JPH05295677A - ポリエステル系繊維構造物の染色方法 - Google Patents

ポリエステル系繊維構造物の染色方法

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JPH05295677A
JPH05295677A JP4092679A JP9267992A JPH05295677A JP H05295677 A JPH05295677 A JP H05295677A JP 4092679 A JP4092679 A JP 4092679A JP 9267992 A JP9267992 A JP 9267992A JP H05295677 A JPH05295677 A JP H05295677A
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JP
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dyeing
fiber structure
dye
yarn
polyester
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JP4092679A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Handa
信義 半田
Yutaka Masuda
豊 増田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、染料利用効率の低下を防ぎ、コスト
が安いにも拘らず優れた濃色染色を含め広範囲の色相濃
度の染色を染色堅牢性よく達成することができる染色方
法を提供せんとするものである。 【構成】本発明のポリエステル系繊維構造物の染色方法
は、160℃を越える過熱水蒸気で前処理し、次いで染
色することを特徴とするものである。 【効果】本発明によれば、従来法では実現できなかった
濃染化が可能であり、特に、極細繊維構造物においては
普通糸と同等の色相範囲までの染色品を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濃色染めならびにその
発色性を改善するポリエステル系繊維構造物の染色方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系繊維は合成繊維の中でも
屈折率が高く、同一染料濃度でもアセテ−トに比較する
と著しく発色性が劣る。また極細繊維は一定重量当たり
の表面積が増大し、繊維表面での乱反射(白色光)が増
加するため、同量染料でも普通糸に比較して染色物の色
濃度がでないとされている。濃色品を得ようとすると普
通糸の2倍〜6倍の染料濃度を用いる、いわゆる高濃度
染色が必要になる。
【0003】かかる高濃度染色の問題点としては、次の
ことが挙げられる。
【0004】(A)多量の染料を要し、しかも染料の利
用効率が低下し、コスト高になる、(B)染色や染色機
の洗浄に長時間を要する。
【0005】(C)極細繊維染色物の堅牢度が低下す
る。
【0006】すなわち、発色性、品質面、作業性、コス
ト面で多くの問題が生じ、これらの改善が強く要望され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル系繊維の
染色において、染料の利用効率を高め、コスト低下を図
り、さらに堅牢度の優れた染色物を提供し得る技術は、
現在のところ存在しないのが実状である。
【0008】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、
染料利用効率の低下を防ぎ、コストが易いにも拘らず優
れた濃色の繊維染色物を提供することができる染色方法
を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成させるために次の構成を有する。
【0010】すなわち、本発明のポリエステル系繊維構
造物の染色方法は、蒸気と乾熱処理の中間的な過熱水蒸
気中で前処理し、次いで高温染色することを特徴とする
ものである。
【0011】
【作用】一般にポリエステル系繊維構造物の染色は、発
色性が劣るため、その対策としては染料濃度を増大する
方向で行なわれいるが、かかる方法ではどうしても染料
の利用効率を向上させることはできず、コスト面だけで
なく排水でも大きな支障をきたしているのが実状であっ
た。
【0012】本発明は、染料濃度に着目するだけでな
く、繊維構造と染色性の関係を入念に検討した結果、非
晶領域に拡散し、作用する物質の存在下であれば、繊維
構造が変わることを究明し、さらにかかる現象を利用す
れば、繊維内部に高濃度の染料を固着させることができ
る事実を究明したものである。
【0013】本発明者らの検討によれば乾熱処理では効
果が著しく小さいことを確認しており、さらに、前処理
された繊維構造物は、最も染料が入り易い繊維構造を有
しており、この状態をいかに保持するかが、染料の固着
を促進する上で極めて重要であることを確認している。
すなわち、前処理後の熱処理で温度が高すぎると、繊維
構造が、元の状態に近づき染料固着の向上はあまり期待
出来ない。しかも、本発明は、前処理後、通常の高温染
色で染料を吸尽させるものである。この高温下での染色
は、染料の吸尽速度と繊維の構造変化(染色により元の
構造に戻る)との競争を励起させる作用を有する。すな
わち、染料の吸収し易い温度条件ならびに繊維の構造変
化を起こす温度条件を採用することにより、できるだけ
多量の染料を繊維内部に吸収せしめ、同時に染色による
構造変化(元の構造に戻る)により、染料を確実に固着
させることに成功した。
【0014】本発明によれば、高濃度染色においてさえ
も、染料利用効率を向上させることができ、しかも従来
法より染料の使用量が少なくでき、堅牢度に優れた染色
物を提供することができるという利点がある。
【0015】本発明は、過熱水蒸気中で前処理し構造変
化を起こさせ、次いで染色工程−洗浄工程−仕上げ工程
が一般的な工程である。
【0016】このように過熱水蒸気中で前処理し、高温
染色することにより、染料を高固着化、高利用化で染着
せしめ、高発色でも、十分な堅牢度を有する着色維構造
物を提供することができたものである。特に極細繊維は
普通糸に比べ同一染料濃度でも発色性が極めて低いた
め、普通糸に比べ2〜6倍の染料を用いて染色するた
め、本発明が最適な染色方法といえる。
【0017】本発明でいうポリエステル系繊維とは、ポ
リエステル成分としてポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートおよびそれらの各種改質ポリ
マーが含まれるが、特に限定されるものでないが、好ま
しくは耐熱性の大きいジカルボン酸とジオールから合成
される反復単位の少なくとも90%以上がポリエチレン
テレフタレートであるものがよい。
【0018】また本発明で好ましく用いられる極細繊維
とは1d以下のものであり、好ましくは0.5d以下、
さらに好ましくは0.1d以下の繊維である。
【0019】かかる極細繊維は、一般に海島型複合繊維
から製造されたものや直接紡糸法によって製造されたも
の、さらに分割型複合繊維から製造されたものなど、如
何なる方法で製造されたものであってもよい。
【0020】繊維構造物としては糸、綿、トウ、さらに
不織布および編織物などのシート状物などを使用するこ
とができ、特に限定されない。さらにポリエステル系繊
維と他の繊維との混用品でもよい。
【0021】本発明の過熱水蒸気中での前処理は、好ま
しくは180℃〜240℃、さらに好ましくは200℃
〜210℃の範囲の温度条件下で処理されるものであ
る。処理時間は、好ましくは10分以下、さらに好まし
くは5分以下、特に好ましくは2分以下である。また、
無緊張処理、緊張処理のいずれでも良い。かかる処理条
件は、染料の固着率ならびに発色性の面だけでなく、風
合面(収縮率)や強伸度など総合的に判断するのが好ま
しい。
【0022】過熱水蒸気中で前処理された繊維は、繊維
構造物が弛緩されており、最も染料を吸収しやすい繊維
構造が形成されているものと推定される。しかし、この
繊維構造も熱処理(高温熱処理)により簡単に破壊さ
れ、元の状態に戻り易く染色性は低下する傾向にある。
したがって、最も染料を吸収しやすい繊維構造を如何に
維持し、次の染色工程に入るかが非常に重要な要件にな
る。そのためには前処理でシワを作らないことである。
シワができたとしても、乾熱処理の場合、好ましくは1
60℃低下、さらに好ましくは130℃低下の温度で処
理することが高染色性を得る上でよい。
【0023】前処理後は、染色工程に入るが、染料とし
ては、ポリエステル系繊維に一般的に用いられる分散染
料が使用される。染色方法としては、連染、プリント、
吸尽染色のいずれの方法でもよいが、吸尽染色法が最も
好ましく採用される。吸尽染色法では、好ましくは12
0℃〜140℃、さらに好ましくは125℃〜135℃
の範囲の高温の染色条件が採用される。
【0024】本発明によれば、濃色系の染色品であるほ
ど、その真価が発揮される。たとえば、染料濃度が(市
販染料は100%を標準として)布帛に対し、好ましく
は2重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上という
濃色染色を再現性よく安定して供給することができる。
【0025】染色後は必要に応じて、通常のソーピング
工程を組み入れてもよい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明さらに詳細に説明
する。
【0027】実施例 1〜12、比較例 1〜10 (1)試料 普通糸として、タテ糸は70d−24f,ヨコ糸は75
d−36fからなる織物(組織タフタ)を精練、セット
したものを用いた。極細糸は、海成分として5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を4モル%共重合したポリエチ
レンテレフタレ−ト、島成分としてポリエチレンテレフ
タレ−トの50d−1f(1f−70島)、海島比率1
0:90、から成る織物(組織:タフタ)をアルカリで
脱海分割処理し、0.06dの極細糸から成る布帛を得
た。その布帛を用い、下記の方法で処理した。
【0028】(2)過熱水蒸気中での前処理 下記の温度で2分間処理した。
【0029】普通糸の未処理は比較例1、極細糸の未処
理は比較例2 160℃処理:普通糸は比較例3 極細糸は比較例4 180℃処理:普通糸は実施例1 極細糸は実施例7 190℃処理:普通糸は実施例2 極細糸は実施例8 200℃処理:普通糸は実施例3 極細糸は実施例9 210℃処理:普通糸は実施例4 極細糸は実施例10 220℃処理:普通糸は実施例5 極細糸は実施例11 230℃処理:普通糸は実施例6 極細糸は実施例12 (3)乾熱処理 過熱水蒸気の比較用として、下記の乾熱処理をそれぞれ
2分間行なった。 180℃処理:普通糸は比較例5 極細糸は比較例6 200℃処理:普通糸は実施例7 極細糸は実施例8 220℃処理:普通糸は実施例9 極細糸は実施例10 (4)染色 染料:Samaron Blue GSL−400 5
%(owf ) (ヘキスト社製、分散染料) 温度:130℃ 時間:60分 浴比:1:20 (5)ソーピング処理 通常の80℃の還元洗浄を行い、水洗、湯洗、100℃
で乾燥した。
【0030】(6)測定 A.発色性(L値) 多光源分光測色計(スガ試験機株社製)を用い発色性と
してL値を求め、表1に示した。発色性のL値は数値が
小さいほど、濃染化されていることを意味する。
【0031】B.染色堅牢度 洗濯はJIS L0844、摩擦はJIS L084
9、耐光はJIS L0842により求め、その結果を
表2に示した。
【0032】
【表1】 表1から明らかなように、比較例1〜2の未処理に比
べ、比較例3〜4の過熱水蒸気中での前処理温度が16
0℃ならびに乾熱処理(比較例5〜10)では殆ど発色
性改善効果がなく、むしろ発色性が低下しているものも
ある。
【0033】しかし、実施例1〜12は、処理温度が上
昇するほど、発色性は向上しており、普通糸ならびに極
細糸とも同様な傾向にある。すなわち、同一染料濃度に
おいて、高発色性であることを示している。この結果、
本発明によれば発色性の低い極細糸を用いても、普通糸
以上の発色性を得ることができ、極細糸の染色において
理想的な方法であるといえる(比較例1と実施例1
2)。
【0034】
【表2】 表2に示すように、染色堅牢度においても本発明の実施
例のものは、普通糸ならびに極細糸の両者とも、発色性
が高いにもかかわらず、比較例と染色堅牢度が同一であ
り、優れた染色堅牢度を示していることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、染料吸尽率が向上し、
染料の利用効率を高めるだけでなく、特に、極細繊維に
おいては従来法では得られなかった普通糸と同等の色相
範囲の濃度のものが得られる上に、染色堅牢度が著しく
優れており、汎用性に富む繊維構造物の染色方法を提供
することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系繊維構造物の染色におい
    て、160℃を越える過熱水蒸気で前処理し、染色する
    ことを特徴とする繊維構造物の染色方法。
  2. 【請求項2】 前処理温度が、180℃〜240℃の範
    囲であることを特徴とする請求項1記載の繊維構造物の
    染色方法。
  3. 【請求項3】 染色温度が、120℃〜140℃の範囲
    の吸尽染色であることを特徴とする請求項1記載の繊維
    構造物の染色方法。
  4. 【請求項4】 染料濃度が、2重量%以上であることを
    特徴とする請求項1記載の繊維構造物の染色方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステル系繊維構造物が、極細繊維
    を10%以上含むことを特徴とする請求項1記載の繊維
    構造物の染色方法。
JP4092679A 1992-04-13 1992-04-13 ポリエステル系繊維構造物の染色方法 Pending JPH05295677A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021503561A (ja) * 2018-10-16 2021-02-12 蘇州大学 綿の無水繊維染色方法

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