JP2019170368A - 鮮度維持材の組成物、この組成物を有する鮮度維持材、梱包等資材、塗工材、この塗工材の塗工装置及びこの梱包等資材の製造方法。 - Google Patents

鮮度維持材の組成物、この組成物を有する鮮度維持材、梱包等資材、塗工材、この塗工材の塗工装置及びこの梱包等資材の製造方法。 Download PDF

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【課題】青果物等生鮮品が放出する、鮮度維持に有害なガスを除去する新たな手段を提供する。【解決手段】本発明は、青果物等生鮮品が発したガスを吸収することにより青果物等生鮮品の鮮度を維持する鮮度維持材の組成物であって、シクロデキストリンを含有するものであり、前記シクロデキストリンは、ゲスト分子を包接していないホスト若しくはゲスト分子を包接した包接体である鮮度維持材の組成物を提供する。特に前記鮮度維持材は、青果物等生鮮品の包装等資材又は塗工材である。【選択図】図1

Description

本発明は、鮮度維持材の組成物、この組成物を有する鮮度維持材、梱包資材、塗工材、この塗工材の塗工装置及びこの梱包資材の製造方法に関するものである。
近年、少子化が進み共稼ぎ世帯が増える中、購入した青果物、花卉等における長期保存の要求増大を背景に、当該保存のための鮮度維持用のラップフィルム(樹脂フィルム)、鮮度保持包装紙材の需要が高まり、家庭内でもリンゴ、ナシ、桃、イチゴ、バナナの冷蔵庫内保存に際し、鮮度保持フィルム等の使用が日常的に利用されている。
しかしながら、上記ラップフィルムを以てしても、生鮮食品は、輸送、店舗販売、消費者での保存中に、変色、萎え、劣化腐敗が進行してしまい、食品の安全上からも褐変、不快臭により消費の前に廃棄され、社会的にも大きな問題となっている。
特に青果物等の鮮度低下の要因は植物が生体内から発生させるエチレンガスが完熟ホルモンとして劣化を早める要因と言われている。勿論生体の維持に不可欠な酸素や二酸化炭素について、適度な濃度を維持することが青果物の鮮度維持には必要である。
また、これらの他に貯蔵温度、湿度が上記エチレンガスの発生増殖に影響するのは近年公知の事実である。
更に、植物体の完熟劣化の促進の機能が植物自体の生体機能に起因する酸化促進機能物質が青果物等植物の長期保存には必要な要素と言われている。一般的に成熟に伴い,果皮におけるクロロフィルの分解とアントシアニン、カロテノイドなどの色素の生成、果肉硬度の低下、芳香の生成、でんぷんの分解と糖含量の増加、糖組織の変化、酸含量の低下などの様々な生化学的,生理学的な変化が起こることが知られている(非特許文献1)。
非特許文献1に示される通り、エチレンによる果実の成熟・老化の影響は大きく、エチレンを発する当該果実の近傍に置かれた未成熟の果実も、エチレンという植物ホルモンの影響を受けて必要以上に熟成を早めたり、老化や果実品質の劣化を早めてしまう。
上記青果物等の植物や肉、魚といった生鮮品の鮮度維持に関しては、これまでも種々の提案がなされている(特許文献1〜22)。
特許文献1及び2にはエチレンの除去を目的として、結晶性ゼオライト(特許文献1)や活性炭(特許文献2)を利用した青果物鮮度保持材料や青果物鮮度保持フィルムが記載されるが、その鮮度保持の性能は低く、上記の長期保存の要求に答える鮮度保持は困難である。
特許文献3及び4には抗菌効果を目的として、樹脂に鉄(II)化合物を主成分とする有機酸成分を結合させた組成部を含むプラスチックフィルム(特許文献3)やラウリルジエタノールアミンおよび/またはミリスチルジエタノールアミンを0.01〜3重量%含有する抗菌性フィルム(特許文献4)が記載されているが、エチレン排除の効果が少なく、青果物等植物にそのまま特許文献3及び4のフィルムを用いても、鮮度保持機能が低いと言わざるを得ない。
特許文献5にはフィルムに断面積0.07平方センチメートル以下の中空管を設けて通気効果により鮮度を維持することが記されているが、現実にはエチレン排除を目的として当該通気効果を得るのは難しい。
特許文献6には、(A)モノグリセリン脂肪酸エステルおよび/またはポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)脂肪酸ジアルコールアミドおよび/または脂肪族ジアルコールアミン、並びに(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる界面活性剤を含むポリオレフィン系フィルムよりなることを特徴とするきのこ類包装用フィルムが示されている。しかし、抗菌性と鮮度保持機能が低く安定した抗菌性を得られず、またエチレンについて何らの手立てが示されていないため、青果物等植物にそのまま特許文献6のフィルムを用いても、鮮度保持機能が低いと言わざるを得ない。
特許文献7には、多数の未貫通孔を通して酸素ガスと水蒸気の通過を促進させて青果物の鮮度を維持するフィルムが示され、特許文献8にも、包装する青果物の呼吸量に応じてフィルムの細孔径を設計し通気性を確保して青果物の鮮度を維持しようとするものが示されている。しかし、特許文献7及び8へ示されたものは、エチレンを発する種々の青果物に適した通気を確保するための調整・変更の手間が煩雑であり、更に包装内の植物からドリップが生じた場合フィルムの外部へ漏らしてしまう危惧があり、またコスト高でもある。
特許文献9には、TRエスコート紙に炭エマルジョンを塗工して保湿、防水機能を持たせるものであるが、加工特性から透明性に欠け、またエチレンを排除する観点はなく、エチレン排除による鮮度保持機能性に欠ける。
特許文献10には、青果物の呼吸量の調整機能フィルムが示されているが、青果物の呼気調整では鮮度維持に限界がある。
特許文献11には、生鮮魚介類又は食肉類のドリップを吸収することを前提として、無機系塩化物添加による食材からのドリップ吸収による鮮度維持を図る包装材料が示されているが、気体として青果物から放出されるエチレンを吸収して青果物の鮮度を図るという観点はなく、またコスト高も否めない。
特許文献12には、滑剤と界面活性剤と無機系抗菌剤とを含む抗菌性を有する表面層をもつ抗菌性合成樹脂延伸フィルムが示されているが、高価で透明性にも問題があり、更に人体に対する有害性の危惧がある。
特許文献13には、炭酸リチウムと苦灰石との少なくとも何れかと、角閃石とを含むセラミックス材料を有する鮮度保持材が示されている。
特許文献14には、長石、珪石及び粘度質セラミックスよりの水溶出のミネラル成分、抗菌性ゼオライト及び水溶性の天然又は合成糊料よりなる混合成分がシート基材に固定されてなる生鮮食品の抗菌性及び鮮度保持を有する生鮮食品用包装材が示さている。
特許文献15には、塩化カリウム、塩化マグネシウム及びカテキン類から選ばれる1種以上を食材に添加し、塩化カリウム及び/又は塩化マグネシウムが0.5〜30質量%且つカテキン類が0.001〜0.5質量%となる食材の殺菌又は保存方法が示されている。
特許文献16には、ニガリを有効成分とする、健康な肌に常在する表皮ブドウ球菌と皮膚疾患を持つ皮膚上に存在する有害な黄色ブドウ球菌を区別し、常在する有益な表皮ブドウ球菌の生育には影響を与えず、有害な黄色ブドウ球菌のみに抗菌作用を有する皮膚常在菌の生態系バランス調整剤が示されている。
特許文献17には、糖類から選ばれる1種又は2種以上と、カルシウムの酸化物あるいは水酸化物又はカルシウムを共存させたマグネシウムの酸化物あるいは水酸化物とを水の存在下で反応させて得られる水溶性カルシウムサッカラートからなる抗菌剤が示されている。
特許文献18には、ポリプロピレンの基材層Aに、平均粒子径が0.5〜5μmのケイ酸アルミニウムと平均粒子径が0.5〜5μmの酸化マグネシウムとの混合物を0.1〜10wt%含有した厚みが1〜10μmのヒートシール層Bを有し、ヘーズ値が1.0〜12%である延伸された透明鮮度保持フィルムが示されている。
特許文献19には、三層からなる熱可塑性樹脂多層フィルムの中間層に、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウムの少なくとも一種の無機塩と、アルキルジエタノールアミンとグリセリンの脂肪酸エステルの少なくとも何れかを防曇剤として含む鮮度保持フィルムが示されている。
上記の通り特許文献13〜19には、苦汁成分などの抗菌剤配合による鮮度維持機能を持たせたものが示されているが、その効果が薄い。上記の特許文献13〜19に示されたものは成分が菌体に入り込まない限りは抗菌力が働かないのであり、イオン化が必要である。又苦汁成分を食することになりかねず、コスト高及び老化ホルモンのエチレン及び植物体としての各種の抗酸化剤の視点が欠けているといわなければならない。その他、金属及び無機系の抗菌剤添加によるものが示されているが、金属及び無機系の抗菌剤添加によるものは透明度を損なうといわなければならない。
上記の特許文献18に示されたものは、ポリプロピレンにケイ酸アルミニュウムを、酸化マグネシウムを添加して特許文献19及び、下記の特許文献20及び21に示されたものと同様にエチレン、アンモニアガスの吸着を調整するものであり、コスト高の問題も同様に抱えている。
また上記の通り特許文献19に示されたものは、アンモニアのガス吸収性を高めるものでではあるが、上記の通りコスト高が否めない。
いがめない。
特許文献20には、ポリオレフィン系フィルムに光触媒としての酸素欠損型酸化チタンを添加しエチレンガス酸化機能を持たせたものが示されているがコスト的に割に合わない。即ち、特許文献20へ示されたものは、使い捨ての包装用には向かず、利用すれば資源の無駄となる。
特許文献21には、抗菌性を有するパルミチンジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、グリセリンモノラウレート等の抗菌物質をフィルムに添加して多層のフィルムを形成するものが示されているが、加工コストが莫大であり現実的ではない。
更に使用後のコスト面について更に言及すると鮮度維持に関する上記の特許文献に示された無機系の抗菌材及び光触媒は、再利用する資源として樹脂の回収に直面した時、樹脂部と無機部を分離する必要があり回収コストが割高になることは事実である。
特開昭63−309137号公報 特開昭63−110186号公報 特開昭61−148236号公報 特開平11−158391号公報 特開2000−004780号公報 特開2003−176384号公報 特開平07−047559号公報 特開平06−022686号公報 特開2006−224994号公報 特開2010−228806号公報 特許第3024480号公報 特許第3104200号公報 特開2004−129516号公報 特開平10−271981号公報 特開2010−259404号公報 特許第4608198号公報 特開2001−226209号公報 特開2001−171058号公報 特開2014−141076号公報 特開2007−307884号公報 特願2015−505540号公報 果樹研究所研究報告 ( Bulletin of the National Institute of Fruit Tree Science)6号 2007年3月発行、p. 11〜22「エチレンによる果実の成熟・老化制御機構」(高木美保著)(http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010740750.pdf)
本発明は、特許文献1〜21で提示した上記問題を解決する、環境負荷が少なく安全で安価な、新たな構成の包装等資材や塗工材及びその組成物の提供を図る。
本発明の発明者は、上記を課題解決のため、安全性の面から食品や薬剤などの口に入れるものへの利用が一般的である環状オリゴ糖即ちシクロデキストリンを、直接口にすることのない青果物等植物の植物ホルモン(エチレン)の吸収材や抗菌剤、防カビ剤として用いることで、当該青果物等植物の鮮度を維持するという、奇抜な発想により本発明を完成させた。
即ち本発明では、青果物等生鮮品の劣化を抑制することにより青果物等生鮮品の鮮度を維持する鮮度維持材の組成物であって、シクロデキストリンを含有するものであり、
前記シクロデキストリンは、ゲスト分子を包接していないホスト若しくはゲスト分子を包接した包接体である鮮度維持材の組成物を提供する。
更に本発明では、青果物等生鮮品が発したガスを吸収することにより青果物等生鮮品の鮮度を維持する鮮度維持材の組成物であって、シクロデキストリンを含有するものであり、前記シクロデキストリンは、ゲスト分子を包接していないホスト若しくはゲスト分子を包接した包接体である鮮度維持材の組成物を提供する。
尚、上記青果物等生鮮品には、果物や生野菜といった青果物を含む植物の他、エチレン(植物ホルモン)を放出するものであれば、穀類、芋類、茸類、海藻類、花、花卉、苗木や観葉植物などの草木といった青果物以外の植物も含み、更に肉や魚などの生鮮品も含む。
また本発明では、前記鮮度維持材は、青果物等生鮮品の包装等資材又は塗工材である鮮度維持材の組成物を提供できた。
尚、上記包装等資材には、直接包装に用いる又は青果物等生鮮品と共に包装される、紙片や樹脂フィルムなどのシート、包装袋や包装箱、緩衝材といった、包装資材を含む他、上記青果物等植物の格納に利用される資材を含む。当該青果物等植物の格納に利用される資材には、保存用ラップフィルムなどの樹脂フィルム、容器、袋物、梱包材の他、冷蔵庫や果物・花卉のショーケースや陳列台といった格納体を構成する樹脂成型品、前記格納体へ収容される脱臭剤の容器その他の前記格納体への収容物、農家の青果物等植物の格納部屋の壁紙などの建材、前記格納部屋へ設置される空気清浄機や空調機のフィルター、農園において収穫前の果実に被せる保護シートや保護袋、洗浄した青果物等植物の水切りや調理済みの青果物等植物の盛り付け用の皿などの台所用品やキャンプ用品、収穫時や運搬のため一時的に青果物等植物を収容するケースやコンテナ、篭、バケツを含む。
更に本発明では、前記シクロデキストリンが、αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、メチル化αシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリン、メチル化γシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン、モノクロロトリアジノαシクロデキストリン、モノクロロトリアジノβシクロデキストリン、モノクロロトリアジノγシクロデキストリン、トリアセチルαシクロデキストリン、トリアセチルβシクロデキストリン、トリアセチルγシクロデキストリンの少なくとも何れか一種である鮮度維持材の組成物を提供できた。
また更に本発明では、前記シクロデキストリンが、αリポ酸、コエンザイムQ10、クルクミン、カテキン類、ハーブ類、クロロフィル類、DHA、EPA、1−メチルシクロプロペン、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン化合物、炭酸ガスエタノール、プロパノール、酢酸、シュウ酸、クエン酸、酪酸及びイソ吉草酸の少なとも何れか一種を包接する前記包接体である鮮度維持材の組成物を提供する。
更にまた本発明では、前記シクロデキストリンが、金属、金属塩、酸化金属、ビグアナイド、カーバニリド、界面活性剤、カルボン酸、アルコール、アンモニウム塩、フェノール誘導体、アミノ酸、ヨウ素系化合物の少なくとも何れか一種を包接する前記包接体である鮮度維持材の組成物を提供する。
また更に本発明では、前記鮮度維持材は前記塗工材であり、樹脂又は紙材へ前記シクロデキストリンを結合するバインダー成分としてウレタン樹脂を含有する前記鮮度維持材の組成物を提供できた。
更にまた本発明では、前記バインダー成分は、水とアルコール類とグリコール類と酢酸エステルとリグニンスル本酸ナトリウムとベントナイトの少なくとも何れか一種を含有し、前記水は、普通水、天然水、蒸留水、純水、海水、イオン交換水、酸性水、アルカリ水の少なくとも何れか一種であり、前記アルコール類は、1価アルコールの少なくとも何れか一種であり、前記グリコール類は、1,2エタンジオール、1,2プロパンジオール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、リグニンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジプロピレングリコールの少なくとも何れか一種である鮮度維持材の組成物を提供できた。
尚上記普通水には、冷水の他、湯(温水)や、水道水、殺菌成分を多く有する殺菌水も含むものとする。
また本発明では、ホストとしての前記シクロデキストリン100重量%に対し、前記バインダー成分を0.1〜20重量%有する鮮度維持材の組成物を提供できた。
更に本発明では、前記シクロデキストリンは、αシクロデキストリンであり、前記シクロデキストリンと共に、1−メチルシクロプロペン、ノルボルナジエン、アミノオキシ酢酸、アミノエトキシビニルグリシン、ビス(チオスルファイト)銀(1)酸ナトリウムの少なくとも何れか1種を含有し、前記シクロデキストリンは、天然型シクロデキストリン、化学修飾型シクロデキストリン、分岐型シクロデキストリンの少なくとも何れか1種である鮮度維持材の組成物を提供できた。
また更に本発明では、抗酸化剤として、αリポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、カテキン類、ポリフェノール類、セレンの無機化合物、亜鉛の無機化合物、鉄の無機化合物、銅の無機化合物、セレンの有機化合物、亜鉛の有機化合物、鉄の有機化合物、銅の有機化合物、セレンのキレート化合物、亜鉛のキレート化合物、鉄のキレート化合物、銅のキレート化合物の少なくとも何れか1種を含有する鮮度維持材の組成物を提供できた。
更にまた本発明では、前記鮮度維持材の組成物を含有する鮮度維持材を提供できた。
また本発明は、前記包装等資材である鮮度維持材を提供できた。
更に本発明は、上記塗工材である鮮度維持材を提供できた。
また更に本発明は、前記シクロデキストリンを1平方メートル当たり0.05g〜2g含有する前記鮮度維持材を含有する包装等資材を提供できた。
更にまた本発明は、シートと、当該シートの少なくとも一方の面に設けられたコーティング層とを備え、当該シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂の少なくとも何れか一種を含有するものであり、前記コーティング層が前記塗工材である鮮度維持材を含有する包装等資材を提供できた。
また本発明は、紙片又は樹脂フィルムであるシートと、前記塗工材である鮮度維持材とを備えるものであり、当該シートの少なくとも何れか一方の面において前記鮮度維持材の組成物を1平方メートル当たり0.01g〜2g備える包装等資材を定期用できた。
更に本発明は、シートと、当該シートの少なくとも一方の面に設けられたコーティング層とを備え、当該シートは、アート紙、コート紙、キャストコート紙、上質紙、和紙、和紙フィルム、マットコート紙、コポ紙、エンボス紙の少なくとも何れか1種にて構成されたものであり、前記コーティング層は、前記塗工材である鮮度維持材を含有する包装等資材を提供できた。
また更に本発明は、紙片又は樹脂フィルムを主材とするシートと、当該シートの少なくとも一方の面へ設けられた前記塗工材である鮮度維持材とを備え、当該シートは、消臭作用を奏する消臭シート、殺菌作用を奏する殺菌シート、除菌作用を奏する除菌シートの少なくとも何れか1つで構成された包装等資材を提供できた。
更にまた本発明は、紙片又は樹脂フィルムを主材とするシートと、当該シートの少なくとも一方の面へ設けられた前記塗工材である鮮度維持材を含有する層とを備え、前記層の厚さが0.1〜1μmである包装等資材を提供できた。
また本発明は、ウエブ状に巻かれたシートを引き出して連続又は断続して移動させる1つ又は複数のロールを備えた送り装置と、前記移動中当該シートの少なくとも一方の面へ塗工液である前記塗工材を塗工する塗工装置と、前記移動中前記塗工材を塗工された当該シートを乾燥させる乾燥装置とを備えた、前記塗工材である鮮度維持材を塗工する塗工装置を提供できた。
更に本発明は、シートを連続又は断続して移動させる送り工程と、前記送り工程中当該シートの少なくとも一方の面へ塗工液である前記塗工材を塗工する塗工工程と、前記送り工程中前記塗工材を塗工された当該シートを乾燥させる乾燥工程を順次遂行するものである、前記塗工材である鮮度維持材を用いた包装等資材の製造方法を提供できた。
また更に本発明では、液状の前記塗工材にバインダー樹脂を添加し、前記乾燥工程において、UVを照射して前記塗工材を硬化させるUV照射工程を遂行する包装等資材の製造方法を提供できた。
本発明は、青果物等植物の包装等資材や包装等資材へ塗工する塗工材としてシクロデキストリン又はシクロデキストリンの包接体を用いることにより、青果物等生鮮品の劣化を抑制することができる。
特に本発明は、青果物等植物の包装等資材や包装等資材へ塗工する塗工材としてシクロデキストリン又はシクロデキストリンの包接体を用いることにより、青果物等生鮮品が放出する、鮮度維持に有害なガスを除去することができる。
上記鮮度維持に有害なガスとは、例えば青果物等生鮮品が青果物等の植物である場合、当該植物の放出する鮮度維持に有害な成長や熟成又は老化に関与する植物ホルモン(完熟ホルモン)のガス即ちエチレンである。
上記有害なガスが植物ホルモンの場合、当該植物ホルモンを放出する青果物自身の鮮度維持に影響を及ぼすのみならず、当該青果物の周囲にある青果物についても鮮度維持に影響を及ぼす。
また青果物等生鮮品が肉や魚の場合、上記有害なガスとは、経時に空気中で繁殖する腐敗を促す菌を含んだ空気や肉や魚が発する臭気である。
本発明は、鮮度維持に有害な上記ガス低減のために、食品としても用いることができる安全性の高いシクロデキストリンを利用するという新たな手法を提供したものである。
具体的には、シクロデキストリン(環状オリゴ糖)は、分子内に環即ち分子の中心に空洞(キャビティ)を備え、シクロデキストリン自身はホストとなり、他の分子をゲストとして当該空洞に他の分子を吸着して当該他の分子を包接する。
本発明は、シクロデキストリンの上記性質を利用するものであり、ゲストを包接していないホストとしてのシクロデキストリンに、青果物等の植物の発したエチレンをゲスト即ち被包接物質として包接させる即ち包接体を形成させることにより、青果物等植物周囲の雰囲気からエチレンを低減することができる。
また、上記の通りエチレンをゲストとして直接シクロデキストリンに包接させるのではなく、予めシクロデキストリンへ効果的にエチレンを吸収する他の分子即ちエチレン受容体などをゲストとして包接させて包接体としたシクロデキストリンにエチレンを除去させることもできる。また、上記分子には、エチレン受容体のみならず、鮮度維持に効果的な抗酸化剤や抗菌剤となる他の分子も用いることができ、当該抗酸化作用や抗菌作用のある分子を予め包接したシクロデキストリンの包接体にてより効果的な青果物等の植物や肉や魚の鮮度維持を図ることができる。実施の形態レベルにおいて、上記シクロデキストリンへ包接させるゲストとして、エネルギー補酵素となるリポ酸、コエンザイムQ10、Lカルニチンなどを含む各種抗酸化剤を採用することにより、より効果的な鮮度維持を実現できたのである。
特に上記シクロデキストリンについて、金属、金属塩、酸化金属、ビグアナイド、カーバニリド、界面活性剤、カルボン酸、アルコール、アンモニウム塩、フェノール誘導体、アミノ酸、ヨウ素系化合物の少なくとも何れか一種を包接する包接体とすることで、抗菌・防カビによる青果物等生鮮品の劣化防止を可能とした。
また、在来の包材には原料から由来する可塑剤等を含む臭い物質が含まれ、本発明はこれらの樹脂フィルムや紙材原料に起因する臭い物質の消臭作用を有することも認められた。
また本発明の実施より、通気性を確保するなど包装等資材に複雑な加工を要せずに上記効果を得ることができる。
また本発明では、上記鮮度維持材を塗工材として樹脂フィルムや紙片シートなどのシートの青果物等植物へ対応する面へ塗工することにより、従来の鮮度保持フィルム及び包装用紙材のようにシート材料そのものに抗菌材、脱酸素剤、消臭剤を練り込みマスターバッチで溶融した後にローラーで2軸方向に延伸し樹脂フィルムや紙ロールとして形成したものにおいて以前より指摘されてきた、青果物等生鮮品へ直接接しないシート材料の内部に無駄な鮮度保持剤が使用されてコスト増大を招くという問題や使用後最終的に樹脂の大半が廃棄される甚だしい浪費という問題を回避できる。
シート材料の再利用の容易さ以外の本発明のコスト面でのメリットについては、フィルム樹脂及び紙材そのものに抗菌機能素材として練り込むのではなく、上記の通り塗工材にシクロデキストリンを使用することで、安価なフィルムなどのシートへ塗工により鮮度維持の効果を付与することができる点であり、更には安価な当該シートへ1平方メートル当たり1〜2円をプラスするだけで鮮度維持の効果の高い鮮度維持材を消費者に提供することができることである。
特に、塗工という手法では塗工樹脂バインダーに埋め込められ或いはバインダーと反応することにより従来全く効果が認められなかったエチレン受容体及び抗酸化剤について、本発明によりシクロデキストリンやその包接体をフィルム等の表面に塗工することで、クロデキストリンの分子内の環(籠)の中に包接(保護)されてバインダー樹脂に埋め込まれることなく、エチレン受容体及び抗酸化剤を機能させることができた。
更に本発明において、シクロデキストリン上記鮮度維持材を塗工材として樹脂フィルムや紙片シートなどのシートへ塗工することにより、シートの透明性を阻害せず、透明性の高いシートを提供できる。勿論、本発明の実施においても、必要に応じ、半透明や不透明とシートとして本発明に係る梱包資材を形成することも可能である。
本発明の一実施の形態に係る塗工材の塗工装置の説明図。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(概要)
本発明は調整が容易であり、植物ホルモンであるエチレンを放出する青果物や生野菜、花卉などの植物(青果物等植物)の鮮度を長時間維持することを目的として、環状オリゴ糖である各種シクロデキストリン及びその包接体を樹脂フィルム又は紙片などのシート表面への塗工する塗工法により形成した、鮮度維持フィルムや紙包装材などの包装等資材又は塗工材を成果物等植物の安価で効率の良い鮮度維持材として提供する。
即ち本発明は、青果物等植物の鮮度を維持する鮮度維持材またはその組成物であってゲスト分子を包接していないホストとしてのシクロデキストリン若しくはゲスト分子を包接した包接体としてのシクロデキストリンを含有するものを提供する。
また上記シクロデキストリンに抗酸化剤を包接したものを用いることにより、肉や魚などの上記植物ホルモン以外の有害なガスを除去することができる。
即ち、本発明はコンビニ、スーパーマケット、ドラックストアー等の果物、野菜などの青果物及び花卉、鮮魚、精肉等の食材の鮮度保持を目的とする鮮度保持フィルムや紙類の鮮度保持包装材といった鮮度維持材を安全で安価に提供する。
更に上記シクロデキストリンに抗菌作用や防カビ作用を有するものを包接することで、抗菌や防カビによる青果物等生鮮品の劣化防止を効果的に実現できた。
(鮮度維持材の組成物の詳細)
上記鮮度維持材としては、青果物等植物の包装等資材やその塗工材とするものであり、ここでは、包装等資材へ塗工する上記塗工材を例示する。
上記塗工材は、梱包資材や格納に利用する資材に塗布や印刷にて塗工することができる液体又は粉体である。
この例では、上記塗工材は、液体即ち塗工液である。
上記塗工液は、鮮度維持成分であるシクロデキストリンと、当該シクロデキストリンを上記包装資材や格納に利用する資材となるシートへ固着するウレタン樹脂等のバインダー成分とを含有する。
(シクロデキストリン)
上記シクロデキストリンには、種々のシクロデキストリンを採用することができる。
例示すると、天然型シクロデキストリンとして、αシクロデキストリン(αCD)、βシクロデキストリン(βCD)又はγシクロデキストリン(γCD)が利用できる。
化学修飾型シクロデキストリンとして、メチル化αシクロデキストリン(MeαCD)、メチル化βシクロデキストリン(MeβCD)、メチル化γシクロデキストリン(MeγCD)、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン(HPαCD)、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HPβCD)、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン(HPγCD)を採用することができる。
また、分岐型シクロデキストリンとしては、分岐型αシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、分岐型γシクロデキストリン、トリアセチル化αシクロデキストリン(TAαCD)トリアセチル化βシクロデキストリン(TAβCD)、トリアセチル化γシクロデキストリン(TAγCD)、モノトリアジノαシクロデキストリン(MCTαCD)、モノトリアジノβシクロデキストリン(MCTβCD)、モノトリアジノγシクロデキストリン(MCTγCD)を採用でき、好ましくはαシクロデキストリン(αCD)、βシクロデキストリン(βCD)、γシクロデキストリン(γCD)、メチル化βシクロデキストリン(MeβCD)及びヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HPβCD),モノクロロトリアジノαシクロデキストリン(MCTαCD)、モノクロロトリアジノβシクロデキストリン(MCTβCD)、トリアセチルαシクロデキストリン(TAαCD)、またはトリアセチルβシクロデキストリン(TAβCD)を採用できる。
上記のαシクロデキストリンについては、植物を完熟させ又老化させる植物ホルモンであるエチレンの受容体をαシクロデキストリン自身が構成し、αシクロデキストリンは、エチレン以外の分子を包接しないホストとして、エチレンをゲストとする包接体を形成することができる。
一方、上記のβシクロデキストリンやγシクロデキストリンについては、シクロデキストリンやγシクロデキストリン自身がエチレンの受容体として機能するものではないが、様々な抗酸化剤を包接することにより植物体の劣化を防止し、鮮度維持機能を発現できることが本発明者において見出された。
また1−MCP(1-メチルシクロプロペン)は、αCDに包接させておくことにより、エチレン存在下ではエチレンと入れ替りエチレン受容の機能を発揮する。即ち、エチレンが発生すると、αCDに包接されていた1−MCPがαCDから放出され代わりに当該エチレンがαCDへ包接される。
鮮度維持に有効なゲスト分子を包接した包接体として利用できるシクロデキストリン(ホスト)につては、αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリン、メチル化αシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリン、メチル化γシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン、ヒドロキシβシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン、トリアセチルαシクロデキストリン、トリアセチルβシクロデキストリン、トリアセチルγシクロデキストリン、分岐型シクロデキストリンを例示できる。
また、抗菌・防カビに有効なシクロデキストリンについては、包接体として、金属、金属塩、酸化金属、ビグアナイド、カーバニリド、界面活性剤、カルボン酸、アルコール、アンモニウム塩、フェノール誘導体、アミノ酸、ヨウ素系化合物の少なくとも何れか一種を包接するものを例示できる。抗菌・防カビに有効なシクロデキストリンについて具体的には、銀、亜鉛、酸化銀、酸化亜鉛、塩化銀、銀担持化合物、グルコン酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン・ピロクトオラミン、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩、クロロヘキシジン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物、ポリヘキサメチレンビグアナイドハイドロクロライドと酸化亜鉛の配合物、トリクロカルバン、トリクロカルバンとナリジクス酸の配合物、フェニルアミド系化合物、アルキルアミドプロピルジメチルβヒドロキシエチルアンモニウム塩・ポリ[オキシエチレン(ジメチルアミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンクロライド]ポリアクリル酸塩と硫酸亜鉛の配合物、ナリジクス酸(1−エチル−1,4−ジハイドロ−7−メチル−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、多価アルコール系化合物、塩化ベンザルコニウム、有機シリコーン第四アンモニウム塩、N−ポリオキシアルキレン−N,N,N−トリアルキレンアンモニウム塩、アルキル第四アンモニウム・カルボン酸塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンザルコニウム塩、アルキル第四アンモニウム塩、N,N,N,N−テトラアルキル第四アンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキル第四アンモニウム塩、テトラアルキル第四アンモニウム塩、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムクロライド・多価アルコール系化合物、アルキルトリメチルアンモニウムジブチルリン酸塩、ジシアンアミド・ジエチレントリアミン・塩化アンモニウム縮合物、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミンアンモニウム重縮合体、アルキレンビスフェノールナトリウム塩、パラクロールメタキシレノール、ビス(2,6ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)ペンタエリスリトールジホスフェイト、N−アルキロイル−L−グルタミン酸銀銅、2,4,5,6テトラクロロイソフタロニトリル、ジヨードメチル-p-トリルスルホン酸(DMTS),ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピル(IPBC)、ピペロニルブトキシド(PBO)の少なくとも何れか一種以上を包接する包接体を例示することができる。
(バインダー成分)
シクロデキストリンの上記バインダー成分として、上記ウレタン樹脂と共に、水とアルコール類とグリコール類と酢酸エステルと一般的バインダー成分の何れか一種以上を含有するものとする。
上記水には、普通水、天然水、蒸留水、純水、海水、イオン交換水、酸性水、アルカリ水の何れか一種以上を採用することができる。上記水には、特に普通水が好ましい。尚ここでは上記普通水に、冷水の他、湯(温水)や、水道水、殺菌成分を多く有する殺菌水も含む。
上記アルコール類には、前記アルコール類は、1価アルコールの少なくとも何れか一種一種以上を採用することができる。上記1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、Nプロパノール、イソプロパノール、Nブタノール、イソブタノールがあり、とりわけメタノール、エタノール、イソプロパノールの何れかを採用するのが好ましい。
また、前記グリコール類には、1,2エタンジオール、1,2プロパンジオール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、リグニンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジプロピレングリコールの何れか一種以上を採用することができる。
上記酢酸エステルとしては、アセトン、酢酸エチルエステル、酢酸メチルエステル、酢酸プロピルエステル、酢酸ブチルエスエル、酢酸ヘプチルエステル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びアセトンを例示でき、とりわけ酢酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、酢酸プロピルエステルが好ましい。
上記一般的バインダー成分としてリグニンスルホン酸ナトリウム、ベントナイトを例示でき、特にリグニンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
特に、上記バインダー成分として、ウレタン樹脂と、普通水と、アルコール類と、グリコール類と、酢酸エステルと、リグニンスルホン酸ナトリウムとを有するものが好ましい。
(塗工材の他の成分)
上記塗工液は、上記鮮度維持成分としてαシクロデキストリンと共に1−メチルシクロプロペン、ノルボルナジエン、アミノオキシ酢酸、アミノエトキシビニルグリシン、ビス(チオスルファイト)銀(1)酸ナトリウムの1種以上を含有するものが好ましい。
更に塗工液の鮮度維持成分であるシクロデキストリンは、抗酸化剤として、αリポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、カテキン類、ポリフェノール類、セレンの無機化合物、亜鉛の無機化合物、鉄の無機化合物、銅の無機化合物、セレンの有機化合物、亜鉛の有機化合物、鉄の有機化合物、銅の有機化合物、セレンのキレート化合物、亜鉛のキレート化合物、鉄のキレート化合物、銅のキレート化合物の何れか1種以上を包接するものが好ましい。
(塗工材が塗工されるシート)
上記塗工材を塗工する包装等資材のシートとして樹脂フィルムを採用でき、当該樹脂フィルムには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂の一種以上を含有するものを採用することができる。
当該樹脂フィルムにフッ素樹脂のフィルムを採用する場合、フッ素樹脂の透明フィルムとすることは勿論、半透明フィルム、不透明フィルムとすることができ、更には発砲性フィルムとすることもできる。
当該樹脂フィルムの一方の面又は両面へ上記塗工材のコーティング層を形成して実施することができる。
また、上記塗工材を塗工する包装等資材のシートとして紙材(紙片)を採用でき、当該紙材として、アート紙、コート紙、キャストコート紙、上質紙、和紙、和紙フィルム、マットコート紙、コポ紙、エンボス紙の1種以上にて構成されたものを採用できる。当該紙材の一方の面又は両面へ上記塗工材のコーティング層を形成して実施することができる。
更に、紙片又は樹脂フィルムを主材とするシートの一方の面又は両面上記塗工材を塗工するものとし、当該シートを消臭作用を奏する消臭シート、殺菌作用を奏する殺菌シート、除菌作用を奏する除菌シートの1種以上で構成するものを採用することができる。
塗工にて紙材又は樹脂フィルムを主材とする上記シートの一方の面又は両面へ上記塗工材の層(塗工層)を形成するのが好ましい。当該塗工層は上記の通りコーティング層としてもよく、単に上記塗工材を盛った層としてもよく、或いはシート中の塗工材を浸透させた層としてもよい。
上記塗工層については、厚さを0.05μm〜1.2μmとするのが好ましく、厚さを0.1μm〜1μmとするのがより好ましく、厚さを0.2μm〜0.5μmとするのが特に好ましい。上記厚みに塗工層を形成することにより、シクロデキストリン分子がバインダー樹脂に埋没することのない、最小限の薄さの塗工層とすることができる。但し、適切な鮮度維持を行うことができれば塗工層の厚みは上記範囲を外れるものであってもよい。
塗工層は、均一な厚みの層とするのが好ましいが、コーティング層とするのでなければ不均一な厚みの層としてもよく、また、塗工層は塗工膜として上記シートを完全に覆う他、上記シート地を塗工材から部分的に露出させるものであってもよい。
特に上記塗工膜に各種シクロデキストリン及びその包接体を1平方メートル当たり0.05g〜2.0g含有するのが好ましく、0.15g〜0.5g含有するのがより好ましい。
上記バインダー成分として塗工液中、シクロデキストリン及びその包接体100重量%に対して、0.1〜20重量%含有するのが好ましくは、0.2〜5重量%含有するのがより好ましい。
以下、本発明の実施例を示す。但し、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、以下の実施例以外の形式による本発明の実施を制限するものではない。また、以下必要に応じて、シクロデキストリンをCDと略記する。
後述する各種CD及びCD包接体には、株式会社シクロケム(東京本社:東京都中央区日本橋本町4−3−6 PMO新日本橋3F)の製造・販売する製品を用いることができた。
次に塗工液の組成物であるCD包接体の夫々の製造方法について説明する。
塗工液の上記CDには、αCD、βCD、γCD、MCTαCD、MCTβCD、MCTγCD、Rαリポ酸γCD包接体、1−MCPαCD包接体(1−メチルシクロプロペンαCD)、Q10γCD包接体、カテキンβCD包接体を用いた。
(本発明に係るCD包接体を含有する塗工液の調製法)
各種CDを純水に溶解したものをバインダー成分となるウレタン樹脂を添加しさらにメタノールを加えて30分間攪拌して塗工液とした。上記ウレタン樹脂には、第一工業製薬株式会社(本店/京都市下京区西七条東久保町55)製のSF(スーパーフレックス/登録商標)210を採用した。
また上記αCDを組成物として含むものについては、αCDを純水に溶解したものを1分間攪拌した後、メタノールを加え、5分撹拌後にバインダー成分である上記ウレタン樹脂SF210を少量加えて塗工液とした。
上記Rαリポ酸γCD包接体を組成物として含むものについては、株式会社シクロケム製造のRαリポ酸γCD包接体を純水に溶解したものを1分間攪拌した後、メタノールを加え、5分撹拌後にバインダー成分となるウレタン樹脂SF210を添加し30分間攪拌して塗工液とした。
そして上記1−MCPαCD包接体を組成物として含むものについては、本発明者が実験室で合成したエチレン受容体の1−MCPαCD包接体を純水に溶解したものへメタノールを加え、5分撹拌後にバインダー成分となるウレタン樹脂SF210を添加し30分間攪拌して塗工液とした。
この1−MCPαCD包接体の製造法、即ちエチレン発生時にはエチレンと入れ替わって包接体から放出されることになる、化合物の1−MCPを包接するαCD包接体の調合法は次の通りである。
1−MCPは21.4gのリチウムジイソプロピルアミドへ当該リチウムジイソプロピルアミドと同量である24mlの3−クロロ−2−メチルプロペンを添加混合し、1−MCPリチウム塩を合成した。そして未反応の3−クロロ−2−メチルプロペンを真空乾燥により除去し、除去後の上記1−MCPリチウム塩を水に溶解させ、発生したガスをαCD飽和溶液に吸収させて1−MCP・αCD包接体結晶粉末を得た。この粉末体を以下の塗工液に溶解する。
前述のβCD、γCD、MCTαCD、MCTβCD、MCTγCD、Q10γCD包接体、カテキンβCD包接体の塗工液についても、上記αCDやRαリポ酸γCD包接体と同様、包接体を純水に溶解したものへメタノールを加え、5分撹拌後にバインダー成分となるウレタン樹脂SF210を添加し30分間攪拌して塗工液とした。
上記の各塗工液を、HDPE((中低圧法高密度ポリエチレンフィルム)、ポリアミド(フィルム)、アート紙(紙材)、ポリ塩化ビニル即ちPVC(フィルム)の一方の面(表面)へ塗工して実施例の塗工シートの夫々を作成した。
後述する各実施例の各種フィルム及び紙材表面に図1へ示す連続塗工装置aを用いて連続的に塗工・乾燥工程を経て塗工フィルム(塗工シート)を完成させた。
上記連続塗工装置aを用いた塗工シートの製造方法について説明する。
連続塗工装置aは、送り装置bと塗工装置cと乾燥装置dとを有する。
上記塗工シートの製造方法は、上記送り装置bにて上記樹脂フィルム又は上記紙材といったシートsを連続又は断続して移動させる送り工程と、上記送り工程中にシートsの少なくとも一方の面へ塗工液である上記塗工材を上記塗工装置cにて塗工する塗工工程と、上記送り工程中上記塗工材を塗工された上記シートsを上記乾燥装置dにて乾燥させる乾燥工程を順次遂行するものである。
上記送り装置bは、ウエブ状の上記シートsが設けられた巻出ロールb1と、巻出ロールb1から引き出されたシートsを巻き取る巻取ロールb2と、シートsの移動経路中巻出ロールb1と巻取ロールb2の間に設けられてシートsを順次送る送りローラ(図示しない。)とを備える(図1)。
上記塗工装置cは、この実施例では第1塗工装置c1と第2塗工装置c2とにて構成されている。第1塗工装置c1と第2塗工装置c2は、夫々圧胴ローラc11,c21と版ローラc12,c22とを備える。版ローラc12,c22は塗工材を保持し、版ローラc12,c22との間に上記シートsを挟む。圧胴ローラc11,c21と版ローラc12,c22との間を通り抜けることにより、塗工材がシートsへ塗工される。この例では、版ローラc12,c22によりシートsの片面に塗工材を塗工するものであるが、圧胴ローラc11,c21も塗工材を保持する版ローラとすることによってシートsの両面へ塗工材を塗工することができる。
上記乾燥装置dは、この例では、第1乾燥装置d1と、第2乾燥装置d2と、第3乾燥装置d3とにて構成されている。
シートsの移動経路中、第1乾燥装置d1及び第2乾燥装置d2は第1塗工装置c1と第2塗工装置c2との間に配置され、第3乾燥装置d3は第2塗工装置c2と巻取ロールb2との間に配置されている。
第1塗工装置c1を通過したシートsについて、第1乾燥装置d1及び第2乾燥装置d2にて塗工された塗工材を乾燥させる。第1乾燥装置d1及び第2乾燥装置d2は温風又は熱風をシートsに吹き付けるドライヤーである。この例では、第2乾燥装置d2は、シートへ紫外線(UV)を照射して前記塗工材を硬化させることができるUV照射装置eを備える。
第3乾燥装置d3も、温風又は熱風をシートsに吹き付けるドライヤーである。
第2塗工装置c2を通過したシートsについて、上記第3乾燥装置d3にて更に塗工された塗工材を乾燥させる。
第3乾燥装置d3を通過したシートsについて、移動経路中巻取ロールb2に巻き取られる前の位置Xにて作業者の目視により外観に異常がないか欠陥がないか確認される。
連続塗工装置aの上記塗工装置cの塗工ローラである上記圧胴ローラc11,c21と版ローラc12,c22は、樹脂フィルムや紙材のシートの幅1250mm〜2500mmとするものについて、巻取りスピードを毎分100mとするものを採用することができる。乾燥装置dによる塗工の連続乾燥温度として常温から摂氏250度まで設定可能である。
表1〜表3へ示す実施例1〜10は透明なHDPEフィルムに塗工液を塗工したものである。
上記のHDPEフィルムとして三菱ケミカル株式会社(東京都千代田区丸の内1−1−1 パレスビル)製造のHDPEフィルムのコロナ処理面にバーコーターで上記塗工液を塗布しドライヤーで乾燥させて得た表面塗工フィルムについて、表1〜表3へ示す後述のNo.1〜No.11の実験を行った。
表4へ示す実施例11〜14は厚さ0.06mmのポリアミドのフィルムに塗工液を塗工したものである。上記のポリアミドの透明なフィルムの表面にバーコーターで上記塗工液を塗布しドライヤーで乾燥させて得た表面塗工フィルムについて、表4へ示す後述のNo.12〜No.15の実験を行った。
表5へ示す実施例15〜18は厚さ0.06mmのアート紙へ塗工液を塗工したものである。上記のアート紙の表面にバーコーターで上記塗工液を塗布しドライヤーで乾燥させて得た表面塗工フィルムについて、表5へ示す後述のNo.16〜No.19の実験を行った。
表6及び表7へ示す実施例19〜21は厚さ0.07mmのPVC(ポリ塩化ビニル)の透明なフィルムへ塗工液を塗工したものである。上記のPVCのフィルムの表面にバーコーターで上記塗工液を塗布しドライヤーで乾燥させて得た表面塗工フィルムについて、表6及び表7へ示す後述のNo.20〜No.25の実験を行った。
上記実施例1〜21において、塗工液の塗工により形成した塗工膜の厚み(塗工厚)は0.2μmである。
表1及び表3の比較例1は塗工液を塗工していないHDPEのフィルムである。
表4の比較例2は塗工液を塗工していない厚さ0.06mmのポリアミドのフィルムである。表5の比較例3は塗工液を塗工していない厚さ0.06mmのアート紙である。表6及び表7の比較例4は塗工液を塗工していない厚さ0.07mmのPVCのフィルムである。
以下、各実施例に基づき表1〜表7の試験No.1〜25の判定を行った。また各比較例に基づき、試験No.101〜106の判定を行った。
表1〜表7へ示す上記各実施例について具体的に述べる。
実施例1は上記HDPEのフィルムへ上記αCDの塗工液を、実施例2は上記HDPEのフィルムへ上記Rαリポ酸γCD包接体の塗工液を、実施例3は上記HDPEのフィルムへ上記1−MCPαCD包接体の塗工液を塗工したものである(表1)。
実施例4は上記HDPEのフィルムへ上記βCDの塗工液を、実施例5は上記HDPEのフィルムへ上記γCDの塗工液を、実施例6は上記HDPEのフィルムへ上記Q10γCD包接体の塗工液を、実施例7は上記HDPEのフィルムへ上記カテキンβCD包接体の塗工液を、夫々塗工したものである(表2)。
実施例8は上記HDPEのフィルムへ上記MCTαCDの塗工液を、実施例9は上記HDPEのフィルムへ上記MCTβCDの塗工液を、実施例10は上記HDPEのフィルムへ上記MCTγCDの塗工液を、夫々塗工したものである(表3)。
実施例11は上記ポリアミドのフィルムへ上記αCDの塗工液を、実施例12は上記ポリアミドのフィルムへ上記Rαリポ酸γCD包接体の塗工液を、実施例13は上記ポリアミドのフィルムへ上記MCTαCDの塗工液を、実施例14は上記ポリアミドのフィルムへ上記1−MCPαCD包接体の塗工液を、夫々塗工したものである(表4)。
実施例15は上記アート紙へ上記αCDの塗工液を、実施例16は上記アート紙へ上記Rαリポ酸γCD包接体の塗工液を、実施例17は上記アート紙へ上記MCTαCDの塗工液を、実施例18は上記アート紙へ上記1−MCPαCD包接体の塗工液を、夫々塗工したものである(表5)。
実施例19は上記PVCのフィルムへ上記αCDの塗工液を、実施例20は上記PVCのフィルムへ上記Rαリポ酸γCD包接体の塗工液を、実施例21は上記PVCのフィルムへ上記1−MCPαCD包接体の塗工液を、夫々塗工したものである(表6及び表7)。
表1へ示す通り、試験No.1では実施例1の塗工シート(HDPE)を用い、試験No.2では実施例2の塗工シート(HDPE)を用い、試験No.3では実施例3の塗工シート(HDPE)を用い、試験No.101では比較例1のシート(HDPE)を用い、夫々鮮度判定の対象物をリンゴとし次の手法でリンゴの経時変化を観察した。
即ち、上記リンゴについて市販のものを1/2に切断し、常温下このリンゴ表面全体へ上記塗工液を表面に塗工した塗工シート(HDPE)を密着させて、切断当初白色である上記リンゴの切断面の経時変化(7日後)を目視にて観測した。リンゴの上記切断面の前記経時変化を次のA〜Dの4段階に分け、変色度の判定結果とした(表1の実施例1及び2)。
1) 変色度の割合が切断面表面の4%以下の場合はAとし、
2) 4%〜10%はBとし、
3) 10%〜20%はCとし、
4)20%〜50%以上はDとした。
表2へ示す通り、試験No.4では実施例1の上記塗工シート(HDPE)を用い、試験No.5では実施例4の上記塗工シート(HDPE)を用い、試験No.6では実施例5の上記塗工シート(HDPE)を用い、試験No.7では実施例6の上記塗工シート(HDPE)を用い、試験No.8では実施例7の上記塗工シート(HDPE)を用い、表3へ示す通り、試験No.9では実施例8の上記塗工シート(HDPE)を用い、試験No.10では実施例9の上記塗工シート(HDPE)を用い、試験No.11では実施例10の上記塗工シート(HDPE)を用い、試験No.102では比較例1のシート(HDPE)を用い、表4へ示す通り、試験No.12では実施例11の上記塗工シート(ポリアミド)を用い、試験No.13では実施例12の上記塗工シート(ポリアミド)を用い、試験No.14では実施例13の上記塗工シート(ポリアミド)を用い、試験No.15では実施例14の上記塗工シート(ポリアミド)を用い、試験No.103では比較例2の上記シート(ポリアミド)を用い、表5へ示す通り、試験No.16では実施例15の上記塗工シート(アート紙)を用い、試験No.17では実施例16の上記塗工シート(アート紙)を用い、試験No.18では実施例17の上記塗工シート(アート紙)を用い、試験No.19では実施例18の上記塗工シート(アート紙)を用い、試験No.104では比較例3の上記シート(アート紙)を用い、夫々鮮度判定の対象物をバナナとし次の手法でバナナの経時変化を観察した。
即ち、上記バナナに市販のものを採用し、当該バナナ全体へ常温下上記塗工液を表面に塗工した塗工シートの夫々を密着させて当該バナナを包み、当初白色であった当該バナナ表面の7日後の経時変化を目視にて観測し、以下の段階に分け、変色度の判定結果とした。
5)変色度の割合がバナナ全体の表面の4%以下の場合はAとし、
6)4%〜10%はBとし、
7)10%〜20%はCとし、
8)20%〜50%以上はDとした。
表6へ示す通り、試験No.20では実施例19の上記塗工シート(PVC)を用い、試験No.21では実施例20の上記塗工シート(PVC)を用い、試験No.22では実施例21の上記塗工シート(PVC)を用い、試験No.105では比較例4の上記シート(PVC)を用い、夫々鮮度判定の対象物を白菜とし次の手法で白菜の経時変化を観察した。
即ち、市販の白菜を1/2に切断し、一方を塗工処理したポリ塩化ビニル(PVC)0.07mmの透明ラップで包み、常温にて7日後に切断面及び外皮を目視し、劣化してないものを〇、劣化したものを×とした。
表7へ示す通り、試験No.23では実施例19の上記塗工シートを用い、試験No.24では実施例20の上記塗工シートを用い、試験No.25では実施例21の上記塗工シートを用い、試験No.106では比較例4の上記シートを用い、夫々鮮度判定の対象物をカーネーションとし次の手法で経時変化を観察した。
即ち、花卉として市販のカーネーションを塗工処理したポリ塩化ビニル(PVC)0.07mmの透明ラップ(塗工面をカーネーションに向ける)で包み、常温にて7日後に花の花弁、葉及び茎部を目視し、劣化してないものを〇、劣化したものを×と表示した
表1へ示す通り、実験の結果、上記αCD、Rαリポ酸γCD包接体、1−MCPαCD包接体を塗工したHDPEフィルム(実施例1、2及び3)の夫々で保存されたリンゴの切断面は、比較例1とした上記塗工材を塗工しない(ブランクである)HDPEフィルムで保存されたリンゴの7日後のD判定(試験No.101)に対し、7日後もA判定と白色を維持したままであった(試験No.101、No.1、No.2及びNo.3)。
表2及び表3へ示す通り、上記αCD、Q10γCD包接体、カテキンβCD包接体、MCTαCD、MCTβCDの塗工を施したHDPEフィルム(実施例1、6〜9)の夫々で保存されたバナナ全体の表面は、表3へ示す比較例1の上記塗工材を塗工しない(ブランクである)HDPEフィルムで保存されたバナナの7日後の表面のD判定(試験No.102)に対し、何れも7日後もA判定と黄色を維持したままであった(試験No.4、No.7〜No.10)。
表2へ示す通り、βCD及びγCD単独の塗布結果はαCD単独と比較してエチレンに対する包接能がないことが確認できた(表2の実施例4及び5のB判定)。
上記βCD及びγCD、更にMCTγCD(実施例4、5、10)は、表2及び表3へ示す通りB判定でありA判定であった他の塗工液を施したものより劣るものであるが、上記D判定の比較例1に比して良好な結果と言える。
表4へ示す通り、αCD、Rαリポ酸γCD包接体、MCTαCD、1−MCPαCD包接体の塗工を施したポリアミドフィルム(0.06mm)のラップ(実施例11〜14)の夫々で保存されたバナナ全体の表面は、比較例2の上記塗工材を塗工しないポリアミドフィルム(0.06mm)で保存されたバナナの7日後の表面のD判定(試験No.103)に対し、何れも7日後もA判定と黄色を維持したままであった(試験No.12〜No.15)。
即ち、比較例2の7日後の青果物表面の鮮度即ち変色度について、対象物をリンゴとする比較例1と同様に塗工処理無しのポリアミドフィルム(0.06mm)のラップでの7日後の変色度はDであり青果物の鮮度調整機能は見られなかったのに比して、塗工処理した実施例11〜14は優れた鮮度維持機能を示した。
表5へ示す通り、αCD、Rαリポ酸γCD包接体、MCTαCD、1−MCPαCD包接体の塗工を施したアート紙(0.06mm)(実施例15〜18)の夫々で保存されたバナナ全体の表面は、比較例3の上記塗工材を塗工しないアート紙(0.06mm)で保存されたバナナの7日後の表面のD判定(試験No.104)に対し、何れも7日後もA判定と黄色を維持したままであった(試験No.16〜No.19)。
即ち、比較例3の塗工無しのアート紙(0.06mm)のラップでの7日後の変色度はDであり青果物の鮮度調整機能は見られなかったのに比して、塗工処理した実施例15〜18は優れた鮮度維持機能を示した。
表6へ示す通り、市販の白菜を1/2に切断し一方を、αCD、Rαリポ酸γCD包接体、1−MCPαCD包接体の塗工を施したポリ塩化ビニル(PVC)0.07mmの透明ラップ(実施例19〜21)で包んだものと、塗工の処理をしていないもの(比較例4)とについて、常温にて7日後に切断面及び外皮を観察したところ、比較例4は劣化し萎えていたのに対して(試験No.105)、実施例19〜21は変化が見られず(試験No.20〜No.22)、更に10日後も塗工したものは劣化が見られなかった。
表7へ示す通り、花卉として市販のカーネーションへαCD、Rαリポ酸γCD包接体、1−MCPαCD包接体の塗工を施したポリ塩化ビニル(PVC)0.07mmの透明ラップ(塗工面をカーネーションに向ける)で包んだものと、塗工の処理をしていないもの(比較例4)とについて、常温にて7日後に花の花弁、葉及び茎部を観察したところ、比較例4は劣化し萎えていたのに対して(試験No.106)、実施例19〜21は変化が見られず(試験No.23〜No.25)、更に10日後も塗工したものは劣化が見られなかった。
(変更例)
上記実施の形態においては、本発明を塗工材及びその組成物について実施した例を示した。この他、塗工材を塗工するのではなく、包装等資材の組成物として例示した各種CDを樹脂フィルムや紙材自身の組成物として用いてもよい。例えば、コスト面を無視できるのであれば、上記樹脂フィルムや紙材へ練り込むものを排除するものではない。
また、包装等資材は、青果物等生鮮品を包装する包装資材の他、青果物等生鮮品を収容する容器その他格納に利用する資材としてもよい。
(総括)
本発明者は鋭意研究の結果、安全で安価な従来のフィルムに片面乃至は両面にウレタン樹脂をバインダーとしてシクロデキストリン及びその包接体を塗工処理し、従来の樹脂フィルム及び包装紙材で上記の青果物、花卉類を包装することにより、青果物中から自ら発生する完熟ホルモンの一種であるエチレンを包接吸着することにより青果物長の鮮度が長時間維持されることを見出し、更には植物生体内の劣化にはエネルギー補酵素のリポ酸、コエンザイムQ10、Lカルニチンを含む補酵素を含む各種抗酸化剤が鮮度維持機能を高めることを見出し本発明に至った。即ち本発明者はシクロデキストリン分子の動的な分子運動が環状の輪の中に目的のエチレン等の被吸着物質を包接吸着除去することを見出した。更には各種のシクロデキストリンで各種の抗菌剤及び抗酸化剤を包接したものを上記塗工処理することにより、安価で従来品のフィルム樹脂そのものにマスターバッチで混練する無駄を取り除き一般への普及品を量産化する発明に至った。
a 連続塗工装置
b 送り装置
b1 巻出ロール
b2 巻取ロール
c 塗工装置
c1 第1塗工装置
c2 第2塗工装置
c11(第1塗工装置c1の)圧胴ローラ
c12(第1塗工装置c1の)版ローラ
c21(第1塗工装置c2の)圧胴ローラ
c22(第1塗工装置c2の)版ローラ
d 乾燥装置
d1 第1乾燥装置
d2 第2乾燥装置
d3 第3乾燥装置
e UV照射装置
s シート

Claims (23)

  1. 青果物等生鮮品の劣化を抑制することにより青果物等生鮮品の鮮度を維持する鮮度維持材の組成物であって、シクロデキストリンを含有するものであり、
    前記シクロデキストリンは、ゲスト分子を包接していないホスト若しくはゲスト分子を包接した包接体である鮮度維持材の組成物。
  2. 青果物等生鮮品が発したガスを吸収することにより青果物等生鮮品の鮮度を維持する鮮度維持材の組成物であって、シクロデキストリンを含有するものであり、
    前記シクロデキストリンは、ゲスト分子を包接していないホスト若しくはゲスト分子を包接した包接体である鮮度維持材の組成物。
  3. 前記鮮度維持材は、青果物等生鮮品の包装等資材又は塗工材である請求項2記載の鮮度維持材の組成物。
  4. 前記シクロデキストリンが、αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、メチル化αシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリン、メチル化γシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン、モノクロロトリアジノαシクロデキストリン、モノクロロトリアジノβシクロデキストリン、モノクロロトリアジノγシクロデキストリン、トリアセチルαシクロデキストリン、トリアセチルβシクロデキストリン、トリアセチルγシクロデキストリンの少なくとも何れか一種以上である請求項1乃至3の何れかに記載の鮮度維持材の組成物。
  5. 前記シクロデキストリンが、αリポ酸、コエンザイムQ10、クルクミン、カテキン類、ハーブ類、クロロフィル類、DHA、EPA、1−メチルシクロプロペン、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン化合物、炭酸ガスエタノール、プロパノール、酢酸、シュウ酸、クエン酸、酪酸及びイソ吉草酸の少なとも何れか一種を包接する前記包接体である請求項1乃至4の何れかに記載の鮮度維持材の組成物。
  6. 前記シクロデキストリンが、金属、金属塩、酸化金属、ビグアナイド、カーバニリド、界面活性剤、カルボン酸、アルコール、アンモニウム塩、フェノール誘導体、アミノ酸、ヨウ素系化合物の少なくとも何れか一種を包接する前記包接体である請求項1乃至5の何れかに記載の鮮度維持材の組成物。
  7. 前記鮮度維持材は前記塗工材であり、
    樹脂又は紙材へ前記シクロデキストリンを結合するバインダー成分としてウレタン樹脂を含有する請求項3乃至6の何れかに記載の鮮度維持材の組成物。
  8. 前記バインダー成分は、水とアルコール類とグリコール類と酢酸エステルとリグニンスル本酸ナトリウムとベントナイトの少なくとも何れか一種を含有し、
    前記水は、普通水、天然水、蒸留水、純水、海水、イオン交換水、酸性水、アルカリ水の少なくとも何れか一種であり、
    前記アルコール類は、1価アルコールの少なくとも何れか一種であり、
    前記グリコール類は、1,2エタンジオール、1,2プロパンジオール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、リグニンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジプロピレングリコールの少なくとも何れか一種である請求項7記載の鮮度維持材の組成物。
  9. ホストとしての前記シクロデキストリン100重量%に対し、前記バインダー成分を0.1〜20重量%有する請求項7又は8記載の鮮度維持材の組成物。
  10. 前記シクロデキストリンは、αシクロデキストリンであり、
    前記シクロデキストリンと共に、1−メチルシクロプロペン、ノルボルナジエン、アミノオキシ酢酸、アミノエトキシビニルグリシン、ビス(チオスルファイト)銀(1)酸ナトリウムの少なくとも何れか1種を含有し、
    前記シクロデキストリンは、天然型シクロデキストリン、化学修飾型シクロデキストリン、分岐型シクロデキストリンの少なくとも何れか1種である請求項4乃至9の何れかに記載の鮮度維持材の組成物。
  11. 抗酸化剤として、αリポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、カテキン類、ポリフェノール類、セレンの無機化合物、亜鉛の無機化合物、鉄の無機化合物、銅の無機化合物、セレンの有機化合物、亜鉛の有機化合物、鉄の有機化合物、銅の有機化合物、セレンのキレート化合物、亜鉛のキレート化合物、鉄のキレート化合物、銅のキレート化合物の少なくとも何れか1種を含有する請求項1乃至10の何れかに記載の鮮度維持材の組成物。
  12. 請求項1乃至11の何れかに記載の鮮度維持材の組成物を含有する鮮度維持材。
  13. 前記包装等資材である請求項12に記載の鮮度維持材。
  14. 前記塗工材である請求項12に記載の鮮度維持材。
  15. 前記シクロデキストリンを1平方メートル当たり0.05g〜2g含有する請求項14記載の鮮度維持材を含有する包装等資材。
  16. シートと、当該シートの少なくとも一方の面に設けられたコーティング層とを備え、
    当該シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂の少なくとも何れか一種を含有するものであり、
    前記コーティング層が請求項14記載の鮮度維持材を含有する包装等資材。
  17. 紙片又は樹脂フィルムであるシートと、請求項14記載の鮮度維持材とを備えるものであり、
    当該シートの少なくとも何れか一方の面において前記鮮度維持材の組成物を1平方メートル当たり0.01g〜2g備える包装等資材。
  18. シートと、当該シートの少なくとも一方の面に設けられたコーティング層とを備え、
    当該シートは、アート紙、コート紙、キャストコート紙、上質紙、和紙、和紙フィルム、マットコート紙、コポ紙、エンボス紙の少なくとも何れか1種にて構成されたものであり、
    前記コーティング層は、請求項14記載の鮮度維持材を含有する包装等資材。
  19. 紙片又は樹脂フィルムを主材とするシートと、当該シートの少なくとも一方の面へ設けられた請求項14記載の鮮度維持材とを備え、
    当該シートは、消臭作用を奏する消臭シート、殺菌作用を奏する殺菌シート、除菌作用を奏する除菌シートの少なくとも何れか1つで構成された包装等資材。
  20. 紙片又は樹脂フィルムを主材とするシートと、当該シートの少なくとも一方の面へ設けられた請求項14記載の鮮度維持材を含有する層とを備え、
    前記層の厚さが0.1〜1μmである包装等資材。
  21. ウエブ状に巻かれたシートを引き出して連続又は断続して移動させる1つ又は複数のロールを備えた送り装置と、前記移動中当該シートの少なくとも一方の面へ塗工液である前記塗工材を塗工する塗工装置と、前記移動中前記塗工材を塗工された当該シートを乾燥させる乾燥装置とを備えた、請求項14に記載の鮮度維持材を塗工する塗工装置。
  22. シートを連続又は断続して移動させる送り工程と、前記送り工程中当該シートの少なくとも一方の面へ塗工液である前記塗工材を塗工する塗工工程と、前記送り工程中前記塗工材を塗工された当該シートを乾燥させる乾燥工程を順次遂行するものである、請求項14に記載の鮮度維持材を用いた包装等資材の製造方法。
  23. 液状の前記塗工材にバインダー樹脂を添加し、前記乾燥工程において、UVを照射して前記塗工材を硬化させるUV照射工程を遂行する請求項22記載の包装等資材の製造方法。
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