JP2965834B2 - 抗菌性粒子 - Google Patents

抗菌性粒子

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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、医薬部外品、
医療用具、化粧品、食品、台所用品、包装材料、フィル
ター、衣料品、雑貨等に抗菌性を付与するために用いら
れる安全性の高い抗菌性粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、殺菌作用を有する銀等の金属
およびその金属塩の強い抗菌性、耐熱性が着目され、特
開平5-154号公報に記載されているように、上記金属お
よびその金属塩を合成樹脂等に混合し成形して安全に長
時間抗菌性を有する成形物を得るため、生理的に不活性
な無機担体に抗菌性銀化合物を吸着担持させた抗菌性組
成物、あるいはゼオライトにイオン交換により抗菌性金
属イオンを担持させた抗菌性ゼオライト組成物などが知
られている。
【0003】さらに、食品などに使用される抗菌性粒子
としては、特開平3−47118 号公報に開示されているよ
うに、生体親和性が高く、安全性が高いハイドロキシア
パタイトを用いたハイドロキシアパタイト抗菌剤が知ら
れている。上記ハイドロキシアパタイト抗菌剤は、ヒノ
キチオール、タンニン、リゾチーム、アリルイソチアシ
アネート、ブロタミンおよびソルビン酸で示される抗菌
剤のうち1種または2種以上をハイドロキシアパタイト
に担持させたものである。
【0004】それゆえ、上記ハイドロキシアパタイト抗
菌剤は、抗菌剤が特異的に強く吸着されて、溶液等に溶
出・析出することがないものであり、食品を載置した食
品トレイ等の内表面に塗布して用いると、上記食品と接
触したハイドロキシアパタイト抗菌剤によって上記食品
に付着した雑菌を殺菌または静菌できるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、食品トレイ
上の食品に対して、上記食品と接触した部位に対して殺
菌作用や静菌作用を有しているが、ハイドロキシアパタ
イトが抗菌剤を強く吸着しているため、上記食品との非
接触部位については、何ら殺菌作用や静菌作用を発揮す
ることがないという問題を生じている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の抗菌性粒
子は、以上の課題を解決するために、非晶質リン酸カル
シウム粒子を含むスラリーと、有機系抗菌剤と、抗菌性
金属イオンとが混合され、造粒化されたものであること
を特徴としている。
【0007】請求項2記載の抗菌性粒子は、非晶質リン
酸カルシウム粒子を含むスラリーと、抗菌性金属イオン
とが混合され、造粒化された造粒粒子に、有機系抗菌剤
が吸着されていることを特徴としている。
【0008】請求項3記載の抗菌性粒子は、請求項1ま
たは2記載の抗菌性粒子において、有機系抗菌剤が、イ
ソチオシアン酸アリルであることを特徴としている。
【0009】抗菌性金属イオンを供給する抗菌性金属と
しては、金、銀、亜鉛、銅、錫、鉛、砒素、白金、鉄、
アンチモン、ニッケル、アルミニウム、バリウム、カド
ミウム、マンガンから少なくとも一種の金属、またはそ
れらの混合物、あるいはそれらの金属化合物、およびそ
れらの水溶液を用いることができる。
【0010】上記有機系抗菌剤としては、常温において
揮散性を有し、殺菌・静菌作用を有するイソチオシアン
酸アリル(CH2=CHCH2NCS)、ヒノキチオールやテルペン
類が挙げられる。なお、上記有機系抗菌剤は、水と自由
に混和するアルコールに溶解してスラリーに混合、ある
いは造粒粒子に吸着される。
【0011】上記非晶質リン酸カルシウム(Amorphous
Calcium Phosphate :以下、ACPと略す)粒子を含む
スラリーは、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に、水溶
性高分子分散剤、例えばトリアクリル酸アンモニウム塩
を 0.1〜10重量%添加し、好ましくは 0.1〜3重量%添
加して混合溶液を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン
酸水溶液の滴下によってpH10〜5に調整することによ
り、粒径約 0.1μm以下のACP微粒子を含むものであ
る。
【0012】このスラリー中に、固形分で50重量%以下
となるように、エタノールあるいはメタノールに溶解し
た有機系抗菌剤および抗菌性金属イオンを混合した混合
物を噴霧乾燥造粒法などにより造粒して抗菌性粒子を得
た。
【0013】上記ACP微粒子は、粉末X線解析法によ
り、そのパターンからリン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2
nH2O〕であり、また、そのパターンがブロードであるこ
とから、非晶質なリン酸カルシウムであることが確認さ
れる。その上、上記ACP微粒子は、結晶水を含むこと
から静電気的に活性な物質であると思われ、種々な菌体
やウイルスを吸着し易くなっていると想定される。
【0014】また、得られた抗菌性粒子が大きな比表面
積をそなえるために、スラリーのACP微粒子は、その
粒径が 0.1μm以下であることが好ましい。また、抗菌
性金属イオンを金属粉末あるいは金属化合物粉末の状態
で上記スラリーに加える場合、上記金属粉末あるいは金
属化合物粉末の粒径は、溶解性を高めるために20μm以
下であることが望ましい。その上、有機系抗菌剤および
抗菌性金属イオンをスラリーに加える場合、上記混合は
室温条件にて行うことが望ましい。
【0015】一方、スラリーにおけるACP微粒子が90
重量%以上となると、スラリーの粘度が高くなるので、
造粒に不適となる。なお、スラリーにおけるACP微粒
子の含量を1〜90重量%の範囲で変えることにより、所
望の平均粒径を有する抗菌性粒子を得ることができる。
【0016】また、造粒法としては、得られる粒子が、
多孔質、かつ、粒径 200μm以下の略球状で、かつ、比
表面積を10m2/g以上にできるものであれば、特に限定さ
れるものではないが、例えば噴霧乾燥造粒法を用いるこ
とができ、他にフリーズドライ後に粉砕してなる造粒
法、また、高速撹拌型造粒法を用いてもよい。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を実施例1として図1に
基づいて説明すれば、以下の通りである。まず、上記抗
菌性粒子の製造方法について説明すると、上記製造方法
では、非晶質リン酸カルシウム(amorphous calcium ph
osphate :以下、ACPと略す)粒子を含むスラリーを
以下のようにして製造する。最初に、攪拌下の水酸化カ
ルシウム懸濁液に、水溶性高分子分散剤としてのトリア
クリル酸アンモニウム塩を0.5重量%添加して混合溶液
を得た。
【0018】その後、上記混合溶液に対し、pH11付近
に至るまで2〜4倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下
し、続いて、5〜8倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴
下して、上記混合溶液をpH10〜9に調整することによ
り、粒径約0.1μm以下のACP微粒子を含むスラリー
を得た。
【0019】次に、上記抗菌性粒子の製造方法では、上
記スラリーをイオン交換水により希釈して、ACPの濃
度が20重量%となるように調製したACPスラリーを
得、上記ACPスラリーにおけるACP含量に対して、
イオン交換水に溶解した無水硝酸銀溶液を 0.5 mol%と
なるように上記ACPスラリーに添加し、さらに、イソ
チオシアン酸アリルを 10 mol %となるように上記AC
Pスラリーに添加し、攪拌モータで1時間混合して混合
物スラリーを得た。なお、上記イソチオシアン酸アリル
はエタノールに溶解して用いた。
【0020】その次に、図1に示すように、ACP粒子
1、銀イオン2およびイソチオシアン酸アリル13を含
む上記混合物スラリー3を、定量ポンプ4によりスプレ
ードライヤー(大川原化工機械社製 L−8 )5に供給す
る。スプレードライヤー5のアトマイザー6を高速回転
させて、上記混合物スラリー3を、スプレードライヤー
5内の乾燥用の熱空気流中に噴霧する噴霧造粒法により
造粒乾燥して、イソチオシアン酸アリルおよび銀イオン
が添加された抗菌性粒子7を得た。
【0021】造粒乾燥により得られたイソチオシアン酸
アリルおよび銀イオン含有ACP造粒体である略球状の
各抗菌性粒子7は、サイクロン8によって8〜100 μm
の粒度のものがそれぞれ採取された。このとき、サイク
ロン8により採取しきれない超微粉体はバグフィルター
(図示せず)により別に採取されて回収された。
【0022】上記抗菌性粒子7は、噴霧造粒法により、
球状となり、また、粒径約0.1μm以下のACP粒子1
を用いたから、多孔質なものとなる。上記抗菌性粒子7
の比表面積は、BET法により測定した結果、70m2/g
以上であった。
【0023】なお、上記噴霧乾燥造粒における操作条件
は次の通りであった。定量ポンプ4による原料としての
混合物スラリー3の供給量は1〜3kg/hであり、エアフ
ィルター9を介して電気ヒーター10によって加温され
た熱空気の温度は、熱ガス室11の入口温度が 200〜 2
50℃に、サイクロン8に繋がる排出孔12における出口
温度が 100℃を常に越えるように制御され、また、アト
マイザー6の回転数は10000〜37000rpmの範囲内に設定
された。
【0024】また、上記スプレードライヤー5をよりス
ケールアップした2種のスプレードライヤー(大川原化
工機械社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用いて、
スラリー供給量を100kg/hrとし、他の条件は上記と同様
に抗菌性粒子を調製したところ、上記スプレードライヤ
ー5による抗菌性粒子7と同様の抗菌性粒子が得られ
た。このようにして得られた抗菌性粒子7は略球状であ
った。
【0025】〔実施例2〕次に、本発明の他の実施例を
実施例2として説明すると、次の通りである。上記実施
例1におけるスラリーをイオン交換水により希釈して、
ACPの濃度が20重量%となるように調製したACPス
ラリーを得、上記ACPスラリーにおけるACP含量に
対して、イオン交換水に溶解した無水硝酸銀溶液を 0.5
mol%となるように上記ACPスラリーに添加し、攪拌
モータで1時間混合して混合物スラリーを得た。その混
合物スラリーを、上記実施例1と同様に造粒乾燥して、
8〜100 μmの粒度の銀イオン含有ACP造粒体(図示
せず)を得た。
【0026】上記銀イオン含有ACP造粒体を10g採
取し、それにイソチオシアン酸アリル 0.1gをエタノー
ル50mlに溶解した溶液を加え、攪拌し、得られた生
成物をイオン交換水で洗浄し、凍結乾燥機にて乾燥し、
さらに60℃の乾燥機でも乾燥を別途行い、前記実施例
1と同様な抗菌性粒子を得た。
【0027】次に、上記実施例1および実施例2で得ら
れた各抗菌性粒子について、X線回折法により、上記各
抗菌性粒子の生成相を調べたところ、図示しないが、得
られた各抗菌性粒子は、リン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2
・nH2O〕であり、また、そのパターンがブロードである
ことから、非晶質なリン酸カルシウムであることが判
る。
【0028】また、上記各抗菌性粒子は、リン酸カルシ
ウム内に銀イオンを取り込んでいて、上記両者の固溶体
状態を形成していることが同定された。つまり、上記リ
ン酸カルシウムの微結晶内や、カルシウムイオンの位置
等に銀イオンが取り込まれていると想定される。
【0029】さらに、上記実施例1および実施例2で得
られた各抗菌性粒子の抗菌力を測定した。比較として市
販品の抗菌性アパタイト粒子を用いた。
【0030】試験方法 1.菌液の調製 寒天培地で37℃、18時間培養した試験菌体をリン酸
緩衝液(1/15M、pH7.2)に浮遊させ108 cells/mlの
懸濁液である原液を調整し、その原液を適宜希釈して試
験に用いた。
【0031】2.抗菌性試験(シェークフラスコ法) 各抗菌性粒子7を試料として 0.1gそれぞれ秤量し、上
記リン酸緩衝液 100mlの入った 200ml三角フラスコに入
れ、これに、試験菌懸濁液を約105 cells/mlになるよう
に加えた後、この三角フラスコを25℃±5℃に保ちなが
ら振とうし、経時的に上記三角フラスコ内の菌数を測定
した。使用菌株は次の通り。
【0032】使用菌株 Escherichia coli(大腸菌) IFO-1273
4 Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌) IFO-1273
2 Psedomonas aeruginosa (緑膿菌) IFO-1268
9 Candida albicans(カンジダ) IFO-1060 使用培地 細菌:Mueller Hinton 2 (BBL) 真菌:ポテトデキストロース寒天培地(栄研) 上記の測定結果を表1〜4に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】このように上記実施例の抗菌性粒子は、従
来の抗菌性粒子として市販されている前記抗菌性アパタ
イト粒子より、抗菌作用が高いことが示された。これ
は、上記各実施例の抗菌性粒子が、多孔質であるから、
菌と接触する面積である比表面積が大きく、その上、基
材として用いたACPが高い菌吸着能(朝日新聞、1993
年1月16日付け夕刊、参照)を有することにより、銀イ
オン2およびイソチオシアン酸アリル13の抗菌性を効
率よく発揮できるためと想定される。
【0038】また、このような抗菌性粒子は、真球状で
あるから、生鮮食品を載せる発泡プラスチックトレイ等
の樹脂成形品等にブレンドするときにも均一に分散され
易いものであり、樹脂成形品に対する混合性を従来より
向上できる。
【0039】次に、上記各抗菌性粒子は、プラスチック
シートに配合されて、生鮮食品を載せる発泡プラスチッ
クトレイ等の白色である上記トレイに使用されることが
想定される。このことから、配合された抗菌性粒子が有
色である場合、上記トレイにゴミや汚れが付着している
とユーザーに誤認される虞がある。そこで、上記各抗菌
性粒子の色を目視にて観察したところ、全ての各抗菌性
粒子は、無色である白色であり、ゴミや汚れと誤認され
ることがないものであった。
【0040】これにより、上記抗菌性粒子は、樹脂成形
品に対する混合性を向上できると共に無色であるから、
市販されているプラスチック容器等の製造時に容易に練
り込むことができ、あるいはシート状プラスチックに容
易に混合成形しても、汚れ等に誤認される虞を防止でき
る。よって、上記プラスチック容器の外観の劣化も回避
できる。
【0041】また、上記抗菌性粒子は、樹脂原料に混合
してプラスチック容器を成形して、その容器の内表面に
露出させることができ、また、ラミパック等のようにプ
ラスチック容器の表面にコーティングできるから、上記
抗菌性粒子と接触する食品の菌に対して、銀イオンおよ
びイソチオシアン酸アリルによって殺菌・静菌作用を有
している。
【0042】その上、上記抗菌性粒子は、ラップされた
食品トレイ等のような密閉容器内の生鮮食品に対して
も、イソチオシアン酸アリルが徐々に揮散して、上記プ
ラスチック容器に載置された食品上における雑菌の増殖
を抑制できる。
【0043】このことから、上記抗菌性粒子は生鮮食品
の日持ち向上を図ることができると共に、雑菌の増殖し
た食品による食中毒の防止効果を有し、さらに、野菜類
や果物類、鮮魚等の生鮮食料品の鮮度保持効果も有する
ことができる。
【0044】また、上記抗菌性粒子は、ACPが基材と
なっているため、基材としてサイクロデキストリンを用
いたイソチオシアン酸アリルの包接化合物のように、加
熱による上記基材の分解といった問題がなく、加熱して
成形する熱可塑性樹脂等に混合して成形することも容易
となっている。
【0045】また、有機系抗菌剤としてのイソチオシア
ン酸アリルは、カラシおよびワサビに含まれる油状の辛
味成分であって、通常の摂取量では人体に対して安全な
化合物である一方、銀イオン2はACP粒子1に強固に
吸着されていて外部に溶出することが回避されて、人体
内に摂取されることが防止される。
【0046】この結果、上記抗菌性粒子7は、安全性、
かつ抗菌性に優れ、外観の劣化も回避でき、その上、成
形性や樹脂成形品への混合性にも優れているから、生鮮
食品等の食品の載置トレイ等に好適に使用することがで
きる。
【0047】なお、上記各実施例の構成では、有機系抗
菌剤として、イソチオシアン酸アリルを用いた例を挙げ
たが、上記に特に限定されることはなく、常温において
揮散性を有し、殺菌・静菌作用を有するもの、例えばヒ
ノキチオールやテルペン類を用いることも可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の抗菌性粒子は、
以上のように、非晶質リン酸カルシウム粒子を含むスラ
リーと、有機系抗菌剤と、抗菌性金属イオンとが混合さ
れ、造粒化された構成である。
【0049】それゆえ、上記構成は、生鮮食品等を載置
する食品トレイ等の内表面に用いると、非晶質リン酸カ
ルシウムの有する菌の吸着作用によって、抗菌性金属イ
オンおよび有機系抗菌剤の抗菌性を有効に発揮すること
ができる。
【0050】かつ、上記構成は、造粒によってほぼ球状
とすることができて、樹脂成形品に対する混合性を改善
でき、その上、無色である白色とすることができる。こ
れらのことから、上記構成は、樹脂成形品等に混入した
場合、ゴミや異物と誤認されることが防止できて、生鮮
食品等の食品の載置トレイ等の内表面に好適に使用する
ことができる。
【0051】また、上記構成は、ラップされた食品トレ
イ等のような密閉容器内に設置することにより、有機系
分散剤が徐々に揮発して、食品トレイ上の食品における
非接触部位に対しても高い抗菌性を発揮し得るから、上
記密閉容器内の食品の非接触部位に対しても抗菌性を有
するという効果を奏する。
【0052】本発明の請求項2記載の抗菌性粒子は、以
上のように、非晶質リン酸カルシウム粒子を含むスラリ
ーと、抗菌性金属イオンとが混合され、造粒化された造
粒粒子に、有機系抗菌剤が吸着されている構成である。
【0053】それゆえ、上記構成は、造粒粒子に有機系
抗菌剤が吸着されているから、上記請求項1記載の構成
の効果と同様という効果を奏する。
【0054】本発明の請求項3記載の抗菌性粒子は、以
上のように、請求項1または2記載の抗菌性粒子におい
て、有機系抗菌剤がイソチオシアン酸アリルである構成
である。
【0055】それゆえ、上記構成は、さらに、有機系抗
菌剤が、カラシ油であるイソチオシアン酸アリルである
から、安全性が高く、食品等に付着しても安全であると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗菌性粒子を得るための噴霧造粒機の
概略構成図である。
【符号の説明】
1 ACP粒子(非晶質リン酸カルシウム粒子) 2 銀イオン(抗菌性金属イオン) 13 イソチオシアン酸アリル(有機性抗菌剤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 25/32 A23L 3/3535

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質リン酸カルシウム粒子を含むスラリ
    ーと、有機系抗菌剤と、抗菌性金属イオンとが混合さ
    れ、造粒化されたものであることを特徴とする抗菌性粒
    子。
  2. 【請求項2】非晶質リン酸カルシウム粒子を含むスラリ
    ーと、抗菌性金属イオンとが混合され、造粒化された造
    粒粒子に、有機系抗菌剤が吸着されていることを特徴と
    する抗菌性粒子。
  3. 【請求項3】有機系抗菌剤が、イソチオシアン酸アリル
    であることを特徴とする請求項1または2記載の抗菌性
    粒子。
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