JP3034570B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関す
るものであり、さらに詳しくは強度が大きくかつ伸びが
大きな靱性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物に関するものである。
ポリフェニレンスルフィドは、その優れた耐熱性,耐
薬品性を生かして電気,電子機器部材,自動車機器部材
として注目を集めている。また、射出成形,押出成形等
により各種成型部品,フィルム,シート,繊維等に成形
可能であり、耐熱性,耐薬品性の要求される分野に幅広
く用いられている。
[従来の技術] ポリフェニレンスルフィドは を主な構成単位とする重合体であり、その製造方法とし
ては特公昭45−3368号公報等に開示されている様にジハ
ロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とを極性非プロト
ン溶媒中で加熱,反応させる方法が知られている。
しかしながら、この様な方法で製造されたポリフェニ
レンスルフィド(以下PPSと略す)は、分子量が低くそ
のままでは射出成形等に使用不可能であった。そこでこ
れらの問題点を解決するため、空気中でPPSを酸化硬化
させ、分子量を高める方法が米国特許3793256号公報等
に開示されている。しかしながらこの方法では、酸素に
よる過度の酸化架橋反応のためか得られたPPSは著しく
着色し、ガラス繊維等の繊維補強剤で強化しても脆い成
形品しか得られない等の問題点を有していた。
また、重合反応により直鎖状に高分子量化する方法が
特公昭52−12240号公報等に開示されている。これらの
方法によって得られたPPSは、特公昭45−3368号公報に
よって得られたPPSに比べると多少靱性が改善されては
いるもののまだ十分に満足するレベルには達していな
い。
一方、ポリフェニレンスルフィドにエラストマーを添
加することにより靱性を付与する方法が特開昭58−1547
57号公報等に開示されている。これらの方法によればエ
ラストマーを多量に添加することにより靱性の改善が可
能となるがPPSが本来有している耐熱性,耐薬品性,難
燃性が消失してしまうため好ましくない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、特定の官能基を有するPPSに特定のポリア
ルキレングリコールを配合することにより、PPSの耐熱
性,耐薬品性,難燃性等の優れた性質を保持したまま、
欠点であった脆さを改善した高靱性PPS樹脂組成物を提
供するものである。
[課題を解決するための手段] −NR2,−COOR,−OR (ここでRは水素、炭素数1〜6の有機基またはアルカ
リ金属から選ばれ、同じであっても異っていてもよい) から選ばれた少なくとも一種類の官能基を有するポリフ
ェニレンスルフィド70〜99重量%、 下記式(I)で示されるポリアルキレングリコール1
〜30重量% R′O−R″mO−X]n (I) (式中R′はn=1の時X、n≧2の時炭素数1〜6の
有機基であり、R″は炭素数2〜6のアルキレン基、X
はエポキシ基,酸無水物基,カルボキシル基から選ばれ
た少なくとも1つを含有する炭素数1〜10のアルキル基
であり、mは15〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数を
表わす)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
に関するものであり、以下詳細に説明する。
本発明で用いるPPSとしては、その分子鎖中又は分子
鎖末端に−NR2,−COOR,−OR(ここでRは水素、炭素数
1〜6の有機基またはアルカリ金属から選ばれ、同じで
あっても異っていてもよい) から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有しているこ
とが必要である。
この様な官能基含有PPSの製造方法としては、特開昭5
7−90018号公報に記載されている方法や先に我々が出願
した特開昭64−48828号公報,特開昭64−48829号公報,
特願平1−107369号,特願平1−115982号に記載された
方法が好適に用いられる。官能基導入としてはPPSユニ
ット当り0.1〜5モル%、好ましくは0.2〜3モル%が適
当である。官能基導入量が0.1モル%に満たない場合に
は、強度,伸びが大きな、靱性に優れた組成物が得られ
にくい。逆に導入量が5モル%を超えるとPPS自体の熱
安定性が悪くなるばかりでなく、組成物の溶融粘度が著
しく増加するため好ましくない。
本発明で用いられるPPSとしては、上述した官能基を
一定量含み、 で示される繰り返し単位を70モル%以上含むものが好ま
しい。さらに、繰り返し単位としてp−フェニレンスル
フィド単位を70モル%以上含有するPPSが特に好適に用
いられる。この際残りの繰り返し単位としては共重合可
能な単位であれば制限はなく、例えばオルトフェニレン
スルフィド単位,メタフェニレンスルフィド単位,ジフ
ェニルスルフィドエーテル単位,ジフェニルスルフィド
スルホン単位,ジフェニルスルフィドケトン単位,ビフ
ェニルスルフィド単位,ナフタレンスルフィド単位,3官
能フェニレンスルフィド単位等が挙げられる。これらの
共重合単位はブロック共重合されていてもランダム共重
合されていてもよい。好ましいポリフェニレンスルフィ
ドの具体例としては、ポリ(p−フェニレンスルフィ
ド),ポリ(p−フェニレンスルフィド)−ポリ(m−
フェニレンスルフィド)ブロック共重合体,ポリ(p−
フェニレンスルフィド)−ポリスルホンブロック共重合
体,ポリ(p−フェニレンスルフィド)−ポリフェニレ
ンスルフィドスルホンブロック共重合体が挙げられる。
さらに、本発明において用いられるPPSとしては溶融
粘度(300℃にて直径0.5mm,長さ2mmのダイスを用い、荷
重10kgで高化式フローテスターを用いて測定した値)が
10〜100000ポイズ、好ましくは50〜50000ポイズの範囲
にあるPPSであり、直鎖状のものであっても酸素共存下
酸化架橋させたものであってもかまわないし、不活性ガ
スふん囲気下、加熱処理を施したPPSも好適に用いるこ
とができる。ただし、靱性が特に優れた組成物をるに
は、酸化架橋させる前のPPSの溶融粘度が300ポイズ以上
であるPPSを用いることが好ましい。
さらに上記PPSは脱イオン処理(酸洗浄や熱水洗浄)
を行うことによりナトリウムイオンを低減させたもので
あってもよい。
本発明で用いられるポリアルキレングリコールとして
は下記式(I) R′O−R″mO−X]n (I) (式中R′はn=1の時X、n≧2の時炭素数1〜6の
アルキル基であり、R″は炭素数2〜6のアルキレン
基、Xはエポキシ基,酸無水物基,カルボキシル基から
選ばれた少なくとも1つを含有する炭素数1〜10の有機
基であり、mは15〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数
を表わす)で示されるポリアルキレングリコールであ
る。好ましいポリアルキレングリコールとしては式
(I)中のR′が1〜6のアルキル基、R″が炭素数2
〜4のアルキレン基、Xがエポキシ基または酸無水物基
を含有する炭素数1〜10の有機基であり、mが20〜2500
0、nが1〜6であるポリアルキレングリコールが挙げ
られる。ここで式中のXについて有機基という表現があ
るが、これは炭化水素基のみならず、X中にエーテル,
ケトン,アミド,スルホン等のヘテロ原子含有官能基を
含んでいてもさしつかえないことを意味するものであ
る。式(I)中のmはポリアルキレングリコールセグメ
ントの重合度を示すもので、mが15より小さいと耐熱性
に乏しくなり、成形加工時、ガスを多量に発生するばか
りでなく、靱性に優れた組成物が得がたいため好ましく
ない。一方mが25000より大きくなるとポリアルキレン
グリコールとPPSの相溶性が低下し、強度が低下してし
まうため好ましくない。
上記ポリアルキレングリコールの若干の例としてはポ
リエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポ
リテトラメチレングリコール,グリセリン,ペンタエリ
スリトール,ソルビトール等の多価アルコールとアルキ
レンオキシドとの付加重合体等が挙げられる。
本発明で好ましく用いられるポリアルキレングリコー
ルの具体例としては分子量1000〜1000000であり、末端
にエポキシ基または酸無水物基を含有するポリエチレン
グリコールやポリテトラメチレングリコールが挙げられ
る。
本発明で用いられるポリアルキレングリコールの添加
量は、PPSとポリアルキレングリコールの組成物に対し
て1〜30重量%好ましくは2〜20重量%が良好な結果を
与える。
添加量が1重量%未満では靱性の改良効果が十分でな
く、逆に30重量%を超えるとPPS本来の耐熱性,耐薬品
性,難燃性等の優れた性質が消失してしまうため好まし
くない。
さらに本発明におけるPPS組成物と繊維補強材とを組
み合わせると、他のPPS/エラストマー組成物には見られ
ない耐熱性の改善効果が発現することが見い出された。
即ち、本発明のPPS組成物に繊維補強材を添加するだけ
で熱変形温度は著しく上昇する。繊維補強材は必須成分
ではないが、PPS組成物50〜95重量%に対し、繊維補強
材5〜50重量%の範囲で添加するのが好ましい。
本発明のPPS組成物の製造方法としては通常用いられ
ている方法が利用できるが、押出機等により、溶融ブレ
ンドする方法が好ましい。
以上の様にして得られたPPS組成物はPPS本来の優れた
耐熱性,耐薬品性,難燃性を保持した上に、伸び等の靱
性を大幅に改善することができる。
また必要に応じてガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊
維等のセラミック繊維,アラミド繊維,全芳香族ポリエ
ステル繊維,金属繊維,チタン酸カリウムウィスカー等
の補強用充填剤や炭酸カルシウム,マイカ,タルク,シ
リカ,硫酸バリウム,硫酸カルシウム,カオリン,クレ
ー,パイロフェライト,ベントナイト,セリサイト,ゼ
オライト,ネフェリンシナイト,アタパルジャイト,ウ
ォラストナイト,PMF,フェライト,ケイ酸カルシウム,
炭酸マグネシウム,ドロマイト,三酸化アンチモン,酸
化亜鉛,酸化チタン,酸化マグネシウム,酸化鉄,二硫
化モリブテン,黒鉛,石こう,ガラスビーズ,ガラスパ
ウダー,ガラスバルーン,石英,石英ガラス等の無機充
てん剤や有機,無機顔料を配合することもできる。
また、ワックス等の離型剤、シラン系、チタネート系
のカップリング剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、
発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤
等を必要に応じて添加してもよい。
さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリスチレ
ン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ナイロ
ン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン12,ナイロン11,
ナイロン46等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート,ポリアリレート等の
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリフェ
ニレンスルフィドスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
フェニレンスルフィドケトン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹
脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂などの単独重合体、ラ
ンダムまたはブロック,グラフト共重合体の一種以上を
混合して使用することもできる。
[実施例] 以下本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明
はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
参考例 本発明の実施例及び比較例で使用したPPSの製造方法
を以下に示す。
参考例I 撹拌機、脱水塔及びジャケットを装備する内容積530l
の反応器にN−メチルピロリドン110l及び硫化ナトリウ
ム(純度:Na2S 60.2重量%)61.1kgを仕込み、撹拌下
ジャケットにより加熱し内温が約200℃に達するまで、
脱水塔を通じて脱水を行った。この際、13.5lの主とし
て水からなる留出液を留去した。次いで、p−ジクロロ
ベンゼン68.7kgとN−メチルピロリドン48lを添加し、
2時間かけて225℃まで昇温し、225℃にて2時間反応さ
せた後、30分かけて250℃に昇温し、更に250℃で3時間
反応させた。この時、圧力は10.5kg/cm2まで上昇した。
反応終了後、反応混合液を撹拌機、ジャケット及び減
圧ラインを装備する溶媒回収器に移した。この際、N−
メチルピロリドン30lを追加した。続いて、減圧下で加
熱して、主としてN−メチルピロリドンからなる留出液
200lを留去した。
続いて、水200lを添加して水スラリーとし、80℃、15
分間加熱撹拌した後、遠心分離してポリマーを回収し
た。
更に、ポリマーを溶媒回収器に戻し、水200lを添加
し、180℃、30分間加熱撹拌を行い、冷却後、遠心分離
機でポリマー粉末を回収した。尚、この操作を2回繰返
した。
得られたポリマーをジャケット付きリボンブレンダー
に移し乾燥を行った。このPPSを一部サンプリングし、
溶融粘度を高化式フローテスター(ダイス;0.5mm,L=2m
m)を用いて300℃,10kg荷重で測定したところ、570ポイ
ズであった。サンプリング終了後、撹拌下空気を400l/h
rの流量で流しながら250℃に昇温し2時間硬化処理を行
った。硬化終了後の溶融粘度は3000ポイズであった。こ
の様にして製造したPPSを以下PPS−Iと略す。
参考例II 参考例Iにおけるp−ジクロルベンゼン68.7kgととも
に3,5−ジアミノクロルベンゼン500gを添加したほかは
参考例Iと同様の操作を行った。得られたポリマーの重
合後の溶融粘度は430ポイズ,240℃,2時間硬化処理後の
溶融粘度は3800ポイズであった。この様にして製造した
PPSを以下PPS−IIと略す。
参考例III 参考例IIにおける3,5−ジアミノクロルベンゼン500g
のかわりに3,5−ジクロルアニリン590gを用いたほかは
参考例IIと同様の操作を行った。得られたポリマーの重
合後溶融粘度は320ポイズ,240℃,2時間硬化処理後の溶
融粘度は2900ポイズであった。この様にして製造したPP
Sを以下PPS−IIIと略す。
参考例IV 参考例IIにおける3,5−ジアミノクロルベンゼン500g
のかわりに2,4−ジクロル安息香酸890gを用いたほかは
参考例IIと同様の操作を行った。得られたポリマーの重
合後溶融粘度は300ポイズ,240℃,2時間硬化処理後の溶
融粘度は2600ポイズであった。この様にして製造したPP
Sを以下PPS−IVと略す。
参考例V 参考例IIにおける3,5−ジアミノクロルベンゼン500g
のかわりに2,4−ジクロルフェノール760gを用いたほか
は参考例IIと同様の操作を行った。得られたポリマーの
重合後溶融粘度は370ポイズ,240℃,2時間硬化処理後の
溶融粘度は3300ポイズであった。この様にして製造した
PPSを以下PPS−Vと略す。
実施例1〜9 参考例II〜Vで得たPPSとα,ω−ジグリシジルポリ
エチレングリコール(デナコールEX−861;ナガセ化成工
業製、平均分子量1000,PEG−1と略す、平均分子量600
0,PEG−2と略す)、α,ω−ジカルボキシルポリエチ
レングリコール(PEO酸#4000;川研ファインケミカル
製、平均分子量3000,PEG−3と略す)、α,ω−ジグリ
シジルポリテトラメチレングリコール(デナコールEX−
992;ナガセ化成工業製、平均分子量1400,PTMG−1と略
す)とを表1に示す組成で均一にブレンドした後、押出
機により混練,押出ししてペレットを製造した。このペ
レットを用い、射出成形機にて試験片を作成し、ASTM D
638に従い引張強度及び伸びを測定した。
結果を表1にまとめて示す。
比較例1 参考例IIで得たアミノ基変性PPS(PPS−II)のみを用
い実施例と同様の操作で混練,ペレット化,射出成形を
行い、得られた成形品を用いて引張強度,伸びの測定を
行ったところ、伸びは2.0%しか示さなかった。この様
に特定のポリアルキレングリコールを添加しないと伸び
が極めて小さいことがわかる。
比較例2,3 官能基を導入していないPPS−Iと末端エポキシ変性
ポリエチレングリコール(PEG−1)または末端カルボ
ン酸変性ポリエチレングリコール(PEG−3)とを実施
例と同様の操作で混練,ペレット化,射出成形を行い、
得られた成形品を用いて引張強度,伸びの測定を行った
ところ、実施例に比べ低い伸びしか示さなかった。この
様に官能基を導入していないPPSとポリアルキレングリ
コールをブレンドしても伸びの増加が認められないこと
がわかる。
比較例4 参考例IIで得たアミノ基変性PPS(PPS−II)と、末端
エポキシ変性ではあるが平均分子量が400と小さいポリ
エチレングリコール(エポライト400E;共栄社油脂製,PE
G−4と略す)を実施例1と同様の操作で混練,ペレッ
ト化,射出成形を行い、得られた成形品を用いて引張強
度,伸びを測定した。その結果、実施例1に比べ伸びの
小さなPPS組成物しか得られず、ポリエチレングリコー
ルの分子量が小さいと伸びの増加が認められないことが
わかる。
比較例5 参考例IIで得られたアミノ基変性PPS(PPS−II)と末
端未変性ポリエチレングリコール(平均分子量1000,PEG
−5と略す)とを実施例と同様の操作で混練,ペレット
化,射出成形を行い、得られた成形品を用いて引張強
度,伸びを測定した。その結果、実施例1に比べ伸びの
小さなPPS組成物しか得られず、官能基を導入していな
いポリエチレングリコールを用いると伸びの増加が認め
られないことがわかる。
実施例10 参考例IIで得られたアミノ基変性PPS(PPS−II)85重
量%、PEG−2 5wt%、ガラス繊維(直径11μm,長さ3mm
のチョップドストランド)10重量%を均一にブレンドし
た後、押出機により混練,押出してペレットを製造し
た。このペレットを用い、射出成形機にて試験片を作成
し、ASTM D638に従い引張強度及び伸びを、ASTM D648に
従い18.6kg荷重にて熱変形温度を測定したところ、引張
強度840kg/cm2,伸び9.2%,熱変形温度220℃であり、
強度,伸びに優れ、さらに耐熱性にも優れた組成物が得
られた。
比較例6 参考例Iで得られたPPS(PPS−I)90重量%、ガラス
繊維10重量%を実施例10と同様の操作でペレット化し、
物性を測定した。その結果、引張強度,伸び,熱変形温
度はそれぞれ710kg/cm2,1.5%,155℃であり実施例10よ
りいずれも劣るものであった。
比較例7 参考例Iで得られたPPS(PPS−I)85重量%、エチレ
ン−グリシジルメタクリレート共重合体(ボンドファー
スト−E;住友化学製)5重量%、ガラス繊維10重量%を
実施例10と同様の操作でペレット化し、物性を測定し
た。その結果、引張強度,伸び,熱変形温度はそれぞれ
830kg/cm2,4.2%,140℃であり、実施例10に比べ引張強
度は同等であるが、伸び及び熱変形温度は劣っているこ
とがわかる。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、特定の官能基を有す
るPPSと特定のポリアルキレングリコールからなる組成
物は、従来のPPSの欠点であった脆さを改善し、伸びが
非常に大きく、さらに繊維補強材充てん系における耐熱
性に優れていることから電気,電子部品や自動車部品と
しての要求特性を満足させる性能を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/02 C08L 71/00 - 71/02 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】−NR2,−COOR,−OR (ここでRは水素、炭素数1〜6の有機基又はアルカリ
    金属から選ばれ、同じであっても異っていてもよい) から選ばれた少なくとも1種類の官能基を有するポリフ
    ェニレンスルフィド70〜99重量%、下記式(I)で示さ
    れるポリアルキレングリコール1〜30重量% R′O−R″mO−X]n (I) (式中R′はn=1の時X、n≧2の時炭素数1〜6の
    アルキル基であり、R″は炭素数2〜6のアルキレン
    基、Xはエポキシ基,酸無水物基,カルボキシル基から
    選ばれた少なくとも1つを含有する炭素数1〜10の有機
    基であり、mは15〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数
    を表わす) からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
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