JP3065454B2 - 呈味改良剤 - Google Patents

呈味改良剤

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は呈味改良剤に関する発明
である。特に本発明はカリウム含有飲食品の持つ塩味を
減ずることなく、えぐ味を低減する優れた呈味改良剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】日本人は世界でも有数の食塩を多量に摂
取する国民であり、厚生省の国民栄養調査(1992
年)によると、平均12.5g/日の食塩を摂取してい
るという統計結果が出ている。厚生省は10g/日以下
とするよう勧告しており今後更に減塩に向けての努力が
必要であるとされている。食塩(塩化ナトリウム)を多
く摂取すると体内にナトリウムが多くたまり、それと共
に血管の水分量が増加し、血圧が上昇する。つまり、高
血圧の発症原因と食塩の過剰摂取が密接に結びついてい
ることは今日では常識となっており、しかも他の合併症
を引起こす原因になっていることも周知の事実である。
食塩の摂取量を減少させる必要のある患者等に対する食
塩代替品としては現在塩化カリウムが最も多く使用され
ており、食塩に塩化カリウムを主体とした添加物を配合
した、ナトリウム含量の少ない塩味料が多数製造されて
いる。これは、塩化カリウムの呈味性が比較的食塩に近
いこと及び生理的機能の面で大きなマイナス点がないこ
とによる。ところが塩化カリウムは独特のえぐ味を有し
ており、その使用量、使用分野は大きく制限されてい
る。塩化カリウムの呈味性を改善する目的で、塩化カリ
ウムに無機塩や調味料、甘味料等を配合する試みも数多
くなされているが、完全に満足できるものとはなってい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように食塩の塩辛
さを保持したままナトリウムイオンの摂取量を抑えたい
という要望は強く、食塩の一部代替の目的で塩化カリウ
ムが食品に使用される機会は非常に多い。しかしながら
塩化カリウムは独特のえぐ味を有しており、そのために
塩化カリウムによる食塩の代替率は極めて低い。また、
グルタミン酸カリウム、クエン酸カリウム、水酸化カリ
ウム等を使用した場合も独特のえぐ味を有し、その改善
が望まれている。しかしながら、品質的にも経済的にも
充分満足できるカリウム含有飲食品の呈味改良剤はいま
だ開発されていない。本発明はこのような現状にかんが
みてなされたものであり、その目的は、カリウム含有飲
食品の持つ塩辛さを保持したまま、そのえぐ味を改善す
る効果を有するカリウム含有飲食品の呈味改良剤を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すると、本
発明は、茶、ドクダミ、麦、グアバ、そば及びそれらの
抽出物の少なくとも1種を含有することを特徴とするカ
リウム含有飲食品の呈味改良剤に関するものである。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず、本発明の茶由来成分とは、例えばツバキ科茶樹の
芽、葉及び茎を原料にした茶葉であり、そのまま用いて
もよく、又は抹茶と同じく、乾燥後、裁断機にかけ、更
に臼で細かくひいて粉末にして用いてもよい。更に、本
発明の茶由来成分には茶葉からの抽出物が含まれる。ま
た、本発明の茶由来成分には、ツバキ科茶樹の根及び/
又はそれらの抽出物も含まれる。本発明において使用対
象となる茶樹の種類は特に問わないが、一般に飲用され
る茶葉としては中国種、アッサム種並びにこれらの中間
のアッサム雑種のほかに台湾種、日本種等が挙げられる
〔「日本食品事典」医歯薬出版(株)、第507頁(1
982)〕。また、本発明の茶葉の前処理法として、不
発酵(玉露、抹茶、せん茶、番茶、ほうじ茶等)、半発
酵(ウーロン茶、鉄観音等)、発酵(紅茶等)があるが
特に限定されない。また、茶葉は3番茶以降であっても
何ら問題なく、カリウム含有飲食品の呈味改良剤として
はすべて好適なものである。
【0006】茶葉からの抽出方法としては、例えば熱水
抽出法や有機溶媒(例えばエタノール)抽出法等があ
る。熱水抽出法の1例を挙げると、茶葉40kgに80
0リットル加水し、90℃前後で10分間抽出すればよ
く、また有機溶媒抽出法の1例を挙げると、茶葉40k
gにエタノール400リットル、水400リットル加
え、60℃で10分間抽出すればよい。抽出条件はこの
限りでなく、適宜目的に応じた抽出条件で抽出すればよ
い。本発明の茶由来成分は、必要に応じて濃縮、脱色、
脱臭及び乾燥等の適当な処理を単独及び/又は組合せで
施すことによっても得られる。このようにして得られた
茶由来成分は、原料の産地、収穫時期、茶葉の品種又は
栽培法によって成分に差異が認められるが、一般にタン
ニン、カフェイン、アミノ酸、ビタミン、タンパク質、
フラボノール、無機質及びポリフェノール類等が含まれ
ており、これらの成分に呈味改良効果があると推測され
る。
【0007】茶樹以外の植物であるドクダミ(ドクダミ
科)、麦(イネ科)、グアバ(フトモモ科)、そば(タ
デ科)は、それぞれドクダミ茶、麦茶、グアバ茶、そば
茶として広く飲用に供されているが、これらの加工処理
も本発明において好適なものであり、例えば茶抽出前
原料は乾燥させたものをそのまま用いてもよく、又は乾
燥後、粉砕した粉末を用いてもよい。更に、これらの抽
出物を用いることもできる。抽出方法は、茶由来成分と
同様に行うことができる。
【0008】また、茶、ドクダミ、麦、グアバ、そば及
それらの抽出物の少なくとも1種をカリウム含有飲食
品の呈味改良剤として使用する方法については特に限定
されず、そのものをカリウム含有飲食品に添加しても良
く、また、そのものと塩化カリウムを混合して、必要に
よっては乾燥した後、飲食品に添加してもよい。更に、
食塩との混合も可能である。
【0009】塩化カリウムのえぐ味を改善する場合、飲
食品に使用するに際しての茶、ドクダミ、麦、グアバ、
そば及びそれらの抽出物の少なくとも1種と塩化カリウ
ムの添加比率は、食塩の塩化カリウムによる代替率、塩
化カリウムの添加濃度、茶由来成分の組成、他の食品原
材料等によって異なり一概には決められないが、通常塩
化カリウム100部に対して、乾物換算の重量比で1〜
200部の茶、ドクダミ、麦、グアバ、そば及びそれら
の抽出物の少なくとも1種を添加する。この場合、塩化
カリウムの呈味改良以外にそれらの成分の風味が飲食品
に付与されてもよい場合は、200部以上の添加率とな
ってもよい。
【0010】本発明の呈味改良剤を添加する対象飲食品
は、通常カリウムを含有する飲食品であれば特に限定さ
れないが、減塩の目的で食塩の塩化カリウムによる代替
率を高めたいにもかかわらず、塩化カリウムのえぐ味の
点で代替率が制限されている様な飲食品は特に好適な対
象である。なお、本発明の呈味改良剤を使用すると、塩
化カリウムに限らず、カリウム含有飲食品(グルタミン
酸カリウム、クエン酸カリウム、水酸化カリウム等)で
あれば、それらのえぐ味も軽減することができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0012】実施例1 抹茶1kg、塩化カリウム60kgを完全混合した粉末
61kgを得た。この粉末と塩化カリウムを、塩化カリ
ウムとして2%を含む水溶液で官能評価したところ、本
発明品は塩化カリウム単品に比べ、塩化カリウムのえぐ
味がよくマスキングされていた。
【0013】実施例2 せん茶の茶葉44kgを水880kgで90℃、10分
間加熱抽出し、武田薬品工業(株)製活性炭タケコール
50WR、37kgで常法に従って脱臭、脱色したもの
に塩化カリウム19kgを完全溶解させた混合液を調製
し、入口温度150℃、出口温度80℃で噴霧乾燥して
白色粉末20kgを得た。実施例1と同様、本発明品は
塩化カリウム単品に比べ、塩化カリウムのえぐ味がよく
マスキングされていた。
【0014】実施例3 ウーロン茶の茶葉50kgを水900kgで90℃、1
0分間加熱抽出し、武田薬品工業(株)製活性炭タケコ
ール50WR、38kgで常法に従って、脱臭、脱色し
たものに、塩化カリウム20kgと食塩10kgを完全
溶解せしめた混合液を調製し、入口温度150℃、出口
温度80℃で噴霧乾燥して白色粉末32kgを得た。実
施例1と同様、本発明品は塩化カリウム単品に比べ、塩
化カリウムのえぐ味がマスキングされていた。
【0015】実施例4 ドクダミの地上部分の乾燥粉砕物50kgを水850リ
ットルで加熱抽出し、武田薬品工業(株)製活性炭タケ
コール50WR、34kgで常法に従って、脱色、脱臭
したものを下表の配合により添加し、キュウリの浅漬け
を作った。官能評価の結果、ドクダミ由来成分抽出物を
添加した本発明品は塩化カリウムのえぐ味がほとんど感
じられなかったのに対し、塩化カリウム単品はえぐ味が
感じられた。
【0016】
【表1】 表1 キュウリ浅漬配合 ─────────────────────────────────── 原 材 料 配 合 量 本発明品 対 照 ─────────────────────────────────── ドクダミ由来成分 5.0リットル −−− 食塩 3.0kg 3.0kg 塩化カリウム 2.0kg 2.0kg 本みりん 0.5リットル 0.5リットル 飲料乳酸 0.5リットル 0.5リットル 梅酢エキス 0.4リットル 0.4リットル 水 82.6リットル 87.6リットル − − − − − − − − − − − − − − − − − − キュウリ 150kg 150kg ───────────────────────────────────
【0017】なお、麦、グアバ、そばについても、同様
に熱水抽出したものについて検討した結果、同様の効果
が認められた。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の
茶、ドクダミ、麦、グアバ、そば及びそれらの抽出物
少なくとも一種を含有することを特徴とする呈味改良剤
は、カリウム含有飲食品のえぐ味の低減を可能とした点
で、顕著な効果を奏するものである。特に本発明はカリ
ウム含有飲食品の塩味を減ずることなく、えぐ味を低減
する優れた呈味改良剤に関する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 日出男 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶、ドクダミ、麦、グアバ、そば及び
    れらの抽出物の少なくとも1種を含有することを特徴と
    するカリウム含有飲食品の呈味改良剤。
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