JP2782751B2 - アロイ樹脂組成物 - Google Patents

アロイ樹脂組成物

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は熱安定性及び成形品の表面劣化の改善された
ポリフェニレンスルフィド/ポリフェニレンスルフィド
ケトン−アロイ樹脂組成物、詳しくは特定の安定剤を含
有することによって成形加工時の熱安定性や、成形品の
表面劣化に伴う接着性の低下が著しく改善されたポリフ
ェニレンスルフィド/ポリフェニレンスルフェドケトン
−アロイ樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPSと略) はガラス転移点88℃、結晶融点281℃という物性を持
ち、耐熱性、難燃性、耐薬品性に優れ、かつ熱可塑性で
あるため電気・電子、自動車等幅広い分野へ使用されて
いるエンジニアリングプラスチックの1つである。
しかし、近年エンジニアリングプラスチックに対する
要求特性は高度化し、例えばハンダ耐熱において使用を
制限される分野も出てきた。
従って構造を変化させたり、共重合等によって双方の
中間の耐熱性の得ようとする試みがなされているが、原
料の入手困難や結晶化度低下の問題を抱えている。特に
共重合においてはその共重合成分が30モル%以上となる
と結晶化度が低下し、結晶性ポリマーの特性を生かすこ
とが出来ない。
このようにPPSの持つ優れた特性を失わず、かつガラ
ス転移点、結晶融点を高めて耐熱性を改善した樹脂の開
発が望まれていた。本発明者らは先にPPSに耐熱性の高
いポリフェニレンスルフィドケトン (以下PPSKと略)を溶融混合し、アロイとすることによ
り第3成分を入れることなく容易にPPSの耐熱性の向上
が可能であることを見い出した。しかし、PPSKの高い結
晶融点352℃により、溶融混練温度が高く、アロイの製
造及び加工にあたってはその熱安定性、特に溶融時、架
橋反応による粘度変化が大きな問題となる。
これまで一般にポリアリ−レンスルフィド樹脂の熱安
定性を向上させるために、チオールを添加する方法(米
国特許第3386950号)、ヒドロキシ置換アミンを添加す
る方法(米国特許第3408342号)、有機ホスフィン酸、
ジオクチルホスファイト等を添加する方法(特開昭47−
1235号公報)、最近では米国特許第4412062号や特開昭6
3−159470号公報に示されているような環状リン化合物
を添加することが提案されてきた。
しかし、いずれの方法もPPSにおいてその効果が顕著
に現れたものであり350℃以上の高い加工温度を必要と
するPPS/PPSKアロイの製造にそのまま適用することは好
ましくない。安定剤の高温における分解によって、その
効果が減衰しコンパウド・成形時に溶融流れの変化を生
じたり、また分解ガスが原因となり成形品の機械強度の
低下、インサート成形品における金属腐食を促進するな
どの欠点を有していた。
またアニールにより成形品の結晶化度を向上させる事
がしばしばあるが、この際表面の劣化が起こり樹脂の接
着性低下の原因となっている。
[課題を解決するための手段] 本発明者は前記目的を達成するために検討を重ねた結
果、加熱重量減の少ないPPS及びPPSKに優れた耐熱性を
有する特定の安定剤を特定の割合で配合してなる組成物
は、これまでポリアリ−レンスルフィドで有効とされて
いた安定剤を配合した場合よりも成形加工時に良好な熱
安定性を示し、それに加えて成形後のアニール処理など
の熱処理における成形品の表面劣化を抑制できることを
見い出し本発明に至ったものである。
即ち、本発明は下記(a)及び(b) で示される繰り返し単位を70モル%以上含有し、ガラス
転移点Tg1,結晶融点Tm1であり、350℃で2時間加熱した
ときの重量減が0.5wt%未満であるポリフェニレンスル
フィド樹脂1〜70重量部 で示される繰り返し単位を70モル%以上含有し、ガラス
転移点Tg2,結晶融点Tm2であり、350℃で2時間加熱した
ときの重量減が0.5wt%未満であるポリフェニレンスル
フィドケトン樹脂30〜99重量部 からなる、ガラス転移点Tg(Tg1<Tg<Tg2)及び結晶
融点Tm(Tm1<Tm<Tm2)を持つようなポリフェニレンス
ルフィド/ポリフェニレンスルフェドケトン−アロイ10
0重量部に対し、熱天秤(空気中、10℃/分昇温)によ
る10%重量減温度が350℃以上であるような安定剤を0.0
1〜5重量部の割合で添加してなることを特徴とするポ
リフェニレンスルフィド/ポリフェニレンスルフィドケ
トン−アロイ樹脂組成物を提供することにある。
本発明で使用されるPPSは固体であり、少なくとも150
℃の結晶融点を有する。これは構造式 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましくは
90モル%以上含むものが好ましい。
このポリマーの具体的製造方法の代表例としてはハロ
ゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(例えば
米国特許第2513188、特公昭44−27671号公報又は特公昭
45−3368号公報)により得られる。また線状で比較的高
分子量の製造法としては例えば特公昭52−122405号公報
に記載の方法によって得られる。
また前記特公昭45−3368号公報記載の方法によって得
られた重合体は酸素雰囲気下において加熱、又は過酸化
物等を添加し加熱することにより重合度を上げることが
可能である。
重合反応によって得られたPPSは公知の回収法を用い
ることができ、例えば減圧蒸溜、フラッシュ法や水ある
いは有機溶剤による再沈澱、あるいはスラリーを濾過す
ることにより単離され、水や有機溶媒により洗浄後乾燥
する。
また、PPSはその繰返し単位の30モル%未満好ましく
は10モル%未満の共重合成分として ここでRはアルキル基、ニトロ基、フェニル基、アルコ
キシ基、アミノ基、シアノ基、カルボン酸基、またはカ
ルボン酸の金属塩を示す)、3官能結合 を含有していても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であ
れば構わない。PPSの溶融粘度はPPSKとの混練及び複合
材料の製造が可能であれば特に制限ないが、通常10〜1
0,000Poise(300℃)のものが使用される。
本発明で使用されるPPSKも固体であり、少なくとも15
0℃の結晶融点、好ましくはPPSの耐熱性向上という点か
らPPS以上の融点を有するものがよい。これは構造式 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましくは
90モル%以上含むものが好ましい。
このポリマーはPPS同様、ハロゲン置換芳香族化合物
と硫化アルカリとの反応[例えばインディアン ジャー
ナル オブ ケミストリー,21,501(1982)]により製
造することができる。また米国特許4716212号公報記載
によれば、得られた重合体は酸素雰囲気下において加熱
することにより重合度を上げることが可能である。
重合反応によって得られたPPSは公知の回収法を用い
ることができ、例えば減圧蒸溜、フラッシュ法や水ある
いは有機溶剤による再沈澱、あるいはスラリーを濾過す
ることにより単離され、水や有機溶媒により洗浄後乾燥
する。
また、PPSKもその繰返し単位の30モル%未満好ましく
は10モル%未満の共重合成分として ここでRはアルキル基、ニトロ基、フェニル基、アルコ
キシ基、アミノ基、シアノ基、カルボン酸基、またはカ
ルボン酸の金属塩を示す)、3官能結合 を含有していても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であ
れば構わない。PPSKの溶融粘度はPPSとの混練及び複合
材料の製造が可能であれば特に制限ないが、通常10〜1
0,000Poise(370℃)のものが使用される。本発明で使
用されるPPS及びPPSKは350℃で2時間加熱したときの重
量減が0.5wt%未満である。加熱重量減が0.5wt%以上で
あるようなオリゴマー及び不純物が多いPPSKを使用した
場合、分解発生ガスによる機械強度の低下及び腐蝕や成
形加工時における溶融流れの急激な変化を誘発する。本
来、重合後未処理のPPS及びPPSKの加熱重量減が0.5wt%
未満であるものが好ましいが、0.5wt%以上であるもの
であっても有機溶媒による洗浄や熱処理による架橋など
の後処理によって重量減が0.5wt%未満としたものを使
用することができる。
アロイは公知の種々の方法で製造可能である。原料の
樹脂は乾燥粉体のまま予めタンブラー又はヘンシルミキ
サーのような混合機で均一に混合したり、あるいはこれ
をさらに熱処理によって硬化を行ったものを用いる。こ
の様に調製した乾燥粉体またはペレットをブレンダー等
において混合しついで使用する樹脂が溶解するであろう
ような条件下に、押出し機またはその他の好適な混融装
置中において更に混合することによるような慣用方法に
よって製造する。
またその組成比は、PPS1〜70重量部に対してPPSK30〜
99重量部の量において組合わせる。
このように製造した組成物のガラス転移点Tg,結晶化
温度Tc,結晶融点TmはPPSとPPSKとの中間に位置する。
本発明のPPS/PPSKアロイ樹脂組成物は前記PPS/PPSKア
ロイ樹脂100重量部に対し、熱天秤(空気中、10℃/分
昇温)による10%重量減温度が350℃以上であるような
安定剤を0.01〜5重量部の割合で添加してなるものであ
る。
このような安定剤としては例えば特開昭62−45658に
例示されているような次式 (式中R1は炭素原子数4〜8の第3級アルキル基、R2
炭素原子数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を示
し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は炭素原子数1
〜5のアルキル基またはアルコキシ基を示し、R5,R6,
R7,R8,R9,R10は各々独立して水素原子又は炭素原子数1
〜5のアルキル基を示す。nは2以上で平均して75以
下)で示されるフェノール系安定剤が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、アミル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル等が挙げら
れ、アルコキシ基はこれらのアルキル基からのアルコキ
シ基及びアラルキルオキシ基が挙げられる。
その具体例としては次式アデカ・アーガス化学(株)
製Sample「AO−220」 が挙げられる。
前記安定剤の前記PPS/PPSKアロイ樹脂に対する添加量
は、PPS/PPSKアロイ樹脂100重量部に対し、通常、0.01
〜5重量部であり、好ましくは0.05〜2重量部である。
この添加量が0.01重量部未満の場合には、溶融時の安定
化が十分でないことがあり、一方、5重量部を越える場
合には機械的特性や、成形性が悪化することがある。
その他、本発明の組成物にはその効果を増大させるた
めの通常安定剤として公知であるフェノール系安定剤、
有機ホスファイト化合物、ヒンダードアミン系安定剤を
添加することができる。
以上のようにして得られた熱安定性のよいPPS/PPSKア
ロイ樹脂は、必要に応じてガラス繊維、炭素繊維、アル
ミナ繊維等のセラミック繊維、アラミド繊維、全芳香族
ポリエステル繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィス
カー等の補強用充てん剤や炭酸カリシウム、マイカ、タ
ルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリ
ン、クレー、パイロフェライト、ペントナイト、セリサ
イト、ゼオライト、ネファリンシナイト、アタパルジャ
イト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモ
ン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化
鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、
ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス等
の無機充填剤や有機、無機顔料を配合することもでき
る。
また、芳香族ヒドロキシ誘導体などの離型剤、シラン
系、チタネート系のカップリング剤、滑剤、耐侯性安定
剤、結晶核剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難
燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。
さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリスチレ
ン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロ
ン11、ナイロン46等のポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレー
ト等ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニ
レンスルフィドスルホン、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリアリルスルホン、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド
イミド、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂
などの単独重合体、ランダムまたはブロック、グラフト
共重合性の一種以上を混合して使用することもできる。
該添加物は組成物の形成前または形成中に樹脂に添加
し、あるいは組成物の形成後に、延いては組成物を融解
する際に添加することができる。
前記安定剤をPPS/PPSKアロイ樹脂に添加して本発明組
成物を製造する方法としては、公知の種々の方法で製造
可能である。アロイ製造時において原料の樹脂に安定剤
を乾燥粉体のまま予めタンブラー又はヘンシルミキサー
のような混合機で均一に混合し、ついで使用する樹脂が
融解するであろうような条件下に、押出し機またはその
他の好適な混融装置中において更に混合することによる
ような慣用方法によって製造する。また、安定剤を有機
溶媒に溶解あるいは、分散させて添加してもよい。また
特開昭59−213759に示されているように安定剤を溶媒回
収時に添加することにより樹脂の劣化を極力減少させる
ことも可能である。
この発明の方法によって得られたPPS/PPSKアロイ樹脂
組成物は通常射出成形によって種々の形状の成形体とし
て成形されるか、もしくは押出し成形によりパイプ、異
形押出品やTダイなどによりフィルム、シートなどにも
成形され使用される。
また、本発明における組成物の成形品はアニール処理
等の熱処理を行った際表面の劣化が少なく、例えばアニ
ール前後で樹脂の接着性の変化が従来に比べて少なくす
ることができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により本発明の実施について更
に詳しく説明するがそれらは本発明の範囲をなんら制限
するものではない。
溶融粘度は島津製作所製高化式フロテスター(ダイ
ス;φ=1.0mm,L=2mm、荷重;10kg)を用いて任意の温
度で測定した値である。また熱安定性の評価も高化式フ
ロテスターを用いて行った。その具体的な方法としては
融点+30℃における溶融粘度(ダイス;φ=0.5mm,L=2
mm、荷重;50kg)の時間変化(加熱時間5分及び15分)
を測定した。
PPS及びPPSKの加熱重量減少はオーブン中350℃で2時
間加熱したときの重量変化を測定した。
また、安定剤の熱分解温度の測定は、セイコー電子工
業(株)製TG/DTA200を用いて、10℃/分,Air中の条件
で行った。
参考例1 撹拌機を装備する内容積15のオートクレーブにN−
メチル−2−ピロリドン 5000ml、硫化ナトリウム(Na
2S・60.4wt%)2688g(20.84モル)を仕込み、撹はん下
加熱し、内温が205℃に到達するまで脱水を行った。こ
の際、594gの主として水からなる留出液が留去した。次
いで、p−ジクロロベンゼン(3080g 20.95モル)とN
−メチル−2−ピロリドン 2000mlを添加し撹はん下25
0℃で3時間反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、遠心分離機でろ過し、
ポリマーとろ液を分離した。
ポリマーは水7とともに180℃で洗浄し、遠心分離
機でろ過し、ポリマーと水を分離した。
次に、100℃で1晩乾燥し、2140gのPPSを得た。(収
率94.4%) Tg 87℃、Tm 279℃であった。
またこのポリマーの溶融粘度を高化式フロテスター
(ダイス;φ=0.5mm,L=2mm)を使用し300℃、10kg荷
重で測定したところ252Poiseであった。
また、得られたポリマーの350℃2時間における重量
減少は0.42wt%であった。
参考例2 p−シクロロベンゼンの使用量を3142g(21.38モル)
とした以外は参考例1と同様に反応を行った。1124g
(収率99%)のPPSを得た。高化式フロテスターを用い
て測定した溶融粘度(300℃)は21Poiseであった。ま
た、得られたポリマーの350℃2時間における重量減少
は0.63wt%であった。
参考例3 撹拌機を装備する内容積15のオートクレーブにN−
メチル−2−ピロリドン 7000ml、硫化ナトリウム(Na
2S・60.4wt%)678g(5.26モル)、4,4′−ジクロロベ
ンゾフェノン1325g(5.28モル)を仕込み撹はん下150℃
で3時間、さらに260℃で3時間反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、遠心分離機でろ過し、
ポリマーとろ液を分離した。
ポリマーは水7とともに180℃で洗浄し、遠心分離
機でろ過し、ポリマーと水を分離した。
次に、100℃で1晩乾燥し、1075g(収率96%)のPPSK
を得た。DSCの測定より、このポリマーの融点は350℃、
ガラス転移点137℃であった。還元粘度は[η]=0.76
(H2SO4,0.5g/dl,30℃)であった。高化式フロテスター
を用いて測定した溶融粘度(370℃)は2732Poiseであっ
た。また、得られたポリマーの350℃2時間における重
量減少は0.27wt%であった。
参考例4 4,4′−ジクロロベンゾフェノンの使用量を1346g(5.
36モル)とした以外は参考例1と同様に反応を行った。
1124g(収率99%)のPPSKを得た。還元粘度は[η]=
0.20(H2SO4,0.5g/dl,30℃)であった。高化式フロテス
ターを用いて測定した溶融粘度(370℃)は35Poiseであ
った。また、得られたポリマーの350℃2時間における
重量減少は0.55wt%であった。
比較例1 参考例1,3で得られたPPS 75g、PPSK 75gを東洋精機
製ラボプラストミルを用いて370℃で5分間混練した。
この様に溶融加工した樹脂組成物のガラス転移点Tg,
融点TmをDSC(昇温速度:10℃/min)で測定したが、樹脂
混合物にもかかわらずTg,Tmとも1つずつしか観測され
なかった。Tgは115℃、Tmは299℃であった。
この組成物の溶融粘度を高化式フロテスター(ダイ
ス;φ=0.5mm,L=2mm)を使用し319℃、10kg荷重で測
定したところ1174Poiseであった。
このアロイの加熱時間5分及び15分における溶融粘度
の時間変化を測定した。その結果を第1表に示す。
実施例1 比較例1においてアロイを製造する際アデカ・アーガ
ス化学(株)製Sample「AO−220」(10%重量減少温度3
64℃)を0.3wt%添加し、加熱時間5分及び15分におけ
る溶融粘度の時間変化を測定した。その結果を第1表に
示す。
この配合比の組成物(参考例1で得られたPPS 1,000
g,参考例3で得られたPPSK 1,000g,AO−220 6g)とガ
ラス繊維(チョップドストランド)600gとを混合し、2
軸押出し機でコンパウンドさらに射出成形を行った。こ
の成形品の主な機械物性は第2表に示した通りである。
比較例2 比較例1においてアロイを製造する際アデカ・アーガ
ス化学(株)製MARK PEP−36[化学名 ビス(2、6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリス
リトール−ジ−ホスファイト](10%重量減少温度274
℃)を0.3wt%添加し、加熱時間5分及び15分における
溶融粘度の時間変化を測定した。その結果を第1表に示
す。
比較例3 比較例1においてアロイを製造する際アデカ・アーガ
ス化学(株)製MARK AO−60[化学名 テトラキス−
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]メタン](10
%重量減少温度341℃)を0.3wt%添加し、加熱時間5分
及び15分における溶融粘度の時間変化を測定した。その
結果を第1表に示す。
比較例4 参考例2,4で得られたPPS及びPPSKを使用した以外は実
施例1と同様に「AO−220」添加し、溶融粘度の時間変
化を測定した。その結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1で得られた成形品を250℃で2時間アニール
し、チバガイギー社製2液性エポキシ系接着剤アラルダ
イトAV138/HV998で接着し、1昼夜放置した。アニール
前後の接着強さの変化は第3表に示した通りである。
比較例5 比較例1における配合比の組成物(参考例1で得られ
たPPS 1,000g,参考例3で得られたPPSK 1,000g)とガ
ラス繊維(チョップドストランド)600gとを混合し、2
軸押出し機でコンパウンドさらに射出成形を行った。こ
の成形品のアニール前後の接着強さの変化を実施例2と
同様の方法で測定した。その結果を第3表に示す。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように本発明によれば、本来
優れた耐熱性、難燃性、耐溶剤性、機械的性質を有する
ポリフェニレンスルフィド/ポリフェニレンスルフィド
ケトン−アロイの熱安定性を向上させるだけでなく、ア
ニール後の成形品接着性低下などの問題が改善でき、よ
り幅広い分野への応用を可能とするすることが期待さ
れ、その工業的価値は高い。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)及び(b) で示される繰り返し単位を70モル%以上含有し、ガラス
    転移点Tg1,結晶融点Tm1であり、350℃で2時間加熱した
    ときの重量減が0.5wt%未満であるポリフェニレンスル
    フィド樹脂1〜70重量部 で示される繰り返し単位を70モル%以上含有し、ガラス
    転移点Tg2,結晶融点Tm2であり、350℃で2時間加熱した
    ときの重量減が0.5wt%未満であるポリフェニレンスル
    フィドケトン樹脂30〜99重量部 からなる、ガラス転移点Tg(Tg1<Tg<Tg2)及び結晶融
    点Tm(Tm1<Tm<Tm2)を持つようなポリフェニレンスル
    フィド/ポリフェニレンスルフィドケトン−アロイ100
    重量部に対し、熱天秤(空気中、10℃/分昇温)による
    10%重量減温度が350℃以上であるような安定剤を0.01
    〜5重量部の割合で添加してなることを特徴とするポリ
    フェニレンスルフィド/ポリフェニレンスルフィドケト
    ン−アロイ樹脂組成物。
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