JP3062414B2 - 抗菌性樹脂フィルム - Google Patents
抗菌性樹脂フィルムInfo
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- JP3062414B2 JP3062414B2 JP7085228A JP8522895A JP3062414B2 JP 3062414 B2 JP3062414 B2 JP 3062414B2 JP 7085228 A JP7085228 A JP 7085228A JP 8522895 A JP8522895 A JP 8522895A JP 3062414 B2 JP3062414 B2 JP 3062414B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性樹脂フィルム及び
その積層体に関し、特に、食品の保存時等においてその
包装材料として使用し、それにより食品に付着してカビ
発生等の原因となる雑菌の繁殖を抑制して食品の品質を
保持すると共に、当該食品にダニのような害虫類が接近
するのを回避することのできる抗菌性樹脂フィルムに関
する。
その積層体に関し、特に、食品の保存時等においてその
包装材料として使用し、それにより食品に付着してカビ
発生等の原因となる雑菌の繁殖を抑制して食品の品質を
保持すると共に、当該食品にダニのような害虫類が接近
するのを回避することのできる抗菌性樹脂フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品等に使用される抗菌性粒
子としては、特開平3−47118号公報に開示されて
いるように、ヒノキチオール、タンニン、リゾチームの
ような抗菌剤をハイドロキシアパタイトに担持させたも
のが知られている。このハイドロキシアパタイト抗菌剤
を食品トレイ等の内表面に塗布して用いると、トレイ内
の食品に接触したハイドロキシアパタイト抗菌剤によっ
て食品に付着した雑菌は殺菌あるいは静菌されて、食品
の品質は長時間保持される。しかし、ハイドロキシアパ
タイト抗菌剤において、ハイドロキシアパタイトが抗菌
剤を強く担持していることから、食品がハイドロキシア
パタイト抗菌剤と接触していない部分では何ら殺菌作用
が奏されないという問題が指摘されている。
子としては、特開平3−47118号公報に開示されて
いるように、ヒノキチオール、タンニン、リゾチームの
ような抗菌剤をハイドロキシアパタイトに担持させたも
のが知られている。このハイドロキシアパタイト抗菌剤
を食品トレイ等の内表面に塗布して用いると、トレイ内
の食品に接触したハイドロキシアパタイト抗菌剤によっ
て食品に付着した雑菌は殺菌あるいは静菌されて、食品
の品質は長時間保持される。しかし、ハイドロキシアパ
タイト抗菌剤において、ハイドロキシアパタイトが抗菌
剤を強く担持していることから、食品がハイドロキシア
パタイト抗菌剤と接触していない部分では何ら殺菌作用
が奏されないという問題が指摘されている。
【0003】他の食品用の抗菌材料として、実開平3−
111984号公報には、抗菌性を有するイソチオシア
ン酸エステルやテルペン化合物類のサイクロデキストリ
ン包接化合物を、合成樹脂フィルム中に分散させるか合
成樹脂フィルムの表面にバインダーとしてウレタン系樹
脂を用いて塗布するようにした抗菌性食品包装用フィル
ムが開示されている。この食品包装用フィルムは、イソ
チオシアン酸エステルやテルペン化合物等の有機系抗菌
剤のサイクロデキストリン包接化合物は高湿度下では包
接した有機系抗菌剤を揮散させることから、包装した食
品との非接触部位に対しても有効に抗菌性を発揮する利
点がある。
111984号公報には、抗菌性を有するイソチオシア
ン酸エステルやテルペン化合物類のサイクロデキストリ
ン包接化合物を、合成樹脂フィルム中に分散させるか合
成樹脂フィルムの表面にバインダーとしてウレタン系樹
脂を用いて塗布するようにした抗菌性食品包装用フィル
ムが開示されている。この食品包装用フィルムは、イソ
チオシアン酸エステルやテルペン化合物等の有機系抗菌
剤のサイクロデキストリン包接化合物は高湿度下では包
接した有機系抗菌剤を揮散させることから、包装した食
品との非接触部位に対しても有効に抗菌性を発揮する利
点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の抗菌性食品包装
用フィルムを用いた食品の保存法では、高湿度下、例え
ば、湿度95%の環境下では長時間にわたって抗菌性を
発揮することができるものの、中程度の湿度、例えば湿
度60%程度の環境下においては、有機系抗菌剤が容易
に揮散しないために、高湿度とならない環境下、例えば
冷蔵庫内や一般の室内といった環境下では十分な抗菌性
を発揮しない問題を有している。
用フィルムを用いた食品の保存法では、高湿度下、例え
ば、湿度95%の環境下では長時間にわたって抗菌性を
発揮することができるものの、中程度の湿度、例えば湿
度60%程度の環境下においては、有機系抗菌剤が容易
に揮散しないために、高湿度とならない環境下、例えば
冷蔵庫内や一般の室内といった環境下では十分な抗菌性
を発揮しない問題を有している。
【0005】また、樹脂中に抗菌剤を分散させる場合、
抗菌作用を発揮するのはフィルムの表面に現れる一部の
抗菌剤でしかなく、樹脂フィルム中に埋没している抗菌
剤は有効に作用しないことから、必要以上の抗菌剤を混
入することがどうしても必要となり、コストアップとな
る。樹脂フィルムの表面に抗菌剤を塗布する場合には、
使用態様によっては抗菌剤がバインダーと共に食品側へ
移行する場合が起こり得る。
抗菌作用を発揮するのはフィルムの表面に現れる一部の
抗菌剤でしかなく、樹脂フィルム中に埋没している抗菌
剤は有効に作用しないことから、必要以上の抗菌剤を混
入することがどうしても必要となり、コストアップとな
る。樹脂フィルムの表面に抗菌剤を塗布する場合には、
使用態様によっては抗菌剤がバインダーと共に食品側へ
移行する場合が起こり得る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
ような不都合のない抗菌性食品包装用フィルムを得べ
く、さらに実験と研究を行った。その過程において、有
機系抗菌剤を担持させた非晶質リン酸カルシウム粒子が
上記有機系抗菌剤の抗菌性をより改善できることを見出
し、それに基づき、有機系抗菌剤をサイクロデキストリ
ンに包接させた包接化合物に上記非晶質リン酸カルシウ
ムを配合して、上記有機系抗菌剤による抗菌性を調べた
ところ、有機系抗菌剤の抗菌性を向上できるだけでな
く、中程度の湿度環境下においても、上記有機抗菌剤を
揮散させることを見出し、そのようにして得られた抗菌
性粒子をすでに出願している(特願平6−283295
号)。上記抗菌性粒子は、有機系抗菌剤として例えばイ
ソチオシアン酸エステルやテルペン化合物類を用いた場
合に生じがちな異臭(ワサビ臭、ニンニク臭)を食品側
に転移させない効果も奏する。
ような不都合のない抗菌性食品包装用フィルムを得べ
く、さらに実験と研究を行った。その過程において、有
機系抗菌剤を担持させた非晶質リン酸カルシウム粒子が
上記有機系抗菌剤の抗菌性をより改善できることを見出
し、それに基づき、有機系抗菌剤をサイクロデキストリ
ンに包接させた包接化合物に上記非晶質リン酸カルシウ
ムを配合して、上記有機系抗菌剤による抗菌性を調べた
ところ、有機系抗菌剤の抗菌性を向上できるだけでな
く、中程度の湿度環境下においても、上記有機抗菌剤を
揮散させることを見出し、そのようにして得られた抗菌
性粒子をすでに出願している(特願平6−283295
号)。上記抗菌性粒子は、有機系抗菌剤として例えばイ
ソチオシアン酸エステルやテルペン化合物類を用いた場
合に生じがちな異臭(ワサビ臭、ニンニク臭)を食品側
に転移させない効果も奏する。
【0007】本発明は、すでに提案している上記の抗菌
性粒子を特定の態様で樹脂フィルムに保持させてなるこ
とを特徴とし、それにより、一般室内のような中湿度の
環境下でも十分な抗菌作用を奏すことができ、かつ、樹
脂中に埋設されたすべての抗菌性粒子が有効に抗菌性を
発揮することから生産コストも低減することのできる抗
菌性樹脂フィルムを提供することができる。また、本発
明者らは、上記の抗菌性粒子による食品の保存実験を行
う過程において、上記抗菌性粒子がダニ、コクゾーム
シ、アカムシのような害虫類を寄せ付けない機能も有し
ていることを経験した。従って、本発明は、菌類のみな
らず害虫類も回避可能な抗菌性樹脂フィルムを提供する
ことができる。
性粒子を特定の態様で樹脂フィルムに保持させてなるこ
とを特徴とし、それにより、一般室内のような中湿度の
環境下でも十分な抗菌作用を奏すことができ、かつ、樹
脂中に埋設されたすべての抗菌性粒子が有効に抗菌性を
発揮することから生産コストも低減することのできる抗
菌性樹脂フィルムを提供することができる。また、本発
明者らは、上記の抗菌性粒子による食品の保存実験を行
う過程において、上記抗菌性粒子がダニ、コクゾーム
シ、アカムシのような害虫類を寄せ付けない機能も有し
ていることを経験した。従って、本発明は、菌類のみな
らず害虫類も回避可能な抗菌性樹脂フィルムを提供する
ことができる。
【0008】すなわち、本発明による抗菌性樹脂フィル
ムは、非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機
系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合
物とを含む抗菌性粒子が樹脂フィルムに保持されるとと
もに、該抗菌性粒子の平均粒径が該樹脂フィルムの平均
厚さより大きいことを特徴とする。本発明はさらに、支
持体をなすフィルムの両面に上記した抗菌性樹脂フィル
ムが積層してなることを特徴とする抗菌性樹脂フィルム
積層体をも開示する。この抗菌性樹脂フィルム積層体
は、包装食品に対して十分な抗菌作用を奏すことに加
え、当該食品にダニのような害虫類が接近するのを回避
することができる。
ムは、非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機
系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合
物とを含む抗菌性粒子が樹脂フィルムに保持されるとと
もに、該抗菌性粒子の平均粒径が該樹脂フィルムの平均
厚さより大きいことを特徴とする。本発明はさらに、支
持体をなすフィルムの両面に上記した抗菌性樹脂フィル
ムが積層してなることを特徴とする抗菌性樹脂フィルム
積層体をも開示する。この抗菌性樹脂フィルム積層体
は、包装食品に対して十分な抗菌作用を奏すことに加
え、当該食品にダニのような害虫類が接近するのを回避
することができる。
【0009】先ず、本発明による抗菌性樹脂フィルムに
用いられる抗菌性粒子について説明する。抗菌性粒子の
一つの成分である非晶質リン酸カルシウム(Amorphous
Calcium Phosphate :以下、ACPと略す)は、ACP
を含むスラリーを造粒して調整される。上記スラリー
は、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に、水溶性高分子
である分散剤、例えばトリアクリル酸アンモニウム塩を
0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%添加
して混合溶液を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン酸
水溶液の滴下によってpH11〜5に調整することによ
り得られ、粒径約0.1μm以下のACP微粒子を含む
ものである。
用いられる抗菌性粒子について説明する。抗菌性粒子の
一つの成分である非晶質リン酸カルシウム(Amorphous
Calcium Phosphate :以下、ACPと略す)は、ACP
を含むスラリーを造粒して調整される。上記スラリー
は、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に、水溶性高分子
である分散剤、例えばトリアクリル酸アンモニウム塩を
0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%添加
して混合溶液を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン酸
水溶液の滴下によってpH11〜5に調整することによ
り得られ、粒径約0.1μm以下のACP微粒子を含む
ものである。
【0010】上記ACP微粒子は、粉末X線解析法によ
る回析パターンからリン酸カルシウムであり、また、そ
のパターンがブロードであり、かつ、ハイドロキシアパ
タイトやリン酸三カルシウムの回析パターンと異なるこ
とから、ACP[Ca3(PO4)2・nH2O] であることが確認さ
れる。その上、上記ACP微粒子は結晶水を含むことか
ら静電気的に活性な物質であると思われ、種々の菌体や
ウィルスを吸着し易くなっていると想定される。
る回析パターンからリン酸カルシウムであり、また、そ
のパターンがブロードであり、かつ、ハイドロキシアパ
タイトやリン酸三カルシウムの回析パターンと異なるこ
とから、ACP[Ca3(PO4)2・nH2O] であることが確認さ
れる。その上、上記ACP微粒子は結晶水を含むことか
ら静電気的に活性な物質であると思われ、種々の菌体や
ウィルスを吸着し易くなっていると想定される。
【0011】上記スラリー中にサイクロデキストリンを
添加し、対流式高速攪拌機にて500〜20000rp
mの回転数で攪拌し、溶解してサイクロデキストリン添
加スラリーを得る。このサイクロデキストリン添加スラ
リーに有機系抗菌剤を混合する。用いる有機系抗菌剤と
しては、常温において揮散性を有し、殺菌・静菌作用を
有するイソチオシアン酸アリル[CH2=CHCH2NCS]、ヒノキ
チオール、ヒバ油やテルペン類が挙げられる。なお、上
記有機系抗菌剤は、水と自由に混和するアルコールに溶
解してサイクロデキストリン添加スラリーに混合する。
また、有機系抗菌剤を上記サイクロデキストリン添加ス
ラリーに加える場合、上記混合を室温条件で行うことが
望ましい。このようにして有機系抗菌剤を含むサイクロ
デキストリン添加スラリーである混合スラリーを造粒し
て、本発明にいう抗菌性粒子を得る。
添加し、対流式高速攪拌機にて500〜20000rp
mの回転数で攪拌し、溶解してサイクロデキストリン添
加スラリーを得る。このサイクロデキストリン添加スラ
リーに有機系抗菌剤を混合する。用いる有機系抗菌剤と
しては、常温において揮散性を有し、殺菌・静菌作用を
有するイソチオシアン酸アリル[CH2=CHCH2NCS]、ヒノキ
チオール、ヒバ油やテルペン類が挙げられる。なお、上
記有機系抗菌剤は、水と自由に混和するアルコールに溶
解してサイクロデキストリン添加スラリーに混合する。
また、有機系抗菌剤を上記サイクロデキストリン添加ス
ラリーに加える場合、上記混合を室温条件で行うことが
望ましい。このようにして有機系抗菌剤を含むサイクロ
デキストリン添加スラリーである混合スラリーを造粒し
て、本発明にいう抗菌性粒子を得る。
【0012】なお、サイクロデキストリンは、α型、β
型、γ型のいずれでもよく、また、それらの少なくとも
2種を混合したものであってもよい。また、得られる抗
菌性粒子が所要の比表面積を備えることができるよう
に、スラリー中のACP微粒子は、その粒径が0.1μ
m以下であることが望ましく、さらに、そのような粒径
が小さい微粒子は凝縮し易いことから、凝縮防止のため
に前記分散剤の添加が必要となる。
型、γ型のいずれでもよく、また、それらの少なくとも
2種を混合したものであってもよい。また、得られる抗
菌性粒子が所要の比表面積を備えることができるよう
に、スラリー中のACP微粒子は、その粒径が0.1μ
m以下であることが望ましく、さらに、そのような粒径
が小さい微粒子は凝縮し易いことから、凝縮防止のため
に前記分散剤の添加が必要となる。
【0013】上記の混合スラリーにおいて、スラリーに
おけるACP微粒子の含量を1〜90重量%の範囲で変
えることにより、所望の平均粒径を有する抗菌性粒子を
得ることができる。なお、スラリーにおけるACP微粒
子が90重量%以上となるとスラリーの粘度が高くなり
後記する噴霧乾燥には不適となるので好ましくない場合
がある。
おけるACP微粒子の含量を1〜90重量%の範囲で変
えることにより、所望の平均粒径を有する抗菌性粒子を
得ることができる。なお、スラリーにおけるACP微粒
子が90重量%以上となるとスラリーの粘度が高くなり
後記する噴霧乾燥には不適となるので好ましくない場合
がある。
【0014】また、抗菌性粒子は多孔質、かつ、粒径2
00μm〜5μm程度のものが好ましく、特に、比表面
積が10m2 /g以上のものが好ましい。そのような粒
子の製造法としては、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等がある
が、特に、噴霧乾燥法が好ましく使用できる。抗菌性粒
子他の製造方法として、ACP粒子と、揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接
化合物粒子とを別個に製造して、2種の粒子を混合する
ことによってもよい。
00μm〜5μm程度のものが好ましく、特に、比表面
積が10m2 /g以上のものが好ましい。そのような粒
子の製造法としては、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等がある
が、特に、噴霧乾燥法が好ましく使用できる。抗菌性粒
子他の製造方法として、ACP粒子と、揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接
化合物粒子とを別個に製造して、2種の粒子を混合する
ことによってもよい。
【0015】上記のようにして得られた、ACPと、揮
発性を有する有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包
接させた包接化合物とを含む抗菌性粒子を樹脂フィルム
に保持させる。上記樹脂フィルムの素材としては、特に
限定されないが、比較的低い温度で混練加工が可能であ
ることから、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、スチレ
ン系樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、脂肪族
ポリアミド)、ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族ポリ
エステル)、ポリエステルアミド等が好ましい。
発性を有する有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包
接させた包接化合物とを含む抗菌性粒子を樹脂フィルム
に保持させる。上記樹脂フィルムの素材としては、特に
限定されないが、比較的低い温度で混練加工が可能であ
ることから、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、スチレ
ン系樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、脂肪族
ポリアミド)、ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族ポリ
エステル)、ポリエステルアミド等が好ましい。
【0016】上記抗菌性粒子を保持した樹脂フィルムの
成型方法は通常の樹脂フィルム製造方法と同様に考えて
よく、素材として、上記抗菌性粒子と上記樹脂とを混練
させたものを用いる。成型方法としては、ブロー成形、
インフレーション、Tダイ法等の押し出し法が好ましく
は用いられ、一旦、抗菌性粒子の平均粒径よりも大きい
間隙を持つスリットから樹脂を押し出し成形し、それを
適宜の方法により引き延ばすことにより、樹脂中に混練
されている抗菌性粒子の殆どは樹脂フィルムの表面から
露出した状態となって樹脂フィルムに保持される。
成型方法は通常の樹脂フィルム製造方法と同様に考えて
よく、素材として、上記抗菌性粒子と上記樹脂とを混練
させたものを用いる。成型方法としては、ブロー成形、
インフレーション、Tダイ法等の押し出し法が好ましく
は用いられ、一旦、抗菌性粒子の平均粒径よりも大きい
間隙を持つスリットから樹脂を押し出し成形し、それを
適宜の方法により引き延ばすことにより、樹脂中に混練
されている抗菌性粒子の殆どは樹脂フィルムの表面から
露出した状態となって樹脂フィルムに保持される。
【0017】上記樹脂フィルムの厚さは、保持する抗菌
性粒子の平均粒径に応じて調整すればよいが、フィルム
として形状を保ち得る観点から、3μm以上であること
が好ましい。抗菌性樹脂フィルムの使用態様が、例えば
食品包装用袋のように樹脂フィルム自身の強度を必要と
する場合には樹脂フィルムの厚みを10μm以上程度に
厚くするか、より薄いフィルムに対して補強のための裏
打ち材を支持材として積層することもできる。単に食品
上をカバーするようにして用いる場合には10μm以下
のものであっても十分に使用可能となる。
性粒子の平均粒径に応じて調整すればよいが、フィルム
として形状を保ち得る観点から、3μm以上であること
が好ましい。抗菌性樹脂フィルムの使用態様が、例えば
食品包装用袋のように樹脂フィルム自身の強度を必要と
する場合には樹脂フィルムの厚みを10μm以上程度に
厚くするか、より薄いフィルムに対して補強のための裏
打ち材を支持材として積層することもできる。単に食品
上をカバーするようにして用いる場合には10μm以下
のものであっても十分に使用可能となる。
【0018】樹脂フィルムに対する抗菌性粒子の配合量
としては、安定して抗菌性を発揮できる観点から、樹脂
フィルムに対して1〜60%が好ましく、さらに好まし
くは1〜30%である。前記のように、抗菌性を必要と
されない側に通常の樹脂フィルム等を支持体として積層
し、それにより所要強度を得るようにする場合におい
て、支持体として酸素不透過性のフィルムをいわゆるバ
リヤーフィルムとして積層してもよく、その場合には、
食品の品質保持をさらに高めることができる。
としては、安定して抗菌性を発揮できる観点から、樹脂
フィルムに対して1〜60%が好ましく、さらに好まし
くは1〜30%である。前記のように、抗菌性を必要と
されない側に通常の樹脂フィルム等を支持体として積層
し、それにより所要強度を得るようにする場合におい
て、支持体として酸素不透過性のフィルムをいわゆるバ
リヤーフィルムとして積層してもよく、その場合には、
食品の品質保持をさらに高めることができる。
【0019】上記の支持体の素材としては、例えば、ポ
リオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂)、スチレン系樹脂、EVA(エチ
レン・酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リアミド樹脂(例えば、脂肪族ポリアミド)、ポリエス
テル樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル)、ポリエステ
ルアミド等が好ましく用いられ、また、バリヤーフィル
ムの素材としては、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、ポリアミ
ド樹脂(例えば、芳香族ポリアミド)、ポリエステル樹
脂(例えば、芳香族ポリエステル)、ポリビニリデンク
ロライド等が好ましく用いられる。
リオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂)、スチレン系樹脂、EVA(エチ
レン・酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リアミド樹脂(例えば、脂肪族ポリアミド)、ポリエス
テル樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル)、ポリエステ
ルアミド等が好ましく用いられ、また、バリヤーフィル
ムの素材としては、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、ポリアミ
ド樹脂(例えば、芳香族ポリアミド)、ポリエステル樹
脂(例えば、芳香族ポリエステル)、ポリビニリデンク
ロライド等が好ましく用いられる。
【0020】上記支持体としての材料は樹脂発泡体であ
ってもよく、さらに、支持体や樹脂フィルムに顔料や無
機物を添加して有色の抗菌性樹脂フィルムとしてもよ
い。なお、上記支持体の厚さは、用途や構成材料により
異なるが、例えば3〜500μmとすることが適当であ
る。上記支持体と抗菌性樹脂フィルムとを積層させる方
法としては、従来から知られている。例えは、インフレ
ーション法、熱融圧着同時ラミネート法、共押出複合
法、貼り合わせ法、エキストルージョンラミネート法、
ホットメルトラミネート法、多層押出法等いずれも適用
できる。
ってもよく、さらに、支持体や樹脂フィルムに顔料や無
機物を添加して有色の抗菌性樹脂フィルムとしてもよ
い。なお、上記支持体の厚さは、用途や構成材料により
異なるが、例えば3〜500μmとすることが適当であ
る。上記支持体と抗菌性樹脂フィルムとを積層させる方
法としては、従来から知られている。例えは、インフレ
ーション法、熱融圧着同時ラミネート法、共押出複合
法、貼り合わせ法、エキストルージョンラミネート法、
ホットメルトラミネート法、多層押出法等いずれも適用
できる。
【0021】また、上記した抗菌性樹脂フィルム積層体
を得る場合には、上記したバリヤーフィルムの両面に上
記した抗菌性フィルムを上記したような従来知られた方
法により積層すればよい。
を得る場合には、上記したバリヤーフィルムの両面に上
記した抗菌性フィルムを上記したような従来知られた方
法により積層すればよい。
【0022】
【作用】本発明による抗菌性樹脂フィルムによれば、樹
脂フィルムの厚さよりも抗菌性粒子の粒径のほうが大き
いので、抗菌性樹脂フィルム中に含まれる抗菌性粒子は
その一部を樹脂フィルムの表面から確実に露出すること
となり、抗菌性粒子の抗菌性を有効に発揮させることが
でき、必要とする抗菌作用に対して、抗菌性粒子の使用
を最小限に抑えるこができる。また、用いる抗菌性粒子
は、ACP自身が結晶水を有していることから、室内や
冷蔵庫内のような中程度の湿度の環境下においても有機
系抗菌剤を揮散させることが可能であり、広い用途にお
いて有効な抗菌性を発揮する。
脂フィルムの厚さよりも抗菌性粒子の粒径のほうが大き
いので、抗菌性樹脂フィルム中に含まれる抗菌性粒子は
その一部を樹脂フィルムの表面から確実に露出すること
となり、抗菌性粒子の抗菌性を有効に発揮させることが
でき、必要とする抗菌作用に対して、抗菌性粒子の使用
を最小限に抑えるこができる。また、用いる抗菌性粒子
は、ACP自身が結晶水を有していることから、室内や
冷蔵庫内のような中程度の湿度の環境下においても有機
系抗菌剤を揮散させることが可能であり、広い用途にお
いて有効な抗菌性を発揮する。
【0023】さらに、ACP粒子は多孔質であるため、
揮散した有機系抗菌剤を再度その表面に吸着する作用が
あり、より長く有機系抗菌剤の効果を発揮させることが
できる。本発明による抗菌性樹脂フィルムの使用態様と
しては、食品等を抗菌性樹脂フィルムにより包装する
か、抗菌性樹脂フィルムにより包装用の袋を製造してそ
の中に食品等を封入する態様がある。そのような使用態
様においては、通常内面側のみに抗菌性が求められるの
で、前記のように、一面に樹脂フィルムのような支持
体、好ましくはバリヤーフィルムを積層した抗菌性樹脂
フィルムをその支持体側が外側となるようにして用い
る。容器に収容された食品あるいは台上に載置された食
品を覆うように抗菌性フィルムを配置して使用すること
もできる。
揮散した有機系抗菌剤を再度その表面に吸着する作用が
あり、より長く有機系抗菌剤の効果を発揮させることが
できる。本発明による抗菌性樹脂フィルムの使用態様と
しては、食品等を抗菌性樹脂フィルムにより包装する
か、抗菌性樹脂フィルムにより包装用の袋を製造してそ
の中に食品等を封入する態様がある。そのような使用態
様においては、通常内面側のみに抗菌性が求められるの
で、前記のように、一面に樹脂フィルムのような支持
体、好ましくはバリヤーフィルムを積層した抗菌性樹脂
フィルムをその支持体側が外側となるようにして用い
る。容器に収容された食品あるいは台上に載置された食
品を覆うように抗菌性フィルムを配置して使用すること
もできる。
【0024】本発明による抗菌性樹脂フィルムにおいて
は、抗菌性粒子は樹脂中に一体に保持されており、いず
れの使用態様においても、抗菌性粒子が食品側に移転す
ることはない。また、支持体をバリヤーフィルムとして
使用した場合には、特に好気菌を効果的に抑制すること
ができ、また、抗菌性樹脂フィルムの抗菌性をより長く
発揮させることができる。
は、抗菌性粒子は樹脂中に一体に保持されており、いず
れの使用態様においても、抗菌性粒子が食品側に移転す
ることはない。また、支持体をバリヤーフィルムとして
使用した場合には、特に好気菌を効果的に抑制すること
ができ、また、抗菌性樹脂フィルムの抗菌性をより長く
発揮させることができる。
【0025】さらに、バリヤーフィルムの両面に抗菌性
樹脂フィルムを積層した抗菌性樹脂フィルム積層体を用
いる場合には、ダニのような害虫類が食品に接近するの
を回避でき、食品の品質はさらに長時間保持される。
樹脂フィルムを積層した抗菌性樹脂フィルム積層体を用
いる場合には、ダニのような害虫類が食品に接近するの
を回避でき、食品の品質はさらに長時間保持される。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、揮発性を有する有
機系抗菌剤としてイソチオシアン酸アリルを用いる場合
を例に取り、本発明の実施例を説明する。
機系抗菌剤としてイソチオシアン酸アリルを用いる場合
を例に取り、本発明の実施例を説明する。
【0027】〔実施例1〕攪拌下の水酸化カルシウム懸
濁液に対し2〜4倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下
してpH11付近に調整し、続いて、上記懸濁液に対し
5〜8倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下して上記混
合液をpH10〜9に調整し、さらに、弱アルカリ性の
水溶性高分子である分散剤としてのトリアクリル酸アン
モニウム塩をACP微粒子に対して0.5重量%となる
ようにして添加することにより、粒径約0.1μm以下
のACP微粒子を安定して含むスラリーを得た。
濁液に対し2〜4倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下
してpH11付近に調整し、続いて、上記懸濁液に対し
5〜8倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下して上記混
合液をpH10〜9に調整し、さらに、弱アルカリ性の
水溶性高分子である分散剤としてのトリアクリル酸アン
モニウム塩をACP微粒子に対して0.5重量%となる
ようにして添加することにより、粒径約0.1μm以下
のACP微粒子を安定して含むスラリーを得た。
【0028】次に、上記スラリーをイオン交換水により
希釈してACPの濃度が10重量%となるように調整し
たACPスラリーを得、そのACPスラリー1500g
に対し、β−サイクロデキストリンを100g分散させ
てホモミキサーにて5000rpmで対流攪拌しなが
ら、さらにイソチオシアン酸アリルを10g徐々に添加
して90分攪拌を続けた。それにより、上記イソチオシ
アン酸アリルをβ−サイクロデキストリンに主に包接さ
せて、図1に模式的に示すように、ACP微粒子1と、
イソチオシアン酸アリル包接サイクロデキストリンであ
る包接化合物2とを含む包接物スラリー3を得た。
希釈してACPの濃度が10重量%となるように調整し
たACPスラリーを得、そのACPスラリー1500g
に対し、β−サイクロデキストリンを100g分散させ
てホモミキサーにて5000rpmで対流攪拌しなが
ら、さらにイソチオシアン酸アリルを10g徐々に添加
して90分攪拌を続けた。それにより、上記イソチオシ
アン酸アリルをβ−サイクロデキストリンに主に包接さ
せて、図1に模式的に示すように、ACP微粒子1と、
イソチオシアン酸アリル包接サイクロデキストリンであ
る包接化合物2とを含む包接物スラリー3を得た。
【0029】上記スラリー3を定量ポンプ4によりスプ
レードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に供給
した。スプレードライヤー5のアトマイザー6を高速回
転させて、上記包接物スラリー3を、スプレードライヤ
ー5内の乾燥用の熱空気流中に噴霧する噴霧造粒法によ
り造粒乾燥し、サイクロン8によってACP微粒子1と
包接化合物2とを含む抗菌性粒子7を得た。上記抗菌性
粒子7は略球状であり、平均粒径は約50μmであっ
た。なお、上記抗菌性粒子7では、イソチオシアン酸ア
リルの一部はACPに吸着されているものと想定され
る。
レードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に供給
した。スプレードライヤー5のアトマイザー6を高速回
転させて、上記包接物スラリー3を、スプレードライヤ
ー5内の乾燥用の熱空気流中に噴霧する噴霧造粒法によ
り造粒乾燥し、サイクロン8によってACP微粒子1と
包接化合物2とを含む抗菌性粒子7を得た。上記抗菌性
粒子7は略球状であり、平均粒径は約50μmであっ
た。なお、上記抗菌性粒子7では、イソチオシアン酸ア
リルの一部はACPに吸着されているものと想定され
る。
【0030】なお、図1において、9はエアフィルタ
ー、10は電気ヒータであり、エアフィルター9を通り
電気ヒータ10によって加温された熱空気は、熱ガス室
11からスプレードライヤー5内に入り、スプレードラ
イヤー5のアトマイザー6により噴霧される包接物スラ
リー3を乾燥造粒しつつ、排出孔12にからサイクロン
8に向けて流出するようになっている。
ー、10は電気ヒータであり、エアフィルター9を通り
電気ヒータ10によって加温された熱空気は、熱ガス室
11からスプレードライヤー5内に入り、スプレードラ
イヤー5のアトマイザー6により噴霧される包接物スラ
リー3を乾燥造粒しつつ、排出孔12にからサイクロン
8に向けて流出するようになっている。
【0031】上記噴霧乾燥造粒における操作条件は次の
通りであった。定量ポンプ4による原料としての混合物
スラリー3の供給量は1〜3kg/hであり、エアフィ
ルター9を介して電気ヒータ10によって加温された熱
空気の温度は、熱ガス室11の入口温度が150℃〜2
00℃、サイクロン8に繋がる排出孔12における出口
温度が60℃〜100℃となるように制御され、また、
アトマイザー6の回転数は20000〜30000rp
mに設定された。
通りであった。定量ポンプ4による原料としての混合物
スラリー3の供給量は1〜3kg/hであり、エアフィ
ルター9を介して電気ヒータ10によって加温された熱
空気の温度は、熱ガス室11の入口温度が150℃〜2
00℃、サイクロン8に繋がる排出孔12における出口
温度が60℃〜100℃となるように制御され、また、
アトマイザー6の回転数は20000〜30000rp
mに設定された。
【0032】前記平均粒度50μmである抗菌性粒子7
の12重量%と直鎖状低密度ポリエチレン88重量%と
を120℃の加熱下でバンバリーミキサーにて混合し、
次に120℃加熱下の押出機に押出し加工を行った。こ
のときのスリット幅は0.12mmのものを用いた。得
られた押出しフィルムをフィルム厚さが40μmとなる
ように2軸延伸法により延伸させた。延伸に伴って、抗
菌性粒子の面する樹脂フィルムの上下面が次第に薄くな
り、抗菌性粒子の粒径より薄くなるまで樹脂フィルムを
さらに延伸させると、抗菌性粒子7の一部が樹脂フィル
ム13の両面から露出し、最終的に、図2に模式的に示
すような、一部を両面側に露出した状態で抗菌性粒子7
を保持した薄い樹脂フィルム15が得られた。
の12重量%と直鎖状低密度ポリエチレン88重量%と
を120℃の加熱下でバンバリーミキサーにて混合し、
次に120℃加熱下の押出機に押出し加工を行った。こ
のときのスリット幅は0.12mmのものを用いた。得
られた押出しフィルムをフィルム厚さが40μmとなる
ように2軸延伸法により延伸させた。延伸に伴って、抗
菌性粒子の面する樹脂フィルムの上下面が次第に薄くな
り、抗菌性粒子の粒径より薄くなるまで樹脂フィルムを
さらに延伸させると、抗菌性粒子7の一部が樹脂フィル
ム13の両面から露出し、最終的に、図2に模式的に示
すような、一部を両面側に露出した状態で抗菌性粒子7
を保持した薄い樹脂フィルム15が得られた。
【0033】〔実施例2〕同様にして、抗菌性粒子7が
4重量%、直鎖状低密度ポリエチレンが96重量%とし
た以外は上記の同じようにして抗菌性樹脂フィルムを製
造した。
4重量%、直鎖状低密度ポリエチレンが96重量%とし
た以外は上記の同じようにして抗菌性樹脂フィルムを製
造した。
【0034】〔実施例3〕実施例1と同様にして、粒子
径0.1μm以下のACP微粒子を含むスラリーを得
た。次に、上記ACP微粒子を含むスラリーをイオン交
換水により希釈してACPの濃度が20重量%となるよ
うに調整したACPスラリーを得、定量ポンプ4により
スプレードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に
供給量1〜3kg/hで供給した。スプレードライヤー
5のアトマイザー6を20000〜40000rpmに
設定し、熱ガス室11の入口温度200℃〜300℃、
排出口における出口温度70℃〜100℃となるように
することにより、平均粒径は約25μmのACP粒子
(粒子A)が得られた。
径0.1μm以下のACP微粒子を含むスラリーを得
た。次に、上記ACP微粒子を含むスラリーをイオン交
換水により希釈してACPの濃度が20重量%となるよ
うに調整したACPスラリーを得、定量ポンプ4により
スプレードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に
供給量1〜3kg/hで供給した。スプレードライヤー
5のアトマイザー6を20000〜40000rpmに
設定し、熱ガス室11の入口温度200℃〜300℃、
排出口における出口温度70℃〜100℃となるように
することにより、平均粒径は約25μmのACP粒子
(粒子A)が得られた。
【0035】次に、イソチオシアン酸アリルをサイクロ
デキストリンに包接させた包接化合物を次のようにして
製造した。水200gをホモミキサーに24000rp
mで対流攪拌しながらβ−サイクロデキストリンを10
0g添加し、その後、イソチオシアン酸アリルを10g
添加し、1時間攪拌を行った。ここで得られたスラリー
を定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川原化工
機械社製L−8)5に供給量1〜3kg/hで供給し
た。スプレードライヤー5のアトマイザー6を2000
0〜30000rpmに設定し、熱ガス室11の入口温
度150℃〜200℃、排出口における出口温度60℃
〜100℃となるようにすることにより、平均粒径は約
25μmのイソチオシアン酸アリルをサイクロデキスト
リンに包接させた包接化合物粒子(粒子B)が得られ
た。
デキストリンに包接させた包接化合物を次のようにして
製造した。水200gをホモミキサーに24000rp
mで対流攪拌しながらβ−サイクロデキストリンを10
0g添加し、その後、イソチオシアン酸アリルを10g
添加し、1時間攪拌を行った。ここで得られたスラリー
を定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川原化工
機械社製L−8)5に供給量1〜3kg/hで供給し
た。スプレードライヤー5のアトマイザー6を2000
0〜30000rpmに設定し、熱ガス室11の入口温
度150℃〜200℃、排出口における出口温度60℃
〜100℃となるようにすることにより、平均粒径は約
25μmのイソチオシアン酸アリルをサイクロデキスト
リンに包接させた包接化合物粒子(粒子B)が得られ
た。
【0036】次に、上記粒子Aと粒子Bとを1:9でオ
ムニミキサー(千代田技研社製)にて十分混合して、抗
菌性粒子7を得た。以下、得られた抗菌性粒子を用いて
実施例1と同様にして抗菌性粒子7を保持した薄い樹脂
フィルム15を得た。ただし、樹脂フィルム厚さは20
μmとなるように延伸させた。
ムニミキサー(千代田技研社製)にて十分混合して、抗
菌性粒子7を得た。以下、得られた抗菌性粒子を用いて
実施例1と同様にして抗菌性粒子7を保持した薄い樹脂
フィルム15を得た。ただし、樹脂フィルム厚さは20
μmとなるように延伸させた。
【0037】得られた抗菌性樹脂フィルムの一面に、バ
リヤーフィルム14としてナイロンフィルムを積層し
て、バリヤーフィルム付き抗菌性樹脂フィルム(図3参
照)を得た。
リヤーフィルム14としてナイロンフィルムを積層し
て、バリヤーフィルム付き抗菌性樹脂フィルム(図3参
照)を得た。
【0038】〔比較例1〕比較例として、β−サイクロ
デキストリンに対して、エタノールに溶解したイソチオ
シアン酸アリルが10重量%となるように添加した混合
体を、減圧下乾燥した後、ジェットミルにより微粉砕し
て粒径50μm以下の包接粒子を得た。これを実施例1
の場合と同様にして厚さ40μmの抗菌性樹脂フィルム
を得た。
デキストリンに対して、エタノールに溶解したイソチオ
シアン酸アリルが10重量%となるように添加した混合
体を、減圧下乾燥した後、ジェットミルにより微粉砕し
て粒径50μm以下の包接粒子を得た。これを実施例1
の場合と同様にして厚さ40μmの抗菌性樹脂フィルム
を得た。
【0039】〔試験〕実施例1、2、3の抗菌性樹脂フ
ィルム、及び、比較例の抗菌性樹脂フィルムを用いて、
150mm×100mm角の袋状容器を形成し、その中
に、角型切り餅100gを入れて密封し、25℃で保存
し、切り餅のカビの発生を観察した。その結果を表1に
示す。
ィルム、及び、比較例の抗菌性樹脂フィルムを用いて、
150mm×100mm角の袋状容器を形成し、その中
に、角型切り餅100gを入れて密封し、25℃で保存
し、切り餅のカビの発生を観察した。その結果を表1に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】〔考察〕非晶質リン酸カルシウムを有しな
い比較例1の抗菌性樹脂フィルムの場合には試験開始後
7日目にはカビの発生が認められるのに対して、実施例
による抗菌性樹脂フィルムの場合には、抗菌性粒子の混
入量が少ない場合であっても、また、薄いフィルムとし
てそこにバリアフィルムを積層した場合であっても、1
50日経過後もカビの発生な認められず、本発明による
抗菌性樹脂フィルムの優位性が確認された。
い比較例1の抗菌性樹脂フィルムの場合には試験開始後
7日目にはカビの発生が認められるのに対して、実施例
による抗菌性樹脂フィルムの場合には、抗菌性粒子の混
入量が少ない場合であっても、また、薄いフィルムとし
てそこにバリアフィルムを積層した場合であっても、1
50日経過後もカビの発生な認められず、本発明による
抗菌性樹脂フィルムの優位性が確認された。
【0042】〔実施例4〕実施例1の抗菌性樹脂フィル
ムを葉ダニが大量に発生している島バナナの葉に被せ、
一昼夜たった後に観察したところ、葉ダニの存在が確認
できなかった。 〔考察〕この実験結果から、本発明による抗菌性粒子は
ダニのような害虫類を回避できる機能を有するものと推
測できる。従って、支持体としての好ましくはバリアフ
ィルムの両面に本発明による抗菌性樹脂フィルムを積層
した抗菌性樹脂フィルム積層体(図4参照)を用いて袋
状容器を形成して、その中に食品を保管する場合には、
衛生的にも優れた状態での長期保存が可能となる。
ムを葉ダニが大量に発生している島バナナの葉に被せ、
一昼夜たった後に観察したところ、葉ダニの存在が確認
できなかった。 〔考察〕この実験結果から、本発明による抗菌性粒子は
ダニのような害虫類を回避できる機能を有するものと推
測できる。従って、支持体としての好ましくはバリアフ
ィルムの両面に本発明による抗菌性樹脂フィルムを積層
した抗菌性樹脂フィルム積層体(図4参照)を用いて袋
状容器を形成して、その中に食品を保管する場合には、
衛生的にも優れた状態での長期保存が可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明による抗菌性樹脂フィルムによれ
ば、より少ない抗菌性材料でもって所望の抗菌効果を達
成することが可能であり、また、室内のような中湿度の
環境下でも十分な効果を発揮することができるので、食
品等の包装用抗菌性樹脂フィルムとしてきわめて効果的
である。
ば、より少ない抗菌性材料でもって所望の抗菌効果を達
成することが可能であり、また、室内のような中湿度の
環境下でも十分な効果を発揮することができるので、食
品等の包装用抗菌性樹脂フィルムとしてきわめて効果的
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による抗菌性樹脂フィルムに用いる抗菌
性粒子を製造する工程を説明する図。
性粒子を製造する工程を説明する図。
【図2】本発明による抗菌性樹脂フィルムの断面を示す
模式図。
模式図。
【図3】本発明による抗菌性樹脂フィルムの他の態様の
断面を示す模式図。
断面を示す模式図。
【図4】本発明による抗菌性樹脂フィルム積層体の断面
を示す模式図。
を示す模式図。
7…非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
とを含む抗菌性粒子、13…樹脂フィルム。
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
とを含む抗菌性粒子、13…樹脂フィルム。
Claims (4)
- 【請求項1】 非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有
する有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた
包接化合物とを含む抗菌性粒子が樹脂フィルムに保持さ
れるとともに、該抗菌性粒子の平均粒子径が該樹脂フィ
ルムの平均厚さより大きいことを特徴とする抗菌性樹脂
フィルム。 - 【請求項2】 一面に支持体が積層されていることを特
徴とする請求項1記載の抗菌性樹脂フィルム。 - 【請求項3】 積層される支持体がバリヤーフィルムで
あることを特徴とする請求項1記載の抗菌性樹脂フィル
ム。 - 【請求項4】 バリヤーフィルムの両面に請求項1記載
の抗菌性樹脂フィルムが積層されていることを特徴とす
る抗菌性樹脂フィルム積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7085228A JP3062414B2 (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 抗菌性樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7085228A JP3062414B2 (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 抗菌性樹脂フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08282741A JPH08282741A (ja) | 1996-10-29 |
JP3062414B2 true JP3062414B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=13852718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7085228A Expired - Fee Related JP3062414B2 (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 抗菌性樹脂フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3062414B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019081862A (ja) * | 2017-10-31 | 2019-05-30 | 凸版印刷株式会社 | 抗菌フィルム及びこれを用いた包装体 |
CN108935632A (zh) * | 2018-07-20 | 2018-12-07 | 华南理工大学 | 一种广式白切鸡的气调保藏方法 |
JP7151294B2 (ja) * | 2018-09-10 | 2022-10-12 | 凸版印刷株式会社 | 鮮度保持フィルム、鮮度保持シート及び包装体 |
JP7135630B2 (ja) * | 2018-09-13 | 2022-09-13 | 凸版印刷株式会社 | 抗菌性包装用フィルム及び包装材 |
-
1995
- 1995-04-11 JP JP7085228A patent/JP3062414B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08282741A (ja) | 1996-10-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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