JP4476372B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、色調安定性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法に関し、さらに詳しくは、色ムラ、褐色の色斑、ロットごとの色調のバラツキなどが抑制されたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法に関する。また、本発明は、このような色調安定性に優れた成形品を与えることができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂と略記)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PAS樹脂と略記)は、耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、機械的物性等に優れたエンジニアリングプラスチックであり、電気・電子機器部品、精密機械部品、自動車部品、化学機器部品などとして用途が広がっている。PAS樹脂は、熱可塑性樹脂であるため、単体で、あるいはガラス繊維などの各種充填剤等を加えた樹脂組成物として、射出成形、押出成形、圧縮成形などの一般的溶融加工法により、各種成形品に溶融成形することができる。
【0003】
しかしながら、PAS樹脂は、成形品の色調のバラツキが大きいという問題がある。従前の架橋タイプのPPS樹脂(例えば、特公昭45−3368号公報)は、成形用途に適用するには、重合により得られた比較的低分子量のPPS樹脂を酸素の存在下で熱処理して、架橋(キュアー)させることにより高分子量化する必要があった。ところが、架橋タイプのPPS樹脂は、この熱処理の結果、濃い茶褐色に着色してしまい、所望の色調に調色することができなかった。これに対して、近年、直鎖状で高分子量のPPS樹脂の製造方法が開発され(例えば、特公昭52−12240号、特公昭63−33775号公報)、重合後に、成形用途に適用可能な高分子量で白色のPPS樹脂を得ることが可能となった。
【0004】
しかしながら、このような直鎖状PPS樹脂も、280〜350℃という高温での加工温度で溶融成形されると、樹脂の部分的な分解や化学的な変性、不純物の分解などが生じて、着色するという問題があった。しかも、PPS樹脂成形品の色調は、成形条件の僅かの差異によっても、バラツキが大きく、ロットごとに成形品の色調が異なってしまうという問題がある。また、PPS樹脂成形品は、部分的な着色による色ムラや色斑が生じやすい。このような問題は、PPS樹脂だけではなく、主鎖に硫黄原子を有するPAS樹脂に共通するものであった。したがって、PAS樹脂成形品の商品価値を保持するために、色調安定性に優れたPAS樹脂成形品を製造するために、種々の検討が加えられてきた。
【0005】
従来、PAS樹脂の溶融成形時における色相の安定化を図るために、亜リン酸エステル、フェノール誘導体、アミン誘導体、チオリン酸エステルなどの各種安定剤を添加する方法が提案されているが(特開昭59−213759号公報、米国特許第4,421,062号)、これらの安定剤の多くは、PAS樹脂の加工温度条件下で変質したり、揮散したりしやすく、また、PAS樹脂との相溶性に乏しいためブリードアウトを起こしやすい。
また、顔料や染料などの着色剤を添加することにより、PAS樹脂の調色と色調の安定化を図ることが試みられているが、着色剤の使用によっては、PAS樹脂成形品の色調のバラツキを隠蔽することが困難である。しかも、着色剤の多くは、PAS樹脂の加工温度条件に耐えることができず、溶融成形時に分解して色ムラを生じたり、不純物や分解異物の原因になりやすいという問題があった。
【0006】
従来より、重合後にPAS樹脂を水洗、酸処理、有機溶剤での抽出処理などの後処理を施すことにより、反応副生物や不純物、オリゴマーなどを除去することが行われている。このような洗浄・抽出処理により、淡色で色調が良好なPAS樹脂を得ることができるが、溶融成形すると、成形品に色調のバラツキや色斑が生じやすいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色ムラ、褐色の色斑、ロットごとの色調のバラツキなどが抑制された色調安定性ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、このような色調安定性に優れた成形品を与えることができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、アセトン/水(容量比=1:2)混合溶媒中で測定したpHが5.5〜8.8の範囲内にあるPAS樹脂またはPAS樹脂組成物を用いることにより、高温での溶融成形後にも色調安定性に優れた成形品の得られることを見いだした。また、PAS樹脂として、pHが5.0以下のPAS樹脂とpHが7.1以上のPAS樹脂とを含有する樹脂組成物を用いると、PAS樹脂組成物のpHを前記限定された範囲内に調整することが容易になり、成形品の色調安定性を高めることができるとともに、溶融粘度、溶融結晶化温度、引張強度などの諸特性のバランスを良好なものとすることができる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融成形してポリアリーレンスルフィド樹脂成形品を製造する方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が、アセトン/水(容量比=1:2)混合溶媒中で測定したpHの異なる少なくとも2種のポリアリーレンスルフィド樹脂として、pHが5.0以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)5〜95重量%と、pHが7.1以上のポリアリーレンスルフィド樹脂(b)95〜5重量%とを含有するもの(ただし、(b)100重量部に対して、(a)20〜400重量部を含有するものを除く)であって、かつ、該樹脂組成物のpHが5.5〜8.8の範囲内にあるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を用いることを特徴とする色調安定性ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、アセトン/水(容量比=1:2)混合溶媒中で測定したpHが5.0以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)5〜95重量%と、pHが7.1以上のポリアリーレンスルフィド樹脂(b)95〜5重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、(b)100重量部に対して、(a)20〜400重量部を含有する樹脂組成物を除く)であって、かつ、該樹脂組成物のpHが5.5〜8.8の範囲内にあるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
ポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS樹脂)
本発明で使用するPAS樹脂とは、構造式[−Ar−S−](ただし、−Ar−は、アリーレン基である。)で表されるアリーレンスルフィドの繰り返し単位を主たる構成要素とする芳香族ポリマーである。[−Ar−S−]を1モル(基本モル)と定義すると、本発明で使用するPAS樹脂は、この繰り返し単位を通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有するポリマーである。
アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換基は、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基である。)、p,p′−ジフェニレンスルホン基、p,p′−ビフェニレン基、p,p′−ジフェニレンカルボニル基、ナフチレン基などを挙げることができる。PAS樹脂としては、主として同一のアリーレン基を有するポリマーを好ましく用いることができるが、加工性や耐熱性の観点から、2種以上のアリーレン基を含んだコポリマーを用いることもできる。
【0010】
これらのPAS樹脂の中でも、p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を主構成要素とするPPS樹脂が、加工性に優れ、しかも工業的に入手が容易であることから特に好ましい。この他に、PAS樹脂として、ポリアリーレンケトンスルフィド、ポリアリーレンケトンケトンスルフィドなどを挙げることができる。コポリマーの具体例としては、p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位とm−フェニレンスルフィドの繰り返し単位とを有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンケトンスルフィドの繰り返し単位とを有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンケトンケトンスルフィドの繰り返し単位とを有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンスルホンスルフィドの繰り返し単位とを有するランダムまたはブロックコポリマーなどを挙げることができる。これらのPAS樹脂は、結晶性ポリマーであることが好ましい。PAS樹脂は、靭性や強度などの観点から、直鎖状ポリマーであることが好ましい。
【0011】
このようなPAS樹脂は、極性溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロゲン置換芳香族化合物とを重合反応させる公知の方法(例えば、特公昭63−33775号公報)により得ることができる。
アルカリ金属硫化物としては、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムなどを挙げることができる。反応系中で、NaSHとNaOHを反応させることにより生成させた硫化ナトリウムも使用することができる。
ジハロゲン置換芳香族化合物としては、例えば、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、p−ジブロムベンゼン、2,6−ジクロロナフタリン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、4,4′−ジクロロビフェニル、3,5−ジクロロ安息香酸、p,p′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン、4,4′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルケトンなどを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
PAS樹脂に多少の分岐構造または架橋構造を導入するために、1分子当たり3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロゲン置換芳香族化合物を少量併用することができる。ポリハロゲン置換芳香族化合物としては、例えば、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,3−ジクロロ−5−ブロモベンゼンなどのトリハロゲン置換芳香族化合物、及びこれらのアルキル置換体を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、経済性、反応性、物性などの観点から、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、及び1,2,3−トリクロロベンゼンがより好ましい。
【0013】
極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン、テトラアルキル尿素、ヘキサアルキル燐酸トリアミドなどに代表されるアプロチック有機アミド溶媒が、反応系の安定性が高く、高分子量のポリマーが得やすいので好ましい。
本発明で使用するPAS樹脂は、温度310℃、剪断速度1200sec-1で測定した溶融粘度が、通常、10〜1,000Pa・s、好ましくは20〜800Pa・s、より好ましくは50〜500Pa・sである。PAS樹脂の溶融粘度は、小さすぎると成形品の機械的物性が不充分となり、大きすぎると射出成形性や押出成形性が低下する。
【0014】
本発明で使用するPAS樹脂またはPAS樹脂組成物は、アセトン/水(容量比=1:2)混合溶媒中で測定したpHが5.5〜8.8の範囲内にあるものである。PAS樹脂組成物とは、PAS樹脂にガラス繊維などの充填剤、その他の配合剤を加えた組成物である。pHが5.5未満のPAS樹脂またはPAS樹脂組成物を使用すると、280〜350℃の加工温度で溶融成形した場合、熱履歴の影響を強く受けて、成形品の色調が青白色から乳白色へと大きく変化し、商品価値が低下する。pHが8.8を超えるPAS樹脂またはPAS樹脂組成物を使用すると、溶融成形により、褐色の色斑が発生しやすくなり、均一な色調の成形品を得ることが困難になる。したがって、pHが小さすぎても、大きすぎても、ロットごとに成形品の色調のバラツキが発生しやすくなる。さらに、pHを前記限定された範囲内に調整することにより、PAS樹脂またはPAS樹脂組成物の溶融流動性及び機械的物性を良好なものとすることができる。
【0015】
PAS樹脂またはPAS樹脂組成物のpHを所望の範囲に調整する方法としては、重合によって得られたPAS樹脂を、(1)水、温水、または熱水による洗浄処理、(2)塩酸や酢酸などの酸または酸の水溶液で洗浄する酸処理、(3)塩化アンモニウムなどの塩の水溶液に浸漬処理する塩処理、(4)有機溶媒や水−有機溶媒混合液による洗浄処理等の処理を行う方法を挙げることができる。これらの処理は、2種以上を組み合わせて行ってもよい。
これらの処理には、利点と共に問題点もある。例えば、水、温水、または熱水による洗浄処理によれば、溶融結晶化温度が比較的低く、pHの高いPAS樹脂が得られやすい。酸処理や塩処理を行うと、溶融結晶化温度が比較的高く、色調も淡色のPAS樹脂が得られやすいが、PAS樹脂のpHが低くなりやすい。有機溶媒を用いた洗浄処理では、有機溶媒による環境問題や有機溶媒の回収などの問題があり、しかもpHの高いPAS樹脂が得られやすい。また、これらの処理を連続的に複数種組み合わせて適用しても、前記限定された範囲内にPAS樹脂のpHを再現性良く調整することが困難な場合が多い。
【0016】
そこで、本発明では、pHが異なる少なくとも2種のPAS樹脂を組み合わせて使用することにより、PAS樹脂組成物のpHを所望の範囲内に調整することが好ましい。具体例としては、pHが5.0以下のPAS樹脂(a)5〜95重量%と、pHが7.1以上のPAS樹脂(b)95〜5重量%とを組み合わせて使用すること(ただし、(b)100重量部に対して、(a)20〜400重量部を組み合わせて使用することを除く)により、PAS樹脂組成物のpHを5.5〜8.8の範囲内に調整する方法が挙げられる。各PAS樹脂(a)及び(b)は、それぞれ2種以上あってもよい。このようにpHが異なる2種以上のPAS樹脂を組み合わせて使用することにより、PAS樹脂組成物のpHの調整が容易になるとともに、溶融粘度、溶融結晶化温度、引張強度などの諸特性のバランスを良好なものとすることができる。
【0017】
pHが5.0以下、好ましくは4.5以下のPAS樹脂(a)は、PAS樹脂を酸処理や塩処理することによって調製することができる。pHが7.1以上、好ましくは7.2以上のPAS樹脂(b)は、PAS樹脂を水洗、温水洗、熱水洗、有機溶媒洗浄することによって調製することができる。PAS樹脂(a)5〜95重量%とPAS樹脂(b)95〜5重量%とをブレンドすること(ただし、(b)100重量部に対し、(a)20〜400重量部をブレンドすることを除く)により、PAS樹脂組成物のpHを所望の範囲内に調整する。各配合割合がこの範囲外であると、PAS樹脂組成物のpHを所望の範囲内に調整することが困難になる。PAS樹脂(a)とPAS樹脂(b)との間のpH値の差は、5.0以下であることが好ましい。両樹脂のpH値の差が大きすぎると、混合が不均一となりやすく、その結果、成形品の色調が安定せず、ロットごとの色調のバラツキが大きくなる傾向を示す。
【0018】
PAS樹脂(a)は、酸や塩による処理を受けて、溶融結晶化温度が高いものとなり、例えば、射出成形のサイクルを短縮することができる。しかし、PAS樹脂(a)単独では、pHが低すぎるため、射出成形などの溶融成形を行うと、成形品が青灰色となりやすい。PAS樹脂(b)は、水や温水などによる洗浄処理ではpHが高くなり、溶融結晶化温度が低くなりやすい。これら両樹脂をブレンドすると、色調安定性を得るのに適度なpH値に調整することができるとともに、溶融結晶化温度を適度の範囲に調整することができる。また、それぞれ溶融粘度が異なるPAS樹脂(a)及び(b)をブレンドすることにより、PAS樹脂組成物の溶融粘度を所望の範囲に調整することができる。同様に、両樹脂をブレンドすることにより、引張強度などの成形品の物性を所望の範囲に調整することができる。
【0019】
その他の成分
本発明では、必要に応じて、充填剤、他の合成樹脂、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、核剤、難燃剤、樹脂改良剤、カップリング剤、帯電防止剤、離型剤、可塑剤などを適宜添加することができる。これらの他の成分を含有するPAS樹脂組成物は、そのpHが5.5〜8.8の範囲内にあることが、色調安定性の観点から必要である。
【0020】
他の合成樹脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂が好ましく、その具体例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアルキルアクリレート、ABS樹脂、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機繊維状物;ステンレス、アルミニウム、チタン、鋼、真ちゅう等の金属繊維状物;ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの高融点の有機質繊維状物;等の繊維状充填剤が挙げられる。また、充填剤としては、例えば、マイカ、シリカ、タルク、アルミナ、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、フェライト、ガラス粉、酸化亜鉛、炭酸ニッケル、酸化鉄、石英粉末、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、クレー等の粉粒体状または板状の充填剤を挙げることができる。これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
これらの充填剤は、必要に応じて、集束剤または表面処理剤により処理されていてもよい。集束剤または表面処理剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能性化合物が挙げられる。これらの化合物は、充填剤に対して、予め表面処理または集束処理を施して用いるか、あるいは組成物の調整の際に同時に添加してもよい。
本発明では、特にガラス繊維などの充填剤を配合したPAS樹脂組成物を使用することが好ましい。充填剤は、PAS樹脂成分100重量部に対して、通常、0〜800重量部、好ましくは0〜500重量部、より好ましくは0〜300重量部の範囲で配合する。特に、充填剤として、ガラス繊維などの無機繊維状充填剤を配合すると、引張強度などの機械的物性に優れた樹脂組成物と成形品を得ることができる。
【0023】
PAS樹脂組成物
PAS樹脂組成物は、一般に合成樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調製することができる。例えば、各原料成分をヘンシェルミキサーやタンブラー等により予備混合し、必要があればガラス繊維等の充填剤を加えてさらに混合した後、1軸または2軸の押出機を使用して混練し、押し出して成型用ペレットとすることができる。必要成分の一部をマスターバッチとしてから残りの成分と混合する方法、また、各成分の分散性を高めるために、使用する原料の一部を粉砕し、粒径をそろえて混合し溶融押出することも可能である。
【0024】
成形法
本発明のPAS樹脂成形品は、pHが5.5〜8.8の範囲内にあるPAS樹脂組成物を用いて、射出成形や押出成形などの一般的溶融成形加工法により、各種形状の成形品、シート、フィルム、チューブなどの成形品に成形加工することができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、物性の測定方法は、以下に示すとおりである。
(1)溶融粘度
溶融粘度は、各サンプルについて、キャピログラフ1C(東洋精機社製)を用い、温度310℃、剪断速度1200sec-1の条件で測定した。
(2)溶融結晶化温度
溶融結晶化温度(Tc2)は、各サンプルについて、パーキンエルマー製の示差走査熱量計(DSC7)を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の速度で340℃まで昇温後、引き続き10℃/分の速度で50℃まで降温し、この降温時に現れる結晶化の発熱ピーク温度をチャートから読み取った。
(3)引張強度
各サンプルの引張強度は、ASTM D638に準拠し、測定温度23℃、標点間距離50mm、クロスヘッド速度5mm/分で測定した。
(4)pH
PAS樹脂20gに対し、アセトン50mlを添加して良く混合し、さらにイオン交換水100mlを加え、振盪機にて30分間振盪した後、上澄液60mlを分取し、そのpHを測定し、PAS樹脂のpHとした。PAS樹脂組成物については、各成分をヘンシェルミキサーで予備混合したもの20gを用いて、上記と同様の手順でそのpHを測定した。
(5)色調
PAS樹脂またはPAS樹脂組成物を射出成形して得られた成形品を目視にて観察し、その表面の色調安定性を評価した。
【0026】
[合成例1]
含水硫化ナトリウム(純度46.03重量%)373kgとN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記)880kgをチタン張り重合缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下で徐々に約203℃まで昇温しながら、水135kgを含むNMP溶液を溜出させた。次に、p−ジクロロベンゼン(以下、p−DCBと略記)297kgを仕込み、220℃で4.5時間重合を行った。さらに、水47.5kgを圧入した後、255℃に昇温して4時間重合を行った。反応終了後、冷却し、反応液を目開き0.1mmのスクリーンで篩別して、粒状ポリマーを分離した。粒状ポリマーをメタノール洗浄3回(固液比1/5)及び水洗(固液比1/5)5回行って、ポリマースラリーを得た。次に、2%の塩化アンモニウム水溶液中に浸漬して、40℃で30分間処理(固液比1/5)した後、水洗(固液比1/5)3回行い、乾燥してポリマー(PPS−1)を得た。得られたPPS−1の溶融粘度は55Pa・sで、そのpHは4.5、溶融結晶化温度は255℃であった。
【0027】
[合成例2]
含水硫化ナトリウム(純度46.4重量%)370kg及びNMP1100kgをチタン張り重合缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下で徐々に約203℃まで昇温しながら、水分を含むNMP溶液を溜出させた。次に、p−DCB311kgを仕込み、220℃で5時間重合を行った。さらに、水4.4kgを圧入した後、255℃に昇温して5時間重合を行った。反応終了後、冷却し、反応液を目開き0.1mmのスクリーンで篩別して粒状ポリマーを分離した。粒状ポリマーをメタノール洗浄3回(固液比1/5)及び水洗(固液比1/5)5回行ってポリマースラリーを得た。次に、1%の塩酸水溶液中に浸漬して、40℃で60分間処理(固液比1/5)した後、水洗(固液比1/5)3回行い、乾燥してポリマー(PPS−2)を得た。得られたPPS−2の溶融粘度は200Pa・sで、そのpHは4.7、溶融結晶化温度は240℃であった。
【0028】
[合成例3]
含水硫化ナトリウム(純度46.2重量%)370kg及びNMP880kgをチタン張り重合缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下で徐々に約200℃まで昇温して、水127kgを含むNMP溶液を溜出させた。次に、p−DCB283kgを加えて、210℃で9時間重合させた。次いで、水50kgを重合系に添加した後、窒素雰囲気下で昇温して、260℃で5時間重合した。反応終了後、冷却し、内容物を濾過し、脱イオン水洗浄(固液比1/5)を5回実施した後、100℃で3時間乾燥して、ポリマー(PPS−3)を得た。得られたPPS−3の溶融粘度は145Pa・sで、そのpHは7.2、溶融結晶化温度は206℃であった。
【0029】
[合成例4]
含水硫化ナトリウム(純度46.03重量%)373kg及びNMP800kgをチタン張り重合缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下で徐々に約203℃まで昇温しながら、水142kgを含むNMP溶液を溜出させた。次に、p−DCB325kg、1,2,4−トリクロルベンゼン0.372kgとNMP255kgとの混合溶液を供給して、220℃で5時間重合を行った。次いで、水97kgを圧入した後、255℃に昇温して5時間重合し、しかる後、245℃に降温して5.5時間重合を継続した。反応終了後、冷却し、内容物を濾過し、脱イオン水洗浄(固液比1/5)を3回実施した後、乾燥し、ポリマー(PAS−4)を得た。得られたPAS−4の溶融粘度は450Pa・sで、そのpHは9.1、溶融結晶化温度は179℃であった。
合成例1〜4で得られた各PPS樹脂の物性を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
[実施例1〜3、参考例1〜5、及び比較例1〜3]
合成例1〜4で得られた各PPS樹脂とガラスファイバー(市販のガラス繊維;径13μm、長さ3mm)を使用し、表2に示す配合処方によりPAS樹脂またはPAS樹脂組成物を準備した。PAS樹脂組成物は、所定量の各成分をヘンシェルミキサーにて5分間予備混合した。なお、ガラスファイバーを配合する場合には、ガラスファイバーを加えた後、2分間混合した。PAS樹脂及びPAS樹脂予備混合物を、シリンダー温度310℃の押出機に供給して、ペレットを作成した。各ペレットを射出成形機に供給して、シリンダー温度320℃、金型温度150℃で射出成形して試験片を得た。各物性の測定結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表2の結果から明らかなように、pHが5.5〜8.8の範囲内にあるPAS樹脂またはPAS樹脂組成物を用いて得られる成形品(実施例1〜3、参考例1〜5)は、いずれも淡黄色で色斑がなく、色調安定性に優れている。これに対して、pHが低すぎるPAS樹脂を用いた場合(比較例1)には、射出成形品の色が青灰色に変色し、溶融流れによる色斑も観察された。pHが高すぎるPAS樹脂またはPAS樹脂組成物を用いた場合(比較例2〜3)には、射出成形品が濃褐色に変色し、かつ、色斑が観察された。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、色ムラ、褐色の色斑、ロットごとの色調のバラツキなどが抑制されたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品が提供される。また、本発明によれば、色調安定性に優れた成形品を与えることができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。
Claims (3)
- ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融成形してポリアリーレンスルフィド樹脂成形品を製造する方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が、アセトン/水(容量比=1:2)混合溶媒中で測定したpHの異なる少なくとも2種のポリアリーレンスルフィド樹脂として、pHが5.0以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)5〜95重量%と、pHが7.1以上のポリアリーレンスルフィド樹脂(b)95〜5重量%とを含有するもの(ただし、(b)100重量部に対して、(a)20〜400重量部を含有するものを除く)であって、かつ、該樹脂組成物のpHが5.5〜8.8の範囲内にあるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を用いることを特徴とする色調安定性ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法。
- アセトン/水(容量比=1:2)混合溶媒中で測定したpHが5.0以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)5〜95重量%と、pHが7.1以上のポリアリーレンスルフィド樹脂(b)95〜5重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、(b)100重量部に対して、(a)20〜400重量部を含有する樹脂組成物を除く)であって、かつ、該樹脂組成物のpHが5.5〜8.8の範囲内にあるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 充填剤をさらに含有する請求項2記載の樹脂組成物。
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