JP3092288B2 - ポリエステル系極細繊維構造物の染色方法 - Google Patents

ポリエステル系極細繊維構造物の染色方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濃色染めならびにその
発色性を改善するポリエステル系極細繊維構造物の染色
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系繊維は合成繊維の中でも
屈折率が高く、同一染料濃度でもアセテートに比較する
と著しく発色性が劣るもので、特に極細繊維は一定重
量当たりの表面積が増大し、繊維表面での乱反射(白色
光)が増加するため、同量染料でも普通糸に比較して染
色物の色濃度がでないとされている。濃色品を得ようと
すると普通糸の2倍〜6倍の染料濃度を用いる、いわゆ
る高濃度染色が必要になる。
【0003】高濃度染色の問題点としては (A)多量の染料を要し、しかも染料の利用効率が低下
し、コスト高になる、(B)染色や染色機の洗浄に長時
間を要する。
【0004】(C)極細繊維染色物の堅牢度が低下す
る。
【0005】すなわち、発色性、品質面、作業性、コス
ト面で多くの問題が生じ、これらの改善が強く要望され
ている。
【0006】ポリエステル系繊維の発色性を改善させる
方法としては、膨潤剤の使用より染料吸尽率を高めよう
とする試みや、特開昭54−120728号公報、特開
昭55−107521号公報では、繊維表面を粗面化に
関するものであり、無機微粒子を分散させたポリエステ
ル繊維をアルカリで減量すると、微粒子を核としてさら
に複雑で緻密な凹凸構造の形成が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、膨潤剤を用い
た方法は一般的に、耐光性が低下する欠点があり、また
緻密な凹凸構造の形成させたものは、発色性は向上して
いるが摩擦により凹凸が破壊し、ある程度用途が限定さ
れ、汎用的な方法でない。
【0008】したがって、ポリエステル系極細繊維の染
色において、染料の利用効率を高め、コスト低下を図
り、耐久性に富み、さらに堅牢度の優れた染色物を提供
し得る技術は、現在のところ存在しないのが実状であ
る。
【0009】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、
染料利用効率の低下を防ぎ、コストが安いにも拘らず優
れた濃色の染色物を提供することができるポリエステル
系極細繊維構造物の染色方法を提供せんとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成せるため次の構成を有する。
【0011】すなわち、本発明のポリエステル系極細
維構造物の染色方法は、ポリエステル系繊維構造物の染
色において、150℃を越え190℃以下の範囲の水系
で吸尽させることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】一般にポリエステル系極細繊維構造物の染色
は、発色性が劣るため、その対策としては染料濃度を増
大する方向で行なわれいるが、かかる方法ではどうして
も染料の利用効率を向上させることはできず、コスト面
だけでなく排水でもおおきな支障をきたしていた。
【0013】本発明は染料濃度に着目するだけでなく、
染色温度と染料固着の関係を入念に検討した結果、特定
な温度範囲において、繊維構造が著しく変えられる点に
着目し、かかる繊維構造の変化を利用することにより、
高濃度の染料を繊維内部に固着させ得ることを究明した
ものである。
【0014】すなわち、本発明は、繊維の構造変化を起
こす染色温度条件を採用することにより、できるだけ高
濃度な染料を繊維内部に吸収せしめ、染料を確実に固着
させることに成功したものである。
【0015】本発明によれば高濃度染色においてさえ
も、染料利用効率を向上させることができ、しかも従来
法より染料の使用量が少なくでき、堅牢度に優れた染色
物を提供することができるという利点がある。特に極細
繊維は普通糸に比べ同一染料濃度でも発色性が極めて低
いため、普通糸に比べ2〜6倍の染料を用いて染色する
のが通常であり、このような高濃度染色が要求される場
合には、本発明が最適な染色方法といえる。
【0016】本発明でいうポリエステル系極細繊維と
は、ポリエステル成分としてポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートおよびそれらの各種改
質ポリマーが含まれるが、特に限定されるものでない。
これらの中でも好ましくは耐熱性の大きいジカルボン酸
とジオールから合成される反復単位の少なくとも90%
以上がポリエチレンテレフタレートであるものがよい。
【0017】かかるポリエステルからなる極細繊維とは
1d以下のものであり、好ましくは0.5d以下、さら
に好ましくは0.1d以下の繊維である。
【0018】かかる極細繊維は、一般に海島型複合繊維
から製造されたものや直接紡糸法によって製造されたも
の、さらに分割型複合繊維から製造されたものなど、如
何なる方法で製造されたものであってもよい。
【0019】繊維構造物としては、糸、綿、布帛、不織
布、シートなどがあり特に限定されるものでない。また
ポリエステル系極細繊維と他の繊維との混用品でもよ
い。
【0020】本発明は、染色温度が、今までの染色では
考えられなかった高温の染色条件を採用する。すなわ
ち、染色温度は150℃を越え190℃以下、好ましく
150を越え180℃以下、最も好ましく160℃
〜170℃の範囲の温度を採用するものである。この場
合、高圧の条件下でもよい。染色時間は染料濃度により
異なるが、60分以内で十分染色可能である。染料はポ
リエステル系極細繊維を染色できるものであればいずれ
でもよいが、分散染料が好ましく用いられる、中でも耐
熱性の分散染料が最も好ましく用いられる。
【0021】染浴に水以外の例えば、ポリエステル系繊
維の膨潤剤やPH調整剤が添加されていてもさしつかえ
ない。
【0022】本発明によれば、濃色系の染色品であるほ
ど、その真価が発揮される。たとえば、染料濃度が(市
販染料は100%を標準として)、布帛に対し好ましく
は2重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上という
濃色染色を再現性よく安定して供給することができる。
【0023】染色後は必要に応じて、通常のソーピング
工程を組み入れてもよい。
【0024】また、染色後に160℃以上の熱処理、好
ましくは乾熱処理により、繊維構造を元の状態に近ずけ
ると、さらに繊維物性や染色堅牢度が向上する。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明さらに詳細に説明
する。 実施例 1〜,比較例 (1)試料 細糸は、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を4モル%共重合したポリエチレンテレフタレー
ト、島成分としてポリエチレンテレフタレートの50d
−1f(1f−70島)、海島比率10:90,から成
る織物(組織:タフタ)をアルカリで脱海分割処理し、
0.06dの極細繊維糸から成る布帛を得た。その布帛
を用い、下記の方法で処理した。 (2)染色条件 下記に示す染料、染色時間および浴比を用いた。
【0026】染料:Samaron Blue GSL
−400 100%(OWF) (ヘキスト社製、分散染料) 染色時間:60分、浴比:1:40 (3)染色温度 下記に示す染色温度で染色した。
【0027】染色温度は130℃:比較例 160℃:実施例1 170℃:実施例2 180℃:実施例3 (4)ソーピング処理 通常の80℃の還元洗浄を行い、水洗、湯洗、100℃
で乾燥した。 (5)測定 A.発色性(L値) 多光源分光測色計(スガ試験機株社製)を用い発色性と
してL値を求めた。
【0028】発色性のL値は数値が小さいほど、濃染化
されていることを示す。
【0029】B.染料量(−LOGT) 染色布を50mg採取し、溶剤20ccを加え、55℃
で溶解させた。この溶液の吸光度(−LOGT) を、自
記分光光度計(U−3400形:日立製作所製)で測定
し、結果を表1に示した。使用した溶剤はフェノール/
四塩化エタンの6:4の比率の溶液を用いた。
【0030】C.染色堅牢度 染色堅牢度として代表的なものを選び、洗濯堅牢度(J
IS L0844),摩擦(JIS L0849)につ
いて評価し、結果を表2に示した。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、比較例1の一般
的な染色温度では染料量が少く(染料吸尽率が低い)、
発色性も低い。しかし、本発明の実施例1〜は比較例
1に比べ染色温度が上昇するほど染料量が増大し、そ
の結果、発色性も向上している。染料量の最高値は2
4倍(実施例)であり,本発明は高染色かつ高発色で
あるといえる。
【0033】本発明によれば発色性の低い極細糸を用い
ても、普通糸以上の発色性を得ることができ、極細糸の
染色において理想的な方法といえる(比較例1と実施例
)。
【0034】
【表2】
【0035】また、表2から明らかなように、本発明は
染料量が多く高染色性であるにもかかわらず、染色堅牢
度は比較例1と大差なく、染色性向上効果が大きい本発
明が著しく有利であるといえる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、染料吸尽率が向上し、
染料の利用効率を高めるだけでなく、従来法では得られ
なかった極細繊維でありながら普通糸と同等の色相範囲
の濃度のものが得られる。しかも、染色堅牢度が著しく
優れており、汎用性に富むポリエステル系極細繊維構造
物の染色方法提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−124385(JP,A) 特開 昭49−55978(JP,A) 特開 昭53−86883(JP,A) 特開 平1−118679(JP,A) 特開 昭60−173186(JP,A) 特開 昭60−270882(JP,A) 特開 昭58−60079(JP,A) 特開 平4−281076(JP,A) 特開 昭52−140681(JP,A) 特開 昭55−26270(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 5/20 D06P 3/54 D06P 1/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系極細繊維構造物の染色に
    おいて、150℃を越え190℃以下の範囲の水系で吸
    尽させることを特徴とするポリエステル系極細繊維構造
    物の染色方法。
  2. 【請求項2】 染料濃度が2重量%以上であることを特
    徴とする請求項1記載のポリエステル系極細繊維構造物
    の染色方法。
  3. 【請求項3】 染色後160℃以上の熱処理をすること
    を特徴とする請求項1または2記載のポリエステル系
    繊維構造物の染色方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステル系極細繊維構造物が極細糸
    を10%以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のポリエステル系極細繊維構造物の染色方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102561054A (zh) * 2011-07-26 2012-07-11 江苏金辰针纺织有限公司 一种分散染料分步上色工艺
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