JPH03153607A - くん蒸剤及びくん蒸方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、穀物類を始めとした各種被くん蒸物のくん蒸
方法に関するものである。

（従来技術及びその問題点） わさびは、従来から抗菌作用や防カビ作用、腐敗防止作
用を有することは経験上知られている。

しかし、わさびの主成分であるイソチオシアン酸エステ
ルを有効成分として含む抗菌剤や、防カビ剤、鮮度保持
剤等の産業的薬剤は未だ開発されていないし、まして、
穀類等のくん黒用薬剤として使用されたことはない。

本発明者らは、先にイソチオシアン酸エステルは、微小
ガス濃度ですぐれた殺菌作用又は抗菌作用を有すること
を見出し、この知見に基づいて数多くの出願を行ってい
る（特願平１−８８２７４号、同１−８８２７５号、同
１−８８２７６号、同１−１１８２７７号、同１−９４
７７０号、同１−１３７７９２号等）。

一方、穀物類や、果実類等の破くん蒸物を倉庫内におい
てくん蒸することは広く行われている。

このためのくん黒用薬剤としては、従来、臭化メチルが
一般的に使用されている。しかし、この臭化メチルは、
常温で気体状のもので引火しやすい上に、人体に対して
強い有害性を有するという欠点を有し、その使用には大
きな困難が伴う。従って、臭化メチルに代る安全なくん
蒸射の開発が望まれている。

（発明の課題） 本発明は、臭化メチルに代る安全なくん蒸射及びそれを
用いたくん蒸方法を提供することをその課題とする。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、わさびの主成分であるイソチオシアン酸エステル
の蒸気がすぐれたくん蒸作用を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。

即ち、本発明によれば、イソチオシアン酸エステルから
なるくん蒸射が提供される。

また１本発明によれば、くん蒸室内において被くん蒸物
にイソチオシアン酸エステルの蒸気を混入したガスを接
触させることを特徴とするくん蒸方法が提供される。

さらに、本発明によれば、穀物類を空気輸送するに際し
、該空気としてイソチオシアン酸エステルの蒸気を混入
した空気を用いることを特徴とする穀物類のくん蒸方法
が提供される。

本発明におけるイソチオシアン酸エステルとしては、イ
ソチオシアン酸の脂肪族系及び芳香族系の各種エステル
が用いら九るが、好ましくは、イソチオシアン酸アリル
エステル（ＣＨ２＝ＣＨＣＨ，ＮＣ３）や。

イソチオシアン酸アルキルエステル（ＲＮＣ５，Ｒ：ア
ルキル基）が用いられる０本発明においては、カラシ油
をそのまま用いることができる。

（発明の実施例） 次に本発明の１つの実施例について図面を用いて説明す
る。第１図は本発明を実施する場合のフローシートを示
し、１，４はブロワ−１２は蒸気発生室、３はくん蒸室
、５は吸着装置を示す。

蒸気発生室２は、その内部にイソチオシアン酸エステル
を収容する構造のものである。この場合、イソチオシア
ン酸エステルは、液状又は溶液状あるいはゲル状で存在
させることができるし、また。

セピオライトやケイソウ土、アルミナ、シリカ、シリカ
アルミナ、マグネシア、ゼオライト、活性炭等の吸着剤
に含浸させた状態で存在させることもできる。イソチオ
シアン酸エステルの蒸気を発生し得るものであれば、そ
の形態は特に制約されない。

本発明において、蒸気発生室に存在させるイソチオシア
ン酸エステルは、これを油性液体に溶解させて、その蒸
気の揮散量をコントロールするのが好ましい、油性液体
としては、エタノールやプロパツール、ヘキサノール等
の比較的沸点の低い液体も使用し得るが、難揮発主液体
の使用が好ましい、一般には、温度２５℃、大気圧にお
ける蒸発速度が０．０３ｇ／ａｊ−ｈｒ以下、好ましく
は０．００１ｇ／ａＪ　・ｈｒ以下のものが用いられる
１本発明においては。

沸点１８０℃以上、好ましくは２００℃以上の油性液体
が有利に使用される。油性液体としては１例えば、オリ
ブ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウ
モロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、綿実油
、落花生油、カカオ脂、パーム油、チョウジ油、ヤシ油
、牛脂、魚油、硬化油、タードル油、卵黄油等の油脂類
；液状ラノリン等のロウ類；流動パラフィン、流動ポリ
イソブチレン、スフラワン等の炭化水素油；オレイン酸
、リノール酸、リシノール酸等の高級脂肪酸油；オレイ
ルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール；ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グ
リセリン等の多価アルコール；酢酸ラノリン、ラウリン
酸ヘキシル等のエステル油等が挙げられる。また、油性
液体は、無臭ないし無臭に近いものの使用が好ましい。

油性液体に対するイソチオシアン像エステルの溶解量は
、イソチオシアン酸エステルの油性液体溶液中、０．０
１−２０重量２、好ましくは０．１−１０重ｉ％である
。

イソチオシアン酸エステルは、少量でも強い刺激臭を与
え、取扱いの困難なものであるが、前記のような油性液
体の溶液とすることにより、その連敗を効果的に抑制し
、取扱いの容易なものとすることができる。

本発明において蒸気発生室に存在させるイソチオシアン
酸エステルは、前記溶液を吸着剤に含浸し、室内の温度
をコントロールするのが好ましい。

イソチオシアン酸エステル吸着装置５は、その内部に吸
着剤を有するもので、導入されたガスからそれに含まれ
るイソチオシアン酸エステルの蒸気を吸着除去するもの
である。吸着剤としては、一般には、活性炭やセピオラ
イト、ケイソウ土、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミ
ナ、マグネシア、ゼオライト等が用いられるが、イソチ
オシアン酸エステルの蒸気に吸着作用を有するものであ
ればどのようなものでも使用可能である。

くん蒸を行うには、ブロワ−１を作動させ、ガスをライ
ン６を介して蒸気発生室２を流通させ、イソチオシアン
酸エステルの蒸気を含んだガスをライン１０を通して抜
出すとともに、このガスを被くん蒸物の収容されている
くん蒸室３内に導入する。

イソチオシアン酸エステルの蒸気を搬送するためのガス
としては１通常、空気が用いられるが、窒素ガスや炭酸
ガス等であってもよい。蒸気発生室２から排出されるガ
スは、その一部をライン１１、バルブ１２を通してライ
ン９に循環することにより、ライン１０を通るガス中の
イソチオシアン酸エステルの蒸気濃度を調節することが
できる。

くん蒸室３内の空気中に所要濃度のイソチオシアン酸エ
ステルの蒸気が混入した時に、ブロワ−１を停止すると
ともに、バルブ１３を閉じてくん蒸室内を密閉状態に保
持する。この状態を一定時間保持して、被くん蒸物のく
ん蒸を達成する。くん蒸室３内には、ファンを付設して
、室内の空気を流動させて、イソチオシアン酸エステル
の蒸気の室内における拡散を促進させるのが好ましい、
くん蒸室内のイソチオシアン酸エステルの蒸気１度は、
容積基準で、　１（１〜４０００ｐｐＨｌ（ｖ／ｖ）、
好ましくは２００−２０００ｐｐｍ（ｖ／ｖ）である、
くん蒸時間は、被くん蒸物に対して十分なくん蒸効果が
得られる時間であり、被くん蒸物の種類及びくん蒸室内
のイソチオシアン酸エステルの蒸気濃度により変化し、
一義的には決められないが、一般には、６時間〜３日間
で十分である６本発明で用いるイソチオシアン酸エステ
ルの蒸気は、非常に高い′浸透性を有するとともに、強
いくん蒸作用を有し、従来の臭化メチルに比べると、そ
のくん蒸時間は短かくてすむ。

くん蒸処理の終了後は、バルブ１５を開くとともに、ブ
ロワ−４を作動させ、くん蒸室内の空気を吸着装置５を
介してライン２２より大気へ排出する。

この場合、くん蒸室内が減圧化されるのを回避するため
に、くん蒸室には別途バルブを付設し、このバルブを大
気に開放するのがよい。吸着装置５では、その中に含ま
れる吸着剤の作用により空気中に含まれるイソチオシア
ン酸エステルの蒸気が吸着除去される。この吸着装置に
おける空気の接触時間は、その吸着除去が十分に達成さ
れる時間であればよく、その接触時間は、ライン１８を
通って吸着装置５から抜出される空気の一部をライン１
９及びバルブ２０を通ってライン１７に再循環させるこ
とにより調節することができる。吸着装置５は。

これに加熱機構や冷却機構を付設し、その吸着温度をコ
ントロールすることができる。また、吸着装置において
、その吸着剤が飽和吸着に達した時には、これにスチー
ム等の加熱媒体を流通させて再生することができる。

本発明において、くん蒸室内の空気中へのイソチオシア
ン酸エステルの混入は、前記した蒸気発生室において気
化したイソチオシアン酸エステルの混入によらず１イソ
チオシアン酸エステルを液状又は溶液状で直接空気中に
スプレーし、空気中で気化させることによって行うこと
ができる。また、イソチオシアン酸エステルの空気中か
らの分離除去は、吸着剤によらず、固体状アミン等のイ
ソチオシアン酸エステルに対して化学反応性を有する物
質を用いて化学反応的に行うこともできる。

なお、前記ブロワ−や、蒸気発生室、吸着装置等は、そ
の一部又は全部をくん蒸室内に設置することができる。

くん蒸室としては、密閉性構造のものであれば任意のも
のが用いられる０例えば、建物倉庫や。

船内倉庫、密閉性の部屋、テント等が用いられる。

本発明によるくん蒸処理は、ＷＪ昌には、プラスチック
製の容器や袋を用いて行うことができる。

即ち、このようなプラスチック製の容器や袋を用いてく
ん蒸を行う場合には、被くん蒸物をその容器や袋に入れ
るとともに、その容器や袋内にイソチオシアン酸エステ
ルの液体又はその溶液をスプレーするか又はイソチオシ
アン酸エステルの蒸気発生剤を投入し、全体を密閉し、
この状態所要時間保持すればよい。

被くん蒸物としては、稲（米）、麦、トウモロコシ、そ
ば、そら豆、大豆、小豆等の各種の穀物類や種実類の他
、果実類や、野菜、木材等の有害微生物や害虫の増繁殖
が問題となっている各種の天然収穫物が包含される。

また５本発明においては、穀物類を空気輸送するに際し
て、その輸送空気中にイソチオシアン酸エステルの蒸気
を混入することにより、穀物類をくん蒸することができ
る。倉庫に貯蔵された穀物類を船倉へ移す時等には、空
気をブロワ−により配管内を圧送するとともに、その圧
送空気に穀物類を吸引浮遊させて輸送することが広く行
われている。本発明では、このような輸送用空気中にイ
ソチオシアン酸エステルの蒸気を混入することによって
も、良好なくん蒸効果を得ることができる。

輸送用空気中へのイソチオシアン酸エステルの蒸気の混
入方法としては、配管を流通する空気中へイソチオシア
ン酸エステルの蒸気を圧入する方法や、イソチオシアン
酸エステルを液状又は溶液状で圧入し、配管中で気化さ
せる方法、ブロワ−に入る空気にイソチオシアン酸エス
テルを蒸気状又は液体状で混入する方法等がある。この
穀物類の空気輸送においては所定の移送個所に位置する
配管の先端から穀物類が空気とともに排出され、同時に
穀物類と輸送用空気との分離が行われる。この分離され
た輸送用空気は、イソチオシアン酸エステルの蒸気を含
むもので、前記ブロワ−に循環使用するのが好ましい。

本発明で用いるイソチオシアン酸エステルは。

土壌くん蒸射としても有利に適用される。農業栽培にお
いては、土壌中の有害微生物や害虫を殺滅ないし翻除し
、これによって作物の収穫量を高めることか行われてい
る。イソチオシアン酸エステルは、すぐれた殺菌及び殺
虫効果を有するとともに、強い浸透性及び拡散性を有し
、さらに１人体に対する安全性も高いことから、土壌く
ん蒸射として非常にすぐれた効果を示す。土壌に対する
適用は、イソチオシアン酸エステルの液体又はその溶液
（水溶液や前記した如き有機液体の溶液）を土壌にスプ
レーする方法や、土壌中に注入する方法等がある。また
、イソチオシアン酸エステルは。

水分解性もあるので、多量適用しても、長時間経過する
と、土壌中で分解されてしまうという利点もある。

（発明の効果） 本発明によるイソチオシアン酸エステルからなるくん蒸
射は、従来一般に用いられている臭化メチルとは異なり
、常温で液状を示し、その引火性は極めて低くかつ人体
に対する安全性も非常に高い上に、微小濃度において高
いくん蒸作用を示す等のすぐれた利点を有するものであ
る。

本発明のくん蒸射を用いることにより、有害微生物及び
害虫の増繁殖が問題となる各種の被くＬ蒸物を安全かつ
効果的にくん蒸することができる。

さらに５本発明のくん蒸射は、土壌くん蒸射（土壌消毒
剤）としても有利に適用し得るものである。

（実施例） 次に本発明を実施例により詳述する。

実施例 被くん蒸物のモデルサンプルとして、穀象虫の付いた玄
米５００ｇをナイロンの袋に入れ、さらにこの袋に、イ
ソチオシアン酸アリルエステルを１０重量２溶解させた
大豆油を含浸させた顆粒状のケイソウ±（含浸割合：２
０重量％）５ｇを紙の小袋に封入して入れ、ナイロンの
袋を密封した。これをそのまま１昼夜放置した後、開封
して穀象虫の生死を判別したところ、穀象虫はいずれも
死滅していることが確認された。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明を実施する場合のフローシートを示す。 １．４・・・ブロワ−１２・・・イソチオシアン酸エス
テルの蒸気発生室、 ３・・・くん蒸室、 ５・・イソチオシアン 酸エステルの蒸気吸着装置。 特許出頭人 ミナト産業株式会社 代 理 人

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）イソチオシアン酸エステルからなるくん蒸剤。
2. （２）くん蒸室内において被くん蒸物にイソチオシアン
   酸エステルの蒸気を混入したガスを接触させることを特
   徴とするくん蒸方法。
3. （３）くん蒸室内において被くん蒸物にイソチオシアン
   酸エステルの蒸気を混入したガスを接触させてくん蒸を
   行った後、くん蒸室内のガスを吸着剤で処理して該ガス
   中に含まれるイソチオシアン酸エステルの蒸気を吸着除
   去した後、大気中へ排出することを特徴とするくん蒸方
   法。
4. （４）穀物類を空気輸送するに際し、該空気としてイソ
   チオシアン酸エステルの蒸気を混入した空気を用いるこ
   とを特徴とする穀物類のくん蒸方法。