JP3062882B2 - イソチオシアン酸エステルを含有する高分子成形品及びその製造方法 - Google Patents

イソチオシアン酸エステルを含有する高分子成形品及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソチオシアン酸
エステルを含有する高分子成形品及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】各種食品を始め、レンズ等のガラス製
品、皮ブーツ、皮ジャンパー、毛皮コート等の皮革製
品、デンプン系又はセルロース系の塗料や糊等の工業製
品においては、カビの発生が見られ、それによって高品
価値が著しく損われたり、あるいは廃棄処理の必要にせ
まられる。また、カビの発生はないにしても、有害微生
物の増繁殖によって、同様に高品の価値が著しく損われ
たり、あるいは廃棄処理の必要にせまられる。例えば、
食品等においては、細菌の増繁殖による発酵や食品中毒
の問題が生じる。従来、物品に対するカビの発生を防止
するために、物品を脱酸素剤とともに包装材料により密
封包装し、包装物内部の酸素濃度を1%以下に保持するこ
とが知られている。この方法においては、好気性菌であ
るカビの発生はこれを効果的に防止することができるも
のの、食中毒や発酵を生じる嫌気性菌等の増繁殖の防止
には有効な手段とはなり得ない。また、カビの発生及び
一般細菌の増繁殖防止のために、物品をエタノール発生
剤とともに包装材料により密封包装し、包装物内部にエ
タノール蒸気を充満させることも知られている。しか
し、この方法では、使用するエタノールが高価であると
ともに、比較的多量で用いないと満足し得る効果が得ら
れない。さらに、従来多くの防カビ剤や抗菌剤が知られ
ているが、これらの化学薬剤の殆んどは人体に対して毒
性を有するものであることから、その使用にはきびしい
制約を受けるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のカビ
の発生防止や、有害微生物の増繁殖防止に見られる前記
問題を解決し、それ自体で抗菌性を有する高分子成形品
及びその製造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、わさびの主成分で
あるイソチオシアン酸エステルが極めて微量の使用にお
いても抗菌剤としてすぐれた効果を有することを見出す
とともに、このイソチオシアン酸エステルは高分子材料
透過性にすぐれ、ポリエチレンやポリプロピレン等の高
分子成形品を透過する点に着目し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば、イソチオシアン酸
エステルを吸着した吸着剤を含有する高分子成形品であ
って、あらかじめ形成した吸着剤含有成形品にイソチオ
シアン酸エステルを液状又は蒸気状で接触させて該吸着
剤にイソチオシアン酸エステルを吸着させたこと特徴と
するイソチオシアン酸エステルを含有する高分子成形品
が提供される。また、本発明によれば、イソチオシアン
酸エステルを吸着した吸着剤を含有する高分子成形品の
製造方法であって、あらかじめ形成した吸着剤含有成形
品にイソチオシアン酸エステルを液状又は蒸気状で接触
させて該吸着剤にイソチオシアン酸エステルを吸着させ
ること特徴とするイソチオシアン酸エステルを含有する
高分子成形品の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】わさびは、従来から抗菌作用や、
防カビ作用、腐敗防止作用を有することは経験上知られ
ている。しかし、わさびの主成分であるイソチオシアン
酸エステルを有効成分として含む、本発明のようなイソ
チオシアン酸エステルを含有する高分子成形品は全く知
られていない。
【0006】本明細書でいう抗菌性とは、好気性菌や嫌
気性菌等に対する殺菌性、静菌性、防菌性等を意味す
る。本発明におけるイソチオシアン酸エステルとして
は、イソチオシアン酸の各種エステルが用いられるが、
好ましくは、イソチオシアン酸アリルエステル(CH2
=CHCH2NCS)や、イソチオシアン酸アルキルエ
ステル(RNCS、R:アルキル基)が用いられる。本
発明においては、カラシ油をそのまま用いることができ
る。
【0007】本発明の高分子成形品を製造するには、あ
らかじめ吸着剤を含有させた高分子組成物を作り、これ
を所要の形状に成形し、成形品とする。成形品の形状は
任意であり、例えば、糸状、容器状、シート状、フィル
ム状、ペレット状等の各種形状が包含される。高分子に
含有させる吸着剤としては、従来公知の各種の吸着剤が
用いられる。このようなものとしては、例えば、セピオ
ライト、アタパルジャイト、パルゴルスカイト、ソーダ
沸石、モルデン沸石、シリカ、アルミナ、ゼオライト等
が挙げられる。吸着剤の含有量は、成形品全体に対し、
5〜60重量%、通常、10〜40重量%である。ま
た、高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン/酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン又は
その共重合体等のイソチオシアン酸エステルに透過性を
有るものであれば任意のものが用いられる。
【0008】次に、吸着剤を含有する高分子成形品(以
下、単に成形品とも言う)に対し、イソチオシアン酸エ
ステルを液状又は蒸気状で接触させる。成形品に対して
イソチオシアン酸エステルを蒸気状で接触させる方法と
しては、イソチオシアン酸エステルの蒸気又はこれを含
む空気や窒素等のガス中に成形品を保持する方法を挙げ
ることができる。この接触処理により、イソチオシアン
酸エステルの蒸気は成形品中に浸透し、成形品中の吸着
剤に吸着保持される。成形品に対してイソチオシアン酸
エステルを液状で接触させる方法としては、液状のイソ
チオシアン酸エステル又はその溶液を、成形品に対して
スプレーしたり、塗布したり、あるいは液状のチオシア
ン酸エステル又はその溶液中に成形品を浸漬する方法等
が挙げられる。このような処理においても、成形品中に
は、その接触界面からイソチオシアン酸エステルが蒸気
状で浸過し、成形品中の吸着剤に吸着保持される。
【0009】このようにして得られた成形品は、その内
部に存在する吸着剤がイソチオシアン酸エステルを含有
するとともに、イソチオシアン酸エステルを徐々に放出
する性質を有し、かつ成形品を構成する高分子がイソチ
オシアン酸エステルを透過させるものであることから、
成形品の表面からはイソチオシアン酸エステルの蒸気が
放散される。この成形品表面からのイソチオシアン酸エ
ステルの放散量をさらに抑制したい場合には、成形品の
表面に、高分子コーティングを施すことができる。この
場合、高分子としては、前記したポリオレフィンやその
共重合体が使用される。コーティング法としては、高分
子を溶液にして、これをスプレー法や、塗布法、浸漬法
等の方法により成形品の表面にコーティングする方法を
採用することができる。また、高分子をフィルム状に成
形し、これを接着剤を介して又は介さずに成形品表面に
圧着又は熱圧着する方法等を採用することができる。ま
た、成形品がフィルムやシート等の場合、その一方の面
にイソチオシアン酸エステルを実質的に透過させない高
分子のフィルムを積層接着させたり、あるいはコーティ
ングさせることができる。さらに、成形品が容器の場合
には、その外面にイソチオシアン酸エステルを実質的に
透過させない高分子のフィルムを積層接着させたり、コ
ーティングさせることができる。このような成形品にお
いては、そのフィルムやコーティングを施さない方の面
側からイソチオシアン酸エステルが放散される。イソチ
オシアン酸エステルを実質的に透過させない高分子とし
ては、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0010】
【発明の効果】本発明のイソチオシアン酸エステルを含
有する高分子成形品は、その表面からイソチオシアン酸
エステルが放散され、それ自体で抗菌性を有するもので
ある。従って、本発明の成形品は、カビの発生や、微生
物の増繁殖が問題となっている分野に有利に用いること
ができる。本発明の成形品において、シート又はフィル
ムは、これを食品や、その他の微生物の増繁殖しやすい
物品を密封包装するための包装材料として用いることが
できる。このような包装材料で密封包装された物品にお
いては、そのフィルムやシート表面から放散するイソチ
オシアン酸エステルの抗菌作用により、カビの発生は防
止されるとともに、その他の微生物の増繁殖が防止され
る。また、容器状の成形品も、防カビ性や抗菌性容器と
して同様に使用することができる。糸状の成形品は、こ
れを袋体にすることにより、果物や野菜等に対する防カ
ビ性や抗菌性の網状袋として用いることができる。ペレ
ット状の成形品は、その表面からイソチオシアン酸エス
テルが発生することから、イソチオシアン酸エステル発
生剤として用いることができる。このようなイソチオシ
アン酸エステル発生剤は、これを紙や、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のイソチオシアン酸エステル透過性の
包装材料で包装し、この包装物を食品とともに包装材料
に密封することにより、食品の鮮度保持を行うことがで
きる。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 吸着剤(セピオライト微粉末)40重量部とポリエチレ
ン60重量部を溶融混合した後、フィルム状に成形して
吸着剤を含有する厚さ約50μmのフィルムを得、この
フィルムの一方の面にポリエステルフィルムを積層接着
した。次にこのフィルムを、液状のイソチオシアン酸エ
ステルイソチオシアン酸アリル)を入れたシャーレとと
もに密閉性容器に入れて密封し、温度40℃の恒温槽に
入れ、24時間放置した後、容器を開放してフィルムを
取り出した。このフィルムはそのポリエチレンフィルム
面のみから辛子臭を発し、イソチオシアン酸エステルが
放出されていることが確認された。次に、このフィルム
から袋体を形成し、その袋の開口部から切もちを入れて
その開口部をヒートシールにより封止した。この包装物
は、外面にイソチオシアン酸エステルを実質的に透過さ
せないポリエステルフィルムが積層されていることか
ら、その外面からは辛子臭を発生しないものであった。
また、比較のために、ポリエチレンの袋に同様に切もち
を入れてヒートシールにより密封した。前記した包装切
もちを室温で放置したところ、比較用の切もちは3日間
でカビの発生が見られたのに対し、本発明のフィルムで
包装された切もちは、1カ月を経過してもカビの発生は
認められなかった。
【0012】実施例2 実施例1で示した吸着剤を含有したポリエチレンフィル
ムとポリエステルフィルムとの積層接着フィルムを、イ
ソチオシアン酸エステルの10%アルコール溶液中に6
時間浸漬した後、これを取り出し、乾燥処理した。この
フィルムも、そのポリエチレンフィルム面のみから辛子
臭を発し、イソチオシアン酸エステルが放出されている
ことが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18 C08L 1/00 - 101/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソチオシアン酸エステルを吸着した吸
    着剤を含有する高分子成形品であって、あらかじめ形成
    した吸着剤含有成形品にイソチオシアン酸エステルを液
    状又は蒸気状で接触させて該吸着剤にイソチオシアン酸
    エステルを吸着させたこと特徴とするイソチオシアン酸
    エステルを含有する高分子成形品。
  2. 【請求項2】 イソチオシアン酸エステルを吸着した吸
    着剤を含有する高分子成形品の製造方法であって、あら
    かじめ形成した吸着剤含有成形品にイソチオシアン酸エ
    ステルを液状又は蒸気状で接触させて該吸着剤にイソチ
    オシアン酸エステルを吸着させること特徴とするイソチ
    オシアン酸エステルを含有する高分子成形品の製造方
    法。
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