JP3074877B2 - 光ディスクプレーヤ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光ディスクに対してデー
タの記録及び／又は再生動作を行なうことができる光デ
ィスクプレーヤに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクにレーザ光を照射し、情報を
記録し、或は記録された情報を読み出すことができるよ
うな光ディスクプレーヤが広く普及しており、光ディス
クは、音声信号、映像信号、データ等を記録する媒体と
して有効に利用されている。例えばＣＤプレーヤ、テレ
ビゲーム機器、ビデオディスクプレーヤ等で有用とされ
ている。

【０００３】ところで、このような光ディスクプレーヤ
では、回転している光ディスクの記録トラックにレーザ
スポットを正確に照射するためのトラッキングサーボ機
構が不可欠であり、通常、光ディスクの半径方向に光学
ヘッド全体を移動するためリニアモータ等による粗アク
チュエータ（スレッド機構）が設けられるとともに、光
学ヘッド内の対物レンズをトラッキング方向（光ディス
クに対して半径方向）及びフォーカス方向（光ディスク
面に対して垂直方向）に駆動することができる２軸機構
が設けられている。これらのトラッキング制御機構は、
周知の通り、光学ヘッドから得られた再生信号の演算処
理によって得られるトラッキングエラー信号に基づいて
制御される。

【０００４】そして、例えば再生動作を開始する際に
は、フォーカスサーボがかけられ、またスピンドルサー
ボが（ラフに）かけられた後、光学ヘッドによる走査を
所定のトラックに引き込むトラッキング引き込み動作
が、上記２軸機構及び／又はスレッド機構を制御するこ
とによって行なわれる。トラッキング引き込み完了後は
引き続き２軸機構及びスレッド機構を制御してレーザ走
査が記録トラックに正確に追従されるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
光ディスクプレーヤによって記録／再生される光ディス
クには、各光ディスク毎に多少の反射率のムラが存在し
たり、場合によっては記録面上に傷が生じたりしている
場合がある。これに対してトラッキングエラー信号は光
ディスクから反射された光の検出出力に含まれる情報か
ら抽出するものであるため、反射率のムラや傷等によっ
て反射光レベルが安定していないことは、トラッキング
サーボ動作が不安定となることにつながる。特にトラッ
キング引き込み時には、その引き込み動作に長時間を要
したりすることになる。

【０００６】また、ディスクチャッキング時には光ディ
スクが多少偏心して保持されることが余儀なくされる
が、この偏心によりトラッキング追従が困難となること
が発生し易い。当然、トラッキング引き込み動作には時
間がかかったり、サーボノイズが発生したりするという
問題がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点に鑑みてなされたもので、光ディスクの記録面上に同
心円状又は渦巻状に形成されたトラックに追従してレー
ザ走査をなし、データの記録又は再生を行なう光学ヘッ
ド手段を有する光ディスクプレーヤにおける、トラッキ
ングエラー信号生成手段及び供給されたトラッキングエ
ラー信号に基づいて前記光学ヘッド手段のトラッキング
機構の動作を実行するトラッキング駆動手段とによって
形成されるトラッキングサーボループ内に、記録／再生
時の動作に適した第１のゲインと、この第１のゲインよ
り高い第２のゲインとを選択的に与えることのできるサ
ーボゲイン切換手段を設け、トラッキングサーボ引き込
み時において、トラッキングサーボ引き込みが完了する
までの間のみサーボゲイン切換手段において第２のゲイ
ンが選択されるように制御するものである。

【０００８】

【作用】トラッキング引き込み時にサーボゲインをアッ
プさせることにより、引き込み動作を安定化させ、引き
込み時間を短縮するとともにサーボノイズの発生を防止
することができる。

【０００９】

【実施例】以下、図１〜図３により本発明の一実施例を
説明する。なお、この実施例は例えば光ディスクを用い
たゲーム機器等において採用できるものである。

【００１０】図１は光ディスクプレーヤの概略ブロック
図であり、主にサーボ制御系を示している。１は光ディ
スク、２は光ディスク１を例えばＣＬＶで回転駆動する
スピンドルモータ、３は光ディスク１に対してレーザ走
査（記録／再生）を行ない、また光ディスク１からの反
射光を検出して再生情報として出力する光学ヘッドであ
る。この光学ヘッド３には、半導体レーザ３ａ、偏光ビ
ームスプリッタ３ｂ、１／４波長板３ｃ、対物レンズ３
ｄ、ディテクタ３ｅ等によって構成される光学系が搭載
されてレーザ走査及び反射光検出動作をなす。

【００１１】また光学ヘッド３にはレーザ出力端となる
対物レンズ３ｄを光ディスク１と接離する方向及び光デ
ィスク１の半径方向に駆動する２軸機構（微アクチュエ
ータ）４が搭載され、また、光学ヘッド３を光ディスク
１の半径方向へ駆動するスレッド機構（粗アクチュエー
タ）５が設けられている。

【００１２】６は光学ヘッド３から出力される再生ＲＦ
信号を増幅するＲＦアンプ、７は再生ＲＦ信号の復調及
びデータ抽出回路系を示す。復調及びデータ抽出回路系
７からは光ディスク１に記録されている信号の再生デー
タや、タイムコードやインデックス情報等を含むサブコ
ードデータが出力される。

【００１３】８は、例えば図示しないシステムコントロ
ール部２９の制御に基づいて光ディスク１の記録／再生
動作を制御するメカコントロール部（以下、単に制御部
という）を示す。即ち、光学ヘッド３によるレーザ走査
のオン／オフ、スピンドルモータの動作、フォーカスサ
ーボ、スピンドルサーボ、粗及び密トラッキングサーボ
等の動作管理を行なう。

【００１４】９は光学ヘッド３からの出力された再生Ｒ
Ｆ信号に対して所定の演算処理を行ないトラッキングエ
ラー信号Ｅｔ、及びフォーカスエラー信号Ｅｆを生成す
るエラー信号生成回路であり、生成されたトラッキング
エラー信号Ｅｔは、サーボゲインアンプ部１０、位相補
償回路１１を介して、スレッド機構５を駆動するスレッ
ドドライブ回路１２及び２軸機構４を光ディスク１に対
して平行方向に駆動する２軸ドライブ回路１３に供給さ
れる。

【００１５】２軸ドライブ回路１３は、トラッキングエ
ラー信号Ｅｔに基づいて２軸機構４に対してトラッキン
グ駆動電圧を供給し、再生或は記録中のレーザビームが
適正にトラックを追従するようになす。またスレッドド
ライブ回路１２も、制御部８からの制御信号に基づいて
記録／再生動作時、及びシーク指令時にアクセス動作を
なすための駆動電圧をトラッキングエラー信号Ｅｔから
生成し、スレッド機構５に供給する。

【００１６】また、エラー信号生成回路９で生成された
フォーカスエラー信号Ｅｆはサーボゲインアンプ１４、
位相補償回路１５を介して、２軸機構４を光ディスク１
に対して垂直方向に駆動する２軸ドライブ回路１６に供
給される。そして、２軸ドライブ回路１６は２軸機構４
に対してフォーカス駆動電圧を供給し、フォーカス制御
を実行させる。

【００１７】また、１７はスピンドルモータ２の回転速
度を管理するスピンドルサーボ系を示す。このスピンド
ルサーボ系では、復調及びデータ抽出回路系７において
再生ＲＦ信号をＰＬＬ回路に投入することによって得ら
れるクロック成分と、制御部８から供給されるシステム
クロックとを比較することによって例えばＣＬＶ（線速
度一定）回転駆動のためのドライブ信号を生成し、スピ
ンドルモータ２に供給している。

【００１８】また本実施例では特に、トラッキングサー
ボ系のサーボゲインアンプ部１０内には通常記録／再生
動作に適したサーボゲインを付加する第１のアンプＧ₁
と、通常のサーボゲインより大きいレベルのサーボゲイ
ンを付加する第２のアンプＧ₂ が設けられており、例え
ばスイッチ部Ｓが切換制御されることにより、いづれか
のアンプが選択されるように構成されている。各アンプ
Ｇ₁ ，Ｇ₂ による利得−周波数特性は図２に実線及び点
線で示される。

【００１９】このような本実施例の光ディスクプレーヤ
におけるトラッキング引き込み時の制御部８の制御動作
について図３を用いて説明する。

【００２０】光ディスク１がローディングされたのみの
停止状態から再生を開始する際には、まず、フォーカス
サーボをオンとし、２軸機構４が駆動されてレーザ光が
合焦位置で光ディスク１の記録面に照射されるように制
御される(F101)。続いてスピンドルキック動作を制御し
スピンドルモータ２を駆動するとともに(F102)、スピン
ドルサーボをオンとし、この際の再生ＲＦ信号から得ら
れたクロック成分とシステムクロックを比較してラフス
ピンドル制御を実行させる。

【００２１】その後、トラッキングサーボをオンとして
２軸機構４及び／又はスレッド機構５を駆動してトラッ
キング引き込みを行なうわけであるが、この際に先ずサ
ーボゲインアンプ部１０に対してスイッチング制御信号
を出力し、Ｔ₂ 接点に接続させる。即ち、アンプＧ₂ に
よって図２の点線で示したような特性でサーボゲインが
与えられたトラッキングエラー信号Ｅｔが２軸ドライブ
回路１３及びスレッドドライブ回路１２に供給されるよ
うにする(F104)。そしてトラッキングサーボをオンとし
て引き込み動作を実行させる(F105)。

【００２２】トラッキング引き込み動作の終了は、例え
ばスピンドルロックが完了し光ディスク１からの再生Ｒ
Ｆ信号からサブコードが読み取れたこと等で確認するこ
とができるため、これによりトラッキング引き込み動作
の完了を判断したら(F106)、再びサーボゲインアンプ部
１０に対してスイッチング制御信号を出力し、スイッチ
部ＳをＴ₁ 接点に切り換える。即ち、アンプＧ₁ によっ
て図２の実線で示したような特性でサーボゲインが与え
られたトラッキングエラー信号Ｅｔが２軸ドライブ回路
１３及びスレッドドライブ回路１２に供給されるように
し(F107)、以後このトラッキングエラー信号Ｅｔによっ
て通常どおり２軸機構４によるトラック追従動作を制御
し、またスレッド機構５によるトラック追従やシーク動
作（トラックロングジャンプ動作）を制御するようにす
る。

【００２３】このようにトラッキング引き込み時のみト
ラッキングサーボゲインをアップさせることにより、本
実施例ではトラッキング引き込み動作の安定化が実現さ
れ、引き込み時間の短縮化や、トラッキングサーボをオ
ンにした瞬間のサーボノイズの発生を防止することがで
きる。

【００２４】なお、光ディスクプレーヤの構成、対象デ
ィスク、制御部の処理方式等は以上の実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨の範囲内で各種変更可能
である。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の光ディスク
プレーヤは、トラッキング引き込み時のみトラッキング
サーボゲインをアップさせることにより、トラッキング
引き込み動作が安定化されるため、引き込み時間の短縮
化を実現するとともに、サーボノイズの発生を防止する
ことができるという効果がある。又、チャッキングされ
たディスクに多少の偏心があっても、トラッキングサー
ボを容易にかけることができるので、チャッキング機構
の加工精度をゆるめることができ、プレーヤの価格を低
減させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ディスクプレーヤの一実施例のブロ
ック図である。

【図２】本実施例におけるトラッキングサーボゲイン特
性の説明図である。

【図３】本実施例におけるトラッキング引き込み時の制
御部の動作例を示すフローチャートである。

【符号の説明】 １ 光ディスク ３ 光学ヘッド ８ 制御部 ９ エラー信号生成回路 １０ サーボゲインアンプ部 １２ スレッドドライブ回路 １３ ２軸ドライブ回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスクの記録面上に同心円または渦
   巻状に形成されたトラックに追従してレーザ走査をな
   し、データの記録または再生を行う光学ヘッド手段を有
   する光ディスクプレーヤにおいて、 上記光ディスクを回転駆動する駆動手段と、 フォーカスエラー信号生成手段、及び供給されたフォー
   カスエラー信号に基づいて上記光学ヘッド手段のフォー
   カス機構の動作を実行するフォーカス駆動手段とを備え
   て形成されるフォーカスサーボループと、 トラッキングエラー信号生成手段、及び供給されたトラ
   ッキングエラー信号に基づいて上記光学ヘッド手段のト
   ラッキング機構の動作を実行するトラッキング駆動手段
   とを備えて形成されるトラッキングサーボループと、 該トラッキングサーボループ内に、記録または再生時に
   適した第１のゲインと、該第１のゲインより高い第２の
   ゲインを選択的に与えることができるサーボゲイン切換
   手段とを設け、 ディスク停止状態からフォーカスサーボの引き込み、及
   び光ディスクを回転駆動して記録または再生状態に移行
   する間のトラッキングサーボ引き込み時において、トラ
   ッキングサーボ引き込みが完了するまでの期間に、上記
   サーボゲイン切換手段において上記第２のゲインが選択
   されるように制御されることを特徴とする光ディスクプ
   レーヤ。