JP4723824B2 - スチレン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、プロジェクションテレビ等の画面の透過型スクリーンや液晶TVの拡散板として使用されるスチレン系樹脂組成物に関するものである。
透過型スクリーン等のスクリーンレンズは、プロジェクションテレビの画像を投与し、目的とする表示を実現するために広く用いられている。このスクリーンレンズは、観察者が観察する際に明るく、視野角が拡大するように、一般的にレンチキュラーレンズやフレネルレンズ等のレンズ成形体を組み合わせて構成されている。これらスクリーンレンズに使用される透光材料は、透明性、耐光性、耐傷付性等に優れ、かつ成形加工性に優れたメタクリル樹脂が広く使用されてきており、スクリーンレンズの加工方法もプレス成形、押出し成形、キャスト成形や射出成形等により行われてきた。
このようなスクリーンレンズ用成形体の基材として使用されるメタクリル樹脂は、吸水率が高いため、スクリーンレンズ用成形体の寸法変化が生じ、スクリーンの反りや浮きが生じ、光学特性が損なわれたり、枠体からのスクリーンレンズの脱落が生じるという問題を有していた。また、スクリーンレンズの輸送時の温度や使用環境温度が高くなると変形する問題も有していた。
これらの問題を解決するために、特許文献1には、芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、多官能性不飽和単量体混合物にスチレン−ジエン系共重合体を溶存させて重合し、フレネルレンズを得る方法が開示されている。しかしながらこの技術では、光拡散性の優れたスクリーンレンズ用成形体を得るには不充分であった。更にこの手法では、表面硬度が低下するという問題も有している。
また、液晶TVの拡散板の基材として使用されるメタクリル樹脂についても吸水率が高いため、拡散板成形体の寸法変化が生じ、拡散板の反りが生じ、光学特性が損なわれる問題を有していた。また、使用環境温度が高いと変形する問題も有している。
特開平5−341101号公報
本発明の課題は、寸法安定性に優れ、熱変形温度が高く、表面硬度が高く、かつ光拡散性の優れたスクリーンレンズ用成形体や拡散板用成形体に使用されるスチレン系樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、スチレン系樹脂において、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のスチレン系樹脂に未溶融化合物を特定量含有させることにより、寸法安定性に優れ、熱変形温度が高く、表面硬度が高く、かつ光拡散性の優れたスチレン系樹脂組成物を見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明のスチレン系樹脂組成物は、
スチレン系単量体単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜20質量%、および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体A30〜70質量部と、
スチレン系単量体単位80〜99質量%、メタクリル酸単量体単位20〜1質量%、および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体B70〜30質量部と
からなるスチレン系樹脂100質量部に対して、屈折率が1.52以下で平均粒子径が1〜20μmであり、シリカ、架橋ポリオルガノシロキサンから選ばれる少なくとも一種の化合物を0.1〜35質量部含有してなることを特徴とする。
また、本発明のシート、射出成形体は、上記スチレン系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
本発明により、従来にない光拡散性に優れたスチレン系樹脂組成物を工業上極めて有利に提供することができる。本発明のスチレン系樹脂組成物は、光拡散性、耐熱性に優れていることより、特にフレネルレンズやレンチキュラーレンズ、拡散板等の光学用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<スチレン系樹脂>
(スチレン系共重合体A)
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ましくはスチレンである。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート等が挙げられるが、好ましくはメチルメタクリレートである。
スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能なビニル化合物単量体として、例えば、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド単量体等があげられる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上を併用してもよい。
スチレン系共重合体Aは、スチレン系単量体単位20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜20質量%、好ましくは70〜30質量%、および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%、好ましくは0〜8質量%からなる。この範囲を外れると得られるスチレン系樹脂組成物の全光線透過率が低下し好ましくない。
(スチレン系共重合体B)
スチレン系単量体としては、上記スチレン系共重合体Aについて説明したものと同様のものが挙げられる。
スチレン系単量体とメタクリル酸と共重合可能なビニル化合物単量体として、例えば、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のメタクリル酸以外の不飽和カルボン酸単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド単量体等があげられる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上を併用してもよい。
スチレン系共重合体Bは、スチレン系単量体単位80〜99質量%、好ましくは85〜97質量%、メタクリル酸単量体単位20〜1質量%、好ましくは15〜3質量%、および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%、好ましくは0〜8質量%からなる。スチレン系単量体単位が99質量%を越えると得られるスチレン系樹脂組成物の耐熱性が低いものになり、また80質量部未満では耐熱性が高すぎ樹脂の流動性が低下してスチレン系樹脂組成物の成形品が得られない場合がある。
スチレン系樹脂は、スチレン系共重合体A20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部と、スチレン系共重合体B80〜20質量部、好ましくは70〜30質量部からなる。スチレン系共重合体Aが20質量部未満では、得られるスチレン系樹脂組成物の表面硬度が低下し、80質量部を超えると得られるスチレン樹脂組成物の耐熱性が低下する。
<未溶融化合物>
本発明において、未溶融化合物は101.3kPa(1気圧)の雰囲気下で、200℃以上に融点または軟化点を示す化合物である。融点、軟化点が200℃未満では、スチレン系重合体との溶融混練時、またはスチレン系樹脂組成物のシート化時や射出成形時に該化合物が溶融しやすく、優れた光学特性を保持することができない。
未溶融化合物の屈折率は、1.52以下、好ましくは1.49以下である。屈折率が1.52を超えると曇り度が小さくなり光拡散性が低下する。
未溶融化合物の平均粒子径は1〜20μm、好ましくは1.5〜19μmである。平均粒子径が1μm未満では、曇り度が小さくなり光拡散性が低下し、20μmを超えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。未溶融化合物の平均粒子径は、コールター・マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。
未溶融化合物の含有量は、スチレン系樹脂100質量部に対して、0.1〜35質量部、好ましくは0.1〜20質量部である。0.1質量部未満では、曇り度が小さくなり光拡散性が低下し、35質量部を超えると、全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
未溶融化合物としては、例えば、溶融シリカ等のシリカ、ポリオルガノシロキサン架橋ビーズ等の架橋ポリオルガノシロキサン等が挙げられ、これらを単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。溶融シリカとしては、高純度の珪石、珪砂、水晶等、あるいは、ハロゲン化珪素化合物から熱分解等により得られる粉末を溶融塊状化したものを、磨砕又は粉砕によって目標の粒子径に調整した溶融シリカ粉砕品、溶融塊状化したものを、プロパン/酸素炎等の火炎と共に溶射、球状化し、更に該球状体を水中で十分に攪拌・分散し湿式分級して目的の粒子径に調整した溶融シリカ球状体等が挙げられる。
<製造方法>
本発明のスチレン系共重合体A、Bの製造方法に特に制限はないが、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法を好適に採用できる。
未溶融化合物の配合方法に特に制限はなく、スチレン系共重合体A、Bの重合前、重合途中、重合後に配合する方法、スチレン系共重合体A、Bとの混合により配合する方法等が挙げられる。
スチレン系共重合体A、Bおよび未溶融化合物の混合方法については特に制限はないが、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラーミキサー等の公知の混合装置にて予備混合した後、単軸押出機または二軸押出機等の押出機を用いて溶融混練を行うことにより、均一に混合することができる。
また、上述の方法により未溶融化合物の高濃度混合物を作成しておき、シート成形時または射出成形時に、該高濃度混合物とスチレン系共重合体をドライブレンドしてもよい。
<添加剤>
本発明のスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて添加剤を配合することができる。例えば、流動性や離型性を向上させるために、可塑剤、滑剤、シリコンオイル等を配合することができる。また、成形品の防塵のために帯電防止剤を配合することができる。また、耐熱性を付与するため、熱安定剤を配合することができる。また、耐光性を付与するため、光安定剤や紫外線吸収剤を配合することができるが、成形品の表面に紫外線硬化剤を塗布して紫外線硬化する場合は、硬化に影響を及ぼすので注意が必要である。その他、着色剤等を配合することもできる。また、光拡散材としてガラスビーズ等の無機ビーズ、ポリスチレン架橋ビーズ、ポリメチルメタクリレート架橋ビーズ、ポリメタクリルスチレン架橋ビーズ等の樹脂ビーズを併用することもできる。
<成形体>
本発明の成形体は、上記スチレン系樹脂組成物を成形してなるシートまたは射出成形体である。具体的には、プロジェクションテレビ等の画面の透過型スクリーンや液晶TVの拡散板、フレネルレンズやレンチキュラーレンズ等の光学用途成形品である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の部、%はいずれも質量基準で表した。
また、実施例における各物性値の測定方法は以下の通りである。
(1)スチレン系共重合体中のメタクリル酸単量体単位含有量の測定
I.メタクリル酸単量体単位と残存メタクリル酸の合計量の測定
a)スチレン系共重合体2gにクロロホルム:エタノール混合溶液(2:1)100mlを加え溶解させる。b)これに指示薬として0.5%フェノールフタレイン・エタノール溶液を加え、更に0.1N水酸化カリウム・エタノール溶液で滴定する。指示薬の色が30秒間消えない時を終点とした。c)空試験としてクロロホルム:エタノール混合溶液(2:1)を100mlとり、b)と同様の操作を行った。d)以下の式のよりスチレン系共重合体中のメタクリル酸含有量を求めた。
メタクリル酸含有量(%)=[{(A−Bt)×M}/(S×1000)]×100
A:a)に要した滴定量(ml)
B:c)に要した敵定量(ml)
S:スチレン系共重合体の質量(g)
M:0.1N水酸化カリウム・エタノール溶液1mlと当量となるメタクリル酸の質量(8.6(mg))
II.残存メタクリル酸量の測定
スチレン系共重合体0.5gをクロロホルム10mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミドを内部標準として測定して、以下のGC測定条件で測定した。
装置名:島津製作所社製 GC14B FID検出器
カラム:ガラスカラム φ3mm×3m
充填剤:ジエチレングリコールサクシネート
キャリヤー:窒素
温度:カラム110℃、注入口180℃
試料0.5g
III.Iで測定したメタクリル酸単量体単位と残存メタクリル酸の合計量から、IIで測定した残存メタクリル酸量を差し引いた値をスチレン系共重合体中のメタクリル酸単量体単位含有量として求めた。但し、残存メタクリル酸の測定値が0.1質量%未満のものについては、残存メタクリル酸量を0質量%としてスチレン系共重合体中のメタクリル酸単量体単位含有量を求めた。
(2)スチレン系共重合体中のメチルメタクリレート単量体単位含有量及びアクリロニトリル単量体単位含有量の測定
スチレン系共重合体を重クロロフォルムに溶解して調整した2%溶液を測定試料とし、FT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用いてC13測定し、スチレン、メチルメタクリレートおよびアクリロニトリルのピーク面積から算出した。
(3)屈折率
未溶融化合物の屈折率は、アッベ式屈折計にて、波長589nm、23℃の雰囲気下にて測定した。
(4)加熱変形温度
東芝機械社製射出成形機(IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度220℃で厚さ12.7mm、幅3.2mm、長さ57.1mmの試験片を成形した。この試験片の厚さ12.7mm部の方向で、ASTM D−648に準じて、18.6kg荷重にて測定した。
(5)ロックウェル硬度
東芝機械社製射出成形機(IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度220℃で厚さ12.7mm、幅3.2mm、長さ57.1mmの試験片を成形した。この試験片を用いて、ASTM D−785に準じて、Mスケール条件にて測定した。
(6)全光線透過率、曇度
a)射出成形品物性
東芝機械社製射出成形機(IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度220℃で厚さ1mm、2mm、3mmの3段プレートを成形した。この3段プレートの厚さ2mm部を用いて、ASTM D−1003に準じて、日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−1001DP)を用いて測定した。
b)シート成形品物性
得られたシートを用いて、ASTM D−1003に準じて、日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−1001DP)を用いて測定した。
<スチレン系共重合体Aの製造>
容積約5リットルの第1完全混合槽と約15リットルの第2完全混合槽を直列に接続し、さらに予熱器を付した第1脱揮槽と第2脱揮槽を2基直列に接続して構成した。
スチレン70質量%、メチルメタクリレート(以下、「MMA」という。)30質量%で構成する単量体溶液100質量部に対し、エチルベンゼン15質量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.01質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.2質量部を混合し原料溶液とした。
この原料溶液を毎時6.0kgで135℃に制御した第1完全混合槽に供給した。第1完全混合槽出口での転化率は28質量%であった。次に第1完全混合槽より連続的に抜き出し、135℃に制御した第2完全混合槽に供給した。第2完全混合槽出口での転化率は63質量%であった。次に第2完全混合槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、67kPa、160℃に制御した第1脱揮槽に導入した。さらに第1脱揮槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、1.3kPa、230℃に制御した第2脱揮槽に導入し単量体を除去した。これをストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体A−1を得た。
スチレン40質量%、MMA60質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体A−1と同様にしてスチレン系共重合体A−2を得た。
スチレン95質量%、MMA5質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体A−1と同様にしてスチレン系共重合体A−3を得た。
スチレン5質量%、MMA95質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体A−1と同様にしてスチレン系共重合体A−4を得た。
スチレン40質量%、MMA55質量%、アクリロニトリル5質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体A−1と同様にしてスチレン系共重合体A−5を得た。
得られたスチレン系共重合体の組成を表1に示す。
Figure 0004723824
<スチレン系共重合体(B)の製造>
容積約5リットルの第1完全混合槽と約15リットルの第2完全混合槽を直列に接続し、さらに予熱器を付した第1脱揮槽と第2脱揮槽を2基直列に接続して構成した。
4−t−ブチルカテコールが0.1ppm含まれるスチレン95質量%、メタクリル酸(以下、「MAA」という。)5質量%で構成する単量体溶液100質量部に対し、エチルベンゼン15質量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.01質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.2質量部を混合し原料溶液とした。
この原料溶液を毎時6.0kgで135℃に制御した第1完全混合槽に供給した。第1完全混合槽出口での転化率は28質量%であった。次に第1完全混合槽より連続的に抜き出し、135℃に制御した第2完全混合槽に供給した。第2完全混合槽出口での転化率は63質量%であった。次に第2完全混合槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、67kPa、160℃に制御した第1脱揮槽に導入した。さらに第1脱揮槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、1.3kPa、230℃に制御した第2脱揮槽に導入し単量体を除去した。これをストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体B−1を得た。
スチレン90質量%、MAA10質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体B−1と同様にしてスチレン系共重合体B−2を得た。
スチレン85質量%、MAA15質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体B−1と同様にしてスチレン系共重合体B−3を得た。
スチレン85質量%、MAA10質量%、メチルメタクリレート5質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体B−1と同様にしてスチレン系共重合体B−4を得た。
スチレン100質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体B−1と同様に実施しスチレン系共重合体B−5を得た。
スチレン75質量%、MAA25質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体B−1と同様にしてスチレン系共重合体B−6を得た。
得られたスチレン系共重合体中の組成を表2に示す。
Figure 0004723824
<溶融シリカの製造>
高純度水晶をジョークラッシャー、Wロールクラッシャー、ボールミルを通して149μm以下の累積粒度が100質量%程度になるように粉砕された高純度水晶粉末をプロパン/酸素=1/5.6の比率に保たれた約2000℃の火炎中に投入し溶融球状化を行った。この際、炉内で分級されたサイクロンあるいはバグフィルターで捕集された最大粒子径24μm以下の溶融シリカ球状体を回収した。
水中にて十分に攪拌・分散した後、液体サイクロンで超微粉を分級除去して、表3に示す溶融シリカ球状体C−1〜C−5を得た。
また、高純度水晶の溶融インゴットをジョークラッシャー、Wロールクラッシャーを通して粉砕した後、分級を行い、表3に示す溶融シリカ粉砕品C−6〜C−10を得た。
<ポリオルガノシロキサン架橋ビーズ>
ポリオルガノシロキサン架橋ビーズとして、D−1:信越化学社製KMP590、D−2:信越化学社製X−52−1032、D−3:信越化学社製X−52−854を使用した。これらの平均粒子径、屈折率を表3に示す。
<ポリスチレン架橋ビーズ>
攪拌機付きオートクレーブにスチレン100部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、表3に示すポリスチレン架橋ビーズEを得た。
Figure 0004723824
<実施例1〜15、比較例1〜15>
スチレン系共重合体A−1〜A−5、スチレン系共重合体B−1〜B−6、溶融シリカC−1〜C−10、ポリオルガノシロキサン架橋ビーズD−1〜D−3、ポリスチレン架橋ビーズEを、表4,5に示す配合比にて混合し、40mm径の単軸押出し機にて、温度240℃、スクリュー回転数100rpmにて混練し、ペレット化を行い、スチレン系樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを用いて温度220℃にて射出成形し、試験片を得た。また、更にTダイ方式の押出機にて、シリンダー温度240℃にてシートを成形した。
これらの試験片、シートを用いて物性を評価した。結果を表4,5に示す。尚、透明性については、曇り度80%以上かつ全光線透過率50%以上であることが、優れた光拡散性を発現するために必要である。
Figure 0004723824
Figure 0004723824

Claims (4)

  1. スチレン系単量体単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜20質量%、および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体A30〜70質量部と、
    スチレン系単量体単位80〜99質量%、メタクリル酸単量体単位20〜1質量%、および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体B70〜30質量部と
    からなるスチレン系樹脂100質量部に対して、屈折率が1.52以下で平均粒子径が1〜20μmであり、シリカ、架橋ポリオルガノシロキサンから選ばれる少なくとも一種の化合物を0.1〜35質量部含有してなることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
  2. 前記シリカが溶融シリカであることを特徴とする請求項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のスチレン系樹脂組成物を成形してなることを特徴とするシート。
  4. 請求項1または2に記載のスチレン系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする射出成形体。
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JP2002020564A (ja) * 2000-07-03 2002-01-23 Asahi Kasei Corp スチレン系樹脂組成物延伸シート

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