JPH08310577A - 抗菌性鶏卵用容器 - Google Patents
抗菌性鶏卵用容器Info
- Publication number
- JPH08310577A JPH08310577A JP12001095A JP12001095A JPH08310577A JP H08310577 A JPH08310577 A JP H08310577A JP 12001095 A JP12001095 A JP 12001095A JP 12001095 A JP12001095 A JP 12001095A JP H08310577 A JPH08310577 A JP H08310577A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antibacterial
- resin film
- particles
- container
- cyclodextrin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Packaging Frangible Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 室内のような中湿度の環境下でも十分な抗菌
効果を発揮することができる抗菌性鶏卵用容器を得る。 【構成】 非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接
化合物とを含む抗菌性粒子7が樹脂フィルム13に保持
されるとともに、該抗菌性粒子7の粒径は該樹脂フィル
ム13の平均厚さより大きくされる抗菌性樹脂フィルム
15を基材に積層した積層シート16を用いて鶏卵用容
器を成形する。
効果を発揮することができる抗菌性鶏卵用容器を得る。 【構成】 非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接
化合物とを含む抗菌性粒子7が樹脂フィルム13に保持
されるとともに、該抗菌性粒子7の粒径は該樹脂フィル
ム13の平均厚さより大きくされる抗菌性樹脂フィルム
15を基材に積層した積層シート16を用いて鶏卵用容
器を成形する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性鶏卵用容器に関
し、特に、鶏卵に付着している食中毒菌のような有害菌
の繁殖抑制に有効であり、同時に、容器にダニのような
害虫類が接近しないようにした抗菌性鶏卵用容器に関す
る。
し、特に、鶏卵に付着している食中毒菌のような有害菌
の繁殖抑制に有効であり、同時に、容器にダニのような
害虫類が接近しないようにした抗菌性鶏卵用容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鶏卵は、その産卵環境を無菌状態とする
ことが困難であり、その表面に多くの雑菌が付着してい
るといわれる。鶏卵に付着した食中毒菌等の雑菌は冷蔵
保管庫内のような低温環境下では増殖しにくいが、一度
常温環境に晒されると、短時間で急激に増殖する。一
方、鶏卵は呼吸をしており低温下に長時間放置すること
は鮮度を低下させる恐れもあり、養鶏場から一般消費者
までの鶏卵流通経路において常温下に置かれる場合が多
くあり得る。また、店頭では幾分低温環境下に保管され
ている鶏卵であっても、購入された後に一般家庭におい
て常温下に放置される場合もある。
ことが困難であり、その表面に多くの雑菌が付着してい
るといわれる。鶏卵に付着した食中毒菌等の雑菌は冷蔵
保管庫内のような低温環境下では増殖しにくいが、一度
常温環境に晒されると、短時間で急激に増殖する。一
方、鶏卵は呼吸をしており低温下に長時間放置すること
は鮮度を低下させる恐れもあり、養鶏場から一般消費者
までの鶏卵流通経路において常温下に置かれる場合が多
くあり得る。また、店頭では幾分低温環境下に保管され
ている鶏卵であっても、購入された後に一般家庭におい
て常温下に放置される場合もある。
【0003】従って、当初から鶏卵に付着していた雑菌
が流通過程においてあるいは一般過程での保管時に増殖
し、それが食中毒を引き起こす原因ともなりかねない。
大量の鶏卵を一括して処理する食品工場等においては、
処理に当たって鶏卵の洗浄処理あるいは殺菌処理が行わ
れるが、一般家庭への鶏卵の流通経路においてはこのよ
うな処理は通常行われることなく、プラスチック製ある
いは紙製の鶏卵用容器にそのまま所要個数収容されて、
店頭に置かれるののみである。
が流通過程においてあるいは一般過程での保管時に増殖
し、それが食中毒を引き起こす原因ともなりかねない。
大量の鶏卵を一括して処理する食品工場等においては、
処理に当たって鶏卵の洗浄処理あるいは殺菌処理が行わ
れるが、一般家庭への鶏卵の流通経路においてはこのよ
うな処理は通常行われることなく、プラスチック製ある
いは紙製の鶏卵用容器にそのまま所要個数収容されて、
店頭に置かれるののみである。
【0004】そのような不都合を解消する試みとして、
鶏卵用容器を抗菌性としたものが提案されている(実開
平5−149号公報参照)。これは、合成樹脂材料から
なる鶏卵用容器の該材料中に、抗菌材料として作用する
わさび抽出油(イソチオシアン酸エステル類を主成分と
する化合物)を包接したサイクロデキストリンを分散さ
せるか、該容器の少なくとも内面にその塗膜を設けるよ
うにしたものであり、揮発性成分が容器内に充満し、流
通段階での有害菌の増殖が抑制されるというものであ
る。
鶏卵用容器を抗菌性としたものが提案されている(実開
平5−149号公報参照)。これは、合成樹脂材料から
なる鶏卵用容器の該材料中に、抗菌材料として作用する
わさび抽出油(イソチオシアン酸エステル類を主成分と
する化合物)を包接したサイクロデキストリンを分散さ
せるか、該容器の少なくとも内面にその塗膜を設けるよ
うにしたものであり、揮発性成分が容器内に充満し、流
通段階での有害菌の増殖が抑制されるというものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この種
のわさび抽出油のような有機系抗菌剤のサイクロデキス
トリン包接化合物について、多くの実験と研究を行うこ
とにより、当該サイクロデキストリン包接化合物は高湿
度下では包接した有機系抗菌剤を揮散させることから、
包装した食品(鶏卵)に対しても有効に抗菌性を発揮す
るものの、冷蔵庫内や通常の室内環境のような中程度の
湿度、例えば湿度60%程度の環境下においては、有機
系抗菌剤が容易に揮散しないために、十分な抗菌性を発
揮しない問題を有していることを知った。
のわさび抽出油のような有機系抗菌剤のサイクロデキス
トリン包接化合物について、多くの実験と研究を行うこ
とにより、当該サイクロデキストリン包接化合物は高湿
度下では包接した有機系抗菌剤を揮散させることから、
包装した食品(鶏卵)に対しても有効に抗菌性を発揮す
るものの、冷蔵庫内や通常の室内環境のような中程度の
湿度、例えば湿度60%程度の環境下においては、有機
系抗菌剤が容易に揮散しないために、十分な抗菌性を発
揮しない問題を有していることを知った。
【0006】また、樹脂材料中に抗菌剤を分散させる場
合、抗菌作用を発揮するのはその表面に現れる一部の抗
菌剤でしかなく、樹脂材料中に埋没している抗菌剤は有
効に作用しないことから、必要以上の抗菌剤を混入する
ことがどうしても必要となり、コストアップとなること
も避けられない。
合、抗菌作用を発揮するのはその表面に現れる一部の抗
菌剤でしかなく、樹脂材料中に埋没している抗菌剤は有
効に作用しないことから、必要以上の抗菌剤を混入する
ことがどうしても必要となり、コストアップとなること
も避けられない。
【0007】容器を構成する樹脂材料の内面に抗菌剤を
塗布する場合には、使用態様によっては抗菌剤がバイン
ダーと共に食品(鶏卵)側へ移行する場合が起こり得
る。従って、本発明の目的は、通常の室内環境において
も十分にかつ持続的に抗菌性を発揮できかつ抗菌材料の
鶏卵側への移行が生じないようにした抗菌性鶏卵用容器
を提供することにある。
塗布する場合には、使用態様によっては抗菌剤がバイン
ダーと共に食品(鶏卵)側へ移行する場合が起こり得
る。従って、本発明の目的は、通常の室内環境において
も十分にかつ持続的に抗菌性を発揮できかつ抗菌材料の
鶏卵側への移行が生じないようにした抗菌性鶏卵用容器
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
ような不都合のない抗菌性を持つ鶏卵用容器を得べくさ
らに実験と研究を行った。その過程において、有機系抗
菌剤を担持させた非晶質リン酸カルシウム粒子が上記有
機系抗菌剤の抗菌性をより改善できることを見出し、そ
れに基づき、有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包
接させた包接化合物に上記非晶質リン酸カルシウムを配
合して、上記有機系抗菌剤による抗菌性を調べたとこ
ろ、有機系抗菌剤の抗菌性を向上できるだけでなく、中
程度の湿度環境下においても、上記有機抗菌剤を揮散さ
せることを見出し、そのようにして得られた抗菌性粒子
をすでに出願した(特願平6−283295号)。上記
抗菌性粒子は、有機系抗菌剤として例えばイソチオシア
ン酸エステルやテルペン化合物類を用いた場合に生じが
ちな異臭(ワサビ臭、ニンニク臭)を食品側に転移させ
ない効果も奏する。
ような不都合のない抗菌性を持つ鶏卵用容器を得べくさ
らに実験と研究を行った。その過程において、有機系抗
菌剤を担持させた非晶質リン酸カルシウム粒子が上記有
機系抗菌剤の抗菌性をより改善できることを見出し、そ
れに基づき、有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包
接させた包接化合物に上記非晶質リン酸カルシウムを配
合して、上記有機系抗菌剤による抗菌性を調べたとこ
ろ、有機系抗菌剤の抗菌性を向上できるだけでなく、中
程度の湿度環境下においても、上記有機抗菌剤を揮散さ
せることを見出し、そのようにして得られた抗菌性粒子
をすでに出願した(特願平6−283295号)。上記
抗菌性粒子は、有機系抗菌剤として例えばイソチオシア
ン酸エステルやテルペン化合物類を用いた場合に生じが
ちな異臭(ワサビ臭、ニンニク臭)を食品側に転移させ
ない効果も奏する。
【0009】本発明は、すでに提案している上記の抗菌
性粒子を特定の態様で樹脂フィルム中に保持させてなる
抗菌性樹脂フィルムを基材に積層してなる積層シートを
用いて鶏卵用容器を成形しようとするものであり、それ
により、冷蔵庫内や一般室内のような中湿度の環境下で
も十分な抗菌作用を奏すことができ、かつ、樹脂中に埋
設されたすべての抗菌性粒子が有効に抗菌性を発揮する
ことから生産コストが低減し、さらに、非晶質リン酸カ
ルシウム粒子は多孔質であるために鶏卵用容器内に揮散
した有機系抗菌剤を再度その表面に吸着する作用がある
ことから、より長く有機系抗菌剤の効果を発揮させるこ
とが可能となる。
性粒子を特定の態様で樹脂フィルム中に保持させてなる
抗菌性樹脂フィルムを基材に積層してなる積層シートを
用いて鶏卵用容器を成形しようとするものであり、それ
により、冷蔵庫内や一般室内のような中湿度の環境下で
も十分な抗菌作用を奏すことができ、かつ、樹脂中に埋
設されたすべての抗菌性粒子が有効に抗菌性を発揮する
ことから生産コストが低減し、さらに、非晶質リン酸カ
ルシウム粒子は多孔質であるために鶏卵用容器内に揮散
した有機系抗菌剤を再度その表面に吸着する作用がある
ことから、より長く有機系抗菌剤の効果を発揮させるこ
とが可能となる。
【0010】また、本発明者らは、上記の抗菌性粒子に
よる食品の保存実験を行う過程において、上記抗菌性粒
子がダニ、コクゾームシ、アカムシのような害虫類を寄
せ付けない機能も有していることを経験しており、従っ
て、本発明によれば、雑菌類の増殖防止のみならず害虫
類も回避可能な鶏卵用容器が提供される。すなわち、本
発明による抗菌性鶏卵用容器は、基材の少なくとも一面
に、非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
とを含む抗菌性粒子が樹脂フィルムに保持されるととも
に、該抗菌性粒子の平均粒子径が該樹脂フィルムの平均
厚さより大きいものとされた抗菌性樹脂フィルムが積層
されている積層シートを、前記抗菌性樹脂フィルム面が
内面となるようにして成形されてなるなることを特徴と
する。
よる食品の保存実験を行う過程において、上記抗菌性粒
子がダニ、コクゾームシ、アカムシのような害虫類を寄
せ付けない機能も有していることを経験しており、従っ
て、本発明によれば、雑菌類の増殖防止のみならず害虫
類も回避可能な鶏卵用容器が提供される。すなわち、本
発明による抗菌性鶏卵用容器は、基材の少なくとも一面
に、非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
とを含む抗菌性粒子が樹脂フィルムに保持されるととも
に、該抗菌性粒子の平均粒子径が該樹脂フィルムの平均
厚さより大きいものとされた抗菌性樹脂フィルムが積層
されている積層シートを、前記抗菌性樹脂フィルム面が
内面となるようにして成形されてなるなることを特徴と
する。
【0011】先ず、基材に積層する抗菌性樹脂フィルム
について説明する。抗菌性樹脂フィルムは樹脂フィルム
と抗菌性粒子とからなる。抗菌性粒子は基本的に、非晶
質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機系抗菌剤を
サイクロデキストリンに包接させた包接化合物とからな
り、該非晶質リン酸カルシウム(Amorphous Calcium Ph
osphate :以下、ACPと略す)は、ACPを含むスラ
リーを造粒して調整される。上記スラリーは、攪拌下の
水酸化カルシウム懸濁液に、水溶性高分子である分散
剤、例えばトリアクリル酸アンモニウム塩を0.1〜1
0重量%、好ましくは0.1〜3重量%添加して混合溶
液を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン酸水溶液の滴
下によってpH11〜5に調整することにより得られ、
粒径約0.1μm以下のACP微粒子を含むものであ
る。
について説明する。抗菌性樹脂フィルムは樹脂フィルム
と抗菌性粒子とからなる。抗菌性粒子は基本的に、非晶
質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機系抗菌剤を
サイクロデキストリンに包接させた包接化合物とからな
り、該非晶質リン酸カルシウム(Amorphous Calcium Ph
osphate :以下、ACPと略す)は、ACPを含むスラ
リーを造粒して調整される。上記スラリーは、攪拌下の
水酸化カルシウム懸濁液に、水溶性高分子である分散
剤、例えばトリアクリル酸アンモニウム塩を0.1〜1
0重量%、好ましくは0.1〜3重量%添加して混合溶
液を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン酸水溶液の滴
下によってpH11〜5に調整することにより得られ、
粒径約0.1μm以下のACP微粒子を含むものであ
る。
【0012】上記ACP微粒子は、粉末X線解析法によ
る回析パターンからリン酸カルシウムであり、また、そ
のパターンがブロードであり、かつ、ハイドロキシアパ
タイトやリン酸三カルシウムの回析パターンと異なるこ
とから、ACP[Ca3(PO4)2・nH2O] であることが確認さ
れる。その上、上記ACP微粒子は結晶水を含むことか
ら静電気的に活性な物質であると思われ、種々の菌体や
ウィルスを吸着し易くなっていると想定される。
る回析パターンからリン酸カルシウムであり、また、そ
のパターンがブロードであり、かつ、ハイドロキシアパ
タイトやリン酸三カルシウムの回析パターンと異なるこ
とから、ACP[Ca3(PO4)2・nH2O] であることが確認さ
れる。その上、上記ACP微粒子は結晶水を含むことか
ら静電気的に活性な物質であると思われ、種々の菌体や
ウィルスを吸着し易くなっていると想定される。
【0013】上記スラリー中にサイクロデキストリンを
添加し、対流式高速攪拌機にて500〜20000rp
mの回転数で攪拌し、溶解してサイクロデキストリン添
加スラリーを得る。このサイクロデキストリン添加スラ
リーに有機系抗菌剤を混合する。用いる有機系抗菌剤と
しては、常温において揮散性を有し、殺菌・静菌作用を
有するイソチオシアン酸アリル[CH2=CHCH2NCS]、ヒノキ
チオール、ヒバ油やテルペン類が挙げられる。なお、上
記有機系抗菌剤は、水と自由に混和するアルコールに溶
解してサイクロデキストリン添加スラリーに混合する。
また、有機系抗菌剤を上記サイクロデキストリン添加ス
ラリーに加える場合、上記混合を室温条件で行うことが
望ましい。このようにして有機系抗菌剤を含むサイクロ
デキストリン添加スラリーである混合スラリーを造粒し
て、本発明にいう抗菌性粒子を得る。
添加し、対流式高速攪拌機にて500〜20000rp
mの回転数で攪拌し、溶解してサイクロデキストリン添
加スラリーを得る。このサイクロデキストリン添加スラ
リーに有機系抗菌剤を混合する。用いる有機系抗菌剤と
しては、常温において揮散性を有し、殺菌・静菌作用を
有するイソチオシアン酸アリル[CH2=CHCH2NCS]、ヒノキ
チオール、ヒバ油やテルペン類が挙げられる。なお、上
記有機系抗菌剤は、水と自由に混和するアルコールに溶
解してサイクロデキストリン添加スラリーに混合する。
また、有機系抗菌剤を上記サイクロデキストリン添加ス
ラリーに加える場合、上記混合を室温条件で行うことが
望ましい。このようにして有機系抗菌剤を含むサイクロ
デキストリン添加スラリーである混合スラリーを造粒し
て、本発明にいう抗菌性粒子を得る。
【0014】なお、サイクロデキストリンは、α型、β
型、γ型のいずれでもよく、また、それらの少なくとも
2種を混合したものであってもよい。また、得られる抗
菌性粒子が所要の比表面積を備えることができるよう
に、スラリー中のACP微粒子は、その粒径が0.1μ
m以下であることが望ましく、さらに、そのような粒径
が小さい微粒子は凝縮し易いことから、凝縮防止のため
に前記分散剤の添加が必要となる。
型、γ型のいずれでもよく、また、それらの少なくとも
2種を混合したものであってもよい。また、得られる抗
菌性粒子が所要の比表面積を備えることができるよう
に、スラリー中のACP微粒子は、その粒径が0.1μ
m以下であることが望ましく、さらに、そのような粒径
が小さい微粒子は凝縮し易いことから、凝縮防止のため
に前記分散剤の添加が必要となる。
【0015】上記の混合スラリーにおいて、スラリーに
おけるACP微粒子の含量を1〜90重量%の範囲で変
えることにより、所望の平均粒径を有する抗菌性粒子を
得ることができる。なお、スラリーにおけるACP微粒
子が90重量%以上となるとスラリーの粘度が高くなり
後記する噴霧乾燥には不適となるので好ましくない場合
がある。
おけるACP微粒子の含量を1〜90重量%の範囲で変
えることにより、所望の平均粒径を有する抗菌性粒子を
得ることができる。なお、スラリーにおけるACP微粒
子が90重量%以上となるとスラリーの粘度が高くなり
後記する噴霧乾燥には不適となるので好ましくない場合
がある。
【0016】また、抗菌性粒子は多孔質、かつ、粒径2
00μm〜5μm程度のものが好ましく、特に、比表面
積が10m2/g以上のものが好ましい。そのような粒
子の製造法としては、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等がある
が、特に、噴霧乾燥法が好ましく使用できる。抗菌性粒
子他の製造方法として、ACP粒子と、揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接
化合物粒子とを別個に製造して、2種の粒子を混合する
ことによってもよい。
00μm〜5μm程度のものが好ましく、特に、比表面
積が10m2/g以上のものが好ましい。そのような粒
子の製造法としては、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等がある
が、特に、噴霧乾燥法が好ましく使用できる。抗菌性粒
子他の製造方法として、ACP粒子と、揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接
化合物粒子とを別個に製造して、2種の粒子を混合する
ことによってもよい。
【0017】上記のようにして得られた、ACPと、揮
発性を有する有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包
接させた包接化合物とを含む抗菌性粒子を以下のように
して樹脂フィルムに保持させる。上記樹脂フィルムの素
材としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、スチレ
ン系樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、脂肪族
ポリアミド)、ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族ポリ
エステル)、ポリエステルアミド等が好ましものとして
挙げられるが、これらの中でも、比較的低い温度で混練
加工が可能である樹脂が好ましく使用できる。
発性を有する有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包
接させた包接化合物とを含む抗菌性粒子を以下のように
して樹脂フィルムに保持させる。上記樹脂フィルムの素
材としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、スチレ
ン系樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、脂肪族
ポリアミド)、ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族ポリ
エステル)、ポリエステルアミド等が好ましものとして
挙げられるが、これらの中でも、比較的低い温度で混練
加工が可能である樹脂が好ましく使用できる。
【0018】上記抗菌性粒子を保持した樹脂フィルムの
成型方法は通常の樹脂フィルム製造方法と同様に考えて
よく、素材として、上記抗菌性粒子と上記樹脂とを混練
させたものを用いる。成型方法としては、ブロー成形、
インフレーション、Tダイ法等の押し出し法が好ましく
は用いられ、一旦、抗菌性粒子の平均粒径よりも大きい
間隙を持つスリットから樹脂を押し出し成形し、それを
適宜の方法により引き延ばすことにより、樹脂中に混練
されている抗菌性粒子の殆どは樹脂フィルムの表面から
露出した状態となって樹脂フィルムに保持される。
成型方法は通常の樹脂フィルム製造方法と同様に考えて
よく、素材として、上記抗菌性粒子と上記樹脂とを混練
させたものを用いる。成型方法としては、ブロー成形、
インフレーション、Tダイ法等の押し出し法が好ましく
は用いられ、一旦、抗菌性粒子の平均粒径よりも大きい
間隙を持つスリットから樹脂を押し出し成形し、それを
適宜の方法により引き延ばすことにより、樹脂中に混練
されている抗菌性粒子の殆どは樹脂フィルムの表面から
露出した状態となって樹脂フィルムに保持される。
【0019】上記樹脂フィルムの厚さは、保持する抗菌
性粒子の平均粒径に応じて調整すればよいが、フィルム
として形状を保ち得る観点から、3μm以上であること
が好ましい。樹脂フィルムに対する抗菌性粒子の配合量
としては、安定して抗菌性を発揮できる観点から、樹脂
フィルムに対して1〜60%が好ましく、さらに好まし
くは1〜30%である。
性粒子の平均粒径に応じて調整すればよいが、フィルム
として形状を保ち得る観点から、3μm以上であること
が好ましい。樹脂フィルムに対する抗菌性粒子の配合量
としては、安定して抗菌性を発揮できる観点から、樹脂
フィルムに対して1〜60%が好ましく、さらに好まし
くは1〜30%である。
【0020】上記のようにして得られた抗菌性樹脂フィ
ルムをシート状あるいはフィルム状の基材の一面あるい
は両面に積層する。基材の素材としては、例えば、ポリ
オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂)、スチレン系樹脂、EVA(エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
アミド樹脂(例えば、脂肪族ポリアミド)、ポリエステ
ル樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル)、ポリエステル
アミドのような樹脂材料が好ましく用いられ、また、
紙、合成樹脂、不織布等も用いることができる。上記基
材は樹脂発泡体であってもよい。
ルムをシート状あるいはフィルム状の基材の一面あるい
は両面に積層する。基材の素材としては、例えば、ポリ
オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂)、スチレン系樹脂、EVA(エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
アミド樹脂(例えば、脂肪族ポリアミド)、ポリエステ
ル樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル)、ポリエステル
アミドのような樹脂材料が好ましく用いられ、また、
紙、合成樹脂、不織布等も用いることができる。上記基
材は樹脂発泡体であってもよい。
【0021】さらに、基材や樹脂フィルムに顔料や無機
物を添加して有色の鶏卵用容器としてもよい。なお、上
記基材の厚さは、50 〜100μm程度のものが強度
の点から好ましい。上記基材と抗菌性樹脂フィルムとを
積層させる方法としては、従来から知られている、例え
は、インフレーション法、熱融圧着同時ラミネート法、
共押出複合法、貼り合わせ法、エキストルージョンラミ
ネート法、ホットメルトラミネート法、多層押出法等い
ずれも適用できる。基材と抗菌性樹脂フィルムとを積層
した積層シートを成形し、通常の成形方法により鶏卵用
容器を得ることができる。
物を添加して有色の鶏卵用容器としてもよい。なお、上
記基材の厚さは、50 〜100μm程度のものが強度
の点から好ましい。上記基材と抗菌性樹脂フィルムとを
積層させる方法としては、従来から知られている、例え
は、インフレーション法、熱融圧着同時ラミネート法、
共押出複合法、貼り合わせ法、エキストルージョンラミ
ネート法、ホットメルトラミネート法、多層押出法等い
ずれも適用できる。基材と抗菌性樹脂フィルムとを積層
した積層シートを成形し、通常の成形方法により鶏卵用
容器を得ることができる。
【0022】
【作 用】本発明による抗菌性鶏卵用容器によれば、抗
菌性樹脂フィルムの厚さよりも抗菌性粒子の粒径のほう
が大きいので、抗菌性樹脂フィルム中に含まれる抗菌性
粒子はその一部を樹脂フィルムの表面から確実に露出す
ることとなり、抗菌性粒子の抗菌性を有効に発揮させる
ことができ、必要とする抗菌作用に対して、抗菌性粒子
の使用を最小限に抑えるこができる。また、用いる抗菌
性粒子は、ACP自身が結晶水を有していることから、
室内や冷蔵庫内のような中程度の湿度の環境下において
も有機系抗菌剤を揮散させることが可能であり、鶏卵用
容器として有効な抗菌性を発揮する。
菌性樹脂フィルムの厚さよりも抗菌性粒子の粒径のほう
が大きいので、抗菌性樹脂フィルム中に含まれる抗菌性
粒子はその一部を樹脂フィルムの表面から確実に露出す
ることとなり、抗菌性粒子の抗菌性を有効に発揮させる
ことができ、必要とする抗菌作用に対して、抗菌性粒子
の使用を最小限に抑えるこができる。また、用いる抗菌
性粒子は、ACP自身が結晶水を有していることから、
室内や冷蔵庫内のような中程度の湿度の環境下において
も有機系抗菌剤を揮散させることが可能であり、鶏卵用
容器として有効な抗菌性を発揮する。
【0023】さらに、ACP粒子は多孔質であるため、
容器内に揮散した有機系抗菌剤を再度その表面に吸着す
る作用があり、より長く有機系抗菌剤の効果を発揮させ
ることができる。さらに、基材の両面に抗菌性樹脂フィ
ルムを積層した積層シートにより鶏卵容器を成形する場
合には、ダニのような害虫類が鶏卵用容器に接近するの
を回避でき、鶏卵の品質保持はさらに確実となる。
容器内に揮散した有機系抗菌剤を再度その表面に吸着す
る作用があり、より長く有機系抗菌剤の効果を発揮させ
ることができる。さらに、基材の両面に抗菌性樹脂フィ
ルムを積層した積層シートにより鶏卵容器を成形する場
合には、ダニのような害虫類が鶏卵用容器に接近するの
を回避でき、鶏卵の品質保持はさらに確実となる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、揮発性を有する有
機系抗菌剤としてイソチオシアン酸アリルを用いる場合
を例に取り、本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に対し2
〜4倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下してpH11
付近に調整し、続いて、上記懸濁液に対し5〜8倍に水
で希釈したリン酸水溶液を滴下して上記混合液をpH1
0〜9に調整し、さらに、弱アルカリ性の水溶性高分子
である分散剤としてのトリアクリル酸アンモニウム塩を
ACP微粒子に対して0.5重量%となるようにして添
加することにより、粒径約0.1μm以下のACP微粒
子を安定して含むスラリーを得た。
機系抗菌剤としてイソチオシアン酸アリルを用いる場合
を例に取り、本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に対し2
〜4倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下してpH11
付近に調整し、続いて、上記懸濁液に対し5〜8倍に水
で希釈したリン酸水溶液を滴下して上記混合液をpH1
0〜9に調整し、さらに、弱アルカリ性の水溶性高分子
である分散剤としてのトリアクリル酸アンモニウム塩を
ACP微粒子に対して0.5重量%となるようにして添
加することにより、粒径約0.1μm以下のACP微粒
子を安定して含むスラリーを得た。
【0025】次に、上記スラリーをイオン交換水により
希釈してACPの濃度が10重量%となるように調整し
たACPスラリーを得、そのACPスラリー1500g
に対し、β−サイクロデキストリンを100g分散させ
てホモミキサーにて5000rpmで対流攪拌しなが
ら、さらにイソチオシアン酸アリルを10g徐々に添加
して90分攪拌を続けた。それにより、上記イソチオシ
アン酸アリルをβ−サイクロデキストリンに主に包接さ
せて、図1に模式的に示すように、ACP微粒子1と、
イソチオシアン酸アリル包接サイクロデキストリンであ
る包接化合物2とを含む包接物スラリー3を得た。
希釈してACPの濃度が10重量%となるように調整し
たACPスラリーを得、そのACPスラリー1500g
に対し、β−サイクロデキストリンを100g分散させ
てホモミキサーにて5000rpmで対流攪拌しなが
ら、さらにイソチオシアン酸アリルを10g徐々に添加
して90分攪拌を続けた。それにより、上記イソチオシ
アン酸アリルをβ−サイクロデキストリンに主に包接さ
せて、図1に模式的に示すように、ACP微粒子1と、
イソチオシアン酸アリル包接サイクロデキストリンであ
る包接化合物2とを含む包接物スラリー3を得た。
【0026】上記スラリー3を定量ポンプ4によりスプ
レードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に供給
した。スプレードライヤー5のアトマイザー6を高速回
転させて、上記包接物スラリー3を、スプレードライヤ
ー5内の乾燥用の熱空気流中に噴霧する噴霧造粒法によ
り造粒乾燥し、サイクロン8によってACP微粒子1と
包接化合物2とを含む抗菌性粒子7を得た。上記抗菌性
粒子7は略球状であり、平均粒径は約50μmであっ
た。なお、上記抗菌性粒子7では、イソチオシアン酸ア
リルの一部はACPに吸着されているものと想定され
る。
レードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に供給
した。スプレードライヤー5のアトマイザー6を高速回
転させて、上記包接物スラリー3を、スプレードライヤ
ー5内の乾燥用の熱空気流中に噴霧する噴霧造粒法によ
り造粒乾燥し、サイクロン8によってACP微粒子1と
包接化合物2とを含む抗菌性粒子7を得た。上記抗菌性
粒子7は略球状であり、平均粒径は約50μmであっ
た。なお、上記抗菌性粒子7では、イソチオシアン酸ア
リルの一部はACPに吸着されているものと想定され
る。
【0027】なお、図1において、9はエアフィルタ
ー、10は電気ヒータであり、エアフィルター9を通り
電気ヒータ10によって加温された熱空気は、熱ガス室
11からスプレードライヤー5内に入り、スプレードラ
イヤー5のアトマイザー6により噴霧される包接物スラ
リー3を乾燥造粒しつつ、排出孔12にからサイクロン
8に向けて流出するようになっている。
ー、10は電気ヒータであり、エアフィルター9を通り
電気ヒータ10によって加温された熱空気は、熱ガス室
11からスプレードライヤー5内に入り、スプレードラ
イヤー5のアトマイザー6により噴霧される包接物スラ
リー3を乾燥造粒しつつ、排出孔12にからサイクロン
8に向けて流出するようになっている。
【0028】上記噴霧乾燥造粒における操作条件は次の
通りであった。定量ポンプ4による原料としての混合物
スラリー3の供給量は1〜3kg/hであり、エアフィ
ルター9を介して電気ヒータ10によって加温された熱
空気の温度は、熱ガス室11の入口温度が150℃〜2
00℃、サイクロン8に繋がる排出孔12における出口
温度が60℃〜100℃となるように制御され、また、
アトマイザー6の回転数は20000〜30000rp
mに設定された。
通りであった。定量ポンプ4による原料としての混合物
スラリー3の供給量は1〜3kg/hであり、エアフィ
ルター9を介して電気ヒータ10によって加温された熱
空気の温度は、熱ガス室11の入口温度が150℃〜2
00℃、サイクロン8に繋がる排出孔12における出口
温度が60℃〜100℃となるように制御され、また、
アトマイザー6の回転数は20000〜30000rp
mに設定された。
【0029】前記平均粒度50μmである抗菌性粒子7
の12重量%と直鎖状低密度ポリエチレン88重量%と
を120℃の加熱下でバンバリーミキサーにて混合し、
次に120℃加熱下の押出機に押出し加工を行った。こ
のときのスリット幅は0.12mmのものを用いた。得
られた押出しフィルムをフィルム厚さが40μmとなる
ように2軸延伸法により延伸させた。延伸に伴って、抗
菌性粒子の面する樹脂フィルムの上下面が次第に薄くな
り、抗菌性粒子の粒径より薄くなるまで樹脂フィルムを
さらに延伸させると、抗菌性粒子7の一部が樹脂フィル
ム13の両面から露出し、最終的に、図2に模式的に示
すような、一部を両面側に露出した状態で抗菌性粒子7
を保持した薄い樹脂フィルム15が得られた。
の12重量%と直鎖状低密度ポリエチレン88重量%と
を120℃の加熱下でバンバリーミキサーにて混合し、
次に120℃加熱下の押出機に押出し加工を行った。こ
のときのスリット幅は0.12mmのものを用いた。得
られた押出しフィルムをフィルム厚さが40μmとなる
ように2軸延伸法により延伸させた。延伸に伴って、抗
菌性粒子の面する樹脂フィルムの上下面が次第に薄くな
り、抗菌性粒子の粒径より薄くなるまで樹脂フィルムを
さらに延伸させると、抗菌性粒子7の一部が樹脂フィル
ム13の両面から露出し、最終的に、図2に模式的に示
すような、一部を両面側に露出した状態で抗菌性粒子7
を保持した薄い樹脂フィルム15が得られた。
【0030】得られた抗菌性樹脂フィルム15を厚み1
00μmのポリスチレン製の基材14にウレタン系接着
剤を介して積層して積層シート16を得た。その後成形
して、図4に示す形状の抗菌性鶏卵用容器17を得た。
00μmのポリスチレン製の基材14にウレタン系接着
剤を介して積層して積層シート16を得た。その後成形
して、図4に示す形状の抗菌性鶏卵用容器17を得た。
【0031】〔実施例2〕同様にして、抗菌性粒子7が
4重量%、直鎖状低密度ポリエチレンが96重量%とし
た以外は上記の同じようにして抗菌性樹脂フィルムを製
造し、それを厚み200μmの塩化ビニル樹脂製の基材
14に同様の方法で積層して積層シートを得た。この積
層シートを成形して実施例1の同じ形状の抗菌性鶏卵用
容器を得た。
4重量%、直鎖状低密度ポリエチレンが96重量%とし
た以外は上記の同じようにして抗菌性樹脂フィルムを製
造し、それを厚み200μmの塩化ビニル樹脂製の基材
14に同様の方法で積層して積層シートを得た。この積
層シートを成形して実施例1の同じ形状の抗菌性鶏卵用
容器を得た。
【0032】〔実施例3〕実施例1と同様にして、粒子
径0.1μm以下のACP微粒子を含むスラリーを得
た。次に、上記ACP微粒子を含むスラリーをイオン交
換水により希釈してACPの濃度が20重量%となるよ
うに調整したACPスラリーを得、定量ポンプ4により
スプレードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に
供給量1〜3kg/hで供給した。スプレードライヤー
5のアトマイザー6を20000〜40000rpmに
設定し、熱ガス室11の入口温度200℃〜300℃、
排出口における出口温度70℃〜100℃となるように
することにより、平均粒径は約25μmのACP粒子
(粒子A)が得られた。
径0.1μm以下のACP微粒子を含むスラリーを得
た。次に、上記ACP微粒子を含むスラリーをイオン交
換水により希釈してACPの濃度が20重量%となるよ
うに調整したACPスラリーを得、定量ポンプ4により
スプレードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5に
供給量1〜3kg/hで供給した。スプレードライヤー
5のアトマイザー6を20000〜40000rpmに
設定し、熱ガス室11の入口温度200℃〜300℃、
排出口における出口温度70℃〜100℃となるように
することにより、平均粒径は約25μmのACP粒子
(粒子A)が得られた。
【0033】次に、イソチオシアン酸アリルをサイクロ
デキストリンに包接させた包接化合物を次のようにして
製造した。水200gをホモミキサーに24000rp
mで対流攪拌しながらβ−サイクロデキストリンを10
0g添加し、その後、イソチオシアン酸アリルを10g
添加し、1時間攪拌を行った。ここで得られたスラリー
を定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川原化工
機械社製L−8)5に供給量1〜3kg/hで供給し
た。スプレードライヤー5のアトマイザー6を2000
0〜30000rpmに設定し、熱ガス室11の入口温
度150℃〜200℃、排出口における出口温度60℃
〜100℃となるようにすることにより、平均粒径は約
25μmのイソチオシアン酸アリルをサイクロデキスト
リンに包接させた包接化合物粒子(粒子B)が得られ
た。
デキストリンに包接させた包接化合物を次のようにして
製造した。水200gをホモミキサーに24000rp
mで対流攪拌しながらβ−サイクロデキストリンを10
0g添加し、その後、イソチオシアン酸アリルを10g
添加し、1時間攪拌を行った。ここで得られたスラリー
を定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川原化工
機械社製L−8)5に供給量1〜3kg/hで供給し
た。スプレードライヤー5のアトマイザー6を2000
0〜30000rpmに設定し、熱ガス室11の入口温
度150℃〜200℃、排出口における出口温度60℃
〜100℃となるようにすることにより、平均粒径は約
25μmのイソチオシアン酸アリルをサイクロデキスト
リンに包接させた包接化合物粒子(粒子B)が得られ
た。
【0034】次に、上記粒子Aと粒子Bとを1:9でオ
ムニミキサー(千代田技研社製)にて十分混合して、抗
菌性粒子7を得た。以下、得られた抗菌性粒子を用いて
実施例1と同様にして抗菌性粒子7を保持した薄い樹脂
フィルムを得た。ただし、樹脂フィルム厚さは20μm
となるように延伸させた。得られた抗菌性樹脂フィルム
を用いて実施例1の場合と同様にして、本発明による抗
菌性鶏卵用容器を製造した。
ムニミキサー(千代田技研社製)にて十分混合して、抗
菌性粒子7を得た。以下、得られた抗菌性粒子を用いて
実施例1と同様にして抗菌性粒子7を保持した薄い樹脂
フィルムを得た。ただし、樹脂フィルム厚さは20μm
となるように延伸させた。得られた抗菌性樹脂フィルム
を用いて実施例1の場合と同様にして、本発明による抗
菌性鶏卵用容器を製造した。
【0035】〔比較例1〕比較例として、β−サイクロ
デキストリンに対して、エタノールに溶解したイソチオ
シアン酸アリルが10重量%となるように添加した混合
体を、減圧下乾燥した後、ジェットミルにより微粉砕し
て粒径20μm以下の包接粒子を得た。これを実施例1
の場合と同様にして厚さ40μmの抗菌性樹脂フィルム
を得、それを用いて、以下、実施例1と同様にして抗菌
性鶏卵用容器を製造した。
デキストリンに対して、エタノールに溶解したイソチオ
シアン酸アリルが10重量%となるように添加した混合
体を、減圧下乾燥した後、ジェットミルにより微粉砕し
て粒径20μm以下の包接粒子を得た。これを実施例1
の場合と同様にして厚さ40μmの抗菌性樹脂フィルム
を得、それを用いて、以下、実施例1と同様にして抗菌
性鶏卵用容器を製造した。
【0036】〔試 験〕実施例1、2、3の抗菌性鶏卵
用容器を成形したフィルムのそれぞれから、60mm×
60mmの検体片を切り出し、各検体片とサルモネラの
菌液を滴下した濾紙(試験片)とを水50mlの入った
ビーカーとともにプラスチック製角型容器(1.6リッ
トル)に入れ、30℃で24時間及び48時間保存後、
試験片中の生菌数を測定した。また、対照として比較例
1の容器からの検体片も同様に試験した。その結果を表
1に示す。
用容器を成形したフィルムのそれぞれから、60mm×
60mmの検体片を切り出し、各検体片とサルモネラの
菌液を滴下した濾紙(試験片)とを水50mlの入った
ビーカーとともにプラスチック製角型容器(1.6リッ
トル)に入れ、30℃で24時間及び48時間保存後、
試験片中の生菌数を測定した。また、対照として比較例
1の容器からの検体片も同様に試験した。その結果を表
1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】非晶質リン酸カルシウムを有しない比較例
1のフィルムでは生菌数は大きく増加しているのに対し
て、実施例によるフィルムの場合には減少するか微増す
るにとどまっており、本発明のフィルムを用いて成形し
た抗菌性鶏卵用容器の優位性が確認された。
1のフィルムでは生菌数は大きく増加しているのに対し
て、実施例によるフィルムの場合には減少するか微増す
るにとどまっており、本発明のフィルムを用いて成形し
た抗菌性鶏卵用容器の優位性が確認された。
【0039】〔実施例4〕実施例1の鶏卵用容器を内面
側を下側として、葉ダニが大量に発生している島バナナ
の葉の上に置き一昼夜たった後に観察したところ、鶏卵
用容器の周囲に葉ダニの存在が確認できなかった。この
実験結果から、本発明による抗菌性粒子はダニのように
害虫類を回避できる機能を有するものと推測できる。従
って、本発明の鶏卵用容器内に鶏卵を収容して保管する
場合には、衛生的にも優れた状態での長期保存が可能と
なる。
側を下側として、葉ダニが大量に発生している島バナナ
の葉の上に置き一昼夜たった後に観察したところ、鶏卵
用容器の周囲に葉ダニの存在が確認できなかった。この
実験結果から、本発明による抗菌性粒子はダニのように
害虫類を回避できる機能を有するものと推測できる。従
って、本発明の鶏卵用容器内に鶏卵を収容して保管する
場合には、衛生的にも優れた状態での長期保存が可能と
なる。
【0040】
【発明の効果】本発明による抗菌性鶏卵用容器によれ
ば、室内のような中湿度の環境下でも揮発した抗菌成分
が容器内に充満して、容器内での鶏卵に付着した雑菌の
増殖が抑制される。また、両面に抗菌性樹脂フィルムを
積層した積層シートにより鶏卵用容器を成形する場合に
は、害虫類の接近が回避できることから衛生的にも優れ
た保管ができ、また、冷蔵庫のような狭い密封空間内に
放置する場合には、近隣の食品に対しても抗菌成分が作
用する利点がある。
ば、室内のような中湿度の環境下でも揮発した抗菌成分
が容器内に充満して、容器内での鶏卵に付着した雑菌の
増殖が抑制される。また、両面に抗菌性樹脂フィルムを
積層した積層シートにより鶏卵用容器を成形する場合に
は、害虫類の接近が回避できることから衛生的にも優れ
た保管ができ、また、冷蔵庫のような狭い密封空間内に
放置する場合には、近隣の食品に対しても抗菌成分が作
用する利点がある。
【図1】本発明による抗菌性鶏卵用容器用の抗菌性樹脂
フィルムに用いる抗菌性粒子を製造する工程を説明する
図。
フィルムに用いる抗菌性粒子を製造する工程を説明する
図。
【図2】抗菌性樹脂フィルムの断面を示す模式図。
【図3】積層シートの断面を示す模式図。
【図4】本発明による抗菌性鶏卵用容器の一例を示す断
面図。
面図。
7…非晶質リン酸カルシウムと、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
とを含む抗菌性粒子、13…樹脂フィルム、15…抗菌
性樹脂フィルム、16…積層シート、17…抗菌性鶏卵
用容器
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
とを含む抗菌性粒子、13…樹脂フィルム、15…抗菌
性樹脂フィルム、16…積層シート、17…抗菌性鶏卵
用容器
Claims (1)
- 【請求項1】 基材の少なくとも一面に、非晶質リン酸
カルシウムと、揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロ
デキストリンに包接させた包接化合物とを含む抗菌性粒
子が樹脂フィルムに保持されるとともに、該抗菌性粒子
の平均粒子径が該樹脂フィルムの平均厚さより大きいも
のとされた抗菌性樹脂フィルムが積層されている積層シ
ートを、前記抗菌性樹脂フィルム面が内面となるように
して成形してなることを特徴とする抗菌性鶏卵用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12001095A JPH08310577A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 抗菌性鶏卵用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12001095A JPH08310577A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 抗菌性鶏卵用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08310577A true JPH08310577A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14775675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12001095A Pending JPH08310577A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 抗菌性鶏卵用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08310577A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09299458A (ja) * | 1996-05-16 | 1997-11-25 | Sekisui Plastics Co Ltd | 感染防御方法および感染防御用シート |
WO2009120748A1 (en) * | 2008-03-25 | 2009-10-01 | Albemarle Corporati0N | Containers and methods for reducing or eliminating bacteria in consumable eggs |
-
1995
- 1995-05-18 JP JP12001095A patent/JPH08310577A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09299458A (ja) * | 1996-05-16 | 1997-11-25 | Sekisui Plastics Co Ltd | 感染防御方法および感染防御用シート |
WO2009120748A1 (en) * | 2008-03-25 | 2009-10-01 | Albemarle Corporati0N | Containers and methods for reducing or eliminating bacteria in consumable eggs |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2602369C (en) | Antimicrobial and antiviral polymeric master batch, processes for producing polymeric material therefrom and products produced therefrom | |
KR102354462B1 (ko) | 항균성 및 제습성을 갖는 이원기능성 은이온 함유 유기금속 골격 복합체, 이의 제조방법, 및 이를 포함하는 자연 분해성 고분자 필름 | |
JP2002543977A (ja) | 制御された気体徐放のためのエネルギー活性化組成物 | |
CA1251034A (en) | Chemically-active composition containing divalent iron ions | |
JP2011087585A (ja) | 湿度依存型抗菌性粉末組成物、その製造方法、湿度依存型抗菌性食品保存用物品および食品の保存方法 | |
KR101813208B1 (ko) | 식품의 신선도를 유지하기 위한 항균성 포장재의 제조방법 | |
JP3921787B2 (ja) | 抗菌包材 | |
JP3062414B2 (ja) | 抗菌性樹脂フィルム | |
JP3704543B2 (ja) | Ait放出制御製剤,その製造方法およびその用途 | |
JPH08310577A (ja) | 抗菌性鶏卵用容器 | |
SK22898A3 (en) | Pourable organic acid-based granulates, process for their preparation and their use | |
JP3915199B2 (ja) | 抗菌性包装材料 | |
JPH08198709A (ja) | 抗菌・脱臭剤 | |
ZA200309749B (en) | Sulphur dioxide generator for fresh fruit preservation and preparation method thereof. | |
JP2991907B2 (ja) | 抗菌性吸水シート | |
KR101581136B1 (ko) | 구리염과 아연염을 포함하는 활성 분말 살균 조성물, 이를 사용하는 살균제 조성물 및 그의 제조방법 | |
JP3333791B2 (ja) | 抗菌性樹脂組成物 | |
JP2991902B2 (ja) | 抗菌性粒子 | |
CN106188781A (zh) | 一种韧性大的抗菌食品包装材料及其制作方法 | |
JPH09132502A (ja) | 抗菌性樹脂フィルム組成物 | |
JPH0940028A (ja) | 食品収納袋とこれを収納した食品保存容器 | |
JP2965834B2 (ja) | 抗菌性粒子 | |
JPH107591A (ja) | 感染防御方法および感染防御用シート | |
JP2022155422A (ja) | 光触媒スラリーと光触媒マスターバッチと光触媒成形品とそれらの製造方法。 | |
JP2875731B2 (ja) | 粒状防虫材 |