JPS6136454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の後部車体構造、詳しくは車体
後面のリヤバンバ取付部の補強構造、特にバンパ
フレームの端部の補強構造に関するものである。

自動車の車体の後部には、リヤバンパが取り付
けられるが、最近は硬質ウレタン等の合成樹脂を
緩衝材として内蔵した衝撃吸収タイプのバンパが
広く普及している。この種のバンパでは車体の後
面にバンパを支持するフレームを設け、この支持
フレームに衝撃吸収タイプのバンパが取り付けら
れているが、この支持フレームの構造を簡略化
し、軽量化するため種々の提案がなされている。

例えば実開昭55−31773号公報や実開昭55−
125870号公報には、バンパ支持フレームをリヤフ
レームの後端部に直接結合し、この支持フレーム
をリヤクロスメンバと兼用させてリヤクロスメン
バを省略するようにしたものが開示されている。
しかしながら、これらの構造ではバンパ支持フレ
ームとリヤクロスメンバとが単に兼用されただけ
でやはりバンパ支持フレームが別体として必要と
されるため、車体構造が複雑になるという難点が
ある。

そこで、フロアパネルの後端を下へ折曲し、こ
の折曲部の上にリヤエンドパネルをコ字形に折曲
して重ね、閉断面構造のバンパ支持フレームを形
成したものが提案されている。（実開昭56−75070
号）また、本出願人は、バンパ支持フレームを車
体後部のリヤエンドパネル外面に補強板を接合し
て閉断面構造とすることによつて構成し、後部車
体構造を軽量化することを提案した。（実願昭56
−183281号）（実開昭58−87650号公報）これらの
構造は、リヤバンパの取付構造を簡略化し、軽量
化するという効果を有する。これらの構造では、
バンパ支持フレームがフロアパネルあるいはリヤ
エンドパネルに結合されており、この上に取り付
けられた緩衝材からなるバンパが受けた衝撃はこ
のバンパ支持フレームを介してフロアパネルある
いはリヤエンドパネルに伝達されるようになつて
いるが、バンパ支持フレームのフロアパネルある
いはリヤエンドパネルへの結合状態が、この衝撃
を受けたとき大きな問題となる。すなわち、バン
パ支持フレームがフロアパネルあるいはリヤエン
ドパネルに結合される部分の強度が不十分である
と、バンパが衝撃を受けたときこの部分が大きく
変形し、耐衝撃強度が小さいことになる。そこ
で、このバンパ支持フレームがフロアパネルある
いはリヤエンドパネルに結合される部分の構造
は、強度の高いものにすることが望まれる。

上記結合部分の強度は、特にバンパの衝撃を受
けやすい部分、すなわち両端部において大きいこ
とが望まれる。このことから、バンパ支持フレー
ムの両端部はフロアパネルあるいはリヤエンドパ
ネルがリヤフエンダに接合される部分に結合され
ることが望まれるが、先にスポツト溶接されたフ
ロアパネルあるいはリヤエンドパネルとリヤフエ
ンダの接合部の上に、さらに後からバンパ支持フ
レームをスポツト溶接することはできない。この
ような溶接にはスポツト溶接は不適であり、アー
ク溶接のような高度で高価な溶接が必要となる。

本考案はこれらの諸事情に鑑み、安価に製造す
ることができ、しかも十分な耐衝撃強度を実現す
るバンパ取付部の端部構造を提供することを目的
とするものである。

本考案の後部車体構造は、バンパを支持するバ
ンパフレームメンバの端部を、リヤフエンダとク
オータパネルの接合部の上にＬ字形に突出したリ
ヤエンドパネルの端部の上に結合したことを特徴
とするものである。すなわち、車体のクオータパ
ネルと、このクオータパネルの後端に内端の折曲
部を接合したリヤフエンダと、この接合部に沿つ
て後方へ折曲された第１折曲部と、この第１折曲
部に連設されて折曲され、前記接合部の後端縁に
沿つて外側方へ延びた第２折曲部を端部に有する
リヤエンドパネルと、このリヤエンドパネルの第
２折曲部に端部を結合され、リヤエンドパネルと
の間に閉断面を形成するバンパフレームメンバと
からなるものである。

この構造によれば、バンパフレームメンバの端
部はリヤフエンダ、クオータパネルおよびリヤエ
ンドパネルの接合部の上に位置する第２折曲部に
結合されているから、バンパフレームメンバの受
けた衝撃は強度の大きい上記接合部で受けとめら
れ、大きい耐衝撃強度を得ることができる。ま
た、リヤフエンダ、クオータパネルおよびリヤエ
ンドパネルの接合部と、バンパフレームメンバと
リヤエンドパネルとの結合部は別にされているか
ら、両方にスポツト溶接を採用することができ、
安価に製造することができる。

以下図面により本考案の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は本考案の実施例による自動車の後部車
体構造の左半分の全体を示す斜視図、第２図はそ
の要部を示す水平断面概略図、第３図は同じくそ
の要部を示す垂直断面概略図である。

本考案による自動車の後部車体の基本的構造
は、左右のリヤフエンダ１１、後面を形成するリ
ヤエンドパネル１２（第２図）、床面を形成する
リヤフロア１３（第３図）、リヤエンドパネル１
２の左右端部付近の上に連設されるランプハウジ
ングプレート１４、リヤフエンダ１１の内側に車
体の前後に縦に延びるクオータパネル１５、リヤ
エンドパネル１２の後面にその全幅にわたつて接
合されバンパを支持する閉断面１６を形成するバ
ンパフレームメンバ１７、およびこのバンパフレ
ームメンバ１７の上に取り付けられる緩衝材１８
ａを内蔵する合成樹脂製の被覆材１８を有するバ
ンパによつて構成されている。

本考案では、リヤフエンダ１１の内端とリヤエ
ンドパネル１２の外端との接合部２１においてク
オータパネル１５が後端１５ａを後方へ突出さ
せ、リヤフエンダ１１がこの突出した後端１５ａ
に沿つて折曲された折曲部１１ａを有し、リヤエ
ンドパネル１２がクオータパネル１５の後端１５
ａに沿つて後方へ折曲された第１折曲部１２ａ
と、この第１折曲部１２ａに連設されて外方に折
曲され、前記後端１５ａの後端縁に沿つて延びた
第２折曲部１２ｂを端部に有し、このリヤエンド
パネル１２の第２折曲部１２ｂにバンパフレーム
メンバ１７の端部１７ａが結合される。これらの
結合に際しては、リヤフエンダ１１の折曲部１１
ａとクオータパネル１５の後端１５ａとリヤエン
ドパネル１２の第１折曲部１２ａの３者が先ずス
ポツト溶接により接合され、その後バンパフレー
ムメンバ１７の端部１７ａがリヤエンドパネル１
２の第２折曲部１２ｂにスポツト溶接により結合
される。

このように、本考案の構造においては、バンパ
フレームメンバ１７の取付けに際して、全てスポ
ツト溶接が可能であるので安価に能率良く組立て
をすることができる上、バンパフレームメンバ１
７の端部１７ａがリヤフエンダ１１とリヤエンド
パネル１２の接合部２１の上においてリヤエンド
パネル１２と結合されるため、バンパの側端部付
近に加えられた衝撃に対する強度を大きくするこ
とができる。

すなわち、本考案による自動車の後部車体構造
は、安価にかつ容易に組み立てられ、バンパの強
度を向上させるという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例による自動車の後部車
体構造の左半分を示す斜視図、第２図はその要部
を示す水平断面概略図、第３図は同じくその要部
を示す垂直断面概略図である。 １１……リヤフエンダ、１２……リヤエンドパ
ネル、１３……リヤフロア、１４……ランプハウ
ジングプレート、１５……クオータパネル、１６
……閉断面、１７……バンパフレームメンバ、１
８ａ……緩衝材、１８……被覆材、２１……接合
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の前後方向に延びるクオータパネル、この
   クオータパネルの後端に内端の折曲部を接合され
   たリヤフエンダ、この接合部に沿つて後方へ折曲
   された第１折曲部、この第１折曲部に連設されて
   折曲され、前記接合部の後端縁に沿つて外側方へ
   延びた第２折曲部を端部に有するリヤエンドパネ
   ル、およびこのリヤエンドパネルの第２折曲部に
   端部を結合され、リヤエンドパネルとの間に閉断
   面を形成するバンパフレームメンバからなる自動
   車の後部車体構造。