JP3076544B2 - 軒天井の換気構造 - Google Patents

軒天井の換気構造

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JP3076544B2
JP3076544B2 JP09326354A JP32635497A JP3076544B2 JP 3076544 B2 JP3076544 B2 JP 3076544B2 JP 09326354 A JP09326354 A JP 09326354A JP 32635497 A JP32635497 A JP 32635497A JP 3076544 B2 JP3076544 B2 JP 3076544B2
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正道 大西
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ナショナル住宅産業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防火機能を具える
軒天井の換気構造に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】家屋
においては、例えば、図6に示すように、小屋裏aから
軒天井bの通気口b1にのびる通気路cを形成し、小屋
裏内を換気することが行われている。
【0003】しかしながらこのような軒天井の換気構造
を有する家屋では、通気口b1が、常時解放状態となる
ため、例えば火災等が発生した場合、火又は煙が小屋裏
内に回り込み、火災を拡大させる恐れがある。
【0004】そこで本発明は、通気路を形成する軒天井
下地材の下面に、温度上昇により通気口を閉じる防火ダ
ンパーを内蔵した軒天井材を取り付けることを基本とし
て、通常時は通気口の解放により小屋裏を換気しうると
ともに、火災時には通気口を自動閉鎖して延焼を防ぐこ
とができ、さらには、防火ダンパーが誤って作動し通気
口が閉鎖されてしまった場合であっても、家屋の外表面
に位置する軒天井材の取り替え、或いは取り外しての修
理のみで対応することができ、メンテナンス作業を大巾
に改善しうる軒天井の換気構造の提供を目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の軒天井の換気構造は、家屋の外壁面から突
出する軒先部で垂下する鼻板の下部と、前記外壁面に連
なる外装板との間に、換気用の通気路を有する軒天井下
地材を架け渡すとともに、この軒天井下地材の下面に、
前記通気路に通じる通気口を有しかつ常時はこの通気口
を解放するとともに温度上昇により該通気口を閉じる防
火ダンパーを有する軒天井材により被覆したことを特徴
としている。
【0006】なお前記防火ダンパーを、軒天井材の本体
の下板部に形成した通気口の上方位置でこの通気口に向
き合わさせることが好ましく、これにより、強風時等に
小屋裏内へ雨水等が浸入するのを防止することができ
る。
【0007】又前記軒天井材として、略全ての軒先天井
部を構成しうる巾2〜10cm程度の長尺体で形成し、
かつ外装板に沿わせて配するとともに、複数の通気口を
間隔を隔てて並設することが好ましい。これにより、軒
天井材の施工だけで、軒天井及び防火ダンパーの取付が
略完了するなど施工性が極めて良い。又この軒天井材の
取付けだけで、壁際の狭い比較的施工の難しい部位へ、
通気口を確実かつ容易に設けることができる。さらに
は、通気口が間欠的に設けられるので、雨水が小屋裏内
へ浸入し難くなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1において、本願の軒天井の
換気構造は、家屋の外壁面Sから突出する軒先部2で垂
下する鼻板3の下部と、前記外壁面Sに連なる外装板5
との間に、換気用の通気路K1を有する軒天井下地材7
を架け渡すとともに、この軒天井下地材7の下面を、通
気口9を有する軒天井材10により被覆している。
【0009】前記鼻板3は、本例では、防火仕上げされ
た耐火性板材からなり、流れ屋根Rを構成するたる木1
1の軒側端に、鼻板下地12を介して垂直に取り付く。
耐火性の板材としては、表面のみを防火仕上げしたも
の、或いは、例えば硬質木片をセメントに混入させた硬
質木片セメント板等の耐火性のサイディング板が好適に
使用できる。なお鼻板3外面には、軒樋8が取り付く。
【0010】前記たる木11は、例えばI形鋼、H形鋼
等の鋼材からなる屋根梁13のフランジ部13Aに、固
定金具14を介して固定されるとともに、この屋根梁1
3によって、外壁パネル15の上端が支持される。なお
この外壁パネル15の外壁板材15A外面によって、前
記外壁面Sを形成する。又屋根梁13は、前記外壁パネ
ル15上端からたる木11下面に至り、前記外壁面Sに
連なってのびる、本例では幕板からなる外装板5によっ
て被覆される。前記外装板5の外面は、外壁面Sと、本
例では、面一状に配されるが、外壁面Sとは段差状に屋
外側に突出させてもよい。又幕板に代わり、前記外壁板
材15Aを延長させ、この外壁板材15A自体によって
外装板5を形成してもよい。なお前記外壁板材15A及
び外装板5も、例えば前記サイディング板等の耐火性板
材を用いるのがよい。
【0011】又前記鼻板3と外装板5との間には、前記
軒天井下地材7が、長手方向に沿って軒先と平行に配さ
れる。該軒天井下地材7には通気路K1が設けられ、こ
の通気路K1によって、小屋裏から屋外に連通する換気
経路Kが形成される。
【0012】ここで、軒天井下地材7は、図2に示すよ
うに、長手方向に沿って軒先と平行に略一定間隔で配さ
れるスペーサ7Aと、各スペーサ7A・・・ を連結する長
尺な支持桟材7Bとからなり、隣合うスペーサ7A、7
Aの間に前記通気路K1が形成される。この通気路K1
は、前記支持桟材7Bによって断面L字状に屈曲する。
又通気路K1の小屋裏に連通する端部の上方には、本例
では、水返し板17(図1に示す)が設置され、前記換
気経路Kをさらに複雑化して、小屋裏への雨水等の浸入
の防止が図られている。
【0013】前記軒天井材10は、軒天井下地材7の前
記スペーサ7Aに木ネジ等によって着脱自在に固定され
るとともに、前記外装板5外面から鼻板3外面に至る軒
先天井巾に近似する巾Wを有して前記軒天井下地材7下
面を覆うことにより、この軒天井材10によって、略全
ての軒先天井部19を構成する。なお、前記鼻板3と軒
天井材10との突合わせ縁は、前記鼻板3外面に取り付
く化粧材18によって被覆され、止水並びに化粧処理が
施させる。
【0014】又前記軒天井材10は、図3に示すよう
に、前記通気路K1に通じる通気口9が形成される下板
部20を有する本体21と、常時はこの通気口9を解放
するとともに温度上昇により該通気口9を閉じる防火ダ
ンパー22とを具え、該本体21と防火ダンパー22と
は一体可搬の組立体を構成する。
【0015】前記本体20は、前記下板部20の両側縁
に立ち上げ部23A、23Bを設けかつ前記巾Wを2〜
10cm程度とした断面コ字状の長尺な溝形材から形成
され、内側縁である内の立ち上げ部23Aを前記外装板
5に沿わせて取り付けられる。前記立ち上げ部23A、
23Bは、本体20の剛性強度を確保する一方、本体内
部に、前記防火ダンパー22を収容しかつ作動させる、
例えば13±5mm程度の小高さh1のダンパー収容ス
ペースHを形成する。
【0016】又前記通気口9は、例えば3〜10mm程
度の小巾W1を有して内外にのびる長孔状の孔部であっ
て、複数の通気口9が、前記下板部20に、間隔を隔て
てかつ下板部20の長さ方向に並設される。
【0017】又前記防火ダンパー22は、下板部20と
重置することによって前記通気口9を閉鎖する板状体で
あり、本例では、前記外の立ち上げ部23Bに取り付く
蝶番金具25を介して、この立ち上げ部23Bと下板部
20とのコーナ近傍に位置する軸心P回りで傾動自在に
枢着される。又前記防火ダンパー22は、前記軸心Pに
配するコイルバネ状のバネ片26により、閉鎖位置Y1
に向って付勢される。
【0018】この防火ダンパー22は、前記本体20に
取り付き、常温時には、前記バネ片26の付勢に対抗し
て防火ダンパー22を解放位置Y2で保持するストッパ
ー手段27(図4、5に示す)によって、通気口9への
閉鎖が阻止される。なお解放状態Y2においては、本例
の如く、前記防火ダンパー22を、通気口9の上方に位
置させ、該通気口9に間隔を有して向き合わさせること
が好ましく、これによって、強風時等に、下方から吹き
付ける雨水等が小屋裏内に浸入するのをより効果的に防
止できる。特に、外装板5からの軒先部2の突出長さを
小とした、本例の如き構造の場合には、軒天井裏のスペ
ースが極めて小となるので、この防火ダンパー22によ
る雨水等の浸入防止効果はより貴重となる。
【0019】前記ストッパー手段27は、図4、5に示
すように、前記防火ダンパー22の下面を受ける受け面
29Sを有するストッパー体29と、本例では前記内の
立上げ部23Aに固定されるとともに前記ストッパー体
29を交換自在に保持する取付体30とから形成され
る。
【0020】なお前記取付体30は、本例では、向かい
合って上下にのびる一対の保持溝30Aを有する。前記
ストッパー体29は、この保持溝30A、30A間に挿
入される挿入部31Aの上端に、ダンパー側に折れ曲が
る略水平な折れ曲がり部31Bを設けたL字状の基片3
1と、この基片31に一体固着されるストッパー片33
とから形成される。
【0021】前記ストッパー片33は、前記基片31の
下面に熱溶融性材32を介して固着する、本例では、板
状をなし、前記基片31からダンパー側に突出する突出
部分の上面で前記受け面29Sを形成している。
【0022】なお、前記防火ダンパー22は、この受け
面29Sに当接する当接面22Sを、ダンパー本体22
Aから上方に偏位した位置に具え、これによって、前記
防火ダンパー22は、ダンパー収容スペースH内に収容
される。
【0023】ここで、ストッパー片33を固着する熱溶
融性材32としては、例えば鉛(Pb)、錫(Sn)、
カドミウム(Cd)、ビスマス(Bi)等を用いた融点
の低い周知の可融合金、及び合成樹脂材等が採用でき、
溶融温度が、少なくとも木材の着火温度である270゜
C以下、好ましくは100゜C以下のものが用いられ
る。
【0024】従って、前記ストッパー手段27は、火災
時の温度上昇により溶融し、ストッパー片33が基片3
1から外れることにより、防火ダンパー22を自動的に
解放できる。
【0025】なお本体21、ストッパー体29、及び取
付体30を、金属材で形成することが、熱伝導率を高め
て、熱溶融性材32を正確に行う上で好ましい。
【0026】又前記防火ダンパー22としては、本例の
如く傾動可能に支持する他に、上下に平行移動可能に保
持しても良く、又ストッパー手段27としても、熱溶融
性材32を用いた種々な構造のものが採用しうる。
【0027】
【発明の効果】叙上の如く本発明は、防火ダンパーを設
けることによって、通常時は通気口を利用して小屋裏換
気ができるとともに、火災が発生した時には、この通気
口を閉鎖して延焼を防ぐことができる。さらには、軒天
井材に、防火ダンパーを内蔵しているので、防火ダンパ
ーが誤って作動し通気口が閉鎖されてしまった場合であ
っても、家屋の外表面に位置する軒天井材の取り替え、
或いは取り外して修理を行うだけでメンテナンス作業を
容易に行うことができる。
【0028】又、通常時には、通気口の上方に防火ダン
パーが位置するので、強風時等に小屋裏内に雨水等が浸
入するのを防止することができる。
【0029】又請求項2の如く、軒天井及び防火ダンパ
ーの取付施工は、軒天井材の施工だけで略完了するので
施工性が極めて良い。又軒天井材を取り付けるだけで、
壁際の狭い比較的施工の難しい部位へ、通気口を確実か
つ容易に設けることができる。さらには、通気口が間欠
的に設けられるので、雨水が小屋裏内へ浸入し難くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軒天井換気構造の一実施例を示す断面
図である。
【図2】軒天井下地材を通気路とともに略示する斜視図
である。
【図3】軒天井材を示す斜視図である。
【図4】ストッパー手段を示す分解斜視図である。
【図5】軒天井材をストッパー手段とともに示す断面図
である。
【図6】従来の軒天井の換気構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2 軒先部 3 鼻板 5 外装板 7 軒天井下地材 9 通気口 10 軒天井材 19 軒先天井部 20 下板部 21 本体 22 防火ダンパー 23A、23B 立ち上げ部 K1 通気路 S 外壁面 W 巾

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】家屋の外壁面から突出する軒先部で垂下す
    る鼻板の下部と、前記外壁面に連なる外装板との間に、
    換気用の通気路を有する軒天井下地材を架け渡すととも
    に、この軒天井下地材の下面を、前記通気路に通じる通
    気口を有しかつ常時はこの通気口を解放するとともに温
    度上昇により該通気口を閉じる防火ダンパーを有する軒
    天井材により被覆し しかも前記軒天井材は、前記通気口が形成される下板部
    を有する本体を具え、かつ前記防火ダンパーは、通常で
    はこの通気口の上方に位置して該通気口に向き合う こと
    を特徴とする軒天井の換気構造。
  2. 【請求項2】 前記軒天井材は、取り付けられることによ
    り略全ての軒先天井部を構成するとともに、前記本体
    は、前記下板部の両側縁に立ち上げ部を設けかつ巾が2
    〜10cm程度の長尺の溝形状をなし、しかも該本体
    は、前記外装板に側縁を沿わせて配されるとともに、通
    気口は、前記下板部に、間隔を隔ててかつ下板部の長さ
    方向に並設されたことを特徴とする請求項1記載の軒天
    井の換気構造。
JP09326354A 1997-11-27 1997-11-27 軒天井の換気構造 Expired - Lifetime JP3076544B2 (ja)

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JP5064965B2 (ja) * 2007-10-19 2012-10-31 日本化学産業株式会社 軒天井換気口装置
JP5232071B2 (ja) * 2009-05-13 2013-07-10 パナホーム株式会社 軒先構造

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