JP2018127741A - 糸巻取機 - Google Patents

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伊藤  誠
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Abstract

【課題】作業台車に負圧を供給する吸引装置の消費電力を抑える。【解決手段】作業台車3を、排出ダクト9の開口9aに接続管59が接続され、巻取ユニット2に対して作業可能な作業位置P1と、互いに隣接する2つの作業位置P1の間に位置し、開口9aに接続管59が接続されない待機位置P2と、に停止させることができるように構成する。【選択図】図8

Description

本発明は、糸巻取機に関する。
例えば特許文献1には、複数の巻取ユニット(紡績ユニット)が配列方向に並べられ、この配列方向に移動可能な作業台車(糸継台車)が設けられた糸巻取機(精紡機)が開示されている。この糸巻取機には、吸引装置によって内部が負圧状態とされる排出ダクトが設けられており、この排出ダクトには上記配列方向に複数の開口が形成されている。開口はシャッター弁によって通常は閉じられている。作業台車が作業対象の巻取ユニットに移動すると、シャッター弁が開口を開放し、作業台車に設けられた接続管と開口とが接続される。これによって、作業台車は負圧(吸引力)を利用した糸継作業等の作業が可能となる。
特開2014−9052号公報
従来、接続管が開口と接続される位置(以下、「作業位置」と称する)で作業台車が巻取ユニットに対して作業を行った後、他の巻取ユニットからの作業要求がなければ、作業台車はそのまま作業位置で待機していた。しかしながら、例えば、接続管に接続されているサクションマウス及びサクションパイプ等の吸引部材は大気開放されているため、作業台車が作業位置に停止している間は、作業を行わなくても空気の流れが吸引部材に発生し、排出ダクトの吸引装置が電力を消費していた。
本発明は、作業台車に負圧を供給する吸引装置の消費電力を抑えることを目的とする。
本発明は、配列方向に並べられた複数の巻取ユニットと、前記配列方向に沿って延び、前記配列方向に複数の開口が形成された排出ダクトと、前記複数の開口を開閉する複数のシャッター弁と、前記開口を介して前記排出ダクトに接続される接続管を有し、前記配列方向に移動可能な作業台車と、前記排出ダクトに接続された吸引装置と、を備える糸巻取機であって、前記作業台車は、前記開口に前記接続管が接続され、前記巻取ユニットに対して作業可能な作業位置と、互いに隣接する2つの前記作業位置の間に位置し、前記開口に前記接続管が接続されない待機位置と、に停止可能であることを特徴とする。
本発明によれば、巻取ユニットに対して作業を行わないときには、作業台車を待機位置に停止させておくことで、接続管が接続されない開口をシャッター弁で閉じておくことができるので、吸引装置の消費電力を抑えることができる。
本発明において、前記作業台車は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、前記待機位置に移動するとよい。
これにより、作業終了後における吸引装置の消費電力を抑えることができる。
本発明において、前記作業台車は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、当該作業位置に隣接する前記待機位置に移動するとよい。
これにより、作業台車が待機位置に迅速に移動することができる。
本発明において、前記作業台車は、所定の作業領域において複数の前記巻取ユニットに対して作業を行うことが可能であり、前記作業台車は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、当該作業位置よりも前記作業領域の中心に近い前記待機位置に移動するとよい。
これにより、作業台車は、より多くの巻取ユニットとの距離を縮めることができる。したがって、これらの巻取ユニットから次に作業要求があった場合に、作業台車が移動に要する時間を短縮することができる。
本発明において、前記作業台車の動作を制御する制御部をさらに備えるとよい。
制御部で種々の判断及び決定を行うことにより、作業台車の作業効率等を向上させることができる。
本発明において、前記制御部は、前記複数の巻取ユニットの各々における作業発生頻度に基づいて、前記作業台車を停止させる前記待機位置を決定するとよい。
これにより、例えば、作業発生頻度の高い巻取ユニットに近い待機位置で作業台車を待機させておくことができ、作業効率を向上させることができる。
本発明において、前記制御部は、前記作業台車を、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、前記作業発生頻度が最も高い前記巻取ユニットに作業を行うための前記作業位置に隣接する前記待機位置に移動させるとよい。
これにより、作業効率をさらに向上させることができる。
本発明において、前記制御部は、前記作業台車を前記作業位置から前記待機位置へ移動させる際、この移動に要する所要時間が経過したか否かを判断し、前記所要時間が経過している場合に前記作業台車を停止させるとよい。
これにより、待機位置を認識するためのセンサ等を作業台車に設けなくても、作業台車を待機位置に停止させることができる。
本発明において、前記制御部は、前記作業位置から当該作業位置に隣接する前記作業位置へ移動するときの第1速度パターンと、前記作業位置から当該作業位置から2つ以上離れた前記作業位置へ移動するときの速度パターンであって、前記第1速度パターンよりも最高速度が速い第2速度パターンと、に基づいて、前記作業台車の移動を制御可能であり、前記作業台車を前記作業位置から当該作業位置に隣接する前記待機位置に移動させるときは、前記作業台車を前記第1速度パターンで移動させるとよい。
これにより、作業台車を精度よく待機位置に停止させることができる。
本発明において、前記制御部は、前記作業台車が前記待機位置で停止しているときに前記巻取ユニットからの作業要求信号を受け取ると、前記作業台車を、当該待機位置から作業要求信号を発した前記巻取ユニットに対して作業を行うことのできる前記作業位置まで移動させるとよい。
これにより、作業要求信号を発した巻取ユニットに対して迅速に作業を開始することができる。
本発明において、前記制御部は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了時に、当該巻取ユニット以外の巻取ユニットからの作業要求信号を受け取っている場合、作業の終了後、前記作業台車を、前記待機位置に止まらずに作業要求信号を発した前記巻取ユニットに対して作業を行うことのできる前記作業位置まで移動させるとよい。
このように、作業終了時に作業要求信号を受け取っている場合は、現在の作業位置から次の作業位置まで待機位置に止まらずに直接移動することで、迅速に作業を開始することができる。
本発明において、前記作業台車は、糸継作業を行う糸継装置を有しており、前記制御部は、前記作業台車を、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する糸継作業の終了後、前記待機位置に移動させるとよい。
これにより、糸継作業の終了後における吸引装置の消費電力を抑えることができる。
本発明において、前記制御部は、前記作業台車を、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する糸継作業の終了後に所定の待機時間が経過した後、前記待機位置に移動させるとよい。
一般的に、糸継作業が行われた巻取ユニットでは、糸継作業の直後に糸切れが発生しやすい。したがって、糸継作業の終了後、所定の待機時間だけそのまま作業位置に停止させておくことで、糸切れが発生した場合にすぐに糸継作業を行うことができる。
本発明において、前記シャッター弁は、前記作業台車が前記作業位置に移動するときに、前記接続管が当接することによって前記開口を開放する開放位置に切り換えられ、前記作業台車が前記作業位置から離れるときに、前記接続管が当接することによって前記開口を閉じる閉鎖位置に切り換えられるとよい。
これにより、シャッター弁を動作させるための特別な機構及び電動部品を不要とすることができる。
本発明において、前記待機位置を示す待機位置表示部をさらに備え、前記作業台車は、前記待機位置表示部を検出する検出部を有しているとよい。
この場合、制御部が検出部からの検出信号を利用して作業台車の移動制御を行うことにより、作業台車を精度よく待機位置に停止させることができる。
本実施形態に係る精紡機の全体的な構成を示す正面図である。 紡績ユニット及び糸継台車の側面図である。 糸継台車の吸引部材で糸を吸引保持する様子を示す側面図である。 糸継台車の吸引部材で糸を糸継装置に案内する様子を示す側面図である。 精紡機の電気的構成を示すブロック図である。 糸継台車の作業領域を示す模式図である。 糸継台車が作業位置にある状態を示す正面図である。 糸継台車が待機位置にある状態を示す正面図である。 シャッター弁の上面図である。 糸継台車の速度パターンを示すグラフである。 2台の糸継台車を設けた場合の作業領域を示す模式図である。 位置表示部材の一例を示す正面図である。
[本実施形態]
(精紡機の全体構成)
本発明の一実施形態に係る精紡機について、図面を参照しつつ説明する。図1に示す精紡機1(糸巻取機)は、所定の配列方向(図1の左右方向)に並べられた複数の紡績ユニット2(巻取ユニット)と、配列方向に移動可能な糸継台車3(作業台車)と、配列方向の一端側に配置されたブロアボックス4と、配列方向の他端側に配置された原動機ボックス5と、を備えている。
各紡績ユニット2は、ドラフト装置10から送られてくる繊維束Tを紡績装置20で紡績して糸Yを生成し、この糸Yを巻取装置40でボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。糸継台車3は、何れかの紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が生じた場合に、その紡績ユニット2に移動して糸継ぎを行う。ブロアボックス4内には、紡績ユニット2及び糸継台車3に負圧を供給するための吸引装置6等が配置されている。原動機ボックス5内には、各紡績ユニット2に共通の駆動源(図示省略)等が配置されている。各紡績ユニット2は、専用の駆動源を備えていてもよい。
(紡績ユニット)
本明細書では、糸継台車3から見て糸道が存在する側(図2〜図4の左側)を前側、その反対側(図2〜図4の右側)を後側と定義する。
紡績ユニット2は、繊維束T又は糸Yの走行方向(以下、「糸走行方向」と称する)の上流側から下流側へ向かって順に配置された、ドラフト装置10と、紡績装置20と、糸貯留装置30と、巻取装置40と、を主要な構成として備えている。
ドラフト装置10は、精紡機1のフレーム7の上端近傍に設けられている。ドラフト装置10は、上流側から順に、バックローラ11、サードローラ12、ミドルローラ13、及び、フロントローラ14の4つのドラフトローラ11〜14を備える。ミドルローラ13には、ゴム製のエプロンベルト15が巻き架けられている。各ドラフトローラ11〜14は、所定の回転速度で回転駆動される。ドラフト装置10は、各ドラフトローラ11〜14に対向するように配置された対向ローラ11a〜14aを有する。ドラフト装置10は、繊維束Tの原料であるスライバSを、回転するドラフトローラ11〜14と、これらに対向する対向ローラ11a〜14aとの間で挟み込んで搬送することにより、所定の幅となるまで引き伸ばして(ドラフトして)繊維束Tを形成する。
紡績装置20は、フロントローラ14のすぐ下流側に配置されている。紡績装置20は、ドラフト装置10から供給された繊維束Tに撚りを加えることで紡績し、糸Yを生成する。本実施形態では、紡績装置20として、旋回気流を利用して繊維束Tに撚りを与える空気式のものが採用されているが、他のタイプのものを採用することももちろん可能である。
糸貯留装置30は、糸走行方向において紡績装置20と巻取装置40との間に配置されている。糸貯留装置30は、貯留ローラ31と、糸掛け部材32と、モータ33と、を備える。貯留ローラ31は、その外周面に一定量の糸Yを巻き付けて一時的に貯留できるように構成されており、モータ33によって回転駆動される。貯留ローラ31の下流側端部には、糸Yを引っ掛けることが可能な糸掛け部材32が取り付けられている。糸掛け部材32が糸Yを引っ掛けた状態で貯留ローラ31と一体回転することにより、貯留ローラ31に糸Yが貯留される。糸貯留装置30は、糸Yに張力を付与して紡績装置20から糸Yを引き出す機能と、糸継台車3による糸継作業時に紡績装置20から送出される糸Yを滞留させて糸Yの弛みを防止する機能と、巻取装置40側の糸Yの張力の変動が紡績装置20側に伝わらないようにする機能と、を有する。紡績装置20と糸貯留装置30の間に、デリベリローラ等の引出ローラ対を設けて、引出ローラ対により紡績装置20から糸Yを引き出してもよい。この場合、糸貯留装置30は省略してもよい。
糸貯留装置30の下流側には、糸貯留装置30から引き出された糸Yを下流側に案内するためのガイド部材34が設けられている。ガイド部材34は、貯留ローラ31から引き出された糸Yを、貯留ローラ31の回転軸の延長線上を通過するように案内する。
糸走行方向において紡績装置20と糸貯留装置30との間には、糸Yの品質を監視する糸監視装置21が設けられている。糸監視装置21は、走行する糸Yの太さを不図示の光学式のセンサによって監視するように構成されている。糸監視装置21は、糸Yの糸欠陥(糸Yの太さ等に異常がある箇所)を検出する。糸監視装置21は、光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサであってもよい。糸監視装置21は、糸Yに含まれる異物を糸欠陥として検出してもよい。
糸監視装置21で糸Yの糸欠陥が検出された場合、紡績ユニット2は、紡績装置20への空気の供給を停止して、糸Yの生成を中断することにより糸Yを切断する。なお、糸監視装置21の近傍にカッターを配置し、当該カッターにより糸Yを切断してもよい。
巻取装置40は、糸貯留装置30の下流側に配置されており、糸Yを綾振りしながらボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置40は、クレードルアーム41と、巻取ドラム42と、トラバース装置43と、を備える。
クレードルアーム41は、支軸44を軸にして回動可能に支持されている。クレードルアーム41は、糸Yを巻き取るためのボビンB(パッケージP)を回転可能に支持することができる。巻取ドラム42は、所定の方向に一定の回転速度で回転駆動されている。クレードルアーム41は、支軸44を軸にして回動することにより、ボビンB(パッケージP)の外周面を巻取ドラム42に対して接触又は離間させることができる。このように、ボビンB(パッケージP)の外周面を、回転駆動される巻取ドラム42に接触させることにより、ボビンB(パッケージP)を巻取方向に従動回転させ、糸YをボビンB(パッケージP)の外周面に巻き取ることができる。
トラバース装置43は、糸Yを案内可能なトラバースガイド45を有する。トラバースガイド45は、不図示の駆動源によって、巻取ドラム42の軸方向と平行な方向に往復移動されるように構成されている。巻取ドラム42を回転駆動させながら、トラバースガイド45を往復駆動することにより、糸YをトラバースしながらパッケージPに巻き取ることができる。巻取ドラム42にトラバース溝を形成し、紡績ユニット2は、トラバース装置43を備えずに巻取ドラム42で糸Yをトラバースしてもよい。
(糸継台車)
次に、糸継台車3について説明する。図1に示すように、精紡機1には、配列方向に沿って延びるレール8が配設されている。糸継台車3は、このレール8に沿って移動するための車輪50と、車輪50を駆動する走行モータ51(図5参照)とを有しており、複数の紡績ユニット2の配列方向に自在に走行することができる。糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が発生した場合に、その紡績ユニット2まで移動し、紡績装置20と巻取装置40との間で分断している糸Yの糸継ぎを行う。
図2〜図4に示すように、糸継台車3は、糸継装置52、サクションパイプ53(吸引部材)、及びサクションマウス54(吸引部材)等を備える。糸継装置52は、紡績装置20と巻取装置40との間で糸Yが分断している場合に、図4に示すように、サクションパイプ53によって案内される紡績装置20側の糸(上糸)Yと、サクションマウス54によって案内される巻取装置40側の糸(下糸)Yと、を糸継ぎする。本実施形態では、糸継装置52として、旋回空気流によって上糸Yと下糸Yの糸端同士に撚りを加えて継ぎ目を形成するスプライサーが用いられている。糸継装置52はスプライサーに限らず、例えば、上糸Yと下糸Yとを糸結びするノッターでもよい。糸継台車3は、下糸Yを紡績装置20に案内し、紡績装置20の紡績を再開することにより糸Yを接続するピーサーでもよい。
サクションパイプ53は、軸53aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションパイプ53は、図3に示すように、上方に回動することによって、サクションパイプ53の先端が紡績装置20の下流側近傍に位置し、紡績装置20から紡出される上糸Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションパイプ53は、図4に示すように、紡績装置20から紡出される上糸Yを吸引保持した状態で下方に回動することで、上糸Yを糸継装置52に案内することができる。
サクションマウス54は、軸54aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションマウス54は、図3に示すように、下方に回動することによって、サクションマウス54の先端がパッケージPの外周面近傍に位置し、パッケージPから引き出される下糸Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションマウス54は、図4に示すように、パッケージPから引き出される下糸Yを吸引保持した状態で上方に回動することで、下糸Yを糸継装置52に案内することができる。
糸継台車3は、パッケージPを巻取方向の逆方向の引出方向に回転させるための逆回転ローラ55を有している。逆回転ローラ55は、リンク機構56に取り付けられており、逆回転モータ57(図5参照)によって巻取ドラム42と逆方向に回転駆動される。リンク機構56は、エアシリンダ58によって伸縮される。エアシリンダ58でリンク機構56を伸長させることによって、図3に示すように、巻取ドラム42から離間したパッケージPに逆回転ローラ55が接触し、パッケージPを引出方向に回転させることができる。パッケージPを引出方向に回転させることで、サクションマウス54でパッケージPに巻き付いている下糸Yの糸端を吸引し、糸継装置52に案内することができる。
(精紡機の電気的構成)
図5を参照して、精紡機1の電気的構成を説明する。本実施形態の精紡機1は、中央制御部1aを有する。中央制御部1aは、各紡績ユニット2及び糸継台車3との間で電気信号を通信可能に構成されており、各紡績ユニット2及び糸継台車3の管理及び制御を集中的に行う。各紡績ユニット2には、紡績ユニット2の各部の動作を制御するとともに、中央制御部1aとの間で通信を行うユニット制御部2aが設けられている。1つのユニット制御部2aが、所定数の紡績ユニット2に対して設けられていてもよい。糸継台車3には、糸継台車3の各部の動作を制御するとともに、中央制御部1aとの間で通信を行う台車制御部3aが設けられている。
本実施形態では、図6に示すように、1台の糸継台車3が、作業領域Rを移動することによって、この作業領域Rに含まれる40台の紡績ユニット2に対して糸継作業を行うことができる。紡績ユニット2には、ユニット番号Y1〜Y40が順に割り当てられている。作業領域Rに含まれる紡績ユニット2の数は、1台以上39台以下であってもよく、41台以上100台以下でもよい。各紡績ユニット2のユニット制御部2aは、自身のユニット番号に関する情報を含んだ糸継要求信号を中央制御部1aに送信することができる。中央制御部1aは、紡績ユニット2からの糸継要求信号を台車制御部3aに送信することで、糸継台車3に糸継作業を実行させる。なお、ユニット制御部2aから台車制御部3aに直接的に糸継要求信号が送信されるようにしてもよい。
後で詳細に説明するが、図6に示す白抜き三角のP1は、糸継台車3が各紡績ユニット2に対して糸継作業を行うときの作業位置を示している。精紡機1では、複数の作業位置P1が設定されている。黒塗り三角のP2は、糸継台車3が何れの紡績ユニット2に対しても糸継作業を行わないときに、走行せずに停止した状態で待機するための待機位置を示している。待機位置P2は、配列方向において隣接する2つの作業位置P1の中心位置に設定されている。以下、各図面では、配列方向における糸継台車3の中心位置によって糸継台車3の位置を示すものとする(例えば、図6ではユニット番号Y16の紡績ユニット2に対応する作業位置P1に停止している状態を示す)。
(糸継台車の作業位置及び待機位置)
図1に示すように、精紡機1には、配列方向に沿って延びる排出ダクト9が設けられており、排出ダクト9の一端部は吸引装置6に接続されている。図2〜図4に示すように、糸継台車3の下端部には、台車本体から下方に突出するパイプ状の接続管59が設けられている。本実施形態では、接続管59の下端は、排出ダクト9の上面からほんのわずかだけ浮いている。しかし、接続管59の下端は、排出ダクト9の上面に当接してもよい。接続管59は、排出ダクト9の上面に形成された開口9aと接続可能に構成されている。
糸継台車3の接続管59は、吸引管61を介してサクションパイプ53に接続されるとともに、吸引管62を介してサクションマウス54に接続されている。排出ダクト9の上面には、紡績ユニット2の配列ピッチpと同じピッチpで、配列方向に複数の開口9aが形成されている。糸継台車3が作業位置P1に位置しているときは、接続管59が何れかの開口9aを介して排出ダクト9と接続される。その結果、図7に矢印で示すように、サクションパイプ53及びサクションマウス54から、吸引管61、62、接続管59、及び、排出ダクト9を経由して吸引装置6に至る空気の流れが形成される。これによって、サクションパイプ53及びサクションマウス54の先端に負圧(吸引力)を発生させることができる。
糸継台車3によってある紡績ユニット2に対して糸継作業を行う場合は、図7に示すように、糸継台車3は当該紡績ユニット2に対して設けられている作業位置P1に移動して停止する(図7では、中央の紡績ユニット2に対して糸継作業を行う場合を例示している)。糸継台車3が作業位置P1に位置しているとき、糸継装置52は糸継作業対象の紡績ユニット2における糸道と正面から見て重なる位置に位置しており、また、接続管59はこの紡績ユニット2に対して設けられた開口9aと接続される。これによって、糸継台車3による糸継作業が可能となる。糸継台車3が各紡績ユニット2に対して糸継作業を行えるように、複数の作業位置P1が、紡績ユニット2の配列ピッチpと同じピッチpで配列方向に設定されている。
糸継作業を行わない場合は、図8に示すように、糸継台車3は待機位置P2に移動して停止する。この待機位置P2は、配列方向において互いに隣接する2つの作業位置P1の間の中心位置に位置している。作業位置P1と同様に、複数の待機位置P2が、紡績ユニット2の配列ピッチpと同じピッチpで配列方向に設定されている。糸継台車3が待機位置P2に位置しているとき、接続管59は開口9aからずれた位置(隣接する2つの開口9a間の中心位置)に位置している。したがって、糸継台車3が待機位置P2に位置しているときは、接続管59が排出ダクト9に接続されず、紡績ユニット2に対する糸継作業はできない。
(シャッター弁)
排出ダクト9の上面には、各開口9aを開閉するための複数のシャッター弁70が設けられている。本実施形態のシャッター弁70は、複数の円弧形状を組み合わせた輪郭を有する十字状の肉薄部材である。シャッター弁70は、中央部70aと、中央部70aから径方向外側に突出する4つの弁部70bとによって構成される。4つの弁部70bは、周方向に90度の等間隔で配置されている。何れかの弁部70bが開口9aを覆うことで、開口9aを閉じることができる。周方向に隣接する2つの弁部70bの間には、凹部である開放部70cが形成されている。開放部70cが開口9aと重なることで、開口9aが開放される。中央部70aは、支軸71を介して排出ダクト9の上面に取り付けられており、これによって、シャッター弁70は、支軸71を中心に回動可能となっている。
図9(a)に示すように、弁部70bが開口9aを覆っているときは、排出ダクト9内の負圧によって弁部70bが開口9aの周りの排出ダクト9の上面に密着するので、開口9aがシャッター弁70によって閉じられている。糸継台車3を作業位置P1に移動させる(接続管59を開口9aと同位置に移動させる)際には、その過程で、図9(b)に示すように、接続管59の下端部が弁部70bの縁に当接し、シャッター弁70を回動させながら開放部70cに入り込む。そして、糸継台車3が作業位置P1に到達すると、図9(c)に示すように、接続管59が開放部70c内に位置した状態で開口9aと重なり、接続管59が開口9aを介して排出ダクト9に接続される。
糸継台車3が作業位置P1から離れる際には、その過程で、接続管59の下端部が弁部70bの縁に当接し、シャッター弁70を回動させる。その結果、再び、図7(a)に示すように、開口9aがシャッター弁70によって閉じられる。つまり、本実施形態のシャッター弁70は、糸継台車3が作業位置P1に移動するときに、接続管59が当接することによって開口9aを開放する位置に切り換えられ、糸継台車3が作業位置P1から離れるときに、接続管59が当接することによって開口9aを閉じる位置に切り換えられるよう構成されている。
(糸継台車の待機制御)
従来、作業位置P1にて糸継作業を終えた糸継台車3は、次の糸継要求信号を受け取るまで、そのまま作業位置P1で待機しておくよう制御されていた。しかしながら、図7に示すように、糸継台車3が作業位置P1に位置しているときには、大気開放されたサクションパイプ53及びサクションマウス54から排出ダクト9への空気の流れが生じ、吸引装置6が電力を消費していた。本実施形態では、糸継作業を行わないときには、糸継台車3を待機位置P2に停止させておき、開口9aをシャッター弁70によって閉じておくことによって、消費電力を抑えるようにしている。
紡績ユニット2からの糸継要求信号を受け取った台車制御部3aは、糸継台車3を糸継作業対象の紡績ユニット2に対して設けられている作業位置P1まで移動させる。そして、図4に示すように、サクションパイプ53によって糸継装置52に案内された上糸Yと、サクションマウス54によって糸継装置52に案内された下糸Yとを、糸継装置52によって糸継ぎする。
糸継作業が行われた直後の紡績ユニット2では、糸継作業の終了時から糸Yの走行が安定するまでの1分程度の間、再度糸切れが発生しやすい。糸継作業の終了時に他の紡績ユニット2からの糸継要求信号を受け取っていない場合には、台車制御部3aは、糸継作業の終了後すぐに糸継台車3を待機位置P2に移動させるのではなく、所定の待機時間(例えば30秒〜60秒)だけ作業位置P1にそのまま待機させておく。
待機時間が経過すると、台車制御部3aは、作業位置P1から当該作業位置P1に隣接する待機位置P2に糸継台車3を移動させる。例えば、図6に示すように、現在の作業位置P1に隣接する待機位置P2が配列方向の両側に存在する場合は、糸継台車3の作業領域Rの中心に近い側(図6の場合は右側)に隣接する待機位置P2に糸継台車3を移動させるとよい。台車制御部3aは、次に糸継要求信号を受け取るまで、糸継台車3を待機位置P2で待機させておく。新たに糸継要求信号を受け取ると、台車制御部3aは、糸継作業対象の紡績ユニット2に対して設けられている作業位置P1まで糸継台車3を移動させ、糸継台車3に糸継作業を実行させる。
糸継作業の終了時に他の紡績ユニット2からの糸継要求信号を既に受け取っている場合には、台車制御部3aは、糸継作業の終了後に、糸継台車3を何れの待機位置P2にも停止させずに、直接、糸継要求信号を発した紡績ユニット2に対して設けられている作業位置P1まで移動させる。
(糸継台車の速度制御)
本実施形態では、糸継台車3を移動させる際の速度パターンが2つ用意されている。1つ目のパターンは、図10(a)に示すように、一定の加速度で最高速度V1まで加速した後、速度V1を維持し、停止位置が近づくと一定の減速度で減速し停止する第1速度パターンである。2つ目のパターンは、図10(b)に示すように、一定の加速度で速度V1よりも速い最高速度V2まで加速した後、速度V2を維持し、停止位置が近づくと、まず一定の減速度で速度V1まで減速してから速度V1を一定の時間だけ維持した後、さらに速度V1から一定の減速度で減速し停止する第2速度パターンである。第2速度パターンにおいて、糸継台車3の速度を、速度V2から一気に速度ゼロとするようにしてもよい。
台車制御部3aは、糸継台車3を移動させる際に、何れの速度パターンを適用するかを決定し、第1速度パターンの場合は最高速度V1を維持する時間、第2速度パターンの場合は最高速度V2を維持する時間を、実際の移動距離に応じて算出する。本実施形態では、第1速度パターンと第2速度パターンとにおいて、同じ加速度及び同じ減速度が適用されている。しかし、第1速度パターンと第2速度パターンとで、加速度や減速度を異ならせてもよい。
低速の第1速度パターンは、糸継台車3をある作業位置P1から当該作業位置P1に隣接する作業位置P1に移動させる場合(移動距離がp)に適用される。高速の第2速度パターンは、糸継台車3をある作業位置P1から当該作業位置P1から2つ以上離れた作業位置P1に移動させる場合(移動距離が2p以上)に適用される。糸継台車3をある作業位置P1から当該作業位置P1に隣接する待機位置P2に移動させる場合(移動距離がp/2)には、低速の第1速度パターンが適用される。
台車制御部3aは、糸継台車3を移動させる際に、移動距離及び走行モータ51の回転数等に基づいて、移動に要する所要時間を算出できるよう構成されている。具体的には、台車制御部3aは、まず、糸継台車3の移動距離を取得し、移動距離がp以下の場合は第1速度パターンを、移動距離がpよりも長い場合は第2速度パターンを選択する。速度パターンの選択後、台車制御部3aは、移動距離に基づいて、最高速度V1又はV2を維持する時間を算出し、固定の加速時間及び減速時間を算出した時間に加えることで移動に要する所要時間を算出する。台車制御部3aは、その都度所要時間を算出する代わりに、移動距離に応じた所要時間に関するテーブルを予め記憶しておき、当該テーブルから必要に応じて所要時間を取得するようにしてもよい。台車制御部3aは、糸継台車3の移動開始後、所要時間が経過したか否かを判断し、所要時間が経過している場合に糸継台車3を停止させることで、所望の位置に移動させることができる。
(効果)
本実施形態では、糸継台車3(作業台車)が、排出ダクト9に形成された開口9aに接続管59が接続され、紡績ユニット2(巻取ユニット)に対して作業可能な作業位置P1と、互いに隣接する2つの作業位置P1の間に位置し、開口9aに接続管59が接続されない待機位置P2と、に停止することができるように構成されている。したがって、紡績ユニット2に対して糸継作業を行わないときには、糸継台車3を待機位置P2に停止させておくことで、接続管59が接続されない開口9aをシャッター弁70で閉じておくことができるので、吸引装置6の消費電力を抑えることができる。吸引装置6の消費電力を抑えるため、接続管59に何らかの開閉弁を設けることも考えられるが、部品点数の増大によるコストアップ及びメンテナンスの工数増大といったデメリットがある。しかし、本実施形態では、このようなデメリットはない。
本実施形態では、糸継台車3は、作業位置P1での紡績ユニット2に対する糸継作業の終了後、待機位置P2に移動して停止する。これにより、糸継作業の終了後における吸引装置6の消費電力を抑えることができる。
本実施形態では、糸継台車3は、作業位置P1での紡績ユニット2に対する糸継作業の終了後、当該作業位置P1に隣接する待機位置P2に移動する。これにより、糸継台車3が待機位置P2に迅速に移動することができる。
本実施形態では、糸継台車3は、所定の作業領域Rにおいて複数の紡績ユニット2に対して糸継作業を行うことが可能であり、糸継台車3は、作業位置P1での紡績ユニット2に対する糸継作業の終了後、当該作業位置P1よりも作業領域Rの中心に近い待機位置P2に移動する。これにより、糸継台車3は、より多くの紡績ユニット2との距離を縮めることができる。したがって、これらの紡績ユニット2から次に作業要求があった場合に、糸継台車3が移動に要する時間を短縮することができる。
本実施形態では、糸継台車3の動作を制御する台車制御部3a(制御部)が設けられている。台車制御部3aで種々の判断及び決定を行うことにより、糸継台車3の作業効率等を向上させることができる。
本実施形態では、台車制御部3aは、糸継台車3を作業位置P1から待機位置P2へ移動させる際、この移動に要する所要時間が経過したか否かを判断し、所要時間が経過している場合に糸継台車3を停止させる。したがって、待機位置P2を認識するためのセンサ等を糸継台車3に設けなくても、糸継台車3を待機位置P2に停止させることができる。
本実施形態では、台車制御部3aは、作業位置P1から当該作業位置P1に隣接する作業位置P1へ移動するときの第1速度パターンと、作業位置P1から当該作業位置P1から2つ以上離れた作業位置P1へ移動するときの速度パターンであって、第1速度パターンよりも最高速度が速い第2速度パターンと、に基づいて、糸継台車3の移動を制御可能であり、糸継台車3を作業位置P1から当該作業位置P1に隣接する待機位置P2に移動させるときは、糸継台車3を第1速度パターンで移動させる。糸継台車3を隣接する待機位置P2に移動させる場合に、低速の第1速度パターンを適用することで、糸継台車3を精度よく待機位置P2に停止させることができる。
本実施形態では、台車制御部3aは、糸継台車3が待機位置P2で停止しているときに紡績ユニット2からの糸継要求信号(作業要求信号)を受け取ると、糸継台車3を、当該待機位置P2から糸継要求信号を発した紡績ユニット2に対して糸継作業を行うことのできる作業位置P1まで移動させる。こうすることで、糸継要求信号を発した紡績ユニット2に対して迅速に糸継作業を開始することができる。
本実施形態では、台車制御部3aは、作業位置P1での紡績ユニット2に対する糸継作業の終了時に、当該紡績ユニット2以外の紡績ユニット2から糸継要求信号を受け取っている場合、糸継作業の終了後、糸継台車3を、待機位置P2に止まらずに糸継要求信号を発した紡績ユニット2に対して糸継作業を行うことのできる作業位置P1まで移動させる。このように、糸継作業の終了時に作業要求信号を受け取っている場合は、現在の作業位置P1から次の作業位置P1まで待機位置P2に止まらずに直接移動することで、迅速に糸継作業を開始することができる。
本実施形態では、糸継台車3は、糸継作業を行う糸継装置52を有しており、台車制御部3aは、糸継台車3を、作業位置P1での紡績ユニット2に対する糸継作業の終了後、待機位置P2に移動させる。これにより、糸継作業の終了後における吸引装置6の消費電力を抑えることができる。
本実施形態では、台車制御部3aは、糸継台車3を、作業位置P1での紡績ユニット2に対する糸継作業の終了後に所定の待機時間が経過した後、待機位置P2に移動させる。一般的に、糸継作業が行われた紡績ユニット2では、糸継作業の直後に糸切れが発生しやすい。したがって、糸継作業の終了後、所定の待機時間だけそのまま作業位置P1に停止させておくことで、糸切れが発生した場合にすぐに糸継作業を行うことができる。
本実施形態では、シャッター弁70は、糸継台車3が作業位置P1に移動するときに、接続管59が当接することによって開口9aを開放する位置に切り換えられ、糸継台車3が作業位置P1から離れるときに、接続管59が当接することによって開口9aを閉じる位置に切り換えられるよう構成されている。これにより、シャッター弁70を動作させるための特別な機構及び電動部品を不要とすることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上記実施形態に限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、1台の糸継台車3が全ての紡績ユニット2に対して糸継作業を行うものとしたが、複数の糸継台車3によって糸継作業を行うようにしてもよい。図11を参照して、一例として、2台の糸継台車3(3A、3B)によって40台の紡績ユニット2(ユニット番号Y1〜Y40)に対して糸継作業を行う場合について説明する。図11では、便宜的に、糸継台車3A、3Bが異なるレールを走行しているような図としているが、実際には、糸継台車3A、3Bは共通のレール8を走行する。
作業領域RAは、糸継台車3Aが走行可能な領域を示しており、作業領域RAには、ユニット番号Y1〜Y24の紡績ユニット2が含まれる。作業領域RBは、糸継台車3Bが走行可能な領域を示しており、作業領域RBには、ユニット番号Y17〜Y40の紡績ユニット2が含まれる。作業領域RCは、作業領域RAと作業領域RBとが重複する領域、すなわち、糸継台車3A、3Bの両方が走行可能な領域を示しており、作業領域RCには、ユニット番号Y17〜Y24の紡績ユニット2が含まれる。
中央制御部1aは、紡績ユニット2からの糸継要求信号を受け取ると、その紡績ユニット2に対して糸継作業が可能な糸継台車3に対して糸継要求信号を送信する。具体的には、ユニット番号Y1〜Y16の紡績ユニット2から糸継要求信号が発せられた場合は、糸継台車3Aに対して糸継要求信号が送られる。ユニット番号Y25〜Y40の紡績ユニット2から糸継要求信号が発せられた場合は、糸継台車3Bに対して糸継要求信号が送られる。ユニット番号Y17〜Y24の紡績ユニット2から糸継要求信号が発せられた場合は、例えば、糸継要求信号を発した紡績ユニット2により近い位置に位置している糸継台車3A(又は3B)に対して糸継要求信号が送られる。
糸継要求信号を受け取った糸継台車3A(又は3B)の台車制御部3aは、糸継台車3A(又は3B)を糸継作業対象の紡績ユニット2に対して設けられている作業位置P1まで移動させる。糸継作業の終了後、台車制御部3aは、作業位置P1から当該作業位置P1に隣接する待機位置P2に糸継台車3を移動させる。このとき、上記実施形態と同様に、糸継作業の終了後すぐに糸継台車3を待機位置P2に移動させるのではなく、所定の待機時間だけ作業位置P1にそのまま待機させてもよい。
複数の糸継台車3A、3Bを設ける場合に、上述のように複数の糸継台車3A、3Bの作業領域RA、RBを一部重複させることは必須ではない。
上記実施形態では、作業位置P1にて糸継作業を終えた後、糸継台車3をこの作業位置P1に隣接する待機位置P2に移動させるものとした。しかしながら、糸継台車3を隣接する待機位置P2以外の待機位置P2まで移動させてもよい。例えば、糸継台車3を、作業領域Rの中心に最も近い待機位置P2に移動させてもよい。
上記実施形態では、配列方向において作業位置P1の両側に待機位置P2がある場合には、作業位置P1にて糸継作業を終えた後、作業領域Rの中心側の待機位置P2に移動させるものとした。しかしながら、糸継台車3を作業領域Rの中心と反対側の待機位置P2に移動させてもよい。
台車制御部3aが、複数の紡績ユニット2の各々における作業発生頻度に基づいて、糸継台車3を停止させる待機位置P2を決定するようにしてもよい。こうすることで、作業発生頻度の高い紡績ユニット2に近い待機位置P2で糸継台車3を待機させておくことができ、作業効率を向上させることができる。例えば、台車制御部3aは、糸継台車3を、作業位置P1での紡績ユニット2に対する糸継作業の終了後、作業発生頻度が最も高い紡績ユニット2に作業を行うための作業位置P1に隣接する待機位置P2に移動させるとよい。こうすることで、作業発生頻度の最も高い紡績ユニット2に近い待機位置P2で糸継台車3を待機させておくことができ、作業効率をさらに向上させることができる。
上記実施形態では、台車制御部3aが予め取得した所要時間に基づいて、糸継台車3を移動させるものとした。しかしながら、精紡機1に、作業位置P1及び/又は待機位置P2を示す位置表示部を設けるとともに、糸継台車3に、位置表示部を検出する検出部を設けるように構成してもよい。図12に一例として示される位置表示部材80は、糸継台車3の上方に配列方向に沿って設けられており、各作業位置P1を示す複数の作業位置表示部81、及び、各待機位置P2を示す複数の待機位置表示部82を有する。糸継台車3の上端部には、作業位置表示部81及び待機位置表示部82を検出可能な近接センサ等からなる検出部63が設けられている。台車制御部3aは、検出部63からの検出信号に基づいて、糸継台車3の移動制御を行うことができる。これによって、糸継台車3を精度よく作業位置P1や待機位置P2に停止させることができる。
上記実施形態では、互いに隣接する2つの作業位置P1の間の中心位置に待機位置P2を設定した。しかしながら、待機位置P2は、シャッター弁70が開口9aを閉じることを糸継台車3の接続管59が妨げない位置であれば、2つの作業位置P1の間の中心位置以外の位置であってもよい。
シャッター弁70の具体的構成は、上記実施形態に示したものに限定されない。例えば、電動式の開閉弁を採用してもよい。
上記実施形態では、2つの速度パターンに基づいて、糸継台車3の移動が制御されるものとしたが、用いられる速度パターンは1つでもよいし、3つ以上でもよい。
上記実施形態では、精紡機1の糸継台車3を待機位置P2に待機させる場合について説明したが、本発明を適用可能な装置は精紡機1に限定されない。例えば、自動ワインダーの玉揚台車のサクションマウス等が、上記実施形態と同様に排出ダクトに接続される場合には、この玉揚台車を作業位置と作業位置の間の待機位置で待機させるようにしてもよい。
1:精紡機(糸巻取機)
2:紡績ユニット(巻取ユニット)
3:糸継台車(作業台車)
3a:台車制御部(制御部)
6:吸引装置
9:排出ダクト
9a:開口
52:糸継装置
59:接続管
63:検出部
82:待機位置表示部
P1:作業位置
P2:待機位置
R:作業領域

Claims (15)

  1. 配列方向に並べられた複数の巻取ユニットと、
    前記配列方向に沿って延び、前記配列方向に複数の開口が形成された排出ダクトと、
    前記複数の開口を開閉する複数のシャッター弁と、
    前記開口を介して前記排出ダクトに接続される接続管を有し、前記配列方向に移動可能な作業台車と、
    前記排出ダクトに接続された吸引装置と、
    を備える糸巻取機であって、
    前記作業台車は、前記開口に前記接続管が接続され、前記巻取ユニットに対して作業可能な作業位置と、互いに隣接する2つの前記作業位置の間に位置し、前記開口に前記接続管が接続されない待機位置と、に停止可能であることを特徴とする糸巻取機。
  2. 前記作業台車は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、前記待機位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の糸巻取機。
  3. 前記作業台車は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、当該作業位置に隣接する前記待機位置に移動することを特徴とする請求項2に記載の糸巻取機。
  4. 前記作業台車は、所定の作業領域において複数の前記巻取ユニットに対して作業を行うことが可能であり、
    前記作業台車は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、当該作業位置よりも前記作業領域の中心に近い前記待機位置に移動することを特徴とする請求項2又は3に記載の糸巻取機。
  5. 前記作業台車の動作を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の糸巻取機。
  6. 前記制御部は、前記複数の巻取ユニットの各々における作業発生頻度に基づいて、前記作業台車を停止させる前記待機位置を決定することを特徴とする請求項5に記載の糸巻取機。
  7. 前記制御部は、前記作業台車を、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了後、前記作業発生頻度が最も高い前記巻取ユニットに作業を行うための前記作業位置に隣接する前記待機位置に移動させることを特徴とする請求項6に記載の糸巻取機。
  8. 前記制御部は、前記作業台車を前記作業位置から前記待機位置へ移動させる際、この移動に要する所要時間が経過したか否かを判断し、前記所要時間が経過している場合に前記作業台車を停止させることを特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載の糸巻取機。
  9. 前記制御部は、
    前記作業位置から当該作業位置に隣接する前記作業位置へ移動するときの第1速度パターンと、
    前記作業位置から当該作業位置から2つ以上離れた前記作業位置へ移動するときの速度パターンであって、前記第1速度パターンよりも最高速度が速い第2速度パターンと、
    に基づいて、前記作業台車の移動を制御可能であり、
    前記作業台車を前記作業位置から当該作業位置に隣接する前記待機位置に移動させるときは、前記作業台車を前記第1速度パターンで移動させることを特徴とする請求項5ないし8の何れか1項に記載の糸巻取機。
  10. 前記制御部は、前記作業台車が前記待機位置で停止しているときに前記巻取ユニットからの作業要求信号を受け取ると、前記作業台車を、当該待機位置から作業要求信号を発した前記巻取ユニットに対して作業を行うことのできる前記作業位置まで移動させることを特徴とする請求項5ないし9の何れか1項に記載の糸巻取機。
  11. 前記制御部は、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する作業の終了時に、当該巻取ユニット以外の巻取ユニットからの作業要求信号を受け取っている場合、作業の終了後、前記作業台車を、前記待機位置に止まらずに作業要求信号を発した前記巻取ユニットに対して作業を行うことのできる前記作業位置まで移動させることを特徴とする請求項5ないし10の何れか1項に記載の糸巻取機。
  12. 前記作業台車は、糸継作業を行う糸継装置を有しており、
    前記制御部は、前記作業台車を、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する糸継作業の終了後、前記待機位置に移動させることを特徴とする請求項5ないし11の何れか1項に記載の糸巻取機。
  13. 前記制御部は、前記作業台車を、前記作業位置での前記巻取ユニットに対する糸継作業の終了後に所定の待機時間が経過した後、前記待機位置に移動させることを特徴とする請求項12に記載の糸巻取機。
  14. 前記シャッター弁は、前記作業台車が前記作業位置に移動するときに、前記接続管が当接することによって前記開口を開放する開放位置に切り換えられ、前記作業台車が前記作業位置から離れるときに、前記接続管が当接することによって前記開口を閉じる閉鎖位置に切り換えられることを特徴とする請求項1ないし13の何れか1項に記載の糸巻取機。
  15. 前記待機位置を示す待機位置表示部をさらに備え、
    前記作業台車は、前記待機位置表示部を検出する検出部を有していることを特徴とする請求項1ないし14の何れか1項に記載の糸巻取機。
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