JP3109271B2 - 双糸の糸継装置 - Google Patents

双糸の糸継装置

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JP3109271B2 JP04227266A JP22726692A JP3109271B2 JP 3109271 B2 JP3109271 B2 JP 3109271B2 JP 04227266 A JP04227266 A JP 04227266A JP 22726692 A JP22726692 A JP 22726692A JP 3109271 B2 JP3109271 B2 JP 3109271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、双糸の糸継装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】双糸紡績機等の双糸を扱う機械には、糸
切れなどが生じた時にその糸端同士を結ぶための糸継装
置が備えられている。
【0003】図3に示すように、従来この種の糸継装置
は、双糸紡績機の各錘1の並設方向Aに沿って走行する
台車(スプライサーキャリッジ)2に搭載され、サクシ
ョンマウス3によって巻取パッケージ4側の下糸5を、
サクションノズル6によって紡績ノズル7側の上糸8を
それぞれ捕捉して、中央部に設けられた糸継部(スプラ
イサー)9に糸5,8を供給するようになっている。そ
してこの糸継部9においては、上下の双糸を単糸同士
(5aと8a,5bと8b)で結ぶようになっているの
で、特に分かれにくい下側の双糸5は、分離機構10に
よって強制的に二本に分離させてから、それぞれの糸継
部9へ供給されるようになっている。
【0004】この分離機構10は、サクションマウス3
の下方において出没するセパレーター11と、巻取パッ
ケージ4側へ旋回するヤーンプッシュレバー12とで構
成されており、セパレーター11が分離した下糸5を、
ヤーンプッシュレバー12がセンサー付きガイド13に
導いて、二本の単糸5a,5bを確認するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の糸
継装置においては、分離機構10であるヤーンプッシュ
レバー12も、サクションマウス3等を駆動させるため
のメインのカムシャフト(図示せず)によって駆動され
るようになっていた。すなわち上下糸端5,8の吸い込
みから糸継ぎ実行までが連続して行われるように構成さ
れており、センサー付きガイド13によって双糸分離の
失敗が感知されても、そのまま糸継ぎ動作に移り、1 サ
イクル終了した後に、再度糸の切断から動作が繰り返え
されるようになっていた。このため、双糸の分離に失敗
した場合は、糸継ぎに費やされる時間が無駄に長く掛か
ってしまうという問題があった。
【0006】そこで本発明は、上記事情に鑑み、双糸の
分離に失敗した場合の糸継時間を短縮できる糸継装置を
提供すべく創案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、双糸の糸端を
糸継部に供給する糸端供給機構と、供給される双糸を単
糸に分離する分離機構とを有した双糸の糸継装置におい
て、分離機構を糸端供給機構と別個に駆動させるための
駆動手段と、分離機構による双糸分離が失敗したときに
直ちにその分離動作を繰り返えさせるべく駆動手段を作
動させる駆動制御手段とを備えたものである。
【0008】
【作用】上記構成によって、分離機構は、双糸の糸端を
単糸に分離させる。糸端供給機構は、分離された二本の
単糸を糸継部に供給して糸継ぎを実行させる。分離機構
による分離が失敗した場合は、駆動制御手段が直ちに駆
動手段を作動させて再び分離機構による分離動作を行わ
せる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。
【0010】図1は、本発明に係わる糸継装置の一実施
例を示したものである。この糸継装置は、従来同様に双
糸紡績機の各錘に沿って走行する台車(図3中符号2)
に搭載されているものであって、双糸5,8の糸端を糸
継部9に供給する糸端供給機構21と、供給される双糸
5,8を単糸(5a,5b,8a,8b)に分離する分
離機構10とを有していると共に、本発明の特長となる
分離機構10を単独で駆動させるための駆動手段22
と、駆動手段22を適宜作動させる駆動制御手段23と
により主として構成されている。
【0011】糸継部9は、糸継ぎを実行する糸継ぎノズ
ル等が左右及び上下に適宜間隔を隔てられて二箇所に設
けられ(9a,9b)、上糸の単糸(8a,8b)及び
下糸の単糸(5a,5b)をクランプしてそれぞれ解撚
・糸継ぎするように形成されている。この糸継部9に
は、専用の駆動モータ(スプライサーカムモータ)24
が備えられていると共に、クランプ及び解撚用エアを供
給するダクト(図示せず)が接続されるようになってい
る。
【0012】糸端供給機構21は、上下方向にそれぞれ
旋回するサクションノズル6及びサクションマウス3の
他、分離された下糸5及び上糸8をそれぞれの糸継部9
a,9bに案内するためのヤーンガイドレバー26とで
構成されている。そしてこれらにそれぞれ係合するカム
板27,28,29,30を有したカムシャフト31が
設けられ、モータ32の回転によって所定のタイミング
で動作させるようになっている。また、図3に示したよ
うに紡績機本体側には、紡績ノズル7の下流に上糸8を
分離させるレイイン切替えレバー25が設けられてい
る。
【0013】分離機構10は、サクションマウス3の下
方において全体が出没自在に設けられたセパレーター1
1と、上下方向に旋回可能に形成されたヤーンプッシュ
レバー12とで構成されている。セパレーター11は、
二枚の平行なガイド板33,34に形成された溝35に
入ってきた双糸(下糸5)を、先端が尖ったプレート部
材36が押し広げるようにして分離させるようになって
いる。セパレーター11には全体を進退駆動させるため
の専用のモータ37が備えられていると共に、プレート
部材36を作動させるためのエアシリンダ(図示せず)
が設けられている。ヤーンプッシュレバー12は、L字
状を呈したロッドで成り、下方に旋回移動することで、
その先端部分が巻取パッケージ4の近傍に設けられたセ
ンサー付きガイド13の上方で糸道を横断するようにな
っている。すなわちセパレーター11によって分離され
た下糸5a,5bを、ガイド13の分離確認用センサー
38に案内するようになっている。そしてヤーンプッシ
ュレバー12の基端部には、これを適宜旋回させるため
の専用のモータ39が連結されている。すなわちこれら
モータ37,39によって、糸端供給機構21のサクシ
ョンマウス3などと別個に駆動させるための駆動手段2
2が構成されていることになる。
【0014】そして各モータ24,32,37,39に
は、これらを適宜駆動させるためのコントローラ40が
接続されており、サクションマウス3が下糸5を吸い込
んで上昇した時点でカムシャフト31を一旦停止させ
て、セパレーター用モータ37及びヤーンプッシュレバ
ー用モータ39を起動させるようになっている。そして
分離確認用センサー38が二本の単糸5a,5bを感知
したならば、カムシャフト31の回転を再開させると共
に、感知しなかったときは、分離失敗とみなして、セパ
レーター11及びヤーンプッシュレバー12を再び作動
さるようになっている。従って、センサー付きガイド1
3及びコントローラ40によって、セパレーター11に
よる双糸分離が失敗したときに直ちにその分離動作を繰
り返えさせる駆動制御手段23が構成されているもので
ある。そして分離失敗の際には、分離動作を所定の回数
だけ繰り返すようになっており、本実施例にあっては、
三回までこれを繰り返し、それ以上失敗したなら分離困
難と見なして動作を中止し、オペレータを呼び出すもの
とした。
【0015】この他、双糸紡績機の錘側には、糸切れが
生じたときに突出して走行台車を停止させるための黒ボ
タン(図3中符号50参照)が設けられている。
【0016】次に本実施例の作用を説明する(図2参
照)。
【0017】双糸紡績機の錘において糸切れが生じる
と、黒ボタンが突出して走行台車を停止させる(ST
1)。台車が停止すると、コントローラ40の指令によ
りカムシャフト31が回転を開始し、そのカム板27,
28のプロフィールにしたがってサクションノズル6及
びサクションマウス3が作動する。サクションノズル6
は上昇旋回して、紡績ノズル側の双糸(上糸8)を吸い
込み、この状態で待機する。サクションマウス3は下降
旋回して巻取パッケージ4側の双糸(下糸5)を吸い込
み、原位置に復帰することで上方に引き出す(ST 2)。
ここでカムシャフト31は回転を一旦停止され、セパレ
ーター用モータ37が起動してセパレーター11が進出
すると共に、プレート部材36が突出し、サクションマ
ウス3によって保持されている双糸5に係合してこれを
左右方向に分ける(ST 3)。引き続いてヤーンプッシュ
レバー用モータ39が起動してヤーンプッシュレバー1
2が下降旋回し、セパレーター11と巻取パッケージ4
との間の下糸5を分離確認用センサー38に案内する
(ST 4)。このセンサー38の信号によって、コントロ
ーラ40は下糸5の分離に成功したか否かを判断し(ST
5)、もし分離が確認されたならカムシャフト31の回
転を再開させて(錘側のオペレーティングレバーを押し
込み)、次のステップに進む。もし分離が確認されず、
分離失敗と判断されたときには、再びセパレーター11
及びヤーンプッシュレバー12を作動させて、分離動作
を繰り返す。もし三回続けて分離を失敗したならば(ST
6)、赤ボタン(図3中符号51参照)を突出させオペ
レータを呼び出す。
【0018】分離が成功したならサクションノズル6を
下降させて(ST 7)、レイイン切替えレバー25の作動
によりその上糸8を分離させ(ST 8)、ヤーンガイドレ
バー26によって分離された上糸8a,8b及び下糸5
a,5bをそれぞれの糸継部9a,9bに案内する(ST
9)。そしてスプライサーカムモータ24の起動によっ
て、クランプが作動し、解撚・糸継ぎ用のエアが噴出さ
れて糸継ぎが実行される(ST10)。そして糸継ぎが成功
したか否かが検知され(ST11)、成功したならば黒ボタ
ンを押し込んで糸継ぎサイクル終了とし、失敗したなら
ば上糸クランプが再度作動して糸を切断し、赤ボタンを
突出させオペレータを呼び出す。
【0019】このように、ヤーンプッシュレバー12を
駆動させるためのモータ39を、サクションマウス3等
を駆動させるカムシャフト31とは別個に設けて、分離
確認用センサー38の感知に基づいて下糸5の分離動作
のみを繰り返すようにしたので、分離を失敗した際の糸
継ぎ工程の時間短縮が達成される。例えば糸継ぎ動作の
1 サイクルが20秒かかるものであれば、従来は一度分離
に失敗すると40秒かかることとなっていたが、本発明に
よれば、一回の分離動作のための時間が追加されるだけ
なので、20数秒にてその糸継ぎ工程を完了できるもので
ある。
【0020】なお本実施例にあっては双糸紡績機に適用
した場合において示したが、本発明は同様にして双糸を
扱う機械に広く適用可能である。
【0021】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0022】双糸の分離機構を糸端供給機構と別個に駆
動させる駆動手段と、分離機構による双糸分離が失敗し
たときにその分離動作のみを繰り返えさせる駆動制御手
段とを備えたので、糸継ぎのための時間を大幅に短縮で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる双糸の糸継装置の一実施例を示
した正面図である。
【図2】図1の作用を説明するためのフローチャートで
ある。
【図3】従来の双糸の糸継装置を示した斜視図である。
【符号の説明】
5 双糸(下糸) 8 双糸(上糸) 5a,5b 下糸の単糸 8a,8b 上糸の単糸 10 分離機構 21 糸端供給機構 22 駆動手段 23 駆動制御手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 双糸の糸端を糸継部に供給する糸端供給
    機構と、供給される双糸を単糸に分離する分離機構とを
    有した双糸の糸継装置において、上記分離機構を上記糸
    端供給機構と別個に駆動させるための駆動手段と、上記
    分離機構による双糸分離が失敗したときに直ちにその分
    離動作を繰り返えさせるべく上記駆動手段を作動させる
    駆動制御手段とを備えたことを特徴とする双糸の糸継装
    置。
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