JP3109215B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JP3109215B2 JP2337692A JP2337692A JP3109215B2 JP 3109215 B2 JP3109215 B2 JP 3109215B2 JP 2337692 A JP2337692 A JP 2337692A JP 2337692 A JP2337692 A JP 2337692A JP 3109215 B2 JP3109215 B2 JP 3109215B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくは強度
が大きく、かつ伸びが大きな靭性に優れたポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物に関するものである。
【0002】ポリフェニレンスルフィドは、その優れた
耐熱性,耐薬品性を生かして電気・電子機器部材,自動
車機器部材として注目を集めている。また、射出成形,
押出成形等により各種成型部品,フィルム,シート,繊
維等に成形可能であり、耐熱性,耐薬品性の要求される
分野に幅広く用いられている。
【0003】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィドは
【0004】
【化2】 を主な構成単位とする重合体であり、その製造方法とし
ては特公昭45−3368号公報等に開示されている様
にジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とを極性非
プロトン溶媒中で加熱,反応させる方法が知られてい
る。
【0005】しかしながら、この様な方法で製造された
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)は、分
子量が低くそのままでは射出成形等に使用不可能であっ
た。そこでこれらの問題点を解決するため、空気中でP
PSを酸化硬化させ、分子量を高める方法が米国特許3
793256号公報等に開示されている。しかしながら
この方法では、酸素による過度の酸化架橋反応のためか
得られたPPSは著しく着色し、ガラス繊維等の繊維補
強剤で強化しても脆い成形品しか得られない等の問題点
を有していた。
【0006】また、重合反応により直鎖状に高分子量化
する方法が特公昭52−12240号公報等に開示され
ている。これらの方法によって得られたPPSは、特公
昭45−3368号公報によって得られたPPSに比べ
ると多少靭性が改善されてはいるものの、まだ十分に満
足するレベルには達していない。
【0007】一方、PPSにエラストマーを添加するこ
とにより靭性を付与する方法が特開昭58−15475
7号公報等に開示されている。これらの方法によればエ
ラストマーを多量に添加することにより靭性の改善が可
能となるが、PPSが本来有している耐熱性,耐薬品
性,難燃性が消失してしまうため好ましくない。
【0008】また、特開昭62−45654号公報には
PPSと2〜60の比較的低い重合度および6000の
最大数平均分子量を有するオリゴマー状エステルからな
る迅速に結晶化する結晶性の高い組成物が開示されてい
る。しかしながら、この組成物は用いるポリエステルの
分子量が低いため、PPSの靭性改善効果に乏しく、ま
た熱安定性も悪いという欠点を有していた。そこで我々
はPPSに数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリ
エステルを添加した組成物について検討を行い、この組
成物がPPSの靭性を改善するとともに熱的にも安定で
あることを見い出した。しかしながら、この組成物の熱
老化特性は未だ満足するレベルには達していなかった。
【0009】また、先に我々が出願した特願平2−21
9054号には、特定のPPSに特定のポリアルキレン
グリコールを添加することにより、PPSの靭性を改善
し得ることが記載されている。しかしながら、この組成
物では伸びについては改善効果が大きいものの衝撃強度
の改善という点については不十分であった。
【0010】一方、PPS/ポリアルキレングリコール
組成物の上記欠点を解決するため、先に我々はPPS/
ポリアルキレングリコール組成物にさらに特定の脂肪族
ポリエステルを添加した組成物について検討を行い、所
期の目的を達成した組成物が得られることを見い出して
いるが、この場合にもその熱老化特性は未だ満足するレ
ベルには達していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はPPSに特定
の脂肪族ポリエステルと特定のフェノール系安定剤、ま
たはPPSに特定のポリアルキレングリコールと特定の
脂肪族ポリエステルおよび特定のフェノール系安定剤を
配合し、PPSが本来有する耐熱性,耐薬品性,難燃性
等の優れた性質を保持したまま、欠点であった脆さを改
善し、さらに熱老化特性にも優れた高靭性PPS樹脂組
成物を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は(a)ポ
リフェニレンスルフィド100重量部、(b)数平均分
子量が10000以上である脂肪族ポリエステル0.5
〜30重量部、および(c)5%重量減少温度が300
℃以上であるフェノール系安定剤0.01〜5重量部か
らなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。または、
(a)ポリフェニレンスルフィド100重量部、(b)
数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリエステ
ル0.5〜20重量部、(c)下記式(I)で示される
ポリアルキレングリコール0.5〜20重量部、
【0013】
【化3】 (式中R′はn=1のときX,n≧2のとき炭素数1〜
24の有機基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン
基、Xは水素またはアミノ基,エポキシ基,ビニル基,
酸無水物基,カルボキシル基から選ばれた少なくとも1
つの基を含有する炭素数1〜10の有機基であり、mは
2〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数を表わ
す)および(d)5%重量減少温度が300℃以上であ
るフェノール系安定剤0.01〜5重量部からなるポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物に関するものであり、
伸び,衝撃強度に優れ、さらに熱老化特性も改善された
組成物を提供するものである。
【0014】以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明で用いるPPSとしては、特公昭4
5−3368号公報に示されるような公知の方法により
得られたものであれば特に制限はないが、下式
【0016】
【化4】 で示される繰り返し単位を70モル%以上含むものが好
ましい。さらに、繰り返し単位としてp−フェニレンス
ルフィド単位を70モル%以上含有するPPSが特に好
適に用いられる。この際、残りの繰り返し単位としては
共重合可能な単位であれば制限はなく、例えば、o−フ
ェニレンスルフィド単位,m−フェニレンスルフィド単
位,ジフェニルスルフィドエーテル単位,ジフェニルス
ルフィドスルホン単位,ジフェニルスルフィドケトン単
位,ビフェニルスルフィド単位,ナフタレンスルフィド
単位,3官能フェニレンスルフィド単位等が挙げられ
る。これらの共重合体は、ブロック共重合されていても
ランダム共重合されていてもよい。
【0017】好ましいPPSの具体例としては、ポリ
(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレン
スルフィド)−ポリ(m−フェニレンスルフィド)ブロ
ック共重合体、ポリ(p−フェニレンスルフィド)−ポ
リスルホンブロック共重合体、ポリ(p−フェニレンス
ルフィド)−ポリフェニレンスルフィドスルホン共重合
体が挙げられる。
【0018】さらに、本発明において好適に用いられる
PPSとしては溶融粘度(300℃にて直径0.5m
m,長さ2.0mmのダイスを用い、荷重10kgで高
化式フローテスターを用いて測定した値)が10〜10
0000ポイズ、好ましくは50〜50000ポイズ、
さらに好ましくは500〜40000ポイズの範囲にあ
るPPSであり、直鎖状のものであっても、酸素共存下
酸素架橋させたものであっても、また不活性ガス雰囲気
下、加熱処理を施したものであってもかまわないし、さ
らにこれらの構造の混合物であってもかまわない。
【0019】また本発明で用いられる脂肪族ポリエステ
ルやポリアルキレングリコールとの相溶性を高めるた
め、反応性の高い官能基をPPS中に導入してもよい。
導入される官能基としては、アミノ基,カルボン酸基,
水酸基,酸無水物基,エポキシ基等が適当であり、その
導入方法としては、これら官能基を含有するハロゲン化
芳香族化合物を共重合する方法やPPSと官能基を含有
する低分子量化合物との高分子反応により導入する方法
等が挙げられる。
【0020】また、上記PPSは、脱イオン処理(酸洗
浄や熱水洗浄等)を行うことによりナトリウムイオンを
低減させたものであってもよい。
【0021】本発明で用いられる脂肪族ポリエステルと
しては、下式
【0022】
【化5】 (ここでRは炭素数2〜16のアルキレン基であり、n
は80〜1000の整数を表わす)の繰り返し単位を有
する実質的に直鎖状の重合体であり、その製造方法につ
いては特に制限はなく、例えば米国特許2914556
号公報,米国特許2977385号公報,米国特許38
92821号公報等の公知の方法によって得られたもの
であれば特に制限はないが、その数平均分子量が100
00以上であることが、本発明の効果を発現させる上で
必要である。つまり数平均分子量が10000未満の場
合にはPPSの靭性改良効果が十分でないばかりでな
く、耐熱性が低下するため、成形加工時にガスを多量に
発生する等好ましくない。
【0023】本発明で用いられる脂肪族ポリエステルの
若干の例としては、ポリ(β−プロピオラクトン),ポ
リピバロラクトン,ポリ(ε−カプロラクトン)および
それらの共重合体が挙げられるが、本発明において好ま
しく用いられる脂肪族ポリエステルはポリ(ε−カプロ
ラクトン)である。
【0024】本発明で用いられるポリアルキレングリコ
ールとしては、下記式(I)
【0025】
【化6】 (式中R′はn=1のときX,n≧2のとき炭素数1〜
24の有機基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン
基、Xは水素またはアミノ基,エポキシ基,ビニル基,
酸無水物基,カルボキシル基から選ばれた少なくとも1
つの基を含有する炭素数1〜10の有機基であり、mは
2〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数を表わ
す)で示されるポリアルキレングリコールである。
【0026】好ましいポリアルキレングリコールとして
は、式(I)中のR′が1〜20の有機基、Rが炭素数
2〜4のアルキレン基、Xがアミノ基,エポキシ基,ビ
ニル基または酸無水物基を含有する炭素数1〜10の有
機基であり、mが2〜25000、nが1〜6であるポ
リアルキレングリコールが挙げられる。ここで式中の
R′,Xについて有機基という表現があるが、これは炭
化水素基のみならず、R′,X中にエーテル,ケトン,
アミド,スルホン等のヘテロ原子含有官能基を含んでい
てもさしつかえないことを意味するものである。
【0027】上記ポリアルキレングリコールの若干の例
としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールやビスフェノ
ールA,グリセリン,ペンタエリスリトール,ソルビト
ール等の多価アルコールとアルキレンオキシドとの付加
重合体等が挙げられる。
【0028】本発明で好ましく用いられるポリアルキレ
ングリコールの具体例としては、分子量500〜100
0000であり、末端にアミノ基,エポキシ基または酸
無水物基を含有するポリエチレングリコールやポリテト
ラメチレングリコールおよび主鎖中にビスフェノールA
構造を含み、末端にビニル基を有するポリエチレングリ
コールやポリテトラメチレングリコール等が挙げられ
る。
【0029】本発明で用いられる脂肪族ポリエステルや
ポリアルキレングリコールの添加量は、PPSと脂肪族
ポリエステルの二成分系組成物の場合、PPS100重
量部に対し0.5〜30重量部であり、PPSと脂肪族
ポリエステルおよびポリアルキレングリコールからなる
三成分系組成物の場合にはPPS100重量部に対しそ
れぞれが0.5〜20重量部である。
【0030】二成分系組成物の場合、添加量が0.5重
量部未満では靭性の改良効果が十分でなく、逆に30重
量部を超えるとPPS本来の耐熱性,耐薬品性,難燃性
等の優れた性質が消失してしまうため好ましくない。ま
た、三成分系組成物の場合、添加量(総量)が1.0重
量部未満では靭性の改良効果が十分でなく、逆に40重
量部を超えるとPPS本来の耐熱性,耐薬品性,難燃性
等の優れた性質が消失してしまうため好ましくない。
【0031】本発明で用いられるフェノール系安定剤
は、空気中、10℃/分の昇温速度で熱天秤により測定
した5%重量減少温度が300℃以上のものである。
【0032】このような安定剤としては、例えば特開昭
62−45658号公報に例示されているような次式
【0033】
【化7】 (式中Rは炭素数4〜8の第3級アルキル基、R
炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を示し、
およびRは各々独立して水素、炭素数1〜5のア
ルキル基またはアルコキシ基を示し、R,R
,R,R,R10は各々独立して水素または炭
素数1〜5のアルキル基を示し、nは2以上で平均して
75以下である)で示されるフェノール系安定剤が挙げ
られる。
【0034】アルキル基としては、例えばメチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル,アミル,ペンチ
ル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシル,
ウンデシル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル等が
挙げられ、アルコキシ基は、これらのアルキル基からの
アルコキシ基およびアラルキルオキシ基が挙げられる。
【0035】その具体例としては、次式、アデカ・アー
ガス化学(株)製Sample「AO−220」
【0036】
【化8】 (重量平均分子量:1600〜2100)が挙げられ
る。
【0037】他の例としては、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−6−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1−ジメチ
ル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙
げられる。
【0038】これらフェノール系安定剤の前記PPS/
脂肪族ポリエステル組成物またはPPS/脂肪族ポリエ
ステル/ポリアルキレングリコール組成物に対する添加
量は、PPS100重量部に対し通常0.01〜5重量
部であり、好ましくは0.05〜3重量部である。添加
量が0.01重量部未満の場合には、熱老化特性の改善
効果が十分でないことがあり、一方、5重量部を越える
場合には、機械的特性や成形性が悪化することがある。
また、安定化効果を一層高めるために通常安定剤として
公知であるチオエーテル系の抗酸化剤や有機ホスファイ
ト化合物、ヒンダードアミン系安定剤を添加併用するこ
とができる。
【0039】本発明のPPS組成物の製造方法として
は、通常用いられている方法が利用できるが、押出機等
により溶融ブレンドする方法が好ましい。
【0040】以上の様にして得られたPPS組成物は、
PPS本来の優れた耐熱性,耐薬品性,難燃性を保持し
た上に、伸び等の靭性を大幅に改善することができ、さ
らに熱老化特性にも優れたものである。
【0041】また必要に応じて本発明の組成物にガラス
繊維,炭素繊維,アルミナ繊維等のセラミック繊維,ア
ラミド繊維,全芳香族ポリエステル繊維,金属繊維,チ
タン酸カリウムウィスカー等の補強用充填剤や炭酸カル
シウム,マイカ,タルク,シリカ,硫酸バリウム,硫酸
カルシウム,カオリン,クレー,パイロフェライト,ベ
ントナイト,セリサイト,ゼオライト,ネフェリンシナ
イト,アタパルジャイト,ウォラストナイト,PMF,
フェライト,ケイ酸カルシウム,炭酸マグネシウム,ド
ロマイト,三酸化アンチモン,酸化亜鉛,酸化チタン,
酸化マグネシウム,酸化鉄,二硫化モリブデン,黒鉛,
石こう,ガラスビーズ,ガラスパウダー,ガラスバルー
ン,石英,石英ガラス等の無機充てん剤および有機,無
機顔料を配合することも可能である。
【0042】また、ワックス等の離型剤、シラン系,チ
タネート系のカップリング剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候
性安定剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃
剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0043】さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ
スチレン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリ
ル、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイ
ロン12,ナイロン11,ナイロン46等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート,ポリアリレート等のポリエステル、ポリウレ
タン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリアリルスルホン、ポリフェニレンスルフィドスルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィドケ
トン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、フッ
素樹脂などの単独重合体、ランダムまたはブロック,グ
ラフト共重合体の一種以上を混合して使用することもで
きる。
【0044】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0045】なお、安定剤の5%重量減少温度は空気
中、10℃/分の測定条件下、セイコー電子工業(株)
製 TG/DTA200を用いて測定した。
【0046】参考例 本発明の実施例および比較例で使用したPPSの製造方
法を以下に示す。
【0047】攪拌機,脱水塔およびジャケットを装備す
る内容積530lの反応器にN−メチルピロリドン11
0lおよび硫化ナトリウム(純度:NaS 60.2
重量%)61.1kgを仕込み、撹拌下ジャケットによ
り加熱し、内温が約200℃に達するまで脱水塔を通じ
て脱水を行った。この際、13.5lの主として水から
なる留出液を留去した。次いで、p−ジクロロベンゼン
68.7kgとN−メチルピロリドン48lを添加し、
2時間かけて225℃まで昇温し、225℃にて2時間
反応させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに
250℃で3時間反応させた。この時、圧力は10.5
kg/cmまで上昇した。
【0048】反応終了後、反応混合液を攪拌機,ジャケ
ットおよび減圧ラインを装備する溶媒回収器に移した。
この際、N−メチルピロリドン30lを追加した。続い
て、減圧下で加熱して、主としてN−メチルピロリドン
からなる留出液200lを留去した。
【0049】続いて、水200lを添加して水スラリー
とし、80℃,15分間加熱撹拌した後、遠心分離して
ポリマーを回収した。
【0050】さらに、ポリマーを溶媒回収器に戻し、水
200lを添加し、180℃,30分間加熱撹拌を行
い、冷却後、遠心分離機でポリマー粉末を回収した。
尚、この操作を2回繰り返した。
【0051】得られたポリマーをジャケット付きリボン
ブレンダーに移し乾燥を行った。このPPSを一部サン
プリングし、溶融粘度を高化式フローテスター(ダイ
ス;直径0.5mm,長さ2.0mm)を用いて300
℃,10kg荷重で測定したところ、570ポイズであ
った。サンプリング終了後、攪拌下、空気を400l/
時間の流量で流しながら265℃に昇温し、24時間硬
化処理を行った。硬化終了後の溶融粘度は20000ポ
イズであった。この様にして製造したPPSを以下PP
S−Iと略す。
【0052】実施例1〜6 参考例で得たPPSとポリ(ε−カプロラクトン)(ダ
イセル化学工業製 プラクセルH−4,H−7)、末端
メタクリル変性ポリエチレングリコール(新中村化学工
業製 NKエステル BPE−1300,23G),末
端アミノ変性ポリエチレングリコール(川研ファインケ
ミカル製 PEOアミン6000)およびフェノール
系安定剤(アデカ・アーガス化学(株)製 MARK
AO−220,MARK AO−330)とを表1に示
す組成で均一にブレンドした後、押出機により300℃
にて混練,押出ししてペレットを製造した。このペレッ
トを用い、射出成形機にてシリンダー温度330℃,金
型温度140℃で試験片を作成し、ASTM D638
に従い引張強度および伸びを、またASTM D256
に従い反ノッチ付アイゾット衝撃強度を測定した。ま
た、上記の試験片を160℃に設定したオーブン中に放
置し、500時間経過後取り出し、引張強度を測定して
放置前の引張強度に対する保持率を求めて熱老化性の目
安とした。結果を表1にまとめて示す。
【0053】比較例1 参考例で得たPPSのみを実施例と同様の操作で混練,
ペレット化し、射出成形を行って試験片を作成した。得
られた試験片を用いて引張強度,伸び,反ノッチ付アイ
ゾット衝撃強度を測定したところ、それぞれ800kg
/cm,10.2%,40kg・cm/cmであっ
た。
【0054】この様に脂肪族ポリエステルやポリアルキ
レングリコールを添加しないと熱老化特性には優れるも
のの実施例に比べ伸び,衝撃強度が小さくなることがわ
かる。
【0055】比較例2,3 参考例で得たPPSと脂肪族ポリエステル(PCL)ま
たは脂肪族ポリエステルとポリアルキレングリコール
(PAG)をそれぞれ配合し、実施例と同様の操作で混
練,ペレット化,射出成形を行い、得られた試験片を用
いて物性測定を行った。
【0056】結果を表1に示すが、フェノール系安定剤
を添加しないと実施例に比べ熱老化特性に劣るものしか
得られないことがわかる。
【0057】比較例4 参考例で得たPPSと脂肪族ポリエステル、ポリアルキ
レングリコールおよび5%重量減少温度が150℃と耐
熱性に劣るフェノール系安定剤(住友化学製SUMIL
IZER BHT)とを配合し、実施例と同様の操作で
混練,ペレット化,射出成形を行い、得られた試験片を
用いて物性測定を行った。
【0058】結果を表1に示すが、熱安定性に乏しいフ
ェノール系安定剤では熱老化特性が改善されないことが
わかる。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、PPS
と特定の脂肪族ポリエステルおよび特定のフェノール系
安定剤からなる組成物やPPSと特定の脂肪族ポリエス
テル、特定のポリアルキレングリコールおよび特定のフ
ェノール系安定剤からなる組成物は、従来のPPSの欠
点であった伸び,衝撃強度の低さを改善するとともに熱
老化特性にも優れているので、電気・電子部品や自動車
部品として用いるのに極めて有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンスルフィド100重
    量部、 (b)数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリ
    エステル0.5〜30重量部、および (c)5%重量減少温度が300℃以上であるフェノー
    ル系安定剤0.01〜5重量部からなるポリフェニレン
    スルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a)ポリフェニレンスルフィド100重
    量部、 (b)数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリ
    エステル0.5〜20重量部、 (c)下記式(I)で示されるポリアルキレングリコー
    ル0.5〜20重量部、 【化1】 (式中R′はn=1のときX,n≧2のとき炭素数1〜
    24の有機基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン
    基、Xは水素またはアミノ基,エポキシ基,ビニル基,
    酸無水物基,カルボキシル基から選ばれた少なくとも1
    つの基を含有する炭素数1〜10の有機基であり、mは
    2〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数を表わ
    す)および(d)5%重量減少温度が300℃以上であ
    るフェノール系安定剤0.01〜5重量部からなるポリ
    フェニレンスルフィド樹脂組成物。
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