JP4586585B2 - 薄膜半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜太陽電池、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)用基板等の半導体素子基板や半導体素子(以下、これらを薄膜半導体装置と総称する)を製造する方法に関する。
近年、非導電性の異種基板、例えばガラス基板などの上に結晶シリコン膜を形成する研究が盛んに行なわれている。この異種基板上に形成した結晶シリコン膜の用途は広く、TFT、薄膜太陽電池などに用いることができる。
薄膜太陽電池は、安価な基板上に低温プロセスで良好な結晶性をもつ結晶シリコン膜を形成し、これを光電変換装置に用いて、低コスト化と高性能化を図るものである。この結晶シリコン膜を太陽電池に用いることによって、非晶質シリコンからなる太陽電池で問題となっている光劣化が観測されず、さらに非晶質シリコンからなる太陽電池では感度のない、長波長光をも電気的エネルギーに変換することができる。この技術は太陽電池のみならず、光センサなどの光電変換素子への応用も可能であると期待されている。
この結晶シリコン膜からなる太陽電池には、一般的にプラズマCVD法によって直接、結晶シリコン膜を堆積させる手法が用いられている。この手法によって、基板上に低温で結晶シリコン膜を形成できることが知られており、低コスト化に有効であるとされている。
このプラズマCVD法においては、形成条件を、水素でシラン系原料ガスを15倍程度以上に希釈し、プラズマ反応室内圧力を10mTorr〜10Torr、基板温度を150℃〜550℃、望ましくは400℃以下の範囲内とすることにより成膜する。これによって、結晶シリコン膜が基板上に形成される。しかし、この方法では結晶粒径は高々数μmで膜厚以上に粒径を大きくすることは困難である。その上、この方法では基板上から柱状の結晶が成長するが、その結晶内部には欠陥が多く存在し、結晶の質としてもさほど良いものではない。また、発電機能の根幹を担うi層は、素子構造最適化のためにドーピングを行なうと品質が急激に低下する。これらのことから、光電変換素子としては低コスト化に有利なシングルセルで10%を大きく上回る効率を達成することは困難であった。また、多結晶シリコンとしては、移動度が10cm2/Vsを超えることが困難であった。
一方、レーザの走査によって結晶シリコンを形成する試みも種々検討されており、連続波レーザを用いる方法が特開平2001−351863号公報(特許文献1)に開示されている。この方法は異種基板上に非晶質シリコンを形成し、帯状の連続光源を走査することで多結晶シリコンに熔融・結晶化するもので、走査方向に長い結晶粒を成長させることを可能としている。
この連続波レーザを用いて結晶化を行なう場合、Nd:YAGやNd:YVO4等の固体レーザを用いることが試みられている。これら固体レーザを用いることで、ランニングコストを大幅に低下させると同時に品質の高い多結晶シリコンを形成することが可能となった。
上記したように、従来、非晶質シリコンに連続波(CW)レーザ光を照射して結晶化する方法が提案されており、この方法では連続発振するNd:YAGもしくはNd:YVO4レーザの第二高調波を照射する。この方法はディスプレイ用TFT基板向けに開発が進められている。従って、表面にはMOSFETを形成することから平坦であることが求められており、固体レーザ光を用いることで非常に平坦にできることが報告されている(例えば、非特許文献1)。
また、光吸収層を用いてYAGレーザの基本波で加熱する方法が提案されている。この方法を用いることで上記第二高調波を用いる方法よりも効率良く大粒径多結晶シリコン膜が得られるとされている(例えば、非特許文献2)。
さらに特開平2003−68644号公報(特許文献2)には、複数のパルスレーザを用いてシリコン膜を融解、結晶化させる方法について開示されている。この方法は、第1のパルスレーザで一旦融解、結晶化させた箇所に、第2の弱いパルスレーザ光を照射することで、結晶粒を横方向に成長させ、且つこの工程を横方向にずらしながら反復して実施することで、横方向に長い結晶を成長させることを可能としたものである。
特開平2001−351863号公報 特開平2003−68644号公報 電子情報通信学会論文誌vol.j85−cNo.8(2002)p601 第63回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集(2002.9新潟大学)第二分冊26a−G−6(p780)
上記の方法はTFT用の多結晶シリコン膜に応用することを目的として開発が進められている。TFT用の多結晶シリコン膜は製造コストの観点から1m角以上のガラス基板上に形成することが一般的である。そして、そのためには、このような大面積基板上に均一に非晶質シリコン膜を低コストに形成する必要がありPE−CVD(Plasma enhanced−chemical vapor deposition)法、Cat−CVD(Catalitic−chemical vapor deposition)法等で水素化した非晶質シリコン膜(水素化非晶質シリコン膜)を形成することが一般的である。水素化非晶質シリコン膜をプリカーサ膜として使用する場合、膜中に水素量が多いとレーザ照射中に水素が突沸する。従って、PE−CVD法を用いて水素化非晶質シリコン膜を形成する場合は脱水素処理を行った後にレーザアニールを行うことが一般的である。TFT用の多結晶シリコン膜は厚さ50nm〜100nm程度の膜であることから、水素の含有量そのものが少ない。従って、RTA(Rapid thermal annealing)等の熱処理である程度まで濃度を低減することで水素の突沸は防ぐことが可能である。このことから、非晶質シリコン膜が含有している水素量とレーザアニール結晶化時に及ぼす影響について定量的な検討はこれまでに行われてこなかった。
しかしながら、太陽電池等、厚膜(〜数μm)をレーザアニールによる結晶化で形成する場合には、膜中の水素の量が非常に重要となる。結晶化する非晶質シリコン膜の膜厚が厚くなるに従って、膜中の水素量は増大する上、水素が抜けるまでの時間が長くなることによる。これらの理由により、通常、TFT用の多結晶シリコン膜に用いる非晶質シリコン膜の形成条件で形成した膜を結晶化させようとすると、水素の突沸に起因するアブレーション(膜が飛んでなくなる現象)や、表面に多数の凹凸が生じ、電子デバイスとして使用することが不可能であった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、水素を含む非単結晶シリコン膜にレーザ照射をすることで多結晶シリコン膜を形成するに際し、水素の突沸に起因するアブレーションを起こさせずに、厚膜(〜数μm)をレーザアニールにより結晶化することのできる薄膜半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
本発明に係る薄膜半導体装置の製造方法は、基板上に水素を含む非単結晶シリコン膜を膜厚2μmに形成する非単結晶膜形成工程と、上記非単結晶シリコン膜に700℃の熱処理を施し、上記非単結晶シリコン膜中の水素含有量を0.06%以下に低減する熱処理工程と、上記熱処理を施した上記非単結晶シリコン膜にCW発振レーザ光を照射し、アブレーションを起こすことなく結晶化させ多結晶シリコン膜を形成する結晶化工程とを有することを特徴とする。
なお、ここで非単結晶シリコン膜とは、非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜、結晶粒径の小さい(結晶粒径:数μm以下)多結晶シリコン膜のことを総称するものである。
上記方法によれば、非単結晶シリコン膜の水素の含有量が1%を超える場合であっても取り扱うことができ、これを熱処理して水素含有量を1%以下に低減した後、この非単結晶シリコン膜にレーザ光を照射することで、高効率薄膜太陽電池等の作製に必要な厚膜(数μm)をアブレーションなしにレーザアニールにより結晶化させることができる。
<発明の要点>
本発明において、水素化非晶質シリコンの形成方法にはCat−CVD法を用いることが望ましい。
Cat−CVD法は、原料ガス分子と触媒線との接触によって原料ガスを分解する。製膜は数Pa程度の圧力で行うことが一般的である。この圧力領域では原料ガス分子は数回は触媒線に衝突することとなり、原料分解効率がよい。SiH4を原料に用いる場合、原料ガスの解離によって水素ラジカルが多量に生成される。また、希釈ガスに用いている水素が解離することでも水素ラジカルが生成される。水素化非晶質シリコン膜を形成する上で、膜中の水素を減らすには水素ラジカルが膜の表面の水素を引き抜くことが必要であるとされており、Cat−CVD法は低水素量の水素化非晶質シリコン膜を形成するに有利である。
Cat−CVD法では、基板温度や触媒温度、触媒−基板間距離によって水素量をコントロールすることが可能である。この方法では水素量1%以下まで、製膜条件によって制御可能である。
さまざまな水素量と膜厚の試料についてレーザアニールを行った結果、高効率薄膜太陽電池を作製するに必要な膜厚である2μmを結晶化させるには、1%以下の水素量であることが必要であることを見出した。
水素濃度を1%以下とした場合、レーザアニールによる結晶化後の結晶性についても違いがあった。水素量を1%以下とした場合は、それ以上の場合と比較して顕著に結晶粒径が大きくなった。非晶質シリコン中の水素濃度が多い膜ではレーザ照射中に脱離する水素の量が多い。従ってシリコン融液中に過冷度が大きい場所が多数存在することとなり、その箇所が結晶核として結晶化が進行する確率が高くなる。多数の結晶核から結晶化が進行することで結晶粒径が小さくなる。水素量が1%を切るとシリコン融液が凝固を始める時点で大部分の水素が融液から脱離しており、急激に結晶粒径が大きくなることを見出した。
結晶粒径が大きくできることは、多結晶シリコン膜を半導体デバイスとして使用するうえでは重要である。多結晶シリコン膜中に存在する結晶粒界は少数キャリアに対しては再結合中心、多数キャリアに対してはキャリアの走行を阻害する障壁として機能する。従って、プリカーサ膜中の水素量を1%以下とすることで、高品質なTFT用の多結晶シリコン膜及び太陽電池用の多結晶シリコン膜等の薄膜半導体装置を形成することが可能となる。
また、PE−CVD法を用いて形成した水素化非晶質シリコン膜を形成することも可能である。PE−CVD法を用いた場合は、1%を切る水素量の膜を形成することが困難である。しかしながら1%以上の水素濃度である非晶質シリコン膜をプリカーサとして使用する場合においても、熱処理を行うことで1%以下の水素濃度とすることが可能である。この場合についても上記と同様の効果があり、水素濃度1%以上含んだものと比較して顕著な効果があることを見出した。
本発明は具体的には次のように構成される。
(1)水素を含む非単結晶シリコン膜にレーザ光を照射することで多結晶シリコン膜を形成する方法において、非単結晶シリコン膜中に含まれる水素含有量が1%以下である薄膜半導体装置の製造方法。
(2)上記非単結晶シリコン膜は製膜後に熱処理を施すものである薄膜半導体装置の製造方法。
(3)上記熱処理の温度が500℃以上である薄膜半導体装置の製造方法。
(4)非単結晶シリコン膜を形成した後、熱処理を施すことなくレーザ光の照射を行い、多結晶シリコン膜に結晶化させる方法において、非単結晶シリコン膜中に含まれる水素含有量が1%以下である薄膜半導体装置の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)の非単結晶シリコン膜を形成する工程において、形成中に500℃以下の熱処理を施す薄膜半導体装置の製造方法。
本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
請求項1の発明によれば、水素を含む非単結晶シリコン膜にレーザ光を照射することで多結晶シリコン膜を形成するに際し、非単結晶シリコン膜の水素含有量が1%であるため、所望する高効率薄膜太陽電池等の作製に必要な膜厚(数μm)を、水素の突沸に起因するアブレーションなしに、レーザアニールにより結晶化させて多結晶シリコン膜を形成することができる。
請求項2の発明によれば、水素を含む非単結晶シリコン膜に熱処理を施して水素含有量を1%以下に低減した後、この非単結晶シリコン膜にレーザ光を照射することで多結晶シリコン膜を形成するので、非単結晶シリコン膜の水素含有量が1%を超える場合であっても取り扱うことができ、これを熱処理して水素含有量を1%以下に低減した後、この非単結晶シリコン膜にレーザ光を照射することで、高効率薄膜太陽電池等の作製に必要な厚膜(数μm)をアブレーションなしにレーザアニールにより結晶化させることができる。
請求項3の発明によれば、水素を含む非単結晶シリコン膜に施す上記熱処理を500℃を超える温度、好ましくは600℃以上で行うので、高効率薄膜太陽電池を作製するに必要な膜厚である2μmを結晶化させる場合についても、アブレーションを起こすことなく、ラテラル結晶化(横方向に進行する凝固)することができる。
請求項4、5の発明によれば、水素を含み、且つその水素含有量が1%以下である非単結晶シリコン膜を形成した後、熱処理を施すことなくレーザ光の照射を行い、多結晶シリコン膜に結晶化させる。従って、例えばCat−CVD法によって水素含有量が1%以下である非単結晶シリコン膜を得ておくことで、その後に熱処理を施すことなくレーザ光の照射を行い、所望する高効率薄膜太陽電池等の作製に必要な厚膜(数μm)を、水素の突沸に起因するアブレーションなしに、レーザアニールにより結晶化させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施形態1]
図1(a)に示すように、ガラス基板01上に、レーザアニール時のシリコン膜への不純物拡散を防止する熱緩衝層として酸化シリコン膜(SiO2膜)02を形成する。これはPE−CVD法を用いて例えば1μm形成する。原料ガスには窒素希釈のSiH4とN2Oガスを使用する。
その上部にCat−CVD法を用いて、図1(a)に示すように、水素含有量が1%よりも多い、例えば水素含有量が7.4%である非晶質シリコン膜03aを200nm〜2μmの範囲で形成する。原料ガスにはSiH4ガスとH2ガスを用いる。
次に、図1(b)に示すように、この水素含有量が1%以上である非晶質シリコン膜03aに対し、500℃より高い温度、例えば600℃、700℃で熱処理をそれぞれ30分行うことで脱水素処理を行う。これにより、非晶質シリコン膜03aの水素含有量を1%以下に低減する。
次に、図1(c)に示すように、この水素含有量が1%以下となった非晶質シリコン膜03に対し、レーザ光05を照射し、相対的に矢印X方向に走査して融解、結晶化を行うことで、多結晶シリコン膜04を形成する。その際、非晶質シリコン膜03が200nm〜2μmと厚いのにも関わらず、その水素含有量が1%以下となっているため、水素の突沸に起因するアブレーションを起こさせずに、多結晶シリコン膜04に結晶化させることができる。
[実施形態2]
図2(a)に示すように、ガラス基板01上に酸化シリコン膜(SiO2膜)02を、PE−CVD法を用いて例えば1μm形成する。原料ガスには窒素希釈のSiH4とN2Oガスを使用する。
その上部にCat−CVD法を用いて、水素含有量が1%以下の非晶質シリコン膜03を100nm〜2μmの範囲で形成する。原料ガスにはSiH4ガスとH2ガスを用いる。
次に、図2(b)に示すように、この水素含有量が1%以下の非晶質シリコン膜03に対し、レーザ光05を照射し、相対的に矢印X方向に走査して融解・結晶化を行うことで、多結晶シリコン膜04を形成する。その際、非晶質シリコン膜03が100nm〜2μmと厚いのにも関わらず、その水素含有量が1%以下となっているため、水素の突沸に起因するアブレーションを起こさせずに、多結晶シリコン膜04に結晶化させることができる。
[試作例1]
上記実施形態1の試作例について述べる。
図1(a)に示すように、アルミノシリケートガラスから成るガラス基板01上に酸化シリコン膜(SiO2膜)02を1μm形成した。酸化シリコン膜02はPE−CVD法を用いて形成した。原料ガスには窒素希釈のSiH4とN2Oガスを使用した。その上部にCat−CVD法を用いて、非晶質シリコン膜03を200nm〜2μmの範囲で形成した。原料ガスにはSiH4ガスとH2ガスを用い、基板温度は450℃、圧力は1Pa、触媒線は1,800℃に加熱して製膜した。この時、形成した非晶質シリコン膜03中に含まれる水素量をFT−IRで定量したところ7.4%であることが判った(膜厚2μmのものにつき図3参照)。
この水素含有量が7.4%である非晶質シリコン膜03aに対し、レーザ光を照射したところ、すべての膜厚でアブレーションした。レーザ処理はCW発振するNd:YVO4レーザを用いた。
一方、試作例として、上記水素含有量が7.4%である非晶質シリコン膜03aについて、500℃、600℃、700℃の熱処理をそれぞれ30分行うことで脱水素処理(図1(b)参照)を行った。それらの膜について水素量をFT−IRを用いて定量したところ、500℃で熱処理したサンプル(比較例1)は水素含有量が5%、600℃で熱処理したサンプル(実施例1)は水素含有量が0.6%、700℃で熱処理したサンプル(実施例2)は水素含有量が0.06%であった(膜厚2μmのものにつき図3参照)。なお、700℃で熱処理したサンプル(実施例2)については固相で結晶化が進行しており、ラマンスペクトルにおいて520cm-1付近に鋭いピークが認められた。
これらのサンプルについてレーザ処理を行った。すなわち図1(c)に示すように、これら水素含有量が5%のサンプル(比較例1)、0.6%のサンプル(実施例1)、0.06%のサンプル(実施例2)の非晶質シリコン膜03に対し、それぞれレーザ光05を照射し、相対的に矢印X方向に走査して多結晶シリコン膜04を形成した。
この場合、200nm〜2μmの膜厚について、600℃で熱処理した膜(実施例1)、700℃で熱処理した膜(実施例2)については、アブレーションを起こすことなく、ラテラル結晶化(横方向に進行する凝固)が確認できた(図4)。しかし、500℃で熱処理した膜(比較例1)については、どの膜厚についてもアブレーションを起こした(図5)。
図3に、膜厚2μmの場合における熱処理前後の水素含有量の変化と、結晶化及びアブレーションの程度を示す。膜厚2μmの非晶質シリコン膜03について、熱処理前は水素含有量が7.4%であったものが、500℃、600℃、700℃の熱処理をそれぞれ30分行うことで、水素含有量が5%、0.6%、0.06%と低減し、これに伴って、その後のレーザ処理による結晶化の改善と、アブレーションの低減が図れることが分かる。特に、水素含有量を0.06%とした場合、アブレーションは皆無となっている。
[試作例2]
上記実施形態2の試作例について述べる。
ガラス基板01上に試作例1と同様の条件で酸化シリコン膜02を形成した。この上部に、水素含有量が0.5%(実施例3)、0.8%(実施例4)、1%(実施例5)、1.3%(比較例2)、1.7%(比較例3)、2%(比較例4)の非晶質シリコン膜03を、100nm、500nm、2μmの膜厚で形成した。
これらの膜について試作例1と同様のレーザ処理を行って結晶化した。その結果、膜厚2μmの膜については1%以下の水素量の場合、アブレーションを起こすことなく結晶化させることが可能であった。膜厚100nm、500nmの膜については、すべての水素量の膜について結晶化可能であった。膜厚100nm、500nmの膜についてEBSD(Electron backscattered diffraction)測定を実施した結果、1%を切る水素濃度の膜(実施例3〜5)を結晶化させた場合について結晶粒径の顕著な増大が認められた(図6参照)。
図6は、この試作例2における、膜厚100nmにおける水素量と結晶粒径の関係を示すグラフである。水素含有量が1%以下になると急激に結晶粒面積が大きくなることが分かる。
[試作例3]
上記実施形態1でPE−CVD法を用いた試作例について述べる。
ガラス基板01上に試作例1と同様の酸化シリコン膜02を形成した。その上部にPE−CVD法を用いて非晶質シリコン膜03を2μm形成した。PE−CVD法の製膜は原料ガスにSiH4とH2の混合ガスを用い、圧力を133Paに固定した。RF電力は5Wで製膜を実施した。
製膜したサンプルについて水素量をSIMS分析で定量した結果、水素量は6.2%であった。
これについても熱処理による脱水素処理を行った。熱処理は500℃、600℃、700℃で30分行った。
これらのサンプルについて試作例1と同様のレーザ光の照射を行ったところ、600℃、700℃で熱処理を行ったサンプル(実施例6、7)はアブレーションを起こさず横方向の結晶化が可能であった。
また、これらのサンプルについてSIMS分析による水素量の同定を行ったところ、熱処理温度500℃のもの(比較例5)は水素含有量4.3%、600℃のもの(実施例6)では水素含有量0.7%、700℃のもの(実施例7)では水素含有量0.03%であった。
本発明の第一の実施形態における薄膜半導体装置の製造方法を示す図である。 本発明の第二の実施形態における薄膜半導体装置の製造方法を示す図である。 本発明の実施例における、膜厚2μmにおける熱処理温度による水素量の変化及び熱処理温度とレーザ照射後の膜の状態を示すグラフである。 本発明の実施例におけるレーザ照射後の表面を示す図面代用写真である。 本発明の比較例におけるレーザ照射後の表面を示す図面代用写真である。 本発明の試作例2における、膜厚100nmにおける水素量と結晶粒径の関係を示すグラフである。
符号の説明
01 ガラス基板(アルミノシリケートガラス)
02 酸化シリコン膜(SiO2膜)
03a 非晶質シリコン膜
03 非晶質シリコン膜
04 多結晶シリコン膜
05 レーザ光

Claims (2)

  1. 基板上に水素を含む非単結晶シリコン膜を2μmの厚さで形成する非単結晶膜形成工程と、
    上記非単結晶シリコン膜に700℃の熱処理を施し、上記非単結晶シリコン膜中の水素含有量を0.06%以下に低減する熱処理工程と、
    上記熱処理を施した上記非単結晶シリコン膜にCW発振レーザ光を照射し、アブレーションを起こすことなく結晶化させ多結晶シリコン膜を形成する結晶化工程と
    を有することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の薄膜半導体装置の製造方法において、
    上記熱処理工程により上記非単結晶シリコン膜の結晶化を進行させ、ラマンスペクトルのピークを520cm -1 とすることを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
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