JPS621862B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のタイヤハウスに設けられるサ
スペンシヨンタワー部の構造に関するものであ
る。

従来、自動車のたとえばリヤー側には、外側端
が車体前後方向に延びるフレームにリヤフエンダ
が接合され、このリヤフエンダに接合されたタイ
ヤハウスアウタと、このタイヤハウスアウタに接
合されたタイヤハウスインナとでタイヤハウスが
形成されている。そして、このタイヤハウスイン
ナの車内側にサスペンシヨンタワー部を形成し
て、このサスペンシヨンタワー部に車輪の走行衝
撃を緩和せしめるダンパの上部が保持されてい
る。しかしながら、この構造のものは車体の動
揺、振動等によつてダンパの上部に荷重が加わる
と、このダンパの傾きによつてダンパが車体内側
に倒れる分力の作用を受けるために、ダンパを保
持しているサスペンシヨンタワー部が変形し易い
欠点がある。なお、サスペンシヨンタワーの補強
構造の他の従来例としては、実開昭55−13166号
公報に示されたものがあるが、これはホイールエ
プロン上部と、第１レインフオースメントと、第
２レインフオースメントとにより閉断面のフレー
ムが形成されたものであり、車幅方向の強度は改
善の余地が残されている。

本発明はかかる欠点に鑑みてなされたものであ
り、自動車のタイヤハウスアウタ、サスペンシヨ
ンタワー部およびフレームの相互間に三者を一体
に連結する補強部材を介装して、特に、車幅方向
の強度を向上させることにより、従来の欠点を解
消するようにした自動車のサスペンシヨンタワー
部の構造を提供することを目的とする。

以下、本発明を一実施例について詳述する。

１は車体のリヤー側に設けられたタイヤハウス
で、タイヤハウスインナ２とタイヤハウスアウタ
３とを接合して形成され、タイヤハウスインナ２
に車体の内側へ膨出して連設されたサスペンシヨ
ンタワー部材４と、ダンパ５を支持せしめるキヤ
ツプ部材６とによりサスペンシヨンタワー部７が
形成されている。前記タイヤハウス１の上方には
該タイヤハウスと空間を有して車体の前後方向
（以下、縦方向という）に延びるほぼ六角形の閉
断面構造のフレーム８が配設されている。

１０は前記サスペンシヨンタワー部材４とフレ
ーム８とを連結する補強部材であつて、タイヤハ
ウスアウタ３とフレーム８とを連結する第１補強
板１１と、該第１補強板とサスペンシヨンタワー
部材４の上部１２とを連結する第２補強板１３と
により構成されている。

前記第１補強板１１は縦方向に延びて立設した
連結用基板１５と、該基板１５の前後端から車体
の内方側（第１図、第４図において右側）に向つ
て折り曲げた連結用板状部１６，１７とにより形
成されたものであつて、該両連結用板状部１６，
１７の対向する内側には、それぞれ車体の左右方
向（以下、横方向という）にほぼ平行な立面が形
成されている。さらに、前記連結用板状部１６，
１７の上端縁、内側端縁および下端縁には、それ
ぞれ車体前後方向に折り曲げた上フランジ部２
１，２２、内側縦フランジ部２３，２５および縦
方向下フランジ部２６，２７が形成され、前記連
結用基板１５の上部両側端縁と下端縁には、それ
ぞれ縦方向に延設した外側縦フランジ部２８，３
０と、横方向に折り曲げた横方向下フランジ部３
１とが形成されており、前記外側縦フランジ部２
８，３０と上フランジ部２１，２２とは前記フレ
ーム８の外側面３２に、前記縦方向フランジ部２
６，２７と横方向下フランジ部３１とは前記タイ
ヤハウスアウタ３の上面３３にそれぞれスポツト
溶接Ｗにより接合し、該第１補強板１１を介して
タイヤハウスアウタ３とフレーム８とが連結され
ている。３５は連結用基板１５の中央部に形成さ
れたスポツト溶接用サービスホールである。

前記第２補強板１３は断面がほぼコ字状であつ
て、前記サスペンシヨンタワー部材４の上部１２
に接合せしめるキヤツプ部３６と、該キヤツプ部
の上部３７および側部３８，４０から車体の外方
側（第１図、第４図において左側）に延設され上
側板状部４１、前側板状部４２および後側板状部
４３とからなり、かつ前記キヤツプ部３６の両側
部３８，４０には、それぞれ車体前後方向に折り
曲げた連結フランジ部４５，４６が形成されてお
り、該連結フランジ部は前記タイヤハウスインナ
２の上部の内側面４７に、前記前側板状部４２お
よび後側板状部４３の車体外方側の端面４８，５
０は前記第１補強板１１の連結用板状部１６，１
７の立面にそれぞれスポツト溶接Ｗによる接合部
５１，５２を形成してサスペンシヨンタワー部材
４の上部１２と第１補強板１１とが連結されるこ
とにより、タイヤハウス１と第２補強板１３とに
よつて閉断面が形成されるとともに、第１補強板
１１、第２補強板１３およびタイヤハウス１によ
りほぼ三角形状の構造体が形成されている。５３
は第２補強板１３のキヤツプ部３６の上部３７に
形成されたサービスホールであり、５４はリヤフ
エンダ、５５は車体フロア、５６は車輪である。

本発明は、サスペンシヨンタワー部材が連設さ
れたタイヤハウスインナとタイヤハウスアウタと
を接合してタイヤハウスを構成し、フレーム８と
タイヤハウスアウタ３とは第１補強板１１で、該
第１補強板とサスペンシヨンタワー部材４の上部
１２とは第２補強板１３でそれぞれ連結するとと
もに、該第１補強板１１、第２補強板１３および
タイヤハウス１によりほぼ三角形の構造体を形成
し、かつ該構造体を直接フレーム８に結合せしめ
るようにしたものである。これにより強度が向上
し、走行中の衝撃によつてサスペンシヨンタワー
部材４が横方向の倒れ作用をうけても、この外力
の作用は第１補強板１１および第２補強板１３か
らなる補強部材１０を介して分散され、サスペン
シヨンタワー部７の変形が防止されるばかりでな
く、タイヤハウス１と第２補強板１３とにより閉
断面が形成されるので、前記三角形状の構造体の
剛性がさらに向上する。また、本実施例では第１
補強板１１と第２補強板１３との接合部５２，５
２は、前記横方向の外力を接合強度の高い剪断方
向の面、すなわち、車体の左右方向にほぼ平行な
第１補強板１１の立面に設けられたことによつて
補強効果が一層高められる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施態様を例示し、第１図はリ
ヤー側タイヤハウスのサスペンシヨンタワー部を
一部断面で示した外形斜視図、第２図は同中央縦
断面図、第３図は第２図の−線における断面
図、第４図および第５図は第１補強板および第２
補強板の外形斜視図である。 １……タイヤハウス、２……タイヤハウスイン
ナ、３……タイヤハウスアウタ、４……サスペン
シヨンタワー部材、８……フレーム、１１……第
１補強板、１２……上部、１３……第２補強板、
１５……連結用基板、１６，１７……連結用板状
部、４８，５０……端面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ サスペンシヨンタワー部材が連設されたタイ
   ヤハウスインナとタイヤハウスアウタとを接合し
   て成るタイヤハウスの上方に、該タイヤハウスと
   空間を有して車体の前後方向に延びる閉断面構造
   のフレームが設けられており、前記タイヤハウス
   アウタとフレームとの間には、両者を連結する第
   １補強板が設けられ、該第１補強板と前記サスペ
   ンシヨンタワー部材の上部との間には、両者を連
   結する第２補強板が設けられてタイヤハウスと第
   ２補強板とにより閉断面が形成されるとともに、
   第１補強板、第２補強板およびタイヤハウスによ
   りほぼ三角形状の構造体が形成されたことを特徴
   とする自動車のサスペンシヨンタワー部の構造。 ２ 第１補強板は車体前後方向に延びて立設した
   連結用基板と該基板の前後端から車体の左右方向
   にほぼ平行に延びた立面とを有し、第２補強板は
   断面ほぼコ字状であつてその車体外方側の板状部
   端面が上記立面に接合されている特許請求の範囲
   第１項記載の自動車のサスペンシヨンタワー部の
   構造。