JP4566870B2 - 内部に複数の空孔を有するポリマー粒子ならびにその製造方法と前記ポリマー粒子が含有されてなる樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の製造方法ならびに該製造方法により製造される内部に複数の空孔を有するポリマー粒子と該ポリマー粒子が含有されてなる樹脂組成物に関する。
従来、ポリマー粒子として、例えば、透明樹脂材料により形成された平均粒径1〜100μmのものが、塗料、化粧料などの光反射材や液晶バックライト用光拡散板などの光拡散材として用いられている。すなわち、塗料、化粧料などにおいては、光を屈折、反射させて白色性を付与し、光拡散板においては、該光拡散板の側方から冷陰極管などにより入射された光を光拡散板の面内から均一な明るさで発し得るように入射された光を散乱させている。このような、ポリマー粒子は、内部に複数の空孔を有することで光を反射させたり、散乱させたりする効果が高められ特許文献1には、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を得るためにアクリル酸エステルなどの疎水性のモノマーと、脂肪酸と多価アルコールとの結合により形成された界面活性剤とを用いて、水相/モノマー相/水相(水中に粒状に分散したモノマー中にさらに水が粒状に分散した状態)の多重エマルジョンを形成し、該多重エマルジョン状態にてモノマーを重合することが開示されている。
ところで、ポリマーは、配合された配合剤がポリマー表面に滲出するブリードと呼ばれる現象を起こすことが知られている。また、該ブリードは、配合剤とポリマーとの相溶性や、配合剤のポリマー内における移動しやすさなどに大きく関係することが知られている。すなわち、配合剤とポリマーとの相溶性が低い(親和性が乏しい)ほど、および、配合剤がポリマー内において高い移動度を有するほどブリードしやすいものとなる。
前述のような疎水性のモノマーと界面活性剤とを用いて多重エマルジョンを形成させ懸濁状態とし、該懸濁状態にてモノマーを重合することにより内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造する場合には、前記界面活性剤は、前記モノマーとの相溶性から選定される。したがって、該モノマーの重合物であるポリマー粒子には、前記界面活性剤が残留することとなり、しかも、前記ポリマーと前記界面活性剤との相溶性は、前記モノマーと前記界面活性剤との相溶性に比べて低下する。すなわち、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子内に残留した界面活性剤がブリードして滲出するおそれを有するものとなる。
該ブリードした界面活性剤は、塗料、化粧料を変質させたり、光拡散板を白濁させたりするおそれがあることから、このような用途に用いる内部に複数の空孔を有するポリマー粒子は、ポリマー粒子中に残留する界面活性剤を抽出(除去)する抽出工程を経て製造されている。該抽出工程には、通常、有機溶剤が用いられることから作業環境維持や防爆のために煩雑な工程を必要としている。また、前記抽出工程に用いられた有機溶剤は、有機性廃液として処理するか、再生処理して再利用するかしなければならず、何れにおいてもその処理に煩雑な工程を必要としている。
すなわち、従来の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の製造方法においては、煩雑な工程を行わずに内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造することが困難であるという問題を有する。
なお、このような問題は、塗料、化粧料、光拡散板などの用途のみならず、モノマーと界面活性剤とを水中に分散させて懸濁状態とし、該懸濁状態にてモノマーを重合させることにより製造される内部に複数の空孔を有するポリマー粒子に共通の問題である。
特開昭59−193901号公報
本発明の課題は、上記問題点に鑑み、工程が煩雑となることを抑制し得る内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の製造方法ならびに該製造方法により製造される内部に複数の空孔を有するポリマー粒子と該ポリマー粒子が含有されてなる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーと界面活性剤とを水中に分散させて、懸濁状態とし、該懸濁状態にてモノマーを重合させることにより内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造する場合に、分子内に親水性部と疎水性部とを有する櫛型高分子を界面活性剤として用いることで、該界面活性剤がポリマー粒子中に残留した場合でも、ポリマー粒子内における移動度を従来用いられている界面活性剤に比べて低くできブリードを抑制し得ることを見出し本発明を完成するに到ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーと界面活性剤とを水中に分散させて、懸濁状態とし、該懸濁状態にてモノマーを重合させる内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の製造方法であって、前記界面活性剤として、分子内に親水性部と疎水性部とを有する櫛型高分子が用いられていることを特徴とする内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の製造方法と、アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合させた、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子であって、分子内に親水性部と疎水性部とを有する櫛型高分子を含むことを特徴とする内部に複数の空孔を有するポリマー粒子とを提供する。
なお、本発明において分子内に親水性部と疎水性部とを有する櫛型高分子とは、線状側鎖が出ている三叉分岐点を主鎖に数多く有する重量平均分子量2000〜100000の高分子で、その分子内には、前記モノマー中に分散され得るように疎水性部と、モノマー中に分散されて該モノマー中に水を粒状に分散させ得るように親水性部とを有するものを意図している。
なお、前記重量平均分子量は、例えば、下記条件のようにして求めることができる。
(分子量測定条件)
使用機器:東ソー社製HLC−8020GPC
使用カラム:東ソー社製:TSK−GEL(直径7.8mm×30cm)×3本
試料希釈濃度:5%テトラヒドロフラン(THF)
標準物質:ポリスチレン
展開溶媒:THF
測定方法:前記カラムを(TSK−GEL)3本直列につなぎ、カラム温度40℃、流速0.80mL/minで測定
本発明によれば、アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーと界面活性剤とを水中に分散させ、しかも、前記界面活性剤として、分子内に前記モノマー中に分散され得るように疎水性部と、モノマー中に分散されて該モノマー中に水を粒状に分散させ得るように親水性部とを有する櫛型高分子が用いられるため、モノマーと水とを水相/モノマー相/水相の多重エマルジョン(水中に粒状に分散したモノマー中にさらに水が粒状に分散したエマルジョン)が形成された懸濁状態とすることができる。したがって、該懸濁状態にてモノマーを重合させて内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造することができる。
また、前記界面活性剤として、櫛型高分子が用いられていることから、界面活性剤のブリードを防止し得る。したがって、ブリードを防止するために抽出工程を実施することを抑制することができ、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の製造工程が煩雑なものとなることを抑制し得る。
以下に本発明の好ましい実施の形態について塗料、化粧料などに用いる透明な内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を例に説明する。
まず、本実施形態に用いる材料について説明する。
本実施形態における内部に複数の空孔を有するポリマー粒子は、アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマー(以下、総称して「(メタ)アクリル酸エステル系モノマー」という)から選ばれる少なくとも1種のモノマーを含有するモノマー相用混和物と、水とを用いて製造される。
前記モノマー相用混和物には、内部に水が分散されつつ重合されて内部に複数の空孔を有するポリマー粒子となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと、該(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重合を促進する重合開始剤と、前記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー中に前記水を分散させる櫛型高分子とが配合される。
前記(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸などを単独または複数を混合して用いることができる。
また、前記(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重合を促進させる重合開始剤として、一般に(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの懸濁重合に用いられる重合開始剤を用いることができ、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、などの過酸化物系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3,−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどを単独または複数を混合して用いることができる。
なお、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)は、モノマーに溶解しやすく取り扱いが容易である点において好適である。
また、前記重合開始剤の配合量は、使用するモノマーにもよるが、通常、モノマー100重量部に対して0.01〜1.00重量部である。
前記櫛型高分子は、線状側鎖が出ている三叉分岐点を主鎖に数多く有し、通常、2000〜100000の重量平均分子量を備えている。
本実施形態における前記櫛型高分子としては、分子内に親水性部と疎水性部とを有するものであれば特に限定されるものではないがモノマー中に分散させた水を粒状に安定させやすい点から、親水性部を備えた主鎖に、疎水性部を構成する複数の側鎖がグラフト結合している櫛型高分子が好適であり、例えば、1個以上のポリ(カルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ)鎖を有し、各鎖が3〜80個のカルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ基を有しかつアミド又は塩架橋基によってポリ(エチレンイミン)に結合されているポリ(エチレンイミン)またはその酸塩や、ポリ(低級アルキレン)イミンと遊離カルボン酸基を有するポリエステルとの反応生成物よりなり各ポリ(低級アルキレン)イミン連鎖に少なくとも2つ以上のポリエステル連鎖が結合されたものを用いることができる。このような櫛型高分子としては、例えば、英国LUBRIZOL社から「SOLSPERSE」シリーズとして市販の櫛型高分子材を例示できる。
なお、前記櫛型高分子材料は、酸価20〜80のものが好ましい。酸価が20〜80の範囲であることが好ましいのは、20未満の場合は得られるポリマー粒子が内部に複数の空孔を有するものとならないおそれを有し、80を越える場合には、重合が不安定なものとなりポリマーが粒子状物として得られないおそれを有するためである。
なお、前記酸価はJIS K 0070に基づき、前記櫛型高分子1gに含まれる遊離カルボン酸を中和するのに要するKOHのmg数として測定することができる。
前記櫛型高分子材料の配合量は、モノマー100重量部に対して0.01〜3.00重量部が好適である。前記配合量が0.01〜3.00重量部であることが好ましいのは、0.01重量部未満の場合は、ポリマー粒子が内部に複数の空孔を有するものとならないおそれを有し、3重量部を越えて配合しても配合量に見合う空孔形成効果(空孔の形成させ易さ)が得られないばかりか、ポリマーの純度を低下させてポリマーの特性を損なうおそれを有するためである。
また、前記モノマー相用混和物として、上記のもの以外に前記(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの架橋を行う架橋剤や(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外のモノマーあるいはオリゴマーなどを発明の効果を妨げない程度に加えることもできる。
前記架橋剤としては、重合性の二重結合2個以上有するものを使用することができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびそれらの誘導体などの芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,Nジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルファイトなどのジビニル化合物ならびにビニル基を3個以上有する化合物などを単独または複数を混合して用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外のモノマーあるいはオリゴマーなどとしては、スチレンおよびその誘導体、酪酸ビニルなどのビニルエステル類を用いることができる。
これらモノマー相用混和物を分散させる水には、前記モノマー相用混和物を水中でエマルジョン状態として安定させるべく分散安定剤や水系媒体用の界面活性剤を配合することができる。
前記分散安定剤としては、一般にポリマーの懸濁重合に用いられる分散安定剤を用いることができ、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子、第三リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカなどの難水溶性無機塩を用いることができる。
なお、本実施形態においては、重合後の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子から容易に除去することができ、しかも、他の分散安定剤を用いた場合に比べて内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を狭い粒度分布で重合させ得る点において、常温の水に対する溶解度が3mg以下程度の難水溶性無機塩が好適である。特に、溶解度2.5mgの前記第三リン酸カルシウムが好適である。
また、前記分散安定剤は、通常、得られる内部に複数の空孔を有するポリマー粒子100重量部に対し0.1〜20.0重量部の割合で水に配合される。
前記水系媒体用界面活性剤としては、一般にポリマーの懸濁重合に用いられる水系媒体用界面活性剤を用いることができ、他の界面活性剤を用いた場合に比べて内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を狭い粒度分布で重合させ得る点においてアニオン系界面活性剤が好適に用いられる。
該アニオン系界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ジエチルスルホコハク酸ナトリウムなどを用いることができ、通常、水に対して0.005〜0.3重量%の濃度で配合される。
次いで、これらの材料を用いて内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造する方法について説明する。
前記モノマー相用混和物と水とをそれぞれ別容器にて所定配合に調整し混合する。すなわち、一方でモノマー相用混和物として、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、櫛型高分子、重合開始剤、架橋剤、その他のモノマー、オリゴマーなどを所定の割合で混合攪拌する。このとき用いる混合攪拌手段としては、一般的なミキサー、ホモジナイザーを用いることができるが、全体的に均一となるような混合攪拌手段を採用することが好ましい。また、混合攪拌によりモノマー相用混和物の温度が上昇し(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重合が開始するおそれのある場合には冷却手段などを用いて温度上昇を抑制しつつ混合攪拌することが好ましい。
また、他方で、水相用材料として水に分散安定剤、水系媒体用界面活性剤を所定の割合で加え混合攪拌する。このときも用いる混合攪拌手段として、一般的なミキサー、ホモジナイザーを用いることができ、全体的に均一となるような混合攪拌手段を採用することが好ましい。
その後、上記のごとく調整された水に、前記モノマー相用混和物を注入しホモジナイザーなどで混合攪拌し懸濁液(水相/モノマー相/水相エマルジョン)とする。このとき、攪拌手段としてホモジナイザーを用いることで攪拌時間、回転数などの攪拌条件を変化させてモノマー相の粒子サイズ、すなわち、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の粒子サイズを他の攪拌手段を用いた場合に比べて容易に調整することができる。
前記懸濁液をオートクレーブなどの加温装置に導入し、攪拌しつつ、加温してモノマー相の重合を行う。このようにして得られた重合物をろ過し、該ろ過物を水洗の後乾燥して内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を得ることができる。
また、要すれば、水洗前に前記分散安定剤を除去する工程を行うこともできる。
このようにして得られた内部に複数の空孔を有するポリマー粒子は、界面活性剤などのブリードが抑制されている。この界面活性剤などブリードとなる物質は、通常、低分子量で、熱や光により劣化しやすいことから、例えば、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を熱可塑性樹脂に分散させて加熱成型による成形品を製造した場合においては、ブリードした低分子量の物質が成形時の熱などによって劣化し成形品に黄変を発生させたりするおそれを有する。すなわち、このようなブリードが抑制された内部に複数の空孔を有するポリマー粒子が含有されてなるポリマー粒子含有樹脂組成物は、従来のポリマー粒子含有樹脂組成物に比べて黄変などの変色のおそれを抑制させ得る点において優れているといえる。
このブリードの抑制されたポリマー粒子含有樹脂組成物は、例えば、成形用材料や塗料などとして用いることができる。
このポリマー粒子含有樹脂組成物が用いられた成形用材料は、例えば、常温固体状態の透明な基材樹脂にポリマー粒子を含有させてバックライト式液晶ディスプレイパネルの光拡散板や導光板などの光拡散性樹脂成形体に用いることができる。
この光拡散板や導光板などに用いる場合の前記透明な基材樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体などが好適である。
なお、本発明の効果を損ねない範囲において樹脂組成物の成形加工や使用の態様に応じて、通常、樹脂組成物に用いられる各種配合剤を用いることも可能である。
例えば、光の透過性や拡散性などが求められない用途に用いる場合には、基材樹脂にさらに顔料などが加えられたりしても良い。
前記光拡散性樹脂成形体に用いるポリマー粒子含有樹脂組成物としては、優れた光拡散性能とし得る点ならびに黄変などの変色が発生するおそれを防止し得る点において、粒径
3〜50μmの内部に複数の空孔を有するポリマー粒子が0.1〜10重量%含有されたものが好適である。
また、このようなポリマー粒子含有樹脂組成物を用いて光拡散板を形成する場合には、光拡散性能と光の透過性能との関係から、ポリマー粒子含有樹脂組成物に対する内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の含有量は、0.5〜7重量%とされることが好ましい。
光拡散板を形成する場合の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の含有量としてこのような範囲が好ましいのは、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の含有量が0.5重量%未満の場合には、光拡散板が優れた光拡散性能を備えたものとならないおそれを有し、7重量%を超えて含有しても光拡散板の光拡散性能をそれ以上向上させることが困難であるばかりでなく光の透過性能を低下させるおそれを有しているためである。
また、導光板を形成する場合には、光拡散性能と光の透過性能との関係から、ポリマー粒子含有樹脂組成物に対する内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の含有量は、0.05〜0.5重量%とされることが好ましい。導光板を形成する場合の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の含有量としてこのような範囲が好ましいのは、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の含有量が0.05重量%未満の場合には、光透過性が高くなりすぎて導光板に求められる光の拡散性能を備えたものとならないおそれを有し、0.5重量%を超えて含有した場合には光の拡散性能が高くなりすぎて導光距離が短くなるおそれを有しているためである。
なお、このような光拡散性樹脂成形体の形成においては、前記基材樹脂と内部に複数の空孔を有するポリマー粒子とを、一軸押し出し機、二軸押し出し機などの一般的な樹脂混練手段を用いて混練し、該混練後の樹脂組成物をTダイやロールユニットを介して板状に成形したり、射出成形機やプレス成形機などを用いて成形したりすることができる。
前記ポリマー粒子含有樹脂組成物が用いられた塗料については、光拡散性塗料やつや消し塗料などに好適に用いることができる。
この光拡散性塗料やつや消し塗料には、例えば、粒径3〜50μmの内部に複数の空孔を有するポリマー粒子とバインダーとの混合物からなるポリマー粒子含有樹脂組成物を用いることができる。また、要すれば、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子とバインダーとにさらに溶剤が加えられた混合物からなるポリマー粒子含有樹脂組成物を用いることができる。
なお、この光拡散性塗料においては、バインダーは透明なものを用いることが好ましく、つや消し塗料においては、バインダーは透明であっても有色のものであってもよい。
この光拡散性塗料やつや消し塗料中の固形成分(バインダー+内部に複数の空孔を有するポリマー粒子)に占める内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の含有量は、光拡散性塗料においては、5〜70重量%が好ましく、つや消し塗料としては、10〜30重量%とされることが好ましい。
これらの光拡散性塗料やつや消し塗料に用いられるポリマー粒子含有樹脂組成物としては、塗工の作業性を良好なるものとし得る点において5〜300mPa・sの粘度のものが好適である。
なお、このポリマー粒子含有樹脂組成物の粘度とは、B型粘度計を用いて測定することができ、例えば、25±2℃に保った樹脂組成物を、B型粘度計のNo.4ローターを用いて100rpmの回転数で測定して求めることができる。
前記バインダーとしては、例えば、塗膜形成時に内部に複数の空孔を有するポリマー粒子が塗膜から脱落することを防止し得る粘着性、接着性、結合性などを備えた基材樹脂、該基材樹脂に対する内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の分散性を向上させる分散剤、基材樹脂の硬化剤、染料、顔料などを含有するものを用いることができる。
このバインダーに含有される基材樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル、ニトロセルロースなどの熱可塑性樹脂、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレンゴムなどのエラストマーなどを挙げることができる。
なお、本実施形態においては、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を上記のごとく製造し、上記のごとく用いる場合を例に説明したが、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子、その製造方法および内部に複数の空孔を有するポリマー粒子が含有されてなる樹脂組成物は、上記の例示に限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
使用材料:
内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造するために用いた水相用材料、モノマー相用材料は以下の通り。
<水相用材料>
1.水:3000g
2.分散安定剤:第三リン酸カルシウム 180g
3.水系媒体用界面活性剤:ドデシル硫酸ナトリウム 1g
<モノマー相用材料>
1.モノマー:メタクリル酸メチル800g+エチレングリコールジメタクリレート200g
2.重合開始剤:過酸化ベンゾイル 2g
3.櫛型高分子:LUBRIZOL社製「SOLSPERSE26000」(酸価50) 10g
内部に複数の空孔を有するポリマー粒子製造方法:
上記水相用材料とモノマー相用材料とを別々に混合して混和物とした後、水相用混和物にモノマー相用混和物を加え、特殊機化工業株式会社製「T.K.ホモミクサー」を用い3500rpmの回転速度で5分間混合攪拌し懸濁液を作成した。
該懸濁液を、攪拌機を備えた容量5Lのオートクレーブに導入し、攪拌しつつ、内部窒素置換しながら室温から70℃まで昇温させ、引き続き70℃の温度に5時間保持し、さらに100℃まで昇温させ、昇温後1時間100℃の温度を保持して重合を完了した。
次いで、少量の塩酸を加えて第三リン酸カルシウムを溶解させてろ過し、得られた重合物を水洗した後さらにろ過し、100℃の真空乾燥機中にて10時間乾燥して内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造した。
(実施例2)
櫛型高分子の配合量を10gに代えて5gとした以外は実施例1と同様に内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造した。
(実施例3)
水系媒体用界面活性剤の配合量を1gに代えて1.8gとし、櫛型高分子の配合量を10gに代えて20gとし、「T.K.ホモミクサー」の回転数を3500rpmに代えて7000rpmとした以外は実施例1と同様に内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造した。
(実施例4)
櫛型高分子として「SOLSPERSE26000」に代えて同じくLUBRIZOL社製の「SOLSPERSE36000」(酸価45)を用いた以外は実施例1と同様に内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造した。
(実施例5)
水系媒体用界面活性剤の配合量を1gに代えて0.5gとし、「T.K.ホモミクサー」の回転数を3500rpmに代えて1500rpmとした以外は、実施例1と同様に内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造した。
(比較例1)
モノマー相用材料メタクリル酸メチル21mL、エチレングリコールジメタクリレート9mL、過酸化ベンゾイル0.15g、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.7gを混合攪拌したものに水10g加えてさらに攪拌し水相/モノマー相エマルジョンを作成した。新たに水相用材料として、水446.8g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム2.7g、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5gを混合攪拌したものに前記水相/モノマー相エマルジョンを混合攪拌して水相/モノマー相/水相エマルジョンの懸濁液を作成した。
該懸濁液を、窒素雰囲気下で攪拌しつつ65℃で4時間保持し重合を完了させた。得られた重合物は水洗の後、室温下にて、該重合物の約2倍量のイソプロピルアルコールで洗浄し、さらに同じく重合物の約2倍量のヘキサンで洗浄し乾燥して内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造した。
(比較例2)
櫛型高分子に代えてポリオキシエチレンセチルエーテルを用いたこと以外は、実施例3と同様に内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を製造した。
(評価)
各実施例、比較例の評価については次のとおり実施した。
<平均粒子径>
粒度分布測定装置CoulterElectronics社製「MultisizerII」を用いて測定した。なお、測定に際しては、同社発行の「Reference manual for the CoulterMultisizer(1987)」に従い、粒子径に応じアパチャーを選択し、キャリブレーションを行い測定した。
具体的には、ポリマー粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10mL中に超音波振動を与えつつタッチミキサーを用いて予備分散させ、これを本体備え付けの、ISOTONII(BeckmanCoulter社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、約500rpmで緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせた。次にMultisizerII本体にアパチャーサイズ100μmの時は、Currentを1600、Gainを2、Polarityを+と入力してmanualで測定を行った。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に約500rpmで緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した点で測定を終了した。結果を表1に示す。
<移動性成分含有率>
溶媒による抽出試験により内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の減量を測定し、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子内に含まれる移動性成分、すなわちブリードするおそれのある物質量を評価した。具体的には、100mL三角フラスコに各実施例、比較例の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子10g、溶媒としてヘキサン30gをそれぞれ秤量して加え、80℃に保持したウォーターバス内で10時間加熱した後冷却し、ガラス繊維濾紙を用いて濾過を行った。この濾液を予め恒量にしておいたナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、濃縮後のナス型フラスコを50℃に設定したオーブンに移し、恒量になるまで乾燥させた。乾燥後のナス型フラスコ重量を(A)、ナス型フラスコ自体の重量を(B)として、下記式により移動性成分含有率を求めた。
移動性成分含有率(%)=(A−B)/10×100
結果を表1に示す。
<断面観察>
実施例1により得られた内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を無作為に選定し樹脂埋めして切断し、走査型電子顕微鏡による断面観察を行った。その様子を図1に示す。
Figure 0004566870
表1から、界面活性剤として、分子内に親水性部と疎水性部とを有する櫛型高分子が用いられることでブリードを抑制し得ることがわかる。
<光拡散性樹脂成形体の製造と評価:実施例6〜12、比較例3〜5>
(実施例6〜12)
メタクリル樹脂(住友化学社製、商品名「スミペックス EX−A」)に対して、実施例3の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を表2の重量%となるよう含有させた配合物を押し出し機に導入し、押し出し機にて240℃の温度で溶融混練させつつ押し出しを行い、ペレット状のポリマー粒子含有樹脂組成物を製造した。
このポリマー粒子含有樹脂組成物ペレットを、射出成型機を用いてシリンダー温度240℃、金型温度60℃の温度条件で射出成形し、長さ80mm×幅40mm×厚さ2mmの光拡散性樹脂成形体を作成した。
(比較例3〜5)
実施例3の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子に代えて比較例2のポリマー粒子を表2の重量%で用いたこと以外は実施例6〜12と同様に光拡散性樹脂成形体を作成した。
<光拡散性評価>
各実施例、比較例の光拡散性樹脂成形体を試験片としてJIS K 7361−1:1997「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法」記載の試験方法により全光線透過率の測定を行った。なお、測定には日本電色工業社製「ヘーズメーターNDH−2000」を用いてn=3の測定を行った。結果を表2に示す。
また、各実施例、比較例の光拡散性樹脂成形体を試験片としてJIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」記載の試験方法により全光線透過率の測定を行った。なお、測定には日本電色工業社製「ヘーズメーターNDH−2000」を用いてn=3の測定を行った。
なお、ヘーズは下記計算式により算出した。結果を表2に示す。
ヘーズ(%)={(τ4/τ2)−τ3×(τ2/τ1)}×100(%)
(ただし、τ1:入射光の光束、τ2:試験片を透過した全光束、τ3:装置で拡散した全光束、τ4:装置及び試験片で拡散した全光束)
<着色性評価>
着色性をJIS Z 8722に従い測定した。具体的には色彩色差計(コニカミノルタ社製、商品名「CR−300」)を用いてD65光源によりLab系色表示のb値の測定を行った。結果を表2に示す。なお、b値とは、Lab色表示における黄色−青色座標の値であり、b値が大きい値に観測されるものほど黄色味が強くなっていること、すなわち、ブリードなどによって黄変が生じていることを示す。
Figure 0004566870
表2から、アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合させた、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子であって、分子内に親水性部と疎水性部とを有する櫛型高分子を含むことを特徴とする内部に複数の空孔を有するポリマー粒子である実施例3のポリマー粒子を用いたものは、ブリードが抑制されていることがわかる。また、このような内部に複数の空孔を有するポリマー粒子が含有されてなるポリマー粒子含有樹脂組成物は、黄変などの変色のおそれを抑制させ得るものであることもわかる。
<つや消し塗料の製造と評価:実施例13〜15、比較例6〜8>
(実施例13〜15)
市販アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナール BR−116」)50重量部に対して、溶剤(酢酸エチル、トルエンの1:1混合溶剤)100重量部を加えて混合攪拌しバインダー溶液を作成した。このバインダー溶液に実施例3の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を固形成分(ポリマー粒子とアクリル樹脂)に対する割合が表3の重量%となるよう配合したものを作成した。この配合物を200mL三角フラスコに入れて室温15時間の震盪攪拌を行いつや消し塗料を作成した。
(比較例6〜8)
実施例3の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子に代えて比較例2のポリマー粒子を表3の重量%で用いたこと以外は実施例13〜15と同様につや消し塗料を作成した。
<粘度測定>
各実施例、比較例のつや消し塗料の粘度をB型粘度計(トキメック社製、商品名「B8H型粘度計」)を用いて、約25℃の温度でNo.4ローターを用いて100rpmの回転数で粘度測定を行った。結果を表3に示す。
<つや消し効果:グロス値測定>
各実施例、比較例のつや消し塗料を10g攪拌脱泡装置(株式会社シンキー製、商品名「泡取り練太郎」)に導入し、10分間混合後、1分間の脱泡を行い、クリアランス100μmのブレードを用いた塗工機によりポリエステルフィルム上に塗布し、60℃×3時間の乾燥を行ってつや消し塗膜を作成し試験片とした。
この試験片をJIS Z 8741:1983「鏡面光沢度測定方法」に記載の試験方法における60度鏡面光沢(方法3)を日本電色工業社製、商品名「グロスメーター VGS−300A」を用いて測定した。結果を表3に示す。
<光拡散性評価>
各実施例、比較例のつや消し塗膜試験片の全光線透過率、ヘーズおよびb値の値を光拡散性樹脂成形体の場合(実施例6〜12、比較例3〜5)と同様に測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004566870
表3から、アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合させた、内部に複数の空孔を有するポリマー粒子であって、分子内に親水性部と疎水性部とを有する櫛型高分子を含むことを特徴とする内部に複数の空孔を有するポリマー粒子である実施例3のポリマー粒子を用いたものは、ブリードが抑制されていることがわかる。また、このような内部に複数の空孔を有するポリマー粒子が含有されてなるポリマー粒子含有樹脂組成物は、黄変などの変色のおそれを抑制させ得るものであることもわかる。
一実施形態の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子を示す断面図。

Claims (5)

  1. アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーと界面活性剤とを水中に分散させて、懸濁状態とし、該懸濁状態にてモノマーを重合させる内部に複数の空孔を有する光拡散用のポリマー粒子の製造方法であって、
    前記界面活性剤として、ポリエチレンイミン連鎖に少なくとも2つ以上のポリエステル連鎖がアミド結合された櫛型高分子が用いられていることを特徴とする内部に複数の空孔を有するポリマー粒子の製造方法。
  2. アクリル酸エステル系モノマーおよびメタクリル酸エステル系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーが重合されてなる内部に複数の空孔を有する光拡散用のポリマー粒子であって、
    ポリエチレンイミン連鎖に少なくとも2つ以上のポリエステル連鎖がアミド結合された櫛型高分子を含むことを特徴とする内部に複数の空孔を有するポリマー粒子。
  3. 請求項2に記載の内部に複数の空孔を有するポリマー粒子が含有されてなるポリマー粒子含有樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載のポリマー粒子含有樹脂組成物が用いられてなる光拡散性樹脂成形体。
  5. 請求項3に記載のポリマー粒子含有樹脂組成物が用いられてなる塗料。
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