JPWO2006062171A1 - スチレン系樹脂組成物およびそのシート - Google Patents

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Abstract

寸法安定性や耐光性に優れ、かつ光拡散性の優れたシートを実現できるスチレン系樹脂組成物、およびそのスチレン系樹脂組成物を成形して得られるスクリーンレンズ用成形体や拡散板として使用されるシートを提供すること。スチレン系単量体単位90〜100質量%及びスチレン系単量体単位と共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなり、重量平均分子量(Mw)が300,000〜500,000であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)が1.95〜2.50であるスチレン系樹脂100質量部と、該スチレン系樹脂との屈折率差が0.05〜0.15であり、平均粒子径が2〜10μmの未溶融化合物1〜10質量部と、ヒンダードアミン系化合物0.1〜2質量部と、ベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2質量部と、を含有することを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂組成物およびそのシートに関するものである。詳しくは、プロジェクションテレビ等の画面の透過型スクリーンや液晶TVに使用される光拡散性、寸法安定性、耐光性に優れたシート又は拡散板に関するものである。
透過型スクリーン等のスクリーンレンズは、プロジェクションテレビの画像を投与し、目的とする表示を実現するために広く用いられている。このスクリーンレンズは、観察者が観察する際に明るく、視野角が拡大するように、一般的にレンチキューレンズやフレネルレンズ等のレンズ成形体を組み合わせて構成されている。これらスクリーンレンズに使用される投光材料は、透明性、耐光性、耐傷付性等に優れ、かつ成形加工性に優れたメタクリル樹脂が広く使用されてきており、スクリーンレンズの加工方法もプレス成形、押出し成形、キャスト成形や射出成形等により行われてきた。
このようなスクリーンレンズ用成形体の基材として使用されるメタクリル樹脂は、吸水率が高いため、スクリーンレンズ用成形体の寸法変化が生じ、スクリーンの反りや浮きが生じ、光学特性が損なわれたり、枠体からのスクリーンレンズの脱落が生じるという問題を有していた。また、スクリーンレンズの輸送時の温度や使用環境温度が高くなると変形する問題も有していた。
これらの問題を解決するために、特許文献1には、芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び多官能性不飽和単量体の混合物にスチレン−ジエン系共重合体を溶存させて重合し、フレネルレンズを得る方法が開示されている。しかしながらこの技術では、光拡散性の優れたスクリーンレンズ用成形体を得るには不充分であった。
また、液晶TVの拡散板の基材として使用されるメタクリル樹脂についても吸水率が高いため、拡散板成形体の寸法変化が生じ、拡散板の反りが生じ、光学特性が損なわれる問題を有していた。また、映像やランプの光を長時間投射するとスクリーンレンズや拡散板に使用される樹脂の劣化による変色が起こり、画像が変色するという問題を有していた。
特開平5−341101号公報
本発明の課題は、寸法安定性や耐光性に優れ、かつ光拡散性の優れたシートを実現できるスチレン系樹脂組成物、およびそのスチレン系樹脂組成物を成形して得られるスクリーンレンズ用成形体や拡散板として使用されるシートを提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、スチレン系単量体単位を主成分とする特定のスチレン系樹脂と特定の未溶融化合物と特定の耐光剤を含有し、寸法安定性、耐光性、かつ光拡散性の優れたシートを実現できるスチレン系樹脂組成物、およびそのスチレン系樹脂組成物からなるシートを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、以下の要旨を有する。
(1)スチレン系単量体単位90〜100質量%及びスチレン系単量体単位と共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなり、重量平均分子量(Mw)が300,000〜500,000であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)が1.95〜2.50であるスチレン系樹脂100質量部と、該スチレン系樹脂との屈折率差が0.05〜0.15であり、平均粒子径が2〜10μmの未溶融化合物1〜10質量部と、ヒンダードアミン系化合物0.1〜2質量部と、ベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2質量部と、を含有することを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
(2)未溶融化合物は、1気圧の雰囲気下で、200℃以上の融点または軟化点を有する化合物である上記(1)に記載のスチレン系樹脂組成物。
(3)未溶融化合物がメチルメタクリレートの架橋重合体又はスチレン−メチルメタクリレートの架橋共重合体である上記(1)又は(2)に記載のスチレン系樹脂組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を成形してなるシート。
(5)厚みが1〜7mmである上記(4)記載のシート。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を成形してなる拡散板。
(7)厚みが1〜7mmである上記(6)記載の拡散板。
(8)上記(4)又は(5)記載のシート、あるいは、上記(6)又は(7)記載の拡散板を使用したスクリーンレンズ。
(9)上記(8)記載のスクリーンレンズを使用した、プロジェクションテレビの透過型スクリーン。
(10)上記(4)又は(5)記載のシート、あるいは、上記(6)又は(7)記載の拡散板を組み込んだ液晶テレビ。
本発明により、従来にない光拡散性に優れたシート及びそのスチレン系樹脂組成物を工業上極めて有利に提供することができる。本発明のスチレン系樹脂組成物から得られるシートは、光拡散性、寸法安定性、耐光性に優れていることより、特にフレネルレンズやレンチキュラーレンズ、拡散板等の光学用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるスチレン系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ましくはスチレンである。
本発明における、スチレン系単量体単位と共重合なビニル化合物単量体としては、例えば、メチルメタクリレート(以下、MMAともいう)、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド単量体等があげられる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上を併用してもよい。
本発明のスチレン系樹脂組成物に使用されるスチレン系樹脂は、スチレン系単量体単位90〜100質量%及びスチレン系単量体単位と共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%を含み、好ましくはスチレン系単量体単位100質量%を含む。スチレン系単量体単位が90質量%未満では、吸湿によりシートが変形する場合がある。
本発明のスチレン系樹脂組成物に使用されるスチレン系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が300,000〜500,000であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)が1.95〜2.50である。この範囲以外では、押出し成形ができないか、又は成形時に設定したシート厚みを得ることができない。ここで、Z平均分子量(Mz)とは、ポリマー中に含まれる分子量Mの分子の数をNとするとき、Mz=ΣM /ΣM で定義される平均分子量である。
本発明に用いられる未溶融化合物はスチレン系樹脂の融点では溶融しない化合物であり、101.3kPa(1気圧)の雰囲気下で、200℃以上に融点または軟化点を有する化合物が好ましい。融点、軟化点が200℃未満では、スチレン系樹脂との溶融混練時、またはスチレン系樹脂組成物のシート化時や射出成形時に該化合物が溶融しやすく、優れた光学特性を保持することができない場合がある。
未溶融化合物は、スチレン系樹脂との屈折率差が0.05〜0.15であり、平均粒子径が2〜10μmが好ましい。更に好ましくは、屈折率差が0.06〜0.14であり、平均粒子径が3〜9μmが好ましい。屈折率差が0.05未満では、曇り度や拡散率が小さくなり光拡散性が低下し、0.15を超えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。平均粒子径が2μm未満では、曇り度や拡散率が小さくなり光拡散性が低下し、10μmを超えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。未溶融化合物の平均粒子径は、コールター・マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)を用いて測定して得られる値である。
また、未溶融化合物は、スチレン系樹脂100質量部に対して1〜10質量部であり、好ましくは、2〜9質量部である。未溶融化合物の含有量が1質量部未満では、曇り度や拡散率が小さくなり光拡散性が低下し、10質量部を超えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
本発明で使用される未溶融化合物としては、メチルメタクリレートの架橋共重合体やスチレン−メチルメタクリレートの架橋共重合体が好ましいが、限定されるものではない。かかかる未溶融化合物は、シート中においてその一部を表層a及び裏層cの表面に突出させ、表層a及び裏層cの表面に凹凸を形成していることが好ましい。かかる凹凸により、多層シート表面の流動性や離型性を向上させることができる。
本発明に用いられるスチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂100質量部に対してヒンダードアミン系化合物0.1〜2質量部を含み、好ましくは、0.15〜1.8質量部を含む。また、スチレン系樹脂100質量部に対してベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2質量部を含み、好ましくは、0.15〜1.8質量部を含む。ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が0.1質量部未満では、耐光性が低下し、2質量部を超えると、得られるシート又は拡散板の黄色度が強く好ましくない。
ヒンダードアミン系化合物としては、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシド、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等を単独または複数使用することができる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル]−6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール等を単独または複数使用することができる。
本発明のスチレン系樹脂の製造方法に特に制限はないが、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法を好適に採用できる。
未溶融化合物の配合方法に特に制限はなく、スチレン系樹脂の重合前、重合途中、重合後に配合する方法、スチレン系樹脂との混合により配合する方法等が挙げられる。
スチレン系樹脂に対する未溶融物の混合方法については特に制限はないが、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラーミキサー等の公知の混合装置にて予備混合した後、単軸押出機または二軸押出機等の押出機を用いて溶融混練を行うことにより、均一に混合することができる。
また、上述の方法により未溶融化合物の高濃度混合物を作成しておき、シート成形時に、該高濃度混合物とスチレン系樹脂をドライブレンドしてもよい。
また、シート成形としては、押出し成形、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形等が用いられる。
本発明に使用されるスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて添加剤を配合することができる。例えば、流動性や離型性を向上させるために、可塑剤、滑剤、シリコンオイル等を配合することができる。また、成形品の防塵のために帯電防止剤を配合することができる。また、耐熱性を付与するため、熱安定剤を配合することができる。その他、着色剤や蛍光増白剤等を配合することもできる。
本発明のスチレン系樹脂組成物を押出し成形して得られるシートの厚みは、好ましくは、1〜7mmであり、特には1.3〜4mmが好適である。該シートの厚みが1mm未満や7mmを超えると、優れた光拡散性が得られない場合がある。
本発明のスチレン系樹脂組成物を用いた拡散板の厚みは、好ましくは、1〜7mmであり、特には1.3〜4mmが好適である。該拡散板の厚みが1mm未満や7mmを超えると、優れた光拡散性が得られない場合がある。
本発明の拡散板とは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等に使用され、バックライトの光を散乱、拡散することで画面全体を均一な明るさにする部材のことである。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の部、%はいずれも質量基準で表した。
スチレン系樹脂は表1に示した(A−1)〜(A−7)を使用した。
Figure 2006062171
ポリオルガノシロキサン架橋ビーズ(B)
ポリオルガノシロキサン架橋ビーズとして、東芝シリコーン社製トスパール2000Bを使用した。平均粒子径、屈折率を表2に示す。
MMA−nBA共重合架橋ビーズ(C)
攪拌機付きオートクレーブにメチルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート80部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の架橋ビーズ(C)を得た。平均粒子径、屈折率を表2に示す。
スチレン−MMA架橋ビーズ(D)
攪拌機付きオートクレーブにスチレン40部、メチルメタクリレート60部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の架橋ビーズD−1を得た。第三リン酸カルシウム1.0部を用いた以外はD−1と同様な製法により平均粒子径3μm、屈折率1.535のビーズ状の架橋ビーズD−2を得た。また、第三リン酸カルシウム0.1.5部を用いた以外はD−1と同様な製法によりビーズ状の架橋ビーズD−3を得た。更に第三リン酸カルシウム0.1部を用いた以外はD−1と同様な製法によりビーズ状の架橋ビーズD−4を得た。また、スチレン55部、メチルメタクリレート45部に変更した以外は、D−2と同様な製法により架橋ビーズD−5を得た。これらの平均粒子径、屈折率を表2に示す。
ポリメチルメタクリレート架橋ビーズ(E)
攪拌機付きオートクレーブにメチルメタクリレート100部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状のポリメチルメタクリレート架橋ビーズ(以下、「PMMA架橋ビーズ」という。)E−1を得た。第三リン酸カルシウム1.5部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−2を得た。また、第三リン酸カルシウム1.0部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−3を得た。更に、第三リン酸カルシウム0.2部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−4を得た。これらの平均粒子径、屈折率を表2に示す。
Figure 2006062171
スチレン系樹脂A−1〜A−7と架橋ビーズB、C、D−1〜D−5、E−1〜E−4および、ヒンダードアミン系化合物としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ベンゾトリアゾール系化合物として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノールを表3〜表5に示す配合比にて混合し、40mm径の単軸押出し機にて、温度240℃、スクリュー回転数100rpmにて混練し、ペレット化を行い、スチレン系樹脂組成物1〜25のペレットを得た。
Figure 2006062171
Figure 2006062171
Figure 2006062171
実施例1〜11、比較例1〜16
スチレン系樹脂組成物1〜25を用いて、Tダイ方式の押出機にてシートを作成した。尚、押出機は65mmφのフルフライトスクリューの単軸押出機を使用した。シート化における各シリンダー温度は230℃にて運転、成形した。得られた押出しシートの光学特性、耐光性、吸湿性(吸水反り)データを表6〜9に示す。
シートを拡散板に用いるための光学特性については、曇り度99%以上、全光線透過率60%以上、拡散率20%以上、であることが、優れた光拡散性を発現するために必要である。
その他の性能については、耐光性の色差△Eの値は1以下、黄色度の尺度としてのb値は1以下、吸湿性は変形量1mm以下であることが、優れた耐光性、吸湿安定性を発現するために要求される。
Figure 2006062171
Figure 2006062171
Figure 2006062171
Figure 2006062171
各物性値の測定方法は以下の通りである。
(1)全光線透過率、曇度:ASTM D−1003に準じて、日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−2000)を用いて測定した。
(2)拡散率:日本電色工業社製変角光度計(GC5000L)を用いて、受光角0°の光線透過率I、受光角70°光線透過率I70を測定し、次式により算出した。
拡散率(%)=(I70/I)×100
(3)屈折率:未溶融化合物については、アッベ式屈折計にて波長589nm、23℃の雰囲気下にて測定した。また、スチレン系共重合体については、デジタル屈折率計(ATAGO社製RX−2000)を用いて、接触液としてヨウ化カリウム飽和水溶液を使用して、温度25℃で測定した。
(4)耐光性:東洋精機製作所社製キセノンウエザーメーター、アトラスCI65Aを用いて400Hr照射後の色差△Eを測定した。日本電色社製色差計(Σ―80)を用いて、L,a,bを測定し、黄色度の尺度としてb値を示した。また耐光性評価の色差△Eは次式により求めた。
△E=((L−L‘)+(a−a’)+(b−b‘)1/2
但し、L,a,bは、耐光性評価前の色相、L‘,a’,b‘は、耐光性評価後(400Hr照射後)の色相である。色差ΔEは1以下を良好とした。
(5)吸湿性:得られた光拡散シートを300mm×300mmの寸法に切削し50℃、湿度80%の雰囲気下に7日間放置後の変形量をスケールで測定した。吸湿性は変形量1mm以下を良好とした。
(6)黄色度:日本電色社製色差計(Σ―80)を用いて、L,a,bを測定し、黄色度の尺度としてb値を示した。b値は1以下を良好とした。
(7)スチレン系共重合体の樹脂組成:スチレン系共重合体を重クロロホルムに溶解して2%溶液に調製して測定資料として、FT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用いてC13測定し、スチレンとメチルメタクリレートのピーク面積より算出した。
(8)スチレン系共重合体のMw,Mz/Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−B(Polymer Laboratories社製)を3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(Polymer Laboratories社製)を用いて作成し、Mw、Mz/MwはPS換算値で表した。
本発明のスチレン系樹脂組成物からなるシートは、フルネルレンズやレンチキュラーレンズ、拡散板等の光学用途に好適に用いることができる。

なお、2004年12月9日に出願された日本特許出願2004−356549号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. スチレン系単量体単位90〜100質量%及びスチレン系単量体単位と共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなり、重量平均分子量(Mw)が300,000〜500,000であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)が1.95〜2.50であるスチレン系樹脂100質量部と、該スチレン系樹脂との屈折率差が0.05〜0.15であり、平均粒子径が2〜10μmの未溶融化合物1〜10質量部と、ヒンダードアミン系化合物0.1〜2質量部と、ベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2質量部と、を含有することを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
  2. 未溶融化合物は、1気圧の雰囲気下で200℃以上の融点または軟化点を有する化合物である請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 未溶融化合物がメチルメタクリレートの架橋重合体又はスチレン−メチルメタクリレートの架橋共重合体である請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を成形してなるシート。
  5. 厚みが1〜7mmである請求項4に記載のシート。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を成形してなる拡散板。
  7. 厚みが1〜7mmである請求項6に記載の拡散板。
  8. 請求項4又は5記載のシート、あるいは、請求項6又は7に記載の拡散板を使用したスクリーンレンズ。
  9. 請求項8に記載のスクリーンレンズを使用した、プロジェクションテレビの透過型スクリーン。
  10. 請求項4又は5に記載のシート、あるいは、請求項6又は7記載の拡散板を組み込んだ液晶テレビ。
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