JPH0556772A

JPH0556772A - 健康茶

Info

Publication number: JPH0556772A
Application number: JP3245263A
Authority: JP
Inventors: Yuujirou Yamashita; 涌二郎山下
Original assignee: ICHIYOUHA SANGYO KK
Current assignee: ICHIYOUHA SANGYO KK
Priority date: 1991-08-30
Filing date: 1991-08-30
Publication date: 1993-03-09

Abstract

(57)【要約】【目的】従来、有用な薬効を持ちながら風味に問題が
あって広く飲用されるに至らなかった薬用植物からなる
健康茶を、飲用しやすくおいしい健康茶として提供す
る。【構成】薬用植物、例えば柿、ドクダミ、イチジク、
熊笹、松、ヨモギ、雪の下、アロエ、ビワ、桑、ウコ
ギ、ハトムギ、クコ、センブリのうちの１種又は２種以
上５０〜９９重量％、甘茶１〜５０重量％との混合物で
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は健康茶に関し、特に甘茶
を含有せしめた飲用の容易な健康茶に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】多くの植物の葉や茎等には種々の薬効の
あることが古来より知られている。例えば、日本で親し
まれ、広く飲用されている緑茶も昔は「漢方薬」のひとつ
として珍重されていた。しかしこれら多くの植物は苦
味、渋味、収れん味、エグ味、油性味、等々お茶として
毎日飲用するには、風味に問題があるものが多く、又は
少なくとも毎日飲用するには食味、風味に乏しいものが
多い。したがって一部のものを除いては一般に普及され
るには至ってなかった。このなかで現在広く飲用されて
いるものは風味の向上を目的に、茶葉を発酵して紅茶に
したり半発酵のウーロン茶にする、また無発酵の緑茶も
蒸葉の程度を変えて、例えば苦味の少ない深蒸し茶にす
る、などの工夫がなされ、更にシソ、桜などの香りをつ
けたお茶や、焙煎して風味を変える方法などが行なわれ
ている。

【０００３】一方、あまり飲用されていないが、薬効を
有するとされる植物、例えばドクダミやイチョウ葉等々
は、上述の発酵、蒸葉、焙煎、強味成分、例えばシソ等
の添加等の方法では、やり過ぎると、各々の植物特有の
風味が損なわれ、少ないと嫌な風味も残存してしまう欠
点があった。また、この中にはすでに健康茶として販売
しているものもあるが、その香味、風味は決して良いも
のではなかった。そこで本発明者らは、万人が毎日飲ん
で飲用しやすく、飽きない健康茶とすべく鋭意研究の結
果、上述の問題を解決し、それぞれ植物の風味を生かし
たおいしいお茶を完成させた。したがって本発明の目的
は、有用な薬効を持ちながら風味に問題があり広く飲用
されるに至らない薬用植物を、おいしいお茶として提供
することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】一般に健康の増進に好適
であるとされる薬用植物の多くは、前述したように苦
味、渋味、収れん味、エグ味、油性味等を有し、また有
さずとも毎日飲用するには食味、風味に乏しい問題があ
る。ところが、発明者らは、これらの植物に、同じ薬用
植物である甘茶を適量添加することにより甘茶の甘味と
風味が他の薬用植物の苦味やエグ味をマスキングして風
味を増強し、同時に甘茶のクセのある風味が減じ、お湯
で入れてすぐに飲んでも、冷却して飲んでも、大変おい
しいお茶となることを見出した。甘茶の矯味効果や風
味の改善、増強効果は、意外にも薬用植物で同様に甘味
を有する甘草には全くなかった。すなわち本発明は、薬
用植物５０〜９９重量％、甘茶１〜５０重量％との混合
物よりなる健康茶であり、薬用植物としては、柿、ドク
ダミ、イチジク、熊笹、松、ヨモギ、雪の下、アロエ、
ビワ、桑、ウコギ、ハトムギ、クコ、センブリなどが挙
げられ、そのうちの１種又は２種以上が使用される。さ
らに、該健康茶には、鹿の角、熊の胃、蛇本体等の動物
組織あるいは、真珠貝殻、麦飯石等の天然鉱物を混入さ
せてもよい。

【０００５】甘茶は日本特産のコキノシタ科アジサイ属
の薬用植物(収穫期６月頃)で葉を乾かして、揉むと甘味
が出、花祭の甘茶に用いられることでよく知られてい
る。そして、甘茶の甘味を増強するためには、採集した
生葉を一度天日などで乾燥した後再び湿らし手で撚稔
し、陰干しすることが採用される。混合量は甘茶以外の
植物の種類、量によるが、苦味やエグ味の強い、いちょ
う葉、ドクダミ、ヨモギ、クマザサ、ウコギ、クコ等と
の混合は多目に、あまり風味のない他の植物と混合する
時は少な目にする。この場合は、少量の添加により明ら
かに良好な風味が増強される。添加量は最終混合物の１
〜５０重量％が好適である。１％以下では風味の改善効
果が得られず、５０％を越すと甘茶自体の風味が強く表
れ、またコスト高になるので好ましくない。

【０００６】薬用植物としては、長年の経験で培われた
身体に良いとされる植物であれば何でも良く、柿、ドク
ダミ、イチョウ、イチジク、熊笹、松、ヨモギ、雪の
下、アロエ、ビワ、クワ、ウコギ、ハトムギ、クコなど
が挙げられる。これらは生葉を細断、乾燥してそのまま
用いるか、途中、蒸葉、撚稔、焙煎などの処理を加えて
用いる。特にイチョウは、その緑茶より抽出した強い苦
みを有するエキス粉末が市販されているが、そのエキス
粉末を混合して使用してもよい。得られた甘茶を含む健
康茶は、通常の緑茶と同様に、急須で入れる、ティーバ
ックとして用いる、又は、缶、瓶に抽出液を充填して清
涼飲料等として用いることが出来る。

【０００７】

【実施例】

実施例１：６月初旬に採集し天日乾燥したドクダミ、熊
笹、柿の葉及び８月初旬に採集し天日乾燥した甘茶を用
意した。ドクダミ、熊笹及び柿の葉は、そのままキッチ
ンカッターで約２ｍｍ角程度に裁断しお茶の原料とし
た。また、甘茶は霧を吹いて水分を与え湿らせ、再び天
日乾燥で生乾きとしたところで、手でもんでより、陰干
しをして仕上げ同様キッチンカッターで裁断して原料と
した。このようにして得たドクダミ、熊笹、柿の葉を各
々１．５ｇ宛、不織布に充填して比較用のお茶パックを
作った。一方、１．５ｇのドクダミ、熊笹及び柿の葉に
対して、１０．２０及び３０％（重量）の甘茶を添加混
合して同様に各々１．５ｇ入り本発明のお茶パックを作
った。これらのお茶を１５０ｍｌのお湯で５分間抽出
し、男性（３８〜６３才）４名、女性（１５〜５８才）
６名に試飲してもらい風味を比較した。その結果は表
１、表２及び表３に示した。

【０００８】

【表１】

【０００９】

【表２】

【００１０】

【表３】

【００１１】これらの結果からも明らかな様に、甘茶を
全く添加しない比較例では８０〜１００％の人が渋みや
苦みのため、まずいと評価したのに対し、甘茶を添加し
た本発明例は評価が顕著に変わり、おいしいと感じた人
が添加量によっては１００％となった。また重要なこと
は甘茶の添加は甘みを増す効果ではなく、渋味や苦味を
適度に保留し、エグ味や油性味の嫌な味を低下させる、
風味改善効果が認められた。従って、その結果が薬用植
物の風味が生かされたおいしいお茶と感じたものと推量
される。

【００１２】実施例２：天日乾燥されたドクダミ、熊
笹、柿の葉、クコ及びビワの各々３０ｇを良く混合し
た。この混合物１５０ｇへ市販のイチョウ葉エキス（日
本グリーンウエーブ社製）１ｇを添加し均一に混合し
た。本混合物量は１．５ｇ入のお茶パックとして、その
まま不織布に充填して比較例とした。残りの半量には実
施例１で用いた甘茶を１５ｇ（添加量１６．７％）を加
え良く混合し、同様に１．５ｇ入のお茶パックとして不
織布に充填して本実施例とした。このようにして得た甘
茶を含有しない比較例及び甘茶を含有する本発明例を、
前述のパネラー１０名により風味を比較した。その結果
は表４に示した通り甘茶添加による風味の改善は顕著で
あった。

【００１３】

【表４】

【００１４】

【発明の効果】上記のとおり、本発明によれば、有用な
薬効を持ちながら風味に問題があって広く飲用されるに
至らなかった薬用植物からなる健康茶を、飲用しやすい
おいしい健康茶として提供することができる。一般に健
康増進に好適であるとされる薬用植物の多くは、苦味、
渋味、収れん味、エグ味、油性味等を有し、また有さず
とも毎日飲用するには食味、風味に乏しい問題があった
が、これらの植物に、同じ薬用植物である甘茶を適量添
加して得られた本発明によれば、甘茶の甘味と風味が他
の薬用植物の苦味やエグ味をマスキングして風味を増強
し、同時に甘茶のクセのある風味が減じて、おいしい健
康茶となるのである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】薬用植物５０〜９９重量％、甘茶１〜５
０重量％との混合物よりなることを特徴とする健康茶。
【請求項２】薬用植物が、柿、ドクダミ、イチジク、
熊笹、松、ヨモギ、雪の下、アロエ、ビワ、桑、ウコ
ギ、ハトムギ、クコ、センブリのうちの１種又は２種以
上であることを特徴とする請求項１記載の健康茶。