JPH07207165A - 抗菌、防虫性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

抗菌、防虫性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

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JPH07207165A
JPH07207165A JP9338694A JP9338694A JPH07207165A JP H07207165 A JPH07207165 A JP H07207165A JP 9338694 A JP9338694 A JP 9338694A JP 9338694 A JP9338694 A JP 9338694A JP H07207165 A JPH07207165 A JP H07207165A
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thermoplastic resin
antibacterial
oil
essential oil
resin composition
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JP9338694A
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Manabu Nakahara
学 中原
Tomoaki Nakahara
知明 中原
Yasoji Sasaki
八十治 佐々木
Shigeo Kai
重夫 甲斐
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YAMASAN SHOKAI KK
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YAMASAN SHOKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精油そのものをさらに精製することなく熱可
塑性樹脂に配合して、精油中に含まれるあらゆる成分に
よって発揮される防虫、抗菌作用効果を複合的に利用可
能とすること。 【構成】 熱可塑性樹脂と、シクロデキストリンで包接
処理した精油と、からなる抗菌、防虫性熱可塑性組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シクロデキストリンで
包接した抗菌、防虫性を示す精油を熱可塑性樹脂に添加
してなる組成物であって、安全衛生性が非常に優れ、抗
菌、防黴、鮮度保持、森林浴効果、防虫等の諸機能を有
する熱可塑性樹脂組成物に関し、さらにはそのような熱
可塑性樹脂組成物から作られた成形品及び複合積層品等
に関する。
【0002】本発明による成形品は、シート、フィル
ム、袋、箱、板、棒、糸、繊維、ペレット、パイプ、中
空体等の形状をなし、例えば家庭用、農業用及び業務用
の包装資材、健康用具、芳香発散体、精神安定用具、輸
送貯蔵用具等として利用される。
【0003】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、複合積層
体の表面の全部または一部をなす層の形で利用すること
により、前記の機能あるいは効果を発揮させることもで
きる。
【0004】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は建材、農業資材、包装材
料等の製造に多量に使用されている。最近、これらの分
野でニーズが多様化しており、抗菌性、防黴、防虫、鮮
度保持、森林浴等の効果機能が要求されることが多くな
って来ている。熱可塑性樹脂に抗菌性を付与する方法と
しては銀、銅、亜鉛、金、白金などの金属イオンを無機
珪素化合物等に担持させた抗菌剤、例えば抗菌性ゼオラ
イトのような無機物質を熱可塑性樹脂に添加、混練する
方法が知られている。
【0005】ヒノキチオール、その塩またはそれらを含
むシクロデキストリン包接化合物を熱可塑性樹脂に添
加、混練して抗菌性等を付与する方法として特開平4−
359028号、特開平4−325069号、特開平3
−16726号等の明細書に提案されているものがあ
る。
【0006】青森ヒバ油を固体粉末に吸収させ、それを
粘着剤または接着剤を介して基材の表面に塗布した防黴
防菌シートが特開平1−135355号明細書に開示さ
れている。
【0007】感圧性粘着剤中に青森ヒバ油等の精油から
抽出回収されたヒノキチオールとβ−ドラブリンを含有
させた防黴、防菌、防虫用粘着テープあるいはシートが
特開平1−153601号明細書に開示されている。
【0008】しかし、精油自体を熱可塑性樹脂に添加し
た組成物で抗菌、防黴、鮮度保持、森林浴作用及び防虫
機能を有する熱可塑性樹脂組成物は、まだ提案されてい
ない。
【0009】前記従来技術ではそれぞれ次のような問題
がある。抗菌性ゼオライトのような無機物質を熱可塑性
樹脂に添加すると熱可塑性樹脂の有する特性が損なわれ
る。また金属イオン系化合物は毒性が強く、安全衛生上
問題がある。
【0010】ヒノキチオールの抗菌、鮮度保持効果等は
特開平4−359028号などの明細書に開示されてい
る如く、非常に優れている。しかし、ヒノキチオールは
台湾産ヒバ、青森産ヒバ等、特定の木精油中の一つの成
分として含有されている物で、これらの特定の木精油か
ら抽出することができるヒノキチオールは量が少なく、
非常に高価である。また、ヒノキチオールを熱可塑性樹
脂に添加した場合はヒノキチオール単独の効果しか付与
することができない。ヒバ油より抽出・精製されたヒノ
キチオール等はその精製工程に於いてのコストが非常に
高く製品への付加価値として認めにくい点があり又、ヒ
ノキチオールの昇華性(沸点が150℃〜180℃)が
樹脂に配合し、加工する場合問題となってくる。その他
の精油も昇華性あるいは揮発性の成分を高割合で含むの
で、同様な問題を呈する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来技術の
諸々の欠点に鑑み、本発明者は精油から抽出・精製され
た特定の成分、例えばヒノキチオール、α−ドラブリシ
ンを使用するのではなく精油そのものをさらに精製せず
に使用し樹脂へ練り込み及びコートをすることにより精
油に含まれる多様種々な成分から抗菌効果及びその他の
効果を出現させることを意図して鋭意研究、検討を行な
った。
【0012】ヒバ油は天然物であり、毒性が極めて弱
く、環境汚染の問題もなく、安価で手軽に使用できる。
本発明者は多くの精油の持つ抗菌、防虫性及びその他の
種々の有効な特性に着目、これまでのように単独成分を
抽出して用いるのではなく、精油トータルとして利用す
べく、抗菌、防虫性及びその他の効果を示す精油を熱可
塑性樹脂に添加し、抗菌防虫などの機能を有する熱可塑
性樹脂を開発すべく鋭意研究を行った。しかし、ほとん
どの精油は液状であり、そのままでは熱可塑性樹脂への
添加、混練の作業性が非常に悪く、実用上問題があっ
た。そこで、本発明者は精油をシクロデキストリンで包
接し、微粉末固体の形態となしてから熱可塑性樹脂に配
合することを着想した。これにより、熱可塑性樹脂への
添加、混練作業等が容易になり、且つ精油の持つ有効特
性を長期間持続させることが可能であることを確認し、
本発明を完成するに至った。さらには、そのようにして
得られる熱可塑性樹脂組成物は種々の形状の物品に成形
加工しうることそして所期の効果を発揮することも判明
した。
【0013】
【課題を解決するための手段】かくして本発明は、熱可
塑性樹脂と、シクロデキストリンで包接処理した精油
と、からなる抗菌、防虫性熱可塑性樹脂組成物を提供す
る。
【0014】さらに本発明によれば、上記熱可塑性樹脂
組成物から作った成形品、及び上記熱可塑性樹脂組成物
からなる層を表面の全部または一部にわたって有する複
合積層品(積層成形品を含む)も提供される。
【0015】本発明組成物においてベースとして使用さ
れる熱可塑性樹脂の種類については特に限定はなく、例
えば建材、農業資材、包装材料等の製造に一般的に使用
されているものであってよい。具体的な熱可塑性樹脂の
例としては、ポリオレフィン系樹脂(低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、高密度ポリエチレン、アイオノマー、ポリプロ
ピレン、ポリブテン等)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、熱
可塑性エラストマー樹脂等、がある。本発明において
は、上記以外の熱可塑性樹脂も適宜に使用することがで
き、また熱可塑性樹脂は単独のみならず、ブレンドの形
で使用できる。
【0016】本発明で使用しうるシクロデキストリン
(以下、CDと略称することがある)は、環状に結合し
た6個のグルコース残基を有するα−CD、7個のグル
コース残基を有するβ−CD及び8個のグルコース残基
を有するγ−CDであり、これらは単品で使用しうる
が、混合物の形に良好に使用しうる。さらに本発明では
分岐シクロデキストリン類を使用することもでき、これ
らの中でもマルトシル−β−シクロデキストリン(G2
−β−CD)が好ましい。さらに本発明では、混合CD
にデキストリンが混在するもの;グリコシルCD、ジメ
チルCD、ヒドロキシルCDのような分岐CD類、修飾
CD類;あるいはCDポリマー;等のCD誘導体類も使
用することができる。
【0017】本発明で使用する精油は抗菌性(防黴性を
含む)及び防虫性を具備するものであるが、精油中に含
まれる種々多様な成分によって示されるその他の有用な
性質ないし効果も発揮されうるものであり、例えば芳香
性、森林浴効果、その他が副次的に呈されるものであ
る。本発明で使用しうる精油の具体的な列としては、ヒ
バ油、橙皮油、青橙皮油、ハイマツ油、ローソンヒノキ
油、スギ油、ウラジロモミ油、アスナロ油、ハイビャク
シン油、月見草油、ヒノキ油、モミ油、ツガ油、カイヅ
カイブキ油、アカマツ油、ミズナラ油、ミズキ油、サワ
ラ油、ナラ油、ユーカリ油等を挙げることができる。こ
れらの2種またはそれ以上の混合物も使用できる。これ
らの精油は、一般に植物体の各部分、枝葉、根茎、樹
皮、本質部、果実(皮)等を水蒸気蒸留することにより
分離、回収することができ、植物の種類に応じて多数の
化合物の複雑な混合物であり、それらの化合物もそれぞ
れに複雑な構造であるが、分子量はそれほど大きいもの
はない(揮発性)。
【0018】本発明ではホストであるCDの環内空洞に
ゲストである精油そのものを包接させて得られる微粉末
固体を熱可塑性樹脂に混練配合する。包接化により、熱
等に不安定なゲストが安定化されて樹脂への混練導入を
容易に行えるようになる。さらにはCDホストの包接作
用によりその中に包接されたゲスト成分が徐放され抗
菌、防虫等の諸効果の持続性が向上し、最終製品の有効
寿命が延長される。かかる包接作用が発揮される理由と
しては、CD分子の環の内側が親油域をなし、精油中に
存在する中性油や酸性油等の油成分によって精油がCD
環内に引き込まれる傾向があるものと信じられる。なお
精油包接物(微粉末固体)による抗菌力、防虫力等の強
度は、特殊硅酸カルシウム等の粉末基質に精油を適当な
濃度で吸着させた粉末をブレンドすることにより、自由
かつ容易に調節することができる。
【0019】本発明においてゲストである精油をホスト
のCDで包接し粉末化するには下記の一般的な処方及び
操作に基いて行う。まず、CDの0.5〜75重量%の
水溶液を調製する。このCD水溶液の濃度は、主とし
て、使用するCDの溶解度によって定まる。ゲストであ
る精油が水溶性であるときには、その水溶性ゲストを直
接に上記CD水溶液に添加することができ、そしてゲス
トの精油が不水溶性であるならば、水相溶性の有機溶媒
にゲストを溶解してから上記CD水溶液に添加する。ゲ
ストである精油の添加量は、CD固形物を基準として、
0.1〜75重量%である。この精油(ゲスト)/CD
(ホスト)の比率は、得られる包接粉末品を利用する樹
脂組成物から作られる最終製品の目的とする用途、必要
とされる特性に応じて変化させる。例えば、包接歩留の
低下にもかかわらず、機能特性を最初から高水準で発揮
することが必要とするときには、上記ゲスト/ホスト比
率を高くすべきであり、そして完全包接徐放期間を長く
したい場合は上記比率を低くすることができる。CD水
溶液にゲストを添加して得られる混合物をホモジナイザ
ーでの高速撹拌に付す。このホモジナイジング処理の条
件は、通常は室温において、2分ないし30分間にわた
り、5,000〜10,000rpmの回転数である。
このホモジナイジング操作によって包接乳化液ができ
る。次いで包接物を安定化させるために、この包接乳化
液をスプレードライヤーで乾燥し粉末化する。この際に
は、例えばディスクタイプのスプレードライヤーを使用
することができ、この運転条件はディスク回転数5,0
00〜25,000rpm、熱風温度150〜250
℃、排出温度60〜120℃が典型的なものである。
【0020】なおゲストの精油が水溶性の有機溶媒(例
えばアルコール)に溶解しない場合には、ゲストが液状
であればそのまま、そしてゲストが固体であれば適当な
溶解性の有機溶媒に溶解したものを、適度な水分をもた
せたCD粉末と一緒にして、その混合物を混練手段、例
えばニーダーで強制的に練込み包接することができる。
【0021】ヒバ油は、例えば特開平1−38203号
明細書に記載されているように、ヒバ材(廃材であって
よい)から水蒸気蒸留等の抽出法によって得られる木精
油であり、このものは41種類にも及ぶ成分を含有する
ことが確認されている。ヒバ油は、特に抗菌、防虫効能
のあるヒノキチオール及びβ−ドラブリンを有効成分と
して各約1%含有しており、シトロネロール及びトリメ
チルナフタレンを主成分として含有するので広域抗菌ス
ペクトルを持ち、しかも各種の菌に対するMIC値(最
小発育阻止濃度)が低いので少量でも顕著な抗菌、防虫
効果が得られる。前記例示の精油も同様な効果を示す。
【0022】熱可塑性樹脂に添加する精油の濃度は重量
基準で100ppm〜20,000ppm、好ましくは
200ppm〜10,000ppmであり、このような
濃度において極めて優れた抗菌、防黴、防虫、鮮度保
持、森林浴効果等が発揮されることが判明した。例えば
20重量%の精油を80重量%のCDで包接した微粉末
固体包接物を使用する場合に、熱可塑性樹脂に対するそ
の微粉末固体包接部の割合は、0.05〜10重量%
(精油換算で100〜20,000ppm)、好ましく
は0.1〜5重量%(精油換算で200〜10,000
ppm)である。熱可塑性樹脂に対する精油の添加割合
が100ppm未満では満足すべき抗菌、防虫効果が得
られず、そして20,000ppmを超えるときにはそ
れらの効果のさらなる向上は余り認められず、効果の程
度がほぼ平原状態となってくる。
【0023】熱可塑性樹脂に微粉末固体状の精油CD包
接物を添加、混練する方法としては、適宜な公知方法、
例えばバンバリーミキサー、ミキシング用押出機、ロー
ルミル等を用いる混練方法を挙げることができる。
【0024】かくして得られた精油含有熱可塑性樹脂組
成物は、種々の公知成形法、例えば圧縮、トランスフ
ァ、射出、押出、吹込、積層、発泡、注型、回転、ディ
ップ成形法等により、各種の所望用途の成形品(中間製
品及び最終製品)とすることができる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その抗
菌、防黴、防虫、鮮度保持、森林浴効果等の諸特性を有
するため、シート、フィルム、袋、箱、板、棒、糸、繊
維、ペレット、パイプ、中空体等の種々の適当な形状に
成形して、農業用資材、家庭用品、業務用包装材、健康
用具、芳香発散体、精神安定用具、輸送貯蔵用具等の広
範囲な利用分野で使用される。
【0026】それらの製品等に強度あるいはその他の特
性が必要とされるときには、適当な裏打材(金属箔、ネ
ット、編織布等)あるいは剛体材(金属シート等)との
積層体あるいは複合体の形とすることもできる。また本
発明の熱可塑性樹脂組成物が、例えばフィルムやシート
の形で使用されるときには、パーホレーションにより通
気性を付与することができる。
【0027】
【実施例】本発明を以下実施例によりさらに詳しく説明
するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではな
い。
【0028】<青森産ヒバ油のCD包接処理例> I.ホモジナイザー中で青森産ヒバ油20gと、水22
0g中のCD(α−、β−及びγ−の混合物)80gと
の混合物を室温で5000rpmの高速撹拌に10分間
付した。得られた乳化液を、入口温度180℃及び出口
温度80℃のディスクタイプのスプレードライヤーで乾
燥し、包接物乾燥粉末90gを得た。 II.市販の特殊珪酸カルシウム(徳山曹達株式会社製
「フローライトR」:商標)20gと青森産ヒバ油80
gとを混合して硅酸カルシウムにヒバ油を吸着させた吸
着粉末59gを得た。この吸着粉末30gと上記Iの包
接物粉末70gとをブレンドした。かかるブレンド品
は、抗菌、防虫等の効果の強度を高める場合に使用でき
る。 III.青森産ヒバ油10gと、水100g中のCD
(G2−β−CD混合物)90gとを室温でホモジナイ
ザーに入れ、5,000rpmで5分間高速撹拌して乳
化液を得た。この乳化液をディスクタイプのスプレード
ライヤーで入口温度160℃及び出口温度70℃におい
て乾燥し、包接物乾燥粉末95gを得た。
【0029】前記のCD包接処理例Iの操作と同様にし
て得たヒバ油含有率20重量%のCD包接物粉末を熱可
塑性樹脂とコンパウンドした組成物から厚さ2.0mm
のプレスシート及び厚さ0.05mmのインフレーショ
ンフィルムを作成し、抗菌性及び防虫性を下記の試験方
法で評価した。
【0030】<抗菌試験方法> 1.黴抵抗性試験>ISO 846 1978 B法に
準じ、厚さ0.05mm、縦3.0cm、横3.0cm
のフィルムを試験片を用いた。下記5種の試験菌の混合
胞子を含む懸濁液を接種し(下記培地)、黴の生育状況
を観察し、黴抵抗性を0〜5の6段階で評価した。 培地: NaNO3 2.00g KH2PO4 0.70g K2HPO4 0.30g MgSO4・7H2O 0.50g KCl 0.50g FeSO4 0.01g ぶどう糖 30.00g 寒天 20.00g 蒸留水 1000ml 混合胞子懸濁液: 上記培地組成から寒天を抜いた組成 試験菌: Aspergillus niger Penicillium funiculosum Chaetomium globosum Trichoderma viride Paecilomyces variotii 試験条件: ISO 846 1978 B法に準じる。
【0031】2.抗菌活性試験 TTC薄膜法に準拠して実施した。図1に示すように厚
さ2.0mm、直径40mmの円板状シート試験片1を
シャーレ2に入れ、培地3を注ぎ1.0×105個/m
lの割合で黄色ブドウ球菌(Staphylococc
us aureus;ATCC 29213)または大
腸菌(Escherichia coli;ATCC
25922)を接種し、蓋をして30℃で48時間培養
した後に、生育の有無を調べた。ここで用いた培地の組
成は下記の通りであった。 ペプトン 1.00g NaCl 0.50g 肉エキス 0.30g 寒天 15.00g TTC試薬 0.10g 蒸留水 1000ml
【0032】<防虫効果試験>試験片として厚さ2.0
mm、直径5mmの円板状シートを用いた。20匹のダ
ニ(ケナガコナダニ)を直径3cmの円の中に集め、円
の中心に上記試験片を置き、20匹のうち10匹が円外
に逃れる時間を測定した。
【0033】<実施例1>上記ヒバ油含有率20重量%
のCD包接物粉末2.0重量%(ヒバ油換算4,000
ppm)を低密度ポリエチレン(日本ユニカー株式会社
製「NUC−8160」;メルトインデックス2.4/
10分)に添加し、2リットルのテスト用バンバリーミ
キサーで150℃で3分間混練しコンパウンドを作成し
た。次にこのコンパウンドから厚さ2.0mmのプレス
シート及び厚さ0.05mmのインフレーションフィル
ムを作成し、前記の如き抗菌性(ISO 846 19
78B法及びTTC薄膜法に準拠)試験及びダニ忌避行
動試験において評価した。結果を表1に示す。
【0034】<実施例2>実施例1におけるCD包接物
添加量を1.5重量%(ヒバ油換算3,000ppm)
としたことを除き、実施例1の操作を繰り返えした。
【0035】<実施例3>実施例1におけるCD包接物
添加量を1.0重量%(ヒバ油換算2,000ppm)
としたことを除き、実施例1の操作を繰り返えした。
【0036】<実施例4>実施例1における低密度ポリ
エチレンの代りに線状低密度ポリエチレン(日本ユニカ
ー株式会社製「NUCG−5220」;メルトインデッ
クス2.0/10分;密度0.919g/ml)を用い
たことを除き実施例1の操作を繰り返えした。
【0037】<実施例5>実施例1における低密度ポリ
エチレンの代りにポリプロピレン(三菱油化株式会社製
「FL25T」;MFR 20g/10min;密度
0.90g/ml)を用いて実施例1の操作を繰り返え
した。
【0038】<比較例1>実施例1におけるCD包接物
の添加を省略して実施例1の操作を繰り返えした。
【0039】<比較例2>実施例5におけるCD包接物
の添加を省略して実施例5の操作を繰り返えした。以上
の実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば精油中の特定な少数成分
のみではなく全部の成分が熱可塑性樹脂組成物中に導入
されそれぞれの成分の効果が複合的に発揮される。また
CDによる包接作用によりそれらの複合効果が徐放され
る。従って本発明による抗菌、防虫性熱可塑性組成物は
安価に製造できるのみならず、従来の単独成分組成物で
は発現され得ない広い抗菌スペクトルを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗菌活性試験器具の概略断面図。
【符号の説明】
1 試験片 2 シャーレ 3 培地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と、シクロデキストリンで
    包接処理した抗菌、防虫性を示す精油と、からなる抗
    菌、防虫性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の抗菌、防虫性熱可塑性樹脂組
    成物から作った成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1の抗菌、防虫性熱可塑性樹脂組
    成物からなる層を表面の全部または一部にわたって有す
    る複合積層品。
JP9338694A 1993-11-30 1994-05-02 抗菌、防虫性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 Pending JPH07207165A (ja)

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JP30017793 1993-11-30
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