JP3024182B2 - 化粧シートおよびその製造方法 - Google Patents

化粧シートおよびその製造方法

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JP3024182B2 JP2213023A JP21302390A JP3024182B2 JP 3024182 B2 JP3024182 B2 JP 3024182B2 JP 2213023 A JP2213023 A JP 2213023A JP 21302390 A JP21302390 A JP 21302390A JP 3024182 B2 JP3024182 B2 JP 3024182B2
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一郎 川幡
剛史 俣野
恵嗣 花本
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、家屋、車輌、船舶の内装材や、家具、家電
製品キャビネットの装飾に使用する化粧シートと、その
製造方法に関する。
【従来の技術】
上記のような用途に使用する化粧シートは、プラスチ
ックの基材シートに絵柄を印刷したものや、建材用紙に
印刷を施し表面保護層を形成した、いわゆるプレコート
紙などが多い。在来のこの種の化粧シートは、意匠が平
面的におもしろみに乏しい。表面にエンボスを施した
り、表面保護層にツヤ消し材を含有させたりして、落着
いた雰囲気をもたせた化粧シートがあるが、質感に乏し
く、表面にツヤに変化がないから単調である。 透明な光沢インキと着色したツヤ消しインキとを組み
合わせて、視覚的に凹凸を表現するものもあるが、変化
に富む意匠を表現できない点で、大差がない。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面に光沢差をもたせた深みのある
美麗な外観の化粧シート、およびその製造方法を提供す
ることにある。
【課題を解決するための手段】
本発明の化粧シートは、図面に示すように、基材シー
ト(1)上に、着色全面印刷(2)もしくは絵柄印刷ま
たは金属薄膜の形成を行なった上に、透明な半ツヤ消し
樹脂の層(3)を全面に設け、その上に、透明なツヤ消
し樹脂の層(4)および透明な光沢樹脂の層(5)から
なるツヤ調整層のパターンを設けてなる。 所望により、全面印刷層(2)の上に、絵柄印刷層
(6)を設けてもよい。 ツヤ調整層の形成に使用するインキは、各種の熱可塑
性樹脂や硬化性樹脂をビヒクルに用いたものである。ビ
ヒクルとする熱可塑性樹脂の代表例はポリ塩化ビニルお
よび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体であり、肉盛り印
刷するときはゾル状態のものを使用するとよい。そのほ
かに、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリアミド、セ
ルロース系樹脂などを使用してもよい。熱硬化性樹脂と
しては、不飽和ポリエステル樹脂、スチレンにベンゾイ
ルパーオキシドとナフテン酸コバルトを添加した組成
物、メラミン樹脂、尿素樹脂およびアルキド樹脂の単独
または混合物にパラトルエンスルホン酸のような触媒を
加えたもの、エポキシ樹脂とポリアミド樹脂、ポリアミ
ンまたは酸無水物からなる熱硬化性組成物、アクリルポ
リオール、ポリエステルポリオールまたはポリエーテル
ポリオールとポリイソシアネートからなる組成物を使用
する。これらのビヒクルには、必要に応じて可塑剤、安
定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料、希釈剤を添加して
もよいことはもちろんである。 化粧シートの表面物性を向上させるという観点から
は、硬化性樹脂の中でも、とくに電離放射線硬化性樹脂
をビヒクルとして使用することが望ましい。電離放射線
硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシアクリレー
ト、ウレタンアクリレート、アクリル酸変性アルキッ
ド、アクリル変性ポリエステルなどをオリゴマーとし、
これに架橋構造の調整や粘度調整などを目的として、ネ
オペンチルグリコール−ジアクリレート、ペンタエリス
リトール−トリアクリレート、トリメチロールプロパン
−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−トリメ
タアクリレートなどのモノマーを配合したものが利用さ
れる。これらは電子線により十分に硬化可能であるが、
紫外線照射で硬化させる場合には、ベンゾイン系、アセ
トフェノン系、ベンジルケタール系、ケトン/アミン系
などの光重合開始剤を添加することが一般的である。 電離放射線は、電子線および紫外線が代表的である。
前者は各種の電子線加速機から放出され、50〜1000KeV
好ましくは100〜300KeV、の範囲のエネルギーをもつ電
子線が用いられ、後者は、高圧水銀灯、そのほかの紫外
線源から発するものを用いる。 上記インキは、適量のツヤ消し材を分散させて所望の
ツヤ消し度を与えて使用する。もちろん、ツヤ消し材を
全く含まないグロス(光沢)タイプのインキも併用する
ことがある。ツヤ消し材には、一般にマイカ、シリカ、
アルミナ、炭酸カルシウムなどの粉末や、ケイソウ土、
ケイ砂、シラスバルーン、あるいはウレタンエラストマ
ーなどの樹脂からなるバルーンを使用する。そのほか、
必要に応じて、上記のインキ中には、透明性を損なわな
い限度で、既知の染料や顔料を添加してもよい。 ツヤ調整層のパターンは、グラビア印刷法、スクリー
ン印刷法、オフセット印刷法など既知の印刷法で形成す
ればよく、全面印刷のツヤ調整層は、ロールコート法、
グラビアコート法、ナイフコート法など既知の塗布方法
で形成すればよい。 基材シートは従来と同様なもの、たとえばポリ塩化ビ
ニルやポリエチレンテレフタレートを代表とするプラス
チックのシートや、薄葉紙、リンター紙、チタン混抄紙
など紙類を使用すればよい。用途によっては、合成や鋼
板を使用してもよい。 着色全面印刷または絵柄印刷層は、通常の印刷インキ
を使用して既知の印刷手段で形成すればよく、アルミニ
ウム、クロム等の金属の蒸着を利用して形成してもよ
い。 上記した本発明の化粧シートの製造に当っては、透明
なツヤ調整層のパターンの見当あわせに困難がある。こ
の問題を解決した本発明の化粧シートの製造方法は、基
材シート上に、着色絵柄の印刷または金属薄膜の形成に
よる着色を施した上に、透明な半ツヤ消し樹脂の層を全
面に設け、その上に、透明なツヤ消し樹脂の層および透
明な光沢樹脂の層からなるツヤ調整層のパターンを印刷
により形成することからなる化粧シートの製造方法にお
いて、ツヤ調整層を印刷するインキに蛍光増白剤を添加
しておき、そのインキで試し刷りした基材シートの印刷
面に紫外線を照射してインキ層を発光させ、見当合わせ
をすることを特徴とする製造方法である。 ツヤ調整層のパターンを形成するためのインキに添加
する蛍光増白剤は、紫外線を吸収して蛍光を発する無色
の染料であって、いろいろなものが知られている。その
例をあげれば、ジアミノジフェニル系、イミダゾール
系、チアゾール系、オキサゾール系、クマリン系、カル
ボスチリル系、ナフタールイミド系、ピラゾロン系、ジ
ヒドロピリジン系のものである。蛍光増白剤の含有量
は、少なすぎると発光が弱くて見当あわせがしにくくな
るし、多すぎると昼光によっても発光してしまうので、
適量をえらぶ。適量は、一般にインキ組成物に対し0.01
〜0.1重量%の範囲とすることが好ましい。
【作 用】
本発明の化粧シートは、全面着色または絵柄のある上
に、全面に半ツヤ消しの樹脂層を設け、その上に、ツヤ
消し樹脂層・光沢樹脂層の2種からなるツヤ調整層のパ
ターンを設けることにより、変化に富む光沢差を利用し
た意匠を実現した。 本発明の製造方法は、透明であるため印刷された位置
を確認しにくいツヤ調整層のインキを、紫外線を照射し
て発光させることにより、見当あわせを容易に行なえる
ようにした。
【実施例】
下記のツヤ調整用インキを用意した。 (半ツヤ消しインキ) アクリルポリオール 30重量部 シリコーン 5重量部 イソシアネートプレポリマー 10重量部 マイクロシリカ 10重量部 添加剤 45重量部 (ツヤ消しインキ) アクリルポリオール 25重量部 シリコーン 3重量部 イソシアネートプレポリマー 7重量部 マイクロシリカ 30重量部 2,5−ビスチオフェン 0.03重量部 (蛍光増白剤) 添加剤 35重量部 (光沢インキ) アクリルポリオール 30重量部 シリコーン 5重量部 イソシアネートプレポリマー 30重量部 2,5−ビスチオフェン 0.03重量部 添加剤 35重量部 アクリル樹脂を混抄した坪量30Kg/m2の薄葉紙を基材
シートとし、その上に春材部と冬材部とからなる木目模
様をグラビア印刷し、ついで上記の半ツヤ消しインキを
ロールコーターでベタ印刷した。 その上に、上記のツヤ消しインキを木目模様の春材部
の内側に、それと同調したターンでグラビア印刷した。
見当あわせは、紫外線を照射して発光させながら行なっ
た。 光沢インキもこれと同様に、木目模様の冬材部と同調
するように見当あわせして、グラビア印刷した。 得られたシートに紫外線を照射して各ツヤ調整層、す
なわち半ツヤ消しインキ層、ツヤ消しインキ層および光
沢インキ層を硬化させて、天然木と同じ模様の本発明の
化粧シートを製造した。
【発明の効果】
本発明の化粧シートは、半ツヤ消し層(全面)と、ツ
ヤ消し層・光沢層(パターン)からなるツヤ調整層とが
もたらす複雑な光沢差があり、それが絵柄と組み合わさ
れて単調でなく味わいの深い意匠を有する。この化粧シ
ートを使用すれば、飽きのこない美麗な外観をもった内
装材や成形品が得られる。 本発明の製造方法によれば、ツヤ調整層のパターンの
見当あわせが容易に行なえ、所望の外観をもつ化粧シー
トを簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の化粧シートの代表的な態様を説明する
ため、模式的な断面図である。 1……基材シート 2……着色全面印刷 3……透明半ツヤ消し樹脂層(全面) 4……透明ツヤ消し樹脂層(パターン) 5……透明光沢樹脂層(パターン) 6……絵柄印刷層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−5786(JP,A) 特開 平2−128843(JP,A) 特開 昭63−137772(JP,A) 特公 昭50−39115(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シートに着色全面印刷もしくは絵柄印
    刷または金属薄膜の形成を行なった上に、透明な半ツヤ
    消し樹脂の層を全面に設け、その上に、透明なツヤ消し
    樹脂の層および透明な光沢樹脂の層からなるツヤ調整層
    のパターンを設けてなる化粧シート。
  2. 【請求項2】基材シートが絵柄印刷層を有し、ツヤ調整
    層のパターンがその絵柄に同調している請求項1の化粧
    シート。
  3. 【請求項3】基材シート上に、着色絵柄の印刷または金
    属薄膜の形成による着色を施した上に、透明な半ツヤ消
    し樹脂の層を全面に設け、その上に、透明なツヤ消し樹
    脂の層および透明な光沢樹脂の層からなるツヤ調整層の
    パターンを印刷により形成することからなる化粧シート
    の製造方法において、ツヤ調整層を印刷するインキに蛍
    光増白剤を添加しておき、そのインキで試し刷りした基
    材シートの印刷面に紫外線を照射してインキ層を発光さ
    せ、見当合わせをすることを特徴とする製造方法。
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