JP3082164B2 - レーザー処理方法及び半導体装置 - Google Patents
レーザー処理方法及び半導体装置Info
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Description
トランジスタ等の薄膜デバイスに用いられる多結晶半導
体をレーザー照射によって得るためのレーザー処理装置
に関するものである。
ランジスタ(TFT)等の薄膜デバイスに用いられる多
結晶シリコン半導体薄膜の作製方法としては、プラズマ
CVD法や熱CVD法で形成されたアモルファスシリコ
ン膜をレーザー光を照射することによって結晶化させる
方法が知られている。
リコン膜を結晶化させるには、出発膜であるアモルファ
スシリコン膜中に含まれる水素を膜より離脱させるため
に低エネルギー密度のレーザー光をアモルファスシリコ
ン膜に照射し、その後に閾値エネルギー密度(シリコン
が溶融するために必要な最低エネルギー密度)以上のレ
ーザー光を照射することによって、アモルファスシリコ
ン膜を結晶化させる工程がとられている。
ることによってアモルファスシリコン膜中の水素を離脱
させるのは、主に以下の二つの問題を解決するためであ
る。
ギー密度以上のエネルギー密度を有するレーザー光をア
モルファスシリコン膜に照射すると、アモルファスシリ
コン膜中に多量に存在している水素が膜表面から急激に
噴出し、膜表面の平坦性に著しい悪影響を与えてしま
い、後に結晶化したこのシリコン膜表面に絶縁膜を設け
た際に、このシリコン膜と絶縁膜との界面において準位
が発生し、良好な界面準位が得られないという問題であ
る。
ン膜中に存在している多量の水素が閾値エネルギー密度
以上の高エネルギー密度のレーザー光によって表面に噴
出すると同時に溶融しているシリコン膜中において大き
な運動エネルギーを持って運動するので、シリコンの結
晶化を阻害してしまうという問題である。
ールと称する低エネルギー密度のレーザー光を照射して
膜中の水素を十分出し切ってから、結晶化のためのレー
ザー光を照射し、膜中の水素の結晶化における影響を極
力排除していた。
の方法では以下に述べるような問題があった。まず、レ
ーザー照射を2回に別けて行うために効率が悪く、大面
積加工には不向きであるという問題である。
ザーに代表されるパルスショットのレーザーではレーザ
ー照射の時間が短いので徹底的に水素出しを行なうのは
困難であるという問題である。
ーザー装置にはどうしてもレーザービームの不均一性や
出力の変動があるので水素出しの工程において、膜内の
水素分布がどうしても不均一になってしまい、これが結
晶化後の結晶粒径不均一性の原因となるという問題があ
った。
アニール方法に関するものである。
に対してその結晶化温度以下の温度で加熱処理を施すチ
ャンバーと、前記半導体に対してレーザー光を照射する
チャンバーと、を有し、前記2つのチャンバーの間にお
いて試料は大気に曝されずに搬送されることを特徴とす
る。
射して非晶質半導体を結晶化させる工程であって、レー
ザーを照射する前に真空または不活性雰囲気中において
非晶質半導体の結晶化温度以下の温度で加熱アニール
し、さらに真空または不活性雰囲気中においてレーザー
照射を行い前記加熱アニールされた非晶質半導体を結晶
化させる工程に利用される。
に用いられているが、本発明の構成がレーザーの種類を
何ら限定するものではなく、どのようなレーザーを用い
てもよいことはいうまでもない。
導体が用いられるが他の半導体を用いてもよい。尚、本
明細書の実施例においては、シリコン半導体を例にとり
説明を行なう。
晶質半導体をこの非晶質半導体の結晶化温度以下の温度
で加熱アニールするのは、非晶質半導体の水素出しを行
なうためである。しかしながら、結晶化温度以上の温度
で加熱アニールを行なうと非晶質半導体が結晶化を起こ
してしまい、後のレーザー照射による結晶化において十
分な結晶化ができないので、結晶化温度以下の温度で加
熱アニールを行なうのは重要である。
アニールを行なうのは、非晶質半導体表面に不要な薄膜
例えば酸化膜等が成膜されてしまうことを防ぐためであ
る。
でアニールすることにより膜中において均一かつ徹底的
な水素出しを行なうことができるものである。このこと
により半導体膜の結晶性の面内分布と結晶粒径サイズの
均一性が改善され、大面積基板上に特性のそろったP−
Si(多結晶)TFTを形成することが可能になる。
晶化のためのレーザー光を照射して非晶質半導体を結晶
化させるのは、水素出しの結果生じた非晶質半導体の不
対結合手(ダングリングボンド)が活性な気体である空
気中の酸素や水素や窒素と結合することを防ぐためで
る。
多量に形成させることによって結晶化を助長させること
を特徴としている。これは本発明者らが、行なった実験
において明らかになった以下の実験事実に基づくもので
ある。
を徹底的に行なった非晶質シリコン膜に対してエキシマ
レーザー(KrF 248nm)を照射した結果、結晶性が著しく
良くなったという実験結果に基づくものである。
に含まれており、この水素が不対結合手(ダングリング
ボンド)を中和している。
実から溶融状態における非晶質からの結晶化において
は、不対結合手の存在が極めて重要であるという認識に
立ち、非晶質状態において不対結合手を意図的に形成さ
せることにより、溶融状態における瞬間的な結晶化を助
長させる方法を見出したものである。
に曝すことによって膜表面に酸化膜等が出来てしまう
と、せっかく形成した不対結合手が中和されてしまうの
で前述のように真空または不活性雰囲気中においてレー
ザー照射による結晶化を行なうことは大変重要である。
うのは、加熱アニールによって非晶質半導体が結晶化を
起こし始める温度のことである。
以下の温度でレーザー照射による結晶化前の加熱アニー
ルを行なうのは、一度結晶化を起こしたシリコン膜に対
してレーザー光を照射しても結晶性の改善が殆ど見られ
ず、非晶質の状態でレーザー光を照射して結晶化した膜
に比べると結晶性が著しく低いという実験結果に基づく
ものである。
をその非晶質半導体膜の結晶化温度以下の温度で行なう
ことは極めて重要である。しかしながら、本発明の構成
においては非晶質半導体膜中からの水素出しを徹底的に
行い膜中における不対結合手をできるだけ多く生成させ
ることが極めて重要でもあるので、結晶化を起こさない
程度でなるべく高い温度で水素出しのアニールを行うの
が好ましい。
た低いエネルギー密度のレーザー光によるものと異なり
水素出しが均一にかつ徹底的にできることが大きな特徴
である。その結果、粒径サイズが大きくしかも粒径サイ
ズのそろった多結晶半導体膜を得るとができる。以下に
実施例を示し本発明の構成を詳細に説明する。
に非晶質珪素半導体膜表面を大気中に曝さずに次のレー
ザー結晶化工程を行なうためのマルチチャンバー方式の
装置に関するものである。
す。図面には出発膜である非晶質シリコン膜を成膜する
プラズマCVD装置2、水素出しのための加熱アニール
炉3、レーザー結晶化のためのチャンバー4そして試料
の搬送室である試料搬入室1、試料搬出室5を直列に配
置した装置を示してある。
─1〜5には必要に応じて活性あるいは不活性気体の導
入系さらには試料の搬送系が設けられていることはいう
までもない。また、各チャンバーはターボ分子装置とロ
ータリーポンプを直列に接続した真空排気装置を設けて
あり、真空状態におけるチャンバー内の不純物濃度特に
酸素濃度を極力小さくするようにした。
クライオポンプをさらに別に設ける方法も有効である。
バーを仕切るためのゲート弁6が設けられており、例え
ばプラズマCVD装置であるチャンバー2における反応
性ガスが水素出しのための加熱アニール炉3に混入する
ことを防いだ。
熱アニール炉であるが、加熱は赤外線ランプ加熱装置を
用いて行なった。もちろん他の加熱装置、例えばヒータ
による加熱を行なう方法によってもよい。
ためのチャンバーであるが、レーザー光の照射はチャン
バー上部に設けられた石英の窓を通して外部のレーザー
発生装置と光学系を通して行なうものである。
に合わせられ、かつ基板の搬送方向とは垂直方向に延ば
された長方形のビームを用いて、レーザー系は動かさず
に試料をゆっくり搬送させることによって、試料の端か
ら連続的に照射を行なうと効率良くアニールを行なうこ
とができる。
空状態を破らずに真空中において連続して試料の加熱ア
ニールとレーザー結晶化を行なうとよい。真空状態を破
らないことによって、不対結合手が中和されることがな
く、そのため結晶化のための閾値エネルギーが低下しな
ので、レーザー結晶化工程において効率よく粒径サイズ
の大きな多結晶シリコン膜を形成することができる。
づつ直列に設けたものを示したが、各チャンバーでの試
料の処理時間に応じてそれぞれのチャンバーを複数設
け、しかも各チャンバーを直接連結するのではなく、各
チャンバーに共通した試料の搬送室を設け複数の処理を
時間差を利用して同時に行なうことで、生産性を上げる
ことも可能である。
って成膜する装置を示したが、他の成膜方法であるスパ
ッタ法や熱CVD法等を用いてもよく、さらには上記の
マルチチャンバー装置に絶縁膜を成膜するための成膜装
置を連結してもよく、一連の工程に必要な構成をとるこ
とができる。
レーザー結晶化(レーザー光の照射による結晶化)にお
ける水素出しのための加熱アニールの効果を実験結果に
基づいて示すためのものである。
00Åの厚さに成膜したガラス基板上にプラズマCVD
法によって非晶質シリコン膜(a−Si膜)を100n
mの厚さに以下の条件で成膜する。 RF電力 50W 反応圧力 0.05torr 反応ガス流量 H2 =45 sccm SiH4 =5 sccm 基板温度 300度
熱処理なし、1種類は不活性気体であるN2 雰囲気中に
おいて500度温度で1時間加熱アニールしたものであ
る。そして両者に対して真空中において波長248nm
のKrFエキシマレーザーを照射しa−Si膜の結晶化
を行なった。このレーザー結晶化はレーザーのエネルギ
ー密度を変化させてワンショットだけ行なった。
行なったが基板温度をレーザー結晶化前の500度の加
熱アニール時の温度に維持した状態のままレーザー結晶
化を行なってもよい。勿論、水素出しのための加熱アニ
ール温度は500度に限定されるものではない。
で1時間の加熱アニールを行なったが、工程や半導体膜
の種類によってこの加熱温度、加熱時間を変えることは
当然である。
結晶性を調べるためにラマンスペクトルを測定した。図
1にはAの曲線で示されるレーザー結晶化前に500度
の温度で1時間加熱アニールした試料のラマンスペクト
ルのピークと結晶化させる際に照射したレーザーのエネ
ルギー密度との関係を示したグラフと、Bの曲線で示さ
れるレーザー結晶化前に加熱アニールを行なわなかった
試料のラマンスペクトルのピークと結晶化させる際に照
射したレーザーのエネルギー密度との関係を示したグラ
フを示す。
の加熱アニールをすることによって低いレーザーのエネ
ルギー密度においても単結晶シリコンのピークである5
21cm-1に近い値が出ており、良好な結晶性を示して
いることがわかる。一般に非晶質シリコンの膜を結晶化
させた膜のラマンスペクルのピークが単結晶シリコンの
ラマンスペクトルのピークである521cm-1に近い
程、この膜の結晶粒径の大きさは大きいことが知られて
いる。このことから水素出しのための加熱アニールを行
なうとより大きな結晶粒径が形成できることがわかる。
ニールを行なわないとレーザー結晶化の際の照射レーザ
ーのエネルギー密度に結晶性が大きく依存してしまい、
しかもエネルギー密度の大きなレーザー光を照射しない
と良好な結晶性が得られないことがわかる。
は変動しやすく、安定性に欠けることが欠点とされてい
るが、曲線Aのようなラマンスペクトルのピークとレー
ザー結晶化の際のレーザー光のエネルギー密度の関係が
有る場合は、レーザーの強度に対する結晶性の依存性が
少ないので、このエキシマレーザーの不安定性の影響を
あまり受けないで均一な結晶性を有した結晶膜(本参考
例においては多結晶シリコン膜)を得るこができる。
めの加熱アニールを行なわない場合にはレーザー光のエ
ネルギー密度の変動によって結晶性が不均一な多結晶膜
ができてしまうことになる。
性を持ったデバイスを作製するかが大きな問題であるこ
とを考えるとこの曲線Aに示されるようにレーザー光の
エネルギー密度に依存せずに安定しかつ良好な結晶性を
示す多結晶膜が得られるレーザー結晶化工程は有用であ
る。
めの加熱アニール)をした試料は曲線Aに示されている
ように低いエネルギー密度のレーザー光で結晶化が起こ
っていることがわかる。このことより水素出しのための
加熱アニールを行うことにより結晶化が発生するための
最低エネルギー密度(閾値エネルギー密度)が低くなっ
ていることが結論される。
ルファス)シリコン膜中の水素出しを徹底的に行い、ダ
ングリングボンドを多量に形成させることによって結晶
化のための閾値エネルギー密度を低くできるという結論
に達したものである。
度の不活性または真空雰囲気中における加熱アニール
と、その後の不活性または真空雰囲気中におけるレーザ
ー光の照射によって、結晶性が高く、しかもレーザーの
エネルギー密度に対する依存性が小さく、さらには均一
性の優れた多結晶シリコン膜を得るこができた。
とレーザーの照射エネルギー密度の関係を示す。
式の装置を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 第1のチャンバーにおいて、非晶質半導
体にランプ又はヒータによって加熱処理を施して、前記
非晶質半導体の脱水素化を行いダングリングボンドを形
成し、 前記脱水素化した非晶質半導体を前記第1のチャンバー
から第2のチャンバーへ搬送し、 前記第2のチャンバーにおいて、前記脱水素化した非晶
質半導体に対してレーザー光を照射して、前記脱水素化
した非晶質半導体を結晶化させるレーザー処理方法であ
って、 前記第1のチャンバー及び前記第2のチャンバーはゲー
ト弁によって隔てられ、 前記加熱処理から前記結晶化まで真空中において行う こ
とを特徴とするレーザー処理方法。 - 【請求項2】 第1のチャンバーにおいて、非晶質半導
体を形成し、 前記非晶質半導体を前記第1のチャンバーから第2のチ
ャンバーへ搬送し、 前記第2のチャンバーにおいて、非晶質半導体にランプ
又はヒータによって加熱処理を施して、前記非晶質半導
体の脱水素化を行いダングリングボンドを形成し、前記 脱水素化した非晶質半導体を前記第2のチャンバー
から第3のチャンバーへ搬送し、 前記第3のチャンバーにおいて、前記脱水素化した非晶
質半導体に対してレーザー光を照射して、前記脱水素化
した非晶質半導体を結晶化させるレーザー処理方法であ
って、 前記 各チャンバーはゲート弁によって隔てられ、 前記加熱処理から前記結晶化まで真空中において行う こ
とを特徴とするレーザー処理方法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記レ
ーザー光の断面形状は長方形であることを特徴とするレ
ーザー処理方法。 - 【請求項4】 第1のチャンバーにおいて、非晶質半導
体に加熱処理を施して、前記非晶質半導体の脱水素化を
行いダングリングボンドを形成し、前記 脱水素化した非晶質半導体を前記第1のチャンバー
から第2のチャンバーへ搬送し、 前記第2のチャンバーにおいて、前記脱水素化した非晶
質半導体に対して断面形状が長方形のレーザー光を照射
して、前記脱水素化した非晶質半導体を結晶化させるレ
ーザー処理方法であって、 前記レーザー光の照射は、前記長方形の長辺と垂直に前
記脱水素化した非晶質半導体を移動することにより実施
し、 前記第1のチャンバー及び前記第2のチャンバーはゲー
ト弁によって隔てられ、 前記加熱処理から前記結晶化まで真空中において行う こ
とを特徴とするレーザー処理方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一において、
前記レーザー光は、エキシマレーザーであることを特徴
とするレーザー処理方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一のレーザー
処理方法により作製された半導体を用いることを特徴と
する薄膜デバイス。
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JP06102282A JP3082164B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | レーザー処理方法及び半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06102282A JP3082164B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | レーザー処理方法及び半導体装置 |
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Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP4254661B2 (ja) | 2004-08-27 | 2009-04-15 | セイコーエプソン株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
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JPH01179410A (ja) * | 1988-01-07 | 1989-07-17 | Nikon Corp | Cvdによる薄膜の製造方法及びそれに使用される装置 |
JPH0281424A (ja) * | 1988-09-17 | 1990-03-22 | Fuji Electric Co Ltd | 多結晶シリコン薄膜製造方法 |
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-
1994
- 1994-04-15 JP JP06102282A patent/JP3082164B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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日経マイクロデバイス 1989.10 PP34〜39 |
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