JPH03178902A - イソチオシアン酸エステルの蒸気を用いる物品の殺菌処理方法及びそれに用いるイソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤 - Google Patents

イソチオシアン酸エステルの蒸気を用いる物品の殺菌処理方法及びそれに用いるイソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤

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JPH03178902A
JPH03178902A JP2091564A JP9156490A JPH03178902A JP H03178902 A JPH03178902 A JP H03178902A JP 2091564 A JP2091564 A JP 2091564A JP 9156490 A JP9156490 A JP 9156490A JP H03178902 A JPH03178902 A JP H03178902A
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千明 大浜
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、イソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤、イ
ソチオシアン酸エステルの蒸気を用いる殺菌処理方法及
びイソチオシアン酸エステルを用いて殺菌処理を行うた
めの装置に関するものである。
(技術技術及びその問題点) 各種食品、レンズ等のガラス製品、皮ブーツ、皮ジャン
パー、毛皮コート等の皮革製品、デンプン系又はセルロ
ース系の塗料や糊等の製品においては、カビの発生が見
られ、それによって商品価値が著しく損われたり、ある
いは廃棄処理の必要にせまられる。
また、カビの発生はないにしても、有害微生物の増繁殖
によって、同様に商品の価値が著しく損われたり、ある
いは廃棄処理の必要にせまられる。
− 例えば、食品等においては、細菌の増w5殖による発酵
や食品中毒の問題が生じる。
従来、物品に対するカビの発生を防止するために、物品
を脱酸素剤とともに包装材料により密封包装し、包装物
内部の酸素濃度を1%以下に保持することが知られてい
る。この方法においては、好気性菌であるカビの発生は
これを効果的に防止することができるものの、食中毒や
発酵を生じる嫌気性菌等の増繁殖の防止には有効な手段
とはなり得ない。
また、カビの発生及び一般細菌の増繁殖防止のために、
物品をエタノール発生剤とともに包装材料により密封包
装し、包装物内部にエタノール蒸気を充満させることも
知られている。しかし、この方法では、使用するエタノ
ールが高価であるとともに、比較的多量で用いないと満
足し得る効果が得られない。
さらに、従来多くの防カビ剤や抗菌剤が知られているが
、これらの化学薬剤の殆んどは人体に対して毒性を有す
るものであることから、その使用にはきびしい制約を受
けるという問題がある。
従来、抗微生物作用(antimicrobial a
ction)を有する天然物は数多く知られており、特
に、わさびはすぐれた殺菌作用を有することが知られて
いる。
また、わさびの主成分であるイソチオシアン酸エステル
(以下、単にl5OTCとも略記する)を用いて食品の
殺菌処理を行うことも知られている。例えば、特開昭5
7−99182号公報には、l5OTCを油に溶解した
溶液を乳化剤の存在下で水中に乳化分散させた水性エマ
ルジョン組成物が記載されている。
この水性エマルジョン組成物は、食品を殺菌するために
、食品中に混入して使用される。しかし、食品に対して
このような水性エマルジョンを添加することは、食品の
風味を損うとともに、丁5OTCは食品中では分解しや
すいものであるため、好ましいことではない。また、特
開昭58−63348号公報には、l5OTCを約5重
量Zの割合で吸着させた孔径が5〜IOAの合成ゼオラ
イトを青果物とともに包装容器内に封入することにより
青果物を保存する方法が記載されている。ここで用いる
l5OTCを吸着7− したゼオライトは、大気中では有効量のl5OTCの蒸
気を放散しないもので、相対湿度が90力以上の高湿度
下において、空気中の水分を吸着し、それと同時にゼオ
ライl−が吸着していたl5OTCを蒸気として放散さ
せるものである。しかし、この公知の方法においては、
l5OTCの吸着剤として用いる細孔径が5〜IOAの
合成ゼオライI・は非常に高価であり、しかも、そのl
5OTCの吸着量は約5重量2という非常に低いという
問題点を含む。また、この公知のl5OTCを吸着した
合成ゼオライ1〜は、高湿度下でないとl5OTCの蒸
気を発生しないという欠点もある。従って、このような
l5OTCを吸着させた合成ゼオライ1へは、−殻内な
l5OTCの蒸気発生剤としは有効に利用することがで
きない。
以上のように、従来、わさびの主成分であるl5OTC
を用いる殺菌処理技術もいくつか知られているが、実用
的観点からはいずれも満足し得るものではなかった。
(発明の課題) 本発明の主な課題は、わさびの主成分であるl5OTC
を用いて、取扱いの容易なl5OTCの蒸気発生剤及び
これを含む各種製品を提供することにある。
本発明の他の課題は、l5OTCの蒸気を用いて、各種
物品を殺菌処理する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、l5OTCを用いて殺菌処
理を行うための装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決するために種々研究を重
ねた結果、l5OTCが油性液体であることに着目し、
これを30℃における蒸気圧が2mml(g以下の油性
液体に溶解させるとともに、その溶液中のl5OTCの
濃度をコントロールすることにより、工5OTCの蒸気
の発生量を有利にかつ微妙にコントロールし得ることを
見出すとともに、この溶液から放散したl5OTCの蒸
気を各種物品に接触させることにより、各種物品の効果
的殺菌処理を作業環境の格別の悪化を生じることなく、
有利に実施し得ることを見出した。
また、本発明者らは、前記l5OTC溶液を多孔性の吸
着剤に含浸させることにより、l5OTCの蒸気発生量
がコン1〜ロールされた取扱いの容易なl5OTCの蒸
気発生剤が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、前記l5OTC溶液をゲル状物
質に内包させたり、カプセル化物とすることによっても
、l5OTCの蒸気発生量がコン1−ロールされた取扱
いの容易なl5OTCの蒸気発生剤が得られることを見
出した。
さらにまた、本発明者らは、前記の如きl5OTCの蒸
気発生剤を用いることにより、殺菌作用を有する各種製
品が得られることを見出した。
さらにまた、本発明者らは、l5OTCの蒸気は、ポリ
エチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のプラス
チックフィルムに対して高いガス透過性を有することを
見出すとともに、このようなプラスチックフィルムで密
封包装した物品をl5OTCの蒸気と接触させることに
より、その物品を効果的に殺菌処理し得ることを見出し
た。
本発明によれば、30℃における蒸気圧が2mmHg以
下の油性液体中にl5OTCが0.01〜50重量2の
濃度で溶解している溶液多孔性物質に含浸させたl5O
TCの蒸気発生剤が提供される。
本発明によれば、前記工5OTC溶液のカプセル化物か
らなるl5OTCの蒸気発生剤が提供される。
本発明によれば、前記l5OTC溶液をゲル状物質に含
有させてなるl5OTCの蒸気発生剤が提供される。
本発明によれば、前記したl5OTCの蒸気発生剤を含
有する殺菌作用を有する各種製品が提供される。
本発明によれば、30℃における蒸気圧が2mmHg以
下の油性液体中にl5OTCが0.01〜50重旦zの
濃度で溶解している溶液又は該溶液を含有する固体状物
質からl5OTCの蒸気を発生させ、該蒸気を物品に接
触させることを特徴とする物品の殺菌処理方法が提供さ
れ。
本発明によれば、l5OTCの蒸気透過性材料で包装し
た物品をl5OTCの蒸気と接触させることを特徴とす
る物品の殺菌処理方法が提供される。
本発明によれば、殺菌処理室内にl5OTCを蒸気状又
は液滴微粒子状で導入して該殺菌処理室内にl5OTC
の蒸気を含む雰囲気を形成する工程と、該殺菌処理室内
に物品を装入する工程と、該殺菌処理室内において該l
5OTCの蒸気を含む雰囲気ガスとを接触させて殺菌処
理する工程と、該殺菌処理後、殺菌処理室内の雰囲気ガ
スを排出する工程と、該排出されたガスからそれに含ま
れるl5OTCの蒸気を除去する工程を含むことを特徴
とする物品の殺菌処理方法が提供される。
本発明によれば、l5OTCの蒸気を処理室内に導入す
るための導入管と処理室内の雰囲気ガスを排出するため
の排出管を備えた殺菌処理室と、該導入管と接続するl
5OTCを収容する貯蔵容器と、該排出管に接続するl
5O1’Cの蒸気除去装置を備えたことを特徴とする物
品の殺菌処理装置が提供される。
本発明でいう殺菌作用とは、抗微生物作用(antim
icrobial action)を意味するもので、
殺菌作用(germici、dal action)自
体の他、静菌作用(germistatic acti
on)をも包含するものである。また、11 菌(germ)には、細菌(bacteria)、カビ
菌(fungi)、胞子(spore)、藻(a14a
)及びその他の有害微生物が包含される。
本発明のl5OTCの蒸気発生剤は、それから発生する
丁5OTCの蒸気の強い殺菌作用を利用して、食品分野
の他、有害微生物の増繁殖が問題となっている各種の分
野に適用される。例えば、食品に対するカビの発生の防
止の他、ガラスやコンクリ−I・壁面等の各種固体表面
に増繁殖するカビの発生を防止するために用いられ、さ
らに、食品の腐敗や発酵を防止し、鮮度の劣化を防止す
るために用いられる。さらに、汗や皮脂のバクテリア分
解を防止することによって、腋臭、汗臭、足臭等の体臭
を消臭ないし防臭するために用いられ、またカビ菌を殺
菌抑制する効果によって水虫、タムシなどカビによる皮
ふ病の治療にも用いられる。
本明細書において言う物品とは、前記したように、食品
をはじめとした有害微生物の増繁殖が問題となる各種の
製品を包含するものである。
本発明におけるイソチオシアン酸エステル=12 (ISOTC)としては、イソチオシアン酸の脂肪族系
及び芳香族系の各種エステルが用いられるが、好ましく
は、イソチオシアン酸アリルエステル(C112=CI
IC112NC3)や、イソチオシアン酸アルキルエス
テル(RNC3,R:アルキル基)が用いられる。本発
明においては、カラシ油をそのまま用いることができる
次に、本発明を詳述する。
(1) 工5OTCの油性液体溶液の調製本発明による
l5OTCの蒸気を放散する溶液は、油性液体中にl5
OTCを溶解させた溶液からなる。
油性液体としては、温度30℃の蒸気圧(飽和蒸気圧)
が2mmHg以下、好ましくは1mm1g以下のものが
用いられる。このような蒸気圧の低い油性液体にl5O
TCを溶解させた溶液では、l5OTCの蒸発が著しく
抑制されるとともに、その溶液から放散される蒸気は油
性液体の蒸気を殆んど含まず、l5OTCの蒸気から実
質的に構成されるので、その蒸気を物品に接触させても
、油性液体の蒸気によるトラブルは生じない。一般には
、沸点180℃以」二、好ましくは200 ’C以上、
さらに好ましくは220℃以上の油性液体が有利に使用
される。油性液体としては、例えば、オリブ油、ゴマ油
、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、1ヘウモロコシ油
、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油
、カカオ脂、パーム油、チョウジ油、ヤシ油、牛脂、魚
油、硬化油、タードル油、卵黄油等の油脂類;液状ラノ
リン等のロウ類;流動パラフィン、流動ポリイソブチレ
ン、スフラワン等の炭化水素油;オレイン酸、リノール
酸、リシノール酸等の高級脂肪酸油:オクチルアルコー
ル、オレイルアルコール等の高級アルコール;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリ
ン等の多価アルコール;酢酸リノリン、ラウリン酸ヘキ
シル等のエステル油等が挙げられる。本発明で用いる油
性液体は、無臭ないし無臭に近いものの使用が好ましい
油性液体に対するl5OTCの溶解量は、l5OTCの
油性液体溶液中、0.01〜50重量2、好ましくは0
.1〜40重量Z重量品。
l5OTCは、少量でも強い刺激臭を与え、取扱いの困
難なものであるが、前記のような油性液体溶液とするこ
とにより、l5OTCの蒸発を効果的に抑制し、取扱い
の容易なものとすることができる。
このようなl5OTC溶液は、それ自体でl5OTC蒸
気発生剤として使用することができる。
l5OTCを油性液体に溶解する場合、必要に応じて各
種の補助成分を添加溶解させることができる。
このような補助成分としては、界面活性剤、高分子物質
、常温で固体状を示す高級アルコール、高級脂肪酸、脂
肪酸エステルもしくは油脂、着色剤、粘度調節剤、酸化
防止剤等を挙げることができる。
また、補助成分として、エタノールやプロピルアルコー
ル等の低級アルコールや、アセ1−ン、メチルエチルケ
トン、エーテル、酢酸エチル、ヘキサン等の低沸点溶媒
を少量添加して、油性液体からのl5OTCの蒸発量を
コン1−ロールすることもできる。
本発明によるl5OTCを含む油性液体は、l5OTC
を含有する種子又は細胞をそのまま又は粉砕した状15 態で油性液体中に分散させることによって得ることがで
きる。油状液体しこ対する種子又は細胞の分散量は、油
性液体中、1〜80重量2、好ましくは10〜60重量
ダである。このようなl5OTCを含む油性液体は、そ
の種子又は細胞を含む状態で使用することができる。
(2)固体状又はゲル状l5OTCの蒸気発生剤の調製
及びそのl5OTC蒸気発生剤を含む各種製品l5OT
Cの蒸気発生剤は、前記のl5OTCの油性液体溶液(
以下、単にl5TOC溶液とも言う)を多孔性物質に含
浸保持させることによって得ることができる。l5OT
Cをそれ自体で多孔性物質に含浸保持させると、l5O
TCの蒸発速度が速いために、l5OTCを多孔性物質
に含浸させる際に多量のl5OTCの蒸気が生威し、そ
のl5OTCの蒸気による作業環境の悪化が起るととも
に、多孔性物質に含浸保持させたl5OTCの蒸散性も
未だ大きく、多孔性物質に長期間にわたって安定に保持
させることが困難になる。
本発明によれば、このような困難は、l5OTCを前記
した油性液体に溶解した溶液として多孔性物質16 に含浸保持させることによって克服される。また、T、
S OT Cは水分と容易に反応し、貯蔵安定性に劣る
ものであるが、前記した油性液体の溶液とすることで、
この問題も解決される。
多孔性物質としては、吸着剤や充填材等として一般に使
用されているものを用いることができる。
このようなものとしては、ケイソウ士、黄土、粘土、タ
ルク、ゼオライト、アタパルジャイト、セピオライト等
の粘土又は粘土鉱物の他、活性炭、シリカ、シリカゲル
、アルミナ、マグネシア、シリカアルミナ、シリカマグ
ネシア、合成アルミノシリケート等が挙げられる。これ
らの多孔性物質としては、粉末状の他、ペレット状、球
状1円柱状、円筒状等の種々の形状のものを用いること
ができる。また、これらの多孔性物質としては、水分の
十分除去された焼成物質や乾燥物であることが望ましい
多孔性物質に対して溶液を含浸保持させるには、l5O
TC溶液を多孔性物質に添加混合する方法や、l5OT
C溶液を多孔性物質にスプレーする方法、l5OTC溶
液中に多孔性物質を浸漬する方法等がある。多孔性物質
に対するl5OTC溶液の含浸保持割合は、その多孔性
物質の飽和吸収量以下、通常、多孔性物質100重量部
に対し、1〜100重量部の割合であるが、その好まし
い含有量は、l5OTC溶液の種類や多孔性物質の種類
に応じて適宜法める。
本発明においては、l5OTC溶液を含浸保持させた多
孔性物質が粉末状の場合は、これを慣用の成形法により
成形し、タブレット状、球状、円柱状、ペレット状等の
各種形状の成形品とすることもできる。この場合の成形
法としては、打錠成形法、押出成形法等が用いられる。
この成形を行う場合、成形助剤が用いられるが、このよ
うな成形助剤としては、カルボキシメチルセルロース、
ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ等の有機系バ
インダーや、ペン1〜ナイト、カオリン、アルミナヒド
ロゲル、ケイ酸ヒドロゲル等の無機系バインダーが挙げ
られる。さらに、成形助剤として、各種短繊維、例えば
、石こうウィスカー等を用いることができる。さらに、
これらのl5OTC溶液を含む多孔性物質は、そのl5
OTC蒸散性をコントロールする目的で、その多孔性物
質の表面を、l5OTCの蒸気を透過させる樹脂でコー
ティングすることもできる。このようなコーティングに
より、多孔性物質からのl5OTCの蒸散をさらに抑制
することができる。
本発明による他のl5OTCの蒸気発生剤は、前記l5
OTC溶液をカプセル化することによって得ることがで
きる。この場合のカプセル化法としては、従来公知の各
種の方法が用いられる。例えば、2流体ノズルの外側ノ
ズルから高分子溶液及び内側ノズルからl5OTC溶液
を同時に水性媒体中に噴出する方法や、界面重合法等が
ある。また、l5OTC溶液又はl5OTC溶液を含浸
させた粉末状多孔性物質を、常温で固体状を示し、融点
が100℃以下、好ましくは40〜60℃の範囲にある
熱可融性物質の融液に添加混合した後、冷却固化し、粉
砕することによってカプセル化物とすることができる。
この場合、熱可融性物質としては、高級アルコール又は
そのエステル、高級脂肪酸又はそのエステル、9− 油脂、各種ワックス類等が挙げられる。さらに、常温又
は100℃以下の温度で液状を示す硬化性樹脂組成物(
エポキシ樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物等
)の溶融液中に、l5OTC溶液又はl5OTC溶液を
含浸させた粉末状多孔性物質を添加混合した後、冷却固
化し、粉砕することによってカプセル化物とすることも
できる。さらに、シクロデキストリン、尿素等の包接化
合物形成剤とl5OTC溶液とを反応させて包接化合物
状のカプセル化物とすることもできる。
本発明において、前記したl5OTC溶液、l5OTC
溶液を多孔性物質に含浸保持させたもの、l5OTC溶
液を含有する多孔性物質の成形品及びl5OTC?lj
液のカプセル化物は、包装材料で密封包装して使用に供
することができる。包装材料としては、その少なくとも
一部がl5OTCの蒸気に対して透過性を有するものが
用いられる。このような包装材料としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体等
のl5OTCの蒸気に対して透過性を有するプラスチッ
クで形成されたフィル0 ム、シート、容器等が挙げられる。l5OTCの蒸気を
透過させないようなプラスチックから形成された包装材
料であっても、これにレーザー光線等により微細孔を穿
設することによってl5OTCの蒸気を透過させる包装
材料として用いることができる。
その他、紙、不織布あるいはそれらの紙や不織布の表面
を加工したもの、あるいはl5OTCの蒸気に対して透
過性を有するプラスチックフィルムをラミネートした紙
、不織布、布状物等が用いられる。
本発明によるさらに他のl5OTCの蒸気発生剤は。
前記l5OTC溶液をゲル状物質に含有させることによ
って得ることができる。
ゲル状物質としては、従来公知の各種のものが使用され
る。このようなものとしては、寒天、カラギーナン、ゼ
ラチン、カルボキシメチルセルロース、糊、アルギン酸
、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる
。l5OTC溶液をゲル状物質に含有させる方法として
は、あらかじめ生成したゲル状物質にl5OTC溶液を
混合分散させる方法の他、ゲル状物質の製造時、特にゲ
ル状物質を製造するための原料にl5OTC溶液を添加
する方法等がある。ゲル状物質中のl5OTCの含有量
は、通常0.05〜20重量2、好ましくは0.5〜1
0重量%である。l5OTCの具体的含有量は、ゲル状
物質の使用目的に応じて適当に定める。l5OTC溶液
をゲル状物質に含有させる場合、l5OTC溶液をあら
かじめマイクロカプセル化物として使用することができ
る。
本発明による前記のゲル状l5OTCの蒸気発生剤は、
通常、これを撥水・撥油加工した紙の袋や、プラスチッ
クフィルムの袋や容器に充填包装して使用される。この
場合、プラスチックフィルムの袋や容器としては、l5
OTCの蒸気を透過させ得るものが用いられる。
本発明によれば、前記したl5OTCの蒸気発生剤を用
いることによって、殺菌作用を有する各種製品を得るこ
とができる。このような製品として、例えば、従来公知
の接着剤組成物、塗料組成物及びインク組成物等のコー
ティング組成物に対し、その配合成分として、前記した
l5OTC溶液、l5OTC溶液を含浸保持した粉末状
多孔性物質又はl5OTC溶液のカプセル化物を添加し
たものが提供される。
これらの組成物は液状又はフィルム状であることができ
る。これらのものは、殺菌作用を有するコーティング組
成物として、食品、包装材料、建築材料等の種々の分野
に利用される。
また、本発明によれば、前記したl5OTCを含むコー
ティング組成物を、紙、不織布、プラスチックフィルム
等のシート状物(フィルムを含む)に塗布したシー1〜
状物が提供される。この場合、塗布面はシート状物の片
面又は両面に存在させることができる他、複数枚のシー
ト状物の積層面に存在させることもできる。このような
シー1〜状物は、殺菌作用を有するシート状物として、
食品、包装材料、建築材料等の各種の分野において利用
される。
さらに、本発明によれば、前記したl5OTC溶液を含
浸保持させた粉末状の多孔性物質を接着剤とともに木材
粉末や木材チップ等の繊維質に混合し、板状に成形する
ことにより、殺菌作用を有するボ23 一ト(ハードボード、セミハードボード、インシュレー
ションボード、パーティクルボード等)を得ることがで
きる。また、前記丁5OTC溶液含有粉末状多孔性物質
を、パルプ粉末や木材粉末等の粉末とともに焼石コラと
混合し、板状に成形することにより、殺菌作用を有する
石コウボードを得ることができる。さらに、l5OTC
溶液を含浸保持させた粉末状多孔性物質を常温又は低温
硬化性の樹脂組成物、例えば、エポキシ樹脂組成物や、
不飽和ポリエステル樹脂組成物に添加混合し、板状に成
形硬化することにより、殺菌作用を有するプラスチック
ボードを得ることもできる。これらのものは、殺菌性、
防カビ性ボード(板状物)として建材の分野に応用する
ことができる。
本発明によるl5OTCを30℃における蒸気圧が2m
mHg以下の油性液体に溶解させた溶液は、l5OTC
の蒸散性が著しく抑制されたものであることから、非常
に取扱いの容易なものである。しかも、このl5OTC
溶液においては、l5OTCを長期間にわたって徐々に
蒸散させることができるので、丁5OTCの蒸24− 気発生効果の持続性の点でも非常にすぐれている。
従って、このような溶液は、それ自体でl5OTCの蒸
気発生剤として使用し得る他、それから蒸散されるl5
OTCの蒸気の殺菌性に基づいて、殺菌剤、防カビ剤、
鮮度保持剤、脱臭剤等として各種の分野に利用すること
ができ、さらに、殺菌作用を有する機能性材料として各
種の分野に利用することができる。
また、前記l5OTC溶液を含浸保持させた多孔性物質
や前記l5OTC溶液のカプセル化物においては、l5
OTCの蒸散性はさらに抑制されたもので、l5OTC
を徐放する固形状薬剤として、食品、包装材料、建築材
料等の各種の分野において利用することができる。
さらに、前記l5OTC溶液、このl5OTC溶液を含
浸保持させた多孔性物質又はl5OTC溶液のカプセル
化物を配合したコーティング組成物は、殺菌作用を有す
る機能性組成物として各種の分野に利用され、その塗布
物からはl5OTCの蒸気が徐々に放出され、所望の殺
菌効果を得ることができる。
さらにまた、前記コーティング組成物を適用したシート
状物は、そのシート状物からl5OTCが徐々に蒸散さ
れ、殺菌性、防カビ性、鮮度保持性、脱臭性を有する機
能性シー1〜状物として、食品、包装材料、印刷材料、
建築利料等の各種の分野において利用される。
本発明による■5OTC溶液を含有するゲル状物質は、
丁5OTCの蒸発性が著しく抑制され、長期間にわたっ
てこれを徐々に放出するので、その殺菌効果の持続性の
点において非常にすぐれており、食品分野等において有
利に利用される。
(3)殺菌処理方法及び装置 本発明による物品の殺菌処理方法は、物品をl5OTC
の蒸気と接触させる工程を含む。物品と接触させるl5
OTCの蒸気の全ガス中濃度は5ppm(v/v)以上
、その□ガス中の飽和濃度以下であるが、通常、220
−5000pp、好ましくは550−1O00ppであ
り、物品に応じて適当に決めればよい。接触時間は、ガ
ス中のl5OTCの濃度にもよるが、l5OTCの蒸気
濃度が20ppm以」二の条件で、0.1−60分、好
ましくは0.5〜30分であり、対象物品に応して適当
に決めればよい。
本発明において、TSOTCの蒸気と接触させる物品は
、ポリエチレンや、ポリプロピレン、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体等のプラスチック包装材料で包装されてい
てもよい。本発明者らの研究によれば、I S OT 
Cの蒸気は、前記した如きプラスチック製包装材料に対
して高いガス透過性を有することを見出すとともに、こ
のような包装材料で包装した物品は、殺菌処理後、有害
菌による二次汚染を受けることがなく、その包装状体を
維持する限り、物品を有害菌の影響から効果的に保護し
得ることを見出した。
包装された物品と接触させる工5OTCの蒸気のガス中
濃度は、未包装の物品を処理する場合の濃度よりも高く
することが好ましく、通常、100〜5000ppmで
ある〇 物品を包装するための包装材料は広く解釈され、フィル
ムやシート状物の他、各種形状の容器が包含される。本
発明における好ましい物品の包装力27− 法を示すと、例えば、袋状物の内部に物品を収容させ包
装する方法、I・レー等の開口容器に物品を入れ、その
開口部をフィルムにより密封する方法、物品をトレー等
の開口容器に入れ、その全体をフィルム包装する方法、
物品を箱体に入れ、その全体をフィルム包装する方法、
液状物品をプラスチック容器に入れ、蓋をして密封する
方法等が挙げられる。
なお、本発明における物品の包装とは、物品を有害微生
物による二次汚染から防止し得る程度の包装形態を含む
ものであって、包装内部の物品を外気から完全に遮断す
るような完全密封のみを意味するものではない。
物品の包装に用いる包装材料は、その少なくとも一部が
l5OTCの蒸気に対して透過性を有するものである。
このような包装材料としては、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プ
ロピレン共重合体等のl5OTCの蒸気に対して透過性
を有するプラスチックで形成されたフィルム、シート、
容器等が挙げ=28 られる。l5OTCの蒸気を透過させないような材料(
アルミホイルやナイロン等)から形成された包装材料で
あっても、これにレーザー光線等により微細孔を穿設す
ることによってl5OTCの蒸気を透過させる包装材料
として用いることができる。物品の包装に用いる包装材
料としては、その他、紙、不織布あるいはそれらの紙や
不織布の表面を加工したもの、あるいはl5OTCの蒸
気に対して透過性を有するプラスチックフィルムをラミ
ネートした紙、不織布、布状物等が挙げられる。
本発明による殺菌処理を行うには、未包装の物品又は包
装された物品をl5OTCの蒸気を含むガスと接触させ
る。このための方法としては、包装物を気密室に入れ、
この気密室にl5OTCを蒸気として導入するか又は液
状で噴霧する方法がある他、あらかじめl5OTCの蒸
気を存在させた気密室内に包装物を入れ、一定時間経過
後、これを取出す方法等がある。簡易な方法としては、
大型のプラスチック袋に物品を入れ、さらにその袋の内
部にl5OTCを液体噴霧するかあるいはl5OTCの
蒸気発生剤を投入する方法等がある。
l5OTCの蒸気を発生させるためには、TSOTC自
体の他、前記で示した如きl5OTC溶液又はl5OT
C溶液を含有する各種固体状物質を用いることができる
l5OTC溶液やそれを含む固体状物質からは、TSO
TCの蒸気がコン1−ロールされた量で徐々に放出され
る。
包装された物品を前言己のようにしてl5OTCの蒸気
と接触させて処理すると、包装内部へI S OT C
,の蒸気が侵入するが、この侵入したl5OTCの蒸気
は、殺菌処理終了後には、逆に包装利料を透過し、徐々
に外部へ放散する。物品に対する殺菌効果の点からは、
包装内部におけるl5OTCの蒸気の濃度は高く、かつ
その存在時間はできるだけ長い方が好ましい。一般的に
は、包装内部において、l5OTCの蒸気を、lopp
m以上の濃度で、10分以上存在させることが好ましい
。また、包装内部におけるl5OTCの蒸気濃度は、l
5OTCの蒸気が外部へ徐々に放散されることから、時
間の経過とともにしだいに低下して行くが、このような
l5OTC蒸気の濃度の低下は、包装内部にあらかじめ
吸着剤を同封することによってコントロールすることが
てきる。
すなわち、吸着剤をあらかじめ包装物内へ封入しておく
時には、包装された物品をl5OTCの蒸気と接触させ
る処理において、この吸着剤がl5OTCの蒸気を吸着
保持し、そして、その処理後には、その吸着したTSO
TCの蒸気を放出し、包装物内部におけるl5OTCの
蒸気濃度及びその蒸気濃度の保持時間をコントロールす
ることができる。包装内にl5OTCの蒸気が長期間に
わたって包装内に存在することは、その蒸気が物品中に
過度に移行し、物品の性状を損う等の問題を生じるので
好ましくない。一般的には包装材料の種類や吸着剤の量
等を選んで、48時間以内にl5OTCの蒸気濃度が1
0ppm以下になるように設計するのが好ましい。
未包装の物品は、これを殺菌処理後、包装材料で包装す
ることによって、有害菌による二次汚染から防止するこ
とができる。処理後の物品にl5OTCの蒸気が過度に
移行し、それより物品の性状が損われるおそれがある時
には、物品を吸着剤ととともに包装し、過剰の丁5OT
Cの蒸気をその吸着剤に吸着させるのが好ましい。吸着
剤としては、前記した如き各種の多孔性物質を用いるこ
とができる。
前記のようにして得られた殺菌処理を受けた物品の包装
物は、包装物内部のl5OTCの蒸気が時間の経過とと
もに徐々に外部へ放散され、包装物が流通販売される間
にほとんどなくなることから、包装物を開封した時に、
l5OTCの強い刺激臭を感じるようなことはない。
本発明による物品の好ましい殺菌処理方法によれば、殺
菌処理室内にl5OTCを蒸気状又は液滴微粒子状で導
入して該殺菌処理室内にl5OTCの蒸気を含む雰囲気
を形成する工程と、殺菌処理室内に物品を装入する工程
と、該殺菌処理室内において該物品と該l5OTCの蒸
気を含む雰囲気ガスとを接触させて殺菌処理する工程と
、該殺菌処理後、殺菌処理室内の雰囲気ガスを排出する
工程と、該排出されたガスからそれに含まれるl5OT
Cの蒸気を除去する工程を含むことを特徴とする物品の
殺菌2− 処理方法が提供される。
また、本発明によれば、l5OTCを処理室内に導入す
るための導入管と処理室内の雰囲気ガスを排出するため
の排出管を備えた殺菌処理室と、該導入管と接続するl
5OTCを収容する貯蔵容器と、該排出管に接続するl
5OTCの蒸気除去装置を備えたことを特徴とする物品
の殺菌処理装置が提供される。
以下、この殺菌処理方法及び装置について詳述する。
この方法及び装置においては、殺菌処理室(本明細書で
は単に処理室ともいう)を用いる。この殺菌処理室は、
その内部に所要の物品を装入し得る空間部を有するとと
もに、内部ガスが外部へ流出しないように密閉性のもの
であればよい。この殺菌処理室には、l5OTCを蒸気
状又は液滴微粒子状で導入するため導入管と、処理室内
の雰囲気ガスを外部へ排出するための排出管を各付設す
る。
また、処理室の構造は、物品の殺菌処理を連続方式によ
り行うか又はバッチ方式により行うかによって適当な構
造とする。連続方式により行う場合には、処理室には物
品の入口部と出口部を設けるとともに、入口部と出口部
との間を循環走行するコンベアを設ける。この場合、入
口部及び出1」部は、処理室内の雰囲気ガスが外部へ流
出するのを防止するために、密閉性構造とし、入口部に
おいては物品が入る時及び出口部においては物品が出る
時のみに開口する構造のものとする。このような密閉性
構造の人口部及び出口部は従来公知の手段によって構成
することができる。例えば、処理室内の入口部及び出口
部を合成ゴムシートやプラスチックシート等からなるカ
ーテンを用いて仕切ることにより密閉性構造とすること
ができる。
一方、物品の殺菌処理をバッチ方式で行う場合には、処
理室には、物品を間欠的に出し入れする密閉性の扉を付
設する。
また、処理室のl5OTC導入管には、l5OTCを蒸
気状、液状又は固体に含浸させた状態で収容する貯蔵容
器を、必要に応じ、混合器や加熱器等を介して接続させ
、ここから殺菌処理に必要なl5OTCを液滴微粒状又
は蒸気状で供給する。
本発明の物品の殺菌処理方法は、前記した殺菌処理室に
対し、物品を装入する工程(A)と、l5OTCを蒸気
状又は液滴微粒子状で導入して処理室にl5OTCの蒸
気を含む雰囲気を形成する工程(B)を含む。
殺菌処理を連続方式で行う時には、処理室内にl5OT
Cを導入する工程(A)を先に行い、次に物品を処理室
内に導入する工程(B)を行う。一方、殺菌処理をバッ
チ方式により行う時には、物品を処理室に装入する工程
(B)を先に行い、次いでl5OTCを導入する工程(
A)を行う。
l5OTCは、処理室に対して、その導入管を介して貯
蔵容器からl5OTCを蒸気状又は液滴微粒子状で導入
する。蒸気状で導入する場合は、l5OTCをあらかし
め気化してl5OTCを含むガスを形成する。
一方、液滴微細状で導入する場合は、l5OTCを混合
ノズルを介してガスとともに処理室内に噴出させる。前
記ガスとしては、空気の他、窒素ガス、炭酸ガス等が挙
げられる。
l5OTCを気化させ、l5OTCの蒸気を含むガスを
形5 或する方法としては、液状のl5OTC又はその溶液を
加熱して形成した蒸気をガスと混合する方法、l5OT
Cの蒸気発生剤からl5OTCの蒸気を発生させ、これ
をガスと混合する方法、1:5OTCの液中にガスを通
過させ、ガス中にl5OTCの蒸気を同伴させる方法等
がある。ガス中に含まれるl5OTCの蒸気濃度は、5
ppm以上であり、その上限値はガス中の飽和蒸気圧に
対応する量であり、一般には10〜5000ppmであ
る。エゼクタ−を用いてガス中にl5OTC又はその溶
液を吸引混合させる時には、l5OTCの蒸気と液′a
微粒子を含むガスが得られ、このガスを処理室に導入す
ることも有効な方法である。
前記物品の殺菌処理方法は、処理室内において、物品と
l5OTCの蒸気を含む雰囲気ガスとを接触させる工程
(C)を含む。この場合、処理温度は、物品の種類にも
よるが、−殻内には、0〜100℃、通常、20〜60
℃であるが、生鮮食品の場合には、常温あるいはO〜1
5℃程度の低温が採用される。処理圧力は特に制限され
ず、減圧ないし加圧が採用されるが、好ましくは常圧な
いし減圧である。殺菌36− 処理を連続方式で行う場合には、処理室の入口及び出口
部の開閉に際しての雰囲気ガスの外部への流出を防止す
るために、特に水柱で一5mm〜50 m mf’l。
度の減圧を採用するのが好ましい。処理室内の雰囲気ガ
スは、l5OTCの蒸気が全体的に均一になるように、
雰囲気ガスを処理室の1つの個所より抜出し、これを他
の個所に導入するによって、あるいはファンを設置し、
これを回転させること等によって、処理室内の雰囲気ガ
スを均一に撹拌するのが好ましい。
前記殺菌処理方法は、処理室における物品の殺菌処理が
終了した後に、処理室内の雰囲気ガスを排出する工程(
D)と、排出したガスからそれに含まれるl5OTCの
蒸気を除去する工程(E)を含む。処理室からの雰囲気
ガスの排出は吸引ポンプにより行うことができ、排出さ
れたガスからのl5OTCの蒸気の除去は、冷却器や、
吸着塔等の装置を用いて行うことができる。冷却器とし
ては、ガスの温度を処理室の温度以下、特に0℃付近の
温度までに冷却し得る構造のものであれば任意のものが
用いられる。吸着塔としては、活性炭や、セピオライ1
−、シリカ、アルミナ等のガス吸着剤を充填したものが
用いられる。ガス中からのl5OTCの蒸気を完全に除
去するために、冷却器と吸着塔を結合させることは有効
な方法である。
次に本発明を図面によりさらに詳細に説明する。
第1図は物品の殺菌処理の実施説明図を示す。
第2図は物品の殺菌処理を実施するための装置系統図を
示す。
第1図において、■、4はブロワ−12はl5OTC蒸
気発生室、3は殺菌処理室、5はl5OTCの蒸気吸着
装置を示す。l5OTC蒸気発生室2は、その内部に丁
5OTCを収容する構造のものである。この場合、l5
OTCは、溶液状又はゲル状で存在させることができる
し、また、多孔性物質に含浸させた状態で存在させるこ
ともできる。l5OTCの蒸気を発生し得るものであれ
ば、その形態は特に制約されない。
l5OTCの蒸気吸着装W5は、その内部に吸着剤を有
するもので、導入されたガスからそれに含まれるl5O
TCの蒸気を吸着除去するものである。吸着剤としては
、一般には、活性炭やセピオライト、ケイソウ土、アル
ミナ、シリカ、シリカゲル、シリカ・アルミナ、マグネ
シア、ゼオライト等が用いられるが、l5OTCの蒸気
に吸着作用を有するものであればどのようなものでも使
用可能である。
物品の殺菌処理を行うには、ブロワ−1を作動させ、ガ
スをライン6を介して蒸気発生室2を流通させ、l5O
TCの蒸気を含んだガスをライン10を通して抜出すと
ともに、このガスを物品の収容されている殺菌処理室3
内に導入する。l5OTCの蒸気を搬送するためのガス
としては、通常、空気が用いられるが、窒素ガスや炭酸
ガスであってもよい。
l5OTC蒸気発生室2から排出されるガスは、その−
部をライン11.バルブ12を通してライン9に再循環
させることにより、ラインlOを通るガス中のl5OT
Cの蒸気濃度を調節することができる。
殺菌処理室3内のガス中に所要濃度のl5OTCの蒸気
が混入した時に、ブロワ−1を停止するとともに、バル
ブ13を閉じて殺菌処理室内を密閉状態に保持する。こ
の状態を一定時間保持して、物品へ9− のl5OTCの吸着処理を行う。殺菌処理室3内には、
ファンを付設して、室内の空気を流動させて、l5OT
Cの蒸気の室内における拡散を促進させるのが好ましい
。殺菌処理室内のl5OTCの蒸気濃度は、容積基準で
、55−5000pp (v/v)、好ましくは10〜
2000ppm (v/v)である。処理時間は、物品
の十分な殺菌効果が得られる時間であり、物品の種類及
び殺菌処理室内のl5OTCの蒸気濃度により変化し、
一義的には決められないが、一般には、1〜60分、好
ましくは5〜20分という短い時間で十分である。
殺菌処理の終了後は、バルブ15を開くとともに、ブロ
ワ−4を作動させ、殺菌処理室内のガスを吸着装M5を
介してライン22より大気へ排出する。
この場合、処理室内が減圧化されるのを回避するために
、殺菌処理室には別途バルブを付設し、このバルブを大
気に開放するのがよい。吸着装置5では、その中に含ま
れる吸着剤の作用によりガス中に含まれるl5OTCの
蒸気が吸着除去される。この吸着装置におけるガスの接
触時間は、その吸着除去が十分に遠戚される時間であれ
ばよく、その0− 接触時間は、ライン18を通って吸着装置5から抜出さ
れるガスの一部をライン]9及びバルブ20を通ってラ
イン17に再循環させることにより調節することができ
る。殺菌処理室3や吸着装置5は、これに加熱機構や冷
却機構を付設し、その温度をコントロールすることがで
きる。また、吸着装置において、その吸着剤が飽和吸着
に達した時には、これにスチーム等の加熱媒体を流通さ
せて再生することができる。
本発明において、殺菌処理室内のガス中へのl5OTC
の混入は、前記した蒸気発生室において気化したl5O
TCの混入によらず、l5OTCを液状又は溶液状で直
接ガス中にスプレーし、ガス中で気化させることによっ
て行うこともできる。また、l5OTCのガス中からの
分離除去は、吸着剤によらず、固体状アミン等のl5O
TCに対して化学反応性を有する物質を用いて化学反応
的に行うこともできる。
殺菌処理室3としては、密閉性構造のものであれば任意
のものが用いられる。また殺菌処理室3に対しては、l
5OTCの蒸気を含むガスは、前記のように間欠的に導
入せずに、連続的に導入し、そしてライン14を介して
連続的に抜出すこともできる。この場合、ライン14か
ら抜出されたガスは、その一部を流量バルブを介して処
理室3に再循環させることもできる。
殺菌処理室3内における物品の殺菌処理は、連続方式又
はバッチ方式で行うことができる。連続方式で行う場合
には、物品を殺菌処理室3内を一定速度で通過させれば
よい。
第2図において、■は殺菌処理室、2はl5OTC蒸気
発生室、3はブロワ−54はガス分配器、5はl5OT
C吸着装置を示す。
殺菌処理室1とl5OTC蒸気発生室2との間は、開閉
バルブ7を有する配管6で連結され、殺菌処理室1とブ
ロワ−3との間は開閉バルブ12を有する配管11で連
結されている。ブロワ−3とガス分配器4との間は、開
閉バルブ15を有する配管14で連結されている。
なお、ガス分配器としては、例えば1両端封止した大口
径のパイプに、ガス導入管とガス排出管を付設した如き
構造のもの(ヘッダーパイプ)等を用いることができる
ガス分配器4とTSOTC吸着装置5との間は開閉バル
ブ17を有する配管16で連結されている。ガス分配器
4とl5OTC蒸気発生室2との間は開閉バルブ19を
有する配管18で連結されている。ガス分配器4ど殺菌
処理室lとの間は、開閉バルブ21を有する配管20で
連結されている。さらに、ブロワ−の下流側と上流側と
の間には、ガス流量コントロールバルブ25を有する配
管24で連結され、ブロワ〜3によるガス移送量をコン
トロールできるようになっている。
なお、各開閉バルブの操作は、制御盤により、電気的に
操作し得るようになっている。
前記装置を用いて物品の殺菌処理を行うには、先ず、殺
菌処理室1の開閉扉10を開き、その内部に所要の物品
を入れ、扉10を密閉する。次に、バルブ9、バルブ1
7、バルブ21を閉じ、バルブ7、バルブ12、バルブ
15、バルブ19を開いた状態にして、ブロワ−3を作
動させる。このブロワ−3の作動に3− より、殺菌処理室1内の雰囲気ガス(空気)が流動化さ
れ、ブロワ−3、ガス分配器4、l5OTC蒸気発生室
2及び殺菌処理室1で形成される循環系を連続的に循環
する。このガス循環によって、l5OTC蒸気発生室2
で気化したl5OTCの蒸気が循環ガスに同伴されて殺
菌処理室1に導入され、時間の経過とともに、殺菌処理
室内のl5OTCの蒸気濃度が上昇する。このl5OT
Cの蒸気濃度が所定値に達した時に、バルブ21を開く
とともに、バルブ7及びバルブ】9を閉じ、所定濃度の
l5OTCの蒸気を含むガスをl5OTC蒸気発生室を
通さないで循環させる。ガス中のl5OTCの蒸気濃度
の検知は、殺菌処理室1又は配管11に濃度計を付設し
て行うことができる。
この場合、濃度計としては、ガスクロマトグラフィー型
や、電気伝導度測定型等の従来公知の方式のものを用い
ることができる。
次に、所定時間経過後、バルブ17を開くとともに、バ
ルブ9を開き、一方、バルブ19、バルブ21を閉じる
。このバルブ開閉操作はタイマーにより自動的に行うこ
とが可能である。これにより、パ4 一ジガスが配管8から殺菌処理室1内に導入される。
パージガスとしては、空気を使用し得るが、除菌空気や
窒素ガスの使用が好ましい。このパージガスは、殺菌処
理室1内を通った後、配管11から抜出され、ブロワ−
3、ガス分配器4を通り、丁5OTC吸着装@5に導入
され、ここでガス中に含まれていたl5OTCの蒸気が
吸着除去される。l5OTCの蒸気が除去処理されたガ
スは排ガスとして配管30により抜出され、大気へ放出
される。排ガス中のl5OTCの蒸気の濃度が所定値ま
で低下した時に、ブロワ−3を停止させ、扉10を開い
て内部の殺菌処理済みの物品を取り出す。このようにし
て、殺菌処理操作が終了する。前記の操作を繰返し行う
ことにより、物品の殺菌処理をさらに継続することがで
きる。
第2図においては、バッチ方式の処理装置を示したが、
殺菌処理室として、連続的に物品を出し入れし得る構造
のものを用いることにより、連続方式の処理装置として
適用することができる。この場合の基本操作は前記と同
様であるが、殺菌処連室には一定濃度のl5OTCの蒸
気を含むガスを連続して供給する必要がある。このため
には、ガス分配器4と殺菌処理室1との間を第2図に示
すようにガス流量コン1〜ロール機能を有する開閉バル
ブ21を有する配管20で連結し、ガス分配器4に導入
された空気の一部をこの配管を通して殺菌処理室に導入
するとともに、この配管20を通るガス流量と、配管1
8を通るガス流量との割合をコン1ヘロールすればよい
前記のような殺菌処理によれば、食品をはじめとした各
種の物品を安価でしかも安全かつ効率よく殺菌処理する
ことができる。この場合、処理室におけるl5OTCの
蒸気を含むガスは、殺菌処理終了後、パージガスととも
にl5OTC吸着装置に送られ、ここでl5OTCが吸
着除去された後大気へ放出されることから、作業時にそ
の強い刺激臭を感じるようなことはなく、作業環境の悪
化が防止される。
(実施例) 次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
の実施例によって制限されるものではない。なお、以下
において示す部及びぢはいずれも特記しない限り重量基
準である。
実施例1 イソチオシアン酸アリルエステルを油性液体としての食
用油(大豆油)に溶解して1sOTc溶液を得た。
次に、この溶液について、そのイソチオシアン酸アリル
エステルの経過時間に対する蒸散度合いを官能により試
験した。この場合の試験は、l5OTC溶液5gをシャ
ーレ(寸法:直径75mm、高さ20mm)に入れ、常
温においてそのシャーレから蒸発する臭いの強さを以下
に示す評価基準で判定した。その結果を表−3に示す。
◎・・・刺激臭が目にしみる ○・・辛子臭がする Δ・・・かすかに辛子臭がする ×・臭わない なお、比較のために、前記と同一寸法のシャーレにイソ
チオシアン酸アリル0.05gを入れ、同様47 に試験を行ったところ、目にしみる刺激臭が30分間に
わたって生じ、1時間目では全く臭わなくなった・ 表−1 実施例2 イソチオシアン酸アリルを種々の濃度でコーンオイルに
溶解し、このl5OTC溶液約9gを直径85+nm(
底面積56.7J)、高さ15+amのシャーレに入れ
、このシャーレを30℃の密閉系の恒温槽(容積88Q
)に入れてイソチオシアン酸アリルの蒸発量の経時変化
を調べた。その結果を表−2に示す。表−2に示された
イソチオシアン酸アリルの蒸発量は、測定開始時にシャ
ーレ中に存在する溶液100重量部に対48− するイソチオシアン酸アリルの蒸発重量部である。
表−2 実施例3 イソチオシアン酸アリルを濃度50%でコーンオイルに
溶解したl5OTC溶液40部を、焼成ケイソウ上の粒
状物(直径:約1mm、長さ:約3.5mm)1.00
部に含浸させて、l5OTCの蒸気発生剤を作り、これ
を用いて実施例□2と同様にしてl5OTCの蒸気量の
経時変化を調べた。その結果を表−3に示す。表−3に
示された蒸発量は、測定開始時にシャーレ−中に存在す
るl5OTCの蒸気発生剤100重量部に対するイソチ
オシアン酸アリルの蒸発重量部である。
表−3 実施例4 イソチオシアン酸アリルを5o(v/v)%、20(v
/v)%、10(v/v)%及び5(v/v)%の濃度
でコーンオイルに溶解して溶液を作り、この溶液から発
生する蒸気を試験対象のカビ菌に密閉空間内(室温)で
a露させた後、28℃で3日間インキュベーションして
カビの繁殖状況を調べた。結果を表−4に示す。
試験対象かび菌は、JIS Z 2911−1981r
がび抵抗性試験方法」で指定された菌株;ペニシリウム
フニクロスム(Penicjllium Funicu
losum Thom IFO6345、青カビ属)(
表−4において菌種Aとして示す)、ケドミウムグロボ
スム(Chaetomiun globosum Ku
nze 8x Fr1es IFO6347、ケトミウ
ム属)(表−4において菌種nとして示す)、グラトス
ボリウムクラドスポリオイデス(Cladospori
um cladosporioljdes(Frese
nius) de vries IFO6348(FE
RMS−8;TAM F517)、クロカワカビ属)(
表−4において菌種Cとして示す)の3種の真菌類であ
る。
なお、前記の3種のカビ菌は、いずれも、50 (v/
V)%のl5OTC溶液からの蒸気で15分間、5(v
/v)%のl5OTC溶液からの蒸気で120分間の暴
露で完全に死滅していた。
表−4 実施例5 1− 約3Q容器の一方に魚の干物(アジ)を入れ、他の一方
は魚の干物(アジ)の他にイソチオシアン酸アリルの1
%大豆油溶液1(lccを容器に入れ、開放のまま収納
し、それぞれフタをする。室温で時間の経過と共に時々
干物を外にとり出してその臭気を調べた。その結果、イ
ソチオシアン酸アリル溶液とともに収納した干物は、6
日目でも干物独特の生ぐささが保持され、干物の鮮度は
良好であったが、一方、干物のみを収納したものでは、
腐敗臭が感じられ、その鮮度は劣っていた。
実施例6 実施例5において、干物の代りに切もちを用いた以外は
同様にして試験を行った。その結果、切もちのみを収納
したものでは、3日目でカビが発生したが、イソチオシ
アン酸アリル溶液とともに収納したものでは1力月目で
もカビの発生は見られなかった。
実施例7 辛子種子30重量部を食用油(大豆油)70重量部に添
加混合した。この作業は、辛子種子が殆んどイ52− ソチオシアン酸エステルの刺激臭を生じないことから、
作業環境の悪化を生じることなく容易に実施することが
できた。
次に、このl5OTC溶液について、そのイソチオシア
ン酸アリルエステルの経過時間に対する揮散度合いを官
能により試験した。この場合の試験は、l5OTC溶液
20gをシャーレ(寸法:直径70mm、高さ151)
に入れ、常温においてそのシャーレから揮散する臭いの
強さを以下に示す評価基準で判定した。
その結果を表−5に示す。
◎・刺激臭が目にしみる ○・・・辛子臭がする △・・・かすかに辛子臭がする ×・・・臭わない 表−5 なお、 比較のために、 前記と同一寸法のシャー しにイソチオシアン酸アリル0.05gを入れ、同様に
試験を行ったところ、目にしみる刺激臭が30分間にわ
たって生じ、1時間後には全く臭わなくなった・ 実施例8 イソチオシアン酸アリルエステルを市販の食用油(大豆
油)に溶解し、濃度1〜10%の溶液を得た。
このl5OTC溶液10部を、カラギーナン5%と、水
95%とから得られたカラギーナンゲル100部に均一
に混合分散させてイソチオシアン酸アリルエステルを含
むゲル状物を得た。
次に、このゲル状物については、そのイソチオシアン酸
アリルエステルの経過時間に対する揮散度合いを官能に
より試験した。この場合の試験は、ゲル状物質5gをシ
ャーレ(寸法:直径75 m m、高さ20mm)に入
れ、常温においてそのシャーレから揮発する臭いの強さ
を以下に示す評価基準で判定した。
その結果を表−6に示す。
◎・・・刺激臭が目にしみる Q・・・辛子臭がする △・かすかに辛子臭がする ×・・・臭わない なお、比較のために、前記と同一寸法のシャーレにイソ
チオシアン酸アリル0.05gを入れ、同様に試験を行
ったところ、目にしみる刺激臭が30分間にわたって生
じ、1時間目では全く臭わなくなった・ 表−6 実施例9 実施例8の試料Nn4のゲル状物質の10gをビー力に
入れ、これを市販の密封性透明プラスチック容器(寸法
:縦150+nm、横200+n+n、高さ150mm
)に入れ、さらに市販切もち1個を入れた後、蓋をして
密封し、常温に放置した。
5− また、比較のために、ゲル状物質を用いない以外は前記
と同様にして実験を行った。
前記切もちの保存試験の結果、本発明のゲル状物質を用
いない比較試験では保存後3日目でカビの発生が見られ
たが、本発明のゲル状物質を用いた試験では30日間の
保存でももちの表面にはカビの発生は認められなかった
。このことから、本発明のゲル状物質は、すぐれた防カ
ビ性を有することがわかるとともに、すぐれた殺菌性を
有し、さらにすぐれた鮮度保持性を有していることがわ
かる。
実施例10 実施例9において、切もちに代えて食パンを用いた以外
は同様にして実験を行った。その結果、本発明のゲル状
物質を用いない比較試験では保存後3日目でカビの発生
が見られたのに対し、本発明のゲル状物質を用いた試験
では30日間の保存でもカビの発生は見られなかった。
実施例11 (1)試料の作成 56− 食パンを厚さ1cmに切り、A、n、Cの3組の試料を
作った。
A組: 1.00pm厚のポリエチレン袋3枚に1枚づ
つ食パンを入れて熱融着で封入したもの。
n組=100μm厚みのポリエチレン袋3枚に1枚づつ
食パンを入れる。その各々に、大豆油20ccにイソチ
オシアン酸アリル10%を混合したl5OTC溶液を厚
み30pmのポリエチレンに封入した袋を入れて熱融着
により密封する。
0組: 100%l厚みのポリエチレン袋3枚に1枚づ
つ食パンを入れて脱気、熱融着で封入する。この3枚の
袋を内容積約2Qの密閉容器中に入れる。この密閉容器
内には約5ccのイソチオシアン酸アリルを25℃で保
持してあり、揮発したイソチオシアン酸アリルで充濶出
来る様にしである。食パンの封入された袋は夫々この中
で1時間保持する。
(2)実験結果 前記A、B、Cの組の袋のそれぞれ3個、合計9個を室
温で放置し、包装された食パンに異状が発生するか否か
観察した。その結果を表−7に示す。
表−7 (注)−二カビ発生なし 十:1〜2個のカビ発生 +:3〜4個のカビ発生 ++I:5個以上のカビ又は直径1cm以上の円形状の
カビの広がりが発生 実施例12 内部に乾燥室を有するとともに、壁部に排気口と外気導
入口を有し、さらに密閉性扉を有するバッチ方式の市販
の小型減圧乾燥装置を用意し、この装置の排気口に活性
炭を充填した吸着剤を介して真空ポンプを接続するとと
もに、その外気導入口に、内部にイソチオシアン酸アリ
ルを含浸させたセピオライ1〜粉体(ISOTCの蒸気
発生剤)を充填し、容器壁部にガス排出管を有するl5
OTC貯蔵容器のその排気管を3方開閉バルブを介して
接続して本発明の殺菌処理装置を作製した。
次に、この装置の扉を開き、切もちをポリエチレンの袋
で密封包装したものを内部に収容させた後、扉を密閉し
、前記3方バルブを開にして、丁SOT CIt?蔵容
器内のl5OTCの蒸気を装置の乾燥室内に拡散導入さ
せた。この状態で24時間放置した後、真空ポンプを駆
動させるとともに、3方開閉バルブのl5OTC貯蔵容
器側を閉にし、外気側を開にして、乾燥室内の雰囲気ガ
スを、その中に含まれるTSOTCの蒸気を吸着塔で除
去しながら排出した後、真空ポンプを停thした。
次に、乾燥室の扉をあけ、包装切もちを取出し、これを
そのまま大気中に放置した。
一方、比較のために、切もちを同様にしてポリエチレン
の袋に密封包装し、殺菌処理を施さないまま大気中に放
置した。
比較用の切もちは、放置後3目目でカビの発生が見られ
たのに対し、本発明で殺菌処理した切もちは、1か月間
の放置でもカビの発生は何ら認められなかった。
(発明の効果) 本発明によれば、刺激臭を生じるTSOTCを30℃に
おける蒸気圧が2 m m l g以下の油性液体溶液
とし、このl5OTC溶液又はこのJSOT(J液を含
有するl5OTCの蒸気発生剤から発生する蒸気を物品
に接触させることによって、作業環境の格別の悪化を生
しることなく、物品の効果的殺菌処理を行うことができ
る。
また、本発明のl5OTCの蒸気発生剤を機能性材料と
して用いることにより、殺菌作用を有する種々の製品を
得ることができる。
さらに、本発明による殺菌処理方法及び殺菌処理装置に
よれば、各種物品を効率よくかつ効果的に殺菌処理する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は物品の殺菌処理の実施説明図である。 第1図において、1,4はブロワ−12はl5OTC蒸
気発生室、3は殺菌処理室、5はl5OTCの蒸気吸着
装置を示す。 第2図は物品の殺菌処理を実施するための装置系統図を
示す。 第2図において、1は殺菌処理室、2はl5OTC蒸気
発生室、3はブロワ−14はガス分配器、5はISOT
C吸着装置を示す。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)イソチオシアン酸エステルが30℃における蒸気
    圧が2mmHg以下の油性液体に濃度0.01〜50重
    量%の割合で溶解している溶液を多孔性物質に含浸保持
    させてなるイソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤。
  2. (2)イソチオシアン酸エステルが30℃における蒸気
    圧が2mmHg以下の油性液体に濃度0.01〜50重
    量%の割合で溶解している溶液を含む粉末状多孔性物質
    の成形品からなるイソチオシアン酸エステルの蒸気発生
    剤。
  3. (3)イソチオシアン酸エステルが30℃における蒸気
    圧が2mmHg以下の油性液体に濃度0.01〜50重
    量%の割合で溶解している溶液を芯材としたカプセル化
    物からなるイソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤。
  4. (4)イソチオシアン酸エステルが30℃における蒸気
    圧が2mmHg以下の油性液体に濃度0.01〜50重
    量%の割合で溶解している溶液をゲル状物質に含有させ
    てなるイソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤。
  5. (5)イソチオシアン酸エステルが30℃における蒸発
    圧が2mmHg以下の油性液体に濃度0.01〜50重
    量%の割合で溶解している溶液又は該溶液を含有するイ
    ソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤を含むコーティン
    グ組成物。
  6. (6)該コーティング組成物が接着剤組成物、塗料組成
    物又はインク組成物である請求項(5)の組成物。
  7. (7)請求項(5)のコーティング組成物を塗布してな
    るシート状物。
  8. (8)請求項(1)のイソチオシアン酸エステルの蒸気
    発生剤を含む板状体。
  9. (9)イソチオシアン酸エステルが30℃における蒸気
    圧が2mmHg以下の油性液体に濃度0.01〜50重
    量%の割合で溶解している溶液又はこの溶液を含有する
    イソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤から発生される
    蒸気を物品に接触させることを特徴とする物品の殺菌処
    理方法。
  10. (10)イソチオシアン酸エステルの蒸気に対して透過
    性を有する包装材料であらかじめ包装した物品を、イソ
    チオシアン酸エステルの蒸気を含むガスと接触させるこ
    とを特徴とする物品の殺菌処理方法。
  11. (11)殺菌処理室内にイソチオシアン酸エステルを蒸
    気状又は液滴微粒子状で導入して該殺菌処理室内にイソ
    チオシアン酸エステルの蒸気を含む雰囲気を形成する工
    程と、殺菌処理室内に物品を装入する工程と、該殺菌処
    理室内において該物品と該イソチオシアン酸エステルの
    蒸気を含む雰囲気ガスとを接触させて殺菌処理する工程
    と、該殺菌処理後、殺菌処理室内の雰囲気ガスを排出す
    る工程と、該排出されたガスからそれに含まれるイソチ
    オシアン酸エステルの蒸気を除去する工程を含むことを
    特徴とする物品の殺菌処理方法。
  12. (12)該物品が、イソチオシアン酸エステルの蒸気に
    対して透過性を有する包装材料であらかじめ包装された
    ものである請求項(11)の方法。
  13. (13)イソチオシアン酸エステルを処理室内に導入す
    るための導入管と処理室内の雰囲気ガスを排出するため
    の排出管を備えた殺菌処理室と、該導入管と接続するイ
    ソチオシアン酸エステルを収容する貯蔵容器と、該排出
    管に接続するイソチオシアン酸エステルの蒸気除去装置
    を備えたことを特徴とする物品の殺菌処理装置。
  14. (14)殺菌処理室と、該殺菌処理室と開閉バルブを介
    して連結するイソチオシアン酸エステルの蒸気発生室と
    、該殺菌処理室と開閉バルブを介して連結するブロワー
    と、該ブロワーと開閉バルブを介して連結するガス分配
    器と、該ガス分配器と開閉バルブを介して連結するイソ
    チオシアン酸エステルの蒸気吸着装置と、該ガス分配器
    と該イソチオシアン酸エステルの蒸気発生室とを連結す
    る開閉バルブを付設した配管と、該ブロワーの上流側と
    該イソチオシアン酸エステルの蒸気発生室とを連結する
    開閉バルブを付設した配管と、該殺菌処理室に連結され
    た開閉バルブを付設したパージガス導入管を有すること
    を特徴とする物品の殺菌処理装置。
JP2091564A 1989-04-07 1990-04-06 イソチオシアン酸エステルの蒸気を用いる物品の殺菌処理方法及びそれに用いるイソチオシアン酸エステルの蒸気発生剤 Expired - Lifetime JP2926860B2 (ja)

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WO2010055928A1 (ja) * 2008-11-14 2010-05-20 株式会社ケミクレア 気相用除放性防菌、防黴剤及びそれを用いた防菌、防黴方法
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