JPH107591A - 感染防御方法および感染防御用シート - Google Patents

感染防御方法および感染防御用シート

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JPH107591A
JPH107591A JP8121924A JP12192496A JPH107591A JP H107591 A JPH107591 A JP H107591A JP 8121924 A JP8121924 A JP 8121924A JP 12192496 A JP12192496 A JP 12192496A JP H107591 A JPH107591 A JP H107591A
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JP
Japan
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sheet
infection
particles
antibacterial agent
inclusion compound
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JP8121924A
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English (en)
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Kenji Yamamoto
健二 山本
Tatsuya Saeki
達哉 佐伯
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TOSU KK
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
TOSU KK
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH107591A publication Critical patent/JPH107591A/ja
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロ
デキストリンに包接させた包接化合物と非晶質リン酸カ
ルシウムとを含むシート2を使用する感染防御方法、お
よび、揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロデキスト
リンに包接させた包接化合物と非晶質リン酸カルシウム
とを含む感染防御用シート。 【効果】 特に病床において抗菌剤を充満させることが
でき、高齢者をはじめエイズ患者、臓器移植患者、白血
病患者、先天性免疫不全症患者などの免疫不全状態にあ
る患者が感染しやすいカンジダ・アルビカンス(Can
dida albicans)やヒゼンダニ等の病原生
物による皮膚疾患、あるいは床擦れを長期に渡って効果
的に防御するとともに、病床などで発生し易い臭いをも
効果的に除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、病院、老人施設
等で使用する寝具の内部環境における病原細菌、病原真
菌、病原小動物などの病原生物が患者に感染するのを防
御する方法と、それに使用し得る感染防御用シートに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の医療技術の進歩により、人の寿命
が延び、高齢化社会を迎えようとしている。また、老人
施設等における寝たきりの老人の数は膨大なものであ
り、今後更に増加する傾向にある。
【0003】このような寝たきりの老人施設において
は、病原細菌、病原真菌、病原小動物などの病原生物に
よる院内感染が重要な問題となっている。特に、老人の
皮膚は乾燥しているため様々な問題を起こし易い。これ
らの感染患者に対しては、従来より、患者の皮膚に抗生
剤や抗原真剤の入ったクリームまたは刺激性の強いクロ
トン油などの消毒薬を塗布しているが、一旦治癒しても
再感染する場合が多く、撃退法に苦慮している。また、
これらの薬剤は直接皮膚に塗布されるため、それに対す
るアレルギーなどの問題も生じている。
【0004】高齢者ではなくても、エイズ患者、臓器移
植患者、白血病患者、先天性免疫不全症患者などの免疫
不全状態にある患者は上記の皮膚疾患が発生し易く、従
来法では高額な無菌室を利用したり、さまざまな抗菌物
質を経口、または経静脈的に予防投与しており、これら
の医療費は膨大な額になっている。
【0005】一方、食品用の抗菌材は知られているもの
の、食品で問題となる菌と人に対する感染で問題となる
病原菌とでは種類が全く異なるため、食品用の抗菌材を
そのまま感染防御に適用できるか否かは必ずしも明らか
ではない。例えば、食品の抗菌対象としては、Aspergil
lus niger 、Fsarium 、Geotrichum candidum 、Altern
ariaなどがあるが、これらの真菌類は、臨床上ではほと
んど見られないものである(Manual of clinical micro
biology,−5th ed.,:editor in chief,AlbertBalows, A
merican Society for Microbiology, P7-8)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、抗菌
物質を経口または経静脈的に予防投与したり、消毒薬や
抗菌物質を皮膚に塗布することなく、安全に感染を防御
するとともに、病床などで発生し易い臭いを安全にかつ
効果的に除去する方法、およびそれに使用し得る感染防
御用シートを安価に提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、抗菌物質として揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接した包接化
合物、特にイソチオシアネートおよび/またはヒバ抽出
油を包接した包接化合物を含むシートを使用して、病床
に上記抗菌剤を充満させることにより、カンジタ菌、中
でも人体に感染することが知られているCandida albica
nsや、人体に感染するヒゼンダニ等の病原生物などの感
染を有効に防御できることを見出した。また、上記包接
化合物とともに非晶質リン酸カルシウムをシートに含ま
せることにより、特に寝たきりとなった高齢者の病床で
発生し易い臭いを効果的に消臭することができることを
見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、揮発性を有する有機系抗
菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物と
非晶質リン酸カルシウムとを含むシートを使用する感染
防御方法である。また、本発明は、前記シートを、寝具
の下に敷くか、または寝具用シーツもしくはカバーとし
て使用し、人から蒸発する水分によって前記有機系抗菌
剤を揮発させることを特徴とする感染防御方法である。
【0009】さらに、本発明は、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
と非晶質リン酸カルシウムとを含む感染防御用シートで
ある。さらに、本発明は、揮発性を有する有機系抗菌剤
をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物粒子お
よび非晶質リン酸カルシウム粒子を熱可塑性樹脂に混合
し、加工してなるシートであって、該包接化合物粒子の
平均粒子径および非晶質リン酸カルシウム粒子の平均粒
子径が該熱可塑性樹脂シートの平均厚さより大きいこと
を特徴とする感染防御用シートである。
【0010】さらに、本発明は、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
および非晶質リン酸カルシウムを含む抗菌性粒子を熱可
塑性樹脂に混合し、加工してなるシートであって、該抗
菌性粒子の平均粒子径が該熱可塑性樹脂シートの平均厚
さより大きいことを特徴とする感染防御用シートであ
る。
【0011】さらに、本発明は、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
と非晶質リン酸カルシウムとを含む塗膜が、熱可塑性樹
脂シートの少なくとも一方の面の全面または一部に設け
られてなることを特徴とする感染防御用シートである。
【0012】さらに、本発明は、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
と非晶質リン酸カルシウムとを含む塗膜が、通気性を有
するシートの少なくとも一方の面の全面または一部に設
けられてなることを特徴とする感染防御用シートであ
る。
【0013】さらに、本発明は、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
粒子および非晶質リン酸カルシウム粒子が2枚のシート
基材間に把持されており、該シート基材の少なくとも一
方は通気性を有するシート基材であることを特徴とする
感染防御用シートである。
【0014】さらに、本発明は、揮発性を有する有機系
抗菌剤をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物
および非晶質リン酸カルシウムを含有する抗菌性粒子が
2枚のシート基材間に把持されており、該シート基材の
少なくとも一方は通気性を有するシート基材であること
を特徴とする感染防御用シートである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における有機系抗菌剤とし
ては、常温下で揮発性を有し、人に対して感染する病原
細菌、病原真菌、病原小動物などの病原生物に対して殺
菌・静菌作用を有する化合物を使用することができる
が、それらの中でも、特に抗菌効果の点からイソチオシ
アネート(一般式:R−N=C=S)およびヒバ抽出油
が好ましい。
【0016】イソチオシアネートとしては、イソチオシ
アン酸アリル(化学式:CH2=CHCH2NCS)、イ
ソチオシアン酸イソアミル、イソチオシアン酸イソブチ
ル、イソチオシアン酸イソプロピル、イソチオシアン酸
エチル、イソチオシアン酸ニトロフェニル、イソチオシ
アン酸フェニル、イソチオシアン酸ブチル、イソチオシ
アン酸プロピル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオ
シアン酸メチル等が好適に使用できる。また、ヒバ抽出
油としては、一般に市販されているものを使用すること
ができる。
【0017】なお、本発明では、ヒノキチオールやテル
ペン類は有機系抗菌剤として不適である。これらの物質
を使用しても、病原生物の人に対する感染を防御するこ
とができない。
【0018】上記有機系抗菌剤のサイクロデキストリン
への包接は常法によって行えばよく、例えば、該有機系
抗菌剤を水と自由に混和するアルコールに溶解して、サ
イクロデキストリンを添加したスラリーに混合撹拌した
後、スプレードライヤー等を使用して噴霧乾燥すればよ
い。有機系抗菌剤と上記サイクロデキストリン添加スラ
リーとの混合は、室温下で、ホモミキサーを使用して対
流撹拌して行うのが望ましい。なお、サイクロデキスト
リンは、α型、β型、γ型のいずれであってもよく、ま
た、それらの2種以上を混合したものであってもよい。
【0019】このようにして得られる包接化合物粒子の
平均粒子径は、特に制限はないが5〜200 μm程度であ
るのが好ましい。また、後述するように、該包接化合物
粒子を熱可塑性樹脂に混合したものを加工してシートと
する場合、包接化合物粒子の平均粒子径をシートの平均
厚さより大きくすることにより効果的に有機系抗菌成分
を揮散させることができるため、このような感染防御用
シートの場合には、包接化合物粒子の平均粒子径は10〜
200 μm程度とするのが好ましい。
【0020】本発明で使用する非晶質リン酸カルシウム
(Amorphous Calcium Phosphate :以下、ACPと略す
ことがある。)粒子は、ACPを含むスラリーを造粒し
て製造することができる。そのようなスラリーは、撹拌
下の水酸化カルシウム懸濁液に、水溶性高分子である分
散剤、例えばトリアクリル酸アンモニウム塩を0.1 〜10
重量%、好ましくは0.1 〜3重量%添加して混合溶液を
得た後、撹拌下の該混合溶液にリン酸水溶液を滴下し、
pHを11〜5に調整することにより得られる。また、リ
ン酸水溶液を滴下した後、分散剤の添加を行ってもよ
い。造粒にはスプレードライヤー等を使用して噴霧乾燥
する方法を用いるのが好ましく、任意の粒子状のACP
を得ることができる。
【0021】このようにして得られる物質は、粉末X線
解析法による回析パターンからリン酸カルシウムである
ことが分かり、また、そのパターンがブロードであり、
かつハイドロキシアパタイトやリン酸三カルシウムの回
析パターンと異なることから、ACP(式:Ca3(PO
4)2・nH2O)であることが確認される。このACP粒
子は、結晶水を含むことから静電気的に活性な物質であ
り、臭いの原因となる腋臭、汗臭、頭髪臭、生理臭等の
生体由来の悪臭を吸着することができる。ACP粒子の
平均粒子径は、特に制限はないが5〜200 μm程度であ
るのが好ましい。また、ACP粒子は多孔質であるのが
好ましく、特に比表面積が10m/g以上のものが好
ましい。
【0022】本発明における包接化合物粒子とACP粒
子とは、上記のように各々別個に粒子状に製造した後、
適宜混合して用いてもよいが、包接化合物およびACP
を含有する抗菌性粒子として用いてもよい。抗菌性粒子
は、上記ACPスラリーにサイクロデキストリンを混合
し、得られた混合スラリーに揮発性を有する有機系抗菌
剤を徐々に添加して該有機系抗菌剤をサイクロデキスト
リンに包接させた後、造粒することにより製造すること
ができる。造粒には、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等を用い
ることができるが、特に噴霧乾燥法を用いるのが好まし
い。
【0023】抗菌性粒子もACP粒子と同様に、5〜2
00 μm程度の平均粒子径を有するものが好ましい。
また、多孔質のものが好ましく、特に比表面積が10m2/g
以上のものが好ましい。包接化合物粒子とACP粒子の
使用比率は、重量比で99:1〜1:99であるのが好まし
い。抗菌性粒子中における包接化合物とACPの含有比
率も同様である。
【0024】以上説明した揮発性を有する有機系抗菌剤
をサイクロデキストリンに包接させた包接化合物と非晶
質リン酸カルシウムとを含むシートは、感染防御用シー
トとして使用することができる。感染防御用シートは、
その効果を発揮できればいかなる態様であってもよい
が、第1には、包接化合物粒子粒子およびACP粒子ま
たは抗菌性粒子を熱可塑性樹脂に混合し、それをシート
状に加工してなるものを例示することができる。このよ
うにシート状に加工するには、一般に用いられるブロー
成形、インフレーション、Tダイ法等の押し出し法など
を用いればよい。
【0025】包接化合物粒子または抗菌性粒子から有機
系抗菌成分を効率よく揮発させるとともに、ACPによ
り効果的に消臭するためには、図1に示すように、各々
の種類の粒子(包接化合物粒子,ACP粒子,抗菌性粒
子)1の平均粒子径がシート2の平均厚さより大きくな
るようにするのが好ましい。このような感染防御用シー
トでは、各粒子の殆どは樹脂シートの表面から露出した
状態で保持されるため、人から蒸発する水分によって、
少量の有機系抗菌剤であっても効率よく揮発させること
が可能であり、病床において有機系抗菌剤をその抗菌効
果が発揮される濃度まで効果的に充満させることがで
き、さらには臭いを効果的に吸着することができる。
【0026】このような感染防御用シートは、包接化合
物粒子およびACP粒子または抗菌性粒子を混練した樹
脂を、一旦各粒子の平均粒径よりも大きい間隙を持つス
リットから押し出し成形した後、それを適宜の方法によ
り引き延ばすことにより製造することができる。包接化
合物粒子の樹脂に対する混合量は、0.1 〜60重量%であ
るのが好ましく、特に0.1 〜30重量%であるのが好まし
い。このような範囲にあれば、安定して抗菌性を発揮す
ることができる。また、ACP粒子の樹脂に対する混合
量は、0.1 〜60重量%であるのが好ましく、特に0.1 〜
30重量%であるのが好ましい。このような範囲にあれ
ば、安定して消臭効果を発揮することができる。抗菌性
粒子を使用する場合には、抗菌性粒子の樹脂に対する混
合量は、0.1 〜60重量%であるのが好ましく、特に0.1
〜30重量%であるのが好ましい。
【0027】熱可塑性樹脂としては、特に限定されない
が、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチ
レン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂)、スチレン系樹
脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、脂肪族ポリア
ミド)、ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族ポリエステ
ル)、ポリエステルアミド等が好ましい。特に、本態様
のように、包接化合物粒子およびACP粒子または抗菌
性粒子を熱可塑性樹脂に混合して得られる感染防御用シ
ートでは、比較的低い温度で混練加工ができるポリオレ
フィン系樹脂、EVA樹脂、塩化ビニル樹脂等を使用す
るのが好ましい。
【0028】本発明の感染防御用シートの第2の態様と
しては、上記包接化合物およびACPを含む塗膜を、熱
可塑性樹脂シートに設けたものを例示することができ
る。塗膜は、熱可塑性樹脂シートのいずれの面に設けて
もよく、両面に設けてもよい。また、全面に設けてもよ
いし、部分的に設けてもよい。図2に、塗膜10をシート
2の一方の面に設けた例を示す。
【0029】このような塗膜は、安定剤、分散剤等を適
宜加えたトルエン等の有機溶剤に上記包接化合物粒子お
よびACP粒子または抗菌性粒子を分散させ、この分散
剤をロールコーター、スプレー噴霧等の一般的方法で塗
布することにより形成することができる。また、その他
の塗布方法として、グラビア印刷、オフセット印刷、シ
ルクスクリーン等の印刷手段を用いることもできる。こ
のような印刷手段は、熱可塑性樹脂シートに部分的に塗
布する際に特に好適に使用できる。塗膜は、包接化合物
粒子の含有量が1〜20g/m2、特に1〜10g/m2、ACP粒
子の含有量が0.1 〜19.9g/m2、特に0.1 〜10g/m2、また
は抗菌性粒子の含有量が0.1 〜19.9g/m2、特に0.1 〜10
g/m2となるように設けるのが好ましく、この範囲にあれ
ば安定して抗菌性および消臭効果を発揮することができ
る。
【0030】本態様による感染防御用シートでは、各粒
子はシートの表面で保持されるため、人から蒸発する水
分によって、少量の有機系抗菌剤であっても効率よく揮
発させることが可能であり、病床において有機系抗菌剤
をその抗菌効果が発揮される濃度まで容易に充満させる
ことができ、さらには臭いを効果的に吸着することがで
きる。
【0031】このような感染防御用シートに、複数の切
り込みや孔を設けると、特に汗をかきやすい夏場などに
通気性を改善することができる。図3に、複数の切り込
み20を設けた感染防御用シートの一例を示す。
【0032】本発明の感染防御用シートの第3の態様と
しては、上記包接化合物およびACPを含む塗膜を、通
気性を有するシートに設けたものを例示することができ
る。本態様においても、塗膜は通気性シートのいずれの
面に設けてもよく、両面に設けてもよい。また、全面に
設けてもよいし、部分的に設けてもよい。図4に、塗膜
10を通気性シート2'の一方の面に設けた例を示す。
【0033】通気性を有するシートとしては、和紙、ワ
ッティング紙等の紙や、合成繊維、セルロース系繊維等
の不織布、あるいは繊維質材からなる織布等が挙げられ
る。それらは、1層からなるものであってもよいし、強
度等を考慮して複数種を積層したものであってもよい。
この通気性シートへの塗膜の形成は、第2の態様で説明
した方法と同様の方法によって行うことができる。塗膜
は、包接化合物粒子の含有量が1〜20g/m2、特に1〜10
g/m2、ACP粒子の含有量が0.1 〜19.9g/m2、特に0.1
〜10g/m2、または抗菌性粒子の含有量が0.1 〜19.9g/
m2、特に0.1 〜10g/m2となるように設けるのが好まし
く、この範囲にあれば安定して抗菌性および消臭効果を
発揮することができる。
【0034】本態様による感染防御用シート、特に各粒
子を含む塗膜を部分的に設けた感染防御用シートは、通
気性に優れるため、そのままベッド、布団用のシーツ
や、枕カバーとして使用することができる。この感染防
御用シートでは、塗膜が接着層として働くため、容易に
各粒子が脱落することがない。このような感染防御用シ
ートによれば、人から蒸発する水分によって、少量の有
機系抗菌剤であっても効率よく揮発させることが可能で
あり、病床において有機系抗菌剤をその抗菌効果が発揮
される濃度まで容易に充満させることができ、さらには
臭いを効果的に吸着することができる。
【0035】本発明の感染防御用シートの第4の態様と
しては、2枚のシート基材間に上記包接化合物粒子およ
びACP粒子または抗菌性粒子を把持してなるものを例
示することができる。該シート基材の少なくとも一方
は、通気性を有するものであることが必要である。通気
性を有するシート基材としては、上記と同様の紙、不織
布、織布等を使用することができる。他方のシート基材
は、同様の通気性シートであってもよいし、前述したよ
うな熱可塑性樹脂シートであってもよい。
【0036】包接化合物粒子の把持は、包接化合物粒子
の量が1〜20g/m2、特に1〜10g/m2となるように行うの
が好ましく、この範囲にあれば安定して抗菌性を発揮す
ることができる。また、ACP粒子の把持は、ACP粒
子の量が0.1 〜19.9g/m2、特に0.1 〜10g/m2となるよう
に行うのが好ましく、この範囲にあれば安定して消臭効
果を発揮することができる。抗菌性粒子を使用する場合
には、抗菌性粒子の量が0.1 〜19.9g/m2、特に0.1 〜10
g/m2となるように把持するのが好ましい。
【0037】各粒子を把持するには、例えば、一方のシ
ートの片面に粒子を全体的または部分的に接着し、その
接着面に他方のシートを積層(接着してまたは非接着
で)してもよいし、一方のシートの片面上に粒子を全体
的または部分的に散布し、その散布面に他方のシートを
積層して2枚のシート基材を周着、即ち、袋状に賦型し
てもよい。前者の一例を図5に、後者の一例を図6に示
す。
【0038】ただし、後者のようにシート全体を1つの
袋とすると、各粒子が移動して片寄るおそれがある。そ
こで、図7に示すように、2枚のシート基材が多数の袋
部21を形成するよう賦型すれば、片寄りを防止すること
ができる。このように、多数の袋部を形成するよう賦型
した感染防御用シートは、特に少量の有機系抗菌剤量で
あっても、人から蒸発する水分によって該有機系抗菌剤
を効率よく揮発させることができ、病床において有機系
抗菌剤をその抗菌効果が発揮される濃度まで効果的に充
満させることができ、さらには臭いを効果的に吸着する
ことができる。
【0039】本発明の感染防御用シートは、以上例示し
たものに限定されることなく、例えば、繊維に上記包接
化合物粒子およびACP粒子または抗菌性粒子を含有さ
せ、その繊維を織ってなるシートまたは編んでなるシー
トであってもよい。また、その繊維を用い、不織布とし
てもよい。本発明の感染防御用シートは、寝具の下に敷
いて用いることもできるし、寝具用シーツもしくはカバ
ーとして使用することもできる。また、この感染防御用
シートを裁断・縫製し、寝巻として使用することもでき
る。
【0040】本発明の感染防御用シートによって人に対
する感染を防除できる病原細菌としては、例えば、Esch
erichia coli、Staphylococcus aureus 、Psedomonas a
eruginosa 、Cytrobacter freundii、Proteus mirabili
s 、Klebsiella pneumomiae、Serratia marcescens 、S
almonella enteritidis、Vibrio cholerae 、Vibriopar
ahaemolyticus 等が挙げられ、病原真菌としては、Cand
ida albicans等が挙げられ、病原小動物としては、肥前
ダニ、ノシメマダラメイガの幼虫、ヤケヒョウダニ等が
挙げられる。
【0041】また、本発明の感染防御用シートによれ
ば、床擦れを防止することもできる。以上のようなシー
トを用いた本発明の感染防御方法によれば、抗菌物質を
経口または経静脈的に予防投与したり、消毒薬や抗菌物
質を皮膚に塗布する必要がなく、アレルギーを引き起こ
す心配もない。
【0042】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明を更
に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例お
よび試験例に限定されるものではない。
【0043】〔実施例1〕非晶質リン酸カルシウム粒子
を、次にようにして製造した。なお、この製造工程を図
8に模式的に示す。図8において、9はエアフィルタ
ー、10'は電気ヒータであり、エアフィルター9を通り
電気ヒータ10'によって加温された熱空気は、熱ガス室1
1からスプレードライヤー5内に入り、スプレードライ
ヤー5のアトマイザー6により噴霧されるスラリー3a,3
b を乾燥造粒しつつ、排出孔12からサイクロン8に向け
て流出するようになっている。
【0044】撹拌下の水酸化カルシウム懸濁液に対し、
2〜4倍に水で希釈したリン酸水溶液を滴下してpHを
11付近に調整し、続いて、上記懸濁液に対し5〜8倍に
水で希釈したリン酸水溶液を滴下してpHを10〜9に調
整し、ACP微粒子を生成した。さらに、分散剤とし
て、弱アルカリ性の水溶性高分子であるトリアクリル酸
アンモニウム塩をACP微粒子に対して0.5 重量%とな
るように添加することにより、粒径約0.1 μm以下のA
CP微粒子を安定して含むスラリーを得た。
【0045】このスラリーを、ACPの濃度が20重量%
となるようにイオン交換水により希釈し、得られたAC
Pスラリー3aを、定量ポンプ4によりスプレードライヤ
ー(大川原化工機械社製L−8)5に供給量1〜3kg/
hで供給した。スプレードライヤー5のアトマイザー6
を10000 〜40000 rpm に設定するとともに、熱ガス室11
の入口温度を150 〜300 ℃、排出口における出口温度を
60〜100 ℃に調整することにより、平均粒径が約25μm
のACP粒子1aが得られた。
【0046】一方、イソチオシアン酸アリルをサイクロ
デキストリンに包接させた包接化合物を、次のようにし
て製造した。なお、包接化合物粒子の製造工程も、図8
に模式的に示される。
【0047】水200 gをホモミキサーにより24000 rpm
で対流撹拌しながらβ−サイクロデキストリンを100 g
添加し、その後、イソチオシアン酸アリルを10g添加
し、1時間撹拌を行った。ここで得られたスラリー3b
を、定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川原化
工機械社製L−8)5に供給量1〜3kg/hで供給し
た。スプレードライヤー5のアトマイザー6を10000 〜
30000 rpm に設定するとともに、熱ガス室11の入口温度
を150 〜200 ℃、排出口における出口温度を60〜100℃
に調整することにより、イソチオシアン酸アリルをサイ
クロデキストリンに包接させた包接化合物粒子(包接化
合物粒子A)1bが得られた。この包接化合物粒子Aの平
均粒径は、約25μmであった。
【0048】上記ACP粒子および包接化合物粒子A
を、1:9(ACP粒子/包接化合物粒子)の重量比で
オムニミキサー(千代田技研社製)にて十分混合した。
得られた混合物A4重量部と、低密度ポリエチレン96重
量部とを混合した後、押出機を使用して混練・押出加工
し、平均厚さが約30μmのシートを製造した。このシー
トを、平均厚さが約20μmとなるように延伸して感染防
御用シートAとした。感染防御用シートAは、図1に示
されるような構造を有する。
【0049】〔実施例2〕抗菌性粒子を、次にようにし
て製造した。なお、この製造工程を図9に模式的に示
す。実施例1と同様にして、粒子径0.1 μm以下のAC
P微粒子を含むスラリーを調製した。このスラリーを、
ACPの濃度が10重量%となるようにイオン交換水によ
り希釈し、得られたACPスラリー1500gに対してβ−
サイクロデキストリンを100 g分散させた。ホモミキサ
ーにより5000rpm で対流撹拌しながら、イソチオシアン
酸アリル10gを徐々に添加し、90分間撹拌を行った。こ
のようにしてイソチオシアン酸アリルを主にβ−サイク
ロデキストリンに包接させ、包接化合物30c とACP微
粒子31c とを含むスラリー3cを得た。
【0050】得られたスラリー3cを、定量ポンプ4によ
りスプレードライヤー(大川原化工機械社製L−8)5
に供給量1〜3kg/hで供給した。スプレードライヤー
5のアトマイザー6を10000 〜30000 rpm に設定すると
ともに、熱ガス室11の入口温度を150 〜200 ℃、排出口
における出口温度を60〜100 ℃に調整して噴霧造粒する
ことにより、ACP微粒子31c と包接化合物30c とを含
む抗菌性粒子(抗菌性粒子B)1cが得られた。この抗菌
性粒子Bは略球状であり、平均粒径は約50μmであっ
た。なお、上記抗菌性粒子Bでは、イソチオシアン酸ア
リルの一部はACPに吸着されているものと想定され
る。
【0051】得られた抗菌性粒子B4重量部と、EVA
樹脂96重量部とを混合した後、押出機を使用して混練・
押出加工し、平均厚さが約20μmの感染防御用シートB
を製造した。
【0052】〔実施例3〕ヒバ抽出油をサイクロデキス
トリンに包接させた包接化合物を、次のようにして製造
した。水200 gをホモミキサーにより24000 rpm で対流
撹拌しながらβ−サイクロデキストリンを100 g添加
し、その後、ヒバ抽出油(商品名:青森ヒバ精油(青森
県産のヒバ使用)、大阪有機化学工業(株)製)を10g添
加し、1時間撹拌を行った。ここで得られたスラリー
を、定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川原化
工機械社製L−8)5に供給量1〜3kg/hで供給し
た。スプレードライヤー5のアトマイザー6を10000 〜
30000 rpm に設定するとともに、熱ガス室11の入口温度
を150 〜200 ℃、排出口における出口温度を60〜100 ℃
に調整することにより、ヒバ抽出油をサイクロデキスト
リンに包接させた包接化合物粒子(包接化合物粒子C)
が得られた。この包接化合物粒子Cの平均粒径は、約20
μmであった。
【0053】得られた包接化合物粒子Cと、実施例1で
得られたACP粒子とを、9:1(包接化合物粒子/A
CP粒子)の重量比となるようにオムニミキサー(千代
田技研社製)にて十分混合した。この混合物C20重量部
に、酢酸ビニル20重量部、トルエン60重量部、塩素化ポ
リプロピレン12重量部、ポリエチレンワックス0.5 重量
部およびメチルエチルケトン16重量部を加えたものをイ
ンク組成物とした。このインク組成物を、厚さ約1.0 mm
のポリプロピレン樹脂製シートの一方の面全体にグラビ
ア印刷により塗布した。次いで、このシートの全体に1
cmの長さの切り込みを1cm幅で設け、感染防御用シート
Cとした。感染防御用シートCは、図3に示されるよう
な外観を有する。
【0054】〔実施例4〕実施例1で得られた混合物A
20重量部に、酢酸ビニル20重量部、トルエン60重量部、
塩素化ポリプロピレン12重量部、ポリエチレンワックス
0.5 重量部およびメチルエチルケトン16重量部を加えた
ものをインク組成物とした。このインク組成物を、厚さ
2mmの織布(塩化ビニル製)の一方の面にグラビア印刷
により部分的に塗布し、感染防御用シートDとした。感
染防御用シートDは、図10に示されるような外観を有す
る。図10中、2''は織布、22は印刷部を示す。
【0055】〔実施例5〕実施例1で得られた混合物A
を、約5g/m2となるように不織布(ポリプロピレン製,
50g/m2)の上に散布した後、その上に上記不織布と同様
の不織布を積層した。これら2枚の不織布が10cm×10cm
の袋部を多数形成し、その袋部の中に包接化合物粒子お
よびACP粒子が把持されるように、上記不織布上に包
接化合物粒子Aを散布した後、編目状に加熱シール部を
備えたヒートシールを使用してヒートシールした。この
ようにして得られた感染防御用シートEは、図7に示さ
れるような外観を有する。
【0056】〔実施例6〕セラック樹脂(ギフセラック
社製)10重量部をエタノール90重量部に溶解し、これを
スプレーガンによって膜厚20〜50μmとなるように不織
布(ポリプロピレン製,50g/m2)に吹き付けた。次い
で、このセラック樹脂層の上に、実施例1で得られた包
接化合物粒子Bを約5g/m2となるように粉体のまま吹き
付けた。なお、本実施例で使用したセラック樹脂は天然
樹脂であり、食品添加物として用いられているものであ
る。
【0057】〔試験例1〕Candida albicansをポテトデ
キストロース寒天培地(栄研化学(株)製)で30℃下18〜
24時間培養した後、滅菌生理食塩水で菌数が約103 個/
mlとなるように調製し、試験菌液とした。プラスチック
シャーレ(直径5cm)にGPLP寒天培地(日本製薬
(株)製)を5mlずつ分注し、固化させ、クリーンベンチ
内で風乾後、上記試験菌液を0.1 mlずつ塗抹し、これら
を試験平板とした。使用した試験菌液の菌数を、GPL
P寒天培地を用いた混釈平板培養法(25℃,7日間)に
より測定し、接種菌数を算出した。
【0058】実施例1で得られた包接化合物粒子A 0.5
gおよび上記試験平板を、水50mlの入ったビーカーとと
もにプラスチック製角容器(1.6 リットル容)に入れ、
蓋をして30℃で培養した。培養2日後に肉眼で試験平板
上の菌発育の有無を観察した。なお、対照として包接化
合物粒子Aを入れない場合についても同様に試験した。
結果を表1に示す。
【0059】ほぼ同様の方法により、Salmonella enter
itidis、Staphylococcus aureus 、Vibrio cholerae お
よびVibrio parahaemolyticus についても試験を行っ
た。但し、Salmonella enteritidisおよびStaphylococc
us aureus に対しては、包接化合物粒子Aを1g使用し
た。結果を併せて表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかなように、本発明で使用す
る包接化合物粒子は、Candida albicans、Salmonella e
nteritidis、Staphylococcus aureus 、Vibrio cholera
e およびVibrio parahaemolyticus に対する抗菌作用に
優れている。
【0062】〔試験例2〕大腸菌(Escherichia coli)
を、菌数が2.9 ×109 個/mlになるまで培養した。この
菌液の1倍希釈液(希釈せず)、100 倍希釈液、10,000
倍希釈液および1,000,000 倍希釈液を調製し、それぞれ
10μl ずつLプレート上に滴下した。実施例1で得られ
た包接化合物粒子A0.1 gを、Lプレートの上蓋の内側
に設置し、その上蓋を菌を滴下した上記プレートに被
せ、上下逆さまにした。その状態で37℃の下培養し、24
時間経過後の菌数を調べた。結果を表2に示す。
【0063】また、実施例3で得られた包接化合物粒子
Cについても同様の試験を行った。結果を併せて表2に
示す。一方、ヒノキオイル(大阪有機化学工業社製)お
よびリモネンオイル(ヤスハラケミカル社製)を用い
て、実施例3と同様にしてそれぞれの包接化合物粒子を
作製した。上記ヒノキオイル1mlおよびリモネンオイル
1mlならびに得られたヒノキオイルの包接化合物粒子
(包接化合物粒子H)2.5 gおよびリモネンオイルの包
接化合物粒子(包接化合物粒子L)2.5 gについて、上
記と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2から明らかなように、本発明で使用す
る包接化合物粒子は、大腸菌に対する抗菌作用に優れて
いるが、ヒノキオイルおよびリモネンオイルならびにそ
れらの包接化合物粒子は、大腸菌に対する抗菌作用がほ
とんどない。
【0066】〔試験例3〕日和見感染で知られるCytrob
acter freundii、Proteus mirabilis 、Klebsiella pne
umomiae 、Serratia marcescens を、それぞれ菌数が5.
2 ×109 個/ml、1.3 ×109 個/ml、9.4 ×109 個/m
l、3.3 ×109 個/mlになるまで培養した。これら菌液
の1倍希釈液(希釈せず)、100 倍希釈液、10,000倍希
釈液および1,000,000 倍希釈液を調製し、試験例2と同
様にして、包接化合物粒子Aの抗菌作用について試験し
た。結果を表3示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3から明らかなように、本発明で使用す
る包接化合物粒子は、Cytrobacterfreundii、Proteus m
irabilis 、Klebsiella pneumomiae 、Serratia marces
cens などの菌に対する抗菌作用に優れている。
【0069】〔試験例4〕感染防御用シートA、B、D
およびEを湿度80%下においたときの、イソチオシアン
酸アリル(AIT)の蒸散量を測定した。蒸散量の測定
は、次のようにして行った。
【0070】各感染防御用シート(10cm×10cm)を不織
布で包み、1100mlのガラス容器内(湿度80%に保持)に
収納、密閉した。このガラス容器内の空気中のイソチオ
シアン酸アリル量を、経時的にガスクロマトグラフィー
法にて測定した。結果を図11のグラフに示す。なお、ガ
スクロマトグラフィー法の測定条件は、以下の通りであ
った。
【0071】(測定条件) 検出器:FID カラム:PEG20M(カラム長25cm、カラム径0.25m
m、膜厚0.25μm) 注入口温度:200 ℃ 検出器温度:230 ℃ キャリアーガス:He 11.3psi (70℃) カラムオーブンの昇温パターン:70℃(1min )→100
℃まで昇温(5℃/min )→220 ℃まで昇温(40℃/mi
n )→220 ℃で1.75min 保持
【0072】比較として、ACP粒子を混合しない以
外、感染防御用シートA、B、DおよびEと同様にして
製造したシートについても同様にして試験を行った。図
11のグラフから明らかなように、感染防御用シートA、
B、DおよびEは、湿度80%の下で21日間は抗菌効果を
発揮し得る。即ち、本発明による感染防御用シートは、
ACP粒子を混合しないシートと比較して、3倍以上の
期間抗菌効果を発揮することができる。
【0073】〔試験例5〕実施例1で得られたACP粒
子について、以下のようにして臭い成分の吸着能力の試
験を行った。図12に、本試験で使用した測定装置を概略
的に示す。まず、300ml広口マイヤー51に、25%アンモ
ニア水2ccを滴下し、中心にガラス管(内径5mm)53を
通したシリコン栓52で密栓した。次に、両端に略円柱状
の開口部56a,56aを有するガラス製サンプル管56に、
上記ACP粒子をサンプルとして1.2g秤量して入れ
た。その後、サンプル管56の開口部56a,56aに、サン
プルが外部に出ないように綿栓55,55を施した。
【0074】次いで、サンプル管56の両開口部56aの外
側端部に、別々にシリコンチューブ54,54を接続した。
そして、一方の開口部56aに接続されたシリコンチュー
ブ54の他端部を、上記シリコン栓52のガラス管53の外側
端部に接続し、他方の開口部56aに接続されたシリコン
チューブ54の他端部を臭いセンサ(コスモ電機社製,ポ
ータブル型臭いセンサ,XP-329)57の吸気口57aに接続
した。
【0075】上記のような構成を有する測定装置を用
い、サンプル管26を介してマイヤー51内のガスを吸引
し、臭いセンサ57によりサンプル管内のACP粒子の臭
い成分の吸着能力を測定した。なお、上記臭いセンサ57
は、臭い成分の濃度をデジタル表示値で評価するもので
あって、この表示値が小さいほどサンプルの臭い成分の
吸着能力が優れていることを示すようになっている。
【0076】対照として、ACP粒子と同様の粒径とな
るように粉体状にしたハイドロキシアパタイト(HA
P)、アルミナおよびシリカについて、上記と同様にし
て臭い成分の吸着能力を測定した。測定結果を表4に示
す。なお、測定値は、サンプリング開始後、測定値の変
化が安定した時点におけるデジタル表示値である。
【0077】
【表4】
【0078】表4から明らかなように、本発明で使用す
るACP粒子は、HAP粒子、アルミナ粒子およびシリ
カ粒子と比較して格段に吸着能力が優れている。
【0079】〔試験例6〕直径約3.8 cm、深さ約0.5 cm
のスチロールシャーレの中に、実施例1で得られた感染
防御用シートA(直径約3.8 cm)を置き、その中央に0.
1 gの粉末飼料(オリエンタル酵母(株)製,小動物飼育
用粉末飼料MF)を置いた。これを、直径8.5 cm、深さ
1.4 cmのスチロールシャーレの中央に置き、中央のシャ
ーレと外側のシャーレとの間に、ノシメマダラメイガ
(孵化後約14日の幼虫)25個体を放ち、直径5cmの穴を
空け120 メッシュの金網を貼った蓋をした。
【0080】このシャーレを室温下で2日間静置した
後、中央のシャーレに移動した幼虫の個体数を計数し
た。この試験を4区分について行った。なお、対照とし
て、同様の方法で感染防御用シートを入れない場合の試
験を行った。結果を表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】表5の値から、以下の式によって感染防御
用シートAの忌避率を算出すると、46.9%となる。 忌避率(%)=(無処理区の平均移動率−処理区の平均
移動率)/無処理区の平均移動率×100 この結果から明らかなように、本発明の感染防御用シー
トは、ノシメマダラメイガの幼虫に対する忌避効果に優
れる。
【0083】〔試験例7〕実施例4で得られた感染防御
用シートDを2cm四方に切り、成人被験者41人(20代〜
50代の男女)の上腕側部に密着して貼り、24時間後観察
を行ったところ、いずれの被験者にも、かゆみ、はれ、
あかみ、その他違和感などがなく、また体調の変化も起
こらなかった。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、特に病床において抗菌
剤を充満させることができ、高齢者をはじめエイズ患
者、臓器移植患者、白血病患者、先天性免疫不全症患者
などの免疫不全状態にある患者が感染しやすいCandida
albicansやヒゼンダニ等の病原生物による皮膚疾患、あ
るいは床擦れを長期に渡って効果的に防御することがで
きる。また、病床などで発生し易い臭いをも効果的に除
去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例による感染防御用シートの概略断
面図である。
【図2】本発明の他の例による感染防御用シートの概略
断面図である。
【図3】本発明の他の例による感染防御用シートの斜視
図である。
【図4】本発明の他の例による感染防御用シートの概略
断面図である。
【図5】本発明の他の例による感染防御用シートの斜視
図である。
【図6】本発明の他の例による感染防御用シートの斜視
図である。
【図7】本発明の他の例による感染防御用シートの斜視
図である。
【図8】本発明の感染防御用シートに使用する包接化合
物粒子またはACP粒子の製造工程を説明する図であ
る。
【図9】本発明の感染防御用シートに使用する抗菌性粒
子の製造工程を説明する図である。
【図10】実施例4で製造した感染防御用シートDの斜
視図である。
【図11】感染防御用シートA,B,D,E(ACP粒
子含有,ACP粒子非含有)からのイソチオシアン酸ア
リルの蒸散量の経時変化を示すグラフである。
【図12】試験例5で使用した臭い成分吸着能力の測定
装置の概略図である。
【符号の説明】
1…粒子 1a…ACP粒子 1b…包接化合物粒子 1c…抗菌性粒子 10…塗膜 2…シート 2'…不織布 2''…織布 20…切り込み 21…袋部 22…印刷部 3a,3b,3c…スラリー 30c …包接化合物 31c …ACP微粒子 4…定量ポンプ 5…スプレードライヤー 6…アトマイザー 8…サイクロン 9…エアフィルター 10'…電気ヒータ 11…熱ガス室 12…排出孔 51…広口マイヤー 52…シリコン栓 53…ガラス管 54…シリコンチューブ 55…綿栓 56a…開口部 56…サンプル管 57…臭いセンサ 57a…吸気口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】一方、食品用の抗菌材は知られているもの
の、食品で問題となる菌と人に対する感染で問題となる
病原菌とでは種類が全く異なるため、食品用の抗菌材を
そのまま感染防御に適用できるか否かは必ずしも明らか
ではない。例えば、食品の抗菌対象としては、アスペル
ギルス・ニガー(Aspergillus nige
r)、フザリウム(Fsarium)、ジオトリクム・
カンジダム(Geotrichum candidu
m)、アルテルナリア(Alternaria)などが
あるが、これらの真菌類は、臨床上ではほとんど見られ
ないものである(Manual of clinica
l microbiology,−5thed.,:e
ditor in chief,A lbert Ba
lows,American Society for
Microbiology,P7−8)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、抗菌物質として揮発性を有する
有機系抗菌剤をサイクロデキストリンに包接した包接化
合物、特にイソチオシアネートおよび/またはヒバ抽出
油を包接した包接化合物を含むシートを使用して、病床
に上記抗菌剤を充満させることにより、カンジタ菌、中
でも人体に感染することが知られているカンジダ・アル
ビカンス(Candida albicans)や、人
体に感染するヒゼンダニ等の病原生物などの感染を有効
に防御できることを見出した。また、上記包接化合物と
ともに非晶質リン酸カルシウムをシートに含ませること
により、特に寝たきりとなった高齢者の病床で発生し易
い臭いを効果的に消臭することができることを見出し、
本発明を完成した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】本発明の感染防御用シートによって人に対
する感染を防除できる病原細菌としては、例えば、エシ
ェリキア・コリ(Escherichia col
i)、スタヒロコッカス・アウレウス(Staphyl
ococcus aureus)、シュードモナス・エ
ルジノーサ(Psedomonas aerugino
sa)、サイトロバクター・フレウンディー(Cytr
obacter freundii)、プロテウス・ミ
ラビリス(Proteus mirabilis)、ク
レブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella p
neumoniae)、セラチア・マルセッセンス(S
erratia marcescens)、サルモネラ
・エンテリティディス(Salmonella ent
eritidis)、ビブリオ・コレレ(Vibrio
cholerae)、ビブリオ・パラヘモリティカス
(Vibrio parahaemolyticus)
等が挙げられ、病原真菌としては、カンジダ・アルビカ
ンス(Candida albicans)等が挙げら
れ、病原小動物としては、肥前ダニ、ノシメマダラメイ
ガの幼虫、ヤケヒヨウダニ等が挙げられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】〔試験例1〕カンジダ・アルビカンス(C
andida albicans)をポテトデキストロ
ース寒天培地(栄研化学(株)製)で30℃下18〜2
4時間培養した後、滅菌生理食塩水で菌数が約10
/mlとなるように調製し、試験菌液とした。プラスチ
ックシャーレ(直径5cm)にGPLP寒天培地(日本
製薬(株)製)を5mlずつ分注し、固化させ、クリー
ンベンチ内で風乾後、上記試験菌液を0.1mlずつ塗
抹し、これらを試験平板とした。使用した試験菌液の菌
数を、GPLP寒天培地を用いた混釈平板培養法(25
℃,7日間)により測定し、接種菌数を算出した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】ほぼ同様の方法により、サルモネラ・エン
テリティディス(Salmonella enteri
tidis)、スタヒロコッカス・アウレウス(Sta
phylococcus aureus)、ビブリオ・
コレレ(Vibrio cholerae)およびビブ
リオ・パラヘモリティカス(Vibrio parah
aemolyticus)についても試験を行った。但
し、サルモネラ・エンテリティディス(Salmone
lla enteritidis)およびスタヒロコッ
カス・アウレウス(Staphylococcus a
ureus)に対しては、包接化合物粒子Aを1g使用
した。結果を併せて表1に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】
【表1】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】表1から明らかなように、本発明で使用す
る包接化合物粒子は、カンジダ・アルビカンス(Can
dida albicans)、サルモネラ・エンテリ
ティディス(Salmonella enteriti
dis)、スタヒロコッカス・アウレウス(Staph
ylococcus aureus)、ビブリオ・コレ
レ(Vibrio cholerae)およびビブリオ
・パラヘモリティカス(Vibrio parahae
molyticus)に対する抗菌作用に優れている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】〔試験例3〕日和見感染で知られるサイト
ロバクター・フレウンディー(Cytrobacter
freundii)、プロテウス・ミラビリス(Pr
oteus mirabilis)、クレブシエラ・ニ
ューモニエ(Klebsiella pneumoni
ae)、セラチア・マルセッセンス(Serratia
marcescens)を、それぞれ菌数が5.2×
10個/ml、1.3×10個/ml、9.4×1
個/ml、3.3×10個/mlになるまで培養
した。これら菌液の1倍希釈液(希釈せず)、100倍
希釈液、10,000倍希釈液および1,000,00
0倍希釈液を調製し、試験例2と同様にして、包接化合
物粒子Aの抗菌作用について試験した。結果を表3に示
す。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】
【表3】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】表3から明らかなように、本発明で使用す
る包接化合物粒子は、サイトロバクター・フレウンディ
ー(Cytrobacter freundii)、プ
ロテウス・ミラビリス(Proteus mirabi
lis)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsi
ella pneumoniae)、セラチア・マルセ
ッセンス(Serratia marcescens)
などの菌に対する抗菌作用に優れている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、特に病床において抗菌
剤を充満させることができ、高齢者をはじめエイズ患
者、臓器移植患者、白血病患者、先天性免疫不全症患者
などの免疫不全状態にある患者が感染しやすいカンジダ
・アルビカンス(Candidaalbicans)
ヒゼンダニ等の病原生物による皮膚疾患、あるいは床擦
れを長期に渡って効果的に防御することができる。ま
た、病床などで発生し易い臭いをも効果的に除去するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/78 ADZ A61K 35/78 ADZA A61L 2/20 A61L 2/20 G B32B 27/18 B32B 27/18 F C08K 9/10 C08K 9/10 C08L 31/04 C08L 31/04 C09D 131/04 C09D 131/04 D06M 11/67 D06M 15/03 11/71 B65D 81/28 C 13/224 C08J 5/18 15/03 D06M 11/08 // B65D 81/28 11/02 C08J 5/18 13/20 D21H 21/36 D21H 5/22 D

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロ
    デキストリンに包接させた包接化合物と非晶質リン酸カ
    ルシウムとを含むシートを使用する感染防御方法。
  2. 【請求項2】 前記シートを、寝具の下に敷くか、また
    は寝具用シーツもしくはカバーとして使用し、人から蒸
    発する水分によって前記有機系抗菌剤を揮発させること
    を特徴とする請求項1記載の感染防御方法。
  3. 【請求項3】 揮発性を有する有機系抗菌剤が、イソチ
    オシアネートおよび/またはヒバ抽出油であることを特
    徴とする請求項1記載の感染防御方法。
  4. 【請求項4】 Candida albicans、Escherichia coli、
    Staphylococcus aureus 、Psedomonas aeruginosa 、Cy
    trobacter freundii、Proteus mirabilis 、Klebsiella
    pneumomiae 、Serratia marcescens 、Salmonella ent
    eritidis、Vibrio cholerae またはVibrio parahaemoly
    ticus の少なくとも1種に対する感染を防御することを
    特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の感染防御方
    法。
  5. 【請求項5】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロ
    デキストリンに包接させた包接化合物と非晶質リン酸カ
    ルシウムとを含む感染防御用シート。
  6. 【請求項6】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロ
    デキストリンに包接させた包接化合物粒子および非晶質
    リン酸カルシウム粒子を熱可塑性樹脂に混合し、加工し
    てなるシートであって、該包接化合物粒子の平均粒子径
    および非晶質リン酸カルシウム粒子の平均粒子径が該熱
    可塑性樹脂シートの平均厚さより大きいことを特徴とす
    る感染防御用シート。
  7. 【請求項7】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロ
    デキストリンに包接させた包接化合物および非晶質リン
    酸カルシウムを含む抗菌性粒子を熱可塑性樹脂に混合
    し、加工してなるシートであって、該抗菌性粒子の平均
    粒子径が該熱可塑性樹脂シートの平均厚さより大きいこ
    とを特徴とする感染防御用シート。
  8. 【請求項8】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイクロ
    デキストリンに包接させた包接化合物と非晶質リン酸カ
    ルシウムとを含む塗膜が、熱可塑性樹脂シートの少なく
    とも一方の面の全面または一部に設けられてなることを
    特徴とする感染防御用シート。
  9. 【請求項9】 前記感染防御用シートに複数の切り込み
    または孔が設けられたことを特徴とする請求項6ないし
    8いずれか記載の感染防御用シート。
  10. 【請求項10】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイク
    ロデキストリンに包接させた包接化合物と非晶質リン酸
    カルシウムとを含む塗膜が、通気性を有するシートの少
    なくとも一方の面の全面または一部に設けられてなるこ
    とを特徴とする感染防御用シート。
  11. 【請求項11】 通気性を有するシートが、紙、不織布
    または織布の1種からなるか、複数種を積層してなるシ
    ートであることを特徴とする請求項10記載の感染防御
    用シート。
  12. 【請求項12】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイク
    ロデキストリンに包接させた包接化合物粒子および非晶
    質リン酸カルシウム粒子が2枚のシート基材間に把持さ
    れており、該シート基材の少なくとも一方は通気性を有
    するシート基材であることを特徴とする感染防御用シー
    ト。
  13. 【請求項13】 揮発性を有する有機系抗菌剤をサイク
    ロデキストリンに包接させた包接化合物および非晶質リ
    ン酸カルシウムを含有する抗菌性粒子が2枚のシート基
    材間に把持されており、該シート基材の少なくとも一方
    は通気性を有するシート基材であることを特徴とする感
    染防御用シート。
  14. 【請求項14】 揮発性を有する有機系抗菌剤がイソチ
    オシアネートおよび/またはヒバ抽出油であることを特
    徴とする請求項5ないし13いずれか記載の感染防御用
    シート。
  15. 【請求項15】 Candida albicans、Escherichia col
    i、Staphylococcus aureus 、Psedomonas aeruginosa
    、Cytrobacter freundii、Proteus mirabilis、Klebsi
    ella pneumomiae 、Serratia marcescens 、Salmonella
    enteritidis、Vibrio cholerae またはVibrio parahae
    molyticus の少なくとも1種に対する感染を防御するこ
    とを特徴とする請求項5ないし14いずれか記載の感染
    防御用シート。
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