JP3091188B1 - フロアトンネルとクロスメンバとの接合部の構造 - Google Patents

フロアトンネルとクロスメンバとの接合部の構造

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JP3091188B1
JP3091188B1 JP11180146A JP18014699A JP3091188B1 JP 3091188 B1 JP3091188 B1 JP 3091188B1 JP 11180146 A JP11180146 A JP 11180146A JP 18014699 A JP18014699 A JP 18014699A JP 3091188 B1 JP3091188 B1 JP 3091188B1
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Abstract

【要約】 【課題】 アルミニウム合金製の車体において、クロス
メンバを押出材で形成し、かつフロアパネルとフロアト
ンネルとを一体成型した上で、製造工数並びに部品点数
の増加を招かずに済むように改良されたフロアトンネル
とクロスメンバとの接合部の構造を提供する。 【解決手段】 フロアパネル(11)と一体をなすフロ
アトンネル(6)の下面に、フロアトンネルの後端縁か
らはみ出すようにハンドブレーキスティフナ(13)を
固着し、ハンドブレーキスティフナのはみ出し部(13
a)とクロスメンバ(3)とを相互に溶接付けするもの
とする。これにより、通常の車体構造においても補強材
として必要なハンドブレーキスティフナを介してフロア
トンネルとクロスメンバとを溶接付けするので、フロア
トンネルとフロアパネルとを矩形の板材から形成するこ
とができ、しかもフロアトンネル接合用フランジをクロ
スメンバに設ける必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体の前後方向に
延設されるフロアトンネルと車幅方向に延設されるクロ
スメンバとの接合部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車体の軽量化をより一層推進しようとす
る要望に応えるべく、車体構造の材質を鋼材からアルミ
ニウム合金材に替える機運が高まっている。しかしなが
ら、アルミニウム合金材はスポット溶接が容易ではない
ため、モノコック形式の車体構造を採用すると、製造コ
ストが増大しがちとなる。そこで、押出成型で形成され
た中空材を溶接したスペースフレーム形式を採用するこ
とが考えられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、フレームを
構成する各メンバを鋼板のプレス成型で形成する場合
は、他部材との接合フランジを所期の部位に容易に形成
することができるが、例えばクロスメンバを押出材で形
成すると、フロアトンネルとの接合部のみに必要なフラ
ンジが全長に渡って形成されてしまうので、フロアトン
ネルとの接合部以外のフランジを切除しなければならな
い。これには切断工程並びに廃材処理を要するため、製
造コストの増大を招く要因となる。
【0004】他方、板材からフロアパネルとフロアトン
ネルとを一体形成し、そのフロアトンネル側にクロスメ
ンバとの接合部を形成することも考えられるが、この手
法でも、大きな矩形の板材でフロアパネルとフロアトン
ネルとを一体成型した後に接合部以外の部分を切除する
必要があるため、切断工程並びに廃材処理をなくすこと
はできない。また接合部に別部材の継手を設けると、部
品点数および溶接工数の増加を招く。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
アルミニウム合金製の車体において、クロスメンバを押
出材で形成し、かつフロアパネルとフロアトンネルとを
一体成型した上で、製造工数並びに部品点数の増加を招
かずに済むように改良されたフロアトンネルとクロスメ
ンバとの接合部の構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、フロアパネル(11)と一
体をなすフロアトンネル(6)の下面に、フロアトンネ
ルの後端縁からはみ出すようにハンドブレーキスティフ
ナ(13)を固着し、ハンドブレーキスティフナのはみ
出し部(13a)とクロスメンバ(3)とを相互に溶接
付けするものとした。
【0007】このようにすれば、通常の車体構造におい
ても補強材として必要なハンドブレーキスティフナを介
してフロアトンネルとクロスメンバとを溶接付けするの
で、フロアトンネルとフロアパネルとを矩形の板材から
形成することができ、しかもフロアトンネル接合用フラ
ンジをクロスメンバに設ける必要がなくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に示された一実
施の形態を参照して本発明を詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明が適用された車体下部フレ
ームの全体を示している。このフレームは、アルミニウ
ム合金で形成された種々の部材を互いに溶接結合して構
成されており、ダッシュボードロワクロスメンバ1にそ
の後端を結合して前方へ延出された左右一対のフロント
サイドフレーム2と、ミドルクロスメンバ3にその前端
を結合されて後方へ延出された左右一対のリアサイドフ
レーム4と、ダッシュボードロワクロスメンバ1とミド
ルクロスメンバ3との両側端間を連結するべく前後方向
に延設された左右一対のサイドシル5と、居室の前後方
向中間部にて左右のサイドシル5同士間を連結するフロ
ントクロスメンバ7と、ダッシュボードロワクロスメン
バ1に於けるフロントサイドフレーム2の接続部とミド
ルクロスメンバ3の側端との間を連結するべく後側が開
いたハ字形に配設された一対のフロアビーム8と、サイ
ドシル5とフロアビーム8との間を連結するべくフロン
トクロスメンバ7の後方に設けられたシートレールブラ
ケット9と、ミドルクロスメンバ3とリアサイドフレー
ム4とサイドシル5とフロアビーム8との連結部に設け
られたアウトリガー10とを備えている。また、ダッシ
ュボードロワクロスメンバ1とミドルクロスメンバ3と
の間には、前後方向に延在するフロアトンネル6が一体
成型されたフロアパネル11が張られている。
【0010】これらの各部材は、ダッシュボードロワク
ロスメンバ1、シートレールブラケット9、並びにアウ
トリガー10がダイキャスト成型されたものであり、フ
ロントサイドフレーム2、ミドルクロスメンバ3、リア
サイドフレーム4、サイドシル5、フロントクロスメン
バ7、並びにフロアビーム8が押出成型された中空材に
よって構成されたものであり、フロアトンネル6及びフ
ロアパネル11が薄板材でプレス成型されたものであ
る。
【0011】なお、図1においては図示省略している
が、ミドルクロスメンバ3以後の荷室部分にも薄板材か
らなる床板が張られる。
【0012】アルミニウム合金の押出成型材で形成され
たミドルクロスメンバ3は、図2並びに図3に示すよう
に、長手方向に直行する断面の形状が、2つの閉断面部
C1・C2を上下に重ね合わせた日の字形をなしてい
る。そしてその前壁下端に形成された下向延出部3aに
は、薄板材でプレス成型され、その下縁部に前向フラン
ジ12aが形成されたロワプレート12が接合されてい
る。このロワプレート12の前向フランジ12aは、フ
ロアパネル11の後端縁の上面に接合される。
【0013】フロアトンネル6は、長手方向に直交する
断面の形状が概ね台形をなし、その後端部には、ハンド
ブレーキの支持部を構成するべく厚板で上向きに凸とな
るように折り曲げ形成されたハンドブレーキスティフナ
13が、下面側から接合されている。
【0014】ハンドブレーキスティフナ13の後端部
は、フロアトンネル6の後端からはみ出している。他
方、ミドルクロスメンバ3の長手方向の中央部には、ハ
ンドブレーキスティフナ13のはみ出し部13aの上面
の輪郭に合わせて下向延出部3aを切除した切欠部3b
が形成されている。
【0015】これにより、フロアトンネル6の後端部に
下面から接合されたハンドブレーキスティフナ13のは
み出し部13aの後端上面に、ミドルクロスメンバ3の
下側閉断面部C2の底壁3cが直接当接するようにされ
ている。そしてこの互いの当接部を隅肉溶接することに
より、ミドルクロスメンバ3の中央部は、フロアトンネ
ル6の後端部にハンドブレーキスティフナ13を介して
結合されている。
【0016】ロワプレート12の内側端縁に形成された
フランジ12bが、フロアトンネル6の側壁後端部に結
合している。
【0017】
【発明の効果】このように本発明によれば、通常の車体
構造にも補強材として設けられるハンドブレーキスティ
フナを介してフロアトンネルとミドルクロスメンバとを
相互に結合することから、フロアトンネルとフロアパネ
ルとを矩形の板材から形成することができ、しかも押出
材からなるクロスメンバに部分的にしか用いないフラン
ジを形成する必要がなくなる。従って、アルミニウム合
金製の車体において、クロスメンバを押出材で形成し、
かつフロアパネルとフロアトンネルとを一体成型した上
で、製造工数並びに部品点数の増加を招かずに済むよう
に構成し得るので、製造コストを低減する上に大きな効
果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車体下部フレームの全体斜視図
【図2】フロアトンネルとミドルクロスメンバとの接続
部の斜視図
【図3】ミドルクロスメンバとハンドブレーキスティフ
ナとの結合部の縦断面図
【符号の説明】 3 ミドルクロスメンバ 6 フロアトンネル 13 ハンドブレーキスティフナ 13a はみ出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に延設されるフロアトンネル
    と、車幅方向に延設されるクロスメンバとの接合部の構
    造であって、 当該フロアトンネルは、フロアパネルと一体をなすと共
    に、その後端縁からはみ出すようにその下面にハンドブ
    レーキスティフナが固着されるものであり、 前記ハンドブレーキスティフナの後端部と前記クロスメ
    ンバとが、相互に溶接付けされることを特徴とするフロ
    アトンネルとクロスメンバとの接合部の構造。
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