JP2008056706A - 成形体およびそれからなる拡散板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 寸法安定性と光拡散性の優れたスクリーンレンズ用成形体や拡散板に使用される成形体を提供すること。
【解決の手段】 スチレン系単量体単位50〜90質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位50〜10質量%および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体100質量部に対して、屈折率差が0.05〜0.015で平均粒子径が2〜10μmの未溶融化合物を1〜10質量部、ヒンダードアミン系化合物を0.1〜2質量部、ベンゾトリアゾール系化合物を0.1〜2質量部含有してなるスチレン系樹脂組成物からなる成形体を構成とする。
【選択図】 なし
【解決の手段】 スチレン系単量体単位50〜90質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位50〜10質量%および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体100質量部に対して、屈折率差が0.05〜0.015で平均粒子径が2〜10μmの未溶融化合物を1〜10質量部、ヒンダードアミン系化合物を0.1〜2質量部、ベンゾトリアゾール系化合物を0.1〜2質量部含有してなるスチレン系樹脂組成物からなる成形体を構成とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、成形体およびそれからなる拡散板に関する。詳しくは、プロジェクションテレビ等の画面の透過型スクリーンや液晶TVに使用される光拡散性、寸法安定性、耐光性に優れた成形体及びそれからなる拡散板に関するものである。
透過型スクリーン等のスクリーンレンズは、プロジェクションテレビの画像を投与し、目的とする表示を実現するために広く用いられている。このスクリーンレンズは、観察者が観察する際に明るく、視野角が拡大するように、一般的にレンチキューレンズやフレネルレンズ等のレンズ成形体を組み合わせて構成されている。これらスクリーンレンズに使用される投光材料は、透明性、耐光性、耐傷付性等に優れ、かつ成形加工性に優れたメタクリル樹脂が広く使用されてきており、スクリーンレンズの加工方法もプレス成形、押出し成形、キャスト成形や射出成形等により行われてきた。
このようなスクリーンレンズ用成形体の基材として使用されるメタクリル樹脂は、吸水率が高いため、スクリーンレンズ用成形体の寸法変化が生じ、スクリーンの反りや浮きが生じ、光学特性が損なわれたり、枠体からのスクリーンレンズの脱落が生じるという問題を有していた。また、スクリーンレンズの輸送時の温度や使用環境温度が高くなると変形する問題も有していた。
これらの問題を解決するために、特許文献1には芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、多官能性不飽和単量体混合物にスチレン−ジエン系共重合体を溶存させて重合し、フレネルレンズを得る方法が開示されている。しかしながらこの技術では、光拡散性の優れたスクリーンレンズ用成形体を得るには不充分であった。
また、液晶TVの拡散板の基材として使用されるメタクリル樹脂についても
吸水率が高いため、拡散板成形体の寸法変化が生じ、拡散板の反りが生じ、光学特性が損なわれる問題を有していた。また、映像やランプの光を長時間投射するとスクリーンレンズや拡散板に使用される樹脂の劣化による変色が起こり、画像が変色するという問題を有していた。
また、液晶TVの拡散板の基材として使用されるメタクリル樹脂についても
吸水率が高いため、拡散板成形体の寸法変化が生じ、拡散板の反りが生じ、光学特性が損なわれる問題を有していた。また、映像やランプの光を長時間投射するとスクリーンレンズや拡散板に使用される樹脂の劣化による変色が起こり、画像が変色するという問題を有していた。
本発明の課題は、寸法安定性や耐光性に優れ、かつ光拡散性の優れたスクリーンレンズ用成形体や拡散板として使用される成形体を提供するものである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、スチレン系単量体単位及びメタクリル酸単量体単位を主成分とする共重合体と、特定の未溶融化合物と特定の耐光剤を含有するスチレン系樹脂組成物を成形することにより、寸法安定性に優れ、耐光性に優れ、かつ光拡散性の優れた成形体およびそれからなる拡散板見出し、本発明に到達したのものである。
すなわち、本発明は、(1)スチレン系単量体単位50〜90質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位50〜10質量%および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体100質量部に対して、屈折率差が0.05〜0.015で平均粒子径が2〜10μmの未溶融化合物を1〜10質量部、ヒンダードアミン系化合物を0.1〜2質量部、ベンゾトリアゾール系化合物を0.1〜2質量部含有してなるスチレン系樹脂組成物からなる成形体、(2)成形体が射出成形して得られる(1)記載の成形体、(3)未溶融化合物がメタクリル酸メチルを主体とする架橋重合体又はメタクリル酸メチルとn−ブチルアクリレートの架橋重合体である(1)又は(2)記載の成形体、(4)ヒンダードアミン系化合物がビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである(1)〜(3)の何れか1項に記載の成形体、(5)ベンゾトリアゾール系化合物が2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールである(1)〜(3)の何れか1項に記載の成形体、(6)成形体の厚みが1〜7mmである(1)〜(5)の何れか1項に記載の成形体、(7)(1)〜(6)のいずれか1項記載の成形体からなる拡散板である。
本発明により、従来にない光拡散性に優れた成形体およびそれからなる拡散板を工業上極めて有利に提供することができる。本発明の成形体は、光拡散性、寸法安定性、耐光性に優れていることより、特にフレネルレンズやレンチキュラーレンズ、拡散板等の光学用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるスチレン系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ましくはスチレンである。
本発明に用いられるスチレン系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ましくはスチレンである。
本発明における、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上を併用してもよい。好ましくは、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートまたはこれらの混合物である。
スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能なビニル系単量体として、例えば、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド単量体等があげられる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上を併用してもよい。
本発明に使用されるスチレン系共重合体は、スチレン系単量体単位50〜90質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位50〜10質量%、および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%である。スチレン系単量体単位が90質量%を越えると耐光性が低下し、光照射により成形体が変色する場合がある。また50質量部未満では吸湿により成形体が変形する場合がある。
本発明に用いられる未溶融化合物は101.3kPa(1気圧)の雰囲気下で、200℃以上に融点または軟化点を示す化合物である。融点、軟化点が200℃未満では、スチレン系重合体との溶融混練時、またはスチレン系樹脂組成物の射出成形時に該化合物が溶融しやすく、優れた光学特性を保持することができない。
未溶融化合物は、スチレン系共重合体との屈折率差が0.05〜0.15である。屈折率差が0.05未満では、曇り度や拡散率が小さくなり光拡散性が低下し、0.15を超えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
未溶融化合物の平均粒子径が2〜10μmが好ましい。平均粒子径が2μm未満では、曇り度や拡散率が小さくなり光拡散性が低下し、10μmを超えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。未溶融化合物の平均粒子径は、コールター・マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。
また、未溶融化合物は、スチレン系共重合体100質量部に対して1〜10質量部含有であり、好ましは2〜8質量部である。未溶融化合物の含有量が1質量部未満では、曇り度や拡散率が小さくなり光拡散性が低下し、10質量部を超えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
未溶融化合物としては、メタクリル酸メチルを主体とする架橋重合体、メタクリル酸メチルとn−ブチルアクリレートの架橋重合体が好ましい。例えば、メチルメタクリレート−(n−ブチルアクリレート)架橋ビーズ(以下、「MMA−nBA架橋ビーズ」という。)、ポリメチルメタクリレート架橋ビーズ(以下、「PMMA架橋ビーズ」という。)等が挙げられる。
本発明に用いられるスチレン系樹脂組成物は、スチレン系共重合体100質量部に対してヒンダードアミン系化合物0.1〜2質量部であり、好ましくは0.2〜1.8質量部である。スチレン系共重合体100質量部に対してベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2質量部であり、好ましくは0.2〜1.8質量部である。
ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が0.1質量部未満では、耐光性が低下し、2質量部を超えると、得られる成形体の黄色度が強く好ましくない。
ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が0.1質量部未満では、耐光性が低下し、2質量部を超えると、得られる成形体の黄色度が強く好ましくない。
ヒンダードアミン系化合物としては、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシド、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等を単独または複数使用することができる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル]−6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等を単独または複数使用することができる。
本発明のスチレン系共重合体の製造方法に特に制限はないが、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法を好適に採用できる。
未溶融化合物の配合方法に特に制限はなく、スチレン系共重合体の重合前、重合途中、重合後に配合する方法、スチレン系共重合体との混合により配合する方法等が挙げられる。
スチレン系共重合体に対する未溶融物の混合方法については特に制限はないが、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラーミキサー等の公知の混合装置にて予備混合した後、単軸押出機または二軸押出機等の押出機を用いて溶融混練を行うことにより、均一に混合することができる。
また、上述の方法により未溶融化合物の高濃度混合物を作成しておき、射出成形時に、該高濃度混合物とスチレン系共重合体をドライブレンドしてもよい。
スチレン系樹脂組成物には、必要に応じて添加剤を配合することができる。例えば、流動性や離型性を向上させるために、可塑剤、滑剤、シリコンオイル等を配合することができる。また、成形品の防塵のために帯電防止剤を配合することができる。また、耐熱性を付与するため、熱安定剤を配合することができる。その他、着色剤等を配合することもできる。
本発明の成形体の厚みは1〜7mmである。1mm未満や7mmを超えると、優れた光拡散性が得られない。
本発明の拡散板とは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等に使用され、バックライトの光を散乱、拡散することで画面全体を均一な明るさにする部材である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の部、%はいずれも質量基準で表した。
スチレン系共重合体(A)の製造
容積約5リットルの第1完全混合槽と約15リットルの第2完全混合槽を直列に接続し、さらに予熱器を付した第1脱揮槽と第2脱揮槽を2基直列に接続して構成した。スチレン40質量%、メチルメタクリレート60質量%で構成する単量体溶液100質量部に対し、エチルベンゼン15質量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.01質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.2質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6.0kgで135℃に制御した第1完全混合槽に供給した。第1完全混合槽出口での転化率は28質量%であった。次に第1完全混合槽より連続的に抜き出し、135℃に制御した第2完全混合槽に供給した。第2完全混合槽出口での転化率は63質量%であった。次に第2完全混合槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、67kPa、160℃に制御した第1脱揮槽に導入した。さらに第1脱揮槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、1.3kPa、230℃に制御した第2脱揮槽に導入し単量体を除去した。これをストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体A−1を得た。
容積約5リットルの第1完全混合槽と約15リットルの第2完全混合槽を直列に接続し、さらに予熱器を付した第1脱揮槽と第2脱揮槽を2基直列に接続して構成した。スチレン40質量%、メチルメタクリレート60質量%で構成する単量体溶液100質量部に対し、エチルベンゼン15質量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.01質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.2質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6.0kgで135℃に制御した第1完全混合槽に供給した。第1完全混合槽出口での転化率は28質量%であった。次に第1完全混合槽より連続的に抜き出し、135℃に制御した第2完全混合槽に供給した。第2完全混合槽出口での転化率は63質量%であった。次に第2完全混合槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、67kPa、160℃に制御した第1脱揮槽に導入した。さらに第1脱揮槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、1.3kPa、230℃に制御した第2脱揮槽に導入し単量体を除去した。これをストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体A−1を得た。
スチレン80質量%、メチルメタクリレート(以下、「MMA」という。)20質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体A−1と同様に実施しスチレン系共重合体A−2を得た。
スチレン55質量%、MMA45質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体A−1と同様に実施しスチレン系共重合体A−3を得た。
スチレン95質量%、メチルメタクリレート5質量%で構成する単量体溶液を用いた以外は、スチレン系共重合体A−1と同様に実施しスチレン系共重合体A−4を得た。
得られたスチレン系共重合体の組成を表1に示す。
ポリオルガノシロキサン架橋ビーズ(B)
ポリオルガノシロキサン架橋ビーズとして、の東芝シリコーン社製トスパール2000Bを使用した。平均粒子径、屈折率は表2に示す。
ポリオルガノシロキサン架橋ビーズとして、の東芝シリコーン社製トスパール2000Bを使用した。平均粒子径、屈折率は表2に示す。
MMA−nBA架橋ビーズ(C)
攪拌機付きオートクレーブにメタクリル酸メチル20部、n−ブチルアクリレート80部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状のMMA−nBA架橋ビーズ(C)を得た。平均粒子径、屈折率は、表2に示す。
攪拌機付きオートクレーブにメタクリル酸メチル20部、n−ブチルアクリレート80部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状のMMA−nBA架橋ビーズ(C)を得た。平均粒子径、屈折率は、表2に示す。
スチレン−MMA架橋ビーズ(D)
攪拌機付きオートクレーブにスチレン40部、メタクリル酸メチル60部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状のスチレン−MMA架橋ビーズ(D)を得た。平均粒子径、屈折率は、表2に示す。
攪拌機付きオートクレーブにスチレン40部、メタクリル酸メチル60部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状のスチレン−MMA架橋ビーズ(D)を得た。平均粒子径、屈折率は、表2に示す。
PMMA架橋ビーズ(E)
攪拌機付きオートクレーブにメタクリル酸メチル100部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状のPMMA架橋ビーズE−1を得た。
第三リン酸カルシウム1.5部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−2を得た。また、第三リン酸カルシウム1.0部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−3を得た。更に、第三リン酸カルシウム0.2部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−4を得たPMMA架橋ビーズE−1からE−4の平均粒子径、屈折率を表2に示す。
攪拌機付きオートクレーブにメタクリル酸メチル100部、架橋剤としてジビニルベンゼン5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状のPMMA架橋ビーズE−1を得た。
第三リン酸カルシウム1.5部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−2を得た。また、第三リン酸カルシウム1.0部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−3を得た。更に、第三リン酸カルシウム0.2部を用いた以外はE−1と同様な製法によりビーズ状のPMMA架橋ビーズE−4を得たPMMA架橋ビーズE−1からE−4の平均粒子径、屈折率を表2に示す。
スチレン系共重合体A−1〜A−4と架橋ビーズB、C、D、E−1〜E−4および、ヒンダードアミン系化合物としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ベンゾトリアゾール系化合物として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノールを表2、表3に示す配合比にて混合し、40mm径の単軸押出し機にて、温度240℃、スクリュー回転数100rpmにて混練し、ペレット化を行い、スチレン系樹脂組成物1〜16のペレットを得た。
実施例1〜6、比較例1〜12
スチレン系樹脂組成物1〜16を用いて、2オンスインラインスクリュー射出成形機(新潟鉄工所社製)にて、シリンダー温度230℃で射出成形し寸法300mm×300mm×0.5mm厚、300mm×300mm×2mm厚、300×300×10mm厚の成形体を得た。
得られた成形体の光学特性、耐光性、吸水反りデータを表5〜表7に示した。
成形体を拡散板に用いる場合の光学特性については、曇り度99%以上、全光線透過率60%以上、拡散率20%以上、であることが、優れた光拡散性を発現するために必要である。
スチレン系樹脂組成物1〜16を用いて、2オンスインラインスクリュー射出成形機(新潟鉄工所社製)にて、シリンダー温度230℃で射出成形し寸法300mm×300mm×0.5mm厚、300mm×300mm×2mm厚、300×300×10mm厚の成形体を得た。
得られた成形体の光学特性、耐光性、吸水反りデータを表5〜表7に示した。
成形体を拡散板に用いる場合の光学特性については、曇り度99%以上、全光線透過率60%以上、拡散率20%以上、であることが、優れた光拡散性を発現するために必要である。
各物性値の測定方法は以下の通りである。
(1) 全光線透過率、曇度:ASTM D−1003に準じて、日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−2000)を用いて測定した。
(2) 拡散率:日本電色工業社製変角光度計(GC5000L)を用いて、受光角0°の光線透過率I0、受光角70°光線透過率I70を測定し、次式により算出した。
拡散率(%)=(I70/I0)×100
(3)屈折率:未溶融化合物については、アッベ式屈折計にて波長589nm、23℃の雰囲気下にて測定した。また、スチレン系共重合体については、デジタル屈折率計(ATAGO社製RX−2000)を用いて、接触液としてヨウ化カリウム飽和水溶液を使用して、温度25℃で測定した。
(4)耐光性:東洋精機製作所社製キセノンウエザーメーター、アトラスCI65Aを用いて400Hr照射後の色差△Eを測定した。日本電色社製色差計(Σ―80)を用いて、L,a,bを測定し、黄色度の尺度としてb値を示した。また耐光性評価の色差△Eは次式により求めた。
△ E=((L−L‘)2+(a−a’)2+(b−b‘)2)1/2
但し、L,a,bは、耐光性評価前の色相、L‘,a’,b‘は、耐光性評価後(400Hr照射後)の色相である。色差ΔEは1以下を良好とした。
(5)吸湿性:得られた成形体を50℃、湿度80%の雰囲気下に7日間放置後の変形量をスケールで測定した。吸湿性は変形量1mm以下を良好とした。
(6)黄色度:日本電色社製色差計(Σ―80)を用いて、L,a,bを測定し、黄色度の尺度としてb値を示した。b値は1以下を良好とした。
(7)スチレン系共重合体の樹脂組成:スチレン系共重合体を重クロロホルムに溶解して2%溶液に調製して測定資料として、FT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用いてC13測定し、スチレンとメチルメタクリレートのピーク面積より算出した。
(1) 全光線透過率、曇度:ASTM D−1003に準じて、日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−2000)を用いて測定した。
(2) 拡散率:日本電色工業社製変角光度計(GC5000L)を用いて、受光角0°の光線透過率I0、受光角70°光線透過率I70を測定し、次式により算出した。
拡散率(%)=(I70/I0)×100
(3)屈折率:未溶融化合物については、アッベ式屈折計にて波長589nm、23℃の雰囲気下にて測定した。また、スチレン系共重合体については、デジタル屈折率計(ATAGO社製RX−2000)を用いて、接触液としてヨウ化カリウム飽和水溶液を使用して、温度25℃で測定した。
(4)耐光性:東洋精機製作所社製キセノンウエザーメーター、アトラスCI65Aを用いて400Hr照射後の色差△Eを測定した。日本電色社製色差計(Σ―80)を用いて、L,a,bを測定し、黄色度の尺度としてb値を示した。また耐光性評価の色差△Eは次式により求めた。
△ E=((L−L‘)2+(a−a’)2+(b−b‘)2)1/2
但し、L,a,bは、耐光性評価前の色相、L‘,a’,b‘は、耐光性評価後(400Hr照射後)の色相である。色差ΔEは1以下を良好とした。
(5)吸湿性:得られた成形体を50℃、湿度80%の雰囲気下に7日間放置後の変形量をスケールで測定した。吸湿性は変形量1mm以下を良好とした。
(6)黄色度:日本電色社製色差計(Σ―80)を用いて、L,a,bを測定し、黄色度の尺度としてb値を示した。b値は1以下を良好とした。
(7)スチレン系共重合体の樹脂組成:スチレン系共重合体を重クロロホルムに溶解して2%溶液に調製して測定資料として、FT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用いてC13測定し、スチレンとメチルメタクリレートのピーク面積より算出した。
Claims (7)
- スチレン系単量体単位50〜90質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位50〜10質量%および共重合可能なビニル化合物単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系共重合体100質量部に対して、屈折率差が0.05〜0.015で平均粒子径が2〜10μmの未溶融化合物を1〜10質量部、ヒンダードアミン系化合物を0.1〜2質量部、ベンゾトリアゾール系化合物を0.1〜2質量部含有してなるスチレン系樹脂組成物からなる成形体。
- 成形体が射出成形して得られる請求項1記載の成形体。
- 未溶融化合物がメタクリル酸メチルを主体とする架橋重合体又はメタクリル酸メチルとn−ブチルアクリレートの架橋重合体である請求項1又は2記載の成形体。
- ヒンダードアミン系化合物がビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである請求項1〜3の何れか1項に記載の成形体。
- ベンゾトリアゾール系化合物が2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールである請求項1〜3の何れか1項に記載の成形体。
- 成形体の厚みが1〜7mmである請求項1〜5の何れか1項に記載の成形体。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の成形体からなる拡散板。
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