JP4147492B2 - 結晶質半導体材料の製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

結晶質半導体材料の製造方法および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非晶質(アモルファス)半導体材料や多結晶半導体材料に加熱処理を施して結晶化させる結晶質半導体材料の製造方法およびそれを利用した半導体装置の製造方法に関する。
近年、基板上に素子がアレー状に配列された太陽電池や液晶表示装置の画素駆動トランジスタ等の半導体装置の研究・開発が盛んに行われている。また、最近、装置の高集積化および多機能化を図るために、これらの半導体素子を基板上に積層形成する三次元集積回路等の研究・開発が進められている。
これら半導体装置に用いられる基板材料として、安価でかつ大面積化が可能であることから、人工石英等のガラス材料やプラスチック材料が注目されている。一般的に、このような非晶質絶縁物材料からなる基板に半導体薄膜を堆積させると、非絶縁物材料の長距離秩序の欠如により、堆積された半導体薄膜の結晶構造は非晶質または多結晶となる。
例えば、液晶表示装置の画素駆動トランジスタとして薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)が用いられるが、その動作領域(チャネル領域)には、前述した基板の上に形成された多結晶シリコン(Si)膜が用いられている。しかし、この多結晶シリコン膜の微細構造には結晶粒界がランダムに存在し、また、結晶粒によって面方位の配向が異なることから結晶性が悪いものとなっている。また、多結晶シリコン膜の結晶粒径が大きくなり、TFTのチャネル長に近づいてくると、特性に不均一が生じてしまう。このように、多結晶シリコン膜を用いたTFT等の半導体素子は、単結晶シリコンを用いたものよりも性能がかなり劣っていた。
このような背景から、ガラス材料からなる基板の上に形成されるシリコン膜の単結晶化を図るための技術が提案されている。例えば、ZMR(Zone Melting Re-crystallization )技術を用いて、酸化シリコン基板上に単結晶シリコン膜を形成することが試みられている( 非特許文献1,非特許文献2参照) 。また、このZMR技術を用いることにより、石英基板またはガラス基板上に、非常に大きな面積を有するシリコン膜が形成されている(非特許文献3参照) 。
H.A. Atwater et al.: Appl. Phys. Lett. 41 (1982) 747 K. Egami et al. : Appl.Phys. Lett.44 (1984) 962 A. Hara, et al. : AMLCD Technical Digest p. 227, Tokyo 2002
しかし、このようなZMR技術により大きな面積を有するシリコン膜を形成することはできるものの、結晶粒の配向の制御や結晶粒界の制御が難しい。そのため、ZMR技術により形成されるシリコン膜は結晶粒界がランダムに存在していることから、素子の均一化が非常に重要である半導体装置の三次元集積化に対応することが困難である。また、基板材料として期待されているプラスチック材料の耐熱性を考えると、ZMR技術は1450度程度の高温プロセスであることから、ZMR技術のような熱的負荷の大きなプロセスをプラスチック基板に適用することができない。一般的には、プラスチック基板の耐熱性を考えると、200度以下のプロセスが望ましい。
また、最近、波長が532nmである、倍周波数ネオジウムレーザ(Nd:YVO4 レーザ)を用いて、シリコン窒化物からなるバッファ層上に、{111}面方位に配向したシリコン膜が作製されている( 非特許文献4参照) 。しかし、最近のMOSトランジスタ等の半導体素子では{100}面方位に配向したシリコン膜が採用されているため、{111}面方位に配向したシリコン膜はトランジスタの製造プロセスには対応できない。ちなみに、このような半導体素子において{100}面方位に配向したシリコン膜が採用されているのは、{100}面方位に配向されたシリコン結晶が、この{100}面以外の面方位に比べて最も界面準位密度が低く、界面特性に敏感なトランジスタに適しているからである。
M. Nerding et al. : Thin Solid Films 383 (2001) 110
以上のように、従来技術では、ガラス材料やプラスチック材料からなる基板の上に、結晶粒界を制御することや、基板の垂直方向に対して特定の面方位(例えばシリコンの場合には{100}面方位)に制御すること、基板の面内方向に対する方位も制御することが困難であった。そのため、半導体素子の均一化および高性能化を十分に図ることができないという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、プラスチック材料やガラス材料からなる基板に、低温度下で、結晶性の良い半導体材料を形成することが可能となる結晶質半導体材料の製造方法およびそれを利用した半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明による結晶質半導体材料の製造方法または半導体装置の製造方法は、基板上に、半導体の非晶質材料または半導体の多結晶材料を形成する第1の工程と、基板面の垂直方向に対して特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融すると共に、半導体の非晶質または前記特定の面方位以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度で、非晶質材料または多結晶材料に対して一様に複数回の加熱処理を施すことにより第1結晶質材料を形成する第2の工程と、第1結晶質材料に、高温領域および高温領域よりも低い温度の低温領域を有するように選択的に温度分布を形成すると共に、低温領域において前記特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度で、複数回の加熱処理を施すことにより第2結晶質材料を形成する第3の工程とを含み、加熱処理を、パルスレーザからエネルギービームを照射することにより行うものである。
本発明による結晶質半導体材料の製造方法または半導体装置の製造方法では、第2の工程において、基板面の垂直方向に対して特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融すると共に、半導体の非晶質または前記特定の面方位以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度で、非晶質材料または多結晶材料に対して一様に複数回の加熱処理が施されることにより第1結晶質材料が形成され、第3の工程において、第1結晶質材料に、高温領域および高温領域よりも低い温度の低温領域を有するように選択的に温度分布を形成すると共に、低温領域において前記特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度で、複数回の加熱処理が施されるようにしたので、第2結晶質材料が形成され、この第2結晶質材料が、基板の垂直な方向に対して特定の面方位に優先配向されると共に、基板の面内方向の配向も制御され、これにより結晶粒界が制御される。従って、結晶性の向上が図られる。
本発明による結晶質半導体材料の製造方法または半導体装置の製造方法によれば、第2の工程において、基板面の垂直方向に対して特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融すると共に、半導体の非晶質または前記特定の面方位以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度で、非晶質膜または多結晶膜に対して一様に複数回の加熱処理を施すことにより第1結晶質膜を形成し、第3の工程において、第1結晶質膜に、高温領域および高温領域よりも低い温度の低温領域を有するように選択的に温度分布を形成すると共に、低温領域において前記特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度で、複数回の加熱処理を施すことにより第2結晶質膜を形成するようにしたので、基板の垂直な方向に対して特定の面方位に優先配向させると共に、基板の面内方向の配向も制御することが可能となり、これによって結晶粒界の制御が可能となる。従って、良質な結晶質膜を形成することができ、この良質な結晶質膜をTFT等の半導体素子の形成に用いることにより、半導体素子の均一化および高性能化を図ることが可能となる。
特に、エキシマレーザを用いて、パルスを照射することにより第1の加熱処理および第2の加熱処理を施すようにすれば、プラスチック材料やガラス材料からなる基板にでも、低温度下で結晶性の良い結晶質膜を形成することが可能となり、これにより製造コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の実施の形態では、半導体装置として例えば図1に示した液晶表示装置100を製造する場合について具体的に説明する。ちなみに、この液晶表示装置100は、図示しない基板の上に、画素部101と、この画素部101の周辺部に設けられた周辺回路部102とを備えたものである。画素部101には、液晶層103と、この液晶層103を各画素に対応して駆動するためのマトリクス状に配列された複数の薄膜トランジスタ104とが形成されている。周辺回路部102はビデオ信号端子105を備え、入力した画像信号と共に水平走査信号を画素部101に送る水平走査部(水平走査回路;信号電極駆動回路)106と、垂直走査信号を画素部101に送る垂直走査部(垂直走査回路;走査電極駆動回路)107とにより構成されている。
この液晶表示装置100では、画像信号がビデオ信号端子105を介して水平走査部106に送られ、この水平走査部106から画像信号と共に水平走査信号が画素部101の各画素毎の薄膜トランジスタ104へ送られ、また垂直走査部107から垂直走査信号が画素部101の各画素毎の薄膜トランジスタ104へ送られることにより液晶層103のスイッチング制御がなされ、画像表示が行われるようになっている。
図2ないし図14は、本発明の一実施の形態に係る結晶質半導体材料の製造方法を説明するための図である。図2は非晶質膜14が形成された試料構造を表すものである。図3は、図2に示した試料構造に施す第1の加熱処理を説明するための図である。図4は、第1の加熱処理およびその後の第2の加熱処理に用いるエキシマレーザのパルスを説明するための図である。図5から図7は、非晶質膜14に第1の加熱処理により形成される結晶質膜16を説明するための図である。図8は第2の加熱処理を説明するための図である。図9は第2の加熱処理に用いる回折格子31を説明するための図である。図10から図14は、結晶質膜16に第2の加熱処理により結晶質膜17Aまたは結晶質膜17Bを形成することを説明するための模式図である。なお、図5から図7において、図(A)は試料表面を表し、図(B)は試料表面に照射するパルスの概略波形を表している。
なお、例えば{100}面方位を有するシリコン結晶とは、〈100〉方向に優先配向した結晶のことであり、図面では、{100}面方位を有するシリコンの結晶(または結晶粒)をSi(100)(または(100))と表している箇所もある。
まず、図2に示したように、例えば、ガラス材料からなる絶縁性の基板11を用意する。次に、基板11の上に、シリコン窒化物(SiNx :x は任意の正数)からなる)、例えば厚さが50nmのシリコン窒化膜12を形成する。次いで、シリコン窒化膜12の上に、シリコン酸化物(SiO2 )からなる、例えば厚さが120nmのシリコン酸化膜13を形成する。シリコン窒化膜12およびシリコン酸化膜13は、例えば化学気相成長法(CVD;Chemical Vapor Deposition )法またはスパッタリング法により形成する。
基板11は、例えばプラスチック材料からなるようにしてもよい。また、シリコン窒化膜12およびシリコン酸化膜13は保護膜としての機能を有しており、後述する非晶質膜14(すなわち後の多結晶膜15、結晶質膜16, 17A, 17B)がガラス材料からなる基板11に含まれる不純物により汚染されることを防止するためのものである。
続いて、シリコン酸化膜13の上に、アモルファスシリコンからなる非晶質膜14を形成する。非晶質膜14は、例えば、CVD法、プラズマCVD(PECVD;Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition )法、またはスパッタリング法により形成する。非晶質膜14の厚さは、例えば10nm〜200nmとすることが好ましい。これは、後の結晶化工程において良好な結晶質膜16, 17A, 17Bを得ることができるからである。例えば、ここでは、40nmの厚さで非晶質膜14を形成する。
なお、非晶質膜14をプラズマCVD法により形成する場合には非晶質膜14に多量の水素が含有されてしまうので、非晶質膜14を形成したのちに、例えば、450℃の温度で2時間加熱することにより、または紫外線による急速熱アニール(RTA;Rapid Thermal Annealing )を行うことにより、水素を除去することが好ましい。
[第1の加熱処理]
次いで、非晶質膜14に第1の加熱処理を行う。第1の加熱処理では、例えばパルスレーザとしてXeClエキシマレーザを用い、不活性ガス中、ここでは窒素雰囲気中で、非晶質膜14の表面に対してエネルギービームE1を複数回照射する。このエネルギービームE1は、非晶質膜14の表面に対して一様に照射するために、面ビームとする。
この第1の加熱処理では、エネルギービームE1を、非晶質膜14(および後の多結晶膜15、結晶質膜16)において、基板11の垂直方向に対して例えば{100}面方位を有するシリコンの結晶粒が部分的に溶融すると共に、シリコンの非晶質または{100}以外の面方位を有する結晶粒が完全に溶融する温度となるように設定する。このときの温度設定は、そのパラメータとして、XeClエキシマレーザの照射強度、照射回数およびパルス幅を調整することにより行う。これについて説明する。
{100}の面方位を有するシリコンの結晶粒は、この{100}以外の面方位を有する結晶粒に比べて融点が高い。また、{100}面方位に優先配向した結晶粒とシリコン酸化膜13との界面エネルギーは、{100}面方位以外の面方位に優先配向した結晶粒とシリコン酸化膜13との界面エネルギーよりも0.01mJ/cm2 程度小さい。
このようなことから、非晶質膜14の厚さが40nmである場合には、{100}の面方位を有する結晶粒の融点は、{100}以外の面方位を有する結晶粒のものより0.2度C程度高くなる(H.A. Atwate et al.: J. Electro Chemical Society 130 (1983) 2050 )。このように{100}の面方位を有する結晶粒の融点が高いことは、ZMR法を用いてレーザ照射することにより、シリコンを溶融させ、この溶融したシリコンのその場観察を行うと、液相中に{100}の面方位を有するラメラと呼ばれる溶け残りが見られるとの報告からもわかる (W.G. Hawkins et al. Appl. Phys. Lett. 42 (1983) 358)。
以上のことから、溶融したシリコンの液相中に{100}の面方位を有するラメラを溶け残りとして生じさせるために、{100}の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融し、他の{100}以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度となるように、本実施の形態ではエネルギービームE1の照射強度を450mJ/cm2 程度に設定する。なお、このエネルギービームE1の照射強度の大きさは、照射強度を計測するための計測機器による誤差があるのは言うまでもない。
パルスの照射回数は、10回以上400回以下、例えば150回とする。これは、パルスの照射回数が10回より小さくなると、基板11の垂直方向に対する{100}面方位の配向度が非常に小さくなり、他方パルスの照射回数が400回より大きくなると、シリコンの総蒸発量が大きくなってしまうからである。
XeClエキシマレーザはロングパルスレーザとし、そのパルス幅は例えば150nsとする(図4)。このような150nsというロングパルスを1回照射すると、本実施の形態のように非晶質膜14の厚さが40nmである場合には、パルス照射により溶融したシリコンの凝固時間(固相と液相とが混在している時間;Dwelling Time ともいう)が36nsとなる。これにより、1回のパルスの照射により、シリコン酸化膜13と溶融したシリコンとの界面が熱平衡状態になる確率が大きくなり、これらの界面では、界面のエネルギーを最小にするようにして{100}面方位を有するシリコンの結晶が発生する。また、このXeClエキシマレーザは、パルス照射時間が150ns程度であることからプロセスの低温化に有効であり、これにより基板材料としてプラスチック材料を用いることが可能となる。
パルス間隔は、例えば0.1sとする。このパルス間隔では、前のパルス照射により溶融したシリコンが完全に凝固する。なお、本実施の形態ではパルス間隔の設定は特に重要ではない。
以上をまとめると、第1の加熱処理の条件は下記のようになる。
照射条件
パルス幅 ; 150ns
パルス間隔 ; 0.1s
照射回数 ; 150回
照射強度 ; 約450mJ/cm2
このような照射条件で、まず1回目のパルスを照射する。このとき、エネルギービームE1の照射強度を、{100}の面方位を有するシリコンが部分的に溶融すると共に、この面方位以外の面方位を有するシリコンが溶融する温度となるように設定したので、アモルファスシリコンが完全に溶融されて液相シリコン21が形成される(図3(A))。
この液相シリコン21では、レーザパルスの照射中、溶融したシリコンの凝固時間が36nsとなるので、シリコン酸化膜13と溶融したシリコンとの界面が熱平衡状態となる確率が大きくなり、これらの界面では、界面のエネルギーを最小にするようにして{100}面方位を有するシリコンの結晶22が確率的に発生する。1回のパルス照射が終了すると、シリコンの結晶22が確率的に結合し{100}面方位を有する結晶粒(固相シリコン)23が形成される。このようにして1回のパルス照射(図5(B))により、{100}面方位に優先配向した正方形状の結晶粒23が一部に生じた多結晶シリコンからなる多結晶膜15が形成される(図5(A))。
続いて、多結晶膜15の表面に2回目のパルス照射を行うと、多結晶膜15のうち、1回目のパルス照射により形成された{100}面方位を有する結晶粒23が溶融せずラメラとして残り、それ以外の領域は1回目のパルス照射時と同様にして溶融されて液相シリコン21となる(図3(B))。この液相シリコン21では、界面のエネルギーを最小にするようにして、1 回目のパルス照射時と同様に{100}面方位を有する結晶22が確率的に発生する。2回目のパルス照射が終了すると、1 回目のパルス照射時と同様に、このシリコンの結晶22が確率的に結合し{100}面方位を有する結晶粒23が新たに形成される。
1回目, 2回目のパルス照射と同様にパルス照射を続けていくと、それ以前のパルス照射により形成された{100}面方位の結晶粒23が溶融せずにラメラとなり、それ以外の液相シリコン21において、シリコン酸化膜13と液相シリコン21の間で{100}面方位を有する結晶22が新たに発生する(図3(C))。パルス照射が終了すると、発生したシリコンの結晶22が確率的に結合し、{100}面方位を有する結晶粒23が新たに形成される。このようにパルス照射を繰り返していくと(図6(B))、基板11の垂直方向に対して{100}面方位に優先配向した結晶粒23の数が増大していく(図6(A))。
このようにして、図7(B)に示したようにパルス照射を重ねていき、非晶質膜14に対して150回のパルス照射を行うと、基板11の垂直方向に対して{100}面方位に優先配向された正方形状のシャープな粒界を有する結晶質膜16が形成される(図7(A))。その面配向度は、例えば{100}面方位からのずれが10度以内で80%以上となる。また、結晶質膜16で基板11の面内方向には様々な面方位に配向されている。なお、{100}面方位を有する結晶22を核として横方向の結晶成長も生じるが、この横方向成長は、液相シリコン21における{100}面方位の結晶22の発生による結晶成長と比較して無視できるものである。
このように第1の加熱処理において、基板11の垂直方向に対して{100}面方位を有するシリコンの結晶粒が部分的に溶融すると共に、シリコンの非晶質または{100}以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度となるように、非晶質膜14に対して一様に150回のパルス照射を行うようにしたので、シリコン酸化膜13と液相シリコン21の間で{100}面方位を有する結晶22が新たに発生し、この発生したシリコンの結晶22が確率的に結合し{100}面方位を有するシリコンの結晶粒23が新たに形成されることが選択的に繰り返される。これにより、基板11の垂直方向に対して{100}面方位に優先配向された正方形状の結晶質膜16が形成されると共に、この結晶質膜16ではその結晶粒界がシャープとなる。よって、結晶性の良い結晶質膜16を得ることが可能となる。
また、エキシマレーザを用いて、パルスを照射することによりを加熱処理を施すようにしたので、プラスチック材料やガラス材料からなる基板11を用いても、低温度下で結晶性の良い結晶質膜16を得ることが可能となる。
[第2の加熱処理]
続いて、第1の加熱処理により得られた結晶質膜16に第2の加熱処理を行う。この第2の加熱処理では、図8に示したように、例えば間隔Lでマスクとして回折格子31を設け、この回折格子31の上方から、窒素雰囲気中で例えばXeClエキシマレーザによりエネルギービームE2を複数回照射する。この回折格子31により、図9に示したように、エネルギービームE2を変調し、結晶質膜16に最高温度領域16Hおよびこの最高温度領域16Hよりも低い温度の最低温度領域16Lを有するように選択的に温度分布を形成する。この最低温度領域16Lは、例えば{100}面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度とする。
回折格子31は石英材料により形成されている。この回折格子31は非常に細かい複数の溝を有し、隣接する溝の間隔aは例えば2μmである。このように非常に細かい溝を有しているので、隣接する溝からの回折光同士で干渉が起こる。また、回折格子31により結晶質膜16に形成される干渉パターンのピッチdは、エネルギービームE1が様々な入射角度θで入射したとすると、この入射角度θの項がキャンセルされ、d=a/2と表される。これによって、エネルギービームE2が様々な入射角度θで入射しても、干渉パターンのピッチは入射角度θの大きさの違いにより影響を受けない。
エネルギービームE2の照射強度は、最低温度領域16Lが{100}面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度となるように例えば450mJ/cm2 に設定する。これにより、最低温度領域16Lでは{100}面方位を有する結晶粒の一部がラメラ24として溶け残り固相シリコンとなる。他方、最低温度領域16L以外の領域では{100}面方位を有する結晶粒が完全に溶解し、液相シリコンとなる。このとき、固液界面において、ラメラ24の側面は{111}面を有するが(図10)、このラメラ24の{111}面は最大温度勾配方向を向くので、固液界面の方、すなわち最高温度領域16Hの方に対して{111}面が優先配向される。よって、結晶質膜16の温度分布を適宜変調すると、基板11の面内方向での結晶質膜16の方位を制御することが可能となる。
例えばパルスを直交する二方向に変調する場合には、回折格子31としてマトリクス状に溝が形成されているものを用い、結晶質膜16の直交する二方向に温度分布を形成するようにして、下記条件でパルスレーザビームを照射する。ここで、回折格子のピッチaを、例えば2μmとし、間隔Lを例えば150μmとする。
照射条件
パルス幅 ; 150ns
パルス間隔 ; 0.1s
照射回数 ; 150回
照射強度 ; 約450mJ/cm2
まず、図11(A)に示したように、第1の加熱処理により得られた結晶質膜16を用意する。この結晶質膜16は、基板11の垂直方向には{100}面方位に優先配向され、基板11の面内方向には様々な方位を有している。次に、パルスを直交する二方向に変調することが可能である回折格子を用いて温度分布を形成する。すなわち、その対角線方向のそれぞれに2つの最高温度領域16H2 、計4つの最高温度領域16H2 を形成し、これら最高温度領域16H2 に囲まれる領域に、最低温度領域16L2 を形成する(図11(B))。
このとき、最低温度領域16L2 では上述したような温度としたので、パルスを1回照射すると、基板11の垂直方向に対して{100}面方位を有するラメラ24が溶融せずに残る。このラメラ24は、基板11の垂直方向には{100}面方位が保持された状態で、これら最高温度領域16H2 の方にラメラ24の側面の{111}面が向くようにして回転する(図11(C))。1回のパルス照射後、このラメラ24を核として、結晶が横方向に成長することにより結晶粒が形成される。この結晶粒は、基板11の垂直方向には{100}面方位が優先配向し、基板11の面内方向には{100}面が優先配向されたものである(図12(A), (B))。
引き続き、パルスを繰り返し照射すると、このように面内方向に{100}面が優先配向された結晶粒の数が増大していき、150回のパルス照射を行うと、基板11の垂直方向には{100}面方位が優先配向し、基板11の面内方向には{100}面が優先配向された結晶質膜17Aが形成される。また、基板11の面内方向に{100}面が優先配向されることにより、結晶質膜17Aの結晶粒界が制御される。なお、液相シリコンにおける{100}面方位の核の発生による結晶成長も行われるが、{100}面方位を有する結晶粒を核とした横方向の結晶成長と比較して、この核発生による成長は無視できるものである。
また、例えば、パルスを一方向に変調する場合には、回折格子31として一方向に溝が形成されているものを用い、結晶質膜16の一方向に温度分布を形成するようにして、下記条件でパルスレーザビームを照射する。ここで、回折格子のピッチaを、例えば2μmとし、間隔Lを例えば150μmとする。
照射条件
パルス幅 ; 150ns
パルス間隔 ; 0.1s
照射回数 ; 150回
照射強度 ; 約450mJ/cm2
まず、図13(A)に示したように、結晶質膜16を用意する。次に、回折格子31としてパルスを一方向に変調することが可能であるものを用いて温度分布を形成する。すなわち、一方向に2つの最高温度領域16H1 を形成し、これら最高温度領域16H1 の間の領域に、最低温度領域16L1 を形成する(図13(B))。この最低温度領域16L1 は、{100}面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度とする。
このように最低温度領域16L1 の温度設定をしたので、パルスを1回照射すると、基板11の垂直方向に対して{100}面方位を有するラメラ24が溶融せずに残る。このラメラ24が、基板11の垂直方向には{100}面方位が保持された状態で、これら最高温度領域16H2 の方にラメラ24の側面の{111}面が向くようにして回転する(図13(C))。1回のパルス照射後、このラメラ24を核として、結晶が横方向に成長することにより結晶粒が形成される。この結晶粒は、基板11の垂直方向には{100}面方位が優先配向し、基板11の面内方向には{110}面が優先配向されたものである(図14(A), (B))。
引き続き、パルスを繰り返し照射すると、このように面内方向に{110}面が優先配向された結晶粒の数が増大していき、150回のパルス照射を行うと、基板11の垂直方向には{100}面方位が優先配向し、基板11の面内方向には{110}面が優先配向された結晶質膜17Bが形成される。また、基板11の面内方向に{110}面が優先配向されることにより、結晶質膜17Bの結晶粒界が制御される。なお、液相シリコンにおける{100}面方位の核の発生による結晶成長も行われるが、{100}面方位を有する結晶粒を核とした横方向の結晶成長と比較して、この核発生による成長は無視できるものである。
このように第2の加熱処理において、マスクとして回折格子31を用い、この回折格子31の上方から、エネルギービームE2を150回照射することにより、結晶質膜16に最高温度領域16Hおよび最低温度領域16Lを有するように選択的に温度分布を形成し、この最低温度領域16Lを{100}面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度とするようにした。これにより、パルスを照射したときに発生するラメラ24が、基板11の垂直方向には{100}面方位が保持された状態で、これら最高温度領域16Hの方にラメラ24の側面の{111}面が向くようにして回転する。このラメラ24を結晶核として、結晶が横方向に成長することにより、基板11の垂直方向には{100}面方位が優先配向し、面内方向の面方位も制御された結晶質膜17Aまたは結晶質膜17Bが形成される。従って、基板11に垂直な方向に対して、{100}面方位に優先配向されるだけでなく、基板11の面内方向の配向も制御され、これにより結晶粒界が制御される。従って、結晶性のより良い結晶質膜17Aまたは結晶質膜17Bを得ることが可能となる。
また、エキシマレーザを用いて、パルスを照射することによりを加熱処理を施すようにしたので、プラスチック材料やガラス材料からなる基板を用いても、低温度下で結晶性の良い結晶質膜17A, 17Bを得ることが可能となる。
このようにして結晶質膜17A, 17Bを形成した後、一般的な手法により、TFTの形成工程や液晶表示素子の製造工程などを行う。これらの工程は、素子分離後におけるゲート酸化膜の形成、ゲート電極形成後におけるソース領域およびドレイン領域の形成、層間絶縁膜の形成、コンタクトホールの形成、メタル配線、ITO(Indium-Tin Oxide: インジウムと錫の酸化物混合膜)の形成、液晶の封入などの工程である。これにより、本実施の形態に係る多結晶膜の製造方法および半導体装置の製造方法に関する工程が終了し、図1に示した半導体装置が形成される。
このように本実施の形態によれば、第1の加熱処理において、基板11の面内の垂直方向に対して、{100}面方位を有するシリコンの結晶粒が部分的に溶融すると共に、シリコンの非晶質または{100}面方位以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度で、非晶質膜14または多結晶膜15に対して一様に複数回の加熱処理を施すことにより、基板11の垂直な方向に対して{100}面方位に優先配向され、正方形状のシャープな結晶粒界を有する良質な結晶質膜16を形成することができる。例えば、基板11の垂直方向に対して、例えば{100}面方位からのずれが10度以内で80%以上の{100}面方位に優先配向させることが可能となる。特に、XeClエキシマレーザを用いて、パルスを照射することにより加熱処理を施すようにしたので、プラスチック材料やガラス材料からなる基板を用いて、低温度下で結晶性の良い結晶質膜16を形成することが可能となり、これにより製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施の形態では、第2の加熱処理において、第1の加熱処理により形成された結晶質膜16に、回折格子31を用いて、最高温度領域16Hおよびこの最高温度領域16Hよりも低い温度の最低温度領域16Lを有するように選択的に温度分布を形成すると共に、最低温度領域16Lにおいて{100}面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度で、複数回の加熱処理を施すようにしたので、基板11の垂直な方向に対して{100}面方位の優先配向を保持した状態で、基板11の面内方向の結晶粒界を制御すると共に、その結晶粒の面内配向も制御することが可能となる。例えば、直交する二方向に温度変調が可能な回折格子を用いると、基板11の垂直な方向に対して{100}面方位に優先配向され、基板11の面内方向には{100}面が優先配向された結晶質膜17Aを形成することができる。また、一方向に温度変調が可能な回折格子を用いると、基板11の垂直な方向に対して{100}面方位に優先配向され、基板11の面内方向には{110}面が優先配向された結晶質膜17Bを形成することができる。従って、この結晶性のより良い結晶質膜17Aまたは結晶質膜17BをTFT等の半導体素子の形成に用いることにより、半導体素子の均一化および高性能化を図ることが可能となる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、第1の加熱処理では、パルスの照射回数を150回、照射強度を450mJ/cm2 、およびパルス幅を150nsとしたが、非晶質膜14(多結晶膜15、結晶質膜16)において、基板11の面内の垂直方向に対して例えば{100}面方位を有するシリコンの結晶粒が部分的に溶融すると共に、シリコンの非晶質または{100}面方位以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度となるように、パルスの照射回数、照射強度およびパルス幅のそれぞれを調整することが可能である。
また、上記実施の形態では、第2の加熱処理では、パルスの照射回数を150回、照射強度を450mJ/cm2 、およびパルス幅を150nsとしたが、結晶質膜17A, 17Bの低温領域において{100}面方位を有する前記結晶粒が部分的に溶融する温度となるように、パルスの照射回数、照射強度およびパルス幅のそれぞれを調整することが可能である。
また、上記実施の形態では、第1の加熱処理および第2の加熱処理で、XeClエキシマレーザを用いてエネルギービームE1を照射するようにしたが、一般的な汎用の電気加熱炉(拡散炉)もしくはランプなどの他の方法により加熱するようにしてもよい。また、パルスレーザとしてXeClエキシマレーザを用いたが、XeClエキシマレーザ以外のレーザを用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第1の加熱処理または第2の加熱処理により、基板11の垂直方向に対して{100}面方位に優先配向した正方形状のほぼ単結晶よりなる結晶粒の群が碁盤目状に配列された準単結晶よりなる結晶質膜16, 17A, 17Bを形成する場合について説明したが、他の面方位に優先配向している結晶質膜16, 17A, 17Bを形成するようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、シリコンよりなる結晶質膜16,17A,17B、すなわち結晶性半導体材料を製造する場合について説明したが、本発明は、他の結晶性半導体材料を製造する場合についても同様に適用することができる。特に、ダイアモンド型結晶構造を有する他の共有結合型半導体、典型的には他のIV族半導体よりなる結晶質半導体材料を製造する場合は、上記実施の形態と全く同様である。なお、IV族半導体には、シリコン,ゲルマニウム(Ge),炭素(C)などの元素半導体のほか、シリコン,ゲルマニウムおよび炭素からなる群より選ばれた少なくとも1種からなる半導体、例えばSiGeあるいはSiCがある。
また、上記実施の形態では、結晶質膜17Aまたは結晶質膜17Bを形成した後、一般的な手法により、TFTの形成工程や液晶表示素子の製造工程などを行うようにしたが、結晶質膜16を形成した後にTFTの形成工程や液晶表示素子の製造工程などを行うようにしてもよい。従って、この結晶性の良い結晶質膜16をTFT等の半導体素子の形成に用いることにより、半導体素子の均一化および高性能化を図ることが可能となる。
更に、上記実施の形態では、本発明の半導体装置として液晶表示装置100を具体例に挙げて説明したが、本発明は、太陽電池等の他の半導体素子を備えた半導体装置にも適用することができる。
〔実施例〕
図15(A)は、以下の条件で第1の加熱処理を施すことにより得られた結晶質膜のSEM(Scanning Electron Microscope) 写真である。図15(B), (C)は、それぞれND(Normal Direction)方向およびRD(Rolling Direction )方向のEBSP(Electron Back Scattering Pattern)写真である。図16は、150回のパルス照射を行った後の、ガラス基板の垂直方向に対する{100}面方位の配向度を表したものである。図17は、200回のパルス照射を行った後の、ガラス基板の垂直方向に対する{100}面方位の配向度を表したものである。なお、図18は、図15に示したND方向(ガラス基板の垂直方向)、RD方向(ガラス基板の面内方向)を説明するための図である。なお、SEM写真は、セコエッチング(Secco etching )を施した結晶質膜のものである。セコエッチングとは、欠陥の存在する領域のエッチング速度が、他の完全な領域のそれとは異なるという性質を利用して、結晶質膜の粒界を明確にすることである。ここでは、エッチング溶液として、ニクロム酸カリウム(K2 Cr2 7 )、フッ化水素(HF)、および水(H2 O)のそれぞれを含む比率が、1:2:9である水溶液を使用した。
試料構造
非晶質シリコン膜(膜厚40nm)/SiO2 膜(膜厚120nm)/SiNx膜(膜厚50nm)/ガラス基板
照射条件
パルス幅 ; 150ns
パルス間隔 ; 0.1s
照射回数 ; 150回
照射強度 ; 約450mJ/cm2
これにより第1の加熱処理において、非晶質シリコン膜が結晶化し、ガラス基板の垂直方向に対して{100}面方位に優先配向された結晶質膜が形成されることがわかる。この{100}面方位の配向度は、{100}面方位からのずれが10度以内で83%となることがわかる。更に、パルス照射回数を200回まで上げると、{100}面方位の配向度は、{100}面方位からのずれが10度以内で96.4%まで上げることができることがわかる。また、ガラス基板の面内方向では結晶粒が様々な方位を向いていることがわかる。
ちなみに、図19(A), (B)は、パルスを50回, 100回, 150回照射した試料のX線解析の一部を表したものである。図19において、(A)は(100)ピークを表し、(B)は(111)ピークを表している。図19(C)は、パルスを150回照射した試料でのX線解析の全体を表したものである。これにより、パルス照射の回数の増大に伴い、{100}面方位を有するシリコンのピークが大きくなっていき、その一方で{111}面方位を有するシリコンのピークが小さくなっていくことがわかる。
図20は、第1の加熱処理の後、パルスを一方向に変調することが可能である回折格子を用い、以下の条件で第2の加熱処理を施すことにより得られた結晶質膜のEBSP写真である。この写真はガラス基板の面内方向に対するものである。これにより、ガラス基板の垂直方向には{100}面方位が優先配向された状態で、ガラス基板の面内方向には{110}面が優先配向されることがわかる。
照射条件
パルス幅 ; 150ns
パルス間隔 ; 0.1s
照射回数 ; 150回
照射強度 ; 約450mJ/cm2
このようにして第1の加熱処理の後、パルスを一方向に変調することが可能である回折格子を用いて第2の加熱処理を施すことにより、ガラス基板の垂直方向には{100}面方位が優先配向されると共に、ガラス基板の面内方向には{110}面が優先配向されることがわかる。
図21は、このようにして得られた結晶質膜のSEM写真である。これにより、第1の加熱処理および第2の加熱処理を施すことにより結晶質膜の結晶粒界も制御されていることがわかる。なお、SEM写真は、セコエッチングを施した後の結晶質膜のものである。
本発明の一実施の形態に係る方法を用いて製造される液晶表示装置の構造を模式的に表したブロック図である。 本発明の一実施の形態に用いる試料構造を表すものである。 第1の加熱処理を説明するための断面図である。 図2に示したパルスレーザのパルスの概形を表すものである。 図2に示した工程を説明するための平面図である。 図2に示した工程を説明するための平面図である。 図2に示した工程を説明するための平面図である。 第2の加熱処理を説明するための断面図である。 図8に示した回折格子を説明するための断面図である。 第2の加熱処理で形成されるラメラの模式図である。 第2の加熱処理を説明するための模式図である。 図11に続く第2の加熱処理を説明するための模式図である。 第2の加熱処理を説明するための模式図である。 図13に続く第2の加熱処理を説明するための模式図である。 第1の加熱処理後を施した試料のSEM写真およびEBSP写真である。 第1の加熱処理を施した試料の結晶の配向度を表すものである。 第1の加熱処理を施した試料の結晶の配向度を表すものである。 第1の加熱処理を施した試料の結晶の配向を説明するためのものである。 第1の加熱処理を施した試料をX線解析したものを表すものである。 第2の加熱処理を施した試料のEBSP写真である。 第2の加熱処理を施した試料のSEM写真である。
符号の説明
11… 基板、12… シリコン窒化膜、13… シリコン酸化膜、14… 非晶質膜、15… 多結晶膜、16, 17A, 17B… 結晶質膜、16H, 16H1,16H2 … 最高温度領域、16L, 16L1,16L2 … 最低温度領域、21… 液相シリコン、22… 結晶、23… 結晶粒、24… ラメラ、31… 回折格子、E1,E2…エネルギービーム

Claims (22)

  1. 半導体単結晶の複数の結晶粒からなる結晶質半導体材料の製造方法であって、
    基板上に、前記半導体の非晶質材料または前記半導体の多結晶材料を形成する第1の工程と、
    前記基板面の垂直方向に対して特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融すると共に、前記半導体の非晶質または前記面方位以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度で、前記非晶質材料または前記多結晶材料に対して一様に複数回の加熱処理を施すことにより第1結晶質材料を形成する第2の工程と、
    前記第1結晶質材料に、高温領域および前記高温領域よりも低い温度の低温領域を有するように選択的に温度分布を形成すると共に、前記低温領域において前記面方位を有する前記結晶粒が部分的に溶融する温度で、複数回の加熱処理を施すことにより第2結晶質材料を形成する第3の工程とを含み、
    前記加熱処理を、パルスレーザからエネルギービームを照射することにより行う
    ことを特徴とする結晶質半導体材料の製造方法。
  2. 前記半導体は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)および炭素(C)のうちの少なくとも一種からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  3. 前記基板と前記非晶質材料または前記多結晶材料との間にシリコン酸化膜を形成する
    ことを特徴とする請求項2記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  4. 前記面方位を{100}面とする
    ことを特徴とする請求項3記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  5. 前記第2の工程において、前記非晶質材料または前記多結晶材料にパルスレーザを照射することにより加熱処理を施す
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  6. 前記パルスレーザをエキシマレーザとする
    ことを特徴とする請求項5記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  7. 前記パルスのパルス幅を150nsとする
    ことを特徴とする請求項6記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  8. 前記パルスを10回以上400回以下照射する
    ことを特徴とする請求項7記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  9. 前記第3の工程において、エネルギービームを一方向に変調させることにより前記温度分布を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  10. 前記第3の工程において、エネルギービームを直交する二方向に変調させることにより前記温度分布を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  11. 前記第3の工程において、エネルギービームを回折格子に照射することにより温度分布を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  12. 前記パルスレーザをエキシマレーザとする
    ことを特徴とする請求項記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  13. 前記基板を、ガラス材料またはプラスチック材料により形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶質半導体材料の製造方法。
  14. 半導体単結晶の複数の結晶粒からなる半導体装置の製造方法であって、
    基板上に、前記半導体の非晶質からなる非晶質材料または多結晶材料を形成する第1の工程と、
    前記基板面の垂直方向に対して、特定の面方位を有する結晶粒が部分的に溶融すると共に、前記半導体の非晶質または前記面方位以外の面方位を有する結晶粒が溶融する温度で、前記非晶質材料または前記多結晶材料に対して一様に複数回の加熱処理を施すことにより第1結晶質材料を形成する第2の工程と、
    前記第1結晶質材料に、高温領域および前記高温領域よりも低い温度の低温領域を有するように選択的に温度分布を形成すると共に、前記低温領域において前記面方位を有する結晶粒が部分的に溶融する温度で、複数回の加熱処理を施すことにより第2結晶質材料を形成する第3の工程とを含み、
    前記加熱処理を、パルスレーザからエネルギービームを照射することにより行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 前記半導体は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)および炭素(C)のうちの少なくとも1種からなる
    ことを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記基板と前記非晶質材料または前記多結晶材料との間にシリコン酸化膜を形成する
    ことを特徴とする請求項15記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記面方位を{100}面とする
    ことを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記第3の工程において、エネルギービームを一方向に変調させることにより前記温度分布を形成する
    ことを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記第3の工程において、エネルギービームを直交する二方向に変調させることにより前記温度分布を形成する
    ことを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
  20. 前記第3の工程において、エネルギービームを回折格子に照射することにより温度分布を形成する
    ことを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
  21. 前記第2の工程において、パルスレーザとしてエキシマレーザを用いて、前記非晶質材料または前記多結晶材料を照射することにより加熱処理を施す
    ことを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
  22. 前記第3の工程において、パルスレーザとしてエキシマレーザを用いて、前記第1結晶質材料を照射することにより加熱処理を施す
    ことを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
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