JP3093208B2 - オレフィン重合および共重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合および共重合用触媒

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合お
よび共重合用触媒に関するもので、より詳細には高い活
性を示し、分子量分布が狭く粒度分布の狭い重合体を生
成し、また低分子量の重合体生成量が少ないオレフィン
重合および共重合用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のオレフィン重合用触媒は非活性炭
化水素溶媒内でマグネシウム化合物をアルコール、有機
カルボン酸、アルデヒド、アミンおよびこれらの混合物
と接触反応させて生成された化合物をハロゲン含有チタ
ニウム化合物と反応させて固状の触媒成分を製造した
り、再結晶化合物としてハロゲン含有シリコン化合物、
錫化合物またはアルミニウム化合物を用いて活性担体を
生成させた後チタニウムハライド化合物と接触させて固
体チタニウム触媒成分を製造する方法によって製造され
た。
【0003】米国特許第4,336,360号および第
4,330,649号には高活性の触媒を製造するため
にマグネシウム担体を炭化水素溶媒内でアルコールのよ
うな電子供与体と反応させて液状にした後4塩化シリコ
ンのようなハロゲン化合物と反応させてマグネシウム担
体成分を再結晶化する方法によって固体マグネシウム担
体を作り、ここに4塩化チタニウムのようなチタニウム
系化合物を担持させて重合用触媒を製造したり、直接4
塩化チタニウムを投入することによって沈殿させる方法
によってチタニウム成分を有する重合用触媒を製造する
方法が記述されている。しかし、上記の方法で製造した
触媒でオレフィン重合またな共重合を行なう場合その結
果生成される重合体は微細な粉末が多く、粒度分布が広
く、嵩密度が低い。また分子量分布が広く、スラリー重
合でヘキサンのような溶媒で溶解される低分子の量が多
く生成される短所がある。ここで低分子というには通常
溶融指数が5,000以上であり、分子量が約1,00
0以下である重合体を言う。
【0004】また、米国特許第5 5,419,116
号では上記のような従来の触媒の短所を補完して高活性
を有し、高い嵩密度を有する触媒を製造するためにマグ
ネシウム化合物を炭化水素溶媒内でアルコールのような
電子供与体と反応させて液状に作し、ここに少なくとも
1個のヒドロキシ基を含むエステル化合物を反応させた
のち4塩化チタニウムのようなチタニウム系化合物を反
応させ沈殿させる方法によってマグネシウム化合物、特
にチタニウム化合物、電子供与体の成分を有する固体の
重合用触媒を製造する方法が記述されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
製造した触媒でオレフィン重合または共重合を行なう場
合、高活性を示し、製造された重合体も比較的高い嵩密
度を示す長所はあるが、粒度分布が広く分子量分布が広
くてスラリー重合でヘキサンのような溶媒に溶解される
低分子の量が多くなる短所がある。
【0006】本発明の目的は上記のような従来の触媒の
短所を補完して高活性を示し、粒子の形が顆粒形(granu
le)であり、分子量分布が狭く、高い嵩密度を有し、粒
子のサイズの分布が狭い重合体を得ることができ、低密
度の重合体を得る場合にも低分子量の重合体の生成量が
非常に少ない触媒を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の触媒は無機成分
としてマグネシウム化合物にアルミニウム化合物を添加
して得られた混合物を用い、電子供与体として少なくと
も1個のヒドロキシ基を含むエステル化合物と少なくと
も1個のアルコキシ基を有するシラン化合物を用いて製
造することを特徴とする。本発明の固体チタニウム触媒
を利用し重合を行なう場合製造された重合体は分子量分
布が狭く、粒度分布が狭い顆粒形であり、また低分子生
成量が著しく減少する。
【0008】本発明を詳細に説明すれば次のとおりであ
る。
【0009】本発明の触媒は非活性の炭化水素溶媒内
でマグネシウム化合物とアルミニウム化合物との混合物
とアルコールを接触反応させて液状のマグネシウム溶液
を作った後、少なくとも1個のヒドロキシ基を含むエ
ステル化合物と少なくとも1個のアルコキシ基を有する
シラン化合物を電子供与体として用いて上記液状マグネ
シウム溶液と反応させたのち、チタニウム化合物を添加
して反応させることによって製造される。
【0010】本発明の触媒製造時に用いられるマグネシ
ウム化合物としてはマグネシウムフルオライド、マグネ
シウムクロライド、マグネシウムブロマイド、ヨード化
マグネシウム等のようなマグネシウムハライド、メトキ
シマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロ
ライド、イソプロポキシマグネシウムクロライド、ブト
キシマグネシウムクロライドのようなアルコキシマグネ
シウムハライド、マグネシウムエトキシド、マグネシウ
ムイソプロポキシド、マグネシウムブトキシドのような
マグネシウムアルコキシド等が用いられる。
【0011】本発明の触媒製造時に用いられるアルミニ
ウム化合物としてはアルミニウムフルオライド、アルミ
ニウムクロライド、アルミニウムブロマイド、ヨード化
アルミニウム等のようなアルミニウムハライド、アルミ
ニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、
アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ
ブトキシドのようなアルミニウムアルコキシド、水酸化
アルミニウム等を用いられる。用いられるアルミニウム
化合物の量はマグネシウム量を基準とする時、目的とす
る触媒の特性がよく具現されるようするためにマグネシ
ウムモル当たり望ましくは0.01〜2モル、より望ま
しくは0.05〜1モルにすることが適当である。
【0012】マグネシウム溶液を製造するための溶媒と
しては炭化水素溶媒を用いる、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、及びケロシンのような脂肪族炭
化水素類またはシクロヘキサンやシクロオクタンのよう
な環状脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等のような芳香族炭化水素類等が用
いられる。用いられる炭化水素溶媒の量はマグネシウム
の量を基準とする時、マグネシウムのモル当たりで望ま
しくは1〜30モル、より望ましくは3〜10モルの溶
液状にすること適切である。
【0013】マグネシウム溶液を形成するにおいて用い
られるアルコール類の例としてはメタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロパノール、ヘキサノール、2
−エチルヘキサノール、デカノール等の脂肪族アルコー
ル、シクロヘキサノール等の環状脂肪族アルコール、フ
ェノール等の芳香族アルコールなどを挙げることができ
る。用いられるアルコールの量はマグネシウムのモル当
たり0.1〜10モルである。均一な液状マグネシウム
化合物を形成するために用いられるアルコールの量は3
〜6モル程度が最も望ましい。マグネシウム化合物とア
ルコールの接触温度は望ましくは約60〜140℃、よ
り望ましくは約80〜120℃であり、1時間〜4時間
程度で保持する。
【0014】本発明の触媒を製造する時にマグネシウム
溶液と反応させる電子供与体の中少なくとも1個のヒド
ロキシ基を含むエステル化合物としては2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタアクリレート、4−ヒドロキシブ
チルアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレ
ート等のように少なくとも1個のヒドロキシ基を含む不
飽和脂肪酸エステル類、2−ヒドロキシエチルアセテー
ト、メチル−3−ヒドロキシブチレート、エチル−3−
ヒドロキシブチレート、メチル−2−ヒドロキシイソブ
チレート、エチル−2−ヒドロキシイソブチレート、メ
チル−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオネート、
2、2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、エ
チル−6−ヒドロキシヘキサノエート、t−ブチル−2
−ヒドロキシイソブチレート、ジエチル−3−ヒドロキ
シグルタレート、エチルラクテート、イソプロピルラク
テート、ブチルラクテート、ブチルイソブチルラクテー
ト、イソブチルラクテート、エチルマンデレート、ジメ
チルタートレート、ジエチルタートレート、ジブチルタ
ートレート、トリメチルシトレート、トリエチルシトレ
ート、エチル−2−ヒドロキシカプロエート、ジエチル
ビス−(ヒドロキシメチル)マロネート等のように少な
くとも1個のヒドロキシ基を含む脂肪族モノエステルま
たはポリエステル類、2−ヒドロキシエチルベンゾエー
ト、2−ヒドロキシエチルサリチレート、メチル4−
(ヒドロキシメチル)ベンゾエート、メチル4−ヒドロ
キシベンゾエート、エチル3−ヒドロキシベンゾエー
ト、4−メチルサリチエート、エチルサリチレート、フ
ェニルサリチレート、プロピル−4−ヒドロキシベンゾ
エート、フェニル−3−ヒドロキシナフサノエート、モ
ノエチレングリコルモノベンゾエート、ジエチレングリ
コルモノベンゾエート、トリエチレングリコルモノベン
ゾエート等のように少なくとも1個のヒドロキシ基を含
む芳香族エステル類、ヒドロキシブチロラクトンのよう
な少なくとも1個のヒドロキシ基を含む脂環族エステル
類等が用いられる。用いられる電子供与体の量はマグネ
シウムの量を基準として、マグネシウムのモル当たり望
ましくは0.01〜5モル、より望ましくは0.05〜
1.0モルにするのが適切である。この範囲を外れると
望む水準の触媒特性を得にくい。
【0015】本発明に用いられるまた別な電子供与体で
ある少なくとも1個のアルコキシ基を有するシラン化合
物としてはRSi(OR)4−n(ここでRは炭素数
1から6までの炭化水素、nは0から3までの自然数)
の構造を有する化合物が望ましいが、より望ましくは最
小限2個以上のアルコクシ基を含む化合物である。具体
的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニ
ルメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、テトラ
エチルオルトシリケート、テトラブチルオルトシリケー
ト等の化合物の使用が望ましい。用いられるシラン化合
物の量はマグネシウムの量を基準として、マグネシウム
のモル当たり望ましくは0.01〜2モル、より望まし
くは0.1〜1.0モルにするのが適切である。この範
囲を外れると目的とする触媒特性を得にくい。
【0016】マグネシウム化合物とアルミニウム化合物
の液状混合物がヒドロキシ基を含むエステル化合物と反
応する温度は30〜100℃の範囲が望ましく、50〜
80℃がより望ましい。前記マグネシウム化合物とアル
ミニウム化合物の液状混合物と電子供与体中アルコキシ
基を含むシラン化合物との反応温度は0〜50℃が望ま
しく、10〜40℃がより望ましい。本発明で用いられ
る電子供与体であるヒドロキシ含有エステル化合物とア
ルコキシ含有シラン化合物をマグネシウム化合物とアル
ミニウム化合物の液状混合物に反応させる順序には制限
がない。
【0017】本発明の固体チタニウム触媒は上述したよ
うに液状のマグネシウム化合物とアルミニウム化合物の
混合物に電子供与体を反応させたのち、チタニウム化合
物を添加して製造される。
【0018】電子供与体が添加されたマグネシウム溶液
と反応するチタニウム化合物は一般式Ti(OR)
4−mの4価チタニウム化合物であることが望ましい。
前記一般式でRは炭化水素基で炭素数が1乃至10のア
ルキル基であり、Xはハロゲン原子、mは0≦m≦4の
数である。チタニウム化合物の例としてはTiCl
TiBr、TiIのような4ハロゲン化チタニウ
ム、Ti(OCH)Cl、Ti(OC)Cl
、Ti(OC)Cl、Ti(OC )B
、Ti(O(i−C))Brのような3ハ
ロゲン化アルコキシチタニウム、Ti(OCH
、Ti(OCCl、Ti(OC
Cl、Ti(OCBrのよう
な2ハロゲン化アルコキシチタニウム、Ti(OC
Cl、Ti(OCCl、Ti(OC
Clのようなハロゲン化アルコキシチタニウ
ム、Ti(OC 、Ti(OCのよ
うなテトラアルコキシチタニウム等がある。この中で4
ハロゲン化チタニウム化合物が望ましく、特に4塩化チ
タニウムが一層望ましい。用いられるチタニウム化合物
の量はマグネシウムの量を基準とする時、触媒特性が良
く具現されるようするためにマグネシウムのモル当たり
望ましくは1.0〜15モル、更に望ましくは1.0〜
0.8モルにするのが適切である。
【0019】電子供与体が添加されたマグネシウム溶液
とチタニウム化合物の反応温度は−10〜40℃が望ま
しく、0〜30℃範囲がより望ましい。チタニウム化合
物の添加を完了した後反応温度を上昇させて最終温度を
望ましくは40〜130℃、より望ましくは50〜11
0℃に維持し、反応時間は30分〜4時間程度にして実
施することが望ましい。こうして製造された触媒は精製
されたヘキサンまたはヘプタンを利用して遊離チタニウ
ムが検出されなくなるまで洗浄し、乾燥させて固体チタ
ニウム触媒を製造する。
【0020】本発明の固体チタニウム触媒はマグネシウ
ム化合物、アルミニウム化合物、4価のチタニウムにハ
ライドとアルコキシそして/または少なくとも1個以上
のヒドロキシ基を有するエステル化合物のヒドロキシ基
の水素が液状のチタニウム化合物と反応して水素が抜け
出てしまった化合物およびアルコキシ基を有するシラン
化合物が各々配位結合された化合物で存在する。一般式
で表現すればa{Mg(OR 2−j}b{A
I(OR 3−k}c{(ExED) Ti
(OR(ED)4−l−m}(R〜R=炭化
水素基、X〜X =ハロゲン原子、ExED=アルコ
キシ基を含むシラン化合物、ED=ヒドロキシ基を含む
エステル化合物からチタニウム化合物と反応してヒドロ
キシ基の水素が抜け出た形態の化合物:0≦a+b+c
≦1、0≦j≦2、0≦k≦3、0≦l≦1、0≦l+
m≦4、a、b、c、l、mは正の数、j、kは整数)
で表示することができる。
【0021】本発明の固体チタニウム触媒をオレフィン
重合反応または共重合反応に用いる場合、重合反応温度
は室温から約150℃以下の範囲であり、望ましくは5
0℃から約110℃までである。反応圧力は1kg/cm
から約50kg/cmの範囲であり、望ましくは約2乃至
35kg/cmである。普通、重合過程は回分式、連続
式、または半連続式装置を用い、幾つもの反応器を同時
に用いる多段階反応装置を用いることもできる。どのよ
うなオレフィン重合用、共重合用反応装置であっても、
本発明の固体触媒は使用可能である。
【0022】本発明の固体チタニウム触媒を利用して得
た重合体は粒度分布が狭く、高い嵩密度を有する顆粒形
態である。更に、分子量分布が狭く、スラリー重合で低
分子生成量が著しく減少する特徴がある。以下実施例を
通して本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例
によって限定されるものではない。
【0023】
【実施例】実施例で製造されたものから、低分子量重合
体の濃度を測定するため、ヘキサンと重合体のスラリー
混合物から100mlを取出し、低分子重合体をヘキサ
ンでソックスレー抽出装置(soxhlet extractor)によ
り1時間抽出する。得られた低分子重合体の質量から、
低分子重合体の濃度は以下の式により計算される。
【式1】
【0024】また実施例で製造された重合体の粒度分析
はMalver Particle size Analyzerを用いて測定し、S
PANは次のような式から計算した。
【式2】
【0025】実施例1:まず触媒製造は以下のように行
う。窒素雰囲気下で精製トルエン200mlに無水塩化
マグネシウム19.1g(0.2モル)と無水塩化アル
ミニウム2.7g(0.02モル)を懸濁させ、2−エ
チルヘキサノール126ml(0.4モル)を添加して
生成される混合物を撹拌しながら徐々に加熱して130
℃で1時間半の間反応させたら、固状物が完全になくな
り、無色透明な溶液が得られた。この溶液を70℃まで
冷却し、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート2.4
ml(0.02モル)を添加し、1時間の間維持させ
た。この溶液を20℃に冷却し、テトラエチルオルトシ
リケート10ml(0.045モル)を注入した後4塩
化チタニウム141ml(1.28モル)を3時間の間
滴下した。滴下が完了した後2時間に亘り80℃に昇温
し1時間の間維持した。反応が終わった後ヘキサンで洗
浄して固体触媒を得た。触媒のチタン含有は4.4重量
%であった。
【0026】次に重合実験は、2リットル用オートクレ
ーブに精製ヘキサン1リットルを注入して窒素雰囲気で
トリエチルアルミニウム3.0ミリモルとチタニウム
子基準で0.03ミリモルの前記固体触媒をオートクレ
ーブに注入する。水素1.7気圧を充填し、70℃に温
度を上げ、その後1−ブテン0.1気圧を注入する。エ
チレンを続けて注入し、反応装置全体の5.5気圧とな
る。重合結果は表1に示した。
【0027】実施例2:テトラエチルオーソシリケート
20ml(0.09モル)を添加したことを除いては実
施例1と同一な製造過程を通じて固体チタニウム触媒を
製造した。触媒のチタニウム含量は4.2重量%であっ
た。重合結果は実施例1と同じく表1に示した。
【0028】実施例3:テトラエチルオーソシリケート
5ml(0.023モル)を添加したことを除いては実
施例1と同一な製造過程を通じて固体チタニウム触媒を
製造した。触媒のチタニウム含量は4.5重量%であっ
た。重合結果は実施例1と同じく表1に示した。
【0029】実施例4:塩化アルミニウム5.4g
(0.04モル)を添加したことを除いては実施例1と
同一な製造過程を通じて固体チタニウム触媒を製造し
た。触媒のチタニウム含量は4.2重量%であった。重
合結果は実施例1と同じく表1に示した。
【0030】実施例5:2−ヒドロッシエチルメタアク
リレートを20℃で添加したことを除いては実施例1と
同一な製造過程を通じて固体チタニウム触媒を製造し
た。触媒のチタニウム含量は4.0重量%であった。重
合結果は実施例1と同じく表1に示した。
【0031】実施例6:4塩化チタニウムを10℃で滴
下したことを除いては実施例1と同一な製造過程を通じ
て固体チタニウム触媒を製造した。触媒のチタニウム含
量は4.5重量%であった。重合結果は実施例1と同じ
く表1に示した。
【0032】比較実施例1:まず触媒製造は以下のよう
に行う。窒素雰囲気下で精製トルエン200mlに無水
塩化マグネシウム19.1g(0.2モル)と無水塩化
アルミニウム2.7g(0.02モル)を懸濁させて、
2−エチルヘキサノール126ml(0.4モル)を添
加して生成される混合物を撹拌しながら徐々に加熱し1
30℃で1時間の間反応させたら、固状物が完全になく
なり無色透明な溶液が得られた。この溶液を70℃まで
冷却し、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート2.4
ml(0.02モル)を添加し、1時間の間維持させ
た。この溶液を20℃に冷却した後4塩化チタニウム1
41ml(1.28モル)を3時間の間滴下した。滴下
が完了した後2時間に亘り80℃に昇温させて1時間の
間維持した。反応が終わった後ヘキサンで洗浄して固体
触媒を得た。触媒のチタン含有は4.6重量%であっ
た。
【0033】次に重合実験は、2リットル用オートクレ
ーブに精製ヘキサン1リットルを注入して窒素雰囲気で
トリエチルアルミニウム3.0ミリモルとチタニウム原
子基準で0.03ミリモルの前記固体触媒をオートクレ
ーブに注入し、温度を80℃に上げてから水素1.7気
圧、ブテン0.1気圧、エチレン2.8気圧で1時間の
間重合させた。重合結果は表1に示した。
【0034】比較実施例2:無色透明のマグネシウム/
アルミニウム溶液を製造した後2−ヒドロキシエチルメ
タアクリレートを添加せず直ぐに20℃に冷却してテト
ラエチルオーソシリケート10ml(0.045モル)
を添加したことを除いては比較実施例1と同一な過程で
触媒を製造した。触媒のチタニウム含量は4.2重量%
であった。比較実施例1と同様に重合が行われ、重合結
果を表1に示した。
【0035】比較実施例3:アルミニウム化合物を用い
なかったことを除いては、比較実施例2と同一な過程で
触媒を製造した。触媒のチタニウム含量は4.7重量%
であった。重合は比較実施例1と全く同様に行われ、結
果を表1に示した。
【0036】実施例7:まず触媒の製造は以下のように
行う。、窒素雰囲気下で精製トルエン200mlに無水
塩化マグネシウム19.1g(0.2モル)と無水塩化
アルミニウム2.7g(0.02モル)を懸濁させ、2
−エチルヘキサノール126ml(0.4モル)を添加
して生成された混合物を撹拌しながら徐々に加熱し13
0℃で1時間半の間反応させたら、固状物が完全になく
なり無色透明な溶液が得られた。この溶液にジイソフタ
レート8mlを添加し1時間の間維持した。この溶液を
20℃に冷却し、10ml(0.02モル)のヒドロキ
シエチルメタアクリレートを添加し、1時間維持した。
この溶液を20℃に冷却し、テトラエチルオーソシリケ
ート10ml(0.045モル)を注入した後4塩化チ
タニウム440ml(4モル)を3時間の間滴下した。
滴下が完了した後2時間に亘り90℃に昇温した後2時
間の間維持した。この反応物にモノエチレングリコルモ
ノベンゾエート4.8g(0.028モル)を更に添加
し温度を100℃に上げ1時間更に反応させた。反応が
終わった後生成された沈殿物を400mlの精製トルエ
ンで5回洗浄した。精製トルエンを200ml添加し4
40ml(4モル)の4塩化チタニウムを滴下した後1
00℃で2時間の間撹拌して活性化させた。反応が終わ
った後ヘキサンで洗浄して固体触媒を得た。触媒のチタ
ン含有は4.0重量%であった。
【0037】次に、重合実験は以下のように行う。製造
した触媒300mgを5mlバイアルに入れて2lオー
トクレーブに装着した。窒素雰囲気で精製ヘキサン1リ
ットルを注入し、トリエチルアルミニウム10.0ミリ
モルとシクロヘキサンメチルジメトキシシラン1.0ミ
リモルを注入した。水素600mlを投入した後温度を
70℃に上げた。その後、酸素スカベンジャーとモレキ
ュウラーシーブを通したプロピレンガスは、MFC(ma
ss Flow Controller)を経て、重合反応器に注入され
る。総圧力7気圧でプロピレンが気体−液体平衡状態に
達したとき、装置中のバイアルを割って、プロピレンの
重合を始め、1時間重合を進めた。1時間の間重合した
結果を表2に示した。
【0038】実施例8 :テトラエチルオーソシリケー
ト200ml(0.045モル)を注入したことを除い
ては実施例8と同一な製造過程を通じて固体チタニウム
触媒を製造した。触媒のチタン含量は3.8重量%であ
った。実施例7と同じく重合結果を表2に示した。
【0039】比較実施例4 :アルミニウム化合物とテ
トラエチルオーソシリケートを注入しなかったことを除
いては実施例8と同一な製造過程を通じて固体チタニウ
ム触媒を製造した。触媒のチタン含量は4.3重量%で
あった。実施例8と同じく重合結果を表2に示した。
【0040】
【表1】エチレン重合結果
【0041】
【表2】プロピレン重合結果
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、高活性
を維持しながら、粒度分布と分子量分布とが狭く、嵩密
度の高い重合体を生成することができ、低分子量の重合
体の生成を減少させることのできる触媒が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−58010(JP,A) 特開 昭59−207904(JP,A) 特開 平6−80722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムハライド、アルコキシマグ
    ネシウムハライドおよびマグネシウムアルコキシドで構
    成される群から選択されるマグネシウム化合物と、アル
    ミニウムハライド、アルミニウムアルコキシドおよび水
    酸化アルミニウムで構成される群から選択されるアルミ
    ニウム化合物の液状混合物に、 少なくとも1個のヒドロキシ基を含むエステル化合物
    と、少なくとも1個のアルコキシ基を有する一般式R
    Si(OR) 4−n (ここでRは炭素数1から6までの
    炭化水素、nは0から3までの自然数)のシラン化合物
    とを、電子供与体として反応させ、 該液状反応物に一般式Ti(OR) 4−m (ここで
    Rは炭化水素基で炭素数が1乃至10のアルキル基であ
    り、Xはハロゲン原子、mは0≦m≦4の数である)の
    4価のチタニウム化合物を反応させることにより製造さ
    れるオレフィン重合用または共重合用触媒。
  2. 【請求項2】 アルミニウム化合物が、アルミニウムフ
    ルオライド、アルミニウムクロライド、アルミニウムブ
    ロマイド、ヨード化アルミニウムのようなアルミニウム
    ハライド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウム
    トリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、
    アルミニウムトリブトキシドのようなアルミニウムアル
    コキシド、または水酸化アルミニウムであることを特徴
    とする請求項1記載のオレフィン重合用または共重合用
    触媒。
  3. 【請求項3】 少なくとも1個のヒドロキシ基を含むエ
    ステル化合物が、少なくとも1個のヒドロキシ基を含む
    不飽和脂肪酸エステル類、少なくとも1個のヒドロキシ
    基を含む脂肪族モノエステルまたはポリエステル類、少
    なくとも1個のヒドロキシ基を含む芳香族エステル類、
    または少なくとも1個のヒドロキシ基を含む脂環族エス
    テル類であることを特徴とする請求項1記載のオレフィ
    ン重合用または共重合用触媒。
  4. 【請求項4】 少なくとも1個のヒドロキシ基を含む不
    飽和脂肪酸エステル類が、2−ヒドロキシエチルアクリ
    レート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−
    ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
    ピルメタアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレ
    ート、またはペンタエリスリトルトリアクリレートであ
    り、 少なくとも1個のヒドロキシ基を含む脂肪族モノエステ
    ルまたはポリエステル類が2−ヒドロキシエチルアセテ
    ート、メチル−3−ヒドロキシブチレート、エチル−3
    −ヒドロキシブチレート、メチル−2−ヒドロキシイソ
    ブチレート、エチル−2−ヒドロキシイソブチレート、
    メチル−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオネート、
    2、2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、エ
    チル−6−ヒドロキシヘキサノエート、t−ブチル−2
    −ヒドロキシイソブチレート、ジエチル−3−ヒドロキ
    シグルタレート、エチルラクテート、イソプロピルラク
    テート、ブチルラクテート、ブチルイソブチルラクテー
    ト、イソブチルラクテート、エチルマンデレート、ジメ
    チルタートレート、ジエチルタートレート、ジブチルタ
    ートレート、トリメチルシトレート、トリエチルシート
    ラート、エチル−2−ヒドロキシカプロエート、または
    ジエチルビス−(ヒドロキシメチル)マロネートであ
    り、 少なくとも1個のヒドロキシ基を含む芳香族エステル類
    が2−ヒドロキシエチルベンゾエート、2−ヒドロキシ
    エチルサリチレート、メチル4−(ヒドロキシメチル)
    ベンゾエート、メチル4−ヒドロキシベンゾエート、エ
    チル3−ヒドロキシベンゾエート、4−メチルサリチエ
    ート、エチルサリチレート、フェニルサリチレート、プ
    ロピル−4−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−3−
    ヒドロキシナフサノエート、モノエチレングリコルモノ
    ベンゾエート、ジエチレングリコルモノベンゾエート、
    またはトリエチレングリコルモノベンゾエートであり、 少なくとも1個のヒドロキシ基を含む脂環族エステル類
    がヒドロキシブチロラクトンであることを特徴とする請
    求項3記載のオレフィン重合用または共重合用触媒。
  5. 【請求項5】 少なくとも1個のアルコキシ基を有する
    シラン化合物がジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
    エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチル
    フェニルメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
    ン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
    ラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキ
    シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエト
    キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチルトリエ
    トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、エチルト
    リイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
    エチルシリケート、またはブチルシリケートであること
    を特徴とする請求項記載のオレフィン重合用または共
    重合用触媒。
  6. 【請求項6】 化1で表示されることを特徴とする請求
    項1記載のオレフィン重合用または共重合用触媒。 【化1】a{Mg(OR 2−j}b{Al
    (OR 3−k}c{(ExED)Ti(O
    (ED)4−l−m} ここで、R〜R=炭化水素基、X〜X=ハロゲ
    ン原子、ExED=アルコキシ基を含むシラン化合物、
    ED=ヒドロキシ基を含むエステル化合物からチタニウ
    ム化合物と反応してヒドロキシ基の水素が抜け出した形
    態の化合物:0≦a+b+c≦1、0≦j≦2、0≦k
    ≦3、0≦l≦1、0≦l+m≦4、a、b、c、l、
    mは正の数、j、kは整数。
  7. 【請求項7】 マグネシウム化合物とアルミニウム化合
    物のモル比が1:0.01〜2の範囲であることを特徴
    とする請求項1記載のオレフィン重合用または共重合用
    触媒。
  8. 【請求項8】 マグネシウム化合物と少なくとも1個の
    ヒドロキシ基を含むエステル化合物のモル比が1:0.
    01〜5の範囲であることを特徴とする請求項1記載の
    オレフィン重合用または共重合用触媒。
  9. 【請求項9】 マグネシウム化合物とアルコキシ基を有
    するシラン化合物のモル比が1:0.01〜2の範囲で
    あることを特徴とする請求項1記載のオレフィン重合用
    または共重合用触媒。
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