JP3034572B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JP3034572B2 JP22108890A JP22108890A JP3034572B2 JP 3034572 B2 JP3034572 B2 JP 3034572B2 JP 22108890 A JP22108890 A JP 22108890A JP 22108890 A JP22108890 A JP 22108890A JP 3034572 B2 JP3034572 B2 JP 3034572B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関
するものであり、さらに詳しくは結晶化速度が速く、強
度,伸びが大きい等の靱性に優れ、熱的にも安定なポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)は、そ
の優れた耐熱性,耐薬品性を生かして、電気・電子機器
部材,自動車機器部材として注目を集めている。また、
射出成形,押出成形等により各種成形部品,フィルム,
シート,繊維等に成形可能であり、耐熱性,耐薬品性の
要求される分野に幅広く用いられている。
[従来の技術] PPSは を主な構成単位とする重合体であり、その製造方法とし
ては特公昭45−3368号公報等に開示されているようなハ
ロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とを極性非プロト
ン溶媒中で加熱,反応させる方法が知られている。
しかしながら、この様な方法で製造されたPPSは、分
子量が低く、そのままでは射出成形等に使用不可能であ
った。そこで、これらの問題点を解決するため、空気中
でPPSを酸化硬化させ、分子量を高める方法が米国特許3
793256号公報等に開示されている。しかしながらこの方
法では、酸素による過度の酸化架橋反応のためか得られ
たPPSは著しく着色し、ガラス繊維等の繊維補強材で強
化しても脆い成形品しか得られない等の問題点を有して
いた。
また、重合反応により直鎖状に高分子量化する方法が
特公昭52−12240号公報等に開示されている。これらの
方法によって得られたPPSは、特公昭45−3368号公報に
よって得られたPPSに比べると多少靱性が改善されては
いるものの、未だ十分に満足するレベルには達していな
い。
一方、PPSにエラストマーを添加することにより靱性
を付与する方法が特開昭58−154757号公報等に開示され
ている。これらの方法によれば、エラストマーを多量に
添加することにより靱性の改善が可能となるが、PPSが
本来有している耐熱性,耐薬品性,難燃性が消失してし
まうため好ましくない。
また特公昭45−3368号公報や特公昭52−12240号公報
の方法で得られたPPS、特に結晶性であるPPSはガラス転
移温度が約90℃と比較的高く、また結晶化速度も遅いた
め射出成形において成形品を得ようとする場合、金型温
度を130〜150℃に設定しなければ耐熱性,寸法安定性に
優れた良品が得られなかった。このことは他の汎用エン
ジニアリングプラスチック、例えば、ナイロンやPBTが1
00℃以下の金型温度で成形できることと比べると成形加
工上のPPSの大きな欠点であり、PPSの用途拡大の阻害要
因と考えられる。
この問題点を解決するために、先行技術として少なく
とも5Pa・Sの溶融粘度を有するPPSに最大分子量6000の
オリゴマー状エステルを添加する(特開昭62−45654号
公報)、モノマー性のカルボン酸エステルを添加する
(特開昭62−230848号公報)、他のチオエーテルを添加
する(特開昭62−230849号公報)、特定の芳香属リン酸
エステルを添加する(特開昭62−230850号公報,特開平
1−225660号公報)等の方法が知られている。しかしな
がら、いずれの方法においても添加物の耐熱性が乏しい
ため成形加工時に蒸発ガスや分解ガスが発生したり、添
加物が低分子量であるため成形品表面に移行し、添加物
が成形品表面を汚染する等の問題があった。
さらに、PPSは熱履歴により分子量および溶融粘度が
著しく変化するという欠点を有しており、これを改善す
るためにチオールを添加する方法(米国特許3386950号
公報)、ヒドロキシ置換アミンを添加する方法(米国特
許3408342号公報)、有機リン酸,ジオクチルフォスフ
ァイト等を添加する方法(特開昭47−1235号公報)、ア
ミン誘導体,フェノール誘導体等を添加する方法(特開
昭59−213759号公報)、環状リン化合物を添加する方法
(米国特許4412062号公報,特開昭63−159470号公報)
等が開示されている。しかしながら、PPS単独物に対し
ては上記安定剤の効果は若干見られるものの、靱性の改
善や結晶化速度の増大を目的としたPPSと改良剤との組
成物に対しては安定化効果は極僅かであり、実用性に乏
しいものであった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、特定のPPSに特定のポリアルキレングリコ
ールを配合することにより、PPSの耐熱性,耐薬品性,
難燃性等の優れた性質を保持したままで、欠点であった
脆さを改善し、さらに結晶化速度を高め、熱的にも安定
化されたPPS樹脂組成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 即ち本発明は、10〜50000ポイズのPPS樹脂70〜99.5重
量%、 一般式(I)及び/又は(II)で示されるポリアルキレ
ングリコール30〜0.5重量% RO−R1 mO−X]n (I) X−0R1−OmR2O−R1 m pO−X (II) (式中Rは、n=1の時X,n≧2の時炭素数1〜6の有
機基であり、R1は炭素数2〜6のアルキレン基、R2は炭
素数1〜24の有機基、Xはエポキシ基,酸無水物基,カ
ルボキシル基,ビニル基の少なくとも1つを含有する炭
素数1〜10の有機基又は水素であり、mは5〜25000、
nは1〜10、pは2〜100のそれぞれ整数を表わす)の
合計100重量部に対し、 5%重量減少温度が300℃以上であるフェノール系安定
剤0.01〜5重量部を加えてなるPPS樹脂組成物に関する
ものである。
以下、その詳細について説明する。
本発明で用いられるPPSは、溶融粘度が10〜50000ポイ
ズであれば特に制限はなく、特公昭45−3368号公報等の
公知の方法により得ることができ、 結合単位: で示される繰り返し単位を70モル%以上、より好ましく
は90モル%以上を含むものが好ましい。さらに、繰り返
し単位としてp−フェニレンスルフィド単位を70モル%
以上含有するPPSが特に好適に用いられる。その残りの
繰り返し単位としては共重合可能な単位であれば制限は
なく、例えば、オルトフェニレンスルフィド単位,メタ
フェニレンスルフィド単位,ジフェニルスルフィドエー
テル単位,ジフェニルフィドスルフォン単位,ジフェニ
ルスルフィドケトン単位,ビフェニルスルフィド単位,
ナフタレンスルフィド単位,3官能フェニレンスルフィド
単位等が挙げられる。これらの共重合体は、ブロック共
重合されていてもランダム共重合されていてもよい。
好ましいPPSの具体例としては、ポリ(p−フェニレ
ンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)−
ポリ(m−フェニレンスルフィド)ブロック共重合体、
ポリ(p−フェニレンスルフィド)−ポリスルフォンブ
ロック共重合体、ポリ(p−フェニレンスルフィド)−
ポリフェニレンスルフィドスルフォン共重合体が挙げら
れる。
さらに好適なPPSとしては、その分子鎖中又は分子鎖
末端に−NR2,−COOR,−OR(ここでRは水素,炭素数1
〜6の有機基又はアルカリ金属) から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有しているPP
Sであり、この様な官能基含有PPSの製造方法としては、
特開昭57−90018号公報に記載されている方法や先に我
々が出願した特開昭64−48825号公報,特開昭64−48829
号公報,特願平1−107369号,特願平1−115982号等に
記載された方法が好適に用いられる。官能基導入量とし
ては、PPSユニット当り0.1〜5モル%,好ましくは0.2
〜3モル%である。
また、本発明において用いられるPPSの溶融粘度は、
高化式フローテスター(ダイス:内径0.5mm,長さ2.0mm
荷重:10kg)を用い、300℃で測定した値が10〜50000ポ
イズ、好ましくは50〜30000ポイズの範囲である。
さらにPPSは、直鎖状のものであっても、酸素共存下
酸素架橋させたものであっても、また不活性ガス雰囲気
下、過熱処理を施したものであってもかまわないし、さ
らにこれらの構造の混合物であってもかまわない。
また、上記PPSは、脱イオン処理(酸洗浄や熱水洗浄
等)を行うことによりナトリウムイオンを低減させたも
のであってもよい。
本発明で用いられるポリアルキレングリコールとして
は、一般式(I)又は(II)で示されるポリアルキレン
グリコールである。本発明で用いられる好ましいポリア
ルキレングリコールとしては式中のRがエポキシ基、カ
ルボキシル基又は酸無水物基を有する炭素数1〜9の有
機基であり、R1が炭素数2〜4のアルキレン基、R2が炭
素数1〜15の有機基、Xがエポキシ基、カルボキシル基
又は酸無水物基を有する1〜9の有機基、mが10〜1500
0、nが1〜5、pが3〜50であるポリアルキレングリ
コールが挙げられる。ここで式中のR,R2,Xについて有機
基という表現があるが、これは炭化水素基のみならず、
R,R2,X中にエーテル,ケトン,アミド,スルフォン等の
ヘテロ原子含有官能基を含んでもさしつかえないことを
意味するものである。また、式中のmはポリアルキレン
グリコールセグメントの重合度を示すもので、mが5よ
り小さいと耐熱性に乏しくなり、成形加工時にガスを多
量に発生するため好ましくない。一方mが25000より大
きくなるとポリアルキレングリコールとPPSの相溶性が
低下し、結晶化速度を速める効果が少なくなるばかりで
なく、強度も低下してしまうため好ましくない。
上記ポリアルキレングリコールの若干の例としてはポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール等の多価アルコールとアルキ
レンオキシドとの付加重合体等が挙げられる。
また、上記ポリアルキレングリコールの末端水酸基の
反応性を利用してエポキシ基や酸無水物基をポリアルキ
レングリコールに導入することができる。例えばエピク
ロルヒドリンを反応させることによりエポキシ変性ポリ
アルキレングリコールが、トリメリット酸無水物酸クロ
ライドを反応させることにより酸無水物変性ポリアルキ
レングリコールを得ることができる。
本発明で好ましく用いられるポリアルキレングリコー
ルの具体例としては、分子量が300〜1000000であり、末
端官能基が水酸基、エポキシ基、カルボキシル基又は酸
無水物基であるポリエチレングリコール及びポリテトラ
メチレングリコールが挙げられる。
本発明で用いられるポリアルキレングリコールの添加
量は、PPSとポリアルキレングリコールの組成物に対し
て0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%が良好な結
果を与える。添加量が0.5重量%未満では、結晶化速度
を速める効果が少なく、また靱性改良効果が十分でなく
なるため好ましくない。一方、30重量%を越えると結晶
化速度の一層の向上が認められなくなるばかりでなく、
物性の低下が起こり、さらにPPS本来の耐熱性,耐薬品
性,難燃性等の優れた性質が消失してしまう。
本発明で用いられるフェノール系安定剤は、空気中、
10℃/分の昇温速度で熱天秤により測定した5%重量減
少温度が300℃以上のものである。
このような安定剤としては、例えば特開昭62−45658
号公報に例示されているような次式 (式中R1は炭素原子数4〜8の第3級アルキル基、R2
炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシ基を示し、R3
及びR4は各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜5の
アルキル基又はアルコキシ基を示し、R5,R6,R7,R8
R9,R10は各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜5
のアルキル基を示す。nは2以上で平均して75以下であ
る) で示されるフェノール系安定剤が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,アミル,ペンチル,ヘキシ
ル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシル,ウンデシ
ル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル等が挙げら
れ、アルコキシ基は、これらのアルキル基からのアルコ
キシ基及びアラルキルオキシ基が挙げられる。
その具体例としては、次式、アデカ・アーガス化学
(株)製Sample「AO−220」 (重量平均分子量:1600〜2100) が挙げられる。
他の例としては、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビ
ス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]
ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げ
られる。
これらフェノール系安定剤の前記PPS/ポリアルキレン
グリコール組成物に対する添加量は、PPS/ポリアルキレ
ングリコール組成物100重量部に対し通常0.01〜5重量
部であり、好ましくは0.05〜3重量部である。添加量が
0.01重量部未満の場合には、溶融時の安定化が十分でな
いことがあり、一方、5重量部を越える場合には、機械
的特性や成形性が悪化することがある。また、安定化効
果を一層高めるために通常安定剤として公知であるチオ
エーテル系の抗酸化剤や有機ホスファイト化合物、ヒン
ダードアミン系安定剤を添加することができる。
本発明のPPS/ポリアルキレングリコール/フェノール
系安定剤組成物の製造方法としては、通常用いられてい
る方法が利用できるが、押出機等により溶融ブレンドす
る方法が好ましい。
以上の様にして得られたPPS樹脂組成物は、PPS本来の
優れた耐熱性,耐薬品性,難燃性を保持したままで、伸
び等の靱性を大幅に改善することができる。
また上記組成物は、結晶化速度が従来のPPSに比べ著
しく速いため、低温金型を用いても射出成形によって十
分に結晶化し、耐熱性に優れた成形品を得ることがで
き、さらに熱的にも安定性が顕著に改善されたものであ
る。
上記組成物には、必要に応じてガラス繊維、炭素繊
維、アルミナ繊維等のセラミック繊維、アラミド繊維、
全芳香族ポリエステル繊維、金属繊維、チタン酸カリウ
ムウィスカー等の補強用充填剤や炭酸カルシウム、マイ
カ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、
カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、
セリサイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパ
ルジャイト、ウォラストナイト、PMF、フェライト、ケ
イ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸
化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、ガラスビ
ーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガ
ラス等の無機充填剤及び有機,無機顔料を配合すること
もできる。
ガラス繊維としては、例えば繊維長1.5〜12mm、繊維
径3〜24μmのチョップドストランド、繊維径3〜8μ
mのミルドファイバー、325メッシュ以下のガラスフレ
ークやガラスパウダーを挙げることができる。
また、芳香族ヒドロキシ誘導体などの可塑剤や離型
剤、シラン系,チタネート系のカップリング剤、滑剤、
耐熱安定剤、耐候性安定剤、結晶核剤、発泡剤、防錆
剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応
じて添加してもよい。
さらに本発明の樹脂組成物に他のポリマーを少量添加
し、他の物性を付与する事も可能である。添加するポリ
マーとしては、例えばポリエチレン、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリブテン、ポリ
スチレン、ポリα−メチルスチレン、ナイロン6,ナイロ
ン66,ナイロン610,ナイロン12,ナイロン11,ナイロン46
等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートポ
リブチレンテレフタレート,ポリアリレート等のポリエ
ステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ
アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポ
リフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリ
フェニレンスルフィドスルホン、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィ
ドケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコーン
樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂等の単独重合体、ラ
ンダム又はブロック、グラフト共重合体及びそれらの混
合物又はその改質物等が挙げられる。
[実施例] 以下本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明
はこれら実施例のみに限定されるものではない。
PPSの溶融粘度は、高化式フローテスター(ダイス:
内径0.5mm,長さ2.0mm;荷重:10kg)を用い、300℃で測定
した。
尚、熱安定性の評価は、高化式フローテスター(ダイ
ス:内径0.5mm,長さ2.0mm;荷重:10kg,330℃)を用い、3
0分予熱後の溶融粘度(η30と略す)と5分後の溶融粘
度(η5と略す)との比較から行った。
また、安定剤の熱分解温度は、空気中,10℃/分の測
定条件下、セイコー電子工業(株)製TG/DTA200を用い
て測定した。
参考例 本発明の実施例及び比較例で使用したPPSの製造方法
を以下に示す。
参考例1 攪拌機を装備する内容積500mlのオートクレーブにN
−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)150g及び
硫化ナトリウム(Na2S・2.9H2O)0.60モルを加え、窒
素気流下攪拌して200℃まで昇温し、主に水からなる留
出液21.2gを留去した。系を170℃まで冷却した後、p−
ジクロルベンゼン(以下p−DCBと略す)0.60モルをNMP
50gとともに添加し、窒素気流下に系を封入,昇温して2
50℃にて3時間重合を行った。重合終了後、系を冷却
し、内容物を水中に投入、ポリマーを沈殿させた後、沈
殿したポリマーをグラスロートで捕集し、約5lの温水で
洗浄、濾過を繰り返し、一晩加熱真空乾燥し、ポリマー
を単離した。得られたポリマーは61.5g,収率95%であ
り、溶融粘度は250ポイズであった。このポリマーを空
気中250℃に設定したオーブンに入れそのまま5時間硬
化処理することにより溶融粘度2800ポイズのPPSを得
た。この様にして得られたPPSをPPS−Iとする。
参考例2 参考例1においてp−DCB0.60モルのかわりにp−DCB
0.594モル、3,5−ジクロロアニリン0.006モルを用いた
他は参考例1と同様の操作を行った。得られたポリマー
は61.2g,収率94%であり、硬化前及び硬化後の溶融粘度
はそれぞれ120ポイズ、3300ポイズであった。この様に
して得られたPPSをPPS−IIとする。
参考例3 α−ω−ジグリシジルポリエチレングリコール(エポ
ライト400E;共栄社油脂製,平均分子量400)200gとビス
フェノールA107gを窒素気流下、セパラブルフラスコを
用いて200℃,2時間、加熱攪拌を行った。その後、室温
まで冷却した後、多量のジエチルエーテルに滴下し、過
剰のビスフェノールAを除去した後、室温で一昼夜乾燥
することで分子量12000の末端エポキシ基含有ポリエチ
レングリコール[一般式(II)タイプ]を得た。これを
PEG−IIと略す。
実施例1〜9 参考例1及び2で得たPPSとα−ω−ジグリシジルポ
リエチレングリコール[一般式(I)タイプ](デナコ
ールEX−861;ナガセ化成工業製,平均分子量1000,PEG−
Iと略す)、参考例3で得たPEG−IIから選んだ1種類
及びフェノール系安定剤(MARK AO−20,MARK AO−60,MA
RK AO−80,MARK AO−220,MARK AO−330;アデカ・アーガ
ス化学(株)製 それぞれST−I,ST−II,ST−III,ST−I
V,ST−Vと略す)から選んだ1種類とを表1に示す組成
で均一にブレンドした後、ラボプラストミル(東洋精機
製)を用いて300℃で10分間溶融混練した。混練後のサ
ンプルを2g秤量し、高化式フローテスターにてη30及び
η5を測定し、熱安定性を評価した。結果を表1にまと
めて示す。
また、同様に混練を行って得られたサンプルを用い
て、射出成形を行い試験片を作成し、ASTM D638に従い
引張強度,伸びを測定した。さらに、上述の混練後のサ
ンプル10mgをAl製DSCサンプル容器に入れて密封し、320
℃で5分間加熱溶融させた後、急冷させた非晶サンプル
を用い、DSCにて10℃/分の昇温速度で昇温することに
より、ガラス転移温度(Tg),結晶化温度(Tc),融点
(Tm)を測定した。結果を表2にまとめて示す。
尚、ST−I〜ST−Vの化学名又は構造式を下記に示
す。
ST−I(MARK AO−20) 1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)イソシアヌレート ST−II(MARK AO−60) テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン ST−III(MARK AO−80) 3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン ST−IV(MARK AO−220) ST−V(MARK AO−330) 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン 比較例1,2 フェノール系安定剤を添加しないことを除いて実施例
と同様の操作を行ったところ、η30が著しく大きくなっ
た。この結果よりフェノール系安定剤を添加しないと熱
安定性に劣ったものしか得られないことがわかる。(表
1参照) 比較例3 フェノール系安定剤の代わりに耐熱性に劣るリン系安
定剤(MARK PEP−36;アデカ・アーガス化学(株)製、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジフォスファイト 以下ST−VIと略
す、尚、5%重量減少温度は250℃である)を用いたこ
とを除いて実施例と同様の操作を行ったところ、η30
著しく大きくなり、熱的に不安定な安定剤を用いると熱
安定性の改善効果がみられないことを示している。(表
1参照) [発明の効果] 以上の説明から明らかなように、特定のPPS、特定の
ポリアルキレングリコール及び特定のフェノール系安定
剤からなる組成物は、PPS本来の優れた耐熱性,耐薬品
性,難燃性を保持したままで、伸び等の靱性を大幅に改
善することができる。
また上記の組成物は、結晶化速度が従来のPPSに比べ
著しく速いため、低温金型を用いても射出成形によって
十分に結晶化し、耐熱性に優れた成形品を得ることがで
きる。
さらに、熱的にも安定性が顕著に改善されたものであ
るため、電気,電子部品や自動車部品としての要求特性
を満足するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/02 C08L 71/00 - 71/02 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10〜50000ポイズの溶融粘度を有するポリ
    フェニレンスルフィド樹脂70〜99.5重量%、 一般式(I)及び/又は(II)で示されるポリアルキレ
    ングリコール30〜0.5重量% RO−R1 mO−X]n (I) X−0R1−OmR2O−R1 m pO−X (II) (式中Rは、n=1の時X,n≧2の時炭素数1〜6の有
    機基であり、R1は炭素数2〜6のアルキレン基、R2は炭
    素数1〜24の有機基、Xはエポキシ基,酸無水物基,カ
    ルボキシル基,ビニル基の少なくとも1つを含有する炭
    素数1〜10の有機基又は水素であり、mは5〜25000、
    nは1〜10、pは2〜100のそれぞれ整数を表わす)の
    合計100重量部に対し、5%重量減少温度が300℃以上で
    あるフェノール系安定剤0.01〜5重量部を加えてなるポ
    リフェニレンスルフィド樹脂組成物。
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