JP3034993B2 - 透明性の改善された合成樹脂組成物 - Google Patents

透明性の改善された合成樹脂組成物

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JP3034993B2
JP3034993B2 JP3144898A JP14489891A JP3034993B2 JP 3034993 B2 JP3034993 B2 JP 3034993B2 JP 3144898 A JP3144898 A JP 3144898A JP 14489891 A JP14489891 A JP 14489891A JP 3034993 B2 JP3034993 B2 JP 3034993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性の改善された
晶性合成樹脂組成物に関し、詳しくは、結晶性合成樹脂
に、脂肪族アミンの有機カルボン酸アミド化合物、特定
の有機リン酸エステル化合物あるいはそのアンモニウム
塩および有機カルボン酸の金属塩とを配合してなる、透
明性の改善された結晶性合成樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリアミドなどの結晶性合成樹
脂は、加熱成型後の結晶化速度が遅いため、成型サイク
ル性が低く、金型温度を下げなければならず、また、加
熱成型後に結晶化によって収縮する欠点があった。ま
た、これらの結晶性合成樹脂は、大きな結晶が生成する
ために、強度が不充分であったり、透明性が劣る欠点が
あった。
【0003】これらの欠点は、すべて合成樹脂の結晶性
に由来するものであり、合成樹脂の結晶化温度を高め、
微細な結晶を急速に生成させることができれば解消され
ることが知られている。この目的のために、結晶核剤あ
るいは結晶化促進剤を添加することが知られており、従
来から、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジ
ピン酸ナトリウムなどのカルボン酸金属塩、ナトリウム
ビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリ
ウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチル
フェニル)ホスフェートなどの酸性リン酸エステル金属
塩、ジベンジルソルビトール、ビス(4−メチルベンジ
リデン)ソルビトールなどの多価アルコール誘導体など
が用いられていた。
【0004】これらの化合物の中でも、特開昭58−1
736号公報、特開昭59−184252号公報などに
記載されたアルキリデンビスフェノール類の環状リン酸
エステルの金属塩はその効果が大きく、広く用いられて
いる。しかしながら、これらの化合物による効果も、ま
だ不充分な場合があり、4−第三ブチル安息香酸のアル
ミニウム塩と高級脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩ま
たは亜鉛塩を併用する方法(特開昭62−263244
号公報、特開昭63−125551号公報)あるいは有
機リン酸エステル化合物に脂肪族カルボン酸金属塩を併
用する方法(特開平3−79649号公報、特開平3−
81368号公報)などが提案されたが、まだ充分とは
いえず、実用的な改善が強く求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる現
状を鑑み、種々検討を重ねた結果、結晶性合成樹脂に、
脂肪族アミンの有機カルボン酸アミド化合物、特定の有
機リン酸エステル化合物及び有機カルボン酸の金属塩を
添加することにより、該樹脂の透明性を大幅に改善し、
しかも機械的強度をも増大させることを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、結晶性合成樹脂100重量部に、(a)2価以上
の脂肪族アミンの有機カルボン酸アミド化合物0.01
〜10重量部、(b)次の化2(化1と同じ)で示され
る一般式(I)で表される有機リン酸エステル化合物あ
るいはそのアンモニウム塩0.01〜10重量部および
(c)炭素原子数7以上の有機カルボン酸金属塩0.0
1〜10重量部を配合してなる、透明性の改善された
晶性合成樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【化2】 (式中、R1 は水素原子または炭素原子数1〜4のアル
キル基を示し、R2 およびR3 はそれぞれ水素原子、炭
素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基またはアラルキル基を示し、Xは−OH基また
は−O- NH4 +を示す。)以下、本発明の透明性の改
善された結晶性合成樹脂組成物について詳述する。
【0008】本発明で用いられる、合成樹脂の透明性を
改善するために添加される(a)成分である2価以上の
脂肪族アミンの有機カルボン酸アミド化合物を構成する
アミンとしては、たとえば、エチレンジアミン、1,3
−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロ
ピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N,
N’−ビスアミノエチル−エチレンジアミン、N,N’
−ビスアミノエチル−ヘキサメチレンジアミン、N,
N’−ビスアミノプロピル−エチレンジアミン、N,
N’−ビスアミノプロピル−ヘキサメチレンジアミン、
トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(3−アミ
ノプロピル)アミン、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジ
アミン、ウンデカメチレンジアミン、3,9−ビス(ア
ミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ〔5,5〕ウンデカン、4−オキサ−1,7−ジアミ
ノペンタン、4,7−ジオキサ−1,10−ジアミノデ
カン、4,8−ジオキサ−6,6−ジメチル−1,11
−ジアミノウンデカン、m−キシリレンジアミン、1,
6,11−トリアミノウンデカン、4−アミノメチル−
1,8−ジアミノオクタンなどの多価のアミンが挙げら
れる。
【0009】また、本発明で用いられる(a)成分であ
る2価以上の脂肪族アミンの有機カルボン酸アミド化合
物を構成する有機カルボン酸としては、たとえば、オク
チル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、モンタン酸、メリシン酸などの脂肪族カルボン
酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペン
タンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン
酸、1−イソプロピル−2−メチルシクロペンタンカル
ボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカ
ルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−
メチルシクロヘキシルカルボン酸、2,2−ジメチルシ
クロヘキシルカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキ
シルカルボン酸、4−ブチルシクロヘキシルカルボン
酸、4−オクチルシクロヘキシルカルボン酸、4−フェ
ニルシクロヘキシルカルボン酸、1−フェニルシクロヘ
キサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−ブ
チルシクロヘキセンカルボン酸、シクロヘプタンカルボ
ン酸などの脂環式カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、
キシリル酸、エチル安息香酸、4−第三ブチル安息香
酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸などが挙げられ
る。
【0010】上記2価以上の脂肪族アミンの有機カルボ
ン酸アミド化合物は、相当する脂肪族アミンを、有機カ
ルボン酸、その低級エステル、酸ハライドあるいは酸無
水物などと反応させることにより容易に製造することが
できる。 合成例 次に本発明の組成物に用いられる2価以上の脂肪族アミ
ンの有機カルボン酸アミド化合物の代表的な合成例を示
す。しかしながら、次に挙げられた合成例によって制限
されるものではなく、他の合成方法によって得られたも
のであってもよい。
【0011】合成例11,6,11−トリアミノウンデカンステアリン酸トリ
アミド(化3で示される化合物)の合成。
【0012】
【化3】 1,6,11−トリアミノウンデカン4.06g(0.
02モル)、トリエチルアミン7.1g(0.07モ
ル)およびジオキサン300gを反応容器に入れ、攪拌
しながら35〜40℃でステアリン酸クロライド18.
18g(0.06モル)を30分かけてゆっくり滴下し
た。次いで、同じ温度で2時間保持した。反応系に80
℃の温水100mlを加え、60℃でさらに1時間攪拌し
た。その後、30℃まで冷却し、析出物をろ別し、さら
に温水で数回洗浄後、乾燥して目的のアミド化合物1
9.8gを得た。
【0013】得られたアミド化合物は、以下の性状を有
していた。 白色粉末 融点 141℃ 赤外吸収スペクトルにより、カルボン酸クロライド(17
80cm-1)が消滅し、カルボン酸アミド(1630cm-1および
1540cm-1)の吸収を確認した。また、元素分析の結果
は、以下のとうりであり、計算値と一致していた。
【0014】元素分析結果(C65H129 N3 O3 とし
て) 上記本発明の組成物の(a)成分である2価以上の脂肪
族アミンの有機カルボン酸アミド化合物の添加量は、
晶性合成樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量
部であり、好ましくは0.03〜5重量部である。
【0015】また、本発明の組成物の(b)成分である
有機リン酸エステル化合物あるいはそのアンモニウム塩
を表わす一般式(I)において、R1 で示される炭素原
子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチ
ル、イソブチルなどが挙げられ、R2 およびR3 で示さ
れる炭素原子数1〜12のアルキル基としては、上記R
1 で示される炭素原子数1〜4のアルキル基のほかに、
アミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノ
ニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、
ドデシルなどが挙げられる。
【0016】したがって、本発明で用いられる前記一般
式(I)で表される化合物としては、たとえば次の化4
〜化9に表される化合物(No.1〜No.6)が特に好まし
い。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】 上記一般式(I)で表わされる有機リン酸化合物は、た
とえば、オキシ塩化リンと2,2’−アルキリデンビス
フェノールとを反応させた後、加水分解させることによ
るか、もしくは、引続きアミン(アンモニア水)と反応
させることにより容易に製造することができる。
【0023】上記本発明の組成物の(b)成分である有
機リン酸エステル化合物あるいはそのアンモニウム塩の
添加量は、結晶性合成樹脂100重量部に対して、0.
01〜10重量部であり、好ましくは0.03〜5重量
部である。また、本発明の組成物の(c)成分である炭
素原子数7以上の有機カルボン酸の金属塩を構成する金
属としては、たとえばリチウム、ナトリウム、マグネシ
ウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、
バリウムなどが挙げられ、特にリチウム、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属が好ましい。
【0024】また、上記有機カルボン酸の金属塩を構成
する有機カルボン酸としては、たとえば、オクチル酸、
イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
モンタン酸、メリシン酸などの脂肪族カルボン酸、安息
香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−
第三ブチル安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン
酸などが挙げられる。
【0025】上記本発明の(c)成分である有機カルボ
ン酸の金属塩の添加量は、結晶性合成樹脂100重量部
に対して、0.01〜10重量部であり、好ましくは
0.03〜5重量部である。本発明において透明性が改
善される結晶性合成樹脂としては、たとえば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ3−メチ
ルブテンなどのα−オレフィン重合体またはそれらの共
重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチ
レンテレフタレートなどの熱可塑性直鎖ポリエステル、
ポリフェニレンスルフィド、ポリカプロラクトン、ポリ
ヘキサメチレンアジポアミドなどの直鎖ポリアミドなど
を挙げることができる。
【0026】本発明において、上記合成樹脂に、上記
(a)〜(c)の各成分を添加する方法は、特に制限を
受けず、一般に用いられる方法をそのまま適用すること
ができる。すなわち、結晶性合成樹脂粉末あるいはペレ
ットと、添加剤粉末をドライブレンドし、押出成型、射
出成型などを行なう方法などを用いることができる。ま
た、本発明の透明性の改善された合成樹脂組成物は、各
種成型品、繊維、二軸延伸フィルム、シートなどに使用
することができる。
【0027】また、本発明の透明性の改善された合成樹
脂組成物には、必要に応じて、フェノール系抗酸化剤、
有機ホスファイトなどの有機含リン化合物、チオエーテ
ル系抗酸化剤、紫外線吸収剤あるいはヒンダードアミン
化合物などの光安定剤を加え、その酸化安定性および光
安定性をさらに改善することができる。本発明で使用で
きるフェノール系抗酸化剤としては、たとえば、2,6
−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル
−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリ
コールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、4,4’−チオビス(6
−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−
4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフ
ェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス
〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェ
ニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,
4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾー
ル)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチ
ルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス
〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ
−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テ
レフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル
−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシア
ヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,
3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,
3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕イソシアヌ
レート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリ
ロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)
フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−ヒ
ドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5,5〕ウンデカン−ビス〔β−(3−第三ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)プロピオネ
ート〕、トリエチレングリコールビス〔β−(3−第三
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オネート〕などが挙げられる。
【0028】上記フェノール系抗酸化剤の添加量は、合
成樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜5
重量部、さらに好ましくは0.01〜3重量部である。
有機含リン化合物としては、たとえば、トリスノニルフ
ェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフ
ェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、ジ
(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシ
ル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テ
トラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス
(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファ
イト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(3
−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
ブタントリホスファイト、2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)オクタデシルホスファイト、2,2’−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホス
ファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニ
ル)ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
【0029】上記有機含リン化合物の添加量は、合成樹
脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜5重量
部、さらに好ましくは0.01〜3重量部である。チオ
エーテル系抗酸化剤としては、たとえば、チオジプロピ
オン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステア
リル、ジステアリルエステルなどのジアルキルチオジプ
ロピオネート類およびペンタエリスリトールテトラ(β
−ドデシルメルカプトプロピオネート)などのポリオー
ルのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類な
どが挙げられる。
【0030】上記チオエーテル系抗酸化剤の添加量は、
合成樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜
5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部であ
る。紫外線吸収剤としては、たとえば、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベン
ゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒドロキシ
ベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第
三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノールなど
の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベン
ゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’
−ジ第三ブチル−4'- ヒドロキシベンゾエート、ヘキサ
デシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾ
エートなどのベンゾエート類;2−エチル−2’−エト
キシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキ
ザニリドなどの置換オキザニリド類;エチル−α−シア
ノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シ
アノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アク
リレートなどのシアノアクリレート類などが挙げられ
る。
【0031】上記紫外線吸収剤の添加量は、合成樹脂1
00重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部、さ
らに好ましくは0.05〜3重量部である。ヒンダード
アミン化合物などの光安定剤としては、たとえば、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレー
ト、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テト
ラテス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ
(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
キシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3’,5’−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、
1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮
合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−
4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮
合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−クロロ−6
−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミ
ノ)ヘキサン/2,4−クロロ−6−第三オクチルアミ
ノ−s−トリアジン重縮合物などのヒンダードアミン化
合物が挙げられる。
【0032】上記光安定剤の添加量は、合成樹脂100
重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部、さらに
好ましくは0.05〜3重量部である。その他、本発明
の結晶性合成樹脂組成物には、必要に応じてステアリル
乳酸カルシウムなどの金属石鹸、アルミニウム−p−第
三ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、
ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトールなどの他
の造核剤、金属石けん、顔料、染料、充填剤、発泡剤、
難燃剤、帯電防止剤、滑剤、加工助剤などが所望に応じ
て加えられてもよい。
【0033】本発明の組成物は、射出成形、押出成形、
ブロー成形などの従来公知の方法で成形することがで
き、成形方法あるいはその形態により制限を受けるもの
ではない。また、本発明の組成物は、成形後、低温プラ
ズマ処理などの周知の処理を施すことによって、その表
面特性を改良することもできる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によ
って何ら制限を受けるものではない。 実施例1 次の配合物をミキサーで5分混合した後、温度230
℃、回転数20rpm の条件下で押出機を用いてペレット
を作成した。このペレットを用いて、射出成型機によ
り、250℃、金型温度60℃で成型し、厚さ1mmの試
験片を作成した。この試験片をASTM D−1003
−61の方法に準拠して霞度(ヘイズ値)を測定した。
【0035】また、このペレットを示差走査熱量計(D
SC)を用い、230℃で3分融解後、5℃/分で降温
した時の最大ピークの頂点温度を測定して、結晶化温度
とした。それらの結果を表−1に示す。 <配 合> 重量部 プロピレンランダム共重合体 100 テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブ チルフェニルプロピオネート〕メタン 0.1 トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフ ァイト 0.1 有機カルボン酸アミド化合物(表−1) 0.1 有機リン酸エステル化合物(前記No. 1化合物) 0.2 ステアリン酸リチウム 0.15 *アミド−1:ヘキサメチレンビス(シクロヘキサンカ
ルボン酸アミド) *アミド−2:3,9−ビス(アミノプロピル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ンビス(シクロヘキサンカルボン酸アミド) *アミド−3:1,6,11−トリアミノウンデカント
リス(4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸アミド) *アミド−4:1,6,11−トリアミノウンデカント
リス(ステアリン酸アミド) *アミド−5:4−アミノメチル−1,8−ジアミノオ
クタントリス(シクロサンカルボン酸アミド) 実施例2 次の配合物をミキサーで5分混合した後、温度230
℃、回転数20rpm の条件下で押出機を用いてペレット
を作成した。このペレットを用いて、射出成型機によ
り、250℃、金型温度60℃で成型し、厚さ1mmの試
験片を作成した。この試験片を実施例1と同様の操作で
霞度(ヘイズ値)を測定した。
【0036】また、ASTM D−256に基づいて、
20℃における上記試験片のアイゾット衝撃強度(Kg
・cm/cm2 )を測定した。それらの結果を表−2に
示す。 <配 合> 重量部 結晶性エチレン−プロピレン共重合体 100 (エチレン共重合体割合:3%) 2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール 0.2 ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4− ヒドロキシフェニル)プロピオネート 0.1 1,6,11−トリアミノウンデカントリス(シ クロヘキシルカルボン酸アミド) 0.1 有機リン酸エステル化合物(表−2) 0.2 ステアリン酸リチウム 0.15 実施例3 固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレート100
重量部に対して、1,6,11−トリアミノウンデカン
トリス(4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸アミ
ド)0.2重量部、有機リン酸エステル(前記No.3
化合物)化合物0.2重量部および表−3に示す有機カ
ルボン酸金属塩0.1重量部を混合した後、二軸押出機
を用いてペレットを作成した。このペレットを差動熱量
計に入れ、10℃/分で昇温し、昇温時の結晶化温度を
測定した。
【0037】また、280℃で10分間融解した後、5
℃/分で降温した時の結晶化温度を測定し、降温時の吸
熱ピークの高さHと、H/2のところの幅Wとの比H/
Wを求めた。昇温時の結晶化温度が低いほど低温金型で
成型した場合に結晶化度の高い成型品が得られ、また、
降温時の結晶化温度が高く、H/Wが大きいほど結晶化
速度が大きいことを示す。
【0038】それらの結果を表−3に示す。 各実施例の結果から、本発明になる2価以上の脂肪族
アミンの有機カルボン酸アミド化合物、有機リン酸エス
テルおよび脂肪族カルボン酸の金属塩の組み合わせは、
結晶性合成樹脂の透明性を大幅に改善し、しかも樹脂の
機械的強度も低下させない優れた効果があることが明ら
かである。また、加工時において臭気がほとんど感じら
れない。
【0039】
【発明の効果】本発明の透明性の改善された合成樹脂組
成物は、透明性が大幅に改善されたもので、しかも充分
な機械的強度を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−103456(JP,A) 特開 平3−81368(JP,A) 特開 平3−79649(JP,A) 特開 昭55−78048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性合成樹脂100重量部に、(a)
    2価以上の脂肪族アミンの有機カルボン酸アミド化合物
    0.01〜10重量部、(b)次の化1で示される一般
    式(I)で表される有機リン酸エステル化合物あるいは
    そのアンモニウム塩0.01〜10重量部および(c)
    炭素原子数7以上の有機カルボン酸金属塩0.01〜1
    0重量部を配合して成る、透明性の改善された結晶性
    成樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素原子数1〜4のアル
    キル基を示し、R2 およびR3 はそれぞれ水素原子、炭
    素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、ア
    リール基またはアラルキル基を示し、Xは−OH基また
    は−O- NH4 +を示す。)
  2. 【請求項2】 2価以上の脂肪族アミンが、ヘキサメチ
    レンジアミン、3,9−ビス(アミノプロピル)−2,
    4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
    ン、1,6,11−トリアミノウンデカンおよび4−ア
    ミノメチル−1,8−ジアミノオクタンから選ばれる請
    求項1記載の結晶性合成樹脂組成物。
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