JP2003266611A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2003266611A
JP2003266611A JP2002070004A JP2002070004A JP2003266611A JP 2003266611 A JP2003266611 A JP 2003266611A JP 2002070004 A JP2002070004 A JP 2002070004A JP 2002070004 A JP2002070004 A JP 2002070004A JP 2003266611 A JP2003266611 A JP 2003266611A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面の艶状態の変化により視覚的に立体感や材
質感を表現した化粧材において、艶消印刷層の階調(調
子)表現力に優れ、白化や表面のざらつき感などの問題
もなく、艶消印刷インキの印刷適性にも優れると共に、
樹脂塗布量の少ないハイライト部でも耐摩耗性等の低下
が少ない化粧材を提供する。 【解決手段】基材1上に、透明樹脂層3と、透明樹脂ビ
ーズが添加されて少なくとも前記透明樹脂層よりも艶消
とされた、連続階調を有する透明艶消印刷層4とを、少
なくともこの順に設けてなる化粧材である。透明樹脂ビ
ーズとしては、平均粒径が15〜25μm、粒径分布が
最大粒径と最小粒径との差が40μm以上である真球状
透明アクリル樹脂ビーズを用いることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物に
おける壁材、天井材等の内装材や、扉等の建具、家具等
に使用するための化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】上記用途に供される化粧紙、化粧シー
ト、化粧板等の化粧材において、例えば天然木の無垢材
や突板等に匹敵する立体感や材質感を、エンボス加工に
よる凹凸付与によらずに、印刷のみによって表現可能な
技法として、印刷後の艶状態が互いに異なる複数種類の
印刷インキを用いて印刷することで、化粧材の表面の艶
状態を場所により異ならせ、この艶差により視覚的に立
体感や材質感を表現する技法は、既に広く知られている
(特開2001−157872号公報等参照)。
【0003】上記技法において、印刷インキの艶状態を
調整するための手段としては従来、艶消剤として例えば
シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機質微粉
末を添加するのが一般的である。しかし、これらの無機
質微粉末を用いた艶消印刷層は、艶消度を高めるために
無機質微粉末を大量に添加すると、艶消印刷層が白化傾
向となったり表面にざらつき感が生じたりして、意匠性
に劣るものとなるほか、印刷インキの流動性が低下する
ために、印刷時の版詰まりやスジ、ムラ等の原因ともな
り易い。
【0004】また、立体感や材質感をより自然に表現す
るために、連続階調を有する印刷版(調子版)を使用し
て、艶消印刷層に連続階調を持たせようとしても、着肉
量の変化によって表現可能な艶変化の範囲が狭いため、
意匠的にはあまり効果的ではない。連続階調の表現方法
としては、着肉量を変化させる替わりに、網点版を使用
して面積階調とする手法もあるが、無機質微粉末の添加
により流動性が低下した印刷インキでは、特にハイライ
ト部の細かい網点は殆ど印刷されず、やはり十分な意匠
効果を得ることができない。
【0005】さらに、上記のいずれの手法にしても、樹
脂塗布量の少ないハイライト部においては、耐摩耗性等
の表面物性にも劣り、摩耗等により艶消効果を容易に喪
失して意匠効果が減殺されるため、得られる化粧材の用
途が、例えば壁面や家具の側面等、比較的に要求物性が
あまり厳しくない用途に限定されるいう問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的とするところは、表面の艶状態の変
化により視覚的に立体感や材質感を表現した化粧材にお
いて、艶消印刷層の階調(調子)表現力に優れ、白化や
表面のざらつき感などの問題もなく、艶消印刷インキの
印刷適性にも優れると共に、樹脂塗布量の少ないハイラ
イト部でも耐摩耗性等の低下が少ない化粧材を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、基材
上に、透明樹脂層と、透明樹脂ビーズが添加されて少な
くとも前記透明樹脂層よりも艶消とされた、連続階調を
有する透明艶消印刷層とが、少なくともこの順に設けら
れてなることを特徴とするものである。
【0008】また、上記化粧材において、前記基材に絵
柄が付与されており、前記透明艶消印刷層は前記絵柄と
同調した模様状に設けられてなることを特徴とするもの
である。
【0009】また、上記化粧材において、前記透明樹脂
ビーズが真球状透明アクリル樹脂ビーズであることを特
徴とするものである。
【0010】また、上記化粧材において、前記透明樹脂
ビーズの粒径分布の累積高さ50%点で表される平均粒
径が15〜25μmであることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、上記化粧材において、前記透明樹脂
ビーズの粒径分布における最大粒径と最小粒径との差が
40μm以上であることを特徴とするものである。
【0012】また、上記化粧材において、前記透明樹脂
ビーズが、艶消性又は光拡散性を有しない透明合成樹脂
に対し、その固形分100重量部当たり30重量部添加
して、艶消性又は光拡散性を有しない透明合成樹脂から
なるフィルムの片面に、平均膜厚15μmの厚さに塗工
した時、塗工前のフィルムと比較した塗工後のフィルム
のヘイズ度の増加が、5〜30%の範囲内となるもので
あることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材は、図1に示す様
に、基材1上に、透明樹脂層3と、連続階調を有する透
明艶消印刷層4とが、少なくともこの順に設けられて構
成されるものであり、一般的には、基材1と透明樹脂層
3との間に、絵柄層2が設けられる。そして、本発明に
おいては、透明艶消印刷層4は、艶消剤として透明樹脂
ビーズを含有することが重要である。
【0014】そして、透明艶消印刷層4は、基材1と透
明樹脂層3との間に設けられた絵柄層2と同調した模様
状に設けられていると、色彩模様と艶変化模様との同調
効果により、さらに優れた立体感や材質感が得られる。
例えば、絵柄層2が木目模様であれば、透明艶消印刷層
4は天然の木目における艶消状の部分(春材部である場
合が多いが、樹種によっては秋材部である場合もある)
に相当する箇所に沿って設けるとよい。
【0015】艶消剤としての上記透明樹脂ビーズは、シ
リカ等の無機質粉末と比較すれば、粒径が大きいので得
られる艶消効果も大きいと共に、透明度が高いので艶消
印刷層4を白化させず、しかも外形が球状やそれに近い
形状であることから、艶消印刷層4の表面がざらつき感
のある艶消状となることがなく、なめらかで上品な艶消
状となることから、艶消効果の意匠的な質の面でも優れ
ている。
【0016】白化やざらつき感を抑え、本発明の効果を
十分に発揮させるためには、透明樹脂ビーズは可能な限
り透明度の高いものを使用することが望ましい。具体的
には、透明樹脂ビーズとしては例えばウレタン樹脂やア
クリル樹脂、スチロール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等からなるものが知られ
ているが、中でも最も透明度の高いアクリル樹脂からな
るものを使用することが最も望ましい。
【0017】また、透明樹脂ビーズの粒子の形状も艶消
効果に影響があり、扁平なものや角張ったもの、表面が
粗いものなどは、白化やざらつき感の原因となり易いの
で、真球状のものを使用することが最も望ましい。
【0018】以上の観点から、透明樹脂ビーズを選択す
る際の目安としては、艶消性又は光拡散性を有しないク
リアーな透明合成樹脂(例えばウレタン系樹脂)に、そ
の固形分100重量部当たり30重量部添加して、艶消
性又は光拡散性を有しない(望ましくはヘイズ度が1%
以下の)透明合成樹脂からなるフィルム(例えば2軸延
伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム)の片面
に、平均膜厚15μmの厚さに塗工した時、塗工前のフ
ィルムと比較した塗工後のフィルムのヘイズ度の増加
が、5〜30%の範囲内となる様な透明樹脂ビーズを選
択するとよい。
【0019】透明樹脂ビーズを使用することの利点とし
ては上記の他、耐摩耗性に優れることを挙げることがで
きる。透明樹脂ビーズは上述した通り、外形が球状やそ
れに近い形状であるので、透明艶消印刷層4の表面から
鋭角状に突出していることがなく、従って外力を受けて
も透明樹脂ビーズの脱落や破砕、摩耗等が発生しにくい
ので、透明艶消印刷層4の艶消度の変化が発生しにくい
のである。
【0020】上記した耐摩耗性の面からは、透明樹脂ビ
ーズの機械的強度が高いほど有利であり、その意味では
架橋型樹脂からなるものを使用することが望ましい。具
体的には、上述した透明度なども併せて考慮すると、架
橋型アクリル樹脂ビーズなどを使用することが最も望ま
しい。
【0021】透明樹脂ビーズの平均粒径は、目的とする
化粧材に所望の艶消度や立体感、材質感の程度により任
意であるが、あまり小さいと艶消効果が十分でないほ
か、艶消効果を出すために大量の添加が必要になって、
白化やざらつき感の原因ともなり、一方、あまり大きい
と印刷が困難になったり、印刷層から脱落し易くなった
りするので、一般的には、粒径分布の累積高さ50%点
で表される平均粒径が15〜25μmであるものを使用
することが望ましい。
【0022】透明樹脂ビーズは、透明艶消印刷層4の豊
かな連続階調表現を可能とする利点もある。その理由と
しては、市場で入手可能な透明樹脂ビーズは一般に、粒
径分布の幅が広いものが多いことが挙げられる。
【0023】すなわち、粒径分布の幅の広い透明樹脂ビ
ーズを含む艶消印刷インキを、連続階調を有する印刷版
(調子版)で印刷する際、大粒径の粒子はシャドウ部に
は良好に印刷されるが、ハイライト部には印刷されにく
い。
【0024】従って、印刷インキの塗布量の多いシャド
ウ部では、小粒径の粒子は、インキ被膜に埋もれたり、
大粒径の粒子の陰に隠れたりして、あまり効果を発揮せ
ず、大粒径の粒子による効果が主体となる一方、塗布量
の少ないハイライト部では、大粒径の粒子が殆ど存在し
ないため、小粒径の粒子による効果が主体となる。
【0025】この様にして、シャドウ部とハイライト部
とでは、単に艶消印刷インキの塗布量が異なるのみなら
ず、艶消効果の主体となる透明樹脂ビーズの粒径が異な
ることから、艶消度の連続階調が良好に再現されるもの
と考えられる。
【0026】本発明においては、透明艶消印刷層4の印
刷に使用する印刷版は、連続階調を有する調子版に限定
されるものではなく、驚くべきことに、階調を有しない
印刷版(いわゆる白黒版)を使用しても、印刷された透
明艶消印刷層4に連続階調を持たせることができる。
【0027】その原理としては、以下の二通りが考えら
れる。その第1は、透明樹脂ビーズが上述のとおり幅の
広い粒径分布を持つため、印刷された画線部中に散在す
る透明樹脂ビーズの粒径は一様ではなく、場所によって
存在する透明樹脂ビーズの粒径が異なるために艶消度も
異なり、これが調子表現として視認されることによるも
のである。
【0028】この原理を利用する場合は、透明艶消印刷
層4は、所望の模様状に形成されていても良いが、全面
にベタ状に形成されていても良い。すなわち、ベタ版を
使用した印刷や、全面に塗工法により形成することも可
能である。この調子表現は、例えば天然木の持つ「照
り」(観察する方向により光沢が変化して見えること)
の表現などとして極めて有効である。
【0029】第2は、白黒版で印刷された画線部におけ
る印刷インキの塗布量は、必ずしも一様とはならず、塗
布量の多い箇所と少ない箇所とが発生するが、大粒径の
透明樹脂ビーズは塗布量の少ない箇所では不安定のた
め、塗布量の多い箇所に集中しており、このため場所に
よって存在する透明樹脂ビーズの粒径に差を生じ、艶消
度が異なって来るので、これが調子表現として視認され
ることによるものである。
【0030】白黒版を用いて印刷した場合、一般的に
は、画線部の中央付近では塗布量が多く、周辺部では塗
布量が少ないので、上記の原理により、画線部の中央付
近では艶消度が高く、周辺部へ行くに従って艶消度が低
くなる様な連続階調が発生する。これによる調子表現
は、例えば天然木における春材部と秋材部との間での連
続的な光沢変化の表現などとして極めて有効である。
【0031】上記の様な、白黒版を使用した連続階調印
刷は、調子版と比較して版詰まりを発生しにくく、ハイ
ライト部相当部の着肉性も良いので、意匠的にも良好な
調子表現を安定的に印刷再現することができる利点があ
る。
【0032】以上の様な観点から、本発明に使用する透
明樹脂ビーズとしては、印刷不可能なほどの大粒径の粒
子を含まない範囲において、粒径分布の幅、すなわち最
大粒径と最小粒径との差が大きいものを使用することが
望ましい。
【0033】上記粒径分布の幅の具体的な数値として
は、実用的な範囲では、概ね40μm以上あれば、本発
明の効果は十分に達成される。本発明者らの試作検討に
よれば、粒径分布の範囲が5〜70μmのものを使用し
て、良好な結果が得られた。
【0034】本発明において、基材1の材質には特に制
限はなく、従来の化粧材におけるそれと同様のものを使
用することができる。具体的には例えば、薄葉紙、チタ
ン紙、樹脂含浸紙、樹脂混抄紙、紙間強化紙等の紙や、
織布又は不織布等の繊維質基材、オレフィン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなるフィルム乃至
シート、押出成形品、射出成形品、繊維強化プラスチッ
ク等の合成樹脂系基材、木材単板、合板、集成材、中密
度繊維板、パーティクルボード等の木質系基材、ガラ
ス、陶磁器、石膏ボード、スレート板、珪酸カルシウム
板、木毛セメント板、軽量気泡コンクリート等の無機質
系基材、鉄、真鍮、アルミニウム、ステンレス等の金属
板、金属箔、成形体等の金属系基材等、或いはそれらの
複数種の混合物、複合体、積層体等を使用することがで
きる。
【0035】基材1が同種又は異種の材質からなる複数
層の積層体である場合には、そのいずれか1層の表面に
予め絵柄層2や透明樹脂層3、透明艶消印刷層4を形成
した後、その裏面に他の層を積層してもよい。具体的に
は、例えば、紙又は合成樹脂フィルム等の表面に絵柄層
2や透明樹脂層3、透明艶消印刷層4を形成した後、木
質系基材や無機質系基材、合成樹脂系基材、金属系基材
等の表面に積層することにより、最終製品である化粧材
を作製する方法などを挙げることができる。
【0036】絵柄層2は、本発明の化粧材に色彩の絵柄
による意匠を付与するために設けられるもので、その構
成材料や形成方法は特に制限されず、従来の化粧材と基
本的に同様にして形成することができる。具体的には、
染料又は顔料等の着色剤を適宜のバインダー樹脂及び適
宜の溶剤と共に混練してなる印刷インキを使用して、公
知の各種印刷法により形成すればよい。また、必要に応
じて、隠蔽性又は非隠蔽性のベタ層を併設してもよい。
【0037】上記着色剤としては、例えばアゾ、レー
キ、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシアニ
ン、アントラキノン等の有機顔料や、酸化チタン、酸化
亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、コバルトブルー等の
無機顔料等、上記バインダー樹脂としては、例えば硝化
綿、カゼイン、ウレタン、アクリル、塩化酢酸ビニル、
ポリアミド、ポリエステル等を、それぞれ単独又は複数
種の混合で用いることができる。
【0038】印刷方法としては、例えばグラビア印刷
法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印
刷法、インクジェット印刷法等や、ベタ状であれば例え
ばグラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート
法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、
フローコート法、スプレーコート法等の塗工方法等、従
来公知の方法を適宜使用することができる。
【0039】絵柄の種類も特に制限されず、所望により
任意であり、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、
幾何学模様、文字又は記号、若しくはそれらの複数種の
組み合わせ等であり、単色無地であっても勿論構わな
い。
【0040】なお、基材1が透明熱可塑性樹脂フィルム
の様な透明なシート状体である場合には、絵柄層2は基
材1の裏面側に設けることもできる。また、基材1に着
色剤を不均一に含有させて表面に絵柄を現出させたり、
基材1の表面を昇華性染料又は溶融移行性染料等で染着
するなどの方法により、基材1自体に絵柄が付与された
ものであっても良い。
【0041】透明樹脂層3の材質は、基材1の表面に艶
状態が一定した均一な層を形成可能な透明な樹脂組成物
であれば良く、例えば透明な熱可塑性樹脂の押出しコー
ト層などであっても良いが、透明樹脂の溶剤溶液又は未
硬化の液状樹脂等を塗工して形成するのが最も簡便であ
る。その樹脂の種類としては、化粧材の表面物性上、硬
化性樹脂を使用することが望ましい。
【0042】具体的には、例えばメラミン系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、
架橋型アクリル系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂や、
(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和
ポリエステル系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等を、好
適に使用することができる。
【0043】透明艶消印刷層4のバインダー樹脂も、透
明樹脂層3を構成する樹脂と同様のものを使用すること
ができる。透明樹脂3及び透明艶消印刷層4の形成方法
としては、前述した絵柄層2の場合と同様、従来公知の
各種の印刷方法や塗工方法から適宜選択すればよい。
【0044】なお、透明樹脂層3及び/又は透明艶消印
刷層4には、必要に応じて、透明度や艶状態を損なわな
い範囲において着色剤や充填剤を添加しても良いし、そ
の他例えば紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌
剤、防黴剤、減摩剤、滑剤、揮発性有機物質吸収剤、帯
電防止剤等の各種の添加剤を適宜添加しても良い。
【0045】
【実施例】実施例1 坪量30g/m2の薄葉紙に硝化綿系通常印刷インキに
て木目柄の絵柄印刷(下地色ベタ版、ボケ版、骨版、導
管版)を行い、その上に艶消剤が添加されていない透明
な2液硬化型アクリルウレタン系樹脂を乾燥後の塗布量
が4g/m2になる様に塗布し、指触乾燥後、下記配合
の透明艶消印刷インキを乾燥後の塗布量が4.5g/m
2となる様に全面に塗布して、本発明の化粧材である化
粧紙を作製した。
【0046】透明艶消印刷インキ組成 アクリルポリオール樹脂(固形分35重量%) 100重量部 透明架橋型アクリル樹脂ビーズ 30重量部 シリコーン系離型剤 5重量部 沈降防止剤 1重量部 無黄変型イソシアネート硬化剤 20重量部希釈溶剤 適量
【0047】なお、上記架橋型アクリル樹脂ビーズは、
粒径分布範囲は5〜70μm、累積高さ50%点の粒子
径は20μmであり、これを透明なウレタン系樹脂に樹
脂固形分100重量部当たり30重量部添加したもの
を、厚さ100μmの高透明タイプの2軸延伸ポリエス
テル樹脂フィルム(ヘイズ度0.8%)に膜厚15μm
に塗工した塗膜のヘイズ度は、10.3%であった。
【0048】上記化粧紙は、透明艶消印刷インキが全面
に塗工されているにも拘わらず、その表面の艶状態は、
粒径の異なる透明樹脂ビーズの不均一な分布により連続
階調をなしており、木目柄の絵柄印刷と相俟って、天然
木の持つ複雑な照り感を彷彿とさせる優れた意匠効果を
有するものであった。
【0049】実施例2 上記実施例1において、透明艶消印刷インキを全面に塗
布するかわりに、木目柄における秋材部を表現する骨版
の逆版(調子版)を使用して、木目柄と見当を合わせて
印刷したところ、秋材部が艶有りで春材部が艶消である
と共に、両者の境界部で艶状態が連続的に変化した、天
然木の木目の艶変化を再現した立体的な材質感ある意匠
効果を有する化粧紙を得ることができた。
【0050】実施例3 上記実施例2において、透明艶消印刷インキの印刷に使
用する版を、木目柄における春材部に相当する部分を画
線部とする白黒版に変更したところ、上記実施例2と同
様、秋材部が艶有りで春材部が艶消であり、両者の境界
部で艶状態が連続的に変化していると共に、該境界部に
おける着肉状態がより安定し、艶状態がより滑らかな連
続階調を有する化粧紙を得ることができた。
【0051】しかも、上記実施例2では、長時間印刷を
続けると、該境界部において若干の版詰まりの発生が認
められたのに対し、この実施例3ではその様な問題もな
く、意匠品質の安定した化粧紙を連続して大量生産する
ことができた。
【0052】
【発明の効果】以上に詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、従来のシリカ等の無機質粉末からなる艶消剤を
使用した化粧材と比較して、透明艶消印刷層の白化やざ
らつき感が解消され、艶状態のより豊かな階調表現が可
能となり、艶差による視覚的な立体感をより強調した表
現が可能となると共に、天然木のもつ照り感や、春材部
と秋材部との艶差等の、よりリアルな再現も可能とな
り、しかも、表面の耐摩耗性も向上し、用途の拡大も可
能となった。さらに、印刷安定性に欠ける調子版を使用
しなくても、艶状態の階調表現が可能であることから、
意匠品質の安定した化粧材の連続大量生産も容易になる
など、種々の優れた実用的効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【符号の説明】 1‥‥基材 2‥‥絵柄層 3‥‥透明樹脂層 4‥‥透明艶消印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/08 E04F 13/08 F Fターム(参考) 2E110 AA57 AB03 AB04 AB23 BA04 BA12 BB02 BB09 GA07W GA17W GA33 GB42W 4D075 AC41 AE03 AE27 CA02 CB02 CB06 CB11 CB36 DA04 DA06 DB02 DB04 DB06 DB07 DB12 DB13 DB14 DB18 DB20 DB22 DB24 DB25 DB36 DB37 DB38 DB43 DB48 DB61 DB63 DC02 DC31 DC38 EA07 EA43 EB07 EB15 EB19 EB22 EB32 EB35 EB36 EB38 EB39 EB45 EC07 EC24 EC53 EC54 4F100 AK01B AK01C AK25C AK51 AT00A BA03 BA10A BA10C DE04C DG10 GB08 HB00A HB01 HB31C JK09 JL01 JN01B JN01C JN02C JN26C YY00C 4J039 AD09 AD10 BD02 BE20 FA01 FA02 FA03 FA04 FA05 FA06 FA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、透明樹脂層と、透明樹脂ビーズ
    が添加されて少なくとも前記透明樹脂層よりも艶消とさ
    れた、連続階調を有する透明艶消印刷層とが、少なくと
    もこの順に設けられてなることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記基材に絵柄が付与されており、前記透
    明艶消印刷層は前記絵柄と同調した模様状に設けられて
    なることを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 【請求項3】前記透明樹脂ビーズが真球状透明アクリル
    樹脂ビーズであることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の化粧材。
  4. 【請求項4】前記透明樹脂ビーズの粒径分布の累積高さ
    50%点で表される平均粒径が15〜25μmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧
    材。
  5. 【請求項5】前記透明樹脂ビーズの粒径分布における最
    大粒径と最小粒径との差が40μm以上であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧材。
  6. 【請求項6】前記透明樹脂ビーズが、艶消性又は光拡散
    性を有しない透明合成樹脂に対し、その固形分100重
    量部当たり30重量部添加して、艶消性又は光拡散性を
    有しない透明合成樹脂からなるフィルムの片面に、平均
    膜厚15μmの厚さに塗工した時、塗工前のフィルムと
    比較した塗工後のフィルムのヘイズ度の増加が、5〜3
    0%の範囲内となるものであることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の化粧材。
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