JP3050106B2 - 洗車機の制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば給油所に
設置され、洗車に使用される洗車機の制御方法に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の洗車機を図面に基づいて説明す
る。図４、図５において、１は被洗浄車両の車両２を跨
ぎ、複数個の駆動輪体３Ａ，従動輪体３Ｂを介して床面
４に敷設されたレール５の上を車両２の前後方向に走行
する門型の洗車機本体であり、この門型の洗車機本体１
には、リンス、あるいは洗剤、あるいはワックスを噴霧
するスプレー装置として正面側より順に、第１洗浄水ア
ーチ６と、第１ワックスアーチ７と、第２洗浄水アーチ
８と、第２ワックスアーチ９と、洗剤アーチ10が配設さ
れ、また第１洗浄水アーチ６の箇所に乾燥用のトップノ
ズル11、左右一対のサイドノズル12ならびに両ノズル1
1，12に同時に連通して風を供給する左右一対のブロワ
装置13を設け、さらに上下方向に移動自在で車両２の上
面を洗浄するトップブラシ14と、洗車機本体１の走行方
向と直角な左右方向に横行自在で車両２の前後面および
両側面を洗浄する一対のサイドブラシ15を、それぞれ揺
動自在なアームを介して取付け、両側下部にそれぞれ左
右一対のロッカーブラシ16を互いに接近離間自在に取付
けている。また洗車機本体１の正面両側端にはそれぞ
れ、車両２の側面までの距離を検出するソニックセンサ
からなる車幅センサ18Ａ，18Ｂが設けられ、洗車機本体
１の正面側部には洗車コース選択スイッチやスタート・
ストップスイッチなどが配置された操作パネル19が設け
られている。

【０００３】前記サイドブラシ15の駆動系を図６により
詳細に説明する。図６に示すように、サイドブラシ15の
アーム21Ａを支点Ｘを中心にそれぞれ駆動するエアーシ
リンダ22が設けられ、またサイドブラシ15の軸21Ｂにそ
れぞれサイドブラシ15を全閉方向に引っ張るウェイト23
が連結され、エアーシリンダ22にエアーを供給してこの
ウェイト23に抗してサイドブラシ15を左右に開く構成と
なっており、サイドブラシ15を２点鎖線で示す位置の方
向に開く際は切替スイッチ（ソレノイドスイッチ）24Ａ
をオンとし、コンプレッサ25から一対のエアーシリンダ
22にエアを供給し、サイドブラシ15を閉じる際は切替ス
イッチ24Ａ，24Ｂを共にオフとしてサイレンサ26を介し
て一対のエアーシリンダ22内のエアを排気ノズル27から
排出する。また、サイドブラシ15を所定の開度で維持す
るときは、切替スイッチ24Ａをオフとし、切替スイッチ
24Ｂをオンとする。また、サイドブラシ15のアーム21Ａ
の接触により、サイドブラシ15の全閉、全開を検出する
閉限リミットスイッチ28，開限リミットスイッチ29が設
けられ、さらにサイドブラシ15の軸21Ｂの接触により、
サイドブラシ15の後方への傾斜、前方への傾斜を検出す
る後方傾斜リミットスイッチ30，前方傾斜リミットスイ
ッチ31が設けられている。

【０００４】洗車機の制御系は、図７の制御ブロック図
に示すように、洗車機本体１に内蔵され、記憶部、制御
部、入出力部を備えたマイクロコンピュータからなる制
御装置36、前記操作パネル19、車幅センサ18Ａ，18Ｂ、
閉限リミットスイッチ28，後方傾斜リミットスイッチ3
0，前方傾斜リミットスイッチ31などからなるセンサ系3
2、駆動輪体３Ａに連結され、洗車機本体１の走行手段
を形成する走行モータなどからなる走行駆動装置33、サ
イドブラシ15のブラシ回転用モータ34、上記切替スイッ
チ（ソレノイド）24Ａ，24Ｂ、コンプレッサ25などから
なる駆動系35から構成されている。制御装置36は操作パ
ネル19からの洗車コースなどの設定信号、センサ系32か
らの検出信号を入力して記憶し、これら設定信号、検出
信号に応じて、駆動系35を制御して洗車機本体１全体の
動作を制御している。

【０００５】この制御装置36による、サイドブラシ15に
より車両２の前面から側面を洗浄する際の制御方法につ
いて図８を参照しながら詳細に説明する。サイドブラシ
15は最初は全開の状態にある。

【０００６】まず操作パネル19により洗車条件が設定さ
れ、スタートスイッチが操作されると、ブラシ回転用モ
ータ34を駆動してサイドブラシ15を回転させ、さらに切
替スイッチ24Ａ，24Ｂを共にオフとして閉方向へサイド
ブラシ15を駆動し、閉限リミットスイッチ28が動作する
と、走行駆動装置33を駆動して洗車機本体１を前進させ
る。そして、図４に示すように、サイドブラシ15が車両
２の前端に接触し、サイドブラシ15が後方への傾斜する
ことにより後方傾斜リミットスイッチ30が動作すると、
洗車機本体１の前進を停止し、車幅センサ18Ａ，18Ｂを
作動して車幅センサ18Ａ，18Ｂにより検出される車両２
までの距離により、車両２の車幅を演算し、続いて切替
スイッチ24をオンとしてサイドブラシ15を開いて車両２
の前面を洗浄し、全閉の状態から求めた車幅に応じた開
度に開くまでに相当する時間が経過すると、切替スイッ
チ24Ａをオフとし、切替スイッチ24Ｂをオンとしてサイ
ドブラシ15の開閉を停止して開度を維持し、再び走行駆
動装置33により洗車機本体１を前進させる。洗車機本体
１の前進にしたがって側面が洗浄される。

【０００７】このように従来の洗車機では、サイドブラ
シ15を全閉とし、その後洗車機本体１の前進を開始し、
サイドブラシ15が車両２の前端に接触してサイドブラシ
15が後方へ傾斜し、後方傾斜リミットスイッチ30が動作
することにより、車両２の前面を検出し、走行を停止
し、サイドブラシ15を開いて前面の洗浄を行っている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の洗車機の制御方法では、洗車開始時にサイド
ブラシ15を閉じてから洗車機本体１の前進を開始してい
るために、洗車時間が長くなるという問題があった。

【０００９】そこで、本発明は、洗車時間を短縮できる
洗車機の制御方法を提供することを目的としたものであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうち請求項１記載の洗車機の制御方法
は、洗車機本体内に被洗浄車両の前後面、側面を洗浄す
る左右一対のサイドブラシと、前記洗車機本体を前後方
向に移動させる走行手段と、前記走行手段による前記洗
車機本体の走行距離を検出する走行距離検出手段と、前
記サイドブラシの閉限を検出するセンサを設けた洗車機
の制御方法であって、前記走行手段により前記洗車機本
体の走行を開始すると同時に、前記サイドブラシを閉方
向に駆動し、前記走行距離検出手段により一定距離の走
行を確認すると、前記センサが動作しているかを確認
し、前記センサの動作を確認できないとき、前記走行手
段による前記洗車機本体の走行を停止し、センサの動作
を待って再び前記走行手段による前記洗車機本体の走行
を開始することを特徴とするものである。

【００１１】ここで、センサは、たとえばリミットスイ
ッチであり、サイドブラシのアームが全閉位置で接触す
ることにより、閉限を検出する。上記方法により、洗車
機本体を前進させると同時にサイドブラシは閉方向へ駆
動される。よって、従来のようにサイドブラシが全閉と
なった後、洗車機本体を前進させる場合と比較して、サ
イドブラシが閉動作している時間だけ、洗車時間が短縮
される。また、洗車機本体の走行開始後、走行距離検出
手段により一定距離の走行を確認すると、センサが動作
しているかを確認し、センサの動作を確認できないと
き、走行手段による洗車機本体の走行を停止し、センサ
の動作を待って再び走行手段による前記洗車機本体の走
行を開始する。よって、経年変化によりサイドブラシの
閉動作時間が変化しても、閉限位置にてサイドブラシは
被洗浄車両に接触する。

【００１２】また本発明のうち請求項２記載の洗車機
は、請求項１記載の洗車機の制御方法であって、上記セ
ンサ動作の確認ができず、洗車機本体の走行を停止した
後、一定時間が経過してもセンサが動作しないとき、サ
イドブラシ異常と判断し、走行手段と前記サイドブラシ
の駆動を中止することを特徴とするものである。

【００１３】上記方法により、センサ動作の確認ができ
ず、洗車機本体の走行を停止した後、一定時間が経過し
てもセンサが動作しないとき、サイドブラシ異常と判断
し、走行手段とサイドブラシの駆動を中止する。よっ
て、サイドブラシの異常がその他の設備の駆動を阻害す
るなどの異常の波及が防止される。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、従来例の図４〜図８の構成
と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。

【００１５】図１は本発明の実施の形態を示す洗車機の
概略側面図である。本発明の洗車機において新たに、走
行距離検出手段として、走行駆動装置（走行モータ）33
にエンコーダ51を連結し、エンコーダ51の出力パルスを
カウントするカウンタ52を設けている。このカウンタ52
のカウント値は制御装置36へ入力される。なお、カウン
タ52は走行開始時に制御装置36の出力によりリセットさ
れるものとする。

【００１６】この制御装置36による、サイドブラシ15に
より車両２の前面から側面を洗浄する際の本発明の制御
方法を図２のフローチャートにしたがって詳細に説明す
る。サイドブラシ15は最初は全開の状態にある。

【００１７】操作パネル19により洗車条件が設定され、
スタートスイッチが操作されると（ステップ−１）、走
行駆動装置33を駆動して洗車機本体１を前進させ（ステ
ップ−２）、カウンタ52により走行距離の測定を開始し
（ステップ−３）、さらにブラシ回転用モータ34を駆動
してサイドブラシ15を回転させ（ステップ−４）、切替
スイッチ24Ａ，24Ｂを共にオフとして閉方向へサイドブ
ラシ15を駆動する（ステップ−５）。

【００１８】次に、カウンタ52のカウント値が一定距離
Ｒとなると（ステップ−６）、閉限リミットスイッチ28
が動作しているかを確認する（ステップ−７）。このス
テップ−７において、閉限リミットスイッチ28の動作が
確認されると、次にサイドブラシ15が車両２の前端に接
触し、サイドブラシ15が後方へ傾斜して後方傾斜リミッ
トスイッチ30が動作しているかを確認し（ステップ−
８）、後方傾斜リミットスイッチ30が動作したことを確
認すると、走行駆動装置33に停止指令を出力して洗車機
本体１の前進を停止し（ステップ−９）、以後、従来と
同様の制御を実行する。

【００１９】前記ステップ−７において、閉限リミット
スイッチ28の動作が確認されないと、走行駆動装置33に
停止指令を出力して洗車機本体１の前進を停止し（ステ
ップ−10）、再び閉限リミットスイッチ28が動作してい
るかを確認し（ステップ−11）、閉限リミットスイッチ
28の動作が確認されないと、タイマーのカウントを開始
し（ステップ−12）、タイマーのカウント値が所定値
（設定時間）αを越えたかどうかを確認し（ステップ−
13）、カウント値が所定値（設定時間）αを越えていな
い場合、ステップ−11へ戻り、閉限リミットスイッチ28
の動作が確認されると、再び走行駆動装置33を駆動して
洗車機本体１を前進させ（ステップ−14）、ステップ−
８において後方傾斜リミットスイッチ30が動作したいる
かを確認する。またステップ−13において、タイマーの
カウント値が所定値（設定時間）αを越えると、サイド
ブラシ15に異常が発生したと判断して、サイドブラシ異
常警報を、たとえば操作パネル19へ出力し（ステップ−
15）、走行駆動装置33とサイドブラシ15の全ての駆動を
中止し（ステップ−16）、終了する。

【００２０】上記制御装置36の動作により、図３に示す
ように、洗車機本体１の前進が開始されると同時に、サ
イドブラシ15は回転され、閉方向へ駆動される。そし
て、カウンタ52により洗車機本体１の一定距離Ｒの走行
が確認されると、閉限リミットスイッチ28の動作が確認
され、動作を確認すると、図３（ａ）に示すようにその
まま前進を続行し、閉限リミットスイッチ28の動作が確
認されないと、図３（ｂ）に示すように閉限リミットス
イッチ28が動作するまで走行を停止し、閉限リミットス
イッチ28の動作により再び走行を開始する。

【００２１】また、走行を停止した後、閉限リミットス
イッチ28が動作せずに所定の時間αが経過すると、サイ
ドブラシ15に異常が発生したと判断して、サイドブラシ
異常警報を、たとえば操作パネル19へ出力し、走行駆動
装置33とサイドブラシ15の全ての駆動を中止する。

【００２２】このように、洗車機本体の走行開始と同時
にサイドブラシ15の閉動作が行われることにより、従来
のようにサイドブラシ15が全閉となった後、洗車機本体
１を前進させる場合と比較して、サイドブラシ15が閉動
作している時間だけ、洗車時間を短縮でき、よって顧客
の待ち時間を短縮でき、また作業能率を改善できる。

【００２３】また、洗車機本体１の走行開始後、カウン
タ52により一定距離Ｒの走行を確認すると、閉限リミッ
トスイッチ28が動作しているかを確認し、閉限リミット
スイッチ28の動作を確認できないとき、洗車機本体１の
走行を停止し、閉限リミットスイッチ28の動作を待って
再び洗車機本体１の走行を開始することにより、経年変
化によりサイドブラシ15の閉動作時間が変化しても、閉
限位置にてサイドブラシ15を被洗浄車両２に接触させる
ことができ、次の従来と同様の制御の実行へつなげるこ
とができる。

【００２４】さらに、洗車機本体１の走行を停止した
後、閉限リミットスイッチ28が動作せずに所定の時間α
が経過すると、サイドブラシ15に異常が発生したと判断
して、全ての駆動を中止することにより、サイドブラシ
15の異常がその他の設備の駆動を阻害するなどの異常の
波及を防止でき、また閉限リミットスイッチ28が動作せ
ずに制御が中断してしまう不具合を解消できる。またこ
のときサイドブラシ異常警報を、たとえば操作パネル19
へ出力することにより、制御が中止になった原因を明確
に伝達することができる。

【００２５】なお、本発明の実施の形態では、リミット
スイッチ28〜31によりサイドブラシ15の位置を確認して
いるが、他のセンサ、たとえば光電スイッチや近接スイ
ッチを使用してその位置を確認することもできる。

【００２６】

【発明の効果】以上のように請求項１記載の発明によれ
ば、洗車機本体を前進させると同時にサイドブラシを閉
方向へ駆動することより、従来のようにサイドブラシが
全閉となった後、洗車機本体を前進させる場合と比較し
て、サイドブラシが閉動作している時間だけ、洗車時間
を短縮でき、よって顧客の待ち時間を短縮でき、また作
業能率を改善できる。さらに洗車機本体の走行開始後、
走行距離検出手段により一定距離の走行を確認すると、
センサが動作しているかを確認し、センサの動作を確認
できないと、走行手段による洗車機本体の走行を停止
し、センサの動作を待って再び走行手段による前記洗車
機本体の走行を開始することにより、経年変化によりサ
イドブラシの閉動作時間が変化しても、閉限位置にて確
実にサイドブラシを被洗浄車両に接触でき、次の従来と
同様の制御の実行へつなげることができる。

【００２７】また請求項２記載の発明によれば、センサ
動作の確認ができず、洗車機本体の走行を停止した後、
一定時間が経過してもセンサが動作しないとき、サイド
ブラシ異常と判断し、走行手段と前記サイドブラシの駆
動を中止することにより、サイドブラシの異常がその他
の設備の駆動を阻害するなどの異常の波及を防止でき、
またセンサが動作せずに制御が中断してしまう不具合を
解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す洗車機の制御方法を
使用する洗車機の概略側面図である。

【図２】同洗車機の制御装置のサイドブラシの動作手順
を順に示すフローチャートである。

【図３】同洗車機のサイドブラシの軌跡を示す説明図で
ある。

【図４】従来の洗車機の概略側面図である。

【図５】従来の洗車機の概略正面図である。

【図６】洗車機のサイドブラシの構成および駆動系を説
明する模式図である。

【図７】洗車機の制御系のブロック図である。

【図８】従来の洗車機のサイドブラシの軌跡を示す説明
図である。

【符号の説明】

１ 洗車機本体 ２ 車両（被洗浄車両） 15 サイドブラシ 18Ａ，18Ｂ 車幅センサ 19 操作パネル 28 閉限リミットスイッチ 30 後方傾斜リミットスイッチ 33 走行駆動装置（走行手段） 36 制御装置（制御手段） 51 エンコーダ（走行距離検出手段） 52 カウンタ（走行距離検出手段）

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗車機本体内に被洗浄車両の前後面、側
   面を洗浄する左右一対のサイドブラシと、前記洗車機本
   体を前後方向に移動させる走行手段と、前記走行手段に
   よる前記洗車機本体の走行距離を検出する走行距離検出
   手段と、前記サイドブラシの閉限を検出するセンサを設
   けた洗車機の制御方法であって、 前記走行手段により前記洗車機本体の走行を開始すると
   同時に、前記サイドブラシを閉方向に駆動し、 前記走行距離検出手段により一定距離の走行を確認する
   と、前記センサが動作しているかを確認し、 前記センサの動作を確認できないとき、前記走行手段に
   よる前記洗車機本体の走行を停止し、センサの動作を待
   って再び前記走行手段による前記洗車機本体の走行を開
   始することを特徴とする洗車機の制御方法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の洗車機の制御方法であっ
   て、 上記センサ動作の確認ができず、洗車機本体の走行を停
   止した後、一定時間が経過してもセンサが動作しないと
   き、サイドブラシ異常と判断し、走行手段と前記サイド
   ブラシの駆動を中止することを特徴とする。