JP3079801B2 - 紡績装置 - Google Patents

紡績装置

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JP3079801B2
JP3079801B2 JP04263769A JP26376992A JP3079801B2 JP 3079801 B2 JP3079801 B2 JP 3079801B2 JP 04263769 A JP04263769 A JP 04263769A JP 26376992 A JP26376992 A JP 26376992A JP 3079801 B2 JP3079801 B2 JP 3079801B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気紡績機等の紡績装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8に示すように、空気紡績機1は、多
数並設された紡績ユニット2と、その並設方向両端に設
けられた原動機ボックス3及びブロアボックス4とで構
成され、その列端部には定長装置など各紡績ユニット2
の運転状況を管理するための制御管理装置5が備えられ
ている。紡績ユニット2は、順次供給されるスライバー
Sを適宜延伸するドラフト装置6と、ドラフト装置6を
経た繊維束に旋回空気を作用させて糸Yを形成する紡績
ノズル7と、その糸Yを巻き取る巻取装置8とで構成さ
れている。また横断面コ字状の紡績ユニット2の内部空
間には、糸継ぎ台車9が並設方向に移動自在に設けら
れ、スラブキャッチャ10が糸欠点を検出して糸Yを切
断すると、サクションパイプ11及びサクションマウス
12により上下の糸端をノッター(ジェットスプライサ
ー)13に導いてこれを糸継ぎするようになっている。
【0003】また各紡績ユニット2には、図9に示すよ
うに、糸切れ状態或いは紡績停止中であることを表示す
るスタートボタン(以下黒ボタン14という)及びアラ
ームレバー(以下赤旗15という)が設けられている。
黒ボタン14は、スラブキャッチャ10からのスラブ信
号によりフレーム16から突出するように形成されてお
り、ドラフト装置6への回転駆動伝達を入断する電磁ク
ラッチ(図示せず)と連動するようになっている。また
赤旗15は、ノッター13による糸継ぎが失敗したと
き、ノズル詰まりが生じたとき、スライバーSが無くな
ったときなど、スラブ切れ以外の自然糸切れが生じたと
きに、赤旗15を吸着させているソレノイド17がOFF
になって、スプリング18の付勢力により飛び出すよう
になっており、これをオペレータが認識して対処できる
ようにしている。すなわち図9(a)の黒ボタン14及
び赤旗15が没入しているときは紡績状態、(b)の両
方が突出しているときは自然糸切れ状態、(c)の黒ボ
タン14のみが突出しているときはスラブ切れの状態を
示しており、走行する糸継ぎ台車9は図9(c)の状態
を感知してその紡績ユニット2に停止し、糸継ぎを実行
するように形成されいる。そして糸継ぎ台車9は、糸継
ぎが終了すると黒ボタン14を押し込んで紡績を再開さ
せるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで本出願人は、
スライバーSを収納したケンス上を移動してスライバー
Sを適宜結ぶスライバー継ぎロボット(スライバーピー
スロボット)と、空ケンス及び実ケンスを搬出入する天
井搬送機とを備えて、空気紡績機1の運転状況に合わせ
てこれらを制御し、紡績ユニット2にスライバーSを供
給しているケンスを自動的に交換するシステムを開発し
た。このケンス交換システムにより円滑なスライバー
(ケンス)供給が実現され、省力化が達成されるもので
ある。
【0005】ただしこのシステムにおいては、スライバ
ー継ぎロボットがスライバー継ぎを行っているときは紡
績停止とし、終了したなら直ちに糸継ぎ台車によってノ
ッティングさせ、紡績を再開させる必要があるが、これ
ら動作を確実且つ円滑に行わせるように構成した紡績装
置は従来なかった。
【0006】そこで本発明は、上記事情に鑑み、ケンス
交換に適切に対応した糸継ぎができる紡績装置を提供す
べく創案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、スライバー継
ぎロボットにより紡績ユニットの紡績が停止されてスラ
イバー継ぎが行われる紡績装置において、上記紡績ユニ
ットに沿うように糸継ぎ台車とスライバー継ぎロボット
を別々の軌道に沿って走行自在に設け、上記紡績ユニッ
トに、上記スライバー継ぎロボットがスライバー継ぎ動
作中は糸継ぎ台車を通過させ、かつ、上記スライバー継
ぎロボットがスライバー継ぎを終了した時に糸継ぎ台車
に糸継ぎ要求を通知するための糸継ぎ要求機構を設けた
ものである。
【0008】
【作用】上記構成によって、糸継ぎ台車は、スライバー
継ぎロボットがスライバー継ぎ動作中はその紡績ユニッ
トを通過し、スライバー継ぎロボットがスライバー継ぎ
を終了した時にそのスライバー継ぎが終了した紡績ユニ
ットの糸継ぎを行って紡績を開始させる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。なお図中、従来と同様の構成には同一符号を付
してある。
【0010】まず図3及び図4によって、本発明が適用
される空気紡績機1におけるケンス交換システムを説明
する。このシステムにおいてはスライバーSを収納する
ケンスKは空気紡績機1の背面側に三列に並べられてお
り、このうちの二列、例えば一列目及び二列目のものが
スライバー供給中のケンスK1 ,K2 で、残りの列(三
列目)のものが予備のケンスK3 としており、供給中の
ケンスK1 ,K2 は千鳥配列で各紡績ユニット2に対応
されている。そしてケンス列の両端には、空ケンスを搬
出する空ケンスステーション21と、実ケンスを搬入す
る実ケンスステーション22とが設けられ、これらステ
ーション21,22と実ケンス供給場所(練条機)23
とを結ぶ軌道24に沿って、天井搬送車25が走行する
ようになっている。この天井搬送車25は、ケンス搬送
制御装置(図示せず)の指令で運転され、実ケンスを実
ケンス供給場所23から実ケンスステーション22へ搬
入し、空ケンスを空ケンスステーション21から実ケン
ス供給場所23へ搬出するものである。ケンス列の下部
にはコンベア(図示せず)があり、コンベアを実ケンス
ステーション22から空ケンスステーション21の方向
へ駆動することにより、その列ごとに搬出入を行うよう
になっている。また空気紡績機1の背面側にはスライバ
ー継ぎロボット27が紡績ユニット2に沿って移動でき
るように設けられ、制御盤(図示せず)の指示でケンス
交換が必要な紡績ユニット2まで自走して、スライバー
継ぎを実行するようになっている。
【0011】そしてこの構成により、図5及び図7に示
すように、オペレータの指示で交換対象紡績ユニット
2及びケンスK(列)が決まり、新ケンスが配備され
ていることが確認されると、スライバー継ぎロボット2
7による動作が開始される。このオペレータの指示は最
初の交換のときのみで、後はスライバー定長を紡績時
間でカウントした制御盤が紡績ユニット2(機本体)に
信号を出し、紡績ユニット2はピーシング要求をラン
プ表示してスライバー継ぎロボット27に通知する。こ
れと並行して制御盤はスライバー継ぎロボット27に
走行を指令すると共に、スライバー定長をリセットす
る。なおこの〜で、各紡績ユニット2のスライバー
Sの消費は略同様に進行することから、個々に表示され
るピーシングランプを省略して、ケンス交換対象の紡績
ユニット2の列端側から順番に交換を行うようにしても
よい。
【0012】スライバー継ぎロボット27は、当該紡
績ユニット2に到着したならばその紡績を停止させた
後、スライバー継ぎを行う。例えば図4に示したよう
に、供給中の二列目のケンスK2 のスライバーS2 を切
断して、三列目の予備のケンスK3 のスライバーS3
端を紡績ユニット2側のスライバー端S0 につなぐ。こ
のスライバー継ぎが終了したなら、糸継ぎ台車9にノ
ッティング要求を通知して、原点位置或いは次の紡績
ユニット2へ向かう。制御盤は、スライバー継ぎロボ
ット27が原点位置に着いた時点でケンス搬送制御装置
に搬出可能であることを通知し、天井搬送車25により
空ケンス(極少スライバー入りケンス)を搬出した後、
新しい実ケンスを、搬出した位置或いは半ピッチずれた
適宜位置に搬入する。
【0013】そして本発明の紡績装置の特長は、上記
〜におけるスライバー継ぎロボット27、紡績ユニッ
ト2及び糸継ぎ台車9の動作に係わるものである。図1
により紡績装置の一実施例を説明する。
【0014】この紡績装置は、スライバー継ぎロボット
27に設けられたスイッチ押動ロッド31と、紡績ユニ
ット2に設けられたマイクロスイッチ32及び紡績開始
ランプ33と、紡績開始ランプ33に対向する位置に糸
継ぎ台車9設けられたランプ検出センサー34とを備え
て構成されている。マイクロスイッチ32は、紡績ユニ
ット2の上部背面側に設けられ、ONで紡績を停止させる
紡績停止スイッチ35と、紡績開始ランプ33を点灯さ
せるための点灯スイッチ36とが一箇所に並設されて構
成され、スイッチ押動ロッド31が両方のスイッチ3
5,36を同時に動作させるようになっている。紡績開
始ランプ33は、紡績ユニットの内部空間に面した壁部
に取り付けられ、点灯スイッチ36がONからOFF に変わ
ったときに点灯するように形成されている。ランプ検出
センサー34は、紡績開始ランプ33の点灯を感知する
と、無条件で糸継ぎ台車9の走行を停止させ、糸継ぎを
実行させるようになっている。
【0015】次に上記実施例の作用を説明する(図2参
照)。
【0016】スライバー継ぎロボット27はピーシング
指令(スライバー定長信号)を受信すると、原点位置か
ら当該紡績ユニット2に移動する(ST 1)。当該紡績ユ
ニット2の所定位置に到着したなら、スイッチ押動ロッ
ド31を進出させてマイクロスイッチ32を操作する。
紡績停止スイッチ35がONになると(ST 2)、紡績ユニ
ット2のドラフト装置6が停止されると共に、糸Yは切
断される。このとき黒ボタン14は突出され、赤旗15
のソレノイド17がOFF となって赤旗15が飛び出した
状態となり、これがスライバー継ぎ動作中を表示したも
のとなる。すなわち赤旗15が飛び出していることによ
り、糸継ぎ台車9は当該紡績ユニット2を通過する。ま
たオペレータが誤って赤旗15を押し込もうとしても、
ソレノイド17がOFF であるため、黒ボタン14のみが
突出した状態(図9(c)参照)に変更されることはな
い。また、黒ボタン14の電磁クラッチもOFF 状態にな
っているので、オペレータ等がスライバーを紡糸させる
ことがない。従って、スライバー継ぎ動作中にスライバ
ーが不要に動かされることがない。
【0017】スライバー継ぎが実行され(ST 3)、新ケ
ンスのスライバー端と紡績ユニット側のスライバー端と
が結ばれると(ST 4)、スイッチ押動ロッド31が没入
して、マイクロスイッチ32がOFF にされる(ST 5)。
すなわち点灯スイッチ36がONからOFF に変わり、紡績
開始ランプ33が点灯される。ランプ検出センサー34
によりこれを感知した糸継ぎ台車9がこの紡績ユニット
2の位置に停止して、ノッティングが実行される。この
とき紡績停止スイッチ35のOFF によって、赤旗15の
ソレノイド17はONとなっており、糸継ぎは通常のスラ
ブ切れなどと同様に、成功したなら黒ボタン14が押し
込まれてドラフト装置6の電磁クラッチが「入」となっ
て紡出が再開され、失敗したなら赤旗15は飛び出した
まま(一旦押し込まれた後、突出される)となって、オ
ペレータを呼び出す状態となる。
【0018】そしてスライバー継ぎロボット27は、こ
の紡績ユニット2から離れて、次のピーシング要求のあ
る紡績ユニット2或いは原点位置へと移動し(ST 6)、
ケンス交換動作の1 サイクルが終了(ケンス搬出入開
始)となる。
【0019】このように、スライバー継ぎロボット27
がマイクロスイッチ32の操作により紡績ユニット2の
紡績を停止させてからスライバー継ぎを行った後、スラ
イバー継ぎを終了した時に紡績開始ランプ33を点灯さ
せて、糸継ぎ台車9に糸継ぎ要求を通知するようにした
ので、ケンス交換と糸継ぎとが円滑且つ迅速に実行さ
れ、スライバー継ぎ中の糸継ぎ台車9或いはオペレータ
による誤動作のおそれもない。すなわちケンス交換シス
テムによく適応した糸継ぎが達成される。
【0020】なお糸継ぎ台車9にノッティング禁止及び
ノッティング要求を通知する機構としては、例えば各紡
績ユニット2に備えられている満管ランプ(図示せず)
をパルス点滅させることによって行うことも考えられ
る。ただしこの機構では、ノッティング禁止とノッティ
ング要求とをパルスのデューティ比で判別させねばなら
ず、糸継ぎ台車9が走行しながら検知することが困難で
あるために判断を誤るおそれがある。またこのようなパ
ルス点滅を行わせるための複雑な制御機構を追加する必
要がある。そして糸継ぎ台車9は、ケンス交換終了を感
知したときに一度赤旗15を押し込んで、再び戻ってき
たときに糸継ぎを行うことになるので、紡績再開までに
長い時間が掛かってしまう。本発明によればこのような
諸問題が生じるのを未然に防ぐことができるものであ
る。
【0021】また本発明は、図5及び図7の完全自動の
ケンス交換システムの他に、図6に示したような半自動
のケンス交換システムにも適用できるものである。この
半自動交換システムでは、オペレータがスライバーの消
費状態を監視して、交換(残少)ケンス位置と新(予
備)ケンス位置とを指令し、スライバー継ぎロボット2
7を動作させるものである。スライバー継ぎロボット2
7は、移動中或いはスライバー継ぎ動作中は表示ランプ
を点灯させてオペレータに喚起するものとする。この他
のスライバー継ぎロボット27の動作及び紡績ユニット
2、天井搬送車25の動作は図5のものと同様である。
【0022】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ケンス交
換後に糸継ぎが確実に且つ迅速に行われ、ケンス交換シ
ステムによく適応した糸継ぎが達成されるという、優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる紡績装置の一実施例を示した側
断面図である。
【図2】図1の作用を説明するためのフローチャートで
ある。
【図3】本発明が適用されるケンス交換システムを示し
た全体平面図である。
【図4】図3の要部を示した平面図である。
【図5】図3の構成及び作用を説明するためのブロック
図である。
【図6】図3の他の構成及び作用を説明するためのブロ
ック図である。
【図7】図3の作用を説明するためのフローチャートで
ある。
【図8】従来の技術を説明するための空気紡績機の正面
図である。
【図9】図8の要部斜視図である。
【符号の説明】
2 紡績ユニット 9 糸継ぎ台車 27 スライバー継ぎロボット 33 紡績開始ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 15/00 D01H 4/48 D01H 9/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライバー継ぎロボットにより紡績ユニ
    ットの紡績が停止されてスライバー継ぎが行われる紡績
    装置において、上記紡績ユニットに沿うように糸継ぎ台
    車とスライバー継ぎロボットを別々の軌道に沿って走行
    自在に設け、上記紡績ユニットに、上記スライバー継ぎ
    ロボットがスライバー継ぎ動作中は糸継ぎ台車を通過さ
    せ、かつ、上記スライバー継ぎロボットがスライバー継
    ぎを終了した時に糸継ぎ台車に糸継ぎ要求を通知するた
    めの糸継ぎ要求機構を設けたことを特徴とする紡績装
    置。
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