JP3073674B2 - オフセット印刷装置、およびそのオフセット印刷装置を用いた画像形成装置の製造方法 - Google Patents

オフセット印刷装置、およびそのオフセット印刷装置を用いた画像形成装置の製造方法

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JP3073674B2
JP3073674B2 JP22906495A JP22906495A JP3073674B2 JP 3073674 B2 JP3073674 B2 JP 3073674B2 JP 22906495 A JP22906495 A JP 22906495A JP 22906495 A JP22906495 A JP 22906495A JP 3073674 B2 JP3073674 B2 JP 3073674B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクの受理性およ
び転移性を向上させる機能を有するオフセット印刷装
置、印刷物の製造方法およびそれを用いた表面伝導型電
子放出素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来オフセット印刷はグラフィックス印
刷用として主に人間の視覚に感知されるパターンの印刷
に多く用いられている。また近年、電子機器への応用と
して記録用サーマルヘッドの電極や液晶表示装置のカラ
ーフィルター等を作製するための技術開発が成されてい
る。
【0003】図10は平台校正機型印刷装置を示す図で
ある。本図において101はインキローラー104でイ
ンキ107を展開するインキ練り台であり、102は凹
版105を固定する版定盤である。また103は被印刷
物であるワーク106を固定するワーク定盤であり本体
フレーム108の上に固定配置されている。この一列に
並んだ3つの定盤の両側に2本のラックギヤー109,
110を配置し、そのラックギヤー109,110の上
にピニオンギヤー111,112を噛み合わせたブラン
ケット113が配置されている。ブランケット113は
その軸を両端のキャリッジ114,115で固定され、
このキャリッジ114,115が本体下部からのクラン
クアーム116のクランク動作によって前後進し、ブラ
ンケット113はインキ練り台101、凹版105、ワ
ーク106の上を順次回転摺動する。
【0004】図11a〜dはオフセット印刷工程を示す
図である。本図において図11はインキ練り台、105
は凹版、106はワークとなるガラス基板であり同一平
面に直列に配置されている。104はインキロールであ
りインキ練り台101上で練ったインキ107を凹版1
05上に転移させる(図11a)。117はブレードで
あり凹版105上面を摺動して転移したインキ107の
うち、凹部に充填されたインキ以外をかきとる(図11
b)。113はブランケットであり凹版105、ガラス
基板106上面に順に回転接触することにより、凹版1
05の凹部に充填されたインキを受理し(図11c)、
ガラス基板117上に凹版105の有するパターン状に
インキ107を転移する(図11d)。
【0005】以上により印刷工程が終了する。印刷イン
キ107は作製するパターンの機能によって適宜選択す
ることができる。すなわち記録用サーマルヘッド等の電
極には主にAuレジネートペーストと呼ばれる有機Au
金属から成るインキを用い、また、カラーフィルターで
あればR,G,B各色の原料を分散したインキや有機色
素を含んだインキ等が用いられる。
【0006】また従来、平面型表示装置を実現する表示
技術としては、単純マトリックス液晶表示装置(LC
D)、薄膜トランジスタ液晶表示装置(TFT/LC
D)、プラズマディスプレイ(PDO)、低速電子線蛍
光表示管(VFD)、マルチ電子源フラットCRT等の
平面型表示装置技術がある。
【0007】これらの表示技術の例として、マルチ電子
源を用い蛍光体を発光させる発光素子及びこれを用いた
平面型表示装置について説明する。
【0008】従来、簡単な構造で電子の放出が得られる
素子として、M.I.Elison, Radio Eng. Electron Pys.,
10,(1965) 等によって発表された表面伝導形電子放出素
子が知られている。
【0009】これは基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生
ずる現象を利用するものである。
【0010】この表面伝導形電子放出素子としては、前
記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au
薄膜によるもの[G.Dittmer:“Thin Solid Films”, 9,
317(1972)],In23 /SnO2 薄膜によるもの
[M.Hartwell and C.G.Fonstad: “IEEE Trans. ED Con
f.”,519 (1975) ]、カーボン薄膜による[荒木久他:
真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報
告されている。
【0011】これら表面伝導形電子放出素子の典型的な
素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を図
12に示す。同図において201は絶縁性基板、202
は電子放出部形成用薄膜で、スパッタで形成されたH型
形状金属酸化物薄膜等からなり、後述のフォーミングと
呼ばれる通電処理により電子放出部203が形成され
る。204は電子放出部を含む薄膜と呼ぶ。
【0012】従来、これらの表面伝導形電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜2
02を予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電
子放出部203を形成するのが一般的であった。すなわ
ち、フォーミングとは前記電子放出部形成用薄膜202
の両端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜を局
所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗
な状態にした電子放出部203を形成することである。
なお、電子放出部203は電子放出部形成用薄膜202
の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行わ
れる場合もある。
【0013】また、本出願人は、USP5,066,8
83において素子電極間に電子を放出せしめる微粒子を
分散配置した新規な表面伝導形電子放出素子を技術開示
した。この電子放出素子は上記従来の表面伝導形電子放
出素子に対し、電子放出位置を精密に制御でき、より高
精密に電子放出素子を配列することができる。この表面
伝導形電子放出素子の典型的な素子構成を図13に示
す。本図において、301は絶縁性基板、302,30
3は電気的接続を得るための素子電極、304は分散配
置された微粒子電子放出材からなる薄膜、305は電子
放出部である。
【0014】この表面伝導形電子放出素子において、前
記一対の電極302,303の電極間隔は0.01ミク
ロン〜100ミクロン、薄膜304の電子放出部のシー
ト抵抗は1×103オーム/□〜1×109オーム/□が
適当である。
【0015】以上説明してきた表面伝導形電子放出素子
を電子放出素子として用いる際には、電子ビームを飛翔
させるため真空容器内に配置する必要がある。真空容器
内の本素子の略垂直上にフェースプレートを設けて電子
放出装置とし、電極間に電圧を印加して、電子放出部か
ら得られた電子線を蛍光体に照射することによって蛍光
体を発光させ、発光素子や平面形表示装置として用いる
ことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明したような画像形成装置の表面伝導形電子放出素子の
一対の素子電極をオフセット印刷法を用いて形成するに
は以下のような問題点が存在する。
【0017】通常のオフセット印刷法においては、版
(凹版等)からブランケットの表面ゴム上に受理された
インクには、被印刷物(ガラス基板等)転移する場合、
100%量のインクが転移されるわけではなく、一般に
50〜90%量のインキが転移され、10〜50%量の
インクはブランケット表面ゴム上に残留したままであ
る。また、高精度に設計されたオフセット印刷装置であ
っても、5〜20μm程度の位置ずれ繰り返し誤差が生
じる。このため、繰り返し印刷作業時には、2回目以降
の印刷物には多少のダブリが生じているのが普通であ
る。
【0018】しかしながら、上記の一対の素子電極は図
13に示すように、0.01〜100μm(より好まし
くは0.1〜30μm)の任意の電極間隔(図中L)に
管理される必要がある。よって、通常のオフセット印刷
法を用いて一対の素子電極を形成した場合、ブランケッ
ト表面ゴム上に残留した前回印刷時のインクによるダブ
リが発生し、電極間隔(図13,L)を一定に管理する
ことが不可能のとなり、最悪の場合は電極間隔が0とな
り素子電極が短絡し、表面伝導形電子素子自身が機能し
なくなる。
【0019】また、上記のようにブランケット表面上
のインクの被印刷物(ガラス基板等)に対する転移量が
100%未満のときには、ブランケットが被印刷物を放
れる際にインクの凝集破壊が起こり、印刷面の表層が粗
れる。このため、このような状態で印刷形成した一対の
素子電極(図13,302,303)は表面粗度が大き
くなる。
【0020】上記,のようにインクの転移が10
0%量でないことに起因する問題点は、ブランケット表
面ゴムに適度な表面張力を有した材料(シリコンゴム
等)を選択使用することで解決できる(特開平6−25
5279、255280)。
【0021】しかしながら、シリコンゴムはインクの転
移性に優れるものの、この良好なインク転移性は、シリ
コンゴム内部から表面に徐々にブリージングする低分子
量のシリコンオイルの寄与によるものであるため、印刷
を繰り返した場合の経時変化が大きく、最初はインクが
100%転移し良好であったものが、回を重ねるごとに
ブランケット表層の低分子量シリコンオイルが減少し、
最後には100%量のインク転移が不可能となることが
ある。
【0022】また、上記シリコンゴムは、元来耐溶剤
性には優れないものが多く、そのため印刷を繰り返し行
っていると、インクの含有溶剤により、インクを受理か
つ転移に使用されている画線部に相当するシリコンゴム
ブランケットの表面が膨潤変形してしまう。そのため、
印刷回数を重ねるに従い、電極間隔(図13,L)は設
計幅からずれ、かつエッジの直線性も悪くなってくる。
【0023】本発明の目的は、上記の問題点を全く解決
し、インクの受理性および転移性に優れ、かつ繰り返し
印刷した場合、印刷性能の経時安定性の優れたオフセッ
ト印刷装置を提供し、そのオフセット印刷装置を用いた
画像形成装置の製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記発明を達成するため
に本発明は、ブランケット表面に撥水剤を塗布する機構
を有することを特徴とするオフセット印刷装置を用いて
表面伝導形電子放出素子の一対の素子電極を印刷形成
し、画像形成装置を製造する。
【0025】即ち本発明は、ブランケット表面に撥水剤
を塗布する機構である多孔質体に撥水剤を染み込ませた
ものを備えることを特徴とするオフセット印刷装置を提
供することである。また本発明は、前記多孔質体が多孔
質セラミックスであることを特徴とする前記オフセット
印刷装置を提供することである。また本発明は、前記多
孔質体の少なくとも表面の一部にフエルト材を有するこ
とを特徴とする前記いずれか記載のオフセット印刷装置
を提供することである。また本発明は、前記多孔質体に
撥水剤を染み込ませたものが被印刷物と凹版との間に配
されていることを特徴する前記のいずれか記載のオフセ
ット印刷装置を提供することである。また本発明は、前
記多孔質体が円柱状の形状であり、回転してブランケッ
トと接触することにより溌水剤を塗布することを特徴と
する前記のいずれか記載のオフセット印刷装置を提供す
ることである。また本発明は、前記多孔質体が平板状で
あり、溌水剤を内包する容器中に配されていることを特
徴とするオフセット印刷装置を提供することである。さ
らに本発明は、前記撥水剤が10〜40℃の範囲で液状
であり、かつ表面張力が30dyne/cm以下である
ことを特徴とするオフセット印刷装置を提供することで
ある。
【0026】さらに本発明は、前記のいずれか記載のオ
フセット印刷装置を用いた印刷物の製造方法において、
前記撥水剤が印刷1回ごとにまたは所定回数ごとに、ブ
ランケット表面に塗布され、凹版からのインク受理およ
び被印刷物へのインク転移が撥水剤界面を介して行われ
ることを特徴とする印刷物の製造方法を提供することで
ある。
【0027】又、本発明は前記ブランケットがゴム材質
を備え、該ゴム材質の表面が、インクの含溶剤及び前記
撥水剤によって膨潤しない材質のものを用いることを特
徴とするオフセット印刷装置を提供することにある。
【0028】前記いずれか記載のオフセット印刷装置を
用いて、表面伝導型電子放出素子の素子電極を形成する
ことを特徴とする表面伝導型電子放出素子の製造方法を
提供することである。
【0029】
【発明の実施の態様】図1は本発明のオフセット印刷装
置の特徴を最もよく表わす模式図である。本図において
1は被印刷物であるワーク9を固定するワーク定盤であ
り、2は撥水剤供給塗布装置である8から供給される撥
水剤12を展開する撥水剤塗布定盤であり、3は凹版1
0を固定する版定盤であり、4はインク11を展開する
ためのインク練り定盤であり、各定盤は本体フレーム1
2に固定されている。6はインキ練りローラーであり、
インク練り定盤4で展開されたインク11を凹版10の
上へ転移させ、ドクターブレード7で凹版10上を摺動
し、凹部以外の余分なインクをかき取る。8は撥水剤供
給塗布装置であり、撥水剤塗布定盤2の上を摺動し撥水
剤12を均一に展開する。その後、ブランケット5は、
ワーク定盤1と撥水剤塗布定盤2の中間点で下降し、左
方に回転し、ブランケット表面に撥水剤12が均一に塗
布される。次にブランケット5はそのまま左方に回転
し、ブランケット表面は撥水剤を介した上で凹版10の
凹部にあるインク11を受理し、凹版10の左端で上昇
する。その後ブランケット5はワーク定盤1の右端まで
移動した後下降し、ワーク9の表面を左へ摺動し、ブラ
ンケット表面に受理されていたインク11を撥水剤12
の一部とともにワーク9の表面に転移し、1回の印刷動
作を終える。繰り返し印刷を行うときは、ワーク9を新
しいものに交換し、同じことを繰り返せばよい。上記一
連の印刷動作の中で、本発明による新規な部分は、オフ
セット印刷装置内に、ブランケット表面へ撥水剤を塗布
する機構を有する点であり、図1では2の撥水剤塗布定
盤と8の撥水剤供給塗布装置がこれに該当する。
【0030】また上記一連の印刷動作において、撥水剤
は印刷毎または所定回数毎にブランケット表面に塗布さ
れるために、ブランケット表面には常に撥水剤が十分な
量存在し、この撥水剤を介してインクが受理および転移
されるため、経時変化のない安定した印刷が常に可能と
なる。
【0031】本発明に用いる撥水剤には、ポリメチレン
(アルカン類オイル)、ポリアルキルエーテル、ポリシ
ロキサン、ポリフルオロアルキルエーテル等の撥水性の
ある液体であれば何でも使用可能であるが、特に10〜
40℃の温度範囲で液体であり(少なくとも10〜40
℃の温度範囲で液体の状態が存在すれば良い)、かつ表
面張力が30dyne/cm以下の物質が好ましく使用
できる。印刷時に使用するインクによって適宜選択すれ
ば、インクの良好な受理をワークに対して100%量の
転移が可能となる。特に、前記の画像形成装置の表面伝
導形電子放出素子の一対の素子電極を印刷形成する際
に、Au,Pt等の貴金属のレジネートペーストをイン
キとして使用する場合は、ポリジメチルシロキサンを撥
水剤として使用すれば良好な受理および転移が可能であ
る。
【0032】上記におけるブランケットの表面ゴムに使
用できるゴム材質は、前記撥水剤が均一に付着するも
の、すなわち撥水剤の表面張力よりもゴム表面の表面張
力が大きいものであればどのようなゴム材質でも使用可
能である。
【0033】しかし、ブランケットゴム表面がインキの
含有溶剤によって膨潤してしまっては良好な形状の印刷
ができないため、インクの含溶剤及び前記撥水剤によっ
て膨潤しない材質のものが用いられ、耐溶剤性の優れる
エチレンプロピレンゴム、水素添加ブチルゴム、硬化済
ウレタンゴム等を用いるが好ましい。
【0034】以上説明したようなオフセット印刷装置を
用い、画像形成装置の表面伝導素子の一対の素子電極を
印刷形成した場合、インクの受理が良好で、繰り返し印
刷を行っても100%量のインク転移が行われるため印
刷物に全くダブリが発生せず、ブランケットがワークか
ら放れる際のインクの凝集破壊も発生しないため印刷面
表層の表面粗度の小さな良好な素子電極が得られる。ま
た、ブランケットゴム材質がインクの含有溶剤によって
膨潤しないため、印刷回数を重ねても常に安定した電極
間隔を有し、かつエッジ直線性の優れた素子電極が形成
される。
【0035】
【実施例】
(第1の実施例)図1に示す構造のオフセット印刷装置
を用いて、表面伝導形電子放出素子の一対の素子電極の
印刷形成を行った。この印刷装置の基本動作は前記(課
題を解決するための手段および作用)の項目で詳しく述
べてあるので省略するが、本発明の特徴である8の撥水
剤供給塗布装置の部分についてさらに説明する。図4は
その構成を示す模式図である。8自身は直方体のタンク
形状をしており、内部に8−2の撥水剤が必要量充填さ
れていて、その先端には、ヘラ形状のフェルト8−1が
装着されている。フェルト先端部からは浸透した撥水剤
が、図1の撥水剤塗布定盤2の表面へ供給され、8をこ
の表面上で掃引することによりこの表面には均一厚の撥
水剤膜が形成される。
【0036】本実施例に使用した撥水剤は、東レダウン
コーニングシリコン(株)製のジメチルシリコーンオイ
ルSH200(粘度1000cs)である。ブランケッ
トには表面粗度(Ra)0.5μmのエチレンプロピレ
ンゴムを使用した。また、使用した凹版に彫れた、一対
の素子電極の形状は図7に示したように100×200
μmの長方形が20μmのギャップを挟んで対向した形
状となっている。また、凹版の深さは約8μmであっ
た。その他の印刷条件としては、ブランケット5、ドク
タブレ−ド7、撥水剤供給塗布装置8の速度は全て20
mm/secとし、ブランケットの押し込み量は、ワー
ク9と凹版10上では0.2mm、撥水剤塗布定盤2上
では0.05mmとした。
【0037】以上の条件で1回印刷を終えた後、ワーク
9を交換し、以後同様に計50回、すなわち50枚のワ
ークの印刷を行った。初回と最終回の印刷に関しては、
ワーク9上とブランケット5上に付着しているインクの
膜厚をレーザー膜厚計で測定し、インク転移率(ワーク
上インク厚/(ワーク上インク厚+ブランケット上イン
ク厚)×100%)を算出した。また、上記インクには
Auレジネートペースト(溶剤ターピネオール)を使用
したため、印刷後の50枚のワークを70℃・10分間
の乾燥を経て、550℃・30分間の焼成を行い、金属
Auの薄膜に変換した。その後、各ワークの印刷形成さ
れた一対の素子電極部分のギャップの広さと表面粗度
(Ra)をテンコール社製α−ステップを使用して測定
した。以上の測定結果を表1と図8、図9に示した。こ
れから判断されるように、インク転移率は初回も最終回
も100%であり、また、ギャップ広さおよび表面粗度
も極めて安定している。
【0038】(第2の実施例)図2に示す構造のオフセ
ット印刷装置を用いて、表面伝導形電子放出素子の一対
の素子電極の印刷形成を行った。これは第1の実施例に
使用した図1の印刷装置の撥水剤塗布定盤2と撥水剤供
給塗布装置の代わりに、図2、図5のオイルパン14の
中に多孔質構造体15を固定し、撥水剤13を注いだ構
造の撥水剤供給塗布機構を使用したものである。
【0039】本実施例では、多孔質構造体15にはブラ
ンケット5と良好な接触が得られるようにポリビニルア
ルコール構造体を使用した。この多孔質構造体の上面に
は常に適量な撥水剤が存在する。以下第1の実施例と同
様な手順で50枚のワークを印刷し、同様な測定評価を
行った。結果を表1、図8、図9に示すが、第1の実施
例と同じく良好な結果が得られた。
【0040】(第3の実施例)図3に示す構造のオフセ
ット印刷装置を用いて、表面伝導形電子放出素子の一対
の素子電極の印刷形成を行った。これは図10に示す従
来型のオフセット印刷装置の構造に、さらに図3の16
に示す、撥水剤塗布ロールを追加したものである。この
ロールは、図6に示すような構造になっており、16−
3の撥水剤供給口から供給された撥水剤が16−2の多
孔質構造体を経て、16−1フェルト表面へしみ出すよ
うになっている。本実施例では16−2の多孔質構造体
には機械精度を向上させるために多孔質セラミックを使
用した。この撥水剤塗布ロール16の動きを説明する
と、ワーク定盤1上でブランケット5が左に動くとき
は、ブランケット5に接触し、撥水剤をブランケット5
に転写しながら、左へ動く、そしてワーク定盤1を放
れ、ブランケット5が版定盤3に進入する際に、撥水剤
塗布ロール16は開放され、ブランケット5が再度ワー
ク定盤1の右端にきたときに接触し、これを繰り返す。
以上の動作により、ブランケット5の表面には、凹版1
0からのインク受理時には常に撥水剤が存在する。以下
第1の実施例と同様な手順で50枚のワークを印刷し、
同様な測定評価を行った。結果を表1、図8、図9に示
すが、第1の実施例と同じ良好な結果が得られた。
【0041】
【表1】 (第1の比較例)図10に示す、撥水剤をブランケット
表面に塗布する機構のないオフセット印刷装置を用い
て、表面伝導形電子放出素子の一対に素子電極の印刷形
成を行った。この際に使用したブランケットの材質に
は、第1、第2、第3の実施例と同じ表面粗度(Ra)
0.5μmのエチレンプロピレンゴムを使用した、以
下、第1の実施例と同様な手順で50枚のワークを印刷
し、同様な測定評価を行った。結果を表1、図8、図9
に示す。この結果をみると、インク転移率が悪いため、
表面粗度が常に大きく、ギャップの広さも初回を除いて
ダブリが生じているため、極端に小さくなっていること
がわかる。
【0042】(第2の比較例)第1の比較例のエチレン
プロピレンゴム製のブランケットに代えて、表面粗度
(Ra)0.5μmのシリコンゴム製ブランケットを使
用した。それ以外は全て第1の比較例と同様である。同
じく同様な手順で50枚のワークを印刷し、同様な測定
評価を行った。結果を表1、図8、図9に示す。この結
果をみると、シリコンゴム製のブランケットであるた
め、初期は100%インク転移可能である。しかし50
回目には88%と若干悪化している。またインクの溶剤
を吸収し徐々に膨潤するため、回を重ねるごとにギャッ
プ広さが大きくなっている。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ブランケット表面に撥水剤を塗布する機構を有したオフ
セット印刷装置を使用するため、インクの受理および転
移が撥水剤界面を介して行われ、またインクの含溶剤に
膨潤しないゴム材質のブランケットが使用可能なため、
常に安定したインク受理と100%のインク転移が可能
となり、繰り返し印刷した場合、印刷性能の経時安定に
優れたオフセット印刷が可能である。また本発明のオフ
セット印刷装置を用いて、表面伝導形電子放出素子を印
刷形成すれば、品質に優れた表面伝導型放出素子の製造
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオフセット印刷装置の特徴を表す模式
図である。
【図2】実施例2で用いたオフセット印刷装置の図であ
る。
【図3】実施例3で用いたオフセット印刷装置の図であ
る。
【図4】実施例1で用いた溌水剤供給塗布装置の一部を
示す模式図である。
【図5】実施例2で用いた溌水剤供給塗布装置の一部を
示す図である
【図6】実施例3で用いた溌水剤供給塗布装置の一部を
示す図である。
【図7】凹版に彫れた一対の素子電極の形状を示す図で
ある。
【図8】印刷回数とギャップ広さで印刷の評価した結果
を示す図である。
【図9】印刷回数と表面粗さで印刷の評価した結果を示
す図である。
【図10】従来の平台校正機型印刷装置を示す図であ
る。
【図11】従来のオフセット印刷工程を示す図である。
【図12】M.ハートウェルの素子構成を示す図であ
る。
【図13】表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成
を示す図である。
【符号の説明】
1 ワーク盤 2 溌水剤塗布定盤 3 版定盤 4 インク練り定盤 5 ブランケット 6 インク練りローラー 7 ドクターブレード 8 溌水剤供給塗布装置 8−1 フェルト 8−2 溌水剤 9 ワーク 10 凹版 11 インク 12 本体フレーム 13 溌水剤 14 オイルパン 15 多孔質構造体 16 溌水剤塗布ロール 16−1 フェルト 16−2 多孔質構造体 16−3 溌水剤供給口 101 インキ練り台 102 版定盤 103 ワーク定盤 104 インキローラー 105 凹版 106 ワーク 107 インキ 108 本体フレーム 109,110 ラックギヤー 111,112 ピニオンギヤー 113 ブランケット 114,115 キャリッジ 116 クランクアーム116 117 ブレード

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブランケット表面に撥水剤を塗布する機
    構である多孔質体に撥水剤を染み込ませたものを備える
    ことを特徴とするオフセット印刷装置。
  2. 【請求項2】 多孔質体が多孔質セラミックスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷装置。
  3. 【請求項3】 多孔質体の少なくとも表面の一部にフエ
    ルト材を有することを特徴とする請求項1または2記載
    のオフセット印刷装置。
  4. 【請求項4】 多孔質体に撥水剤を染み込ませたものが
    被印刷物と凹版との間に配されていることを特徴する請
    求項1に記載のオフセット印刷装置。
  5. 【請求項5】 多孔質体が円柱状の形状であり、回転し
    てブランケットと接触することにより水剤を塗布する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のオフセ
    ット印刷装置。
  6. 【請求項6】 多孔質体が平板状であり、水剤を内包
    する容器中に配されていることを特徴とする請求項1も
    しくは4に記載のオフセット印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載のオフセッ
    ト印刷装置を用いた印刷物の製造方法において、前記撥
    水剤が印刷1回ごとにまたは所定回数ごとに、ブランケ
    ット表面に塗布され、凹版からのインク受理および被印
    刷物へのインク転移が撥水剤界面を介して行われること
    を特徴とする印刷物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ブランケットにゴム材質を備え、該
    ゴム材質表面が、インクの含溶剤及び前記撥水剤によっ
    て膨潤しない材質のものを用いることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか記載のオフセット印刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6または8のいずれか記載の
    オフセット印刷装置を用いて、表面伝導型電子放出素子
    の素子電極を形成することを特徴とする表面伝導型電子
    放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の撥水剤が10〜40℃
    の範囲で液状であり、かつ表面張力が30dyne/c
    m以下であることを特徴とするオフセット印刷装置。
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