JP2004072086A - レーザー照射方法及びレーザー照射装置 - Google Patents

レーザー照射方法及びレーザー照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板処理の効率を高めることができ、また基板への熱的ダメージを抑えることができるレーザー結晶化法、及び該レーザー結晶化法を用いたレーザー照射装置の提供を課題とする。
【解決手段】複数のレーザー発振装置から発振されたレーザー光を合成することで1つのレーザー光を得て、その得られたレーザー光の走査方向においてエネルギー密度が所定の高さに満たない領域をスリットでカットする。上記構成により、走査方向におけるレーザー光のエネルギー密度の平均値を高めることができ、面積あたりのレーザー光の照射時間を抑え、なおかつ被処理物に与えるトータルの熱量を高めることができる。よって、基板が加熱されるのを抑えつつ、半導体膜の結晶性を高めることができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体膜をレーザー光を用いて結晶化又はイオン注入後の活性化をするレーザー照射装置及びレーザー照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、基板上にTFTを形成する技術が大幅に進歩し、アクティブマトリクス型の半導体表示装置への応用開発が進められている。特に、多結晶半導体膜を用いたTFTは、従来の非晶質半導体膜を用いたTFTよりも電界効果移動度(モビリティともいう)が高いので、高速動作が可能である。そのため、従来基板の外に設けられた駆動回路で行っていた画素の制御を、画素と同一の基板上に形成した駆動回路で行うことが可能である。
【0003】
ところで半導体装置に用いる基板は、単結晶シリコン基板よりもガラス基板が、コストの面から有望視されている。一般的にガラス基板は耐熱性に劣り、熱変形しやすいため、ガラス基板上にポリシリコンTFTを形成する場合には、ガラス基板の熱変形を避けるために、半導体膜の結晶化にレーザーアニールが用いられる。
【0004】
レーザーアニールの特徴は、輻射加熱或いは伝導加熱を利用するアニール法と比較して処理時間を大幅に短縮できることや、半導体又は半導体膜を選択的、局所的に加熱するため、基板に熱的ダメージを与えにくいことなどが上げられている。
【0005】
なお、ここでいうレーザーアニール法とは、半導体基板又は半導体膜に形成された損傷層を再結晶化する技術や、基板上に形成された半導体膜を結晶化させる技術を指している。また、半導体基板又は半導体膜の平坦化や表面改質に適用される技術も含んでいる。適用されるレーザー発振装置は、エキシマレーザーに代表される気体レーザー発振装置、YAGレーザーに代表される固体レーザー発振装置であり、レーザー光の照射によって半導体の表面層を数十ナノ〜数十マイクロ秒程度のごく短時間加熱して結晶化させるものとして知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
レーザーはその発振方法により、パルス発振と連続発振の2種類に大別される。パルス発振のレーザーは出力エネルギーが比較的高いため、レーザー光(被処理物の表面において実際にレーザー光が照射される領域)の大きさを数cm以上として量産性を上げることができる。特に、レーザー光の形状を光学系を用いて加工し、長さ10cm以上の線状にすると、基板へのレーザー光の照射を効率的に行うことができ、量産性をさらに高めることができる。そのため、半導体膜の結晶化には、パルス発振のレーザーを用いるのが主流となりつつあった。
【0007】
ところが近年、半導体膜の結晶化においてパルス発振のレーザーよりも連続発振のレーザーを用いる方が、半導体膜内に形成される結晶の粒径が大きくなることが見出された。半導体膜内の結晶粒径が大きくなると、該半導体膜を用いて形成されるTFTの移動度が高くなる。そのため、連続発振のレーザーはにわかに脚光を浴び始めている。
【0008】
しかし、一般的に連続発振のレーザーは、パルス発振のレーザーに比べてその最大出力エネルギーが小さい。レーザー光のサイズを10−3mm程度と小さくすれば、半導体膜の結晶化に必要な所望のパワーが得られる。しかし、レーザー光の面積が小さい分、1枚の基板あたりのレーザー光の走査時間が長くなり、基板処理の効率が悪い。
【0009】
逆に、基板の処理効率を高めるためにレーザー光の面積を大きくすると、当然ながらエネルギー密度は低くなる。そして、結晶化に必要なトータルの熱量を半導体膜に与えるためには、照射時間を長くする必要が生じ、基板における面積あたりのレーザー光の照射時間が長くなる。すると、レーザー光の半導体膜への吸収から熱伝導によって基板が加熱され、基板自体が熱変形したり、ガラス基板から半導体膜への不純物の拡散によりTFTの特性を劣化させやすくなる。また基板が加熱されると、基板に溜まった熱により半導体膜の結晶性が均一になりずらく、TFTの特性にばらつきが生じやすくなる。
【0010】
本発明は上述した問題に鑑み、従来に比べて基板処理の効率を高めることができ、また基板への熱的ダメージを抑えることができるレーザー結晶化法、及び該レーザー結晶化法を用いたレーザー照射装置の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のレーザー照射装置は、レーザー光を発振する複数の第1の手段(レーザー発振装置)と、前記複数のレーザー発振装置から発振されたレーザー光を集光し、なおかつ被処理物におけるレーザー光を互いに一部重ね合わせて合成する第2の手段(光学系)と、前記合成されたレーザー光の一部を遮蔽することができるスリットと、前記スリットを介して照射された、被処理物におけるレーザー光の位置を制御する第3の手段と、を有している。さらに本発明は、前記複数の各第1の手段の発振を制御し、なおかつ前記スリットにより形状が制御されたレーザー光の被処理物における位置を、前記複数のレーザー発振装置と前記第3の手段を同期させることで制御する第4の手段を有していても良い。
【0012】
複数のレーザー発振装置から発振されたレーザー光を合成することで、各レーザー光のエネルギー密度の弱い部分を補い合うことができる。よって、複数の各レーザー発振装置から発せられるレーザー光を合成せずにそれぞれ単独で用いるよりも、レーザー光のうち、結晶化に必要な程度のエネルギー密度を有する領域が広がり、基板の処理効率を高めることができる。
【0013】
さらに本発明ではスリットを用いて、合成されたレーザー光のうち、走査方向においてエネルギー密度が所定の高さに満たない領域をカットする。上記構成により、走査方向におけるレーザー光のエネルギー密度の平均値を高めることができ、面積あたりのレーザー光の照射時間を抑え、なおかつ被処理物に与えるトータルの熱量を高めることができる。よって、基板が加熱されるのを抑えつつ、半導体膜の結晶性を高めることができる。
【0014】
また半導体膜を成膜した後、大気に曝さないように(例えば希ガス、窒素、酸素等の特定されたガス雰囲気または減圧雰囲気にする)レーザー光の照射を行い、半導体膜を結晶化させても良い。上記構成により、クリーンルーム内における分子レベルでの汚染物質、例えば空気の清浄度を高めるためのフィルター内に含まれるボロン等が、レーザー光による結晶化の際に半導体膜に混入するのを防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のレーザー照射装置の構成について図1を用いて説明する。101はレーザー発振装置である。図1では4つのレーザー発振装置を用いているが、本発明のレーザー照射装置が有するレーザー発振装置は複数であれば良く、この数に限定されない。
【0016】
レーザーは、処理の目的によって適宜変えることが可能である。本発明では、公知のレーザーを用いることができる。また、連続発振に限定されずパルス発振でも用いることができ、気体レーザーでも固体レーザーであっても良い。気体レーザーとして、エキシマレーザー、Arレーザー、Krレーザーなどがあり、固体レーザーとして、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイアレーザー、Yなどが挙げられる。固体レーザーとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti、Yb又はTmがドーピングされたYAG、YVO、YLF、YAlOなどの結晶を使ったレーザーが適用される。当該レーザーの基本波はドーピングする材料によって異なり、1μm前後の基本波を有するレーザー光が得られる。基本波に対する高調波は、非線形光学素子を用いることで得ることができる。
【0017】
またさらに、固体レーザーから発せられた赤外レーザー光を非線形光学素子でグリーンレーザー光に変換後、さらに別の非線形光学素子によって得られる紫外レーザー光を用いることもできる。
【0018】
なお、レーザー発振装置101は、チラー102を用いてその温度を一定に保つようにしても良い。チラー102は必ずしも設ける必要はないが、レーザー発振装置101の温度を一定に保つことで、出力されるレーザー光のエネルギーが温度によってばらつくのを抑えることができる。
【0019】
また104は光学系であり、レーザー発振装置101から出力された光路を変更したり、そのレーザー光の形状を加工したりして、レーザー光を集光することができる。さらに、本発明の光学系104で重要なのは、複数のレーザー発振装置101から出力されたレーザー光のレーザー光を互いに一部を重ね合わせて合成することができることである。
【0020】
なお、レーザー光の進行方向を変えることができるAO変調器103を、被処理物である基板106とレーザー発振装置101との間の光路に設けても良い。
【0021】
合成されたレーザー光は、スリット105を介して被処理物である基板106に照射される。スリット105は、レーザー光を部分的に遮ることが可能であり、なおかつレーザー光によって変形または損傷しないような材質で形成するのが望ましい。スリット105はレーザー光を通す開口部の幅(以下、スリットの幅と呼ぶ)が可変であっても良く、該スリットの幅によってレーザー光の走査方向の幅を制御することができる。
【0022】
なお、スリット105を介さない場合の、レーザー発振装置101から発振されるレーザー光の基板106におけるレーザー光の形状は、レーザーの種類によって異なり、また光学系により成形することもできる。
【0023】
基板106はステージ107上に載置されている。図1では、位置制御手段108、109が、被処理物におけるレーザー光の位置を制御する手段に相当し、ステージ107の位置が、位置制御手段108、109によって制御されている。図1では位置制御手段108、109を用いて基板の位置を変えることで、レーザー光を移動(走査)させたり、レーザー光の走査方向を変えたりすることができる。位置制御手段108がX方向におけるステージ107の位置の制御を行っており、位置制御手段109はY方向におけるステージ107の位置制御を行う。
【0024】
また本発明のレーザー照射装置は、中央演算処理装置及びメモリ等の記憶手段を兼ね備えたコンピューター110を有していても良い。コンピューター110は、レーザー発振装置101の発振を制御し、なおかつ位置制御手段108、109を制御し、基板を所定の位置に定めることができる。コンピューター110によって、該スリット105の幅を制御するようにしても良い。
【0025】
さらに本発明のレーザー照射装置は、被処理物の温度を調節する手段を備えていても良い。また、レーザー光は指向性およびエネルギー密度の高い光であるため、ダンパーを設けて、反射光が不適切な箇所に照射されるのを防ぐようにしても良い。ダンパーは、反射光を吸収させる性質を有していることが望ましく、ダンパー内に冷却水を循環させておき、反射光の吸収により隔壁の温度が上昇するのを防ぐようにしても良い。また、ステージ107に基板を加熱するための手段(基板加熱手段)を設けるようにしても良い。
【0026】
また基板106の位置合わせのために、CCDカメラ113を1台、場合によっては数台設けるようにしても良い。
【0027】
次に、複数のレーザー光を重ね合わせることで合成される、レーザー光の形状について説明する。
【0028】
図2(A)に、合成前のレーザー光の形状の一例を示す。図2(A)に示したレーザー光は楕円形状を有している。なお本発明のレーザー照射装置において、レーザー光の形状は楕円に限定されない。レーザー光の形状はレーザーの種類によって異なり、また光学系により成形することもできる。例えば、ラムダ社製のXeClエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅30ns)L3308から射出されたレーザー光の形状は、10mm×30mm(共にビームプロファイルにおける半値幅)の矩形状である。また、YAGレーザーから射出されたレーザー光の形状は、ロッド形状が円筒形であれば円状となり、スラブ型であれば矩形状となる。このようなレーザー光を光学系により、さらに成形することにより、所望の大きさのレーザー光をつくることもできる。
【0029】
図2(B)に図2(A)に示したレーザー光の長軸Y方向におけるレーザー光のエネルギー密度の分布を示す。レーザー光が楕円形状であるレーザー光のエネルギー密度の分布は、楕円の中心Oに向かうほど高くなっている。
【0030】
次に、レーザー光を合成したときの、レーザー光の形状を、図2(C)に示す。なお図2(C)では4つのレーザー光のレーザー光を重ね合わせることで1つのレーザー光を形成した場合について示しているが、重ね合わせるレーザー光の数はこれに限定されない。
【0031】
図2(C)に示すように、各レーザー光のレーザー光は、各楕円の長軸が一致し、なおかつ互いにレーザー光の一部が重なることで合成され、1つのレーザー光を形成している。なお以下、各楕円の中心Oを結ぶことで得られる直線を中心軸と呼ぶ。
【0032】
図2(D)に、図2(C)に示した合成後のレーザー光の、中心軸方向におけるレーザー光のエネルギー密度の分布を示す。合成前の各レーザー光が重なり合っている部分において、エネルギー密度が加算される。例えば図示したように重なり合ったビームのエネルギー密度AとBを加算すると、ビームのエネルギー密度のピーク値Cとほぼ等しくなり、各楕円の中心Oの間においてエネルギー密度が平坦化される。
【0033】
なお、AとBを加算するとCと等しくなるのが理想的だが、現実的には必ずしも等しい値にはならない。AとBを加算した値とCとの値のずれは、Cの値の±10%、より望ましくは±5%以内であると良いが、許容範囲は設計者が適宜設定することが可能である。
【0034】
図2(D)からわかるように、複数のレーザー光を重ね合わせてエネルギー密度の低い部分を互いに補い合うようにすることで、複数のレーザー光を重ね合わせないで単独で用いるよりも、半導体膜の結晶性を効率良く高めることができる。例えば図2(A)の斜線で示した領域においてのみ、所望の結晶を得るために必要なエネルギー密度を満たしており、その他の領域ではエネルギー密度が所望の値まで満たされていなかったと仮定する。この場合、各レーザー光は、中心軸方向の幅がmで示される斜線の領域でしか、所望の結晶を得ることができない。しかし、レーザー光を図2(D)で示したように重ね合わせることで、中心軸方向の幅がn(n>4m)で示される領域において所望の結晶を得ることができ、より効率良く半導体膜を結晶化させることができる。
【0035】
さらに本発明では、レーザー光の中心軸に対し垂直な方向において、エネルギー密度が所望の値まで達していない領域を、スリット105によって遮蔽する。図3を用いて、合成されたレーザー光とスリットとの位置関係について説明する。
【0036】
本発明で用いられるスリット105は、スリットの幅を可変とし、さらにその幅をコンピューター110によって制御するようにしても良い。図3(A)において、120は図2(C)に示した合成により得られるレーザー光の形状を示している。またレーザー光120のうち、エネルギー密度が所定の値を満たしている領域を120aで示し、達していない領域を120bで示した。105はスリットを示しており、図3(A)では、レーザー光120がスリットによって遮蔽されていない様子を示している。
【0037】
図3(B)に、スリット105によって一部が遮蔽されたレーザー光の様子を示す。図3(B)に示すように本発明では、レーザー光120の中心軸の垂直方向において、領域120aを挟んで存在する領域120bを、スリット105によって遮蔽する。そして図3(C)は図3(B)に示したレーザー光の中心軸に垂直なA−A’におけるエネルギー密度の分布を示しており、少なくともエネルギー密度が所定の高さ(例えばT)に達していない領域が、スリット105によって遮蔽されているのがわかる。
【0038】
上記構成により、中心軸の垂直方向におけるレーザー光のエネルギー密度の平均値を高めることができ、被処理物の任意の点におけるレーザー光の照射時間を抑えることができる。よって、基板が加熱されるのを抑えつつ、半導体膜の結晶性を高めることができる。
【0039】
なお、本発明ではさらに、レーザー光の中心軸方向において、領域120aを挟んで存在する領域120bを、スリット105によって遮蔽するようにしても良い。図4(A)に、スリット105によってレーザー光の中心軸方向において、領域120aを挟んで存在する領域120bを遮蔽した様子を示す。さらに、図4(B)に、図4(A)に示したレーザー光の、中心軸方向におけるエネルギー密度の分布を示す。図4(B)に示すように、少なくともエネルギー密度が所定の高さ(例えばT)を満たしていない領域が、スリット105によって遮蔽されているのがわかる。
【0040】
エネルギー密度の低い領域により結晶化された半導体膜は、結晶性が芳しくない。具体的には、所定のエネルギー密度が満たされている領域と比べて、結晶粒が小さかったり、結晶粒の成長する方向が異なっていたりする。よってエネルギー密度の低い領域が、後に形成される活性層と重ならないように、レーザー光の走査経路及び活性層のレイアウトを決める必要がある。図4(B)に示したエネルギー密度の分布を有するレーザー光を用いることで、エネルギー密度の低い領域が存在しなくなる、または狭くなるので、レーザー光の走査経路及び活性層のレイアウトにおける制約を小さくすることができる。
【0041】
また、レーザー発振装置の出力を止めることなく、エネルギー密度を一定にしたままレーザー光の形状を変えることができるので、レーザー光のエッジが、活性層もしくはそのチャネル形成領域と重なるのを防ぐことができる。また不必要な部分にレーザー光を照射し、基板にダメージが与えられるのを防ぐことができる。
【0042】
次に、図5(A)を用いて、アクティブマトリクス型の半導体装置を作製するために成膜された半導体膜150における、レーザー光の走査方向について説明する。図5(A)では、破線に囲まれた領域151が画素部、領域152が信号線駆動回路、領域153が走査線駆動回路の形成される部分に相当する。
【0043】
図5(A)では、基板が白抜きの矢印の方向に移動しており、実線の矢印はレーザー光の相対的な走査方向を示している。図5(B)は、画素部が形成される部分151におけるレーザー光154の拡大図である。レーザー光が照射された領域に活性層155が形成される。
【0044】
なお、図5ではレーザー光の中心軸方向と走査方向とが垂直に保たれている場合について示したが、レーザー光の中心軸と走査方向とは必ずしも垂直になっていなくとも良い。例えば、レーザー光の中心軸と、走査方向との間に形成される鋭角θが45°±35°となるようにし、より望ましくは45°となるようにしてもよい。レーザー光の中心軸と、走査する方向とが垂直の場合、最も基板の処理効率が高まる。一方合成後のレーザー光の中心軸と、走査する方向とが45°±35°となるように、望ましくは45°により近い値になるように走査することで、走査する方向とレーザー光の中心軸とが垂直になるように走査した場合に比べて、活性層中に存在する結晶粒の数を意図的に増やすことができ、結晶の方位や結晶粒に起因する特性のばらつきを低減することができる。
【0045】
さらに本発明では、図1のコンピューター110において、マスクのパターン情報に従い、レーザー光を走査する部分を定めるようにしても良い。この場合、コンピューター110では、定められた走査する部分にレーザー光があたるように、位置制御手段108、109を制御して、半導体膜を部分的に結晶化する。これにより必要不可欠な部分を最低限結晶化できるようにレーザー光を走査することができるので、基板全面にレーザー光を照射する必要がなくなり、基板の処理効率を高めることができる。
【0046】
なお、結晶化後の半導体膜をTFTの活性層として用いる場合、レーザー光の走査方向は、チャネル形成領域のキャリアが移動する方向と平行になるように定めるのが望ましい。
【0047】
図6を用いて、アクティブマトリクス型の半導体装置を作製するために成膜された半導体膜に照射されるレーザー光の走査方向と、各回路における活性層のレイアウトとの関係の一例について説明する。
【0048】
図6において、基板上に半導体膜850が成膜されている。破線853で囲まれた部分は画素部が形成される部分であり、画素部に複数の活性層となる部分856が設けられている。破線854で囲まれた部分は信号線駆動回路が形成される部分であり、信号線駆動回路に複数の活性層となる部分857が設けられている。破線855で囲まれた部分は走査線駆動回路が形成される部分であり、走査線駆動回路に複数の活性層となる部分858が設けられている。
【0049】
なお、各回路が有する活性層となる部分856、857、858は、実際には数十μm単位の大きさであり、図6に示すよりも小さいサイズであるが、ここでは図を分かり易くするためにあえて大きく図示した。各回路が有する活性層となる部分856、857、858は、チャネル形成領域のキャリアが移動する方向が、一定の方向に揃うようにレイアウトされている。
【0050】
レーザー光照射により結晶化される部分851は、全ての活性層となる部分856、857、858を覆っている。またレーザー光の移動方向は、チャネル形成領域のキャリアが移動する方向と揃っている。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0052】
(実施例1)
レーザー光を照射して形成される結晶質半導体膜は、複数の結晶粒が集合して形成されている。その結晶粒の位置と大きさはランダムなものであり、結晶粒の位置や大きさを指定して結晶質半導体膜を形成する事は難しい。そのため前記結晶質半導体を島状にパターニングすることで形成された活性層中には、結晶粒の界面(粒界)が存在することがある。
【0053】
結晶粒内と異なり、粒界には非晶質構造や結晶欠陥などに起因する再結合中心や捕獲中心が無数に存在している。この捕獲中心にキャリアがトラップされると、粒界のポテンシャルが上昇し、キャリアに対して障壁となるため、キャリアの電流輸送特性を低下させることが知られている。よって、TFTの活性層、特にチャネル形成領域中に粒界が存在すると、TFTの移動度が著しく低下したり、また粒界において電流が流れるためにオフ電流が増加したりと、TFTの特性に重大な影響を及ぼす。また同じ特性が得られることを前提に作製された複数のTFTにおいて、活性層中の粒界の有無によって特性がばらついたりする。
【0054】
半導体膜にレーザー光を照射したときに、得られる結晶粒の位置と大きさがランダムになるのは、以下の理由による。レーザー光の照射によって溶融した液体半導体膜は、その膜内において固体と液体の界面が、比較的温度の低い領域から温度の高い領域へ、時間の経過と共に移動することで、結晶化が進む。そして半導体膜全面にレーザ光を照射した場合、膜表面に対して水平方向(以下、ラテラル方向と呼ぶ)において半導体膜の温度は比較的均一であるが、膜厚方向においては表面に近いほど温度が高くなるような温度勾配が生じる。このため、半導体膜の表面から遠くて比較的温度の低い領域に存在する結晶核から、それぞれ固体と液体の界面が表面に向かって移動することで結晶が成長する。この結晶核の存在する位置はラテラル方向において無作為であり、また互いの結晶粒がぶつかり合ったところで結晶成長が終了するため、結晶粒の位置と大きさはランダムなものとなる。
【0055】
一方、半導体膜を比較的広域において溶融させ、該膜厚方向に温度勾配を形成するのではなく、半導体膜を部分的に溶融させ、温度勾配をラテラル方向に形成することで、結晶質半導体膜を形成する方法も提案されている。この場合、半導体膜内における固体と液体の界面の移動方向を、膜厚方向ではなくラテラル方向となるように制御することができる。よって、結晶が成長する方向も温度勾配を有するラテラル方向に揃えることができるため、結晶粒は膜厚の数十倍もの長さに成長する。以下、この現象をスーパーラテラル成長と言う。
【0056】
上記スーパーラテラル成長の場合、比較的大きな結晶粒が得られ、その分粒界の数が減るが、前記スーパーラテラル成長が実現するレーザー光のエネルギー領域は非常に狭く、また、大結晶粒の得られる位置については制御が困難であった。さらに、大結晶粒以外の領域は無数の核が発生した微結晶領域、もしくは非晶質領域であった。
【0057】
そこで、半導体膜を完全溶融させるようなエネルギー領域のレーザー光を用い、なおかつラテラル方向の温度勾配を制御することが出来れば、結晶粒の成長位置および成長方向を制御することが出来るのではないかと考えられている。そしてこの方法を実現するために様々な試みがなされている。
【0058】
例えば、コロンビア大のJames S. Im氏らは、任意の場所にスーパーラテラル成長を実現させることの出来るSequential Lateral Solidification method(以下、SLS法と言う。)を示した。SLS法は、1ショット毎にスリット状のマスクをスーパーラテラル成長が行われる距離程度(約0.75μm)ずらして、結晶化を行うものである。
【0059】
本実施例では、上記SLS法を本発明に適用した例について説明する。
【0060】
まず1ショット目のレーザー光を半導体膜802に照射する。1ショット目のレーザー光はパルス発振のレーザーを用い、半導体膜を全厚さにわたって局部的に溶融させることができるようなエネルギー密度で照射する。
【0061】
図7(A)に、1ショット目を照射した直後の、半導体膜802の様子を模式的に示す。1ショット目のレーザー光の照射により、半導体膜802のレーザー光801があたっている部分において、半導体膜が全厚さにわたって局部的に溶融する。
【0062】
このとき、半導体膜802のレーザー光のあたっている部分においては、完全に半導体が溶融しているが、レーザー光のあたっていない部分は溶融していないか、もしくは溶融していても温度がレーザー光のあたっている部分に比べて十分に低い。そのため、レーザー光の端の部分が種結晶となり、矢印で示したようにレーザー光の端部から中心に向かってラテラル方向に結晶が成長する。
【0063】
そして時間の経過にしたがって結晶の成長が進んでいくと、完全に溶融した部分において発生した種結晶から生成した結晶粒とぶつかり合うか、もしくは反対側から成長してきた結晶粒とぶつかり合うかして、レーザー光の中心部分803において結晶成長が終了する。図7(B)に結晶成長が終了した時点での半導体膜の様子を模式的に示す。レーザー光の中心部分803では、他の部分に比べて微結晶が多数存在していたり、結晶粒どうしがぶつかり合うことで半導体膜の表面が不規則になっていたりする。
【0064】
次に2ショット目を照射する。2ショット目は1ショット目のレーザー光から少しずらして照射する。図7(C)に、2ショット目を照射した直後の、半導体膜の様子を模式的に示す。2ショット目のレーザー光は、1ショット目のレーザー光があたっていた部分801から位置がずれているが、図7(C)では、2ショット目のレーザー光が1ショット目によって形成された中心部803を覆う程度のずれである。
【0065】
このとき、2ショット目のレーザー光804のあたっている部分においては、完全に半導体が溶融しているが、レーザー光のあたっていない部分は溶融していないか、もしくは溶融していても温度がレーザー光のあたっている部分に比べて十分に低い。そのため、レーザー光の端の部分が種結晶となり、矢印で示したようにレーザー光の端部から中心に向かってラテラル方向に結晶が成長する。このとき、1ショット目によって結晶化された部分801のうち、2ショット目のレーザー光があたっていない部分が種結晶となり、1ショット目によって形成されたラテラル方向に成長した結晶が、さらに走査方向に向かって成長する。
【0066】
そして時間の経過にしたがって結晶の成長が進んでいくと、完全に溶融した部分において発生した種結晶から生成した結晶粒とぶつかり合うか、もしくは反対側から成長してきた結晶粒とぶつかり合うかして、2ショット目のレーザー光の中心部分805において結晶成長が終了する。図7(D)に結晶成長が終了した時点での半導体膜の様子を模式的に示す。レーザー光の中心部分805では、他の部分に比べて微結晶が多数存在していたり、結晶粒どうしがぶつかり合うことで半導体膜の表面が不規則になっていたりする。
【0067】
以下、3ショット目以降も同様に、レーザー光を走査方向に少しずつずらして照射していくことで、図7(E)に示すように走査方向と平行に結晶が成長する。
【0068】
上記構成により、結晶粒の位置及び大きさを制御しながら、部分的に結晶化を行うことができる。
【0069】
次に、SLS法を本発明に適用した図7とは異なる例について説明する。
【0070】
まず、半導体膜812に1ショット目のレーザー光を照射する。レーザー光はパルス発振のレーザーを用い、マスクによって定められた部分において、半導体膜を全厚さにわたって局部的に溶融させることができるようなエネルギー密度で照射する。
【0071】
図8(A)に、1ショット目を照射した直後の、半導体膜の様子を模式的に示す。1ショット目のレーザー光の照射により、半導体膜812のレーザー光811があたっている部分において、半導体膜が全厚さにわたって局部的に溶融する。そして、レーザー光の端の部分が種結晶となり、矢印で示したようにレーザー光の端部から中心に向かってラテラル方向に結晶が成長する。
【0072】
そして時間の経過にしたがって結晶の成長が進んでいくと、完全に溶融した部分において発生した種結晶から生成した結晶粒とぶつかり合うか、もしくは反対側から成長してきた結晶粒とぶつかり合うかして、レーザー光の中心部分813において結晶成長が終了する。図8(B)に結晶成長が終了した時点での半導体膜の様子を模式的に示す。レーザー光の中心部分813では、他の部分に比べて微結晶が多数存在していたり、結晶粒どうしがぶつかり合うことで半導体膜の表面が不規則になっていたりする。
【0073】
次に2ショット目を照射する。2ショット目は1ショット目のレーザー光から少しずらして照射する。図8(C)に、2ショット目を照射した直後の、半導体膜の様子を模式的に示す。2ショット目のレーザー光は、1ショット目のレーザー光があたっていた部分811から位置がずれているが、図8(C)では、2ショット目のレーザー光が1ショット目によって形成された中心部813を覆わず、1ショット目のレーザー光があたっていた部分と一部重なる程度のずれである。
【0074】
そして、2ショット目のレーザー光の端の部分が種結晶となり、矢印で示したようにレーザー光の端部から中心に向かってラテラル方向に結晶が成長する。このとき、1ショット目によって結晶化された部分811のうち、2ショット目のレーザー光があたっていない部分が種結晶となり、1ショット目によって形成されたラテラル方向に成長した結晶が、さらに走査方向に向かって成長する。
【0075】
そして時間の経過にしたがって結晶の成長が進んでいくと、完全に溶融した部分において発生した種結晶から生成した結晶粒とぶつかり合うか、もしくは反対側から成長してきた結晶粒とぶつかり合うかして、2ショット目のレーザー光の中心部分815において結晶成長が終了する。図8(D)に結晶成長が終了した時点での半導体膜の様子を模式的に示す。レーザー光の中心部分815では、他の部分に比べて微結晶が多数存在していたり、結晶粒どうしがぶつかり合うことで半導体膜の表面が不規則になっていたりする。
【0076】
以下、3ショット目以降も同様に、レーザー光を走査方向に少しずつずらして照射していくことで、図8(E)に示すように走査方向と平行に結晶が成長する。上記構成により、結晶粒の位置及び大きさを制御しながら、部分的に結晶化を行うことができる。
【0077】
図8に示した照射方法によって得られる結晶は、レーザー光の中心部が残されている、該中心部においては結晶性が芳しくないので、該中心部をチャネル形成領域に含まない様に、より好ましくは活性層に含まないように、活性層がレイアウトされているのが望ましい。
【0078】
なお、図7及び図8の照射方法の両方において、結晶粒の成長方向と、チャネル形成領域のキャリアの進む方向とが平行になるように活性層がレイアウトされていると、チャネル形成領域に含まれる粒界が少なくなるので、移動度が高くなり、オフ電流も抑えることができる。また、チャネル形成領域のキャリアの進む方向と結晶粒の成長方向とが、平行にならないような角度を有するように活性層がレイアウトされていると、チャネル形成領域に含まれる粒界が多くなる。しかし複数の活性層を比較したときに、各活性層のチャネル形成領域に含まれる全粒界に対する、活性層どうしの粒界の量の差の割合が小さくなり、作製されるTFTの移動度及びオフ電流値のばらつきが小さくなる。
【0079】
なお、レーザーはエキシマレーザーやYLFレーザーを用いることができるが、レーザーの種類はこの構成に限定されない。
【0080】
本実施例で示したSLS法では、レーザー光があたっている部分において、半導体膜を全厚さにわたって局部的に溶融させる必要がある。本発明のレーザー照射装置またはレーザー照射方法では、走査方向におけるレーザー光のエネルギー密度の平均値を高めることができるので、SLS法を用いた結晶化の際に、面積あたりのレーザー光の照射時間を抑えて基板が加熱されるのを抑えつつ、半導体膜を全厚さにわたって局部的に溶融させることができる。
【0081】
(実施例2)
本実施例では、レーザー光を重ね合わせるための光学系について説明する。
【0082】
図9に、本実施例の光学系の具体的な構成を示す。図9(A)は本発明のレーザー照射装置の光学系の側面図であり、図9(A)の矢印Bの方向から見た側面図を図9(B)に示す。なお図9(B)の矢印Aの方向から見た側面図が、図9(A)に相当する。
【0083】
図9はレーザー光を4つ合成して1つのレーザー光にする場合の光学系を示している。なお本実施例において合成するレーザー光の数はこれに限定されず、合成するレーザー光の数は2以上8以下であれば良い。
【0084】
401、402、403、404、405はシリンドリカルレンズであり、図9には示されていないが、本実施例の光学系はシリンドリカルレンズを6つ用いている。図10に、図9に示した光学系の斜視図を示す。シリンドリカルレンズ403、404、405、406のそれぞれに、異なるレーザー発振装置からレーザー光が入射される。
【0085】
そしてシリンドリカルレンズ403、405によってそのレーザー光の形状が加工されたレーザー光が、シリンドリカルレンズ401に入射する。入射したレーザー光はシリンドリカルレンズにおいてそのレーザー光の形状が加工された後、スリット410において一部がカットされて、被処理物400に照射される。また、シリンドリカルレンズ404、406によってそのレーザー光の形状が加工されたレーザー光が、シリンドリカルレンズ402に入射する。入射したレーザー光はシリンドリカルレンズにおいてそのレーザー光の形状が加工された後、スリット410において一部がカットされて、被処理物400に照射される。
【0086】
被処理物400におけるレーザー光のレーザー光は互いに一部重なることで合成されて、1つのレーザー光になっている。
【0087】
なお、本実施例では、被処理物400に最も近いシリンドリカルレンズ401、402の焦点距離を20mmとし、シリンドリカルレンズ403〜406の焦点距離を150mmとする。そしてシリンドリカルレンズ401、402から被処理物400へのレーザー光の入射角θは、本実施例では25°とし、シリンドリカルレンズ403〜406からシリンドリカルレンズ401、402へのレーザー光の入射角θを10°とするように各レンズを設置する。
【0088】
なお各レンズの焦点距離及び入射角は設計者が適宜設定することが可能である。さらに、シリンドリカルレンズの数もこれに限定されず、また用いる光学系はシリンドリカルレンズに限定されない。本発明は、各レーザー発振装置から発振されるレーザー光のレーザー光を、半導体膜の結晶化に適した形状及びエネルギー密度になるように加工し、なおかつ全てのレーザー光のレーザー光を互いに重ね合わせて合成し、1つのレーザー光にすることができるような光学系であれば良い。
【0089】
なお本実施例では、4つのレーザー光を合成する例について示しており、この場合4つのレーザー発振装置にそれぞれ対応するシリンドリカルレンズを4つと、該4つのシリンドリカルレンズに対応する2つのシリンドリカルレンズとを有している。n(n=2、4、6、8)のレーザー光を合成する場合、nのレーザー発振装置にそれぞれ対応するnのシリンドリカルレンズと、該nのシリンドリカルレンズに対応するn/2のシリンドリカルレンズとを有している。n(n=3、5、7)のレーザー光を合成する場合、nのレーザー発振装置にそれぞれ対応するnのシリンドリカルレンズと、該nのシリンドリカルレンズに対応する(n+1)/2のシリンドリカルレンズとを有している。
【0090】
次に、8つのレーザー発振装置を用いた本発明のレーザー照射装置の、光学系について説明する。
【0091】
図11、図12に、本実施例のレーザー照射装置に用いられる光学系の具体的な構成を示す。図11は本発明のレーザー照射装置の光学系の側面図であり、図11の矢印Bの方向から見た側面図を図12に示す。なお図12の矢印Aの方向から見た側面図が、図11に相当する。
【0092】
本実施例ではレーザー光を8つ合成して1つのレーザー光にする場合の光学系を示している。なお本発明において合成するレーザー光の数はこれに限定されず、合成するレーザー光の数は2以上8以下であれば良い。
【0093】
441〜450はシリンドリカルレンズであり、図11、図12には示されていないが、本実施例の光学系は12のシリンドリカルレンズ441〜452を用いている。図13に図11、図12に示した光学系の斜視図を示す。シリンドリカルレンズ441〜444のそれぞれに、異なるレーザー発振装置からレーザー光が入射される。
【0094】
そしてシリンドリカルレンズ450、445によってそのレーザー光の形状が加工されたレーザー光が、シリンドリカルレンズ441に入射する。入射したレーザー光はシリンドリカルレンズ441においてそのレーザー光の形状が加工された後、スリット460において一部がカットされて、被処理物440に照射される。また、シリンドリカルレンズ451、446によってそのレーザー光の形状が加工されたレーザー光が、シリンドリカルレンズ442に入射する。入射したレーザー光はシリンドリカルレンズ442においてそのレーザー光の形状が加工された後、スリット460において一部がカットされて、被処理物440に照射される。また、シリンドリカルレンズ449、447によってそのレーザー光の形状が加工されたレーザー光が、シリンドリカルレンズ443に入射する。入射したレーザー光はシリンドリカルレンズ443においてそのレーザー光の形状が加工された後、スリット461において一部がカットされて、被処理物440に照射される。また、シリンドリカルレンズ452、448によってそのレーザー光の形状が加工されたレーザー光が、シリンドリカルレンズ444に入射する。入射したレーザー光はシリンドリカルレンズ444においてそのレーザー光の形状が加工された後、スリット461において一部がカットされて、被処理物440に照射される。
【0095】
被処理物440におけるレーザー光のレーザー光は互いに一部重なることで合成されて、1つのレーザー光になっている。
【0096】
なお、本実施例では、被処理物440に最も近いシリンドリカルレンズ441〜444の焦点距離を20mmとし、シリンドリカルレンズ445〜452の焦点距離を150mmとする。そしてシリンドリカルレンズ441〜444から被処理物440へのレーザー光の入射角θは、本実施例では25°とし、シリンドリカルレンズ445〜452からシリンドリカルレンズ441〜444へのレーザー光の入射角θを10°とするように各レンズを設置する。
【0097】
なお各レンズの焦点距離及び入射角は設計者が適宜設定することが可能である。さらに、シリンドリカルレンズの数もこれに限定されず、また用いる光学系はシリンドリカルレンズに限定されない。本発明は、各レーザー発振装置から発振されるレーザー光のレーザー光を、半導体膜の結晶化に適した形状及びエネルギー密度になるように加工し、なおかつ全てのレーザー光のレーザー光を互いに重ね合わせて合成し、1つのレーザー光にすることができるような光学系であれば良い。
【0098】
なお本実施例では、8つのレーザー光を合成する例について示しており、この場合8つのレーザー発振装置にそれぞれ対応するシリンドリカルレンズを8つと、該8つのシリンドリカルレンズに対応する4つのシリンドリカルレンズとを有している。
【0099】
レーザー光を5つ以上重ね合わせるとき、光学系の配置を考慮すると、5つ目以降のレーザー光は基板の反対側から照射するのが望ましく、この場合基板はレーザ光に対して透過性を有していることが必要である。
【0100】
なお、均一なレーザー光の照射を実現するためには、照射面に垂直な平面であって、かつ合成前の各ビームの形状をそれぞれ長方形と見立てたときの短辺を含む面または長辺を含む面のいずれか一方を入射面と定義すると、前記レーザー光の入射角度θは、入射面に含まれる前記短辺または前記長辺の長さがW、前記照射面に設置され、かつ、前記レーザー光に対して透光性を有する基板の厚さがdであるとき、θ≧arctan(W/2d)を満たすのが望ましい。この議論は合成前の個々のレーザー光について成り立つ必要がある。なお、レーザー光の軌跡が、前記入射面上にないときは、該軌跡を該入射面に射影したものの入射角度をθとする。この入射角度θでレーザー光が入射されれば、基板の表面での反射光と、前記基板の裏面からの反射光とが干渉せず、一様なレーザー光の照射を行うことができる。以上の議論は、基板の屈折率を1として考えた。実際は、基板の屈折率が1.5前後のものが多く、この数値を考慮に入れると上記議論で算出した角度よりも大きな計算値が得られる。しかしながら、ビームスポットの長手方向の両端のエネルギーは減衰があるため、この部分での干渉の影響は少なく、上記の算出値で十分に干渉減衰の効果が得られる。上記のθに対する不等式は、基板がレーザビームに対して透光性のあるもの以外には適用されない。
【0101】
本実施例の構成は、実施例1と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0102】
(実施例3)
本実施例では、本発明のレーザー照射装置またはレーザー照射方法を用いた、半導体装置の作製方法について説明する。なお、本実施例では半導体装置の1つとして発光装置を例に挙げて説明するが、本発明を用いて作製することができる半導体装置はこれに限定されず、液晶表示装置やその他の半導体装置であってもよい。
【0103】
発光装置は、電流を発光素子に供給するための手段と発光素子とが、複数の各画素に備えられた半導体装置である。発光素子(OLED:Organic Light Emitting Diode)は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる電界発光材料を含む層(以下、電界発光層と記す)と、陽極層と、陰極層とを有している。電界発光層は陽極と陰極の間に設けられており、単層または複数の層で構成されている。これらの層の中に無機化合物を含んでいる場合もある。
【0104】
まず、図14(A)に示すように、本実施例ではバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板500を用いる。なお、基板500としては、石英基板やシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性が有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0105】
次いで、基板500上に酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜から成る下地膜501を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)により形成する。本実施例では下地膜501として単層の下地膜を用いるが、前記絶縁膜を2層以上積層させた構造を用いても良い。
【0106】
次に、この下地膜501の上に50nmの厚さの、非晶質半導体膜502をプラズマCVD法で形成した。非晶質半導体膜は含有水素量にもよるが、好ましくは400〜550℃で数時間加熱して脱水素処理を行い、含有水素量を5atom%以下として、結晶化の工程を行うことが望ましい。また、非晶質半導体膜をスパッタ法や蒸着法などの他の作製方法で形成しても良いが、膜中に含まれる酸素、窒素などの不純物元素を十分低減させておくことが望ましい。
【0107】
なお、半導体膜は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムを用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
【0108】
ここで、下地膜501と非晶質半導体膜502は、いずれもプラズマCVD法で作製されるものであり、このとき下地膜501と非晶質半導体膜502を真空中で連続して形成しても良い。下地膜501を形成後、一旦大気雰囲気にさらされない工程にすることにより、表面の汚染を防ぐことが可能となり、作製されるTFTの特性バラツキを低減させることができた。
【0109】
次に、図14(B)に示すように、非晶質半導体膜502をレーザー結晶化法により結晶化させる。レーザー結晶化法は、本発明のレーザー照射装置またはレーザー照射方法を用いて行なう。もちろん、レーザー結晶化法だけでなく、他の公知の結晶化法(RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。
【0110】
非晶質半導体膜の結晶化に際し、連続発振が可能な固体レーザーを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を用いることで、大粒径の結晶を得ることができる。代表的には、Nd:YVOレーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYVOレーザーから射出されたレーザー光を非線形光学素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザー光を得る。また、共振器の中にYVO結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザー光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザー光に対して相対的に非晶質半導体膜502を移動させて照射する。
【0111】
なおレーザー照射は、パルス発振または連続発振の気体レーザーもしくは固体レーザーを用いることができる。気体レーザーとして、エキシマレーザー、Arレーザー、Krレーザーなどがあり、固体レーザーとして、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイアレーザー、Yなどが挙げられる。固体レーザーとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti、Yb又はTmがドーピングされたYAG、YVO、YLF、YAlOなどの結晶を使ったレーザー等も使用可能である。当該レーザーの基本波はドーピングする材料によって異なり、1μm前後の基本波を有するレーザー光が得られる。基本波に対する高調波は、非線形光学素子を用いることで得ることができる。
【0112】
上述したレーザー結晶化によって結晶性が高められ、結晶質半導体膜503が形成される。
【0113】
次に、結晶質半導体膜503を所望の形状にパターニングして、TFTの活性層となる島状の半導体膜504〜506を形成する(図14(C))。なお、活性層504〜506を形成した後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
【0114】
次に、図15(A)に示すように、活性層504〜506を覆って、酸化シリコンまたは窒化珪素を主成分とするゲート絶縁膜507を形成した。本実施例では、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とOとを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)、電力密度0.5〜0.8W/cmで放電させて、酸化シリコン膜を形成した。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。また窒化アルミニウムをゲート絶縁膜として用いることができる。窒化アルミニウムは熱伝導率が比較的高く、TFTで発生した熱を効果的に拡散させることができる。またアルミニウムの含まれない酸化珪素や酸化窒化珪素等を形成した後、窒化アルミニウムを積層したものをゲート絶縁膜として用いても良い。
【0115】
そして、図15(B)に示すように、ゲート絶縁膜507の上に導電膜を100〜500nmの厚さで成膜し、パターニングすることで、ゲート電極508〜510を形成する。
【0116】
なお、本実施例ではゲート電極をTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また単層の導電膜ではなく、複数の層からなる導電膜を積層したものであっても良い。
【0117】
例えば、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜をWとする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜をAlとする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜をCuとする組み合わせで形成することが好ましい。また、第1の導電膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、AgPdCu合金を用いてもよい。
【0118】
また、2層構造に限定されず、例えば、タングステン膜、アルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、タングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、アルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。
【0119】
なお、導電膜の材料によって、適宜最適なエッチングの方法や、エッチャントの種類を選択することが重要である。
【0120】
次に、n型の不純物元素を添加する工程を行い、n型の不純物領域512〜517を形成する。ここでは、フォスフィン(PH)を用いたイオンドープ法で行った。
【0121】
次に図15(C)に示すように、nチャネル型TFTが形成される領域をレジストマスク520で覆って、pチャネル型TFTが形成される領域に、p型の不純物元素を添加する工程を行い、p型の不純物領域518、519を形成した。ここではジボラン(B)を用いてイオンドープ法で添加した。
【0122】
そして、導電型の制御を目的とし、それぞれの島状半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施例では500℃で4時間の熱処理を行う。ただし、ゲート電極508〜510が熱に弱い場合には、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成分とする)を形成した後で活性化を行うことが好ましい。
【0123】
またレーザーアニール法を用いる場合、結晶化の際に用いたレーザーを使用することが可能である。活性化の場合は、移動速度は結晶化と同じにし、0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.01〜10MW/cm)のエネルギー密度が必要となる。また結晶化の際には連続発振のレーザーを用い、活性化の際にはパルス発振のレーザーを用いるようにしても良い。
【0124】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0125】
次いで、図15(D)に示すように、10〜200nmの厚さの酸化窒化シリコンからなる第1無機絶縁膜521を、CVD法を用いて形成する。なお、第1無機絶縁膜は酸化窒化シリコン膜に限定されず、後に形成される有機樹脂膜への水分の出入りを抑えることができる、窒素を含む無機の絶縁膜であれば良く、例えば窒化珪素、窒化アルミニウムまたは酸化窒化アルミニウムを用いることができる。なお、窒化アルミニウムは熱伝導率が比較的高く、TFTや発光素子などで発生した熱を効果的に拡散させることができる。
【0126】
次に、第1無機絶縁膜521の上に、ポジ型の感光性有機樹脂から成る有機樹脂膜522を成膜する。本実施例ではポジ型の感光性のアクリルを用いて有機樹脂膜522を形成するが、本発明はこれに限定されない。
【0127】
本実施例では、スピンコート法によりポジ型の感光性アクリルを塗布し、焼成することで、有機樹脂膜522を形成する。なお有機樹脂膜522の膜厚は、焼成後、0.7〜5μm(さらに好ましくは2〜4μm)程度になるようにする。
【0128】
次に、フォトマスクを用いて開口部を形成したい部分を露光する。そして、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を主成分とする現像液で現像した後、基板を乾燥させ、220℃、1時間程度の焼成を行う。そして、図15(D)に示したように有機樹脂膜522に開口部が形成され、該開口部において第1無機絶縁膜521が一部露出された状態になる。
【0129】
なお、ポジ型の感光性アクリルは薄茶色に着色しているので、発光素子から発せられる光が基板側に向かっているときは、脱色処理を施す。この場合、焼成する前に、再び現像後の感光性アクリル全体を露光する。このときの露光は、開口部を形成するための露光に比べて、やや強い光を照射したり、照射時間を長くしたりするようにし、完全に露光が行なわれるようにする。例えば、2μmの膜厚のポジ型のアクリル樹脂を脱色するとき、超高圧水銀灯のスペクトル光であるg線(436nm)とh線(405nm)とi線(365nm)とから成る多波長光を利用する等倍投影露光装置(具体的にはCanon製のMPA)を用いる場合、60sec程度照射する。この露光により、ポジ型のアクリル樹脂が完全に脱色される。
【0130】
また本実施例では、現像後に220℃で焼成を行なっているが、現像後にプリベークとして100℃程度の低温で焼成してから、220℃の高温で焼成するようにしても良い。
【0131】
そして図16(A)に示すように、第1無機絶縁膜521が一部露出された該開口部と、有機樹脂膜522を覆って、RFスパッタ法を用いて窒化珪素からなる第2無機絶縁膜523を成膜する。第2無機絶縁膜523の膜厚は10〜200nm程度が望ましい。また、第2無機絶縁膜は酸化窒化シリコン膜に限定されず、有機樹脂膜522への水分の出入りを抑えることができる、窒素を含む無機の絶縁膜であれば良く、例えば窒化珪素、窒化アルミニウムまたは酸化窒化アルミニウムを用いることができる。
【0132】
なお、酸化窒化珪素膜または酸化窒化アルミニウム膜は、その酸素と窒素のatomic%の割合が、そのバリア性に大きく関与している。酸素に対する窒素の割合が高ければ高いほど、バリア性が高められる。また、具体的には、窒素の割合が酸素の割合よりも高い方が望ましい。
【0133】
またRFスパッタ法を用いて成膜された膜は緻密性が高く、バリア性に優れている。RFスパッタの条件は、例えば酸化窒化珪素膜を成膜する場合、Siターゲットで、N、Ar、NOをガスの流量比が31:5:4となるように流し、圧力0.4Pa、電力3000Wとして成膜する。また、例えば窒化珪素膜を成膜する場合、Siターゲットで、チャンバー内のN、Arをガスの流量比が20:20となるように流し、圧力0.8Pa、電力3000W、成膜温度を215℃として成膜する。
【0134】
この有機樹脂膜522と、第1無機絶縁膜521と、第2無機絶縁膜523とで、第1の層間絶縁膜が形成される。
【0135】
次に、図16(A)に示すように、有機樹脂膜522の開口部において、レジストマスク524を形成し、ゲート絶縁膜507、第1無機絶縁膜521及び第2無機絶縁膜523に、ドライエッチング法を用いてコンタクトホールを形成する。
【0136】
このコンタクトホールの開口により、不純物領域512〜515、518、519が一部露出された状態になる。このドライエッチングの条件は、ゲート絶縁膜507、第1無機絶縁膜521及び第2無機絶縁膜523の材料によって適宜設定する。本実施例では、ゲート絶縁膜507に酸化珪素、第1無機絶縁膜521に酸化窒化珪素、第2無機絶縁膜523に窒化珪素を用いているので、まず、CF、O、Heをエッチングガスとして窒化珪素からなる第2無機絶縁膜523と酸化窒化珪素からなる第1無機絶縁膜521をエッチングし、その後CHFを用いて酸化珪素からなるゲート絶縁膜507をエッチングする。
【0137】
なおエッチングの際に、開口部において有機樹脂膜522が露出しないようにすることが肝要である。
【0138】
次に、コンタクトホールを覆うように、第2無機絶縁膜523上に導電膜を成膜し、パターニングすることで、不純物領域512〜515、518、519に接続された配線526〜531が形成される(図16(B))。
【0139】
なお本実施例では、第2無機絶縁膜523上に、Ti膜を100nm、Al膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の導電膜としたが本発明はこの構成に限定されない。単層の導電膜で形成しても良いし、3層以外の複数の層からなる導電膜で形成しても良い。また材料もこれに限定されない。
【0140】
例えば、Ti膜を成膜した後、Tiを含むAl膜を積層した導電膜を用いてもよいし、Ti膜を成膜した後、Wを含むAl膜を積層した導電膜を用いても良い。
【0141】
次に、第2無機絶縁膜523の上に、バンクとなる有機樹脂膜を成膜する。本実施例ではポジ型の感光性のアクリルを用いるが、本発明はこれに限定されない。本実施例では、スピンコート法によりポジ型の感光性アクリルを塗布し、焼成することで、有機樹脂膜を形成する。なお有機樹脂膜の膜厚は、焼成後、0.7〜5μm(さらに好ましくは2〜4μm)程度になるようにする。
【0142】
次に、フォトマスクを用いて開口部を形成したい部分を露光する。そして、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を主成分とする現像液で現像した後、基板を乾燥させ、220℃、1時間程度の焼成を行う。そして、図16(C)に示したように開口部を有するバンク533が形成され、該開口部において配線529、531が一部露出された状態になる。
【0143】
なお、ポジ型の感光性アクリルは薄茶色に着色しているので、発光素子から発せられる光が基板側に向かっているときは、脱色処理を施す。脱色処理は有機樹脂膜522に施した脱色処理と同様に行なう。
【0144】
バンクに感光性の有機樹脂を用いることで、開口部の断面に丸みをもたせることができるので、後に形成される電界発光層や陰極のカバレッジを良好とすることができ、発光領域が減少するシュリンクとよばれる不良を低減させることができる。
【0145】
そして図17(A)に示すように、配線529、531が一部露出された該開口部と、バンク533を覆って、RFスパッタ法を用いて窒化珪素からなる第3無機絶縁膜534を成膜する。第3無機絶縁膜534の膜厚は10〜200nm程度が望ましい。また、第3無機絶縁膜534は酸化窒化シリコン膜に限定されず、バンク533への水分の出入りを抑えることができる、窒素を含む無機の絶縁膜であれば良く、例えば窒化珪素、窒化アルミニウムまたは酸化窒化アルミニウムを用いることができる。
【0146】
なお、酸化窒化珪素膜または酸化窒化アルミニウム膜は、その酸素と窒素のatomic%の割合が、そのバリア性に大きく関与している。酸素に対する窒素の割合が高ければ高いほど、バリア性が高められる。また、具体的には、窒素の割合が酸素の割合よりも高い方が望ましい。
【0147】
そして、バンク533の開口部においてレジストマスク535を形成し、第3無機絶縁膜534に、ドライエッチング法を用いてコンタクトホールを形成する。
【0148】
このコンタクトホールの開口により、配線529、531が一部露出された状態になる。このドライエッチングの条件は、第3無機絶縁膜534の材料によって適宜設定する。本実施例では、第3無機絶縁膜534に窒化珪素を用いているので、CF、O、Heをエッチングガスとして窒化珪素からなる第3無機絶縁膜534をエッチングする。
【0149】
なおエッチングの際に、開口部においてバンク533が露出しないようにすることが肝要である。
【0150】
次に、透明導電膜、例えばITO膜を110nmの厚さに形成し、パターニングを行うことで、配線531に接する画素電極540と、ダイオードで生じた電流を得るための引き出し配線541を形成する。また、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いても良い。この画素電極540が発光素子の陽極となる(図17(B))。
【0151】
次に、画素電極540上に電界発光層542を蒸着法により形成し、更に蒸着法により陰極(MgAg電極)543を形成する。このとき電界発光層542及び陰極543を形成するに先立って画素電極540に対して熱処理を施し、水分を完全に除去しておくことが望ましい。なお、本実施例ではOLEDの陰極としてMgAg電極を用いるが、仕事関数の小さい導電膜であれば公知の他の材料、例えばCa、Al、CaF、MgAg、AlLiであっても良い。
【0152】
なお陰極としてAlLiを用いた場合、窒素を含んだ第3の層間絶縁膜534によって、AlLi中のLiが、第3の層間絶縁膜534より基板側に入り込んでしまうのを防ぐことができる。
【0153】
なお、電界発光層542としては、公知の材料を用いることができる。本実施例では正孔輸送層(Hole transporting layer)及び発光層(Emitting layer)でなる2層構造を電界発光層とするが、正孔注入層、電子注入層若しくは電子輸送層のいずれかを設ける場合もある。このように組み合わせは既に様々な例が報告されており、そのいずれの構成を用いても構わない。例えば、電子輸送層またはホールブロッキング層として、SAlqやCAlqなどを用いても良い。
【0154】
なお、電界発光層542の膜厚は10〜400nm(典型的には60〜150nm)、陰極543の厚さは80〜200nm(典型的には100〜150nm)とすれば良い。
【0155】
こうして図17(B)に示すような構造の発光装置が完成する。図17(B)において550は画素部であり、551は駆動回路部に相当する。画素部550において、画素電極540、電界発光層542、陰極543の重なっている部分552がOLEDに相当する。
【0156】
なお、本実施例で示すTFTの構成及び具体的な作製方法はほんの一例であり、本発明はこの構成に限定されない。
【0157】
なお、実際には図17(B)まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、カバー材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりするとOLEDの信頼性が向上する。
【0158】
なお本実施例は、実施例1または2と自由に組み合わせることが可能である。
【0159】
(実施例4)
本実施例では、レーザー光を重ね合わせたときの、各レーザー光の中心間の距離と、エネルギー密度との関係について説明する。なお、説明を分かり易くするため、スリットを設けない場合について説明する。
【0160】
図18に、各レーザー光の中心軸方向におけるエネルギー密度の分布を実線で、合成されたレーザー光のエネルギー密度の分布を破線で示す。レーザー光の中心軸方向におけるエネルギー密度の値は、一般的にガウス分布に従っている。
【0161】
合成前のレーザー光において、ピーク値の1/e以上のエネルギー密度を満たしている中心軸方向の距離を1としたときの、各ピーク間の距離をXとする。また、合成されたレーザー光において、合成後のピーク値と、バレー値の平均値に対するピーク値の割増分をYとする。シミュレーションで求めたXとYの関係を、図19に示す。なお図19では、Yを百分率で表した。
【0162】
図19において、エネルギー差Yは以下の式1の近似式で表される。
【0163】
【式1】
Y=60−293X+340X(Xは2つの解のうち大きい方とする)
【0164】
式1に従えば、例えばエネルギー差を5%程度にしたい場合、X≒0.584となるようにすれば良いということがわかる。Y=0となるのが理想的だが、それではレーザー光の長さが短くなるので、スループットとのバランスでXを決定すると良い。
【0165】
次に、Yの許容範囲について説明する。図20に、レーザー光が楕円形状を有している場合の、中心軸方向におけるビーム幅に対するYVOレーザーの出力(W)の分布を示す。斜線で示す領域は、良好な結晶性を得るために必要な出力エネルギーの範囲であり、本実施例の場合、3.5〜6Wの範囲内に合成したレーザー光の出力エネルギーが納まっていれば良いことがわかる。
【0166】
合成後のレーザー光の出力エネルギーの最大値と最小値が、良好な結晶性を得るために必要な出力エネルギー範囲にぎりぎりに入るとき、良好な結晶性が得られるエネルギー差Yが最大になる。よって図20の場合は、エネルギー差Yが±26.3%となり、上記範囲にエネルギー差Yが納まっていれば良好な結晶性が得られることがわかる。
【0167】
なお、良好な結晶性を得るために必要な出力エネルギーの範囲は、どこまでを結晶性が良好だと判断するかによって変わり、また出力エネルギーの分布もレーザー光の形状によって変わってくるので、エネルギー差Yの許容範囲は必ずしも上記値に限定されない。設計者が、良好な結晶性を得るために必要な出力エネルギーの範囲を適宜定め、用いるレーザーの出力エネルギーの分布からエネルギー差Yの許容範囲を設定する必要がある。
【0168】
本実施例は、実施例1〜3と組み合わせて実施することが可能である。
【0169】
(実施例5)
本実施例では、半導体膜を短冊状にパターニングしてから、該短冊の長軸方向に沿ってレーザー光を走査して結晶化する方法について説明する。
【0170】
図21(A)に短冊状にパターニングされた半導体膜901に、レーザー光を走査している様子を示す。レーザー光の走査方向は短冊の長軸方向に沿っている。具体的に短冊状の半導体膜901は、長軸に対して垂直な方向における幅が数μm〜数十μm程度とし、互いに数百nm〜数μm程度間隔を空けてレイアウトされている。
【0171】
そして、レーザー光のエッジが、該短冊状の半導体膜とは重ならず、半導体膜どうしの間に丁度納まるように、レーザー光を走査する。互いに間隔を空けることで、結晶化の際に、レーザー光の中心軸方向に熱が拡散するのを防ぐことができ、レーザー光のエッジ近傍に分布する、結晶性が劣る領域が拡散するのを極力抑えることができる。
【0172】
なお、半導体膜をパターニングしてからレーザー光を照射すると、半導体膜の角において微結晶が形成されてしまう。例えば、パルス発振のエキシマレーザーでは半導体膜の厚さにもよるが、半導体膜の角の近傍では粒径が0.1μm未満の微結晶が多く見られ、中心部に形成される結晶粒に比べてその粒径が小さくなる傾向がある。これはエッジの近傍と中心部とで、レーザー光により与えられた熱の、基板への拡散のし方が異なるためではないかと考えられている。しかし、これらの半導体膜のエッジに形成される微結晶の領域は、パターニングせずにレーザー光を照射して、レーザー光のエッジ近傍のエネルギー密度が弱い部分及びそこから熱拡散して形成される微結晶の領域よりも狭いため、実際には得られる結晶性が良好と認められる領域を広く用いることができる。
【0173】
次に図21(B)に示すように、レーザー光で結晶化した後、短冊状の半導体膜をさらにパターニングして島状の半導体膜902を形成する。
【0174】
なお、短冊状の半導体膜は、その間隔を十分に取らないと、レーザー光の照射によって溶融した際に重力で変形することで、隣同士で付着してしまい、上述の効果が得られなくなる可能性がある。しかし、レーザー光照射の際に、半導体膜が形成されている面を下にすることで、隣同士の付着を防ぐことができ、短冊状の半導体膜どうしの間隔をより狭くすることができる。
【0175】
本実施例は、実施例1〜4と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0176】
【発明の効果】
本発明では、複数のレーザー発振装置から発振されたレーザー光を合成することで、各レーザー光のエネルギー密度の弱い部分を補い合うことができる。よって、複数の各レーザー発振装置から発せられるレーザー光を合成せずにそれぞれ単独で用いるよりも、レーザー光のうち、結晶化に必要な程度のエネルギー密度を有する領域が広がり、基板の処理効率を高めることができる。
【0177】
さらに本発明ではスリットを用いて、合成されたレーザー光のうち、走査方向においてエネルギー密度が所定の値に達しない領域をカットする。上記構成により、走査方向におけるレーザー光のエネルギー密度の平均値を高めることができ、被処理物の任意の点におけるレーザー光の照射時間を抑えることができる。よって、基板が加熱されるのを抑えつつ、半導体膜の結晶性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザー照射装置の構造を示す図。
【図2】レーザー光の形状及びエネルギー密度の分布を示す図。
【図3】レーザー光とスリットの位置関係を示す図。
【図4】レーザー光とスリットの位置関係を示す図。
【図5】被処理物においてレーザー光の移動する方向を示す図。
【図6】被処理物においてレーザー光の移動する方向を示す図。
【図7】SLS法を用いた結晶化のメカニズムを説明する図。
【図8】SLS法を用いた結晶化のメカニズムを説明する図。
【図9】レーザー照射装置の光学系の図。
【図10】レーザー照射装置の光学系の図。
【図11】レーザー照射装置の光学系の図。
【図12】レーザー照射装置の光学系の図。
【図13】レーザー照射装置の光学系の図。
【図14】本発明のレーザー照射装置を用いた半導体装置の作製方法を示す図。
【図15】本発明のレーザー照射装置を用いた半導体装置の作製方法を示す図。
【図16】本発明のレーザー照射装置を用いた半導体装置の作製方法を示す図。
【図17】本発明のレーザー照射装置を用いた半導体装置の作製方法を示す図。
【図18】重ね合わせたレーザー光の中心軸方向におけるエネルギー密度の分布を示す図。
【図19】レーザー光の中心間の距離とエネルギー差の関係を示す図。
【図20】レーザー光の中心軸方向における出力エネルギーの分布を示す図。
【図21】本発明のレーザー照射方法の一実施例を示す図。

Claims (21)

  1. 複数のレーザー発振装置と、
    前記複数のレーザー発振装置から出力された複数のレーザー光を集光し、基板におけるレーザー光を互いに一部重ね合わせる光学系と、
    前記重ね合わされたレーザー光の、基板上の移動方向における幅を制限するスリットと、
    前記基板の位置を制御する位置制御手段と、
    を有することを特徴とするレーザー照射装置。
  2. 複数のレーザー発振装置と、
    前記複数のレーザー発振装置から出力された複数のレーザー光を集光し、基板におけるレーザー光を各中心が直線を描くように互いに一部重ね合わせる光学系と、
    前記重ね合わされたレーザー光の、基板上の移動方向における幅を制限するスリットと、
    前記基板の位置を制御する位置制御手段と、
    を有することを特徴とするレーザー照射装置。
  3. 請求項2において、
    前記各中心によって描かれる直線と前記基板の移動する方向とが10°以上80°以下であることを特徴とするレーザー照射装置。
  4. 請求項2において、
    前記各中心によって描かれる直線と前記基板の移動する方向とがほぼ直角であることを特徴とするレーザー照射装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、
    レーザー光の照射が減圧雰囲気下または不活性ガス雰囲気下において行われることを特徴とするレーザー照射装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、前記レーザー発振装置は、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、ルビーレーザーまたはYから選ばれた一種または複数種を用いていることを特徴とするレーザー照射装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記レーザー光は連続発振であることを特徴とするレーザー照射装置。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、前記レーザー発振装置は、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイアレーザーまたはYから選ばれた一種または複数種を用いていることを特徴とするレーザー照射装置。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれか1項において、前記レーザー光は第2高調波であることを特徴とするレーザー照射装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、前記レーザー発振装置の数は2以上8以下であることを特徴とするレーザー照射装置。
  11. 前記複数のレーザー発振装置から出力された複数のレーザー光を光学系により集光して互いに一部重ね合わせ、
    前記重ね合わされたレーザー光の、基板上の移動方向における幅をスリットにより制限し、
    被処理物を移動させることで、前記幅が制限されたレーザ光を前記被処理物に照射することを特徴とするレーザー照射方法。
  12. 前記複数のレーザー発振装置から出力された複数のレーザー光を光学系により集光して各中心が直線を描くように互いに一部重ね合わせ、
    前記重ね合わされたレーザー光の、基板上の移動方向における幅をスリットにより制限し、
    被処理物を移動させることで、前記幅が制限されたレーザ光を前記被処理物に照射することを特徴とするレーザー照射方法。
  13. 請求項12において、
    前記各中心によって描かれる直線と前記被処理物の移動する方向とが10°以上80°以下であることを特徴とするレーザー照射方法。
  14. 請求項12において、
    前記各中心によって描かれる直線と前記基板の移動する方向とがほぼ直角であることを特徴とするレーザー照射方法。
  15. 請求項11乃至請求項14のいずれか1項において、
    レーザー光の照射が減圧雰囲気下または不活性ガス雰囲気下において行われることを特徴とするレーザー照射方法。
  16. 請求項11乃至請求項15のいずれか一項において、前記レーザー発振装置は、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、ルビーレーザーまたはYから選ばれた一種または複数種を用いていることを特徴とするレーザー照射方法。
  17. 請求項11乃至請求項16のいずれか1項において、前記レーザー光は連続発振であることを特徴とするレーザー照射方法。
  18. 請求項11乃至請求項15のいずれか一項において、前記レーザー発振装置は、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイアレーザーまたはYから選ばれた一種または複数種を用いていることを特徴とするレーザー照射方法。
  19. 請求項16乃至請求項18のいずれか1項において、前記レーザー光は第2高調波であることを特徴とするレーザー照射方法。
  20. 請求項11乃至請求項19のいずれか一項において、前記レーザー発振装置の数は2以上8以下であることを特徴とするレーザー照射方法。
  21. 請求項11乃至請求項20のいずれか1項において、前記レーザー光の照射は、SLS法を用いて行われることを特徴とするレーザー照射方法。
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