JP3094963B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3094963B2 JP09221392A JP22139297A JP3094963B2 JP 3094963 B2 JP3094963 B2 JP 3094963B2 JP 09221392 A JP09221392 A JP 09221392A JP 22139297 A JP22139297 A JP 22139297A JP 3094963 B2 JP3094963 B2 JP 3094963B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリフェニレンスル
フィド(以下PPSと称する)部分とポリフェニレンス
ルフィドケトン(以後PPSKと称する)部分とからな
るブロック共重合体を必須成分として含み、従来のPP
S樹脂よりさらに耐熱性の向上した樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】PPS樹脂はすぐれた耐薬品性、耐熱
性、電気絶縁性などエンジニアリングプラスチックとし
てすぐれた性質を有しており、射出成形用を中心として
各種用途に使用されている。
【0003】一般に、電子部品、例えばIC、トランジ
スター、抵抗あるいはコンデンサーは、電気絶縁性の保
持、機械的保護、外部雰囲気による特性変化の防止など
の目的でエポキシ樹脂などの合成樹脂で被覆または封止
することが広く行われている。
【0004】PPS樹脂が上記のごとくすぐれた性質を
有するため、近年電子部品類の封止剤の分野への適用が
期待されている。これに対し、最近ICの高集積化や回
路の表面実装化が急速に進められ、封止剤に対して耐半
田性などの耐熱性のより一層の向上が要求されている。
【0005】この要求に対して、PPS樹脂よりさらに
耐熱性を有するポリマをブレンドすることにより、高耐
熱性のPPS樹脂組成物を得る試みがなされており、例
えば、特開昭53−73228号公報にポリイミド樹脂
を配合する方法、特開昭56−45506号公報にポリ
アミドイミド樹脂を配合する方法、および、特開昭63
−35653号公報にポリパラバン酸を配合する方法な
どが開示されている。
【0006】一方、PPSのブロック共重合体として
は、特開昭61−14228号公報にポリm−フェニレ
ンスルフィドとのブロック共重合体、特開昭61−22
5218号公報にポリスルホンとのブロック共重合体、
および特開昭62−205157号公報にポリフェニレ
ンスルフィドスルホンとのブロック共重合体が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭53−73228号公報、特開昭56−45506
号公報および特開昭63−35653号公報に記載の方
法では樹脂同士のなじみが悪く、相溶性が不十分で、耐
熱性の向上はほとんどなく、実用にはほど遠いというべ
きものであった。
【0008】一方、特開昭61−14228号公報、特
開昭61−225218号公報および特開昭62−20
5157号公報に開示されている方法は、いずれも非晶
性のポリマをブロックでPPSに導入することにより、
PPS樹脂の脆さを改善しようとするもので、PPS樹
脂の耐熱性をあげることに関しては全く効果がなかっ
た。
【0009】よって本発明は通常のPPS樹脂よりもさ
らに耐熱性を有する樹脂組成物を得ることを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1)ポリフェニレンスルフィド部分とポリフェニレン
スルフィドケトン部分からなるブロック共重合体と下記
(A)および/または(B)とからなる樹脂組成物。
【0011】(A)ポリフェニレンスルフィドおよび/
またはポリフェニレンスルフィドケトン (B)繊維状および/または粒状の強化剤、および (2)ブロック共重合体がポリフェニレンスルフィド部
分とポリフェニレンスルフィドケトン部分とからなり、
372℃におけるメルトフローレートが1〜1,000
の範囲にあるブロック共重合体である上記(1)記載の
樹脂組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いるブロック共重合体
を構成するPPS部分は一般式
【化1】 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましく
は90モル%以上を含む重合体であり、上記繰返し単位
が70モル%未満ではすぐれた特性のブロック共重合体
は得難い。
【0013】また、上記PPS部分はその繰返し単位の
30モル%未満を下記の構造式を有する繰返し単位等で構
成することが可能である。
【0014】
【化2】 一方、本発明で用いるブロック共重合体を構成するPP
SK部分は一般式
【化3】 で表わされる繰返し単位を70モル%以上、より好まし
くは90モル%以上含む重合体であり、上記繰返し単位
が70モル%未満ではすぐれた特性のブロック共重合体
は得難い。
【0015】また、上記PPSK部分はその繰返し単位
の30モル%未満を下記の構造式を有する繰返し単位等で
構成することが可能である。
【0016】
【化4】 本発明で用いるブロック共重合体のPPS部分とPPS
K部分の繰返し単位でみたモル比率は任意である。この
ブロック共重合体は372℃におけるメルトフローレー
トが1〜1,000(g/10分)の範囲のものである
ことが好ましい。通常、本発明で用いるブロック共重合
体はガラス転移温度(Tg)が70〜150℃、結晶融
点(Tm)が260〜370℃のものである。
【0017】Tg、Tmは溶融状態から急冷した実質的
に非結晶状態にある試料約10mgをパーキンエルマー
社製示差走査型熱量計(DSCI)を用いて、窒素雰囲
気下、昇温速度20℃/分で測定した場合の各々クニッ
クおよび融解ピークを示す温度で表われる。
【0018】本発明で用いるブロック共重合体は、PP
S部分およびPPSK部分各ブロックの形成および両ブ
ロックの結合が可能なかぎり任意の方法によって製造す
ることができる。
【0019】具体的な製造方法としては、一方のブロッ
クを形成させてからそこで他方のブロックを形成させて
両ブロックの結合を同時に行う方法、および両ブロック
をそれぞれ形成させておいてから結合させる方法などが
挙げられる。
【0020】このようにブロックの形成および結合なら
びに繰返し単位の種類に配慮することを除けば、本発明
のブロック共重合体の製造方法は従来のPPSおよびP
PSKの製造方法(特公昭45−3368号公報、特公
昭52−12240号公報および特開昭63−1130
20号公報など)と本質的には異ならない。
【0021】すなわち、本発明で用いるブロック共重合
体の製造方法は、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化
合物との非プロトン性極性有機溶媒中での加熱による脱
塩縮合からなるものである。
【0022】ブロック共重合体の製造に用いるアルカリ
金属硫化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウムなどの硫化物が好ましく、反応性からナ
トリウムおよびリチウムの硫化物が特に好ましい。ま
た、このアルカリ金属硫化物は水硫化アルカリ金属と水
酸化アルカリ金属との反応によって得られたものでもよ
い。
【0023】次に非プロトン性極性有機溶媒としては、
反応温度および圧力において、実質的に液状であるもの
が好ましい。
【0024】具体的には、ホルムアミド、アセトアミ
ド、N−メチルアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N
−エチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−
メチル−ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホスホルア
ミド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンなどのアミド、尿素およびラクタム類、ス
ルホラン、ジメチルスルホランなどのスルホン類、ベン
ゾニトリル等のニトリル類、メチルフェニルケトンなど
のケトン類等およびこれらの混合物を挙げることができ
る。これらの溶媒のうちでは、アミド類、ラクタム類あ
るいはスルホン類が特に好ましい。
【0025】ブロック共重合体の製造に用いるジハロ芳
香族化合物のうち、PPS部分を形成させるべきジハロ
ベンゼンとしてはパラジクロルベンゼン、パラジブロム
ベンゼンなどが好ましく用いられ、PPSK部分を形成
させるべきジハロ芳香族ケトンとしては4,4´−ジク
ロルベンゾフェノンなどが好ましく用いられる。また、
上述のブロックを形成させるのに必要なジハロ芳香族化
合物と共に少量使用できるジハロ芳香族化合物としては
次のようなものが好ましい。
【0026】
【化5】 (上記式中XおよびYはハロゲン原子、R1およびR2
炭素数1〜20のアルキル基を示す) また、1,2,3−または1,2,4−トリハロベンゼ
ンのような3個以上のハロゲン基をもつ多官能化合物を
使用することができる。また、重合度を上げる目的でア
ルカリ金属カルボン酸塩などの重合触媒を用いてもよ
い。
【0027】上述の製造方法をさらに具体的に述べる。
【0028】[製造方法(I)]製造方法(I)はPP
S部分の繰返し単位
【化6】 のブロックを形成させてから、その場でPPSK部分の
繰返し単位
【化7】 の形成および結合を行なうことからなるものである。
【0029】原料であるアルカリ金属硫化物(結晶水を
含む)を有機溶媒中に仕込み、約200℃程度まで加熱
して水分を留出させ、反応系から水を除去する。その
後、ジハロベンゼンを通常0.95〜1.05/硫化物
(モル/モル)に相当する量を加えて、160〜300
℃に加熱して、重合反応を行なって、PPSを含んだ反
応混合液をつくる。所要時間は通常、0.5〜30時間
程度である。
【0030】一方、上記と同様にして原料アルカリ金属
硫化物を有機溶媒中で脱水した後、ジハロ芳香族ケトン
を通常0.95〜1.05/硫化物(モル/モル)に相
当する量を加えて未反応混合液をつくる。
【0031】この未反応混合液と上記PPSを含んだ反
応混合液とを所定の比に混合し、160〜300℃に加
熱して重合反応を行なうことにより、本発明のブロック
共重合体を得ることができる。
【0032】重合物は、通常、PPSの製造方法と同様
に、必要に応じて洗浄、濾別、乾燥することにより、粒
状もしくは粉状として回収することができる。
【0033】[製造方法(II)]製造方法(II)は製造
方法(I)とは逆に、まずPPSK部分のブロックを形
成させてから、その場でPPS部分の形成および結合を
行なうことからなるものである。
【0034】この方法では、製造方法(I)と同様にし
て、有機溶媒にアルカリ金属硫化物を仕込み、加熱脱水
し、ジハロ芳香族ケトンを通常0.95〜1.05/硫
化物(モル/モル)に相当する量を加えて、160〜3
00℃に加熱して、重合反応を行なって、PPSKを含
んだ反応混合液を作る。
【0035】一方、製造方法(I)と同様にして、有機
溶媒にアルカリ金属硫化物を仕込み、加熱脱水した後、
ジハロベンゼンを通常0.95〜1.05/硫化物(モ
ル/モル)に相当する量を加えて未反応混合液を作る。
【0036】この未反応混合液と上記PPSKを含んだ
反応混合液とを所定の比に混合し、160〜300℃に
加熱して重合反応を行なうことにより、本発明のブロッ
ク共重合体を得ることができる。ブロック共重合体の回
収および精製は製造方法(I)と同様にすればよい。
【0037】[製造方法(III )]製造方法(III )は
各ブロックを別途形成させておいて、両者を結合させる
ことからなるものである。
【0038】製造方法(I)の反応混合液と製造方法
(II)の反応混合液とを所定の比に混合し、160〜3
00℃に加熱して重合反応を行なうことにより、本発明
のブロック共重合体を得ることができる。
【0039】ブロック共重合体の回収および精製は製造
方法(I)と同様にすればよい。
【0040】本発明においては、上記のようなポリフェ
ニレンスルフィド部分とポリフェニレンスルフィドケト
ン部分からなるブロック共重合体と下記(A)および/
または(B)とを配合する。
【0041】(A)ポリフェニレンスルフィドおよび/
またはポリフェニレンスルフィドケトン (B)繊維状および/または粒状の強化剤 上記において(A)成分を配合する場合には、前記ブロ
ック共重合体1〜100重量部に対して、PPSを配合
する場合にはPPSを99重量部以下、PPSKを配合
する場合にはPPSKを99重量部以下含有せしめるの
が好ましい。
【0042】本発明で使用するポリフェニレンスルフィ
ド(以下PPSと称する)とは構造式
【化8】 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましく
は90モル%以上を含む重合体であり、上記繰返し単位
が70モル%未満では耐熱性が損なわれるため好ましく
ない。
【0043】PPSは一般に、特公昭45−3368号
公報で代表される製造法により得られる比較的分子量の
小さい重合体と、特公昭52−12240号公報で代表
される製造法により得られる本質的に線状で比較的高分
子量の重合体等があり、前記特公昭45−3368号公
報記載の方法で得られた重合体においては、重合後、酸
素雰囲気下において加熱することにより、あるいは過酸
化物等の架橋剤を添加して加熱することにより高重合度
化して用いることも可能であり、本発明においてはいか
なる方法により得られたPPSを用いることも可能であ
る。
【0044】また、PPSはその繰返し単位の30モル%
未満を下記の構造式を有する繰返し単位等で構成するこ
とが可能である。
【0045】
【化9】 本発明で用いられるPPSの溶融粘度は、ブロック共重
合体との混練が可能であれば特に制限はないが、通常1
00〜10,000ポイズ(320℃、剪断速度103
/秒)のものが使用される。
【0046】本発明で使用するPPSKとは、構造式
【化10】 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましく
は90モル%以上を含む重合体であり、上記繰返し単位
が70モル%未満では耐熱性が損なわれるため好ましく
ない。
【0047】本発明で用いるPPSKの製造方法は特開
昭63−113020号公報で代表される製造方法によ
り得られるが、本発明においてはいかなる方法により得
られたPPSKを用いることも可能である。
【0048】本発明で用いられるPPSKの溶融粘度
は、ブロック共重合体との混練が可能であれば特に制限
はないが、通常100〜10,000ポイズ(372
℃、剪断速度103 /秒)のものが使用される。
【0049】本発明で用いる繊維状および/または粒状
の強化剤を配合する場合には、樹脂成分の合計100重
量部に対して300重量部を越えない範囲で配合するこ
とが可能であり、通常10〜300重量部の範囲で配合
することにより強度、剛性、耐熱性、寸法安定性などの
向上をはかることが可能である。
【0050】かかる繊維状強化剤としては、ガラス繊
維、シラスガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、
セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊
維などの無機繊維および炭素繊維などが挙げられる。
【0051】また粒状の強化剤としては、ワラステナイ
ト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、タルク、
アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、塩化珪
素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン
などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、窒化ホウ素、炭化
珪素、サロヤン、シリカなどが挙げられ、これらは中空
であってもよい。これら強化剤は2種以上を併用するこ
とが可能であり、必要によりシラン系およびチタン系な
どのカップリング剤で予備処理して使用することができ
る。
【0052】また、本発明の樹脂組成物には、本発明の
効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、結晶核剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの通
常の添加剤および少量の他種ポリマを添加することがで
き、さらに、ブロック共重合体のPPS部分の架橋度を
制御する目的で、通常の過酸化剤および特開昭59−1
31650号公報に記載されているチオホスフィン酸金
属塩などの架橋促進剤または特開昭58−204045
号公報、特開昭58−204046号公報などに記載さ
れているジアルキル錫ジカルボキシレート、アミノトリ
アゾールなどの架橋防止剤を配合することも可能であ
る。
【0053】本発明の組成物の調製手段は特に制限はな
いが、樹脂成分と必要に応じて強化剤とを樹脂の融点以
上の温度で、押出機内で溶融混練後、ペレタイズする方
法が代表的である。
【0054】なお、溶融混練温度は280〜400℃が
好ましい。
【0055】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0056】
【実施例】
参考例1(PPSKの重合) オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モ
ル、結晶水40%を含む)およびN−メチル−2−ピロ
リドン(以下NMPと称する)7.9kgを仕込み、撹拌
しながら徐々に205℃まで昇温し、水1.36kgを含
む留出水約1.5リットルを除去した。残留物に4,4
´−ジクロルベンゾフェノン6.28kg(25モル)お
よびNMP6kgを加え、250℃で3時間加熱した。反
応生成物を70℃の温水で5回洗浄し、80℃で24時
間減圧乾燥して、粉末状PPSK約5.2kgを得た。
【0057】同様の操作を繰返し、以下に記載の実施例
に供した。
【0058】参考例2 オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モ
ル、結晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢
酸ナトリウム三水和物1.36kg(約10モル)および
NMP7.9kgを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃
まで昇温し、水1.36kgを含む留出水約1.5リット
ルを除去した。残留混合物に1,4−ジクロルベンゼン
3.75kg(25.5モル)およびNMP2kgを加え、
265℃で4時間加熱して、PPS反応混合液(A)を
調製し、これをオートクレーブから抜出して保存した。
同様の操作を繰返し以下の操作に供した。
【0059】オートクレーブに硫化ナトリウム3.26
kg(25モル、結晶水40%を含む)およびNMP7.
9kgを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温
し、水1.36kgを含む留出水約1.5リットルを除去
した。残留物に4,4´−ジクロルベンゾフェノン6.
28kg(25モル)およびNMPを加え、撹拌しながら
冷却して、未反応混合液(H)を調製し、オートクレー
ブから抜出して保存した。同様の操作を繰返し、以下に
記載の操作に供した。
【0060】オートクレーブに反応混合液(A)/未反
応混合液(H)をそれぞれ11.8kg/6.63kg、
8.45kg/11.1kg、5.07kg/15.5kgの比
率で仕込み250℃で3時間反応させた。反応終了後、
反応混合液を70℃の温水で5回洗浄し、80℃で24
時間減圧乾燥して、それぞれブロック共重合体(1−
1)、(1−2)および(1−3)を得た。
【0061】得られたブロック共重合体について、37
2℃におけるメルトフローレートを測定したところ、第
1表に記載した通りであった。
【0062】また、得られたブロック共重合体につい
て、高温プレスで融点より約30℃高い温度で溶融して
プレスし、水で急冷してフィルムを調製し、これをサン
プルとして、TgおよびTmを測定したところ、第1表
に記載した通りであった。
【0063】参考例3 参考例2と全く同じ方法でPPS反応液(A)を調製
し、これを70℃の温水で5回洗浄し、80℃で24時
間減圧乾燥した。溶融粘度約2,500ポアズ(320
℃、剪断速度1,000秒-1)の粉末状PPS(比−
)約2kgを得た。
【0064】このPPSのTgおよびTmを測定したと
ころ、第1表に記載した通りであった。
【0065】参考例4 オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モ
ル、結晶水40%を含む)およびNMP7.9kgを仕込
み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水1.3
6kgを含む留出水約1.5リットルを除去した。残留物
に4,4´−ジクロルベンゾフェノン6.28kg(25
モル)およびNMP6kgを加え、250℃で3時間加熱
し、PPSK反応混合液(B)を調製し、これをオート
クレーブから抜出して保存した。同様の操作を繰返し、
以下に記載の操作に供した。
【0066】オートクレーブに硫化ナトリウム3.26
kg(25モル、結晶水40%を含む)およびNMP7.
9kgを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温
し、水1.36kgを含む留出水約1.5リットルを除去
した。残留物に1,4−ジクロルベンゼン3.75kg
(25.5モル)およびNMP2kgを加え、撹拌しなが
ら冷却して未反応混合液(I)を調製し、オートクレー
ブから抜出して保存した。同様の操作を繰返し以下に記
載の操作に供した。
【0067】オートクレーブに反応混合液(B)/未反
応混合液(I)をそれぞれ15.5kg/4.68kg、1
1.1kg/7.80kg、6.63kg/10.9kgの比率
で仕込み、250℃で8時間反応させた。
【0068】反応終了後、参考例2と同様に洗浄、乾燥
してそれぞれブロック共重合体(2−1)、(2−2)
および(2−3)を得た。得られたブロック共重合体の
メルトフローレート、TgおよびTmは第1表に記載の
通りであった。
【0069】参考例5 参考例2および4で調製した反応混合液(A)および
(B)をそれぞれ11.8kg/6.63kg、8.45kg
/11.1kgおよび5.07kg/15.5kgの比率で仕
込み、250℃で20時間反応させた。反応終了後、実
施例1と同様に洗浄乾燥して、それぞれブロック共重合
体(3−1)、(3−2)および(3−3)を得た。
【0070】得られたブロック共重合体のメルトフロー
レート、TgおよびTmは第1表に記載の通りであっ
た。
【0071】参考例6 参考例2および4で調製した未反応混合液(H)および
(I)をそれぞれ11.1kg/7.80kg、15.5kg
/4.68kgの比率で仕込み、250℃で5時間反応さ
せた。反応終了後、反応液を参考例2と同様に洗浄、乾
燥してそれぞれランダム共重合体(比−2−1)、(
−2−2)を得た。得られたランダム共重合体を参考例
2と同様の方法で測定し、第1表に記載の結果を得た。
【0072】
【表1】 実施例1 参考例2で得たブロック共重合体(1−1)、(1−
2)および(1−3)にそれぞれガラスファイバー(3
mmチョップドファイバー)を第2表記載の割合で配合
し、300〜380℃に設定したスクリュー押出機によ
り溶融混練し、ペレタイズした。次にペレットを300
〜380℃に設定したスクリューインライン型射出成形
機に供給し、金型温度150℃の条件で試験片を成形し
た。
【0073】得られた試験片について測定した熱変形温
度(ASTM D−648)は第2表に記載の通りであ
り、熱変形温度が極めて高かった。
【0074】比較例1 参考例3で得られたPPS粉末をそのままおよび第2表
に記載の割合でガラス繊維を配合したものを実施例1と
同様の方法でペレタイズ、射出成形を行なった試験片に
ついて評価した熱変形温度は第2表に記載の通りであっ
た。
【0075】実施例2 参考例4で得られたブロック共重合体(2−2)を用
い、参考例3で得られたPPS粉末を第2表に記載の割
合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でペ
レタイズ、射出成形を行なった試験片について評価した
熱変形温度は第2表に記載の通りであった。
【0076】実施例3 参考例2で得たブロック共重合体(1−1)を用い、
考例3で得られたPPS粉末およびガラス繊維を第2表
に記載の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様
の方法でペレタイズ、射出成形を行なった試験片につい
て評価した熱変形温度は第2表に記載の通りであった。
【0077】本発明のブロック共重合体を配合していな
い比較例1に比べ、明らかに熱変形温度が高かった。
【0078】実施例4 参考例2で得られたブロック共重合体(1−2)を用
い、参考例1で得られたPPSK粉末を第2表に記載の
割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で
ペレタイズ、射出成形を行なった試験片について評価し
た熱変形温度は第2表に記載の通りであった。
【0079】比較例2 参考例6で得られたランダム共重合体(比−2−1)お
よび(比−2−2)を用い、参考例3で得られたPPS
粉末およびガラス繊維を第2表の割合でドライブレンド
した後、実施例1と同様の方法でペレタイズ、射出成形
を行なった試験片について評価した熱変形温度は第2表
に記載の通りであった。
【0080】実施例5 参考例4で得られたブロック共重合体(2−3)を用
い、参考例1で得られたPPSK粉末およびガラス繊維
を第2表に記載の割合でドライブレンドした後、実施例
1と同様の方法でペレタイズ、射出成形を行なった試験
片について評価した熱変形温度は第2表に記載の通りで
あった。
【0081】実施例6 参考例5で得たブロック共重合体(3−2)を用い、参
考例3で得たPPS粉末、参考例1で得たPPSK粉末
およびガラス繊維を第2表に記載の割合でドライブレン
ドした後、実施例1と同様の方法でペレタイズ、射出成
形を行なった試験片について評価した熱変形温度は第2
表に記載の通りであった。
【0082】比較例3 参考例3で得たPPS粉末、参考例1で得たPPSK粉
末およびガラス繊維を第2表に記載の割合でドライブレ
ンドした後、実施例1と同様の方法でペレタイズ、射出
成形を行なった試験片について評価した熱変形温度は第
2表に記載の通りであった。
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は従来のPPS樹脂
よりも耐熱性に優れたものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンスルフィド部分とポリフェ
    ニレンスルフィドケトン部分からなるブロック共重合体
    と下記(A)および/または(B)とからなる樹脂組成
    物。 (A)ポリフェニレンスルフィドおよび/またはポリフ
    ェニレンスルフィドケトン (B)繊維状および/または粒状の強化剤
  2. 【請求項2】ブロック共重合体がポリフェニレンスルフ
    ィド部分とポリフェニレンスルフィドケトン部分とから
    なり、372℃におけるメルトフローレートが1〜1,
    000の範囲にあるブロック共重合体である請求項1記
    載の樹脂組成物。
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