JP3080706B2 - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP3080706B2
JP3080706B2 JP03204471A JP20447191A JP3080706B2 JP 3080706 B2 JP3080706 B2 JP 3080706B2 JP 03204471 A JP03204471 A JP 03204471A JP 20447191 A JP20447191 A JP 20447191A JP 3080706 B2 JP3080706 B2 JP 3080706B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー基体に単糖類
又はオリゴ糖類を構成単位として共有結合した糖結合ポ
リマーを含有する化粧料に関し、更に詳しくは皮膚に対
しては吸湿、保湿、接着、賦活作用を有し従って肌荒れ
防止、老化防止に有効で、また頭皮や頭髪に対しては保
湿、育毛作用を有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】美しい
肌の条件の1つとして、皮膚の潤い、柔軟性、ハリ、滑
らかさがある。この特性は、皮膚、特に表皮角層の水分
量が関係しているといわれている。また、水分量は、頭
髪の質にも影響を与える。
【0003】そのため、美肌、育毛等化粧料の目的にと
って重要な機能の1つとして、皮膚および頭髪に適度な
水分を保持させることが挙げられる。そのために多種の
化粧料が開発されてきた。
【0004】例えば、吸湿剤、保湿剤を単独あるいは組
合わせて配合した化粧料が提案されている。このような
吸湿剤としては、糖質特にヒアルロン酸、キチン等の多
糖類や、皮膚由来の天然保湿成分であるNMF作用物質
や、コラーゲン、エラスチン等のタンパク質が利用され
ている。また保湿剤としては、近年の皮膚科学の進歩に
より、角層間脂質物質であるセラミド等が角層の水分保
持に重要な働きをしていることがわかったので、合成あ
るいは天然抽出されたセラミド等が利用されている。
【0005】しかし、これらの化粧料には以下のような
問題点がある。(1) セラミド等の細胞間脂質は、高価で
溶解性が悪いために、有効な濃度まで化粧料に配合する
ことは実際的でない。
【0006】(2) 吸湿剤は使用感がベトベトしていてさ
っぱり感がない。特に化粧水のような場合には、経日安
定性に劣り、長期保存により沈澱が生じたり、微生物に
よる分解により粘度低下をきたす。
【0007】(3) 吸湿剤、細胞間脂質系保湿剤をそれぞ
れ単独で配合する場合には、皮膚に理想的な吸湿、保湿
作用を有する化粧料を作ることができない。また、これ
らを組み合わせて使用する場合は、化粧料の剤型や配合
濃度が限定される。したがって、一物質で吸湿作用、細
胞間脂質作用(保湿作用)を有し、広い範囲の剤型に適
用可能な物質が望まれている。
【0008】(4) 吸湿剤、細胞間脂質用物質の作用は物
理的作用なので、美しい角層を作るには表皮細胞の賦活
作用(増殖・分化作用)が必要であるが、従来の吸湿剤
や保湿剤はこのような作用を備えていない。
【0009】(5) 美しい肌の条件の1つとして、角層が
剥離していないことが挙げられる。これは、重度な角層
の剥離が肌荒れの1つであると考えられるからである。
ところで細胞間脂質も角質細胞間の接着に関与している
といわれているが、その作用は十分なものではない。細
胞同士間の接着機構としては、デスモソームをはじめと
して、接着帯、密着結合、ギャップ結合が知られている
が、従来の吸湿剤や保湿剤はこのような接着作用も備え
ていない。
【0010】したがってこれらの欠点のない物質及びこ
れを含有する化粧料の開発が望まれている。本発明の目
的は、従来技術における以上のような欠点を除去し、吸
湿、保湿の両機能はかりでなく、細胞賦活、細胞接着の
両作用も併せ持ち、しかも溶解性、保存安定性も優れ、
かつ広い範囲の剤型に適用可能で安価な化粧料を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、合成高分子のポ
リマー基体に対して単糖類又はオリゴ糖類を構成単位と
して共有結合した糖結合ポリマーを化粧料に配合するこ
とにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明
を完成した。
【0012】すなわち本発明は、ポリスチレン又はアク
リル樹脂から選択されたポリマー基体に単糖類又は四糖
類以下のオリゴ糖類を構成単位として共有結合した糖結
合ポリマーを含有することを特徴とする化粧料である。
尚、本明細書において「単糖類」の用語は、単糖に加え
て単糖の誘導体を、また「オリゴ糖類」の用語はオリゴ
糖に加えてオリゴ糖の誘導体を、それぞれ含む概念とし
て用いられる
【0013】以下に本発明を詳細に説明すると、本発明
の化粧料は上記糖結合ポリマーを、必要に応じて界面活
性剤、顔料、香料、酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収
剤、他の保湿剤、養毛剤等の添加物と共に水、エタノー
ル等の溶媒に溶解又は分散したものである。
【0014】ここで使用される糖結合ポリマーは、ポリ
マー基体に糖数が1〜4個の単糖類又はオリゴ糖類を構
成単位として共有結合したもので、ポリマー基体として
は、ポリスチレン、アクリル樹脂(例えばポリ−n−ブ
チルアクリレート又はメタクリレート、ポリメチルアク
リレート又はメタクリレート)及びそれらの共重合体
が挙げられる
【0015】これらポリマー基体に構成単位として共有
結合される単糖類又はオリゴ糖類の構成糖として、種類
は特に限定されないが、その具体例としては、D−グリ
セロース、D−アラビノース、D−キシロース、D−グ
ルコース、D−ガラクトース、D−マンノース、D−フ
ルクトース、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、
及びそれらの誘導体(例えば糖の水酸基をアミノ基、カ
ルボン酸基、アセチル基、スルホン酸基等で化学修飾し
たもの)等が挙げられる。また、オリゴ糖類においてこ
れらは単独で糖鎖(オリゴ糖構成単位)を構成しても、
任意の組み合せで糖鎖を構成してもよい。
【0016】さらに、オリゴ糖類において構成糖同士の
結合形式は、特に限定されないが、α−1,4結合、α
−1,6結合あるいはβ−1,4結合、β−1,6結合
が好ましい。以上のような単糖類又はオリゴ糖類を前記
ポリマー基体に共有結合させる方法としては、特に限定
されないが、単糖類又はオリゴ糖類とポリマー基体分子
の水酸基、アミノ基、カルボン酸基等の反応性官能基と
を架橋剤を用いて結合させる合成法、ポリマー基体分子
に反応性官能基がない場合には、反応性官能基を導入し
た後、架橋剤を用いて結合させる合成法等が挙げられ
る。
【0017】架橋剤を用いる方法としては、例えば、臭
化シアン、酸アジド、水溶性カルボジイミド等を利用し
たペプチド結合合成法;ポリマー基体に導入した芳香族
アミノ基と亜硫酸ナトリウムとを反応させて得たジアゾ
ニウム化合物を利用するジアゾ合成法;ハロゲン化アセ
チル誘導体、トリアジニル誘導体を利用するアルキル化
法;グルタルアルデヒド等のアルデヒド基とポリマー基
体のアミノ基との反応を利用するシッフ塩基形成合成
法;カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基及びイソ
ニトリル基を共存させて縮合を行うUgl反応合成法;
トレシルエステルを利用するトレシルクロリド合成法;
スベリン酸ジ−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル、酒石酸ジ−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル
等の活性エステル基を用いる合成法;ジメチルスベロイ
ミデート二塩基酸、メチル−4−メルカプトブチルイミ
デート塩酸塩、メチル−4−アジドベンゾイミデート塩
酸塩等のイミドエステル基を用いる合成法;p−フェニ
レンビスマレイミド等のマレイミド基を用いる合成法;
ポリマー基体の水酸基をN,N’−カルボニルジイミダ
ゾールで活性化する合成法が挙げられる。これらの合成
法は、水溶液中や、ジメチルホルムアミド(DMF)、
ピリジンのような極性有機溶媒中でも行うことができ
る。好ましい溶媒は極性有機溶媒である。
【0018】ポリマー基体に反応性官能基を導入して結
合させる合成法としては、架橋剤をポリマー基体に直接
結合させ、あるいは、ポリマー基体にポリエチレングリ
コールやポリプロピレングリコール等をグラフトさせ、
その末端に架橋剤を結合させることにより、反応性官能
基を導入する方法が挙げられる。
【0019】以上のようにして得られる糖結合ポリマー
の具体例としては、ポリ(N−p−ビニルベンジル−D
−セロビオンアミド)(以下、PVCAと略す。)、ポ
リ(N−p−ビニルベンジル−D−ラクトンアミド)
(以下、PVLAと略す。)、ポリ(N−p−ビニルベ
ンジル−D−マルトンアミド)(以下、PVMAと略
す。)、ポリ(N−p−ビニルベンジル−D−グルコン
アミド)(以下、PVGAと略す。)、ポリ(D−グル
コシル−エチルメタクリレート)(以下、PGMAと略
す。)、ポリ(β−D−マルトシル−エチルメタクリレ
ート)(以下、PM MAと略す。)、ポリ(β−D−セ
ロビオシル−エチルメタクリレート)(以下、PCMA
と略す。)、ポリ(β−D−マルトトリオシル−エチル
メタクリレート)(以下、PMTMAと略す。)等が挙
げられる。
【0020】以下に、一例としてN−p−ビニルベンジ
ル−D−セロビオンアミド(以下、VCAと略す。)及
びPVCAの合成例を示す。
【0021】(VCAの合成例) セロビオース(11.4g)を水(40ml)に溶解
し、メタノール(60ml)で希釈した。これを40℃
に加熱したヨウ素(17.1g)のメタノール溶液(2
00ml)に加えた。
【0022】次に4%水酸化カリウムメタノール溶液を
適下ロートから45分かけて、遊離のヨウ素の色が消失
するまで添加した。析出した物質を水(20ml)に溶
解し、氷冷したメタノール(300ml)に注いだ。白
色生成物を吸引濾過により単離した。粗結晶をメタノー
ル−水(5:1)の混合溶媒(900ml)から再結晶
した(10g、78%)。
【0023】上記生成物8gを水(40ml)に溶解
し、アンバーライトIR−120をつめたカラムに25
分かけて通した。通過液を減圧濃縮した後、メタノール
に溶解し、エタノールを加えて乾固する操作を3回繰り
返した。その後、真空乾燥して白色粉末状のセロビオー
スラクトンを得た(4.9g、80%)。
【0024】セロビオースラクトン(5g)を還流メタ
ノール(120ml)に溶解した後、p−ビニルベンジ
ルアミン(2.0g)のメタノール溶液を添加して、反
応液を減圧濃縮し、生成物をシリカゲルカラム(展開溶
媒、アセトン:メタノール:水=9:4:1容量比)に
通して精製し、凍結乾燥し、白色粉末状のVCAを得た
(5.4g、80%)。
【0025】(PVCAの合成例) VCA(0.95g:2.0mmol)を重合管に採取
し、これに水2.0ml及び重合開始剤としてペルオキ
ソ二硫酸カリウムをVCAの0.2モル%加えた。単量
体を水に溶解し、脱気コックを取り付けて凍結脱気を3
回行い、試験管のくびれ部を溶封した。
【0026】60℃で14時間重合させた後、重合液を
メタノールに注いで重合体を析出させた。析出した白色
粉末を水に溶解してメタノールに再沈澱させる操作を3
回行って精製した。収量は、0.57g(収率60%)
であった。これを再び水に溶解してセルロースチューブ
に入れて2日以上透析した後、水溶液を濃縮して凍結乾
燥した。本発明に使用される上記糖結合ポリマーの量は
使用目的によって異なるが、通常0.001〜10%
(重量、以下同じ)好ましくは0.1〜3%の範囲であ
る。
【0027】なお、本発明で使用される添加物、溶媒は
従来と同じものでよい。次に糖結合ポリマーの作用を
リスチレンをポリマー基体とするPVCA及びアクリル
樹脂を基体とするPGMAの例で説明する。
【0028】<1>糖結合ポリマーの吸湿性 (1)試料の調整 PVCA及びPGMAの膜を、溶液キャスト法により作
成した。すなわち、PVCAを50%エタノール溶液
、またPGMAを水溶液にそれぞれ5%濃度となるよ
うに調製し、この溶液5mlを25cm2のテフロン膜
上に流延した後、室温にて溶媒を揮散させることによ
り、厚さ100μmのPVCA膜及びPGMA膜を作成
した。
【0029】比較対象として、キトサンを使用した。キ
トサン膜は、4%キトサンの酢酸水溶液を用いてキャス
ト法により作成した。
【0030】(2)吸湿量の測定 シリカゲルを入れたデシケーター中で乾燥させた前記試
料膜を、RH91%(Na2HPO4飽和水溶液)に調整
したデシケーター中に放置して、18時間後、24時間
後に各試料膜の重量を精秤し、下記の計算式により吸湿
率を求め、図1に示す結果を得た。 吸湿率=(Wn−Wo)/Wo×100 Wo:放置前の乾燥重量 Wn:放置後の重量 この結果から、PVCAはキトサンと同等以上の良好な
吸湿性を有し、PGMAはキトサンと同程度の吸湿性を
有することがわかった。
【0031】<2>糖結合ポリマーの人工的な肌荒れに
対する防止・改善作用 次に、PVCA及びPGMAの肌荒れ防止・改善作用を
調べた。 (1)人工肌荒れの惹起 直径3cmのガラスカップを健常人(男女8人づつ)の
前腕内側部の皮膚3部位に密着させ、内部に5%ラウリ
ル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液10mlを入れた。
【0032】10分後、SLS水溶液を回収し、新たな
SLS溶液を使用し、同一の処理を20分間行った。
【0033】(2)肌荒れ改善・防止作用の評価 上記のように人工肌荒れを惹起した後、各人とも1部位
には3%のPVCA溶液(50%エタノール水溶液)を
約3μlづつ、1部位には3%のPGMA水溶液を約3
μlづつ、1日3回塗布し、他の1部位は比較対象とし
た。
【0034】肌荒れ改善・防止作用の評価は、PVCA
溶液及びPGMA水溶液塗布前後の皮膚角層の水分量の
測定及び皮疹の判定により行った。皮膚角層の水分量
は、Skicon−100(IBS社製水分測定器)を
用いて測定した。測定は、測定部位の皮膚を温水で30
秒洗浄した後被験者を20℃、湿度50%の環境下に2
0分間順応させた後に行った。結果は、人工肌荒れ前の
測定値を100%として図2に示した。
【0035】皮疹の判定は、落屑を伴う乾燥性の皮疹を
以下の基準で肉眼判定することにより行い、結果を図3
に示した。 0:乾燥落屑性変化は認められない 1:かすかな乾燥落屑性変化が認められる 2:明瞭な乾燥落屑性変化が認められる 3:著しい乾燥落屑性変化が認められる 以上の結果から、PVCA及びPGMAはSLSにより
惹起された人工肌荒れに対して防止・改善効果があるこ
とが明かである。これは本物質が両親媒性(親水性のオ
リゴ糖と疎水性のスチレン又はメタクリル酸による)で
あることが、皮膚に含まれている両親媒性のセラミドの
働きを代替することによると推定される。すなわち本物
質は、セラミドと同様、水分保持、接着性に優れている
ことがわかった。
【0036】<3>糖結合ポリマーの細胞接着・増殖作
用 PVCA及びPGMAの細胞接着・増殖作用を調べた。
直径3cmのシャーレに0.001〜0.01%のPV
CA溶液(50%エタノール水溶液)又はPGMA水溶
液1mlを浸して、シャーレ表面をコーティングした。
このシャーレと無処理のシャーレに5×105個のヒト
正常表皮細胞を接種し、培養を開始した。この細胞に
は、Epipackキット(クラボウ社製)を使用し、
培養液も、同キットのものを使用した。
【0037】細胞の接着性は、培養開始1時間後に、増
殖性は72時間後に位相差顕微鏡による観察によって評
価した。下記の基準による結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】接着性の評価基準 接種細胞数の50%以上が接着している :◎ 接種細胞数の40%ほどが接着している :○ 接種細胞数の30%以下が接着している :△ 増殖性の評価基準 シャーレ面の50%以上が単層の細胞におおわれている
:◎ シャーレ面の40%ほどが単層の細胞におおわれている
:○ シャーレ面の30%以下が単層の細胞におおわれている
:△ この結果から、比較対照の無処理のシャーレと比較し
て、PVCA及びPGMAをコーティングしたシャーレ
では、細胞の接着性、増殖性ともに優れていたが、特に
PVCAにおいて顕著であった
【0040】<4>糖結合ポリマーの経時安定性 2%PVCA溶液(50%エタノール水溶液、0、2%
メチルパラベン含有)及びPGMA水溶液(0、2%メ
チルパラベン含有)を作製後、適当な緩衝剤を各々加え
てpH4.0、6.0、8.0、10.0の各水溶液を
作製した。
【0041】これらを30℃で3カ月間放置した後、そ
の状態を観察し、結果を表2に示した。尚、これらは、
放置開始時にはPVCAは無色透明、またPGMAは微
黄色透明であり、沈澱等は認めらなかった。
【0042】
【表2】
【0043】この結果から、PVCA及びPGMAは広
い範囲のpH領域において優れた安定性を有しているこ
とがわかった。本発明の化粧料は、皮膚あるいは頭皮、
頭髪に使用する化粧料であれば特に限定されるものでは
なく、例えば化粧水、乳液、クリーム等の基礎化粧料、
あるいは口紅等のメイクアップ化粧料、ヘアートニック
等の養毛化粧料に適用することができる。これらの化粧
料は通常の化粧料と同様の方法で製造することができ
る。
【0044】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳しく説明す
る。
【0045】
【実施例1】表3に示す原料を常温で充分混合して化粧
水を調製した。
【0046】
【表3】
【0047】
【実施例2】表4に示す原料を次のような手順で充分混
合して乳液を調製した表4のの油相成分との水相成
分をそれぞれ80℃に加熱した。油相成分に水相成分を
攪拌しながら加えて乳化し、40℃まで冷却して香料を
加え、更に室温まで冷却した。
【0048】
【表4】
【0049】
【実施例3】表5に示す原料を室温で充分混合してヘア
ートニックを調製した。
【0050】
【表5】
【0051】
【実施例4】表6に示す原料を室温で混合してヘアーロ
ーションを得た。
【0052】
【表6】
【0053】<本発明の化粧料の効果> 本発明により得られた化粧料と従来の化粧料とを、美肌
効果及び養毛効果により比較した。
【0054】(美肌効果の比較) 本実施例2の乳液と、これからPVCAを除去し、水を
増量した従来の乳液を比較品として美肌効果を比較し
た。
【0055】邦人女性(年齢:22〜45才)40人を
無作為にA群、B群(各20人)に分け、A群には実施
例2の乳液を、B群には比較品をそれぞれ1カ月使用し
てもらった。1カ月後の肌のしっとり感(保湿効果)や
肌のはりの改善(賦活効果)について群間比較を行っ
た。その結果を表7に示す。
【0056】
【表7】
【0057】この結果から明かなように、本発明品の乳
液は、比較品に比べ、優れた美肌効果を有していた。
【0058】(養毛効果の比較) 本実施例3のヘアートニックと、これからPVMAを除
去し、水を増量した従来のヘアートニックを比較品とし
て養毛効果を比較した。
【0059】ICRマウス(雄5週齢)10匹の背部を
バリカンで除毛(3×4cm2)した後、さらにバリカ
ン除毛部位に除毛クリーム(商品名:コーワ除毛クリー
ムジェリー)を塗布し、10分後除毛クリームを温湯で
洗浄した。
【0060】その後、ICRマウスをX群、Y群の2群
(各5匹)に分け、X群には実施例3のヘアートニック
を、Y群には比較品を、それぞれ20μlづつ毎日塗布
した。除毛開始後14日目に新生毛20本づつをサンプ
リングして体毛長の平均値の群間比較を行った。その結
果を表8に示す。
【0061】
【表8】
【0062】この結果から、本発明品のヘアートニック
は、比較品に比べ、優れた養毛効果を有することが明か
となった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、吸湿、保湿の両機能ば
かりでなく、細胞賦活、細胞接着の両作用も併せ持ち、
しかも溶解性、保存安定性も優れ、かつ、広い範囲の剤
型に適用可能で安価な化粧料を提供することができる。
またこれらの作用により本発明の化粧料は肌荒れ防止及
び老化防止に有効である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる糖結合ポリマーであるPV
CA膜、PGMA膜及び従来のキトサン膜の吸湿率の経
時変化を示す図。
【図2】PVCA溶液及びPGMA溶液を皮膚に塗布し
た前後における角層の水分量の経時変化を示す図。
【図3】PVCA溶液及びPGMA溶液を皮膚に塗布し
た前後における皮疹の経時変化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−76007(JP,A) 特開 昭61−181960(JP,A) 特開 平3−264514(JP,A) 特開 平4−122701(JP,A) 特開 平4−23802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 A61K 7/06 A61K 7/48 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン又はアクリル樹脂から選択
    されたポリマー基体に単糖類又は四糖類以下のオリゴ糖
    類を構成単位として共有結合した糖結合ポリマーを含有
    することを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 単糖類又はオリゴ糖類の構成糖が、D−
    グリセロース、D−アラビノース、D−キシロース、D
    −グルコース、D−ガラクトース、D−マンノース、D
    −フルクトース、D−グルコサミン、D−ガラクトサミ
    ン及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる請求項1
    記載の化粧料
  3. 【請求項3】 糖結合ポリマーの含有量が0.001〜
    10重量%である請求項1又は2に記載の化粧料
  4. 【請求項4】 糖結合ポリマーがポリ(N−p−ビニル
    ベンジル−D−セロビオンアミド)、ポリ(N−p−ビ
    ニルベンジル−D−ラクトンアミド)、ポリ(N−p−
    ビニルベンジル−D−マルトンアミド)、ポリ(N−p
    −ビニルベンジル−D−グルコンアミド)よりなる群か
    ら選ばれる請求項1〜3の何れか一項に記載の化粧料
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