JP3314061B2 - コーヒー飲料及びその加工飲料、並びに、コーヒー用添加調製物 - Google Patents

コーヒー飲料及びその加工飲料、並びに、コーヒー用添加調製物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コーヒー飲料、
コーヒー加工飲料、および、コーヒー用添加調製物の技
術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】コーヒーの木はアカネ科の植物で、原産
はアフリカの熱帯であり、常緑の小高木で、花は白く、
香りがする。漿果は深紅色をしている。果実は酒を醸造
する事ができ、種子は「コーヒー豆」と言い、良く炒っ
てすりつぶして粉にし、飲料にするが、これがコーヒー
である。成分として種子はカフェイン、タンニン酸、糖
類、脂肪油を含み、興奮、強心、利尿薬としての効用が
あると言われている。目まぐるしく移り変わる現代社
会、複雑で神経を使う人間関係、そうした中で毎日生活
している私達現代人にとって、何よりも必要なのは心身
のリラックスであり、一日のうちで肩の力を抜いて全て
を忘れる時間、心と体を開放する時間が必要であり、そ
んな時間帯に一杯のコーヒーは飲む人の心をほぐし、リ
ラックスさせる飲料として広く利用されてる。最近にな
ってコーヒーは日常的かつ習慣的に飲まれているもので
あり、「薬食同源」すなわち「食物と薬の源は同じであ
る」という観点でコーヒーを飲むことの有効性を検討す
るようなった。コーヒーの成分であるカフェインはアル
カロイド(含窒素化合物)に属する一種の興奮剤で、大
脳皮質や筋肉を刺激して軽い興奮作用を与える。そのた
め、頭脳の働きが活発化して思考能力が増進し、筋肉の
疲労も和らげると言われている。コーヒーを飲むと頭が
はっきりする、眠気が覚める、気分が爽快になる、とい
うのは、すべてこのカフェインの作用による。さらにカ
フェインには末梢血管を広げたり、心臓の拍動を高めた
りして、血液の循環を良くし、全身に新鮮な血液を行き
渡らせ、頭脳も内蔵も活発に働きはじめ、低血圧の人に
は有効に作用する。また、食前の飲用によりコーヒー中
のタンニンが胃壁にこびりついて膜をつくり胃を守り、
食後の飲用により消化液の分泌を促して消化を助けると
も言われている。コーヒーの主成分の一つであるカフェ
ー酸やクロロゲン酸には強いSOD作用が認められ老化
や種々の病気に関与している活性酸素や過酸化脂質がで
きるのを抑制する働きも明確になってきた。さらに、最
近の若者の間でブームになっているダイエットとしての
効果がコーヒーにあることが明らかになっている。コー
ヒーの成分であるカフェインが自律神経(内臓の働きを
調整する神経)を刺激すると、新陳代謝が活発になり、
そのために余分な脂肪が燃え、エネルギーをより多く消
費することになる。そのうえ、コーヒーに含まれるビタ
ミンの一種、ナイアシンにはカロリー消費を増加させる
働きがある。つまり、カフェインとナイアシンの相乗効
果によって、コーヒーはダイエット効果を発揮するので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コーヒーの成分である
カフェインには主に興奮作用利尿作用消化作用
解毒作用がある。興奮作用は中枢神経や心臓、筋肉に興
奮性を与え、働きを活発することによって眠気が覚め
る、思考能力が増進する、血液循環が良くなるなどの作
用を発揮する。利尿作用は腎臓を刺激して代謝機能を促
し、体内の老廃物を尿として排出させる。消化作用は胃
の働きを活発にして、消化液の分泌を促す。解毒作用は
タバコに含まれているニコチン等の毒性を消すと言われ
ている。更にカフェインは自律神経を刺激して、新陳代
謝を活発にし、余分な脂肪を燃焼させることによってよ
り多くのエネルギーを消費させ、結果ダイエット効果を
発揮する。この作用はコーヒー成分のナイアシンとの相
乗効果が期待できる。タンニンには局所の収斂作用があ
り、食前に飲むと胃壁のタンパク質と結びついて膜を作
り、胃を守り、食後に飲むと消化液の分泌を促して消化
を助ける。
【0004】これらの有用な作用を持つコーヒーではあ
るが、連用により胃のもたれ、胃の不快感等の障害を来
す例が多い。これはコーヒー成分のカフェインの胃粘膜
に対する刺激作用に起因する。また、アルコール飲用後
の眠気覚ましとして利用することが多いが、アルコール
自身がもつ刺激作用、蛋白変性作用等で胃粘膜を傷めて
いる上に、カフェインの刺激が加わり、胃壁を傷つける
症例が多い。またダイエットをしている人は食事制限を
していることが多く、コーヒーを飲用した場合、成分で
あるカフェインによる胃粘膜への刺激は普通の人よりも
強く、更に胃粘膜への刺激により消化酵素(胃液)の分
泌量も多くなることが重なって、胃壁に対する刺激作用
が強くなり、結果的に胃炎、胃潰瘍等の病状を呈するに
至る危険性が高い。
【0005】また、コーヒーの胃に対する刺激性を軽減
する目的でクリーム等を入れてマイルドにする方法があ
るが、コーヒー本来の味覚や香りを変えることになり、
ましてやダイエット効果を期待している人にとっては好
ましくない結果となる。更に、コーヒーの有効成分であ
るタンニンは、収斂作用により胃を守る作用があるもの
の、逆に便秘症になる可能性が高く、種々の健康を害す
る疾患につながる危険性がある。また、便秘症はダイエ
ットを目的とした人にとっては大きな負の要因である。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みて為された
もので、その課題は、コーヒーが本来の持つ機能性や薬
効を低下させることなく、また、コーヒーの嗜好性(香
り・味覚等)を変えることなく、胃粘膜に対する刺激性
と便秘症を改善したコーヒを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、コーヒー豆の粉砕品と、コーヒー豆の粉
砕品に対して決明子を焙煎した粉砕品10〜30W/W%と、
コーヒー豆の粉砕品に対してドクダミを焙煎した粉砕品
5〜50W/W%とを配合し、これらの成分を水或いはアルコ
ール又は両者の混合液で抽出することを特徴とするコー
ヒー飲料及びその加工飲料である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、コーヒーの持つ味と
香りを変えることなく、胃に対する刺激性を改善し、か
つコーヒーが持っている機能性と薬効を最大限に発揮さ
せるにはどのようにすればよいかと言う点について種々
の研究と検討を重ねた。そして従来の焙煎したコーヒー
豆をグラインド(粉砕)したものにエビスグサの種子
(決明子)を加え、更にドクダミを加えることによって
期待どうり飲用後の胃に対する刺激性を軽減することが
できることを見出した。本発明者は、この事実を基にし
て更に研究を重ねた結果、発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の本質は、決明子或いはドクダミ又は
両者を、コーヒーに配合したものである。
【0009】エビスグサ(夷草)は北米原産のマメ科の
一年草で、長さ15〜20センチの豆果一つから30粒
余りのアズキ大の種子が採れるが、これを漢方で決明子
と呼び、種々の眼病、習慣性便秘、高血圧、肝炎、脚
気、浮腫などに用いる。わが国ではこれをムギ茶のよう
に焙じて「ハブ茶(波布茶)」といい、健康増進と強
壮、肝臓と腎臓を強くするとして愛飲され、特に、水分
が大便とともに排泄されるので、腎臓の負担を軽くし、
疲労した腎臓の回復にし役立ち、また、目の疲れや充血
がとれ、視力の衰えを防ぐ効果がある。具体的には、エ
ビスグサの薬効成分の一つに、アントラキノン誘導体と
いう有効成分があり、緩下、強壮、利尿、高血圧、胃弱
等に対して薬効があることが知られている。ドクダミ
(十薬)は生の全草には主に抗菌作用、抗ウイルス作
用、利尿作用、便通作用、高血圧予防作用、その他に鎮
痛、止血、漿液分泌抑制、組織再生促進等の作用もあ
る。中でも血圧を調節する作用は、ドクダミ中のクエル
チトリン、イソクエルチトリンの作用によることがわか
っている。また、利尿作用は、腎臓の毛細血管が拡張
し、血流量と尿分泌が増加することによることが実験的
に判明している。また、ドクダミには上記の抗菌作用、
抗ウイルス作用があることから、肝臓への負担が軽減さ
れる。
【0010】決明子及びドクダミは、生薬が本来持つ臭
いが強く、直接コーヒーにブレンドしたのではコーヒー
が本来持つフレーバー(香り)を損なうものである。特
にドクダミが持っている特有の臭気はデカノイルアセト
アルデヒドやラウリールアルデヒドである。これら生薬
の臭気を有効成分を損なわずに、如何に取り除くかとい
う点に研究を重ねた結果、生薬を焙煎することによって
問題点を解決することができた。また、焙煎することに
よって、エビスグサ自体がコーヒーに極めて近い味覚を
呈することも知りうることができた。
【0011】[作用]本発明に係るコーヒーにおいては、
焙煎したコーヒー豆をグラインドしたものに、焙煎して
グラインドした決明子と焙煎して粉末化したドクダミを
ブレンドすることによってコーヒーが本来持つフレーバ
ーを損なわずに、コーヒーが持っている胃への刺激性や
便秘症を改善し、また、コーヒー・決明子・ドクダミに
は腎機能を高め効能がありこれらの相乗効果により腎機
能が改善されるものであり、特に、決明子・ドクダミに
は肝臓の負担を軽減する作用があり、決明子には目の疲
れや充血がとれ視力の衰えを防ぐ作用があり、これらの
効能は損なわれない。更に次に示すように、本発明のコ
ーヒーには種々の作用があり、これらの薬効を損なうど
ころか更に助長することが確認できた。 興奮作用(眠気を覚め、血液循環を改善し、思考能力
を高める) 消化作用(胃の働きを活発にし、消化液の分泌を促
し、食欲を増進する) 利尿作用(腎臓を刺激して代謝機能を促し、体内の老
廃物を尿として排出させる) 解毒作用(タバコに含まれるニコチン等の毒性を消す) ダイエット作用(自律神経を刺激し、新陳代謝を活発
にして脂肪を燃焼させる) 抗酸化作用(SOD作用により、活性酸素を消去し、老化
を含む病気を予防する)
【0012】以下に、本発明の好適な実施例を説明す
る。 [実施例1]本発明の第1の実施例は、焙煎したコーヒー
豆をグラインドした粉砕品(コーヒー成分)に、決明子を
焙煎してグラインドした粉砕品(決明子成分)を下記の配
合割合で加えた後、更にドクダミを焙煎したのち粉砕し
て粉砕品(ドクダミ成分)したものを下記の配合割合で添
加したものである。 配合割合:コーヒー豆粉砕品(焙煎済)−−−−−−− 70W/W % 決明子粉砕品(焙煎済)−−−−−−−−− 20W/W % ドクダミ粉砕品(焙煎済)−−−−−−−− 10W/W % 合計: 100W/W % *コーヒー豆の種類はブルーマウンテンを用いた。 上記配合割合にもとずいて調製配合品10gに対して沸騰
水150ml割合で添加して、ドリップ方式にて調製してコ
ーヒー飲料とした。
【0013】コーヒー飲料による記憶力試験 1.比較例1:コーヒー豆粉砕品(上記配合で使用した
ものと同じ豆を使用) を上記調製方法と同様に調製したコーヒー飲料 2.被験者:コーヒー愛好者で、しかもアルコール飲料
に弱い(酔いやすい)成人男性5名(年齢35歳〜57歳) 3.試験方法:成人男性5人を1群として、夕食1時間
後(午後8時)にアルコール(日本酒1級1合:約180m
l)を飲用させたのち、図1の方法で記憶の保持・再生
テスト(メモリーフィルトレーションテスト)を10分
間隔で4回連続して実施(図2細線)した。 次に、アルコール飲用後に実施例1及び比較例1である
コーヒー飲料を各々飲用させたのちに、同様のテストを
10分間隔で同一被験者について4回実施し、各試験間
隔は2日とした(アルコール飲用後に実施例1を飲用(図
2太線)、比較例1を飲用(図2実線))。更に、コントロ
ールとしてアルコール及びコーヒー飲料を全く飲用しな
い状態(図2破線)で、記憶の保持・再生テストを図1に
示す用具を用いて実施した。図1に示す用具の使用方法
は、先ず、1分間、図1の問題の15文字を覚えられ
るだけ覚え、1分後、図1の問題を伏せるか隠すかし
て、メモ用紙に1分間で書き出し、1分休んだ後、2
枚目のメモ用紙に再び1分間で書き出す。これを4回繰
り返して、正解数を数える。このような条件で記憶保持
・再生テスト(メモリーフィルトレーションテスト)を
した試験結果を図2のグラフに示す。
【0014】また、試験前後に胃の状態とコーヒーのフ
レーバー(香り)評価を選択方式で問診し、被験者5人の
テストの平均値は四捨五入して記録し、試験期間中の食
事・試験アルコール以外の飲用は、原則として禁止し
た。問診内容及び評点(胃の状態・フレーバー)は次に
示すようなものである。 *胃の状態: 非常に悪い(-3点) 悪い(-2点) 軽度に悪い(-1点) 普通(0点) 良い(1点) *フレーバー:非常に良い(2点) 良い(1点) 普通(0点) 少し悪い(-1点) 悪い(-2点)
【0015】試験結果を図2のグラフ、及び、図3の表
1に示して分析すると、記憶の保持・再生テストでは、
アルコ−ルを全く飲用せずに正常状態で実施した場合、
覚えている仮名の数は1回目から3回目まで12個、4回目
に軽度に下がったものの11個を記録した。アルコールの
みを飲用した場合、被験者の覚えている仮名の数は1回
目は10個であったが、2回目6個、3回目4個、4回目3個と
極度に減少した。これに対してアルコールを飲用したの
ち実施例1を飲用した場合、1回目12個、2回目以降11個
と正常状態に近い数値を維持した。また、アルコールを
飲用したのち比較例1を飲用した場合、1回目11個、2回
目10個、3回目9個、4回目8個とアルコール飲用単独に比
較して軽度ながらも、徐々に数値は減少した。以上のこ
とから、実施例1の飲用によりアルコールによる記憶力
の低減を明らかに防止することが証明された。また、こ
の記憶力の低減はアルコールによる中枢神経の麻痺に加
えて、視神経の麻痺も関与しているものと考えられた。
次に同時に実施した胃の状態及びフレーバーに関して、
被験者5人に対する問診の結果について[表1]において
は、まず、胃の状態に関して、実施例1の値からアルコ
ール飲用した場合の値を引いた値の平均は1.6であって
かなり良好であるのに対して、比較例1の値からアルコ
ール飲用した場合の値を引いた値の平均は-0.4であって
「軽度に悪い」値であり、実施例1はアルコールによる
胃の不快感を軽減したが、比較例1であるコーヒー単独
では、殆ど効果を示さなかった。次に、フレーバーに関
して、実施例1の値から試験前の値を引いた値の平均は
0.4であって、比較例1の値から試験前の値を引いた値
の平均は0とほとんど変わりなく、コーヒー独特の香り
に対して、実施例1も比較例1もコーヒー本体の香りは
失われていなかったという結果が得られた。以上の結果
から、実施例1によるコーヒー飲料はアルコール飲用後
に服用すると、コーヒーが本来の香りを損なわずにアル
コールによる胃への刺激性を緩和することが明らかにな
った。
【0016】すなわち、前述した試験結果を纏めると、 実施例1はアルコールによる記憶力の減退を防止す
る。 実施例1はアルコールによる視力の減退を防止する。 実施例1はコーヒーよりも強く記憶力と視力の減退を
防止する。 実施例1はアルコールによる胃の不快感を明らかに防
止する。 実施例1はコーヒー本来の香りを壊さず、アルコール
飲用下では逆に香りの改善が認められた。 実施例1はコーヒー単独飲用に比較して、胃に優しく
且つアルコール等の刺激物質に対して緩和的に作用する
ものと考えられる。 言い換えれば、前述したコーヒーとしての効能、前述し
た決明子・ドクダミの個々の漢方薬としての効用が失わ
れることなしに、これらの効能が相乗的に作用し上記の
〜の作用効果が得られる。
【0017】ところで、本発明に係る実施例1のコーヒ
ーのブレンドの割合は、コーヒー豆粉砕品(焙煎済)70
W/W%、決明子粉砕品(焙煎済)20W/W%、ドクダミ粉砕
品(焙煎済)10W/W%としたが、焙煎したコーヒー豆を
グラインドしたものに対して、決明子を焙煎してグライ
ンドしたものは5%W/W〜50W/W%がよく、ドクダミを焙
煎したのち粉砕したものは5W/W%〜50W/W%程度がよ
い。これは、決明子とドクダミの配合割合が5W/W%以下
では、上述した効果が顕著に確認できず、逆に配合割合
が50W/W%以上では、コーヒーの香りが減退してフレー
バーの評価値も低いものとなったからである。同様の理
由から、本件発明の特徴をより顕著にするためには、焙
煎したコーヒー豆をグラインドしたものに対して、より
好ましくは、決明子を焙煎してグラインドしたものは10
%W/W〜30W/W%がよく、ドクダミを焙煎したのち粉砕し
たものは7W/W%〜20W/W%程度がよい。
【0018】[実施例2]次に、本発明の第2の実施例と
して、焙煎したコーヒー豆を粉砕した粉砕品(コーヒー
成分)と、決明子を焙煎して粉砕した粉砕品(決明子成
分)と、ドクダミを焙煎して粉砕した粉砕品(ドクダミ成
分)とを下記の割合で配合したもの100gに対して、精製
水1l(1000ml)を添加して加熱し沸騰させ、沸騰後5分
間連続加熱し各成分を抽出した後にフィルターを用いて
濾過してコーヒー飲料とした。 配合割合:コーヒー豆粉砕品(焙煎済)−−−−−−− 70W/W % 決明子粉砕品(焙煎済)−−−−−−−−− 20W/W % ドクダミ粉砕品(焙煎済)−−−−−−−− 10W/W % 合計: 100W/W % *コーヒー豆の種類はブルーマウンテンを用いた。 そして、実施例2に対しても実施例1と同様に試験した
が、コーヒーの香りの減退はなく作用・効果もほぼ同じ
であり、実施例2の他の効能も実施例1と同様で、前述
したコーヒーの作用効果、および、前述した決明子・ド
クダミの個々の漢方薬としての効用が失われることなし
に、これらの効能が相乗的に作用し前記の〜の作用
効果が得られる。なお、加熱抽出する前の配合割合は、
コーヒー豆粉焙煎粉砕品に対して、決明子焙煎粉砕品は
5%W/W〜50W/W%がよく、ドクダミ焙煎粉砕品は5W/W%
〜50W/W%程度がよく、これは、実施例1と同様に決明
子焙煎粉砕品・ドクダミ焙煎粉砕品の配合割合が5W/W%
以下では、上述した効果が顕著に確認できず、逆に配合
割合が50W/W%以上では、コーヒーの香りが減退してフ
レーバーの評価値も低いものとなったからである。同様
の理由から、本件発明の特徴をより顕著にするために
は、コーヒー焙煎粉砕品に対して、より好ましくは、決
明子焙煎粉砕品は10%W/W〜30W/W%がよく、ドクダミ焙
煎粉砕品は7W/W%〜20W/W%程度を配合して精製水を添
加して、加熱し抽出しすればよい。抽出手段も精製水を
添加して加熱し抽出したが、精製水ではなくアルコール
でも、これらを混合した混合液を用いて抽出してもよ
い。このような形態では、出来上がったコーヒー飲料及
びその加工飲料として、ボトルや缶に詰めて、製造販売
することができる。
【0019】[参考例] 参考例として前記の実施例のコーヒー飲料及びその加工
飲料と同様な作用・効果が得られるコーヒーに添加する
添加調製物を説明する。 この参考例 は、決明子焙煎・ド
クダミ焙煎に対してそれぞれ重量比で10倍程度の精製
水を添加し加熱して沸騰させ、沸騰後5分間連続加熱し
て決明子およびドクダミ成分のそれぞれを抽出した後に
フィルターを用いて濾過してそれぞれ抽出液を得、次
に、上記の各抽出液の配合割合を、重量比でほぼ決明子
焙煎抽出液(決明子成分)2に対してドクダミ焙煎抽出液
(ドクダミ成分)1程度に調整し、これをコーヒーに添加
する添加調製物とした。作用・効果の確認は、ブルーマ
ウンテンのコーヒー豆を焙煎粉砕品にしたもの10gに対
して沸騰水150ml割合で添加して、ドリップ方式にて調
製してコーヒー飲料とし、このホットコーヒー飲料に前
記添加調製物を添加したが、添加割合は重量比で前記ホ
ットコーヒー7に対して添加調製物(フレッシュ代用品)
3とした。そして、ホットコーヒー飲料に上記添加調製
物を混入して、実施例1と同様な試験したが、その作用
・効果も実施例1とほぼ同じであり、コーヒーの香りの
減退はなく作用・効果もほぼ同じであり、前述したコー
ヒーの作用効果、前述した決明子・ドクダミの個々の漢
方薬としての効用が失われることなしに、これらの効能
が相乗的に作用し前記の〜の作用効果が得られた。
なお、上記の決明子焙煎抽出液とドクダミ焙煎抽出液と
の混合比率は2:1に限ることなく、実施例1および実
施例2と同様に、コーヒー液に対する決明子抽出液・ド
クダミ抽出液の混入比率が決明子抽出液が5%W/W〜50W/
W%、ドクダミ抽出液が5W/W%〜50W/W%程度になるよう
に、より好ましくは、決明子抽出液が10%W/W〜30W/W
%、ドクダミ抽出液が7W/W%〜20W/W%程度になる範囲
で適宜調整すればよい。上記添加調製物は抽出した液状
としたが、例えば、これを凍結乾燥して粉末状にしても
よい。
【0020】なお、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、上述した実施例に限定されるものでないことは勿論
であり、例えば、コーヒー単独だけではなく、少量の乳
製品等を混入させたコーヒー加工飲料に適用しても良い
ことは勿論である。また、決明子およびドクダミの生薬
しての独特のの臭気が気にするほでなく少量であれば、
焙煎せずに生薬のままで使用してもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明のコーヒー飲料及びその加工飲料
によれば、コーヒーが本来持つ機能性、薬効を低下させ
ることなく、また、コーヒーの嗜好性(香り・味覚等)
を損なうことなく、胃粘膜に対する刺激性と便秘症を改
善されるものであり、また、コーヒー・決明子・ドクダ
ミには腎機能および肝機能を高め効能がありこれらの相
乗効果により腎機能および肝機能が改善されるものであ
り、コーヒーが本来持つ機能性と薬効を更に高めるもの
であって、具体的には、本発明のコーヒー飲料及びその
加工飲料を飲用すれば、深夜の受験勉強の眠気防止と
思考能力の高揚を促し、車の運転時の疲労と睡眠不足に
よる睡魔の防止ができ、食事の食べすぎによる胃部不
快感の解消ができ、アルコ−ル摂取後の悪酔い、二日
酔いの防止を防止ができ、便秘症の改善ができ、ダ
イエット食品の摂取による胃部不快感の解消とダイエッ
ト効果の促進等の具体的な臨床効果が得られ、かつ、こ
れらの効果はコ−ヒ−の成分であるカフェインの胃への
刺激を完全に克服し、タンニンのもつ収斂作用を完全に
抑制するという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を使用した際の記憶保持・再
生テストの試験用具の説明図
【図2】本発明の実施例1を使用した際の記憶保持・再
生テストの試験結果を示すグラフの図
【図3】本発明の実施例1を使用した際の胃の状態及び
フレーバーに関する問診結果を表にした[表1]を示す図
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コーヒー豆の粉砕品と、コーヒー豆の粉砕
    品に対して決明子を焙煎した粉砕品10〜30W/W%と、コ
    ーヒー豆の粉砕品に対してドクダミを焙煎した粉砕品5
    〜50W/W%とを配合し、これらの成分を水或いはアルコ
    ール又は両者の混合液で抽出することを特徴とするコー
    ヒー飲料及びその加工飲料
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