモルのトリス(pH7.
4)、1ミリモルのN−エチルマレイミド、1ミリモル
のヨードアセトアミド、1ミリモルのフェニルメチルス
ルホニル・フッ素20lに再懸濁する。16〜20時間
後、上清を除去し、別の10リットルのGuCl緩衝液と
置き換える。残留物をさらに24時間抽出する。 【0022】粗GuCl抽出物を合わせ、10000分子
量遮断膜を備えたペリコン装置で約20倍に濃縮し、次
いで50ミリモルのトリス、0.1モルのNaCl、6モ
ルの尿素(pH7.2)、第一カラム用出発緩衝液に対して
透析する。充分透析後、蛋白質を4リットルDEAEセ
ルロースカラムに仕込み、未結合フラクションを集め
る。未結合フラクションを濃縮し、6モル尿素中50ミ
リモルのNaAc、50ミリモルのNaCl(pH4.6)に対
して透析する。未結合フラクションをカルボキシメチル
セルロースカラムに適用する。カラムに結合していない
蛋白質を出発緩衝液で充分洗浄することにより除去し、
骨誘導因子含有材料を50ミリモルのNaAc、0.25
ミリモルのNaCl、6モルの尿素(pH4.6)によりカラ
ムから脱着させる。この段階溶離から得られた蛋白質を
20〜40倍に濃縮し、次いで80ミリモルKPO4、
6モル尿素(pH6.0)により5倍に希釈する。溶液のp
Hを500ミリモルのK2HPO4により6.0に調節す
る。80ミリモルKPO4、6モル尿素(pH6.0)中で
平衡状態にしたヒドロキシルアパタイトカラム(LKB)
に試料を適用し、同緩衝液でカラムを洗浄することによ
り、未結合蛋白質を全て除去する。骨誘導因子活性蛋白
質を100ミリモルKPO4(pH7.4)および6モル尿
素により溶離させる。 【0023】この蛋白質を約10倍に濃縮し、固体Na
Clを加えて最終濃度0.15モルとする。この材料を、
50ミリモルKPO4、150ミリモルNaCl、6モル
尿素(pH7.4)中で平衡状態にしたヘパリン−セファロ
ースカラムに適用する。出発緩衝液でカラムを充分洗浄
後、骨誘導因子活性蛋白質を50ミリモルKPO4、7
00ミリモルりNaCl、6モル尿素(pH7.4)により溶
離させる。このフラクションを最小体積に濃縮し、4モ
ルGuCl、20ミリモルのトリス(pH7.2)により平衡
状態にしたスーパローズ6およびスーパローズ12カラ
ム(一列に連結)に0.4mlアリコートを適用し、カラム
を流速0.25ml/分で展開する。骨誘導因子活性を示
す蛋白質は、約30000ダルトンの蛋白質に対応する
相対移動を呈する。 【0024】上記フラクションをプールし、50ミリモ
ルNaAc、6モル尿素(pH4.6)に対して透析し、ファ
ルマシア・モノS HRカラムに適用する。カラムを1.
0モルNaCl、50ミリモルNaAc、6モル尿素(pH
4.6)への勾配により展開する。活性フラクションをプ
ールし、10%トリフルオロ酢酸(TFA)によりpH
3.0とする。この材料を0.1%TFA中0.46×
25cmバイダックC4カラムに適用し、カラムを90%
アセトニトリル、0.1%TFAへの勾配により展開す
る(60分間で31.5%アセトニトリル、0.1%TF
Aから49.5%アセトニトリル、0.1%TFA、ただ
し1分間1mlの速度)。活性材料を約40−44%アセ
トニトリルで溶離する。マッコナヘイ等、「インターナ
ショナル・アーカイブス・オブ・アラージー」、29:
185−189(1966)、ボルトン等、「バイオケミ
カル・ジャーナル」、133:529(1973)および
ボーウェン-ポープ、「ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー」、237:5161(1982)の中
の一法により、適当なフラクションのアリコートをヨウ
素化する。これらのフラクション中に存在するヨウ素化
蛋白質をSDSゲル電気泳動および尿素トリトンX10
0等電点電気泳動により分析する。この段階で、骨誘導
因子を評価すると、約10−50%純度である。 【0025】実施例2 うし骨誘導因子の特性検定 A.分子量 実施例1により得られた約20μgの蛋白質を凍結乾燥
し、1×SDS試料緩衝液に再溶解する。37℃で15
分加熱後、試料を15%SDSポリアクリルアミドゲル
に適用し、次いで冷却しながら電気泳動させる。予め染
色した分子量標準(ベゼスダ・リサーチ・ラブズ)と比べ
て分子量を測定する。完了直後、骨誘導因子含有ゲルレ
ーンを0.3cm片に切断する。各片をすり潰し、1.4ml
の0.1%SDSを加える。試料を室温で一夜穏やかに
振り混ぜて蛋白質を溶離させる。各ゲル片を脱塩するこ
とにより、生物学的検定における干渉を防ぐ。各試料か
ら得た上清を10%TFAによりpH3.0に酸性化し、
0.45ミクロン膜によりろ過し、0.46cm×5cmC4
バイダックカラムに入れ、0.1%TFAから0.1%T
FA、90%CH3CNへの勾配により展開する。適当
な骨誘導因子含有フラクションをプールし、20mgのラ
ット・マトリックスにより再構成する。このゲル・シス
テムにおいて、骨誘導因子フラクションの大部分は、約
28000−30000ダルトンの分子量を有する蛋白
質移動度を有する。 【0026】B.等電点電気泳動 骨誘導因子活性の等電点を変性等電点電気泳動システム
において測定する。トリトンX100尿素ゲルシステム
(ホーファー・サイエンティフィック)を次の要領で修正
する。1)使用される両性電解質の40%はサーバライ
ト3/10あり、60%はサーバライト7−9である。
2)使用されるカソライト(catholyte)は40ミリモルN
aOHである。実施例1で得られた約20μgの蛋白質を
凍結乾燥し、試料緩衝液に溶解し、等電点電気泳動ゲル
に適用する。ゲルを20ワット、10℃で約3時間移動
させる。完了時、骨誘導因子含有レーンを0.5cm片に
切断する。各片を1.0mlの6モル尿素、5ミリモルの
トリス(pH7.8)中ですり潰し、試料を室温で振り混ぜ
る。試料を上記と同様に酸性化し、ろ過し、脱塩し、検
定する。実施例3記載の検定で測定された活性の大部分
は、8.8−9.2のpIと一致する形で移動する。 【0027】C.サブユニットの特性 骨誘導因子のサブユニット組成についても測定する。純
粋な骨誘導因子を上記と同様にプレパラティブ15%S
DSゲルから分離する。次いで試料の一部を試料緩衝液
中5ミリモルDTTにより還元し、15%SDSゲルに
おいて再電気泳動させる。約30キロダルトン蛋白質
は、約20キロダルトンおよび18キロダルトンの箇所
で2本の大きなバンド並びに30キロダルトンの箇所で
小さなバンドを生ずる。2本のバンドの広さは、恐らく
はグリコシル化、他の翻訳後修飾、蛋白質加水分解によ
る減成またはカルバミル化に起因すると思われる不均質
性を示す。 【0028】実施例3 骨誘導因子の生物学的活性 サンパスおよびレディ、「プロシーディングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・
オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリ
カ」、80:6591−6595(1983)の一般的方
法によるラット骨形成検定を用いることにより、実施例
1で得られたこの発明のうし骨誘導因子の骨生成活性を
評価する。またこの検定を用いて他の種類の骨誘導因子
を評価することも可能である。エタノール沈澱工程の代
わりに検定フラクションの水に対する透析を行う。次い
で、溶液または懸濁液を揮発性溶媒、例えば0.1−0.
2%TFAに再溶解し、生成した溶液を20mgのラット
・マトリックスに加える。この材料を冷凍し、凍結乾燥
し、生成した粉末を#5ゼラチンカプセルに封入する。
21−49日令の雄ロング・エバンス・ラットの腹部胸
領域にカプセルを皮下内植する。7−14日後インプラ
ントを除去する。各インプラントの半分を用いてアルカ
リ性ホスファターゼ分析[レディ等、「プロシーディング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・
アメリカ」、69:1601(1972)参照]を行い、半
分を固定し、組織分析を行う。常用手順で、1μmグリ
コメタクリレート部分をボン・コッサおよび酸性フーシ
ン(fuschin)で染色することにより、新規骨無機質を検
出する。アルカリ性ホスファターゼ、マトリックス形成
プロセスにおいて軟骨芽細胞および骨芽細胞により生産
される酵素もまた測定される。新しい軟骨および硬骨形
成はしばしばアルカリ性ホスファターゼレベルと相関す
る。下記表1は、骨誘導因子により処理されなかった対
照を含むラット・マトリックス試料の用量応答を示す。 【0029】 【表1】 表1内植蛋白質*(μg) 軟骨 アルカリ性ホスファターゼ(μ/l) 7.5 2 実施せず 2.5 3 445.7 0.83 3 77.4 0.28 0 32.5 0.00 0 31.0 *この段階で骨誘導因子は約10−15%の純度である。 【0030】形成された硬骨または軟骨は、マトリック
スによりふさがれた空間に物理的に閉じ込められる。ま
た、前記と同様にSDSゲル電気泳動および等電点電気
泳動により試料を分析し、次いでオートラジオグラフィ
ーを行う。分析は、pI9.0および28−30キロダル
トンでの蛋白質バンドと活性の相関関係を示す。1OD
/mg−cmの消衰係数を蛋白質に関する推定値として使用
し、特定フラクション中の骨誘導因子の純度を近づけ
る。前記希釈物におけるインビボ ラット骨形成検定に
おいて、蛋白質は、10〜200ng蛋白質/(骨)g〜恐
らくは1μg蛋白質/(骨)gより大の比率でインビボ活性
を呈する。 【0031】実施例4 うし骨誘導因子蛋白質組成物 28−30キロダルトンの分子量を有する実施例2Aの
蛋白質組成物を実施例2Cの記載に従い還元し、トリプ
シンで消化する。下記のアミノ酸配列を有する8種のト
リプシンフラグメントを標準的方法により単離する。 フラグメント1:AAFLGDIALDEEDLG フラグメント2:AFQVQQAADL フラグメント3:NYQDMVVEG フラグメント4:STPAQDVSR フラグメント5:NQEALR フラグメント6:LSEPDPSHTLEE フラグメント7:FDAYY フラグメント8:LKPSN?ATIQSIVE 【0032】実施例1記載の方法と類似した精製手順に
従い、うしの骨由来の蛋白質の低級精製製品を製造す
る。この精製手順は、DE−52カラム、CMセルロー
スカラムおよびモノSカラムの省略並びにヒドロキシル
アパタイトおよびヘパリン・セファロースカラムの順で
の置き換えにより前記手順からは基本的に変化する。簡
単に述べると、濃縮粗4モル抽出物をエタノール(4度)
に加えて85%最終濃度とする。次いで混合物を遠心分
離し、沈澱を50ミリモルのトリス、0.15モルNaC
l、6.0モル尿素に再溶解する。次に、この材料を前記
と同様にヘパリン・セファロースにおいて分画化する。
ヘパリン結合材料を前記と同様にヒドロキシアパタイト
において分画化する。活性フラクションをプールし、濃
縮し、高度分離ゲルろ過において分画化する(6モルの
グアニジニウムクロリド、50ミリモルのトリス(pH
7.2)中TSK30000)。活性フラクションをプー
ルし、0.1%TFAに対して透析し、次いで前記と同
様にC4バイダック逆相カラムにおいて分画化する。調
製物を還元し、アクリルアミドゲルで電気泳動する。1
8Kバンドに対応する蛋白質を溶離させ、トリプシンで
消化する。下記のアミノ酸配列を有するトリプシンフラ
グメントが分離される。 フラグメント9:SLKPSNHATIQS?V フラグメント10:SFDAYYCS?A フラグメント11:VYPNMTVESCA フラグメント12:VDFADI?W ただし、トリプシン・フラグメント7および8は、実質
的にそれぞれフラグメント10および9であるものとす
る。 【0033】A.bBMP−1 レイズ、「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー」、183(1):1−12(1985)の方法に従
い、オリゴヌクレオチドのプール(または特有のオリゴ
ヌクレオチド)を成分とするプローブを設計し、自動D
NAシンセサイザーで合成する。一プローブは、下記ヌ
クレオチド配列 TCCTCATCCAGGGCAATGTCGCCCAGGAAGGC を有する比較的長い(32ヌクレオチド)「ゲスマー」[ツ
ール等、「ネイチャー」、312:342−347(198
4)]を成分としている。 遺伝子コードは同義性であるため(複数のコドンが同じ
アミノ酸をコードし得る)、プローブプールにおけるオ
リゴヌクレオチドの数は、真核生物におけるコドン使用
頻度、G:T塩基対の相対安定性および真核生物コード
配列におけるジヌクレオチドCpGの相対的希少性に基
づいて減らされる[ツール等(前出)参照]。第2セット
のプローブは、アミノ酸をコードし得る可能な配列を全
て含む短いオリゴヌクレオチド(長さ17ヌクレオチ
ド)により構成される。第2セットのプローブは下記配
列を有する。 (a) A [A/G] [A/G] TC [T/C] TC [T/C] TC [A/G] TC [T
/C] AA (b) A [A/G] [A/G] TC [T/C] TC [T/C] TC [A/G] TCNAG 括弧内のヌクレオチドは代替配列である。「N」はA、
T、CまたはGを意味する。 【0034】両場合において、プローブ設計に使用され
るアミノ酸配列の領域は、可能ならば高度変性コドンを
避けることにより選択される。オリゴヌクレオチドを自
動DNAシンセサイザーで合成する。次いで、ポリヌク
レオチドキナーゼおよび32P−ATPを用いてプローブ
に放射性標識を行う。これら2セットのプローブを用い
てうしゲノム組換え体ライブラリーをスクリーニングす
る。ライブラリーは次の要領で構築される。うし肝臓D
NAを制限エンドヌクレアーゼ酵素Sau 3Aにより部
分消化し、ショ糖勾配により沈降させる。次に、15−
30キロ塩基の範囲でのサイズ分画DNAをバクテリオ
ファージBamHIベクターEMBL3に結合する[フリ
シャウフ等、「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイ
オロジー」、170:827−842(1983)]。ライ
ブラリーを1プレート当たり組換え体8000個の割合
で培養する。プラークの重複ニトロセルロースレプリカ
を作成し、ウー等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ
・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、7
5:3688−91(1978)の手順の修正法に従い増
幅する。 【0035】32merプローブを32P−ガンマ−ATP
によりキナーゼ化し、45℃で5×SSC、0.1%S
DS、5×デンハルツ、100μg/mlのサーモン精液
DNA中1セットのフィルターとハイブリダイゼーショ
ンし、45℃で5×SSC、0.1%SDSにより洗浄
する。17merプローブをキナーゼ化し、50℃で3モ
ルのテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、
0.1モルの燐酸ナトリウム(pH6.5)、1ミリモルE
DTA、5×デンハルツ、0.6%SDS、100μg/
mlサーモン精液DNA中他のセットのフィルターとハイ
ブリダイゼーションし、50℃で3モルTMAC、50
ミリモルのトリス(pH8.0)により洗浄する。これらの
条件により、17merプローブプールに対する不適当な
組合わせの検出は最小限となる[ウッド等、「プロシーデ
ィングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・
オブ・アメリカ」、82:1585−1588(198
5)参照]。この方法により400000個の組換え体を
スクリーニングし、一デュプリケイト陽性をプラーク精
製する。ラムダbP−50と称するこの組換え体バクテ
リオファージのプレートリゼイトからDNAを分離す
る。bP−50は、1986年12月16日に受託番号
40295としてアメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション(アメリカ合衆国メリーランド、ロックビ
ル、パークローン・ドライブ12301)(以後「ATC
C」と称す)に寄託された。この寄託物およびこの明細書
に含まれる他の寄託物は、特許手続きを目的とする微生
物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約およびそ
の下での規則の必要条件を満たしている。このbP−5
0クローンは、bBMP−1と称するうし骨成長因子の
少なくとも一部をコードする。 【0036】このbBMP−1クローンのオリゴヌクレ
オチド・ハイブリダイゼーション領域は、M13中にサ
ブクローン化され、標準技術により配列された約800
bpのEcoRIフラグメントに対して局在している。ラム
ダbP−50の部分的DNA配列および誘導されたアミ
ノ酸配列を下記表2に示す。牛骨28〜30kd材料から
分離されたトリプシンフラグメントに対応するアミノ酸
配列は、表2の下線部である。この配列の最初の下線部
分は、オリゴヌクレオチドプローブが設計される上記ト
リプシンフラグメント1に対応する。第二の下線部分
は、上記トリプシンフラグメント2に対応する。予測さ
れたアミノ酸配列は、トリプシンの特異性を考慮して予
想した通り、塩基性残基(R)がトリプシンフラグメント
2の前にあることを示す。表2におけるヌクレオチド位
置#292−293のカップレットCTに先行する核酸
配列は、コンセンサス受容配列(すなわち、ピリミジン
濃厚域、TCTCTCTCC、次にAG)の存在および
誘導されたアミノ酸配列の適当な位置における塩基性残
基の欠如に基づきイントロン(非コード配列)であると思
われる。このbBMP−1ゲノム配列は表2において明
白である。このゲノムクローンからの推定に基づくbB
MP−1ペプチド配列は37アミノ酸長であり、表2に
おけるヌクレオチド#294〜#404のDNA配列に
よりコードされる。 【0037】 【表2】 【0038】B.bBMP−2 フラグメント3のアミノ酸配列に基づき、オリゴヌクレ
オチドのプールを成分とする2種のプローブを設計し、
前記と同様に自動DNAシンセサイザーで合成する。 プローブ#1:ACNACCAT[A/G]TC[T/C]T
G[A/G]AT プローブ#2:CA[A/G]GA[T/C]ATGGTN
GTNGA これらのプローブを放射性標識し、これらを用いて、A
項の記載に従い(ただし、ベクターはラムダJ1BamH
1armsである)構築されたうしゲノムライブラリーをス
クリーニングする[ムリンズ等、「ネイチャー」、30
8:856−858(1984)]。放射性標識17−mer
プローブ#1を、A項記載の17merプローブに関する
方法によるフィルターのセットとハイブリダイゼーショ
ンする。上記A項記載の手順により400000個の組
換え体をスクリーニングする。一デュプリケイト陽性を
プラーク精製し、DNAを、ラムダbP−21と称する
組換えバクテリオファージの培養リゼイトから分離す
る。バクテリオファージbP−21は、1987年3月
6日にATCC40310の受託番号でATCCに寄託
された。bP−21クローンは、bBMP−2と称するう
し成長因子をコードする。 【0039】このbBMP−2クローンのオリゴヌクレ
オチド・ハイブリダイゼーション領域は、M13中にサ
ブクローン化され、標準技術により配列決定された約
1.2キロ塩基のSacI制限フラグメントに対して局在
する。このSacIフラグメントおよびbP−21の隣接
HindIII−SacI制限フラグメントの部分的DNA配列
および誘導されたアミノ酸配列を下記表3に示す。この
クローンからのbBMP−2ペプチド配列は129アミ
ノ酸長であり、ヌクレオチド#1〜ヌクレオチド#38
7のDNA配列によりコードされる。牛骨28〜30kd
材料から分離されたトリプシンフラグメントに対応する
アミノ酸配列は、表3の下線部である。この配列の下線
部分は、bBMP−2に関するオリゴヌクレオチドプロ
ーブが設計される上記トリプシンフラグメント3に対応
する。予測されたアミノ酸配列は、トリプシンの特異性
を考慮して予想した通り、塩基性残基(K)がトリプシン
フラグメント3の前にあることを示す。CGTトリプレ
ットによりコードされるアルギニン残基は、それに隣接
する停止コドン(TAG)の存在に基づき恐らく蛋白質の
カルボキシ末端であると思われる。 【0040】 【表3】【0041】C.bBMP−3 トリプシンフラグメント9(プローブ#3)、10(プロ
ーブ#2)および11(プローブ#1)のアミノ酸配列に
基づいて、オリゴヌクレオチドのプールを成分とするプ
ローブを設計し、自動DNAシンセサイザーで合成す
る。 プローブ#1:ACNGTCAT[A/G]TTNGG[A
/G]TA プローブ#2:CA[A/G]TA[A/G]TANGC[A
/G]TC[A/G]AA プローブ#3:TG[A/G/T]ATNGTNGC[A/
G]TG[A/G]TT 上記A項で詳述したTMACハイブリダイゼーション方
法により、EMBL3において構築された組換えうしゲ
ノムライブラリーをスクリーニングする。400000
個の組換え体を32Pで標識されたプローブ#1により繰
り返しスクリーニングする。このプローブとハイブリダ
イゼーションした組換え体は全て二次培養として再培養
される。トリプリケイト・ニトロセルロース・レプリカ
は二次培養物から成り、前記と同様に増幅される。3セ
ットのフィルターを再びTMAC条件下でプローブ#
1、#2および#3とハイブリダイゼーションする。一
クローン、ラムダbP−819は3種のプローブ全てと
ハイブリダイゼーションする。これをプラーク精製し、
DNAをプレートリゼイトから分離する。バクテリオフ
ァージ ラムダbP−819は、1987年6月16日に
ATCC40344の受託番号下でATCCに寄託され
た。このbP−819クローンは、bBMP−3と称する
うし骨成長因子をコードする。 【0042】プローブ#2とハイブリダイゼーションす
るbP−819の領域は局在して配列している。この領
域の部分的DNAおよび誘導されたアミノ酸配列を表4
Aに示す。トリプシンフラグメント10および12に対
応するアミノ酸配列は下線部である。最初の下線部の配
列はフラグメント12に対応し、第2の下線部の配列は
フラグメント10に対応する。従って、プローブ#2と
ハイブリダイゼーションするbP−819のこの領域
は、少なくとも111個のアミノ酸をコードする。この
アミノ酸配列は、ヌクレオチド#414〜#746のD
NA配列によりコードされる。 【0043】 【表4】【0044】プローブ#1および#3とハイブリダイゼ
ーションするbP−819の領域は局在して配列してい
る。この領域の部分的DNAおよび誘導されたアミノ酸
配列を表4Bに示す。トリプシンフラグメント9および
11に対応するアミノ酸配列は下線部である。最初の下
線部の配列はフラグメント9に対応し、第2の下線部の
配列はフラグメント11に対応する。プローブ#1およ
び#3とハイブリダイゼーションするbP−819のこ
の領域のペプチド配列は、表4Bのヌクレオチド#30
5〜#493によりコードされる長さ64個のアミノ酸
である。AGAトリプレットによりコードされるアルギ
ニン残基は、それに隣接する停止コドン(TAA)の存在
に基づき蛋白質のカルボキシ末端であると思われる。カ
ップレットTC(305−306位)に先行する核酸配列
は、コンセンサス受容配列(すなわち、ピリミジン濃厚
域、TTCTCCCTTTTCGTTCCT、次にA
G)の存在および誘導されたアミノ酸配列の適当な位置
における塩基性残基以外の停止配列の存在に基づきイン
トロン(非コード配列)であると思われる。 【0045】従って、bBMP−3は、表4Aおよび4
BのDNAおよびアミノ酸配列を有することを特徴とす
る。このクローンのペプチド配列は174アミノ酸長で
あり、表4Aのヌクレオチド#414〜ヌクレオチド#
746および表4Bのヌクレオチド#305〜ヌクレオ
チド#493のDNA配列によりコードされる。 【0046】 【表5】 【0047】実施例5 ひと骨誘導因子 A.hBMP−1 うしおよびひとの骨成長因子遺伝子は著しく相同性を示
すと思われるため、表2のうしbBMP−1 DNA配列
(またはその一部分)をプローブとして用いることによ
り、ひと遺伝子ライブラリーをスクリーニングする。う
しゲノムクローンの800bp EcoRIフラグメントを
ニック翻訳により32Pで標識する。ひとゲノムライブラ
リー(ツール等、前出)を、1プレート当たり組換え体4
0000個の割合で20プレートにおいて培養する。デ
ュプリケイト・ニトロセルロースフィルター・レプリカ
は、各プレートで構成されており、50℃で約14時間
5×SSC、5×デンハルツ、100μg/ml変性サー
モン精液DNA、0.1%SDS(標準ハイブリダイゼー
ション溶液)中ニック翻訳プローブとハイブリダイゼー
ションされる。次いで、フィルターを50℃で1×SS
C、0.1%SDSにより洗浄し、オートラジオグラフ
ィーに付す。5つのデュプリケイト陽性を分離し、プラ
ーク精製する。これらの組換えバクテリオファージのう
ちの1種、LP−H1のプレート・リゼイトからDNA
を得る。LP−H1は1987年3月6日にATCCに
寄託された(受託番号40311)。このクローンは、h
BMP−1というひとゲノム骨成長因子の少なくとも一
部分をコードする。LP−H1のハイブリダイゼーショ
ン領域は、2.5キロ塩基XbaI/HindIII制限フラグ
メントに対して局在している。 【0048】ラムダLP−H1の部分的DNA配列およ
び誘導されたアミノ酸配列を下記表5に示す。このクロ
ーンからのペプチド配列は37アミノ酸長であり、ヌク
レオチド#3440〜ヌクレオチド#3550のDNA
配列によりコードされる。表5のコード配列の側面に
は、約28個のヌクレオチド(推定に基づく5'非コード
配列)および約19個のヌクレオチド(推定に基づく3'
非コード配列)が存在する。表2のbBMP−1配列と表
5のhBMP−1ゲノム配列とを比較すると、両配列間
に顕著な相同性の存在することが示される。コード領域
のサイズおよび非コード領域の位置は、一般に異なる種
類の相同性遺伝子においても保持されているため、骨誘
導因子遺伝子のコードおよび非コード領域の配置は同定
され得る。相同部位においてシグナルを生じるRNAが
側面に位置する、2種類の遺伝子間の相同性領域は、コ
ード領域を示す。 【0049】 【表6】 【0050】表5に示されたひとコード配列に特異的な
プローブを用いることにより、骨誘導因子を合成するひ
とセルラインまたは組織を同定する。このプローブは次
の方法に従い作成される。下記配列 (a) GGGAATTCTGCCTTTCTTGGGGACATTGCCCTGGACGAAGAGGACCTGAG (b) CGGGATCCGTCTGAGATCCACAGCCTGCTGTACCTGGAAGGCCCTCAGG を有する2種のオリゴヌクレオチドを自動シンセサイザ
ーで合成し、アニーリングし、エシェリヒア・コリDN
AポリメラーゼIのクレノウ・フラグメントを用いて広
げ、制限酵素EcoRIおよびBamHIにより消化し、M
13ベクターに挿入する。次に、一本鎖32P標識プロー
ブは、標準技術によりこのサブクローンの鋳型調製物に
より作成される。ツール等の方法(前出)により、様々な
細胞および組織供給源由来のポリアデニル化RNAをホ
ルムアルデヒド-アガロースゲルにより電気泳動させ、
ニトロセルロースに移動させる。次いで、このプローブ
を、42℃で一夜50%ホルムアミド、5×SSC、
0.1%SDS、40ミリモルの燐酸ナトリウム(pH6.
5)、100μg/mlの変性サーモン精液DNAおよび5
ミリモルのバナジルリボヌクレオシド中ニトロセルロー
ス・ブロットとハイブリダイゼーションし、0.2×S
SC、0.1%SDS中65℃で洗浄する。オートラジ
オグラフィーによると、ひと骨肉腫セルラインU−2
OS由来のRNAを含むレーンは、約4.3および3.0
キロ塩基のRNA種に対応するハイブリダイゼーション
・バンドを含んでいる。 【0051】cDNAをU−2 OSポリアデニル化RN
Aから合成し、確立された技術により(ツール等、前出)
ラムダgt10にクローン化する。このライブラリーから
の組換え体20000個を50プレートの各々において
培養する。デュプリケイト・ニトロセルロース・レプリ
カはこれらのプレートで構成される。前記オリゴヌクレ
オチドを32P−ガンマ−ATPによりキナーゼ化し、5
5℃で一夜標準ハイブリダイゼーション溶液中で2セッ
トのレプリカとハイブリダイゼーションする。次いで、
フィルターを55℃で1×SSC、0.1%SDSによ
り洗浄し、オートラジオグラフィーに付す。ラムダU2
OS−1と称する一デュプリケイト陽性をプラーク精製
する。ラムダU2OS−1は1987年6月16日にA
TCCに寄託された(受託番号40343)。ラムダU2
OS−1の挿入体の全ヌクレオチド配列および誘導され
たアミノ酸配列を表6に示す。このcDNAクローン
は、分泌された蛋白質特有の疎水性リーダー配列が後に
続くメチオニンをコードし、ヌクレオチド位2226−
2228の停止コドンを含む。このクローンは、このア
ミノ酸配列に基づき分子量og83キロダルトンを有する
730個のアミノ酸で構成される蛋白質をコードする、
2190bpのオープン・リーディング・フレームを含
む。このクローンは、表5に示したコード領域と同じ配
列を含む。この蛋白質は、分泌後開裂してhBMP−1
蛋白質を生成する一次翻訳産物を示すと考えられる。従
って、このクローンは、ゲノムhBMP−1配列ラムダ
LP−H1に含まれるひと遺伝子フラグメントに対応す
るhBMP−1のcDNAである。ただし、BMP−1の
アミノ酸#550〜#590は、表皮成長因子並びにプ
ロテインC、第X因子および第IX因子の「成長因子」領域
と相同性である。 【0052】 【表7】 【表8】【表9】【表10】 【0053】B.hBMP−2:クラスIおよびII 実施例4B記載のHindIII−SacIうしゲノムbBMP
−2フラグメントをM13ベクターにサブクローンす
る。32P−標識一本鎖DNAプローブは、このサブクロ
ーンの鋳型調製物から作成される。このプローブを用い
ることにより、A項で前述された様々な細胞および組織
供給源由来のポリアデニル化RNAをスクリーニングす
る。約3.8キロ塩基のmRNA種に対応するハイブリダ
イゼーション・バンドは、ひとセルラインU−2 OS
由来のRNAを含むレーンにおいて検出される。HindI
II−SacIフラグメントをニック翻訳により32Pで標識
し、これを用いて、65℃で一夜標準ハイブリダイゼー
ション緩衝液中でハイブリダイゼーションし、次いで6
5℃で1×SSC、0.1%SDSにより洗浄すること
により、前記U−2 OScDNAライブラリーのニトロ
セルロース・フィルター・レプリカをスクリーニングす
る。12個のデュプリケイト陽性クローンを取り上げ、
二次培養として再培養する。デュプリケイト・ニトロセ
ルロース・レプリカは二次培養物から成り、一次スクリ
ーニングを行なった場合と同様に両セット共うしゲノム
プローブとハイブリダイゼーションされる。次いで65
°で一方のセットのフィルターを1×SSC、0.1%
SDSで洗浄し、他方のセットを0.1×SSC、0.1
%SDSで洗浄する。 【0054】2クラスのhBMP−2 cDNAクローン
は、高いストリンジェント洗浄条件下(0.1×SSC、
0.1%SDS)において、強い(4組換え体)または弱い
(7組換え体)ハイブリダイゼーション・シグナルに基づ
き明白である。11組換えバクテリオファージ全部をプ
ラーク精製し、小規模DNA調製物を各々の培養リゼイ
トから作成し、配列分析用に挿入体をpSP65および
M13にサブクローン化する。hBMP−2・クラスI
と称する(BMP−2としても知られている)強いハイブ
リダイゼーションクローンの配列分析は、それらが表3
に示された配列と強い配列相同性を有することを示す。
従ってこれらのクローンは、bBMP−2遺伝子(この部
分配列は表3に示されている)によりコードされる蛋白
質のひと均等蛋白質をコードするcDNAである。hBM
P−2・クラスIIと称する(BMP−4としても知られ
ている)弱いハイブリダイゼーション組換え体の配列分
析は、それらもまた、それらのコード領域の3'末端に
おいて表3に示した配列と全く相同性である(ただし、
さらに大きい5'領域ではそれほどではない)ことを示
す。すなわち、それらは、同一ではないが、前記構造と
の類似構造を有するひと蛋白質をコードする。 【0055】完全長のhBMP−2・クラスIcDNAク
ローンも同様の方法で得られる。クラスIIサブクローン
の1つ(II−10−1)の1.5キロ塩基挿入体を分離
し、ニック翻訳により放射性標識する。上記でスクリー
ニングされたU−2 OS cDNAライブラリーのニト
ロセルロース・レプリカ(50フィルター、10000
00組換え体バクテリオファージに対応)の1セット
を、ストリンジェント条件下(標準ハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液中65°でハイブリダイゼーション、65°
で0.2×SSC、0.1%SDSで洗浄)でこのプロー
ブとハイブリダイゼーションする。クラスIIプローブと
はハイブリダイゼーションしないうしゲノムプローブと
ハイブリダイゼーションする組換え体全部を選び取り、
プラーク精製する(10組換え体)。プレートのストック
を作り、小規模バクテリオファージDNA調製物を作成
する。M13へのサブクローニング後、配列分析は、こ
れらのうち4つが元のクラスIクローンと部分的に一致
するクローンを表すことを示す。これらの中の1つ、ラ
ムダU2OS−39は、約1.5キロ塩基の挿入体を含
んでおり、1987年6月16日付けでATCCに寄託
された(受託番号40345)。部分的DNA配列(ラム
ダU2OS−39および幾つかの他のhBMP−2クラ
スIcDNA組換え体から編集された)および誘導された
アミノ酸配列を下記表7に示す。ラムダU2OS−39
は、その部分配列が表3に示されているうし遺伝子セグ
メントによりコードされる蛋白質BMP−2のひと対応
部全体をコードするのに必要なヌクレオチド配列を全て
含むものと予想される。このひとcDNA hBMP−2
クラスIは、396個のアミノ酸から成る蛋白質をコー
ドする、1188bpのオープン・リーディング・フレー
ムを含む。396個のアミノ酸から成るこの蛋白質は、
このアミノ酸配列に基づき45キロダルトンの分子量を
有する。この配列は、一次翻訳産物を表すものと考えら
れる。全フレームにおいて停止コドンを有する342bp
の5'未翻訳領域がこの蛋白質に先行する。この5'未翻
訳領域に先行する13bp領域は、cDNAクローニング
方法で使用されるリンカーを表す。 【0056】 【表11】【表12】【表13】 【0057】完全な長さのhBMP−2・クラスIIひとc
DNAクローンは、次の要領で得られる。クラスII組換
えII−10−1の5'端部からの200bp EcoRI−S
acIフラグメントをそのプラスミド・サブクローンから
分離し、ニック翻訳により標識し、U−2 OS cD
NAライブラリー(25フィルター/セット、5000
00個の組換え体を示す)の1セットのデュプリケイト
・ニトロセルロース・レプリカとハイブリダイゼーショ
ンする。前記ストリンジェント条件下でハイブリダイゼ
ーションおよび洗浄を行う。16デュプリケイト陽性を
選び取り、二次培養として再培養する。二次培養のニト
ロセルロース・フィルター・レプリカを作成し、II−1
0−1の配列と対応すべく合成された、下記配列 CGGGCGCTCAGGATACTCAAGACCAGTGCTG を有するオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーション
する。50℃で標準ハイブリダイゼーション緩衝液中で
ハイブリダイゼーションし、1×SSC、0.1%SD
Sにより50°で洗浄する。このオリゴヌクレオチドと
ハイブリダイゼーションする14組換えバクテリオファ
ージをプラーク精製する。プラーク・ストックを作り、
小規模バクテリオファージDNA調製物を作成する。こ
れらの中の3つをM13にサブクローニング後、配列分
析は、それらが元のクラスIIクラスと部分的に一致する
クローンを表すことを示す。これらの中の1つ、ラムダ
U2OS−3は1987年6月16日付けでATCCに
寄託された(受託番号40342)。U2OS−3は約
1.8キロ塩基の挿入体を含む。U2OS−3の部分的
DNA配列および誘導されたアミノ酸配列を下記表8に
示す。このクローンは、全ひとBMP−2・クラスII蛋
白質をコードするのに必要なヌクレオチド配列の全てを
含むものと予想される。このcDNAは、全フレームに
おいて停止コドンを有する394bpの5'未翻訳領域が
先行し、408個のアミノ酸から成る蛋白質をコードす
る、1224bpのオープン・リーディング・フレームを
含み、イン-フレーム停止コドンの後に308bpの3'未
翻訳領域を含む。5'未翻訳領域に先行する8bp領域
は、cDNAクローニング方法で使用されるリンカーを
表す。408個のアミノ酸から成る蛋白質は47キロダ
ルトンの分子量を有し、一次翻訳産物を表すものと考え
られる。 【0058】 【表14】 【表15】【表16】 【0059】表3、4、7および表8に示されたBMP
−2・クラスIおよびII並びにBMP−3の配列は、イ
ンヒビンのベータ(B)(InhβB)およびベータ(A)(Inhβ
A)サブユニットと顕著な相同性を有する。インヒビン
は、避妊における使用に関して現在研究されているホル
モンの一種である。メゾン等、「ネイチャー」、318:
659−663(1985)参照。さらに範囲を狭める
と、それらはまた、ムレリアン阻害物質(MIS)、雄性
胚の成長中におけるムレリアン導管の退行を誘発する精
巣性糖蛋白質、および細胞の成長を阻害または刺激し
得、またはそれらを分化させ得る形質転換成長因子−ベ
ータ(TGFβ)とも相同性を呈する。さらに、hBMP
−2・クラスI、クラスIIをコードする表7および表8
の配列は、ドロソフィラ・デカペンタプレジック(DP
P−C)遺伝子座転写体と顕著な相同性を有する。マッ
サーグ、「セル」、49:437−438(1987)、パ
ジェット等、「ネイチャー」、325:81−84(19
87)、ケート等、「セル」、45:685−698(19
86)参照。従って、BMP−2が、この発生的突然変
異遺伝子座からのこの転写体から作られた蛋白質のひと
相同体であり得ることが考えられる。以下、これらの相
同性を表9により示す。 【0060】 【表17】 【0061】C.BMP−3 うしおよびひとの骨成長因子遺伝子が顕著な相同性を有
すると思われるため、表4Aおよび4BのうしDNA配
列とハイブリダイゼーションすることが示されたオリゴ
ヌクレオチド・プローブを用いてひとゲノム・ライブラ
リーをスクリーニングする。これらのプローブを用いて
ひとゲノムライブラリー(ツール等、前出)をスクリーニ
ングし、仮定的陽性を分離すると、前記と同様にDNA
配列が得られる。この組換え体がひと骨誘導因子分子の
一部をコードするという証拠は、うし/ひと蛋白質およ
び遺伝子構造相同性に存する。一旦ひとBMP−3分子
の一部をコードするDNAを含む組換えバクテリオファ
ージが得られると、実施例5(A)の記載と同様にひとコ
ード配列をプローブとして用いることにより、BMP−
3を合成するひとセルラインまたは組織を同定する。m
RNAをオリゴ(dT)セルロース・クロマトグラフィー
により選択し、cDNAを確立された技術により(ツール
等、前出)合成し、ラムダgt10においてクローン化す
る。 【0062】別法として、このひと骨誘導因子をコード
する全遺伝子は、必要ならば追加の組換えクローンにお
いて同定および生成され得る。このひと骨誘導因子遺伝
子のさらに別の3'または5'領域を含む追加の組換え体
は、元のクローンの端部(複数も可)における独特のDN
A配列を同定し、これらをプローブに用いてひとゲノム
ライブラリーを再スクリーニングすることにより生産さ
れ得る。次いで、この遺伝子は、標準的分子生物学技術
により単一プラスミドにおいて再会合され、細菌におい
て増幅され得る。次に、全ひとBMP−3因子遺伝子は
適当な発現ベクターに移入され得る。次いで、この遺伝
子を含む発現ベクターによりほ乳類細胞、例えばさるC
OS細胞をトランスフェクションし、その細胞において
ひと遺伝子が転写され、RNAは正確にスプライシング
される。トランスフェクションされた細胞の培地を、遺
伝子が完全であることの指標としてこの明細書に記載さ
れた骨誘導因子活性に関して検定する。これらの細胞か
らmRNAを得、このmRNA供給源からcDNAを合成
し、クローン化する。同様に上記方法を用い、プローブ
供給源としてうし骨誘導因子および/またはひと骨誘導
因子を利用することにより、興味の対象である他の種類
の骨誘導因子を分離することが可能である。これらの他
の種類の骨誘導因子は、特に骨折修復において似た有用
性を有し得る。 【0063】実施例6 骨誘導因子の発現 うし、ひとまたは他のほ乳類の骨誘導因子を製造するた
めに、常用的遺伝子工学技術により、それをコードする
DNAを適当な発現ベクターに移入し、ほ乳類細胞に導
入する。当業界の熟練者であれば、表2〜8の配列また
は他の修飾配列並びに既知ベクター、例えばpCD[岡山
等、「モル.セル・バイオル.」、2:161−170(1
982)]およびpJL3、pJL4[ゴフ等、「EMBO・
ジャーナル」、4:645−653(1985)]を用いる
ことによるほ乳類発現ベクターの構築は可能である。こ
れらのベクターを用いた適当な宿主細胞の形質転換によ
り、骨誘導因子が発現され得る。当業界の熟練者であれ
ば、コード配列の側面に位置するほ乳類調節配列を削除
またはこれを細菌性配列と置き換えることにより表2〜
8の配列を操作し、細菌細胞による細胞内または細胞外
発現用細菌性ベクターを構築することが可能である。例
えば、コード配列はさらに操作(例、他の既知リンカー
と結合または他の公知技術によるそこからの非コード配
列の欠失もしくは存在するヌクレオチドの改編による修
飾)され得る。次いで、修飾骨誘導因子コード配列は、
例えば谷口等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ
・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、77:
5230−5233(1980)に記載された方法を用い
て既知細菌性ベクターに挿入され得る。次いで、この実
例的細菌性ベクターにより細菌宿主細胞を形質転換し、
骨誘導因子を発現させ得る。細菌細胞における骨誘導因
子の細胞外発現の実施戦略については、例えばヨーロッ
パ特許出願EPA177343を参照。 【0064】昆虫細胞で発現させる昆虫性ベクターの構
築についても同様の操作が実施され得る[例えば、公開
されたヨーロッパ特許出願155476記載の方法を参
照]。酵母ベクターもまた、酵母細胞によるこの発明の
因子の細胞内または細胞外発現を目的とする酵母調節配
列を用いて構築され得る。[例えば、公開PCT出願W
O86/00639およびヨーロッパ特許出願EPA1
23289参照]。ほ乳類細胞から高レベルの本発明骨
誘導因子を製造する方法は、異種骨誘導因子遺伝子の多
数のコピーを含む細胞の構築を含む。異種遺伝子は、増
幅可能なマーカー、例えばジヒドロ葉酸還元酵素(DH
FR)遺伝子(この場合、カウフマンおよびシャープ、
「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー」、1
59:601−629(1982)の方法に従い、多量の
遺伝子コピーを含む細胞が、メトトレキセート(MTX)
の高濃縮液における伸長に関して選択され得る)に結合
され得る。この方法は幾つかの異なる細胞タイプにより
使用され得る。例えば、この発明の骨誘導因子に関する
DNA配列を含むプラスミドは、その発現を可能にする
他のプラスミド配列およびDHFR発現プラスミドpAd
A26SV(A)3[カウフマンおよびシャープ、「モレキ
ュラー・アンド・セルラー・バイオロジー」、2:13
04(1982)]と効果的に組合わされて、燐酸カルシ
ウム共沈澱およびトランスフェクションによりDHFR
−欠失CHO細胞、DUKX−BII中に共に導入され
得る。DHFR発現形質転換体を、透析うし胎児血清を
含むアルファ培地での成長に関して選択し、続いてMT
X高濃縮液(0.02、0.2、1.0および5マイクロモ
ルのMTXにおける連続段階)での成長による増幅に関
して選択する[カウフマン等、「モレキュラー・アンド・
セラー・バイオロジー」、5:1750(1983)の記載
による]。形質転換体をクローン化し、ラット骨形成検
定により生物学的活性骨誘導因子発現をモニターする。
骨誘導因子発現はMTX耐性のレベルが高くなると、増
加すべきである。同様の方法は、他の骨誘導因子の製造
にも使用され得る。 【0065】別法として、ひと遺伝子は前記に従い直接
的に発現される。活性骨誘導因子は細菌または酵母細胞
において製造され得る。しかしながら、生物学的活性組
換えひと骨誘導因子に対して現在好ましい発現系は、安
定して形質転換されたCHO細胞である。一実施態様と
して、実施例5のひと骨誘導因子(hBMP−1)を製造
するためには、SalI消化によりU2OS−1の挿入体
をベクターarmsから放出させ、XhoIにより消化された
ほ乳類発現ベクターpMT2CXにサブクローン化す
る。DEAE−デキストラン方法を用いて[ソンパイラ
ックおよびダンナ、「PNAS」、78:7575−75
78(1981)、ルトマンおよびマグヌッソン、「ニュ
クレイック・アシッズ・リサーチ」、11:1295−1
308(1983)]、このサブクローンからのプラスミ
ドDNAによりCOS細胞をトランスフェクションす
る。血清不含有24時間条件培地を細胞から集める(ト
ランスフェクションの40−70時間後開始)。ほ乳類
発現ベクターpMT2 Cla−Xho(pMT2CX)は、p9
1023(b)(ウォング等、「サイエンス」、228:81
0−814、1985年)の誘導体であり、後者がテト
ラサイクリン耐性遺伝子ではなくアンピシリン耐性遺伝
子を含み、さらにcDNAクローンの挿入に関するXho
I部位を含む点で相異する。pMT2 Cla−Xhoの機能
的要素については既に記載されており(カウフマン、1
985年、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナ
イテッド・ステーツ・オブ・アメリカ、82:689−
693)、アデノウイルスVA遺伝子、72bpエンハン
サーを含むSV40複製開始点、5'スプライス部位を
含むアデノウイルス主後期プロモーターおよびアデノウ
イルス三部分リーダー配列の大部分(アデノウイルス後
期mRNAに存在)、3'スプライス受容部位、DHFR
挿入体、SV40早期ポリアデニレーション部位(SV
40)並びにエシェリヒア・コリにおける伸長に必要と
されるpBR322配列が含まれる。 【0066】プラスミドpMT2 Cla−Xhoは、pMT
2−VWFのEcoRI消化により得られる[アメリカ合
衆国、メリーランド、ロックビルのアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託された
(受託番号ATCC67122)]。EcoRI消化によりp
MT2−VWFに存在するcDNA挿入体が切除され、
線状形態のpMT2が生成する。これを結合して用いる
ことにより、エシェリヒア・コリHB101またはDH
−5をアンピシリン耐性に形質転換することができる。
プラスミドpMT2 DNAは常法により製造され得る。
次に、pMT2をEcoRVおよびXbaIで消化し、消化
されたDNAをDNAポリメラーゼIのクレノウ・フラ
グメントで処理し、Claリンカー(ネバイオラブズ、C
ATCGATG)を結合することによりpMT2CXが構
築される。これは、SV40複製開始点付近のHindIII
部位から出発する塩基2266〜2421およびpMT
2のエンハンサー配列を除く。次に、プラスミドDNA
をEcoRIで消化し、前記と同様にブラント化し、Eco
RIアダプターに結合し、 5' PO4−AATTCCTCGAGAGCT 3' 3' GGAGCTCTCGA 5' XhoIで消化し、結合することによりpMT2 Cla−X
hoが得られ、次いでこれを用いてエシェリヒア・コリを
アンピシリン耐性に形質転換することができる。プラス
ミドpMT2 Cla−Xho DNAは常法により製造され
得る。得られた骨誘導因子は、通常の蛋白質分離・精製
法によって分離及び精製される。これらの方法に特に限
定はなく、ゲル濾過法、アフィニティークロマトグラフ
ィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマト
グラフィー、HPLC等を組み合わせて用いることがで
きる。分離・精製は、ラット骨形成検定による生物学的
活性および/または抽出ウシ骨誘導因子の特性検定結果
等を指標として効率的に用い得る。 【0067】実施例7 発現した骨誘導因子の生物学的活性 A.BMP−1 上記実施例6で得られた発現した骨誘導因子(hBMP−
1)の生物学的活性を測定する。因子をヘパリン・セフ
ァロースカラムにおいて部分的に精製する。1枚の10
0mm皿から得たトランスフェクション上清4mlを、YM
10膜を用いた限外ろ過により約10倍に濃縮し、次い
で20ミリモルのトリス、0.15モルNaCl(pH7.
4)(出発緩衝液)に対して透析する。次に、この材料を
出発緩衝液中1.1mlヘパリン・セファロースカラムに
適用する。出発緩衝液の8ml洗浄液により未結合蛋白質
を除去し、20ミリモルのトリス、2.0モルNaCl(p
H7.74)の3−4ml洗浄液によりBMP−1を含む結
合蛋白質を脱着させる。ヘパリンカラムにより結合した
蛋白質をセントリコン10において約10倍に濃縮し、
0.1%トリフルオロ酢酸を用いてジアフィルトレーシ
ョンすることにより塩を還元する。この溶液の適量を2
0mgのラットマトリックスと混合し、次いで前記実施例
3の記載に従いインビボ骨および軟骨形成に関して検定
する。MOCK(モック)トランスフェクション上清分画
を対照として使用する。特定量のひとBMP−1が加え
られたラットマトリックスを含むインプラントを7日後
にラットから除去し、組織評価を行う。各インプラント
からの代表的部分を、新規骨無機質の存在に対してボン
・コッサおよび酸性フーシンにより染色し、軟骨特異的
マトリックス形成の存在に対してトルイジンブルーによ
り染色する。その部分内に存在する細胞のタイプおよび
これらの細胞が表現型を示す程度を評価する。 【0068】ひとBMP−1をマトリックス材料に加え
ると、内植の7日後に軟骨様小節が形成された。軟骨芽
(細胞)型細胞は、形状および異染性マトリックスの発現
により認識され得る。ひとBMP−1において観察され
る活性の量は、マトリックスに加えられたひとBMP−
1蛋白質の量により異なった。表9は、観察された骨誘
導量に対するひとBMP−1蛋白質の用量応答関係を示
す。 【0069】 表10インプラント番号 使用量(トランスフェク 組織学的スコア ション培地1mlの当量) 876-134-1 10BMP−1 C+2 876-134-2 3BMP−1 C+1 876-134-3 1BMP−1 C+/− 876-134-4 10MOCK C− 876-134-5 3MOCK C− 876-134-6 1MOCK C− 【0070】軟骨(c)活性を0(−)〜5の尺度に基づい
て評価した。類似レベルの活性は、ヘパリンセファロー
ス分画COS細胞抽出物においても観察される。6モル
尿素が全緩衝液に含まれること以外は前記方法と同様の
方法で部分精製を実施する。さらに、上記ラット骨形成
検定において、BMP−2も同様に軟骨形成活性を示し
た。上記方法を用い、プローブ供給源としてうし骨誘導
因子および/またはひと骨誘導因子を利用することによ
り興味深い他の骨誘導因子を分離することができる。そ
れらの他の骨誘導因子は、特に骨折修復において似た有
用性を呈し得る。以上、この発明の好ましい実施態様に
ついて詳細に記載した。その実施に際し、これらの記載
事項を考慮して多くの修正および変更が行なわれること
は当業界の熟練者であれば容易に想到し得るはずであ
る。それらの修正および変更も後記請求の範囲内に包含
されるものと考えられる。 【0071】 微 生 物 寄託機関の名称 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション 寄託機関の住所 12301 パークローン・ドライブ ロックビル、メリーランド20852、アメリカ合衆国寄託物の名称 ATCC番号 引用頁/行 寄託の日付 LP−H1 40311 29/20 1987年3月4日 bP50 40295 20/3 1986年12月15日 bP−21 40310 22/18 1987年3月4日 U2OS−3 40342 44/22 1987年6月16日 ラムダU2-OS-1 40343 32/33 1987年6月16日 ラムダBP819 40344 25/23 1987年6月16日 U2OS-39 40345 39/21 1987年6月16日 【0072】この発明によって下記の各事項が可能とな
る。 (1)医薬的に許容し得る賦形剤中に、(a)BMP−1、
(b)BMP−2・クラスI、(c)BMP−2・クラスII、
(d)BMP−3、およびそれらの混合物から成る群から
選ばれる蛋白質を含有して成る医薬組成物。 (2)蛋白質がBMP−1である、1記載の組成物。 (3)蛋白質がBMP−2・クラスIである1記載の組成
物。 (4)蛋白質がBMP−2・クラスIIである1記載の組成
物。 (5)蛋白質がBMP−3である、1記載の組成物。 (6)さらに、骨または軟骨欠損部位に組成物を送達し、
骨形成誘導構造を提供し得るマトリックスを含む、1記
載の医薬組成物。 (7)マトリックスが、ヒドロキシアパタイト、コラーゲ
ン、ポリ乳酸および燐酸三カルシウムから成る群から選
択される材料を含む、6記載の組成物。 (8)骨または軟骨形成を必要とする患者における骨形成
誘導方法であって、1−7のいずれか1項記載の組成物
の有効量を患者に投与することを含む方法。 (9)BMP−1をコードするDNA配列により形質転換
されたセルラインを適当な培養培地で培養し(ただし、
前記DNA配列は適切な発現制御配列と組合わされてい
る)、培養培地からBMP−1を分離することを含むB
MP−1の製造方法。 (10)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、9記載の方法。 【表18】【表19】【表20】【表21】 (11)BMP−2・クラスIをコードするDNA配列によ
り形質転換されたセルラインを適当な培養培地で培養し
(ただし、前記DNA配列は適切な発現制御配列と組合
わされている)、培養培地からBMP−2・クラスIを
分離することを含むBMP−2・クラスIの製造方法。 (12)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、11記載の方法。 【表22】【表23】【表24】 【0073】(13)BMP−2・クラスIIをコードするD
NA配列により形質転換されたセルラインを適当な培養
培地で培養し(ただし、前記DNA配列は適切な発現制
御配列と組合わされている)、培養培地からBMP−2
・クラスIIを分離することを含むBMP−2・クラスII
の製造方法。 (14)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、13記載の方法。 【表25】【表26】【表27】 (15)BMP−3をコードするDNA配列により形質転換
されたセルラインを適当な培養培地で培養し(ただし、
前記DNA配列は適切な発現制御配列と組合わされてい
る)、培養培地からBMP−3を分離することを含むB
MP−3の製造方法。 (16)DNA配列が実質的に下記ヌクレオチド配列を含ん
でいる、15記載の方法。 【表28】 および 【表29】 (17)実質的に10記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−1
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−1をコードするcDNA配列。 (18)実質的に12記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIをコードするcDNA配
列。 (19)実質的に14記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIIをコードするcDNA配
列。 (20)実質的に16記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−3
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−3をコードするcDNA配列。 (21)骨誘導蛋白質をコードするDNA配列および相同性
DNAを含むベクターであって、蛋白質をコードするD
NA配列が、 a.実質的に10記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−1
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−1をコードするDNA配列、 b.実質的に12記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIをコードするDNA配
列、 c.実質的に14記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−2
・クラスIIの実質的特性を呈する蛋白質をコードする配
列を含むBMP−2・クラスIIをコードするDNA配
列、および d.実質的に16記載のヌクレオチド配列または厳密な
条件下でそれとハイブリダイズし、発現時にBMP−3
の実質的特性を呈する蛋白質をコードする配列を含むB
MP−3をコードするDNA配列から成る群から選ばれ
たものである、ベクター。 (22)骨誘導蛋白質をコードするDNA配列を発現させ得
る21記載のベクターにより形質転換された細胞および
前記細胞の子孫。 (23)ほ乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞および酵母細胞か
ら成る群から選ばれる、22記載の形質転換細胞。 【0074】(24)(a)(i)実質的に下記配列を有するcD
NA 【表30】 【表31】【表32】【表33】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(a)(i)記載のアミノ酸#51〜#87
の37アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地から回
収する工程により生産される蛋白質、 (b)(i)実質的に下記配列を有するcDNA 【表34】 【表35】【表36】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(b)(i)記載のアミノ酸#299〜#3
96の97アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地か
ら回収する工程により生産される蛋白質、 (c)(i)実質的に下記配列を有するcDNA 【表37】【表38】【表39】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(c)(i)記載のアミノ酸#311〜#4
08の97アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地か
ら回収する工程により生産される蛋白質、 (d)(i)実質的に下記配列を有するcDNA 【表40】 および 【表41】 および(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれ
とハイブリダイズし、(2)発現時に、実施例3のインビ
ボ・ラット骨形成検定において約10−1000ナノグ
ラム/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成
誘導能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配
列により形質転換された細胞を培養し、 (ii)実質的に上記(d)(i)記載のアミノ酸#79〜#17
5の96アミノ酸配列を含む蛋白質を前記細胞培地から
回収する工程により生産される蛋白質、および (e)前記蛋白質の混合物から成る群から選ばれる精製蛋
白質の有効量を、医薬的に許容し得る賦形剤と共に含ん
で成る医薬組成物であって、実施例3のインビボ・ラッ
ト骨形成検定において約10−1000ナノグラム/グ
ラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能を
呈する組成物。 【0075】(25)さらに、骨または軟骨欠損部位に組成
物を送達し、骨形成誘導構造を提供し得るマトリックス
を含む、24記載の医薬組成物。 (26)マトリックスが、ヒドロキシアパタイト、コラーゲ
ン、ポリ酪酸および燐酸三カルシウムから成る群から選
択される材料を含む、25記載の組成物。 (27)骨または軟骨形成を必要とする患者における骨形成
誘導方法であって、24−26のいずれか1項記載の組
成物の有効量を患者に投与することを含む方法。 (28)24(a)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(a)に記載されたヌクレオチド配列、お
よび (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (29)24(b)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(b)に記載されたヌクレオチド配列、およ
び (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (30)24(c)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(c)に記載されたヌクレオチド配列、お
よび (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (31)24(d)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
むベクターであって、前記配列が、 (a)実質的に24(d)に記載されたヌクレオチド配列、お
よび (b)(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれとハ
イブリダイズし、(2)発現時に実施例3のインビボ・ラ
ット骨形成検定において約10−1000ナノグラム/
グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導能
を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を含
む配列であるベクター。 (32)前記DNA配列を発現させ得る28、29、30お
よび31記載のベクターから成る群から選ばれたベクタ
ーにより形質転換された細胞および前記細胞の子孫。 (33)ほ乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞および酵母細胞か
ら成る群から選ばれる、32記載の形質転換細胞。 (34)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(a)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(a)に記載されたヌクレオチド配列および (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。 【0076】(35)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(b)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(b)に記載されたヌクレオチド配列およ
び (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。 (36)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(c)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(c)に記載されたヌクレオチド配列およ
び (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。 (37)精製蛋白質の製造方法であって、 (a)24(d)記載の蛋白質をコードするDNA配列を含
み、それを発現させ得る細胞を生成し(ただし、この配
列は、 (i)実質的に24(d)に記載されたヌクレオチド配列およ
び (ii)(a)厳密なハイブリダイゼーション条件下でそれと
ハイブリダイズし、(b)発現時に実施例3のインビボ・
ラット骨形成検定において約10−1000ナノグラム
/グラム(骨)の濃度で硬骨および/または軟骨形成誘導
能を呈することを特徴とする蛋白質をコードする配列を
含む)、 (b)組換え体DNAを発現させ得る条件下、適当な培養
培地において前記の形質転換宿主細胞またはその子孫を
培養し、 (c)前記培養から前記蛋白質を分離および精製する工程
を含む方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C07K 14/435 C12P 21/02 C
C12P 21/02 C12N 1/21
// C12N 1/21 A61K 37/02
5/10 C12N 5/00 B
(C12P 21/02
C12R 1:91)
(C12P 21/02
C12R 1:19)
(31)優先権主張番号 031346
(32)優先日 昭和62年3月26日(1987.3.26)
(33)優先権主張国 米国(US)
微生物の受託番号 ATCC 40342
微生物の受託番号 ATCC 40343
微生物の受託番号 ATCC 40344
微生物の受託番号 ATCC 40345
微生物の受託番号 ATCC 40295
微生物の受託番号 ATCC 40310
微生物の受託番号 ATCC 40311
微生物の受託番号 ATCC 67122
(72)発明者 ジョン・エム・ウォズニー
アメリカ合衆国01749マサチューセッツ、
ハドソン、オールド・ボルトン・ロード
59番
(72)発明者 ヴィッキ・エイ・ローゼン
アメリカ合衆国02116マサチューセッツ、
ボストン、アパートメント4、マールバ
ロー・ストリート344番
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.表2、3、4A及び4B、5、6、7、もしくは8
に記載されたアミノ酸配列をコードする塩基配列、また
はストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件下、
これらの配列とハイブリダイズし、発現時に実施例3の
インビボラット骨形成検定において硬骨および/または
軟骨形成誘導能を呈するポリペプチドをコードする塩基
配列のいずれかを含むDNAにより形質転換された細胞
またはその子孫を培養し、培養液を精製することにより
製造し得る、実施例3のインビボラット骨形成検定にお
いて硬骨および/または軟骨形成誘導能を呈する、精製
培養物。 2.表4A及び4B、6、7、もしくは8に記載された
アミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を含むD
NAを用いて製造し得る、請求項1記載の培養物。 3.表2、3、4A及び4B、5、6、7、もしくは8
に記載されたアミノ酸配列をコードする塩基配列、また
はストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件下、
これらの配列とハイブリダイズし、発現時に実施例3の
インビボラット骨形成検定において硬骨および/または
軟骨形成誘導能を呈するポリペプチドをコードする塩基
配列のいずれかを含むDNAにより形質転換された細胞
またはその子孫を培養し、培養液を精製することにより
製造し得る、実施例3のインビボラット骨形成検定にお
いて硬骨および/または軟骨形成誘導能を呈する、精製
培養物を含む、骨形成誘導剤。 4.更にマトリックスを含む、請求項3記載の誘導剤。 5.マトリックスがヒドロキシアパタイト、コラーゲ
ン、ポリ酪酸および燐酸三カルシウムからなる群から選
択される、請求項4記載の誘導剤。
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