JP3080592B2 - ポリエステル系樹脂組成物及びその用途 - Google Patents
ポリエステル系樹脂組成物及びその用途Info
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Description
テル系樹脂組成物に関し、更に詳しくは、ポリオレフィ
ンに対して優れた接着性(密着性)を有し、かつ透明性
に優れたポリエステル系樹脂組成物及びその用途に関す
るものである。
耐候性等に優れており、様々な用途で使用されている
が、なかでも成形体や接着剤、粘着剤、塗料といった分
野では有効に使用されており、かかるポリエステル系樹
脂として、特開昭59−215373号公報にはホット
メルト接着剤として、芳香族ジカルボン酸を主成分とす
る有機ジカルボン酸とアルキレングリコールからなる短
鎖エステル単位と、芳香族ジカルボン酸を主成分とする
有機ジカルボン酸と1,2−ポリブタジエングリコール
あるいはその水添物からなる長鎖エステル単位及び/又
は1,2−ポリブタジエンジカルボン酸あるいはその水
添物とアルキレングリコールからなる長鎖エステル単位
とからなるものが提案されている。又、特開平3−16
7284号公報には粘着剤として水添ポリブタジエン構
造を有するジカルボン酸あるいはポリオールを用いた脂
肪族系ポリエステルのものが提案されている。
開昭59−215373号公報や特開平3−16728
4号公報に記載の樹脂組成物ではポリオレフィン系樹脂
に対する接着性(密着性)については何ら考慮されてい
ない。ポリオレフィン系樹脂は化学的特性に優れ、軽量
かつ安価である等の優れた特性をもっているため従来か
ら成形品などに多く使用されているが、ポリエチレン、
ポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂は非極性
で結晶性が高いため、各種接着剤との接着性が極めて悪
く、又、各種塗料を塗布したときにも形成塗膜との密着
性も悪く、この点がポリオレフィン系樹脂を種々の用途
に展開していく上で大きな難点になっており、ポリオレ
フィン系樹脂に優れた接着(密着)性能を有する樹脂の
開発が望まれている。
公報に、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体、ダイマー
酸又はその水添物あるいはそれらの誘導体及びダイマー
酸以外の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体を酸成分と
し、炭素数2〜10のアルキレングリコール、平均分子
量350〜6000の分子中にエーテル結合を含まない
長鎖グリコールをグリコール成分とする熱可塑性共重合
ポリエステルエラストマーと、該熱可塑性共重合ポリエ
ステルエラストマーと混和性のある低分子量熱可塑性物
質とからなる接着剤組成物が提案されているが、本発明
者等が詳細に検討した結果、樹脂組成物の透明性及び接
着性の点で問題が残り、上記組成物ではまだまだ満足の
いくものではなく、最近の技術の高度化に伴い更なる改
良が求められている。又、上記特開平3−167284
号公報等の粘着剤は溶剤を配合することが必要な溶剤系
の粘着剤であり、環境問題等の点から近年溶剤の使用が
問題視されており、溶剤系に代わる水溶系の樹脂組成物
の開発も望まれている。そこで、本発明はこのような背
景下において、上記課題を解決したポリオレフィン系樹
脂に対する接着性(密着性)に優れた、水溶性のポリエ
ステル系樹脂組成物及びその用途を提供することを目的
とする。
は、かかる問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、多
塩基酸(A)成分と、炭素数2以上のアルキル基を側鎖
にもつ分岐ジオール(b−1)及び水添ポリブタジエン
ポリオール(b−2)を必須成分とするグリコール
(B)成分とでエステル化してなるポリエステルポリオ
ールプレポリマー(I)、好ましくは多塩基酸(A)成
分として、少なくとも炭素数2〜20の脂肪族ジカルボ
ン酸(a−1)、又は少なくとも炭素数2〜20の脂肪
族ジカルボン酸(a−1)及び芳香族ジカルボン酸(a
−2)を含有し、更に好ましくは多塩基酸(A)成分と
して少なくとも炭素数2以上のアルキル基を側鎖にもつ
分岐多塩基酸(a−3)を含有してなるポリエステルポ
リオールプレポリマー(I)を、3価以上の多価カルボ
ン酸(C)で鎖延長してなるポリエステル系樹脂(II)
を中和した後、硬化剤を配合してなるポリエステル系樹
脂組成物が、上記目的と合致することを見いだし、更に
はかかる樹脂組成物が透明性にも優れていることを見い
だし、本発明を完成した。
素数2以上のアルキル基を側鎖にもつ分岐ジオール(b
−1)及び水添ポリブタジエンポリオール(b−2)を
用いたことを最大の特徴としており、これより得られる
本発明のポリエステル系樹脂組成物はポリオレフィン系
樹脂に対する接着性(密着性)に優れ、更には透明性に
も優れたものである。
本発明のポリエステル系樹脂(II)は、ポリエステルポ
リオールプレポリマー(I)を3価以上の多価カルボン
酸(C)で鎖延長してなる重合体として構成され、該ポ
リエステルポリオールプレポリマー(I)は、多塩基酸
(A)を酸成分とし、炭素数2以上のアルキル基を側鎖
にもつ分岐ジオール(b−1)及び水添ポリブタジエン
ポリオール(b−2)を必須のグリコール(B)成分と
して構成される。
しては、特に制限されることなく2価以上の酸であれば
よいが、中でも、少なくとも炭素数2〜20の脂肪族ジ
カルボン酸(a−1)、又は少なくとも炭素数2〜20
の脂肪族ジカルボン酸(a−1)及び芳香族ジカルボン
酸(a−2)を含むことが好ましい。
−1)としては、例えばコハク酸、グルタル酸、2,2
−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボ
ン酸等が挙げられ、中でも相溶性の点で特にドデカンジ
カルボン酸、セバシン酸、アゼライン酸が好ましい。芳
香族ジカルボン酸(a−2)としては、例えばテレフタ
ル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、フタル酸、1,4
−ナフタール酸、1,5−ナフタール酸、ジフェニン
酸、4,4′−オキシ安息香酸、ジグリコール酸、4,
4′−スルホニルジ安息香酸、2,5−ナフタレンジカ
ルボン酸等が挙げられ、中でも安価であることや反応性
の点で特にテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。但
し、これらに限定されるものではない。
合量については、多塩基酸(A)成分全体に対して、炭
素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(a−1)を10〜
100重量%、好ましくは20〜70重量%、芳香族ジ
カルボン酸(a−2)を0〜90重量%、好ましくは3
0〜80重量%であることが望まれる。
では相溶性不良となり好ましくない。又、(a−2)の
配合量が90重量%を越えると相溶性不良となり透明性
に問題が生じることとなる。
明においては炭素数2以上、好ましくは2〜20のアル
キル基を側鎖にもつ分岐多塩基酸(a−3)を含有する
ことも好ましい。該分岐多塩基酸(a−3)としては、
ダイマー酸の水添物、1−ブチルヘキサンジカルボン酸
等が挙げられる。又、分岐多塩基酸(a−3)を用いる
場合、その配合量は酸成分全体に対して10〜90重量
%、好ましくは10〜70重量%であることが望まれ
る。かかる配合量が10重量%未満では相溶性不良とな
り、90重量%を越えると凝集力が弱く、接着力の低下
となり本発明の効果を顕著には発揮しない。
素数2以上、好ましくは2〜20のアルキル基を側鎖に
もつ分岐ジオール(b−1)としては、2、2′−ブチ
ルエチルプロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、2−メチル−2−n−プロパンジオール
が挙げられ、1種又は2種以上が用いられる。好適には
2、2′−ブチルエチルプロパンジオールが用いられ
る。又、グリコール(B)成分の必須成分として水添ポ
リブタジエンポリオール(b−2)も用いられる。該水
添ポリブタジエンポリオール(b−2)としては、下記
化1で示される構造を有するものであり、分子量が30
0〜6000、特に500〜3000のものが良い。
又、ヨウ素価は0〜50、好ましくは0〜20で、水酸
基価は15〜400、好ましくは30〜250であるも
のがよい。
グリコール(B)成分以外にその他のグリコール成分と
して、炭素数2〜20のアルキレングリコールが用いら
れ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,9−ノナンジオール等が挙げられ、1種又は2種以
上が用いられる。中でもエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール等が好適に採用される。
については、特に限定されないが、グリコール(B)成
分全体に対して、炭素数2以上のアルキル基を側鎖にも
つ分岐ジオール(b−1)を10〜90重量%、好まし
くは10〜70重量%、水添ポリブタジエンポリオール
(b−2)を10〜90重量%、好ましくは30〜90
重量%であるのがよい。又、その他のグリコール成分の
配合量はグリコール(B)成分全体に対して、80重量
%以下、好ましくは60重量%以下であることが望まれ
る。
ルキル基を側鎖にもつ分岐ジオール(b−1)が10重
量%未満では相溶性不良となり、90重量%を越えると
接着力の低下となり好ましくない。又、水添ポリブタジ
エンポリオール(b−2)が10重量%未満ではオレフ
ィンに対する接着性が悪くなり、90重量%を越えると
樹脂の凝集力が弱く、結果的に接着力が低下することと
なり、更に、その他のグリコール成分が80重量%を越
えると相溶性不良と接着力の低下となり好ましくない。
ル成分をエステル化してポリエステルポリオールプレポ
リマー(I)が得られるが、該ポリエステルポリオール
プレポリマー(I)の製造方法については特に制限され
ることなく、公知の通常の方法に従って行うことができ
る。例えば、前記の酸成分とグリコール成分を同時に又
は段階的に直接エスエル化するか、あるいはエステル交
換反応させる方法等が採用される。その際、任意の各種
の触媒、安定剤、改質剤、あるいは添加剤等を使用して
もよい。例えば、エステル化の触媒としてはジブチルス
ズオキサイド、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、ラウリル第一錫、
テトラn−ブチルチタネート等がある。溶媒は特に必要
でないが、必要ならば酢酸メチル、ベンゼン、アセト
ン、キシレン、トルエン等の不溶性触媒を使用してもよ
い。又、目的の分子量になるように酸成分とグリコール
成分はモル比でで適宜調節されるが、例えば酸成分:グ
リコール成分=1:1.01〜1:2.0で行うことが
望ましい。
レポリマー(I)が得られるが、得られたポリエステル
ポリオールプレポリマー(I)は相溶性に優れており、
又、該ポリエステルポリオールプレポリマー(I)は分
子量が500〜30000、好ましくは1000〜20
000で、粘度が1〜10000ポイズ(120℃)、
好ましくは1〜5000ポイズ(120℃)、ガラス転
移温度(Tg)が−60〜50℃、好ましくは−40〜
30℃であることが望まれ、本発明の効果が顕著に発揮
される。
プレポリマー(I)を3価以上の多価カルボン酸(C)
で鎖延長してポリエステル系樹脂(II)が得られる。3
価以上の多価カルボン酸としては特に制限されず、例え
ばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット
酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−
1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸等が挙げら
れ、中でも特に無水トリメリット酸、ピロメリット酸が
好ましい。かかる3価以上の多価カルボン酸(C)の配
合量については、ポリエステルポリオールプレポリマー
(I)100重量部に対して1〜80部、好ましくは1
〜50部であるのがよい。又、(I)と(C)の鎖延長
方法については、特に制限はなく上記のエステル化方法
と同様の方法により行われる。得られたポリエステル系
樹脂(II)の酸価は10〜200、好ましくは30〜1
50であることが望まれる。
記ポリエステル系樹脂(II)を中和した後、硬化剤を配
合することにより得られ、ポリオレフィンに対する接着
性(密着性)に優れ、更に透明性に優れた樹脂組成物と
なる。中和に際しては、該ポリエステル系樹脂(II)を
アンモニア等のアルカリ水溶液に溶解させることにより
行われるが、これに限定されず浸漬、噴霧等も可能であ
る。溶解させる場合、濃度については1〜50重量%、
好ましくは5〜40重量%に調整することが望ましい。
該水溶液には本発明の効果を損なわない範囲の溶剤(酢
酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、等)を含有
しても差し支えない。
のであれば特に限定されないが、例えばポリイソシアネ
ート化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、金属塩、
金属キレート等、前記のポリエステル系樹脂(II)に含
まれる水酸基及び/又はカルボキシル基と反応し得る基
を有する化合物であればいかなるものでもよいが、中で
もポリイソシアネート化合物、アミノ化合物が特に好ま
しく用いられる。
硫酸ナトリウムでブロック化したエチレンジイソシアネ
ート化合物、ブチレンジイソシアネート化合物、ヘキサ
メチレンジイソシアネート化合物等が挙げられ、又、ア
ミノ化合物としてはメチル化メラミン系水溶性アミノ樹
脂、ベンゾグアナミン系水溶性アミノ樹脂、メチル化尿
素系水溶性アミノ樹脂等が挙げられる。これら上記の硬
化剤は単独又は2種以上の混合系で用いられる。
使用用途に応じて適宜選択されるが、好ましい配合割合
としては、ポリエステル系樹脂(II):硬化剤=50:
50〜99.9:0.1(重量比)、より好ましくは6
0:40〜99:1である。かかる配合割合において、
硬化剤が50重量%を越えると凝集力が強くなり接着力
が低下し、又、0.1重量%未満では凝集力が弱く接着
力が低下することとなり好ましくない。
例えばジオクチルフタレート、ジフェニルフタレート、
トリフェニルホスフェート等の種々の酸の誘導体、グリ
コール誘導体、グリセリン誘導体、エポキシ系誘導体、
低・中分子量のポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系
可塑剤、パラフィン系・ナフテン系・芳香族系等のプロ
セスオイル、ひまし油等の軟化剤、あるいは安定剤、無
機・有機充填剤、色料(無機又は有機の顔料、酸性染
料、塩基性染料、油溶染料、分散染料等)、分散剤、湿
潤剤、乳化剤、ゲル化剤、消泡剤、他の熱可塑性樹脂等
を必要に応じて、本発明の効果を損なわない程度に含有
させることができる。
物は、水溶性で溶剤等を使用する必要がないため環境問
題等の心配がなく、又、金属や合成樹脂(ポリオレフィ
ンを除く)のみでなく、非極性で結晶性が高いため接着
性が極めて困難なポリエチレン、ポリプロピレンのよう
なポリオレフィン系樹脂やその成形品(フィルム、シー
ト、カップ、等)に対しても優れた接着(密着)性能を
有する樹脂組成物であり、更に透明性にも優れているた
め接着剤や塗料、コーティングといった用途、特に接着
剤、塗料に有効に用いられる。
状態として一般のアプリケーターあるいはロールコータ
ー、バーコーター等により塗布することができる。又、
塗料組成物としては、木材、金属、合成樹脂、皮、繊維
等の基材に塗布し、基材表面の改良に使用することも有
効である。特に本発明においては、合成樹脂の中でもポ
リオレフィン系樹脂からなる成形品を基材にするとき、
本発明の効果が顕著に発揮される。使用に際しては、濃
度1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%(硬化剤
を含めた濃度)とした水溶液として塗布することが好ま
しい。
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。 施例1 酸成分として、ドデカンジカルボン酸0.20モル、イ
ソフタル酸0.80モル(ドデカンジカルボン酸:イソ
フタル酸=28:72(重量比))、グリコール成分と
して、2,2′−ブチルエチルプロパンジオール0.9
0モル、水添ポリブタジエンポリオール(商品名;ポリ
テールHA、三菱化学社製)0.10モル、エチレング
リコール0.30モル(2,2′−ブチルエチルプロパ
ンジオール:水添ポリブタジエンポリオール:エチレン
グリコール=37:58:5(重量比))、及び触媒と
して酢酸亜鉛2.0×10-4モル/酸、ジブチルスズオ
キサイド2.0×10-4モル/酸を仕込み、窒素雰囲気
下、240℃で溶融加熱してエステル化反応を行い、ポ
リエステルポリオールプレポリマー(I−1)を得た。
(分子量2100、ガラス転移温度(Tg)−31
℃)。
(I−1)1モルと無水ピロメリット酸0.5モルを上
記に準じて鎖延長反応を行い、ポリエステル系樹脂(II
−1)を得た(分子量5000、ガラス転移温度(T
g)−18℃)。
0部を(II−1)の酸価と当量のアンモニア水80部に
溶解し、該ポリエステル系樹脂の水溶液90部と硬化剤
としてのイソシアネート化合物(商品名;エラストロン
H−38、第一工業製薬社製)10部、及び触媒(商品
名;エラストロンキャタリスト32、第一工業製薬社
製)0.5部を配合し、ポリエステル系樹脂組成物を得
た。該ポリエステル系樹脂組成物について、下記の如き
方法により接着性及び透明性、透明性を評価した。
リエチレンテレフタレート(サイズ:縦6cm、横7c
m、厚み:70μ)に乾燥後の塗布厚が70μとなるよ
うにバーコーターで塗布し、その後100℃で1分間乾
燥したものを、120℃で0.3kg/cm2×10秒
間の条件下でポリプロピレン板と貼合した。次いで60
℃で1日放置し、その後更に20℃、60%RHで1日
放置したものを180度剥離試験により測定した。 (透明性)8mlのガラスビンにポリエステル系樹脂組
成物7gを入れ、光の透過度を測定し、何も入れない状
態を100%として評価した。
ル成分を用いた以外は同様に行い、ポリエステルポリオ
ールプレポリマー(I−2)を得(分子量2200、ガ
ラス転移温度(Tg)−53℃)、更に、実施例1に準
じてポリエステル系樹脂(II−2)を得た(分子量56
00、ガラス転移温度(Tg)−31℃)。
を、実施例1と同様、アンモニア水に溶解し、該ポリエ
ステル系樹脂の水溶液90部と硬化剤としてのイソシア
ネート化合物(商品名;エラストロンH−38、第一工
業製薬社製)10部、及び触媒(商品名;エラストロン
キャタリスト32、第一工業製薬社製)0.5部を配合
し、ポリエステル系樹脂組成物を得た。該ポリエステル
系樹脂組成物について、実施例1と同様に接着性及び透
明性を評価した。
ル成分を用いた以外は同様に行い、ポリエステルポリオ
ールプレポリマー(I−3)を得(分子量2300、ガ
ラス転移温度(Tg)−35℃)、更に、実施例1に準
じてポリエステル系樹脂(II−3)を得た(分子量58
00、ガラス転移温度(Tg)−22℃)。
を、実施例1と同様、アンモニア水に溶解し、該ポリエ
ステル系樹脂の水溶液90部と硬化剤としてのイソシア
ネート化合物(商品名;エラストロンH−38、第一工
業製薬社製)10部、及び触媒(商品名;エラストロン
キャタリスト32、第一工業製薬社製)0.5部を配合
し、ポリエステル系樹脂組成物を得た。該ポリエステル
系樹脂組成物について、実施例1と同様に接着性及び透
明性を評価した。
ル成分を用いた以外は同様に行い、ポリエステルポリオ
ールプレポリマー(I−4)を得(分子量2100、ガ
ラス転移温度(Tg)−36℃)、更に、実施例1に準
じてポリエステル系樹脂(II−4)を得た(分子量54
00、ガラス転移温度(Tg)−25℃)。該ポリエス
テル系樹脂は白濁し、相溶性不良となるものであった。
を、実施例1と同様、アンモニア水に溶解し、該ポリエ
ステル系樹脂の水溶液90部と硬化剤としてのイソシア
ネート化合物(商品名;エラストロンH−38、第一工
業製薬社製)10部、及び触媒(商品名;エラストロン
キャタリスト32、第一工業製薬社製)0.5部を配合
し、ポリエステル系樹脂組成物を得た。該ポリエステル
系樹脂組成物について、実施例1と同様に接着性及び透
明性を評価した。
ル成分を用いた以外は同様に行い、ポリエステルポリオ
ールプレポリマー(I−5)を得(分子量2300、ガ
ラス転移温度(Tg)9℃)、更に、実施例1に準じて
ポリエステル系樹脂(II−5)を得た(分子量580
0、ガラス転移温度(Tg)25℃)。該ポリエステル
系樹脂は白濁し、相溶性不良となるものであった。
を、実施例1と同様、アンモニア水に溶解し、該ポリエ
ステル系樹脂の水溶液90部と硬化剤としてのイソシア
ネート化合物(商品名;エラストロンH−38、第一工
業製薬社製)10部、及び触媒(商品名;エラストロン
キャタリスト32、第一工業製薬社製)0.5部を配合
し、ポリエステル系樹脂組成物を得た。該ポリエステル
系樹脂組成物について、実施例1と同様に接着性及び接
着剤を評価した。
ーを得た後、多価カルボン酸で鎖延長することなくポリ
エステル系樹脂を得た。得られたポリエステル系樹脂
を、実施例1と同様に行い、ポリエステル系樹脂組成物
を得た。該ポリエステル系樹脂組成物について、実施例
1と同様に接着性及び透明性を評価した。実施例及び比
較例のそれぞれの評価結果を表2に示す。
岐多塩基酸 (b−1):炭素数2以上のアルキル基を側鎖にもつ分
岐ジオール (b−2):水添ポリブタジエンポリオール (C):3価以上の多価カルボン酸(プレポリマー10
0%に対する%) (%):酸成分においては酸成分全体に対する各成分の
重量% グリコール成分においてはグリコール成分全体に対する
各成分の重量% DDA:ドデカンジカルボン酸、IPA:イソフタル
酸、DA:ダイマー酸の水添物、BEPG:2,2′−
ブチルエチルプロパンジオール、PTHA:ポリテール
HA(三菱化学社製)、EG:エチレングリコール、N
PG:ネオペンチルグリコール、PMAn:無水ピロメ
リット酸
に溶解した。次に、各々の樹脂水溶液90部と硬化剤と
してのイソシアネート化合物(商品名;エラストロンH
−38、第一工業製薬社製)10部及び触媒としてジ−
n−ブチルスズジラウレート0.1部を添加し、ポリエ
ステル系樹脂組成物を得た。各ポリエステル系樹脂組成
物をポリエチレン及びポリプロピレンの厚み2μm、幅
70mm、長さ150mmのテストピース上にバーコー
ターにより、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布
し、その後80℃で15分間乾燥した。各塗膜の密着性
について、乾燥直後の1mmマス目のゴバン目セロテ
ープ剥離密着性及び80℃温水24時間浸漬後の1m
mマス目のゴバン目セロテープ剥離密着性を評価した。
それぞれの評価結果を表3に示す。
水溶性であり環境問題の心配がなく、ポリオレフィン系
樹脂に対する接着性(密着性)に優れた効果を示し、更
に透明性に優れているため、接着剤や塗料、コーティン
グといった用途に有効に用いられる。
Claims (8)
- 【請求項1】 多塩基酸(A)成分と、炭素数2以上の
アルキル基を側鎖にもつ分岐ジオール(b−1)及び水
添ポリブタジエンポリオール(b−2)を必須成分とす
るグリコール(B)成分とでエステル化してなるポリエ
ステルポリオールプレポリマー(I)を3価以上の多価
カルボン酸(C)で鎖延長してなるポリエステル系樹脂
(II)を中和した後、硬化剤を配合してなることを特徴
とするポリエステル系樹脂組成物。 - 【請求項2】 多塩基酸(A)成分として、少なくとも
炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(a−1)、又は
少なくとも炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(a−
1)及び芳香族ジカルボン酸(a−2)を含み、多塩基
酸(A)成分全体に対して、炭素数2〜20の脂肪族ジ
カルボン酸(a−1)を10〜100重量%、芳香族ジ
カルボン酸(a−2)を0〜90重量%配合することを
特徴とする請求項1記載のポリエステル系樹脂組成物。 - 【請求項3】 多塩基酸(A)成分として、少なくとも
炭素数2以上のアルキル基を側鎖にもつ分岐多塩基酸
(a−3)を含有してなることを特徴とする請求項1又
は2記載のポリエステル系樹脂組成物。 - 【請求項4】 グリコール(B)成分全体に対して、炭
素数2以上のアルキル基を側鎖にもつ分岐ジオール(b
−1)を10〜90重量%、水添ポリブタジエンポリオ
ール(b−2)を10〜90重量%配合することを特徴
とする請求項1〜3いずれか記載のポリエステル系樹脂
組成物。 - 【請求項5】 ポリエステルポリオールプレポリマー
(I)100重量部に対して、3価以上の多価カルボン
酸(C)を1〜80重量部配合することを特徴とする請
求項1〜4いずれか記載のポリエステル系樹脂組成物。 - 【請求項6】 ポリエステル系樹脂(II)と硬化剤の配
合割合が50:50〜99.9:0.1(重量比)であ
ることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリエ
ステル系樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載のポリエステ
ル系樹脂を用いることを特徴とする接着剤組成物。 - 【請求項8】 請求項1〜6いずれか記載のポリエステ
ル系樹脂を用いることを特徴とする塗料組成物。
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