JP3022207B2 - スチレン系樹脂組成物及び射出成形品 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物及び射出成形品

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JP3022207B2
JP3022207B2 JP26875494A JP26875494A JP3022207B2 JP 3022207 B2 JP3022207 B2 JP 3022207B2 JP 26875494 A JP26875494 A JP 26875494A JP 26875494 A JP26875494 A JP 26875494A JP 3022207 B2 JP3022207 B2 JP 3022207B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形用スチレン系
樹脂組成物及び該スチレン系樹脂組成物からなる射出成
形品に関するものである。更に詳しくは、本発明は、透
明性及び流動性を満足できる水準に維持したままで、耐
衝撃性に優れた射出成形用スチレン系樹脂組成物及び該
樹脂組成物からなる射出成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は剛性があり、寸法安定
性に優れ、かつ廉価であることから、成形用途に広く使
用されている。該樹脂はそれ単独では耐衝撃性に劣るた
め、より衝撃強度を必要とする用途においては、エラス
トマーを配合し、ゴム変性ポリスチレン樹脂として用い
ることが一般的である。しかし、エラストマーを配合す
ることにより、剛性、透明性といったスチレン系樹脂本
来が持つ優れた性質が失われる欠点があり、一般に透明
性を必要とする用途ではエラストマーを配合しないで高
い衝撃強度を有することが要求される。また、最近、射
出成形用途分野においては、成形品の軽量化が要求され
ている。成形品を軽量化するためには、成形品を薄肉化
する必要があり、そのためには、成形品の衝撃強度が高
いことに加え、射出成形時に高い流動性を有する必要が
ある。また、射出成形品においては、成形時に形成され
る残留歪みが問題となる。すなわち、残留歪みが大きい
場合、成形品の衝撃強度が著しく低下することが知られ
ており、したがって、該残留歪みをできるだけ低い水準
に維持する必要がある。ここで、残留歪みは射出成形時
の樹脂の流動剪断によって形成されると考えられてお
り、残留歪みを低減させるという観点からも、射出成形
時に高い流動性を有することが必要である。
【0003】かかる要求に応える試みとして、樹脂の分
子量を高くし、樹脂組成物の強度を高める方法が提案さ
れている。しかしながら、この方法には、樹脂の流動性
が低下し、成形時にショートショットしてしまうか、あ
えて成形した場合には、高い流動剪断により残留歪みが
高くなるといった問題があった。また、樹脂の分子量を
高い水準に維持したままで、流動性を高める方法とし
て、樹脂にミネラルオイルなどの可塑剤を添加して用い
る方法がある。しかしながら、この方法には、可塑剤に
より樹脂の耐熱性及び衝撃強度が低下するという問題が
あった。樹脂の耐熱性及び衝撃強度を満足できる水準に
維持し、かつ流動性を向上させる方法として、樹脂の分
子量分布を広くする方法が提案されており、特公昭57
−30843号公報及び特公昭62−61231号公報
には、高分子量のポリスチレンと低分子量のポリスチレ
ンをブレンドしたり、又は多段重合法を用いることによ
り広分子量分布の樹脂組成物を得る方法が開示されてい
る。しかしながら、この方法には、製造工程が複雑とな
り、製造コストが上昇するという産業上実施の観点から
好ましくない問題があり、更に十分な水準の衝撃強度を
実現し難いという問題もある。また、特開昭48−45
590号公報及び特開平2−170806号公報には、
重合反応時に複数のビニル基を含有する化合物を用いる
ことにより、得られる樹脂の分子量分布を広げる方法が
開示されている。しかしながら、この方法により得られ
る樹脂組成物は、流動性に劣るという問題を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況において、
本発明が解決しようとする課題は、透明性及び流動性を
満足できる水準に維持したまま、耐衝撃性に優れ、よっ
て成形品の薄肉化及び軽量化が可能である射出成形用
チレン系樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる射出成形
品を提供する点に存する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したもの
である。
【0006】すなわち、本発明のうち、一の発明は、重
量平均分子量が10万〜200万であるスチレン系樹脂
及び屈折率が1.5〜2.0であり、平均粒度が0.1
〜20μmであり、ガラス転移温度が−130〜90℃
に存在しない微粒子からなり、該微粒子の含有割合が
0.002重量%〜1重量%である射出成形用スチレン
系樹脂組成物に係るものである。
【0007】また、本発明のうち、他の発明は、上記の
射出成形用スチレン系樹脂組成物からなる射出成形品に
係るものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるスチレン系樹脂は、その重量平均分子量が10万
〜200万、好ましくは25万〜50万のものである。
該分子量が過小な場合は衝撃強度に劣り、一方該分子量
が過大な場合は流動性に劣る。
【0009】スチレン系樹脂を構成する単量体であるス
チレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ンなどのα−置換アルキルスチレン、p−メチルスチレ
ンなどの核置換アルキルスチレンなどがあげられる。ま
た、該スチレン系化合物と共に、スチレン系化合物と共
重合可能な化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルなどの
エステル誘導体などのビニルモノマー、更には無水マレ
イン酸、マレイミド、核置換マレイミドなどを併用して
もよい。
【0010】本発明の射出成形用スチレン系樹脂組成物
及び射出成形品は、屈折率が1.5〜2.0、好ましく
は1.55〜1.65であり、平均粒度が0.1〜20
μm、好ましくは0.1〜5μm、さらに好ましくは1
〜4μmであり、ガラス転移温度が−130〜90℃に
存在しない微粒子を、0.002重量%〜1重量%、好
ましくは0.01重量%〜0.1重量%含有するもので
ある。かかる微粒子の具体例としては、屈折率が1.5
〜2.0であり、平均粒度が0.1〜20μmであるリ
ン酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、ポリスチレン
架橋ビーズ又はジビニルベンゼン架橋ビーズなどをあげ
ることができる。
【0011】微粒子の屈折率の範囲が1.5〜2.0よ
りも過小あるいは過大であると、成形品がくもり、外観
及び透明性に劣る。該微粒子の平均粒度が過大あるいは
含有割合が過少であると、十分な衝撃強度を得られ難
く、また、該微粒子の含有割合が過多であると成形品表
面の荒れが目立ち、外観及び透明性が劣る。微粒子の屈
折率はたとえば次の方法により測定される。すなわち、
屈折率が既知である溶液中に微粒子を分散させスライド
ガラスで挟み、偏光顕微鏡で観測し概溶液の屈折率と比
較して求める方法であり、詳細については、たとえば書
籍「偏光顕微鏡の使い方」(浜野健也著、技報堂)に記
載されている。微粒子の平均粒度はたとえば次の方法に
より測定される。すなわち、適当な媒質中に粒子を分散
させ光を透過させたときの粒子濃度の変化を測定するこ
とにより求める方法であり、詳細については、たとえば
書籍「粉体物性図説」(粉体工学研究会、日本粉体工業
協会編、産業技術センター刊、1975年)に記載され
ている。また、微粒子の平均粒度は次の方法によっても
測定することができる。すなわち、射出成形品の超薄切
片の透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の微粒子の粒
子径を測定する方法で、平均粒度は次式によって計算す
る。
【0012】平均粒度=Σni i 2 /Σni i ここで、ni は粒子径Di の粒子の個数である。
【0013】微粒子のガラス転移温度が−130〜90
℃に存在するか否かは、示差走査熱測定(DSC)、た
とえばPERKIN ELMER(パーキン エルマ
ー)社製7700型DSC装置で、−130〜90℃の
範囲の示差熱を測定することにより判定することができ
る。なお、詳細については、たとえば書籍「新実験化学
講座2(3.熱分析測定)」(日本化学会編、丸善社
刊、1984年、87〜122頁)に記載されている。
【0014】本発明の射出成形用スチレン系樹脂組成物
は、次の方法により製造することができる。スチレン系
化合物及び本発明の微粒子を予め均一に混合し、該混合
溶液を重合する方法、あるいはスチレン系化合物の重合
溶液中に本発明の微粒子を添加する方法、あるいはスチ
レン系樹脂の溶融物に本発明の微粒子を添加する方法で
ある。重合方法としてはバッチ式のサスペンジョン重合
法又は連続バルク重合法を用いることができ、熱重合法
又は開始剤による重合法のいずれをも使用できる。重合
開始剤としては種々のラジカル重合開始剤を使用するこ
とができる。また、本発明の射出成形用スチレン系樹脂
組成物は、必要に応じて、滑剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、ミネラルオ
イルなどの可塑剤などを重合時または重合後に添加して
もよい。
【0015】また、本発明の射出成形用スチレン系樹脂
組成物は、スチレン系樹脂と微粒子とを特定の割合で混
合し、押出機で溶融混練し製造してもよい。
【0016】本発明の射出成形用スチレン系樹脂組成物
を射出成形して射出成形品とする方法としては、特に制
限はないが、たとえば樹脂温度230℃、射出速度80
cm/sec、射出圧力900kg/cm2、金型温度
40℃にて射出成形する方法をあげることができる。
【0017】また、本発明の射出成形用スチレン系樹脂
組成物からなる射出成形品は、重合、あるいは押出溶融
混練時に本発明の微粒子を添加していないスチレン系樹
脂と、本発明の微粒子を射出成形する前に良く混合させ
た後、射出成形する方法でも得ることが可能である。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、評価方法の内、上記に記載した項目以外の項目につ
いては以下のとおり実施した。
【0019】 (1)流動性:メルトフローレート(MI) JIS K7210に準拠して測定した。
【0020】(2)残留歪み 90×150×2mmtの平板を樹脂温度230℃で射
出成形し、平板の中央部のリタデーションを測定した。
なお、リタデーションの測定には、大塚電子社製瞬間マ
ルチ測光システムMCPD−1000を用いた。ここ
で、リタデーションとは、平板に直交偏光波を透過させ
たときの透過前後の各波の位相差のことであり、リタデ
ーションを測定試料平板厚さで除した値が複屈折率であ
る。複屈折率の値は、平板内部の主応力(主歪み)に関
係しており、複屈折率の値が高いほど残留歪みが大きい
といえる。測定には、同一厚みの平板を用いており、よ
ってリタデーションの値が高いほど、残留歪みが大きい
ことになる。複屈折率と残留歪みの関係の詳細について
は、たとえば書籍「光弾性実験法」(辻他著、日刊工業
新聞社、1965年)に記載されており、またリタデー
ションの測定は、書籍「偏光顕微鏡の使い方」(浜野健
也著、技報堂)に記載されている方法に従った。
【0021】(3)透明度(全光線透過率、ヘイズ) 90×150×2mmtの平板を樹脂温度230℃で射
出成形したものを40×40×2mmtに切り出したサ
ンプルを用い、JIS K7105に準拠して測定し
た。
【0022】(4)衝撃強度(落球衝撃強度) 90×150×2mmtの平板を樹脂温度230℃で射
出成形したものを50×50×2mmtに切り出したサ
ンプルを用い、球の重量を28.8gとしたこと以外は
JISK7211に準じて実施し、50%破壊高さの値
を測定した。該値が高いほど衝撃強度が高いことを示
す。
【0023】実施例1〜4 ミネラルオイルを含有し(実施例3及び4)、連続バル
ク重合法により得られた表1に示す重量平均分子量を有
するペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が1.6
5であり、平均粒度が3.9μmであり、ガラス転移温
度が−130〜90℃に存在しない第三リン酸カルシウ
ムの微粒子を0.1重量%を添加し、20mmφ押出機
にて210℃で再造粒し、更に日鋼社製J150Eノン
ベント射出成形機を用いて、樹脂温度230℃、射出速
度80cm/sec、射出圧力900kg/cm2 、金
型温度40℃にて90×150×2mmtの平板を射出
成形した。結果を表1に示した。
【0024】実施例5 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.59であり、平均粒度が6.0μmであり、ガラス
転移温度が−130〜90℃に存在しないポリスチレン
架橋ビースの微粒子を0.1重量%添加し、40mmφ
押出機にて210℃で再造粒し、更に日鋼社製J150
Eノンベント射出成形機を用いて、樹脂温度230℃、
射出速度80cm/sec、射出圧力900kg/cm
2 、金型温度40℃にて90×150×2mmtの平板
を射出成形した。結果を表1に示した。
【0025】実施例6 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.55であり、平均粒度2.0μmであり、ガラス転
移温度が−130℃〜90℃に存在しないタルクの微粒
子を0.1重量%添加し、40mmφ押出機にて210
℃で再造粒し、更に日鋼社製J150Eノンベント射出
成形機を用いて、樹脂温度230℃、射出速度80cm
/sec、射出圧力900kg/cm2 、金型温度40
℃にて90×150×2mmtの平板を射出成形した。
結果を表1に示した。
【0026】実施例7〜8 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.65であり、平均粒度3.9μmであり、ガラス転
移温度が−130〜90℃に存在しない第三リン酸カル
シウムの微粒子を表2に示す割合で添加し、十分混合さ
せた後、日鋼社製J150Eノンベント射出成形機を用
いて、樹脂温度230℃、射出速度80cm/sec、
射出圧力900kg/cm2 、金型温度40℃にて90
×150×2mmtの平板を射出成形した。結果を表2
に示した。
【0027】実施例9 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.64であり、平均粒度2.5μmであり、ガラス転
移温度が−130〜90℃に存在しない硫酸バリウムの
微粒子を0.1重量%添加し、十分混合させた後、日鋼
社製J150Eノンベント射出成形機を用いて、樹脂温
度230℃、射出速度80cm/sec、射出圧力90
0kg/cm2 、金型温度40℃にて90×150×2
mmtの平板を射出成形した。結果を表2に示した。
【0028】実施例10 スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(新日鉄化学
(株)社製、エスチレンMS200、重量平均分子量が
26万)に、屈折率が1.64であり、平均粒度2.5
μmであり、ガラス転移温度が−130〜90℃に存在
しない硫酸バリウムの微粒子を0.1重量%添加し、十
分混合させた後、日鋼社製J150Eノンベント射出成
形機を用いて、樹脂温度230℃、射出速度80cm/
sec、射出圧力900kg/cm2 、金型温度40℃
にて90×150×2mmtの平板を射出成形した。結
果を表2に示した。
【0029】比較例1〜4 第三リン酸カルシウムの微粒子を用いなかったこと以外
は、実施例1〜4と同様に行った。結果を表3に示し
た。
【0030】比較例5 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.65であり、平均粒度が3.9μmであり、ガラス
転移温度が−130〜90℃に存在しない第三リン酸カ
ルシウムの微粒子を0.001重量%を添加し、40m
mφ押出機にて210℃で再造粒し、更に日鋼社製J1
50Eノンベント射出成形機を用いて、樹脂温度230
℃、射出速度80cm/sec、射出圧力900kg/
cm2 、金型温度40℃にて90×150×2mmtの
平板を射出成形した。結果を表4に示した。
【0031】比較例6 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.45であり、平均粒度が5μmであり、ガラス転移
温度が−130〜90℃に存在しないホワイトカーボン
の微粒子を0.1重量%を添加し、40mmφ押出機に
て210℃で再造粒し、更に日鋼社製J150Eノンベ
ント射出成形機を用いて、樹脂温度230℃、射出速度
80cm/sec、射出圧力900kg/cm2 、金型
温度40℃にて90×150×2mmtの平板を射出成
形した。結果を表4に示した。
【0032】比較例7 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.45であり、平均粒度が30μmであり、ガラス転
移温度が−130〜90℃に存在しない架橋ポリメチル
メタクリレートの微粒子を0.1重量%添加し、40m
mφ押出機にて210℃で再造粒し、更に日鋼社製J1
50Eノンベント射出成形機を用いて、樹脂温度230
℃、射出速度80cm/sec、射出圧力900kg/
cm2 、金型温度40℃にて90×150×2mmtの
平板を射出成形した。結果を表4に示した。
【0033】比較例8 連続バルク重合法により得られた、重量平均分子量が3
0万であるペレット状のポリスチレン樹脂に、屈折率が
1.53であり、平均粒度が0.17μmであり、ガラ
ス転移温度が−80℃である、エマルジョン重合によっ
て得られたラテックスゴム微粒子を0.1重量%添加
し、40mmφ押出機にて210℃で再造粒し、更に日
鋼社製J150Eノンベント射出成形機を用いて、樹脂
温度230℃、射出速度80cm/sec、射出圧力9
00kg/cm2 、金型温度40℃にて90×150×
2mmtの平板を射出成形した。結果を表4に示した。
【0034】比較例9 硫酸バリウムの微粒子を用いなかったこと以外は、実施
例10と同様に行った。結果を表4に示した。
【0035】結果から次のようなことが分かる。本発明
の条件を満足する全ての実施例は、全ての評価項目にお
いて優れた結果を示している。一方、屈折率が1.5〜
2.0、平均粒度が0.1〜20μmであり、ガラス転
移温度が−130〜90℃に存在しない微粒子を含有し
ない比較例1〜4及び9は射出成形品の衝撃強度に劣
る。平均粒度0.1〜20μmであり、ガラス転移温度
が−130〜90℃に存在しない微粒子の含有量が過小
である比較例5は衝撃強度に劣る。屈折率がポリスチレ
ンの屈折率である1.59よりも過小な微粒子を含有す
る比較例6は透明性に劣る。平均粒度が過大であり、屈
折率がポリスチレン樹脂の屈折率である1.59よりも
過小な微粒子を含有する比較例7は衝撃強度及び透明性
に劣る。ガラス転移温度が−130〜90℃に存在する
微粒子を含有する比較例8は衝撃強度に劣る。
【0036】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 施 例 1 2 3 4 5 6 重量平均分子量 104 21 30 35 40 30 30 ミネラルオイル wt% 0 0 4 2.3 0 0 微粒子 屈折率 1.65 1.65 1.65 1.65 1.59 1.55 平均粒径*1 μm 3.9 3.9 3.9 3.9 6.0 2.0 ガラス転移温度℃ *2 *2 *2 *2 *2 *2 含有割合 wt% 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 評価結果 MI g/10min 6.8 2.4 3.0 1.5 2.4 2.4 残留歪み nm 1200 2700 2200 3200 2700 2700 透明度 全光線透過率 % 89.9 90.1 90.0 90.0 90.1 89.9 ヘイズ % 2.6 1.9 2.0 2.0 2.7 2.5 衝撃強度 cm 38.0 68.0 50.2 42.5 61.6 61.7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0037】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 施 例 7 8 9 10 重量平均分子量 104 30 30 30 26 ミネラルオイル wt% 0 0 0 0 微粒子 屈折率 1.65 1.65 1.64 1.64 平均粒径*1 μm 3.9 3.9 2.5 2.5 ガラス転移温度℃ *2 *2 *2 *2 含有割合 wt% 0.01 0.1 0.1 0.1 評価結果 MI g/10min 2.4 2.4 2.4 1.3 残留歪み nm 2700 2700 2700 2300 透明度 全光線透過率 % 90.2 90.1 90.2 90.1 ヘイズ % 0.8 1.9 4.8 4.0 衝撃強度 cm 37.0 70.4 58.8 73.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0038】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 較 例 1 2 3 4 重量平均分子量 104 21 30 35 40 ミネラルオイル wt% 0 0 4 2.3 微粒子 屈折率 - - - - 平均粒径*1 μm - - - - ガラス転移温度℃ - - - - 含有割合 wt% 0 0 0 0 評価結果 MI g/10min 6.8 2.4 3.0 1.5 残留歪み nm 1200 2700 2200 3200 透明度 全光線透過率 % 90.2 90.2 90.2 90.2 ヘイズ % 1.3 0.7 1.0 1.0 衝撃強度 cm 28.0 28.5 23.9 24.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0039】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 較 例 5 6 7 8 9 重量平均分子量 104 30 30 30 30 26 ミネラルオイル wt% 0 0 0 0 0 微粒子 屈折率 1.65 1.45 1.45 1.53 - 平均粒径*1 μm 3.9 5.0 30.0 0.17 - ガラス転移温度℃ *2 *2 *2 -80 - 含有割合 wt% 0.001 0.1 0.1 0.1 0 評価結果 MI g/10min 2.4 2.4 2.3 2.4 1.3 残留歪み nm 2700 2700 2800 2700 2300 透明度 全光線透過率 % 90.2 91.3 90.7 89.0 90.2 ヘイズ % 0.7 38.0 16.3 14.6 0.7 衝撃強度 cm 31.1 75.0 30.7 28.3 42.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0040】*1:(株)堀場製作所製の超遠心式自動
粒度分布測定装置CAPA−700(分散媒:グリセリ
ン60重量%水溶液)を用いて、平均粒度を測定した。 *2:ガラス転移温度が−130〜90℃に存在しな
い。
【0041】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、透
明性及び流動性を満足できる水準に維持したまま、耐衝
撃性に優れ、よって成形品の薄肉化及び軽量化が可能で
ある射出成形用スチレン系樹脂組成物及び該スチレン系
樹脂組成物からなる射出成形品を提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 7/16 C08K 7/16 (56)参考文献 特開 平1−297465(JP,A) 特開 平3−74437(JP,A) 特開 昭58−98222(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 25/00 - 25/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が10万〜200万である
    スチレン系樹脂及び屈折率が1.5〜2.0であり、平
    均粒度が0.1〜20μmであり、ガラス転移温度が−
    130〜90℃に存在しない微粒子からなり、該微粒子
    の含有割合が0.002重量%〜1重量%である射出成
    形用スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】微粒子が、その屈折率が1.5〜2.0で
    あり、平均粒度が0.1〜20μmであるリン酸カルシ
    ウム、硫酸バリウム、タルク、ポリスチレン架橋ビーズ
    又はジビニルベンゼン架橋ビーズである請求項1記載の
    射出成形用スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載のスチレン系樹
    脂組成物からなる射出成形品。
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