JP3595592B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリアミノ酸に糖類及び/又はその誘導体が共有結合した糖結合ポリアミノ酸を含有する化粧料に関し、詳しくは、皮膚や毛髪に対して吸湿、保湿、接着、賦活作用を有し、従って優れた肌荒れ改善効果、抗シワ、美肌効果、育毛効果を有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
美しい肌の条件として、皮膚の潤い、柔軟性、ハリ、滑らかさ、シワがない等が挙げられるが、この様な特性は、皮膚、特に、表皮角層の水分量と皮膚細胞の活性に関係しているといわれている。また、頭髪における水分量は、頭髪の質に影響を与える要素の一つであるといわれている。
【0003】
そのため、美肌、育毛等化粧料の目的にとって重要な機能の1つとして、皮膚及び頭髪に適度な水分を保持させることが挙げられ、水分保持を目的とする多種の化粧料が開発されてきた。
【0004】
この様な化粧料として、例えば、吸湿剤、保湿剤を単独あるいは組合せて配合した化粧料が提案されており、吸湿剤としては、糖質、特にヒアルロン酸、キチン等の多糖類や、皮膚由来の天然保湿成分であるNMF作用物質や、コラーゲン、エラスチン等のタンパク質が利用されている。また、保湿剤としては、近年の皮膚科学の進歩により、角層間脂質物質であるセラミド等が角層の水分保持に重要な働きをしていることがわかったので、合成あるいは天然抽出されたセラミド等が利用されている。
【0005】
しかし、これらの化粧料には、以下の様な問題点があった。
(1)セラミド等の細胞間脂質は、高価な上に溶解性が悪いために、有効な濃度まで化粧料に配合することは実際的でない。
(2)吸湿剤は、使用感がベトベトしていてさっぱり感がない。特に、化粧水の様な場合には、経日安定性に劣り、長期保存により沈殿が生じたり、微生物による分解により粘度低下をきたす。
(3)吸湿剤、細胞間脂質系保湿剤をそれぞれ単独で配合する場合には、皮膚に理想的な吸湿、保湿作用を有する化粧料を得ることができない。また、これらを組み合わせて使用する場合は、化粧料の剤型や配合濃度が限定される。従って、一物質で吸湿作用、細胞間脂質作用(保湿作用)を有し、広い範囲の剤型に適用可能な物質が望まれている。
(4)吸湿剤、細胞間脂質様物質の作用は物理的作用なので、美しい角層を作るには表皮細胞の賦活作用(増殖作用)が必要であるが、従来の吸湿剤や保湿剤はこのような作用を備えていない。
(5)美しい肌の条件の1つとして、角層が剥離していないことが挙げられる。これは、重度な角層の剥離が肌荒れの1つであると考えられるからである。ところで細胞間脂質も角質細胞間の接着に関与しているといわれているが、その作用は十分なものではない。細胞同士間の接着機構としては、デスモソームをはじめとして、接着帯、密着結合、ギャップ結合が知られているが、従来の吸湿剤や保湿剤はこのような接着作用も備えていない。
【0006】
そこで、上記の様々な問題点を克服する物質が研究探索され、これまでに、各種ポリマーに糖類を共有結合した糖結合ポリアミノ酸を化粧料に配合した、吸湿、保湿の両機能ばかりでなく、細胞賦活、細胞接着の両作用も併せ持ち、しかも溶解性、保存安定性にも優れ、かつ広い範囲の剤型に適用可能で安価な化粧料が開発されている。しかし、この様な糖結合ポリマーにおいては、主鎖を構成するポリマーの種類によって、細胞賦活、細胞接着性等の機能が十分でない場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり、吸湿、保湿、細胞賦活、細胞接着の作用に優れ、しかも溶解性、保存安定性、更に安全性をも併せ持ち、かつ広い範囲の剤型に適用可能な化粧料を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、アミノ酸分子が酸アミド結合により縮重合して得られるポリアミノ酸に、糖類及び/又はその誘導体を共有結合させた糖結合ポリアミノ酸を化粧料に配合することにより、吸湿、保湿、細胞賦活、細胞接着の作用に優れ、しかも溶解性、保存安定性、更に安全性をも併せ持ち、かつ広い範囲の剤型に適用可能な化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち本発明は、ポリアミノ酸に糖類及び/又はその誘導体が共有結合した糖結合ポリアミノ酸を含有することを特徴とする化粧料である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>糖結合ポリアミノ酸
本発明に用いる糖結合ポリアミノ酸は、ポリアミノ酸に糖類及び/又はその誘導体が共有結合した構造を有する。
【0010】
上記ポリアミノ酸は、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する1種又は2種以上のアミノ酸が酸アミド結合により縮重合して得られる縮重合体であれば特に制限はないが、この様にして得られるポリアミノ酸のうち重合度が30〜700程度のポリアミノ酸が本発明においては好ましく用いられる。
【0011】
上記ポリアミノ酸の構成単位となるアミノ酸はイミノ酸も含むものであり、この様なアミノ酸としては、例えば、タンパク質を構成するグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、オキシプロリン、オルニチン等のα−アミノ酸、非タンパク質性アミノ酸であるβ−アラニン、β−アミノ酪酸等のβ−アミノ酸、γ−アミノ酪酸、カルニチン等のγ−アミノ酸、δ−アミノレブリン酸等のδ−アミノ酸等を挙げることができる。
【0012】
上記アミノ酸の縮重合は、一方のアミノ酸分子のアミノ基と他方のアミノ酸分子のカルボキシル基が反応して脱水する反応により行われるが、この際、原料のアミノ酸がアスパラギン酸、グルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸(酸性アミノ酸)やリジン、アルギニン等のジアミノモノカルボン酸(塩基性アミノ酸)である場合には、これらのアミノ酸のどちらのカルボキシル基又はどちらのアミノ基が縮合に関与しても構わない。
【0013】
このように、本発明において用いる「ポリアミノ酸」とは、α−アミノ酸がペプチド結合により縮重合して得られるいわゆるポリアミノ酸の他に、α−アミノ酸以外のアミノ酸の縮重合体や、α−アミノ酸のうちでも、モノアミノジカルボン酸(酸性アミノ酸)やジアミノモノカルボン酸(塩基性アミノ酸)を単量体として、これらのα位以外のアミノ基及び/又はカルボキシル基を酸アミド結合させて得られる縮重合体も含む概念とする。
【0014】
本発明に用いるポリアミノ酸は、上記の様にアミノ酸の酸アミド結合による縮重合で得られる他、天然のペプチド類をそのまま用いることも可能であり、またタンパク質を部分的に加水分解することによって得ることも可能である。この様なポリアミノ酸のうちでも、本発明において好ましく用いられるポリアミノ酸は、1種のアミノ酸を縮重合させて得られるホモポリマーであり、この様なポリアミノ酸として、例えば、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリグルタミン酸等を挙げることができる。
【0015】
本発明に用いる糖類及び/又はその誘導体としては、これを構成する糖類の種類、糖数、糖類間の結合形式について特に限定されるものではないが、例えば、D−グリセロース、D−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−ガラクトース、D−マンノース、D−フルクトース及びそれらの誘導体(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコン酸、D−ガラクトン酸、シアル酸、ムラミン酸、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−ユンヌロン酸等の糖の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、アシル基、スルホン酸基等で化学修飾したもの、あるいは、更にこれらの官能基を介して各種化合物が結合したもの)から選ばれる糖類を構成単位とするものが好ましく挙げられる。これらの糖類の1種あるいは2種以上を構成単位として上記糖類が構成されるが、この糖数は、1〜10であることが好ましく、更に、構成糖同士の結合形式は、α−1,4結合、α−1,6結合、あるいは、β−1,4結合、β−1,6結合が好ましい。
【0016】
本発明に用いる糖結合ポリアミノ酸は、上述したポリアミノ酸に糖類及び/又はその誘導体(以下、これを糖類という)が共有結合したものであるが、この様な糖結合ポリアミノ酸のうちでも本発明においては、化1で表されるポリ−α−置換 ε−L−リジンのD−ガラクトピラノシルグルコン酸誘導体(以下、必要に応じてこの化合物をPεLys−LAと表す。)、化2で表されるポリ−δ−置換 L−オルニチンのD−ガラクトピラノシルグルコン酸誘導体(以下、必要に応じてこの化合物をPOrn−LAと表す。)、化3で表されるポリ−ε−置換 L−リジンのマルトースラクトン誘導体(以下、必要に応じてこの化合物をPLys−MAと表す。)、化4で表されるポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のグルコースアミドブチルアミン誘導体、化5で表されるポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のマルトヘプタオースアミドブチルアミン誘導体等を配合することが好ましい。
【0017】
【化1】
【0018】
但し、化1中n及びmは1以上の整数をそれぞれ表し、n≧mである。
【0019】
【化2】
【0020】
但し、化2中p及びoは1以上の整数をそれぞれ表し、p≧oである。
【0021】
【化3】
【0022】
但し、化3中r及びqは1以上の整数をそれぞれ表し、r≧qである。
【0023】
【化4】
【0024】
但し、化4中t及びsは1以上の整数をそれぞれ表し、t≧sである。
【0025】
【化5】
【0026】
但し、化5中v及びuは1以上の整数をそれぞれ表し、v≧uである。
ここで、本明細書において用いる「置換」とは、例えば、上記ポリ−α−置換ε−L−リジンのD−ガラクトピラノシルグルコン酸誘導体で用いる「置換」のように、酸アミド結合によりポリアミノ酸ポリマー側鎖のアミノ基の水素原子がD−ガラクトピラノシルグルコン酸残基と置き換わった場合についても、用いられる概念とする。
【0027】
以下に、本発明に用いる糖結合ポリアミノ酸の具体的な構造について、好ましい糖結合ポリアミノ酸であるPεLys−LA及びPOrn−LAを例にして説明する。
【0028】
PεLys−LAは、上記一般式(I)に示されるように、ポリ(ε−L−リジン)の少なくとも一部あるいは全部のL−リジン残基のα−アミノ基がD−ガラクトピラノシルグルコン酸とアミド結合した糖結合ポリアミノ酸であり、また、POrn−LAは、上記一般式(II)に示されるようにポリ(L−オルニチン)の少なくとも一部あるいは全部のL−オルニチン残基のδ−アミノ基がD−ガラクトピラノシルグルコン酸とアミド結合した糖結合ポリアミノ酸である。
【0029】
上記一般式(I)で示されるPεLys−LAの主鎖を構成するポリ(ε−L−リジン)の重合度(一般式(I)におけるn)は、また、一般式(II)で示されるPOrn−LAの主鎖を構成するポリ(L−オルニチン)の重合度(一般式(II)におけるp)は、上述した通り30〜700であることが本発明においては好ましい。
【0030】
上記ポリ(ε−L−リジン)は、ジアミノモノカルボン酸(塩基性アミノ酸)であるL−リジンのカルボキシル基とε−アミノ基による酸アミド結合が繰り返されて得られるポリアミノ酸であり、α−位のアミノ基は上記縮重合反応には関与せずにポリマー主鎖に側鎖の状態で反応性官能基として残される。PεLys−LAは、この様なポリ(ε−L−リジン)のL−リジン残基のα−アミノ基の少なくとも一部あるいは全部(一般式(I)におけるm個)がD−ガラクトピラノシルグルコン酸とアミド結合してなるものである。
【0031】
また、同様にポリ(L−オルニチン)は、ジアミノモノカルボン酸(塩基性アミノ酸)であるL−オルニチンのカルボキシル基とα−アミノ基による酸アミド結合が繰り返されて得られるポリアミノ酸であり、δ−位のアミノ基は上記縮重合反応には関与せずにポリマー主鎖に側鎖の一部に反応性官能基として残される。POrn−LAは、この様なポリ(L−オルニチン)のL−オルニチン残基のδ−アミノ基の少なくとも一部あるいは全部(一般式(II)におけるo個)がD−ガラクトピラノシルグルコン酸とアミド結合してなるものである。
【0032】
ここで、PεLys−LAにおける、D−ガラクトピラノシルグルコン酸が結合したL−リジン残基の数が、ポリ(ε−L−リジン)を構成するL−リジン残基の総数の、同様にPOrn−LAにおける、D−ガラクトピラノシルグルコン酸が結合したL−オルニチン残基の数が、ポリ(L−オルニチン)を構成するL−オルニチン残基の総数の、5〜100%であることが、本発明においては好ましい。この好ましい百分率の範囲5〜100%は、本発明に用いる他の糖結合ポリアミノ酸における、ポリアミノ酸を構成するアミノ酸残基の総数に対する糖類が結合したポリアミノ酸残基の数の百分率においても同様である。
【0033】
以下、本明細書において、ポリアミノ酸を構成するアミノ酸残基の総数に対する糖類が結合したポリアミノ酸残基の数の百分率を、ポリアミノ酸への糖類導入率と呼ぶことにする。ポリアミノ酸への糖類導入率が5%未満では、得られる糖結合ポリアミノ酸が細胞毒性を示すことがある。
【0034】
この様な糖結合ポリアミノ酸の製造方法であるが、特に限定されるものではなく、例えば、糖類とポリアミノ酸の有する水酸基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基とを架橋剤を用いて結合させる合成法、ポリアミノ酸に反応性官能基がない場合には、反応性官能基を導入した後、架橋剤を用いて結合させる合成法等が挙げられる。
【0035】
架橋剤を用いる方法としては、例えば、臭化シアン、酸アジド、水溶性カルボジイミド等を利用したペプチド結合合成法、ポリアミノ酸に導入した芳香族アミノ基と亜硫酸ナトリウムとを反応させて得たジアゾニウム化合物を利用するジアゾ合成法、ハロゲン化アセチル誘導体、トリアジニル誘導体を利用するアルキル化法、グルタルアルデヒド等のアルデヒド基とポリアミノ酸のアミノ基との反応を利用するシッフ塩基形成合成法、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基及びイソニトリル基を共存させて縮合を行うUgl反応合成法、トレシルエステルを利用するトレシルクロリド合成法、スベリン酸ジ−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、酒石酸ジ−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル等の活性エステル基を用いる合成法、ジメチルスベロイミデート二塩基酸、メチル−4−メルカプトブチルイミデート塩酸塩、メチル−4−アジドベンゾイミデート塩酸塩等のイミドエステル基を用いる合成法、p−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド基を用いる合成法、ポリアミノ酸の水酸基をN,N’−カルボニルジイミダゾールで活性化する合成法等が挙げられる。これらの合成法は、水溶液中やジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジンのような極性有機溶媒中でも行うことができる。好ましい溶媒は、極性有機溶媒である。
【0036】
反応性官能基を持たないポリアミノ酸に反応性官能基を導入して糖類と結合させる合成法としては、ポリアミノ酸に架橋剤を直接結合させ、あるいは、ポリアミノ酸にポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等をグラフトさせ、その末端に架橋剤を結合させることにより、反応性官能基を導入する方法等が挙げられる。
【0037】
以下に、本発明において糖結合ポリアミノ酸として好ましく用いられるPεLys−LA及びPOrn−LAを例として、糖結合ポリアミノ酸の製造方法について具体的に説明する。
【0038】
PεLys−LA、POrn−LAの製造方法は、基本的には、ポリ(ε−L−リジン)のL−リジン残基のα−アミノ基と、あるいはポリ(L−オルニチン)のL−オルニチン残基のδ−アミノ基と、D−ガラクトピラノシルグルコン酸のカルボキシル基とを酸アミド結合する方法を考えればよい。原料のポリ(ε−L−リジン)、ポリ(L−オルニチン)は、一般法に従い、L−リジンをそのε−アミノ基とα−カルボキシル基の酸アミド結合により、あるいはL−オルニチンをそのα−アミノ基とα−カルボキシル基の酸アミド結合により、必要な重合度にまで縮重合させて得られる他、ポリ(ε−L−リジン)については、チッ素株式会社等より、また、ポリ(L−オルニチン)については、シグマ社等よりそれぞれ市販されているもののうち適当な重合度のポリアミノ酸を選択してこれを用いることも可能である。
【0039】
この様なPεLys−LA、POrn−LAの製造方法としては、例えば、ポリ(ε−L−リジン)またはポリ(L−オルニチン)をN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)緩衝液に溶解し、D−ガラクトピラノシルグルコン酸と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライド(EDC)を添加して20〜30℃で3〜7日間反応させる方法等が挙げられる。得られた反応粗製物には、反応終了後、必要に応じて、反応液を透析チューブ等を用いて透析する等の精製処理、凍結乾燥等の乾燥処理等が施される。ポリ(ε−L−リジン)またはポリ(L−オルニチン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入率の調整は、反応液へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の添加量を調整することにより行うことができる。
【0040】
また、実際に得られたPεLys−LAにおけるポリ(ε−L−リジン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入率は、NMR測定を行い、εCH2(3.16ppm付近)、骨格CH(3.77ppm付近)、D−ガラクトピラノシルグルコン酸残基(3.4〜4.49ppm)によるシグナルを用いて計算することが可能である。また、POrn−LAにおけるポリ(L−オルニチン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入率も同様にして、NMR測定を行い、δCH2(2.97ppm付近)、骨格CH(4.27ppm付近)、D−ガラクトピラノシルグルコン酸残基(3.49〜4.51ppm)によるシグナルを用いて計算することが可能である。
【0041】
この様にして得られる糖結合ポリアミノ酸は、後述のように細胞接着性や細胞増殖性に優れ、以下の様にして化粧料の有効成分として用いられる。
【0042】
<2>本発明の化粧料
本発明の化粧料は、上記糖結合ポリアミノ酸の1種または2種以上を配合したものである。配合量は、化粧料全量に対して0.001〜10重量%であることが好ましい。配合量が0.001重量%未満では、十分な肌荒れ改善効果、抗シワ、美肌効果や育毛効果が得られないことがあり、また、10重量%を越えても効果が頭打ちであり経済的に好ましくない。
【0043】
本発明の化粧料の剤型は、特に限定されるものではなく、例えば、ローション、乳液、クリーム、水性ゲル、オイルゲル、軟膏、アンダーメークアップ、ファンデーション、パウダー、口紅、アイライナー、ヘアトニック、シャンプー、リンス、ポマード、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアリキッド、ヘアローション、スタイリングフォーム等の通常、皮膚用や頭髪用の化粧料として用いられているものが挙げられる。これらの化粧料は、上記糖結合ポリアミノ酸を配合する以外は、通常の化粧料と同様の方法で製造することができる。
【0044】
また、本発明の化粧料には、上記糖結合ポリアミノ酸以外に、通常、化粧料に適用される、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)や合成ゲイロウ、ホホバ油、カルナウバワックス等のエステル類、オリーブ油、牛脂等の動植物油脂、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性剤、4級アルキルアミン塩等のカチオン界面活性剤、脂肪酸モノグリセライド、ポオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性剤等の界面活性剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコール類、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、パラベン類やグルコン酸クロルヘキシジン等の防腐剤類、パラアミノ安息香酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤類、ビタミンEやブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、ポリエチレングリコール等の保湿剤、クエン酸塩、酢酸塩等のpH調整剤、酸化チタン、シリカゲル、タルク等の粉体類、香料、色素等、ヒアルロン酸、胎盤抽出物、朝鮮人参エキス、ステロール配糖体等の各種目的に応じた薬効成分などが適宜選択されて配合される。
【0045】
また、上記糖結合ポリアミノ酸以外に、頭髪用の化粧料には育毛を促進する薬剤を、皮膚用の化粧料には肌荒れ改善作用を有する薬剤をそれぞれ配合しても構わない。
【0046】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。まずはじめに、本発明の化粧料に配合する糖結合ポリアミノ酸の製造例について説明する。
【0047】
【製造例1】
ポリ−α−置換 ε−L−リジンのD−ガラクトピラノシルグルコン酸誘導体
1gのポリ(ε−L−リジン)(チッ素株式会社製、分子量5100、7.8mmol)を50mMのTEMED緩衝液(pH4.7)15mLに溶解し、D−ガラクトピラノシルグルコン酸の2.16gとEDCの0.91gを添加して3昼夜、室温で反応させた。反応終了後、反応液を透析チューブ(スペクトラム、分子量カット3500)に移し、30Lの蒸留水に対して透析を行った。透析終了後、凍結乾燥を行って0.6gのPεLys−LAを得た。この様にして得られたPεLys−LAのIR及びNMRの測定を行った。その結果を図1(IR)及び図2(NMR)に示す。
【0048】
次に、上記図2に示すNMRチャートを用いて上記で得られたPεLys−LAにおけるポリ(ε−L−リジン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入率を求めた。
【0049】
図2において3.16ppm付近の強いシグナルは、εCH 2 によるもので積分比は2となる。次に、3.77ppm付近は骨格CHによるもので積分比は1となる。また、3.4〜4.49ppmのシグナルは、D−ガラクトピラノシルグルコン酸残基によるものであり、ポリ(ε−L−リジン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入割合をXとすると、積分比は21Xとなる。
【0050】
図2より実際に得られる3.4〜4.49ppmのシグナル対3.16ppm付近のシグナルのシグナル比は6.175:2.0であることから、関係式6.175:2.0=21X+1:2が成り立ち、この方程式よりX=0.246が得られる。つまり、上記製造例で得られたPεLys−LAにおけるポリ(ε−L−リジン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入率は、24.6%と算出された。
【0051】
【製造例2】
ポリ−δ−置換 L−オルニチンのD−ガラクトピラノシルグルコン酸誘導体
1gのポリ(L−オルニチン)(シグマ社製、分子量15000〜30000、8.7mmol)を50mMのTEMED緩衝液(pH4.7)15mLに溶解し、D−ガラクトピラノシルグルコン酸の2.16gとEDCの0.91gを添加して3昼夜、室温で反応させた。反応終了後、反応液を透析チューブ(スペクトラム、分子量カット3500)に移し、30Lの蒸留水に対して透析を行った。透析終了後、凍結乾燥を行って0.7gのPOrn−LAを得た。この様にして得られたPOrn−LAのIR及びNMRの測定を行った。その結果を図3(IR)及び図4(NMR)に示す。
【0052】
次に、上記図4に示すNMRチャートを用いて上記で得られたPOrn−LAにおけるポリ(L−オルニチン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入率を求めた。
【0053】
図4において2.97ppm付近の強いシグナルは、δCH 2 によるもので積分比は2となる。次に、4.27ppm付近は骨格CHによるもので積分比は1となる。また、3.49〜4.51ppmのシグナルは、D−ガラクトピラノシルグルコン酸残基によるものであり、ポリ(L−オルニチン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入割合をXとすると、積分比は21Xとなる。
【0054】
図4より実際に得られる3.49〜4.51ppmのシグナル対2.97ppm付近のシグナルのシグナル比は5.538:1.90であることから、関係式5.538:1.90=21X+1:2が成り立ち、この方程式よりX=0.230が得られる。つまり、上記製造例で得られたPOrn−LAにおけるポリ(L−オルニチン)へのD−ガラクトピラノシルグルコン酸の導入率は、23.0%と算出された。
【0055】
【製造例3】
ポリ−ε−置換 L−リジンのマルトースラクトン誘導体
1gのポリ(L−リジン)(チッ素株式会社製、分子量5000、7.9mmol)を50mMのTEMED緩衝液(pH4.7)15mLに溶解し、マルトースラクトンの2.16gとEDCの0.91gを添加して3昼夜、室温で反応させた。反応終了後、反応液を透析チューブ(スペクトラム、分子量カット3500)に移し、30Lの蒸留水に対して透析を行った。透析終了後、凍結乾燥を行って0.64gのPLys−MAを得た。
【0056】
この様にして得られたPLys−MAのNMR測定を行い、得られたNMRのシグナル比より、上記PLys−MAにおけるポリ(L−リジン)へのマルトースラクトンの導入率を算出したところ、導入率は26%であった。
【0057】
【製造例4】
ポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のグルコースアミドブチルアミン誘導体
ポリ(γ−メチル L−グルタメート)1.43gを140mLのジクロロエタンに溶解し、室温でかき混ぜながら0.2mol/Lの水酸化ナトリウムのメタノール水混合溶液(4:1、v/v、mL)を1時間かけて滴下し、5時間反応させ、得られた白色沈殿をグラスフィルターに捕集し、メタノール洗浄してポリ(L−グルタミン酸ナトリウム)を得、これを少量の水に溶かしてかき混ぜながら約10倍量の酢酸をゆっくり滴下すると白色物質が析出した。これを30分間撹拌した後、遠心分離により沈殿物質を集めて、アセトン洗浄して白色のポリ(L−グルタミン酸)を得た。
【0058】
このポリ(L−グルタミン酸)0.77g(6mmol)を10mLのジメチルスルホキシドに溶解し、N−ヒドロキシコハク酸イミド1.0g(9mmol)及びN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.9g(9mmol)を反応系に加えて、磁気撹拌しながら24時間室温で反応を続けて、ポリ(γ−N−コハク酸イミノ L−グルタミン酸)を得た。ここにグルコースアミドブチルアミン4.8g(18mmol)のジメチルスルホキシド溶液(10mL)を加えて、室温で2日間かき混ぜた。反応終了後、沈殿物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。水を加えてセルロースチューブを用いて48時間透析を行った後、凍結乾燥により0.7gのポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のグルコースアミドブチルアミン誘導体を単離した。
【0059】
この様にして得られたポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のグルコースアミドブチルアミン誘導体のNMRの測定を行い、得られたNMRのシグナル比より、上記におけるL−グルタミン酸へのグルコースアミドブチルアミンの導入率を算出したところ、導入率は31%であった。
【0060】
【製造例5】
ポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のマルトヘプタオースアミドブチルアミン誘導体
マルトヘプタオースの還元性末端を次亜ヨウ素酸により酸化しマルトヘプタオースラクトンとした後、ジメチルスルホキシド中で50倍量の過剰の1,4−ジアミノブタンと反応させマルトヘプタオースアミドブチルアミンを得た。
【0061】
上記製造例4のグルコースアミドブチルアミン4.8g(18mmol)の替わりに、上記で得られたマルトヘプタオースアミドブチルアミン8.1g(6mmol)を用いた以外は製造例4と全く同様にして、ポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のマルトヘプタオースアミドブチルアミン誘導体を得た。
【0062】
この様にして得られたポリ−γ−置換 L−グルタミン酸のマルトヘプタオースアミドブチルアミン誘導体のNMRの測定を行い、得られたNMRのシグナル比より、上記におけるL−グルタミン酸へのマルトヘプタオースアミドブチルアミンの導入率を算出したところ、導入率は5.3%であった。
【0063】
<糖結合ポリアミノ酸の評価>
本発明の化粧料に配合する糖結合ポリアミノ酸として上記製造例1〜3で得られた糖結合ポリアミノ酸を用いて細胞接着性、細胞増殖性を、また、上記製造例3で得られた糖結合ポリアミノ酸を用いて、吸湿性、肌荒れ防止・改善作用、経時安定性について評価を行った。
【0064】
(1)細胞接着性試験、細胞増殖性試験
▲1▼ 製造例1、2の糖結合ポリアミノ酸を用いた細胞接着性試験
実験には、ヒト表皮角化細胞NHEK(クラボウ)及びヒト胎児肺線維芽細胞WI−38を用いた。
【0065】
上記製造例2で得られたPOrn−LAを蒸留水に0.01重量%濃度で溶解させ1日放置した後、この溶液を15分間超音波処理し濾過滅菌した。更に、この溶液を24ウエルマルチプレート又はディッシュにコーティングする直前に15分間の超音波処理を行った。35mmディッシュ(ファルコン1008)4個に、上記POrn−LA溶液を2mLずつ加え、室温で60分間放置後、余分な溶液を吸引除去した。各ディッシュをPBS(−)で2回洗ってから乾燥させた。
【0066】
また、24ウエルマルチプレート(コーニング258201)の各ウエルには、上記POrn−LA溶液を0.5mLずつ加え、室温で60分間放置後、余分な溶液を吸引除去した。このプレートをPBS(−)で2回洗ってから乾燥させ、更に、細胞の播種3時間前に各ウエルに、10μg/mLの割合でBSAを含有するPBS溶液を0.5mLずつ加え、室温で30分間放置後、余分な溶液を吸引除去し、PBS(−)で2回洗った。
【0067】
上記の様にしてPOrn−LAでコーティングされたディッシュ4個に、9%FCS添加MEM培地1mL当たりにヒト胎児肺線維芽細胞WI−38が10万個懸濁した細胞懸濁液を2mLずつ加え、また、POrn−LAでコーティングされた24ウエルマルチプレートの各ウエルに、BPE添加KMG培地1mL当たりにヒト表皮角化細胞NHEKが8万個懸濁した細胞懸濁液を0.5mLずつ加え、CO 2 インキュベーターに入れ、37℃で60分間インキュベートした。インキュベート終了後、各ディッシュ及び、24ウエルマルチプレートから培地を除去し、PBS(−)で2回洗った。その後、各ディッシュ上、及び24ウエルマルチプレートの各ウエル上に残った細胞のDNA量を測定し、このDNA量の各ディッシュ毎あるいは各ウエル毎に播種した全細胞のDNA量に対する百分率を求め、これを細胞接着率として評価に用いた。
【0068】
上記のPOrn−LAを用いたヒト胎児肺線維芽細胞の細胞接着性試験において、POrn−LAの替わりに製造例1で得られたPεLys−LAを用いた以外は全く同様の方法で、POrn−LAについての細胞接着性試験を行った。
【0069】
また、コントロールとして、何もコーティングしてない無コートのディッシュ4個、無コートの24ウエルマルチプレートを用いて同様の細胞接着試験を行い、細胞接着率を求めた。結果を、ヒト胎児肺線維芽細胞については図5に、ヒト表皮角化細胞については図6に示す。尚、図中***は、その値がコントロールの値と比較して0.1%の危険率で有意であることを示すものである。
【0070】
▲2▼ 製造例1、2の糖結合ポリアミノ酸を用いた細胞増殖性試験
実験には、ヒト表皮角化細胞NHEK(クラボウ)及びヒト胎児肺線維芽細胞WI−38を用いた。
【0071】
上記製造例1で得られたPεLys−LAを蒸留水に0.01重量%濃度で溶解させ1日放置した後、この溶液を15分間超音波処理し濾過滅菌した。更に、この溶液を24ウエルマルチプレート又はディッシュにコーティングする直前に15分間の超音波処理を行った。35mmディッシュ(ファルコン1008)4個に、上記PεLys−LA溶液を2mLずつ加え、室温で60分間放置後、余分な溶液を吸引除去した。各ディッシュをPBS(−)で2回洗ってから乾燥させた。
【0072】
また、24ウエルマルチプレート(コーニング258201)の各ウエルには、上記PεLys−LA溶液を0.5mLずつ加え、室温で60分間放置後、余分な溶液を吸引除去した。このプレートをPBS(−)で2回洗ってから乾燥させ、更に、細胞の播種3時間前に各ウエルに、10μg/mLの割合でBSAを含有するPBS溶液を0.5mLずつ加え、室温で30分間放置後、余分な溶液を吸引除去し、PBS(−)で2回洗った。
【0073】
上記の様にしてPεLys−LAでコーティングされたディッシュ4個に、9%FCS添加MEM培地1mL当たりにヒト胎児肺線維芽細胞WI−38が5万個懸濁した細胞懸濁液を2mLずつ加え、また、PεLys−LAでコーティングされた24ウエルマルチプレートの各ウエルに、BPE添加KMG培地1mL当たりにヒト表皮角化細胞NHEKが4万個懸濁した細胞懸濁液を0.5mLずつ加え、CO 2 インキュベーターに入れ、37℃で48時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ディッシュ及び、24ウエルマルチプレートから培地を除去し、PBS(−)で2回洗った。その後、各ディッシュ上、及び24ウエルマルチプレートの各ウエル上に残った細胞のDNA量を測定し細胞増殖性をみた。
【0074】
上記PεLys−LAの細胞増殖性試験において、PεLys−LAの替わりに製造例2で得られたPOrn−LAを用いた以外は全く同様の方法で、POrn−LAについての細胞増殖性試験を行った。
【0075】
また、コントロールとして、何もコーティングしてない無コートのディッシュ4個、無コートの24ウエルマルチプレートを用いて同様の細胞増殖試験を行い、細胞増殖性をみた。結果を、ヒト胎児肺線維芽細胞については図7に、ヒト表皮角化細胞については図8に示す。尚、図中**及び***はそれぞれ、その値がコントロールの値と比較して1%の危険率及び0.1%の危険率で有意であることを示すものである。
【0076】
▲3▼ 製造例3の糖結合ポリアミノ酸を用いた細胞接着性試験と細胞増殖性試験
直径3cmのシャーレ2個に、PLys−MAの0.01w/v%水溶液1mLづつを加えて、シャーレ表面をコーティングした。このシャーレの1個にはヒト正常表皮細胞をもう1個にはヒト正常真皮細胞(線維芽細胞)を5×10 5 個づつ接種し、また、コントロールとして、無処理のシャーレ2個のそれぞれに上記と同様に細胞を接種し、これらを37℃のインキュベーターに入れ培養を開始した。なお、上記各細胞として、EpipackキットまたはFibropackキット(クラボウ社製)を使用し、培養液も同キットのものを使用した。
【0077】
培養開始1時間後に細胞の接着性を、また、72時間後に細胞の増殖性を位相差顕微鏡による観察によって以下の基準で評価した。
接着性の評価基準
接種細胞の50%以上が接着している。 : ◎
接種細胞の40%ほどが接着している。 : ○
接種細胞の30%以下が接着している。 : △
増殖性の評価基準
シャーレ面の50%以上が単層の細胞におおわれている。 : ◎
シャーレ面の40%ほどが単層の細胞におおわれている。 : ○
シャーレ面の30%以下が単層の細胞におおわれている。 : △
結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
これらの結果から、コントロールの無処理のシャーレと比較して、PLys−MA、PεLys−LA又はPOrn−LAをコーティングしたシャーレ、24ウエルマルチプレート、ディッシュでは、表皮細胞、線維芽細胞の接着性、増殖性ともに優れていることが明らかであり、従って、糖結合ポリアミノ酸は、細胞を賦活する作用に優れることがわかった。
【0080】
(2)吸湿性
製造例3で得られた糖結合ポリアミノ酸を50%エタノール水溶液に5重量%濃度となるように調製し、この溶液5mLを25cm 2 のテフロン膜上に流延した後、室温にてエタノールを揮散させることにより、厚さ100μmのPLys−MA膜を作成した。
【0081】
比較対象として、キトサン膜を使用した。評価に用いたキトサン膜は、4%キトサンの酢酸水溶液を用いて上記と同様の溶液キャスト法により作成したものである。
上記PLys−MA膜とキトサン膜をシリカゲル入りのデシケーター中で乾燥した後、各試料膜の重量を精秤してから、RH91%(Na2HPO4飽和水溶液)に調整したデシケーター中に放置して、放置開始から16時間後、24時間後にそれぞれ各試料膜の重量を精秤し、下記の計算式により吸湿率を求めた。
【0082】
【数1】
吸湿率=(Wn−Wo)/Wo×100
Wo : 放置前の重量
Wn : 放置後の重量
【0083】
結果を図9に示す。図9は、縦軸に吸湿率を、横軸に放置開始からの時間をとって、各試料膜の吸湿率の経時変化を示しているが、この結果から、PLys−MAはキトサンと同等以上の良好な吸湿性を有することがわかった。
【0084】
(3)肌荒れ防止・改善作用
男女8人づつの健常人を被験者として、人工的に肌荒れを惹起した後に上記製造例3で得られたPLys−MAを塗布し、PLys−MA塗布前後の皮膚角層の水分量及び皮疹を比較することでPLys−MAの肌荒れ防止・改善作用を評価する実験を行った。
【0085】
なお、皮膚角層の水分量は、Skicon−200(IBS社製水分測定器)を用いて測定した。測定は、測定部位の皮膚を温水で30秒洗浄した後、被験者を20℃、湿度50%の環境下に20分間順応させた後に行った。また、皮疹の測定は落屑を伴う乾燥性の皮疹を以下の基準で肉眼判定することにより行った。
【0086】
評価基準
0 : 乾燥落屑性変化は認められない
1 : かすかな乾燥落屑性変化が認められる
2 : 明瞭な乾燥落屑性変化が認められる
3 : 著しい乾燥落屑性変化が認められる
【0087】
まず、人工的に肌荒れを惹起させる前に、各被験者の前腕内側部の皮膚角層の水分量を測定し、皮疹の判定を行った。
次に、直径3cmのガラスカップを各被験者の上記水分量を測定した前腕内側部の皮膚2部位に密着させ、内部に5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液10mLを入れて10分経過後、SLS水溶液を回収し、更に、新たなSLS水溶液を使用して同一の処理を20分間行い、人工肌荒れを惹起させた。この処理が終了した段階で、再び、各被験者の前腕内側部の皮膚角層の水分量測定と、皮疹の判定を行った。
【0088】
その直後に、各人の人工肌荒れ惹起部位の1部位には、PLys−MAを3w/v%含有する50%エタノール水溶液を、1回約3μLづつ、1日3回、4日間連続して塗布した。また、他の1部位には比較対象のため何の処理も施さなかった。この様にしてPLys−MA塗布を行った4日の間、毎日、3回のPLys−MA塗布の前に、各被験者の前腕内側部の皮膚角層の水分量測定と、皮疹の判定を行った。
【0089】
結果を皮膚角層の水分量に関しては図10に、皮疹の判定に関しては図11に示す。図10は、縦軸に人工肌荒れ惹起以前の皮膚角層の水分量を100%としたときの皮膚角層の水分量百分率を、横軸にSLS処理終了時からの経過時間をとり、24から96時間後の被験者8人の皮膚角層の水分量平均値の経時変化を示したものである。図11は、縦軸に皮疹の判定スコアを、横軸にSLS処理終了時からの経過時間をとり、24から96時間後の被験者8人の皮疹の判定スコア平均値の経時変化を示したものである。
【0090】
図10からわかるように、SLSによる人工肌荒れ惹起後、何も塗布しなかった皮膚は、SLS処理の1日後には通常の40%にまで水分量が減少し、4日経っても元の状態に戻っていないのに対し、PLys−MAを塗布した皮膚は、1日後には水分量は通常の60%までに減少したものの、3日後には元の状態に回復している。
【0091】
また、図11からわかるように、何も塗布しなかった皮膚は、SLS処理の1日後には、乾燥落屑性変化が明瞭に認められ、4日経っても完全に回復していないのに比べ、PLys−MAを塗布した皮膚は、1日後には乾燥落屑性変化がかすかに認められたものの、4日後にはほぼ元の状態に回復している。
【0092】
これらの結果から、PLys−MAはSLSにより惹起される人工肌荒れを防止・改善する効果があることが明かである。
【0093】
(4)経時安定性
0.2w/v%のメチルパラベンを含有する50%エタノール水溶液に、PLys−MAを2w/v%で含有する溶液を作成後、適当な緩衝剤を各々加えてpH4.0、6.0、8.0、10.0の各水溶液を作成した。
【0094】
これらを30℃で3ヶ月放置した後、その状態を観察した。結果を表2に示す。なお、これらは、放置開始時には無色透明であり、沈澱等は認められなかった。
【0095】
【表2】
【0096】
この結果から、PLys−MAは広い範囲のpH領域において優れた安定性を有していることがわかった。
これらの結果から、本発明の化粧料に配合するポリアミノ酸に糖類が結合した糖結合ポリアミノ酸は、吸湿性、肌荒れ防止・改善作用、細胞接着・増殖作用、経時安定性に優れることがわかった。
【0097】
次に、上記各製造例で得られた糖結合ポリアミノ酸を配合した本発明の化粧料の実施例を説明する。なお、以下に用いる配合量の%は全て重量%である。
【0098】
【実施例1】
化粧水
表3に示す成分を常温で充分混合して化粧水を調製した。
【0099】
【表3】
【0100】
【実施例2】
乳液
表4に示すAの油相成分とBの水相成分をそれぞれ80℃に加熱した。油相成分に水相成分を撹拌しながら加えて乳化し、40℃まで冷却してCの香料成分を加え、更に室温まで冷却して乳液を製造した。また、同様にして、製造例の糖結合ポリアミノ酸を含有しない比較例の乳液を製造した。
【0101】
【表4】
【0102】
【実施例3】
ヘアトニック
表5に示す成分を室温で充分混合してヘアトニックを調製した。また、同様にして製造例の糖結合ポリアミノ酸を含有しない比較例のヘアトニックを製造した。
【0103】
【表5】
【0104】
【実施例4】
ヘアローション
表6に示す成分を室温で混合してヘアローションを得た。
【0105】
【表6】
【0106】
【実施例5】
乳化型ファンデーション
表7のA成分を85℃で加熱混合したものに、これとは別に90℃で加熱混合したB成分を徐々に加えながら撹拌乳化した。そのまま、撹拌を続けて冷却し45℃になったところでC成分を加え、さらに撹拌を続け、35℃になったときに容器に充填して乳化型ファンデーションを得た。
【0107】
【表7】
【0108】
【実施例6】
クリーム
表8のA成分、B成分を80℃でそれぞれ撹拌しながら溶解した。このB成分を更に90℃まで加熱し、前記A成分に徐々に加えながら撹拌乳化した。そのまま、撹拌を続けて冷却し45℃になったところでC成分を加え、更に撹拌を続けて室温まで冷却してクリームを製造した。
【0109】
【表8】
【0110】
【実施例7】
クリーム
表9のA成分、B成分を80℃でそれぞれ撹拌しながら溶解した。このB成分を更に90℃まで加熱し、前記A成分に徐々に加えながら撹拌乳化した。そのまま、撹拌を続けて室温まで冷却してクリームを製造した。
【0111】
【表9】
【0112】
【実施例8】
クリーム
表10のA成分、B成分を80℃でそれぞれ撹拌しながら溶解した。このB成分を更に90℃まで加熱し、前記A成分に徐々に加えながら撹拌乳化した。そのまま、撹拌を続けて室温まで冷却してクリームを製造した。
【0113】
【表10】
【0114】
<本発明の化粧料の評価>
上記各実施例及び比較例で得られた化粧料について、美肌効果又は養毛効果を評価した。
【0115】
(1)美肌効果
実施例2及び比較例1で得られた乳液について以下の方法で美肌効果を比較した。
【0116】
邦人女性(年齢:22〜45才)40人を無作為にA群、B群(各20人)に分け、A群には実施例2の乳液を、B群には比較例1の乳液を、それぞれ通常の使い方と同様にして1ヶ月間使用してもらった。1ヶ月後の肌のしっとり感(保湿効果)や肌のはりの改善、シワの改善(賦活効果)について群間比較を行った。その結果を表11に示す。
【0117】
【表11】
【0118】
この結果から明らかなように、製造例の糖結合ポリアミノ酸を含有しない比較例の乳液に比べ、実施例の乳液は、保湿効果、賦活効果共に優れており、従って、本発明の化粧料は優れた美肌効果を有しているといえる。
【0119】
なお、上記乳液の使用試験中に、パネラーに肌の異常を訴える人はなく、本発明の化粧料が安全性に関しても問題がないことがわかる。
【0120】
(2)養毛効果
実施例3及び比較例2で得られたヘアトニックについて以下の方法で養毛効果を比較した。
【0121】
ICRマウス(雄5週齢)10匹の背部をバリカンで除毛(3×4cm2 )した後、さらにバリカン除毛部位に除毛クリーム(商品名:コーワ除毛クリームジェリー)を塗布し、10分後除毛クリームを温湯で洗浄した。
【0122】
その後、ICRマウスをX群、Y群の2群(各5匹)に分け、X群には実施例3のヘアトニックを、Y群には比較例2のヘアトニックを、それぞれ20μlづつ毎日塗布した。除毛開始後14日目に新生毛20本づつをサンプリングして体毛長の平均値の群間比較を行った。その結果を表12に示す。
【0123】
【表12】
【0124】
この結果から、製造例の糖結合ポリアミノ酸を含有しない比較例のヘアトニックに比べ、実施例のヘアトニックは、優れた養毛効果を有することがわかった。
【0125】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、これに配合する糖結合ポリアミノ酸の優れた吸湿、保湿、細胞賦活、細胞接着の作用により、肌荒れを防止・改善して皮膚にハリや潤いを与える美肌効果に優れ、また、毛髪に対しては優れた養毛効果を有する。
【0126】
また、本発明の化粧料は、上記糖結合ポリアミノ酸が溶解性、保存安定性に優れるため、広い範囲の剤型に適用可能である。更に、本発明の化粧料は安全性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得られたPεLys−LAのIR測定結果を示す図。
【図2】製造例1で得られたPεLys−LAのNMR測定結果を示す図。
【図3】製造例2で得られたPOrn−LAのIR測定結果を示す図。
【図4】製造例2で得られたPOrn−LAのNMR測定結果を示す図。
【図5】PεLys−LA及びPOrn−LAのヒト胎児肺線維芽細胞の細胞接着率を示す図。
【図6】POrn−LAのヒト表皮角化細胞の細胞接着率を示す図。
【図7】PεLys−LA及びPOrn−LAのヒト胎児肺線維芽細胞の細胞増殖性を示す図。
【図8】PεLys−LA及びPOrn−LAのヒト表皮角化細胞の細胞増殖性を示す図。
【図9】PLys−MA膜及びキトサン膜の吸湿率の経時変化を示す図。
【図10】SLS処理後の皮膚にPLys−MA溶液を塗布したときの皮膚角層の水分量百分率の経時変化を示す図。
【図11】SLS処理後の皮膚にPLys−MA溶液を塗布したときの皮疹判定スコアの経時変化を示す図。
Claims (5)
- ポリリジン又はポリオルニチンから選択されるポリアミノ酸にD−グリセロース、D−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−ガラクトース、D−マンノース及びD−フルクトースの中から選択される糖を構成単位とする糖類及び/又はその誘導体が共有結合した糖結合ポリアミノ酸を含有することを特徴とする化粧料。
- 前記ポリアミノ酸の重合度が30〜700であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
- 前記糖類が結合したポリアミノ酸残基の数が、ポリアミノ酸を構成するアミノ酸残基の総数の5〜100%である請求項1又は2に記載の化粧料。
- 前記糖結合ポリアミノ酸の含有量が、化粧料全量に対して0.001〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の化粧料。
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