JPH10195783A - 鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤーン - Google Patents

鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤーン

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JPH10195783A
JPH10195783A JP9300286A JP30028697A JPH10195783A JP H10195783 A JPH10195783 A JP H10195783A JP 9300286 A JP9300286 A JP 9300286A JP 30028697 A JP30028697 A JP 30028697A JP H10195783 A JPH10195783 A JP H10195783A
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filament yarn
aromatic polyester
yarn
polyester polymer
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JP9300286A
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Saoaya Aoyama
幸乙綾 青山
Motoyoshi Suzuki
東義 鈴木
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ただ単に濃く染色されただけでなく、鮮明
性、即ち「色の鮮やかさ」が格段に改善された染色フィ
ラメントヤーンを提供すること。 【解決手段】 有彩色に染色された芳香族ポリエステル
フィラメントヤーンにおいて、該フィラメントは、脂肪
族ジカルボン酸成分及び/又は脂肪族ジオール成分が共
重合された、ガラス転移温度(Tg)が65℃以下の芳
香族ポリエステルポリマーで構成され、該ヤーンを構成
する個々のフィラメントにあっては、その長手方向に染
着斑が存在するにも拘わらず、ヤーン全体としては視覚
的に均一な染着状態に映え、そして、C.I.Disperse Blu
e 56を主成分とする分散染料の1%owf溶液を用いて
染色した際、L*a*b*表色系により表される彩度C
*値が少なくとも36である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮮明な色相を呈す
る染色フィラメントヤーンに関するものであり、さらに
詳しくは、個々の構成フィラメントにあってはその長手
方向に染着斑が存在するにも拘わらず、ヤーン全体とし
ては均一な染着状態に映え、しかも鮮明性が著しく改善
された染色フィラメントヤーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
背景技術 合成繊維、特にポリエステル繊維は発色が不良であり、
従来からこれを改良する方法が種々検討されている。例
えば、特開昭52―99400号公報或いは特公昭60
−37225号公報には、プラズマエッチングにより繊
維の表面に微細な凹凸を付与することによって光の吸収
を増大させ、色の深みを向上させることが開示されてい
る。しかし、この方法は、主として光の吸収に起因する
黒色の深み向上に対しては効果があるものの、有彩色に
ついては、発色性向上の効果はほとんど見られない。
【0003】一方、ポリエステル繊維を構成するポリエ
ステルポリマーに第3成分を共重合させ、染着濃度を向
上させる方法が広く知られている。例えば、特開平6−
173114号公報には、全炭素数が4〜10の脂肪族
ジカルボン酸を共重合させた、ガラス転移温度が70℃
以下のポリエチレンテレフタレートヤーンが開示されて
おり、該ヤーンを染色した場合、通常のポリエチレンテ
レフタレートヤーンに比べて高い染着濃度を示すこと、
即ち、JISZ 8729−1980に規定された、国
際照明委員会(CIE)推奨のL*a*b*系色表示に
おけるL*値が小さいことも開示されている。
【0004】しかしながら、上記L*値は、染色された
ヤーンの明度、即ち「色の濃さ」を示す指標であり、従
って上記方法は、ヤーンを「濃く」染色することを意図
したものであり、ここには、同じくCIEのL*a*b
*系色表示においてC*で表される「色の鮮やかさ」、
即ち鮮明性を向上させるという認識はない。
【0005】しかも、上記方法に示されるように、脂肪
族ジカルボン酸等の第3成分を共重合させたポリエチレ
ンテレフタレートヤーンを従来慣用されている方法で染
色し、ただ単に染着濃度を高めた(L*値を小さくし
た)場合には、色がくすんで、鮮明性(C*値)はむし
ろ低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ただ
単に濃く染色されただけでなく、鮮明性、即ち「色の鮮
やかさ」が格段に改善された染色フィラメントヤーンを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を進めた結果、脂肪族ジカル
ボン酸成分及び/又は脂肪族ジオール成分を共重合させ
た芳香族ポリエステルからなるフィラメントヤーンにお
いて、個々の構成フィラメントにあっては、その長手方
向に染着斑を存在させ、ヤーン全体としては均一な染着
状態とする時、ヤーンの鮮明性が格段に向上できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、有彩色に染色され
た芳香族ポリエステルフィラメントヤーンにおいて、
(a)該フィラメントは、脂肪族ジカルボン酸成分及び
/又は脂肪族ジオール成分が共重合された、ガラス転移
温度(Tg)が65℃以下の芳香族ポリエステルポリマ
ーで構成され、(b)個々のフィラメントにあっては、
その長手方向に染着斑が存在するにも拘わらず、(c)
ヤーン全体としては視覚的に均一な染着状態に映え、そ
して、(d)C.I.Disperse Blue 56を主成分とする分散
染料の1%owf溶液を用いて染色した際、L*a*b*
表色系により表される彩度C*値が少なくとも36であ
ることを特徴とする鮮明な色相を呈する染色フィラメン
トヤーンが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用する芳香族ポリエス
テルフィラメントヤーンは、エチレンテレフタレートな
どのアルキレンテレフタレートを主たる繰り返し単位と
し、これに脂肪族ジカルボン酸成分及び/又は脂肪族ジ
オール成分が共重合されており、ガラス転移温度(T
g)が65℃以下の芳香族ポリエステルポリマーで構成
される。
【0010】かかる芳香族ポリエステルは、ランダム共
重合体ではあるが、結晶部と非晶部が分離し易く、更に
は比重、複屈折率(Δn)、動的粘弾性(tanδ)が
低いという特異的な繊維構造を呈する。
【0011】上記脂肪族ジカルボン酸成分及び脂肪族ジ
オール成分の好ましい具体例としては、全炭素数が3〜
12の脂肪族ジカルボン酸及び分子量が300以下の脂
肪族ジオール成分並びにそれらの誘導体を挙げることが
でき、具体的にはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8
−オクタンジオ−ル、1,10―デカンジオール、テト
ラエチレングリコール及びその誘導体等を挙げることが
できる。なかでもアジピン酸及びその誘導体が特に好ま
しい。
【0012】上記の脂肪族ジカルボン酸の全炭素数が4
未満の場合は、ガラス転移温度(Tg)を65℃以下に
することが困難になり、一方、脂肪族ジカルボン酸の全
炭素数が10を越える場合や脂肪族ジオールの分子量が
300を越える場合は、染色堅牢度が低下し易くなる。
【0013】また、上記脂肪族ジカルボン酸成分及び/
又は脂肪族ジオール成分の共重合量は、得られるフィラ
メントの機械的特性、染色性等を考慮しながら、フィラ
メントのガラス転移温度(Tg)が65℃以下、好まし
くは45℃〜65℃となるように任意に選択すれば良
く、アジピン酸及びその誘導体の場合は、全酸成分に対
し10〜15モル%の範囲で共重合するのが好ましい。
【0014】上記ガラス転移温度が65℃を超える場合
は、染料の染着量が少なくなりすぎ、鮮明性向上の効果
が発現しにくい。一方、ガラス転移温度があまり低すぎ
ると、フィラメントの機械的特性や染色堅牢度が低下す
る上、後述の、フィラメントの長手方向に存在する染着
斑の濃淡差が小さくなりすぎ、鮮明性向上の効果が発現
しにくいので、高々45℃までに止めることが好まし
い。
【0015】上記ポリエステルフィラメントには、本発
明の目的を損なわない範囲内で、安定剤、酸化防止剤、
難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、触媒、酸化チタン等
の無機粒子などが添加されていてもよい。
【0016】また、上記ポリエステルフィラメントヤー
ンは、フラットヤーンはもちろんのこと、仮撚加工糸、
強撚加工糸、空気交絡処理加工糸などの各種加工糸や、
太細糸、紡績糸などの各種の形態の糸条として用いられ
てもよく、さらには、織編物、不織布、起毛布帛などの
形態で用いられてもよい。
【0017】また、上記ポリエステルフィラメントヤー
ンは、必要に応じて綿、羊毛などの天然繊維またレーヨ
ン、アセテートなどの再生繊維及び他のポリエステル繊
維や合成繊維との交編、交織品などに使用されてもよ
い。
【0018】本発明のポリエステルフィラメントヤーン
は有彩色に染色されており、該フィラメントヤーンを構
成する個々のフィラメントには、その長手方向に染着斑
が存在する。
【0019】ここで、長手方向の染着斑とは、視覚的
(肉眼)に、染着斑として把えられない程度の斑であ
り、従って、該フィラメントヤーンの外観は均一に着色
された状態に見えるので、この状態をもって、「視覚的
に均一な染着状態に映え」と称する。具体的には、ヤー
ンの状態で前述の染着濃度L*値の差が1以内の場合、
均一な着色状態に見える。
【0020】また、上記染着斑の存在は、透過型微小顕
微鏡を用いて確認することが可能であり、長さ45〜3
00μm程度の濃染部1と、該濃染部とのL*値の差が
概ね10以上で、長さ15〜150μm程度の淡染部2
とが、フィラメントの長手方向に交互に存在している。
【0021】上記染着斑は、フィラメントが太細糸の場
合、太さ斑とは独立して存在し、フィラメントの太い部
分及び細い部分のそれぞれに濃染部と淡染部が存在す
る。つまり、従来公知の太細糸の場合、太細の変動が比
較的長い周期で繰り返される上、フィラメントの太い部
分全体が濃染化し、一方、フィラメントの細い部分全体
が淡染化するため、ヤーンの外観は視覚的に均一な染着
状態に映えず、従って、本発明のような鮮明性向上の効
果は発現しない。
【0022】上記の太細糸とは、例えば特開昭61−1
52814号公報に記載されたような、構成フィラメン
ト間に不完全延伸部と完全延伸部とに由来する太さ斑を
有するフィラメントヤーンを言う。このような太細糸は
通常のヤーンと変わらない取り扱いが可能で、かつウオ
ーム感、シャリ感、ドレープ性に富み、極めてナチュラ
ルな風合いを呈するので好ましい。
【0023】該太細糸を構成するフィラメントの長さ方
向の太細比(最大デニールと最小デニールとの比)は
2.0以上であることが好ましく、特に好ましくは3.
0以上である。
【0024】さらに、上記フィラメントヤーンは、任意
の断面にあって構成フィラメント間で多段階好ましくは
3段階以上の染着斑(つまり、少くとも3本のフィラメ
ント間でL*が10以上異なる状態)を包摂している。
しかしながら、この染着斑も、ヤーンの外観には何等染
着斑として現出しない。
【0025】次に、本発明の染色ポリエステルフィラメ
ントヤーンの製造方法について述べる。本発明において
は、上記の芳香族ポリエステルフィラメントヤーンを、
90〜105℃の温度で染色する。該染色温度が90℃
未満では染着量が不十分で鮮明性向上の効果が発現せ
ず、一方、105℃を越えると染着速度が急激に速ま
り、その結果フィラメントの長手方向および断面方向に
おける染着斑の濃淡差が小さくなりすぎ、鮮明性向上の
効果が発現しなくなる。
【0026】この際、使用する染料は分散染料が好まし
い。分散染料とは、水に難溶性で水中に分散した系から
疎水性繊維の染色に用いられる染料をいい、ポリエステ
ル繊維やアセテート繊維などの染色に多く用いられてい
る。具体的には、ベンゼンアゾ系(モノアゾ、ジスアゾ
等)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾー
ルアゾ、キノリンアゾ、ピリジンアゾ、イミダゾールア
ゾ、チオフェンアゾ等)、アントラキノン系、縮合系
(キノフタリン、スチリル、クマリン等)等の染料が挙
げられる。
【0027】上記方法により染色された芳香族ポリエス
テルフィラメントヤーンは、通常ポリエステルフィラメ
ントヤーンの染色に採用されている125〜130℃の
温度で染色されたヤーンに比べて、色相の鮮明性が格段
に向上している。
【0028】一般に、鮮明性の評価は視感判定によるほ
か、国際照明委員会(CIE)が推奨する、L*a*b
*系色表示により表される彩度C*値を測定する。即
ち、同一色相で同一濃度、つまり明度L*値が同一の
時、彩度C*値が大きいほど鮮明性に優れていると言え
る。但し、このC*値は色相によってその絶対値が大き
く変動するため、鮮明性を評価する際には、染料の種類
と濃度を特定しておくことが好ましい。
【0029】本発明の芳香族ポリエステルフィラメント
ヤーンは、C.I.Disperse Blue 56を主成分とする分散染
料の1%owf溶液を用いて染色した際、L*a*b*
系色表示により表される彩度C*値が少なくとも36で
あることが必要であるが、他の有彩色に染色した場合
も、同様の鮮明性向上効果を示す。
【0030】また、染色後のポリエステルフィラメント
ヤーンには、フィラメントの表面近傍の染料を除去して
染色堅牢性を高めるために、還元洗浄処理を施すことが
好ましい。かかる還元洗浄は、アルカリ浴中にて65℃
以下の温度で行うことが好ましい。該温度が65℃を超
えると、染料の種類によっては繊維内部に吸尽された染
料までが還元分解されるようになり、色相の再現性が得
られなくなる場合がある。ただ、あまり還元洗浄温度が
低すぎると、染色堅牢性が不良となるので、高々40℃
までに止めることが好ましい。
【0031】また、中性浴や酸性浴では、繊維表面近傍
の染料が十分に除去されず、染色堅牢性が不良となり、
実用に耐えられない。アルカリ浴のpHは、9.0〜1
3.5の範囲内が好ましい。還元剤としては、ハイドロ
サルファイトが好ましく用いられ、通常、界面活性剤が
併用される。
【0032】
【実施例】以下実施例によって、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中の物性は、下記の方法により測定し
た。
【0033】(1)明度及び彩度 マクベス カラーアイ(Macbeth COLOR―
EYE)モデルM―2020PLを使用し、JISZ
8729−1980に規定された、国際照明委員会(C
IE)推奨のL*a*b*系色表示により表される明度
L*値及び彩度C*値を測定した。この場合、同一色相
で同一濃度、即ち明度L*値が同一の時、彩度C*値が
大きいほど鮮明性に優れている。
【0034】(2)フィラメントの長手方向の染着斑 透過型微小顕微鏡(オリンパスSP1100)を使用
し、フィラメントの長手方向の染着斑の有無を視感判定
した。
【0035】(3)ヤーンの染着状態の均一性 ヤーン全体が均一に染着されているか否かを視感判定し
た。
【0036】(4)ヤーンの鮮明性 ヤーンの鮮明性の程度を、○(鮮明性大)、△(やや鮮
明)、×(不鮮明)の3段階で視感判定した。
【0037】[実施例1]アジピン酸を12.5モル%
共重合した変性ポリエチレンテレフタレートポリマーよ
りなる芳香族ポリエステルを紡糸速度1500m/分で
紡糸し、延伸(予熱)温度68℃、加熱セット温度15
0℃で3.5倍に延伸して、ガラス転移温度が50℃の
ヤーン(50デニール/24フィラメント)を得た。該
ヤーンを常法により編立て、筒編地を得た。
【0038】該筒編地を1g/1のスコアロール400
(花王(株)製)水溶液中で、80℃で20分間精練し
た。次に水洗、乾燥した後、190℃で1分間プレセッ
トした。
【0039】次いで、該筒編地を下記染浴で常温から2
℃/分の速度で昇温し、98℃で60分間、浴比1:3
0で染色した。 ・染料 Resolin Blue FBL (C.I.Disperse Blue 56を主成分とする分 散染料) 1%owf ・分散均染剤 ディスパーVG(明成化成(株)製) 0.5g/l ・酢酸 0.2cc/l
【0040】次いで、染色された筒編地を下記洗浄浴で
65℃×20分間還元洗浄した。 ・NaOH 2g/l ・ハイトロサルファイト 2g/l ・アミラジンD (非イオン活性剤) 2g/l 還元洗浄後、十分水洗して乾燥、ファイナルセット(1
60℃×1分間)を行った。評価結果は、表1に示す通
りであり、鮮明性が格段に向上した芳香族ポリエステル
フィラメントヤーンが得られた。
【0041】[実施例2〜3]実施例1において、染料
濃度を表1に示す如く変更した以外は、実施例1と同様
に実施した。評価結果を表1に併せて示す。
【0042】[実施例4]実施例1において、染料をKa
yalon Polyester Blue EDL-E(C.I.Disperse Blue 56を
主成分とする分散染料)に変更し、還元洗浄温度を80
℃とした以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果
を表1に併せて示す。
【0043】[実施例5]実施例1で使用した変性ポリ
エチレンテレフタレートポリマーよりなる芳香族ポリエ
ステルを紡糸速度1400m/分で紡糸し、これにOP
U=0.4%のオイリングを施して、ガラス転移温度が
49℃のヤーン(180デニール/36フィラメント)
を得た。
【0044】次いで、該ヤーンに0.2〜1.0g/デ
ニール以下の張力を掛けながら、直径5mmの酸化アル
ミナの棒にジクザクに通してしごくようにし、引き続
き、しごいた状態で65℃のホットローラーで予熱した
後、フラットな表面を有する100℃の加熱プレート
に、急な角度を付けること無くストレート状で万辺なく
擦れさせながら、2.5倍の延伸倍率で延伸し、フィラ
メントの長さ方向の太細比がの太細糸(75デニール/
36フィラメント)を得た。
【0045】該ヤーンを、実施例1と同様に編立て、精
練、染色及び還元洗浄した後、十分水洗して乾燥、ファ
イナルセット(160℃×1分間)を行った。
【0046】評価結果は、表1に示す通りであり、ウオ
ーム感、シャリ感、ドレープ性に富み、極めてナチュラ
ルな風合いを呈する上、鮮明性が格段に向上した芳香族
ポリエステルフィラメントヤーンが得られた。
【0047】[比較例1〜3]実施例1において、染色
温度を130℃とし、染料濃度を表1に示す如く変更し
た以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1
に併せて示す。
【0048】[実施例6〜7、比較例4〜5]実施例1
において、染色温度を表1に示す如く変更した以外は、
実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に併せて示
す。
【0049】
【表1】
【0050】[実施例8、比較例6]実施例1におい
て、アジピン酸の共重合量を表2に示すように変更し、
ガラス転移温度(Tg)が異なる芳香族ポリエステルフ
ィラメントヤーンを得た以外は実施例1と同様に実施し
た。評価結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】[実施例9]実施例1において、アジピン
酸の代わりに、セバシン酸を9.5モル%共重合したポ
リエチレンテレフタレートポリマーを用い、実施例1と
同様にして、ガラス転移温度(Tg)が約53℃の芳香
族ポリエステルフィラメントヤーン(50デニール/2
4フィラメント)を得た。
【0053】該ヤーンを、実施例1と同様に、編立て、
染色、還元洗浄して、評価を行った。評価結果を表3に
示す。
【0054】[実施例10]実施例1において、アジピ
ン酸共重合ポリエステルフィラメントヤーンに代えて、
1,8―オクタンジオールを11モル%共重合した、ガ
ラス転移温度(Tg)が55℃の芳香族ポリエステルフ
ィラメントヤーン(50デニール/24フィラメント)
を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果
を表3に併せて示す。
【0055】[比較例7]実施例1において、アジピン
酸共重合ポリエステルフィラメントヤーンに代えて、酸
化チタンを0.07重量%含有する、ガラス転移温度
(Tg)が79℃のポリエチレンテレフタレートフィラ
メント糸(50デニール/24フィラメント)を用いた
以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表3に
併せて示す。
【0056】
【表3】
【0057】[実施例11〜15]実施例4において、
染料を表4に示すように変更した以外は実施例4と同様
に実施した。評価結果を表4に示す。尚、表中の染料名
の後のカッコ内はそれぞれの染料の主成分を示す。
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、あらゆる有彩色に対し
て、ただ単に濃く染色されただけでなく、鮮明性、即ち
「色の鮮やかさ」が改善された染色フィラメントヤーン
を、特別な装置等を必要とせずに容易に得ることがで
き、衣料用途等に好適に使用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有彩色に染色された芳香族ポリエステル
    フィラメントヤーンにおいて、(a)該フィラメント
    は、脂肪族ジカルボン酸成分及び/又は脂肪族ジオール
    成分が共重合された、ガラス転移温度(Tg)が65℃
    以下の芳香族ポリエステルポリマーで構成され、(b)
    個々のフィラメントにあっては、その長手方向に染着斑
    が存在するにも拘わらず、(c)ヤーン全体としては視
    覚的に均一な染着状態に映え、そして、(d)C.I.Disp
    erse Blue 56を主成分とする分散染料の1%owf溶液
    を用いて染色した際、L*a*b*表色系により表され
    る彩度C*値が少なくとも36であることを特徴とする
    鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤーン。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリエステルポリマーが、全炭素
    数が3〜12の脂肪族ジカルボン酸成分が共重合された
    芳香族ポリエステルポリマーである請求項1記載の鮮明
    な色相を呈する染色フィラメントヤーン。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリエステルポリマーが、全酸成
    分に対し10〜15モル%のアジピン酸成分が共重合さ
    れた芳香族ポリエステルポリマーである請求項1又は2
    記載の鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤーン。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリエステルポリマーが、分子量
    が300以下の脂肪族ジオール成分が共重合された芳香
    族ポリエステルポリマーである請求項1記載の鮮明な色
    相を呈する染色フィラメントヤーン。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリエステルフィラメントヤーン
    が90〜105℃の温度範囲で染色された芳香族ポリエ
    ステルフィラメントヤーンである請求項1〜4いずれか
    1項記載の鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤー
    ン。
  6. 【請求項6】 芳香族ポリエステルフィラメントヤーン
    が、染着斑とは独立した太さ斑を有する芳香族ポリエス
    テルフィラメントヤーンである請求項1〜5いずれか1
    項記載の鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤーン。
JP9300286A 1996-11-12 1997-10-31 鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤーン Pending JPH10195783A (ja)

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JP9300286A Pending JPH10195783A (ja) 1996-11-12 1997-10-31 鮮明な色相を呈する染色フィラメントヤーン

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001355187A (ja) * 2000-06-12 2001-12-26 Toray Ind Inc 脂肪族ポリエステル系繊維含有繊維構造物の製造方法

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